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JP3597571B2 - 車両用ピラーの内装部品組付構造 - Google Patents

車両用ピラーの内装部品組付構造 Download PDF

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    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/055Padded or energy-absorbing fittings, e.g. seat belt anchors

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  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用ピラーの内装部品組付構造に関する。更詳しく言えば、車両の衝突(特に、側面衝突)の際、乗員(特に、頭部)と内装部品とが直接、衝突することを防止して、乗員を的確に保護できる車両用ピラーの内装部品組付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、センターピラー、フロントピラー、リヤピラー等の車両(自動車等)用のピラー(本体)は、図10に示す様に、車両外側寄りに配置されるピラーアウター21hと、車両内側寄りに配置されるピラーインナー22hとを備えている。そして、このピラーインナー22hの車両内側の面225hを、図11に示す様なピラートリム(ピラーガーニッシュ)3hで被覆することにより、車内の高意匠化(以下、「装飾機能」という。)、感触の向上、外部の音の遮断等を図ることが従来より行われてきた。そして、近年、このピラートリム3hでは、これらの機能の他に、車両の衝突(特に、側面衝突)時に乗員を保護する機能(以下、「緩衝機能」という。)が重要視されている。
【0003】
この種のピラートリム3hには、▲1▼樹脂(ABS、ポリプロピレン等)製の基材のみにより構成されるものの他に、▲2▼図12に示す様に、樹脂製の基材(芯材)31hの表面側に、パッド材(ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等)32hと、表皮材(塩化ビニルシート、ABSシート等)33hと、を積層し、多層構造として、上記緩衝機能、装飾機能等の向上を図ったものも多く用いられいる。
また、この種のピラートリム3hでは、図11に示す様に、その背面側に、スペーサーを兼ねたクリップ311h〜314hの後端側を取着し、これらの先端側を、上記ピラーインナー22hの係止孔221h〜224hに係着して、図13に示す様に、ピラートリム3hをピラーインナー22hより、適宜、離間して、浮かせた状態とし、上記緩衝機能の向上を図ることも行われている。更に、図14に示す様に、ピラーインナー22iに、所定の貫通孔261i、262i等を形成すると共に、この孔261i等を通して、所定の緩衝体ブロック271i、272i等をピラー本体2i内に突出配置して、上記緩衝機能の向上を図ることも行われている(実開平5─19010号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両内部に配置される各種内装部品の中には、図15及び16に示すシートベルトアンカー部5j、5kの様に、ピラートリム3jの意匠面338j上に取着されたり、意匠面338k側で開口する嵌合溝、摺動溝350k等に、下端側を嵌め込む等して取着され、車両内部側に突出した状態となるものが多い。この様な内装部品5j、5k等は、車両の側面衝突等の際に、上記ピラートリム3j、3k等よりも先に乗員(特に、頭部)に衝突し、乗員に大きな衝撃(特に、頭部への局部的な衝撃)を与えるおそれがある。この場合には、ピラートリム(トリム付きピラー)3h〜3k自体が、如何に、緩衝機能に優れていても、乗員の安全を確保することは困難である。
【0005】
また、近年では、車両の衝突の際に、乗員の頭部を、この種の内装部品5j、5k等による衝撃から、保護することが大きな課題となっており、これに関する安全基準〔例えば、FMVSS(米国自動車安全規格)〕も種々、検討されている。
この様な事情より、上記安全基準にも適合し、車両の衝突の際に、乗員を有効に保護できる車両用ピラーの内装部品の組付構造の出現が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記観点に鑑みてなされたものであり、車両の衝突の際、乗員と内装部品とが直接、衝突することを防止して、乗員を的確に保護できる車両用ピラーの内装部品組付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本第1発明の車両用ピラーの内装部品組付構造(以下、「組付構造」という。)は、車両外側寄りに配置されるピラーアウター及び車両内側寄りに配置されるピラーインナーからなるピラー本体と、該ピラーインナーの車両内側で現れる面を略覆いつつ、該ピラー本体に取着されるピラートリムとを備えたトリム付ピラーに、所定の内装部品を組付けた車両用ピラーの内装部品組付構造であって、上記ピラートリムが、その意匠面を上記ピラーインナーから所定距離、離間して取着されていると共に、該意匠面側で開口し、上記ピラーインナーに至り、且つ横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなる略孔状、又はピラーインナーの近傍に至り、且つ横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなる略溝状の内装部品収納部位を有し、上記内装部品の該内装部品収納部位への組付時に、該内装部品が、上記意匠面から突出しないことを特徴とする。
【0008】
以下、本明細書において、上記「内装部品収納部位」を、単に「収納部位」と称することとする。
上記「ピラートリムの意匠面」及び「ピラーインナー」が離間する距離(以下、「離間距離」という。)は、上記収納部位の深さ(車幅方向に沿った深さ)等との関係を考慮して適宜、選択される。即ち、この収納部位が深くなれば、この離間距離を大き目にする必要があり、浅くなれば、この距離を小さめにする必要がある。
【0009】
また、上記「収納部位」の形状、大きさ(特に、深さ)等は、その横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなることを満たす限り、所望の内装部品(シートベルトアンカー、ルームライト等)を的確に、収納できる範囲で選択されることになる。特に、この収納部位が十分な深さを有し、上記内装部品の最も車両内側の箇所が、上記意匠面より、少なくとも10mm、車両外側に位置した状態となることが好ましい。内装部品が、この様な状態で組付けられていれば、車両衝突時に、上記ピラートリムが車幅方向に大きな衝撃力等を受け、少々、大きな変形をしても、同部品が上記意匠面から飛び出すことを、より確実に防止できるからである。
【0010】
更に、この収納部位が上記「ピラーインナーに至る略孔状」になる場合には、内装部品をピラーインナーに、直接、若しくは所定の係止具等を用いて間接に、組付けることを意図している。尚、この場合には、同部位がピラートリムの長手方向、横手方向、若しくは対角線方向に連続し、これにより、ピラートリムを2以上に分割するものであってもよい。
更に、上記「ピラーインナーの近傍に至る略溝状」になる場合には、同部位の底部がピラートリム内に存在し、この底部に内装部品を組付けることを意図している。
また、1のピラートリムに設けられる収納部位の数は、そこに配置される内装部品の数に応じて、種々選択することができる。
【0011】
更に、上記の様に、ピラートリムの意匠面がピラーインナーから離間した状態になっているため、この意匠面及びピラーインナーの間に所定の空間が形成される。その結果、ピラートリム自体が、車両の衝突の際に、適宜、変形して、ある程度の衝撃吸収機能(緩衝機能)を発揮することができる。また、上記ピラートリムの一部分で上記内装部品を略隠蔽することができる。これにより、乗員の頭部が、上記内装部品に衝突することをより確実に回避できる
また、このピラートリムとしては、図1に示す様に、その外形を規定する外殻部(材)3が、概ね、上記意匠面338側のみに存在し、この外殻部3とピラーインナ22との間に空間Kを形成するものを例示できる。更に、図7に示す様に、外殻部(材)3eがピラートリムの意匠面338e側の他に、ピラーインナー側339eにも存在し、この外殻部3eにより囲まれた部分が中空の空間Kとなるもの(即ち、ピラートリムが略中空体となるもの)を例示することもできる。
【0012】
更に、本第2発明にも示す様に、この空間に、所定の衝撃吸収構造を配置することが本発明の目的をより有効に達成する上で好ましい。
この「衝撃吸収構造」の材質、形態等は、車両の衝突の際に、車幅方向からの衝撃力等によって生ずるエネルギー(衝突エネルギー)を、的確に吸収できるものである限り特に問わない。例えば、同第2発明に示す様に、▲1▼樹脂発泡体(ウレタン発泡体、ポリプロピレン発泡体、その他のオレフィン系発泡体、スチレン系発泡体、発泡ビース等)、▲2▼中空体、▲3▼リブ構造体、若しくは▲4▼リブ構造部等で構成されるもの等を例示することができる。このうち、上記▲1▼は、上記衝突エネルギーを、主として樹脂発泡体の圧縮変形により吸収するものである。また、▲2▼は、このエネルギーを主として中空体の圧縮変形により吸収するものであり、▲3▼及び▲4▼は、リブ構造体(若しくはリブ構造部)の座屈変形により吸収するものである。
【0013】
また、上記▲3▼のリブ構造体(上記▲4▼のリブ構造部)として、図4に示す様に、車幅方向に向かう各リブ片部322a〜322aを適宜、交叉状態にして構成される格子状の主体部(衝撃吸収を主に行う部分)を備えたものを例示できる。尚、この様な主体部は、一体型のものであっても、個々に作製した各リブ片(部)322a〜322aを組み合わせて構成されるものでもよい。また、複数のリブ片(部)をピラートリムの長手方向、横手方向、対角線方向等に略平行に配置し、各リブ片(部)が互いに交叉しない場合でもよい。尚、各リブ片(部)の配置間隔、厚み、縦横比は、各リブ片(部)の曲げ剛性、端縁側の支持状態等を考慮に入れつつ、本発明の目的を有効に達成できる範囲で、選択するのが好ましい。
【0014】
また、上記「衝撃吸収構造」は、ピラートリムと別体の部材(以下、「衝撃吸収部材」という。)で構成されても、ピラートリムと一体の部分(以下、「衝撃吸収部」という。)で構成されてもよい。例えば、(a)外殻部(材)を構成する表皮材(例えば、ポリプロピレン、ABS製のシート状物等)の裏面側に、これと別体の衝撃吸収部材を配置することもでき、また、(b)外殻部(表皮部)及び衝撃吸収部を一体成形することもできる。尚、上記▲3▼の「リブ構造体」は、この衝撃吸収部材の一態様であり、上記▲4▼の「リブ構造部」は、この衝撃吸収部の一態様である。
【0015】
また、上記衝撃吸収体若しくは衝撃吸収部の下方側(車両外側)に更に、所定の基材(ABS、ポリプロピレン製等)等の他部材を配置してもよい。更に、上記▲1▼に示す様に、樹脂発泡体が衝撃吸収部となる場合には、上記の様な表皮材を用いずに、この吸収部の表面(車両内側面)に、所定の塗料膜(例えば、モールドコート法により構成される塗料膜)を形成して、これをピラートリムの意匠面とすることもできる。
【0016】
尚、上記「離間距離」の大きさ、これに応じて規定される「衝撃吸収構造」の厚み(車幅方向に沿った厚み)は、全体を通じて一定である必要はなく、ピラーインナーの外形に併せて変化させることができる。但し、少なくとも上記収納部位の周辺部では、本発明の目的(衝撃の吸収等)を有効に達成できる程度の十分な距離、若しくは厚みを備えることが必要(例えば、20mm以上)となる。その反面、あまり大きくする(例えば、50mm以上)と、ピラートリムが車内側に大きく突き出して、車内空間を狭くすることになる。
【0017】
更に、本第4発明に示す様に、上記内装部品が、車両内側に現れる面の裏面側に、衝撃緩衝構造を備えてもよい。
本発明では、上記ピラートリムに配置される衝撃吸収構造に加え、内装部品にも、衝撃緩衝構造が配置されるため、上記各発明の目的を、より一層、確実に達成できる。
また、この衝撃緩衝構造としては、本第5発明に示す様に、上記衝撃吸収構造と同様の樹脂発泡体、リブ構造体、リブ構造部等で構成されるもの等を例示することができる。
また、本第6発明に示す様に、内装部品そのものに衝撃緩衝機能を発揮させるため、同部品自体を中空体としたものも例示できる。
【0018】
【作用】
本第1発明の組付構造は、所定のピラー本体と、これに取着されるピラートリムと、を備えたトリム付ピラーに、所定の内装部品を組付けたものである。
このピラートリムは、その意匠面をピラーインナーより離間させている。そして、意匠面側で開口し、ピラーインナーに至る略孔状、若しくはピラーインナーの近傍に至る略溝状であり、且つ横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなる収納部位を有し、この部位に、所望の内装部品を、同意匠面から突出しない状態で組付けるものである。
【0019】
この様に、内装部品が、ピラートリムの内部に収納(埋没)された状態となっている。従って、車両衝突時等の組付構造と乗員とが衝突する際、内装部品よりも先に、ピラートリム(の意匠面)が乗員と衝突する。このため、車両衝突の際に、内装部品が直接、乗員に衝突して、乗員に大きな衝撃を与えることを回避できる。
【0020】
また、上記の様に、ピラートリムの意匠面がピラーインナーより離間しているため、車両衝突の際に生ずる衝突エネルギーを、ピラートリム自体が適宜、変形(圧縮変形等)しながら、ある程度、吸収する。この結果、乗員とピラートリムとが衝突する際に、乗員に加わる衝撃(内装部品と乗員とが直接衝突する場合に比べ、遙に小さな衝撃である。)は和らげられ、乗員をより的確に保護できる。また、仮に、ピラートリムの意匠面に続き、内装部品が乗員に衝突しても(上記衝突の際より、遅れて衝突しても)、この様に衝突エネルギーが吸収されているため、乗員に大きな衝撃を与えない。更に、上記収納部位は、横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなることから、乗員の頭部が、上記内装部品に衝突することをより確実に回避できる
【0021】
本第2発明では、これに加えて、ピラートリムの意匠面及びピラーインナー間に設けられる空間内に、エネルギー吸収作用を発揮する衝撃吸収部材若しくは衝撃吸収部が配置されている。
従って、上記衝撃吸収部材、若しくは、衝撃吸収部も、適宜、変形(圧縮変形、座屈変形)して、この衝突エネルギーを吸収する。従って、車両衝突時における乗員の保護をより一層確実に図ることができる。
【0022】
本第4発明では、上記内装部品の車両内側に現れる面の裏面側に、衝撃緩衝構造を備えている。
本発明では、内装部品の車両内側に現れる面の裏面側にも、上記衝撃吸構造と同様な作用を発揮する衝撃緩衝構造を備えるため、上記第1発明の目的をより、確実に達成できる。即ち、上記「内装部品の意匠面に続く衝突」がある場合に、乗員に加わる衝撃(従来の直接衝突する場合に比べ、遙に小さな衝撃である。)を和らげられためである。
また、本第6発明では、同部品自体を中空体としている。従って、内装部品そのものが衝撃緩衝機能を有し、本第4発明と同様の作用を発揮する。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。
(1)実施例1
本実施例の組付構造は、図1に示す様なトリム付きピラーAに、シートベルトアンカー部5を組付けたものである。また、このトリム付きピラーAは、ピラー本体2に、リブ構造体32を内部に配置したピラートリム3を取着したものである。
【0024】
上記ピラー本体(鋼板製)2は、自動車のセンターピラーとして用いられるものであり、自動車の外側寄りに配置されるピラーアウター21と、自動車の内側寄りに配置されるピラーインナー22と、からなり、これらの各長手方向に向かう端縁側同志を衝合させて中空の柱状体としたものである。
また、このピラーインナー22は、図1及び10に示す様に、略中央寄りに設けられた長孔状のシートベルトアンカー部取付け孔(以下、「取付け孔」という。)228を備えている。更に、図10に示す様に、四隅側には、ピラートリム係着孔221〜224を備えている。
【0025】
また、図2に示す様に、このピラーインナー22の裏面側には、上記取付け孔228を挟んで、上下方向(同孔228の長手方向)に、略L字状(略逆L字状)の縦断面を備えた一対のガイド部材231、232が取着されている。そして、このガイド部材231、232間に、摺動可能な状態で、シートベルトアンカー部取付け板(以下、「取付け板」という。)24が配置されている。この取付け板24は、略矩形状の平面形状を有し、略中央寄りで、上記取付け孔228に対応する位置に、貫通孔(壁面に螺子溝が設けられている。)241を備えている。
【0026】
上記ピラートリム(ポリプロピレン製、若しくはABS製)3は、図1及び3に示す様に、意匠面338の裏面側に、上記ピラーインナー22側で開口する空間Kを備えたものである。そして、この空間Kには、リブ構造体(ポリプロピレン製)32が嵌め込まれている。このリブ構造体32の嵌め込まれたピラートリム3(以下、「リブ付きトリム3B」という。)は、図3に示す様に、全体を通じて、やや厚手になっており(従来のピラートリムに比べて、約2〜3倍の厚み)、中央寄りの厚みが、約30mmとなっている。
【0027】
また、このピラートリム3の略中央寄りには、図1及び3に示す様に、上記取付け孔228に対応した長孔状で、且つ、意匠面338で開口し、上記ピラーインナー22の側に至るシートベルトアンカー部収納孔(以下、「収納孔」という。)36が設けられている。
更に、ピラートリム3の背面側には、所定のクリップ(図示しないが、図13の311h〜314hと同様のもの)の後端側が取着されており、更に、両側方側の端部には、略ワニ口形状の挟着具371、372が配置されている。尚、本実施では、この挟着具371、372の挟着面には、ズレ防止等を目的とした突起381、382が設けられている。但し、この様な突起部381等は必ずしも設ける必要はなく、また、本ピラートリム3には、必ずしも、上記クリップ及び挟着具371、372の双方を配置する必要はなく、いずれか一方のみを配置してもよい。
【0028】
上記リブ構造体32は、図1及び4に示す様に、上記ピラーインナー22の外周面に略対応した外形の基底部(平均厚み;1mm)321と、その上面側より車幅方向に向かって立設する主体部322と、からなる一体品である。但し、上記収納孔36に対応する箇所には、基底部321及び主体部322は存在せず、同孔36の上記意匠面338より、上記ピラーインナー22の側に至る連通状態が確保されている。
また、上記主体部322は、図4に示す様に、各リブ片部(平均厚み;1mm)322a〜322a等が適宜、交叉状態となった格子形状のものである。尚、この主体部322は、一体成形して構成されているが、多数の板状のリブ片を適宜、組み合わせて同様な格子形状を構成することもできる。
【0029】
尚、本実施例は、ピラートリム3及びリブ構造体32を別個に作製した後に、これらを組み合わせた。但し、図5に示す様に、ピラートリム(外殻部)3c及びリブ構造部32cを一体的に作製することもできる(射出成形法等を用いる。)。また、衝撃吸収部材として、図6に示す様な中空体36dを用いることもできる。更に、図7に示す様に、ピラートリム3e自体を中空体とすることもできる(ブロー成形法等を用いる。)。
そして、上記リブ付きトリム3B(ピラートリム3)の上記ピラー本体2への取着は、上記クリップの先端側を、上記ピラーインナー22の係着孔221〜224に係着する(図示しないが、図13と略同様に行う。)と共に、上記挟着具371等で、上記ピラートリム本体2の両側を鋏み込んで行われる。このとき、上記意匠面は、リブ付きトリム3Bの厚みに応じて、上記ピラーインナー22より離間した状態になる。
【0030】
一方、上記シートベルトアンカー部5は、図2に示す様に、係止用アンカープレート51と、取り付けボルト52と、該ボルト52の頭部を覆う衝撃緩衝部材53と、を備えている。
上記係止用アンカープレート(ABS製)51は、略板状の外形形状を有しており、その中央寄りには、貫通孔(壁面に螺子溝が設けられている。)511が設けられいる。また、このプレート51には、所定のリング状の連結部材(例えば、図17の符号Rで示されるもの等)を介して、若しくは直接に、所定のシートベルトの肩ウェビング(図示しない。)が連結される。
【0031】
また、衝撃緩衝部材53は、図8(a)に示す様に、底面部を構成する樹脂製(ポリプロピレン製)の基材531と、上面部及び側面部を構成する樹脂製(ポリプロピレン製、若しくはABS製)の表皮材532と、内部において車幅方向に向かい配置されたリブ片部533と、からなる。
上記基材531の略中央寄りには、貫通孔531aが設けられており、この孔531aに、上記取り付けボルト52を、先端側より挿入し、その螺子部521を同基材531の裏面に配置している。また、このボルト52の頭部522及び基材531の上面間には、所定のワッシャー54が配置されている。
【0032】
上記リブ片部(平均厚み;1mm)533は、上記ピラートリム3のリブ片部322a等と略同様なものであり、このリブ片部533が交叉状態となりながら、略格子形状となっている。但し、この様なリブ片の代わりに、図8(b)に示す様な樹脂発泡体(ポリウレタン発泡体等)57を取付けることもできる。また、同図(c)に示す様に、取り付けボルト52をインサーしながらブロー成形により作製した中空体とすることもできる。
そして、図2に示す様に、上記ボルト52の螺子部521の先端側より、上記係止用アンカープレートの貫通孔511を通過させて、上記シートベルトアンカー部5が構成されることになる。
【0033】
更に、このシートベルトアンカー部5の組付けは、図2に示す様に、上記ボルト52の螺子部521を、その先端側より、上記取付け孔228、上記取付け板24の貫通孔241の順に、通過させて行われる。その際、▲1▼予め、上記ピラー本体2に、上記リブ付きトリム3B(ピラートリム3)を取着したトリム付きピラーAへ、このアンカー部5の組付けてもよいし、▲2▼上記ピラー本体2に、このアンカー部5を組付けた後に、同ピラー本体2に、リブ付きピラートリム3B(ピラートリム3)を取着してもよい。
そして、この組付構造では、このアンカー部5の上面側と、上記ピラートリム3の意匠面338との間隔が約15mmになっている。但し、この間隔は、本実施例に示すものに限らない。
【0034】
以上の様に構成される組付構造では、上記シートベルトアンカー部5が、トリム付きピラーAの内部に収納された状態になっているため、車両衝突の際、先ず、ピラートリム3の意匠面338が、乗員(特に、頭部)と衝突する。従って、車両衝突の際に、アンカー部5が乗員に直接衝突し、乗員に大きな衝撃を与えることを的確に回避できる。
【0035】
これ加え、衝突の際に生ずる衝突エネルギーを、ピラートリム3及びリブ構造体32(リブ片部322a〜322a等)が、適宜、変形することにより吸収する。従って、乗員と上記意匠面338と衝突することにより、乗員に加わる衝撃は和らげられ、乗員の保護を一層、確実に図ることができる。また、仮に、上記意匠面338に続き、上記アンカー部5が、乗員に衝突しても、乗員に大きな衝撃を与えない。
また、本実施例では上記アンカー部5にも、エネルギー吸収構造を備えた衝撃緩衝部材53が配置されている為、乗員の保護の万全を期することができる。
【0036】
(2)実施例2
本実施例の組付構造は、図9に示す様なものであり、▲1▼ピラートリム3gを中空体とし、その中空の空間Kに、樹脂発泡体(硬質ウレタン、発泡ビース等)37gを充填配置したこと、▲2▼ピラートリム3gに設けられる収納孔36gの横断面積を、意匠面338gに向かうに従って、小さくした(意匠面338gに向かって、序々に狭くなる。)こと、以外は実施例1と同様である。
本実施例の組付構造においても、車幅方向突入力等が加わった場合に、先ず、ピラートリム3gの意匠面338gが乗員(特に、頭部)に衝突するため、乗員に大きな衝撃を与えない。その際、組付構造に加わる衝突エネルギーを、上記樹脂発泡体37gが、適宜、圧縮変形することにより吸収するため、乗員をより、確実に保護することができる。
【0037】
これ加えて、本組付構造では、収納孔36gが、意匠面338g側で狭くなっているため、乗員の頭部等が同孔36gの開口部361g付近に衝突すれば、上記樹脂発泡体37gの開口部361g寄りの部分371g、372gが、同孔36aの内部に、入り込んだ状態になり易い。そして、シートベルトアンカー部5gの上面側を、この入り込んだ部分371g、372gにより、略隠蔽することができる。この結果、乗員の頭部が、上記アンカー部5gに衝突することをより確実に回避できる。従って、本組付構造では、より一層確実に、乗員の保護を図ることができる。また、この様に、樹脂発泡体37gの一部分371g、372gでアンカー部5gを隠蔽できるため、上記各実施例に示す様な「衝撃緩衝部材53、53g」を敢えて配置しなくても、本発明の目的を確実に達成できる。
【0038】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、各本実施例及び各変形例においては、衝撃吸収部材32等を備える組付構造について述べたが、この様な衝撃吸収部材32等を備えていなくても、本第1発明の目的を達成することができる。また、上記各実施例等では、センターピラー(トリム付きピラー)に、シートベルトアンカー部を組付ける場合について述べたが、同ピラーに、他の内装部品(例えば、ルームライト等)を組付ける場合にも適用できる。また、センターピラー以外の他のピラー(フロントピラー、リヤピラー等)に、所定の内装部品を組付ける場合にも適用できる。更に、上記衝撃吸収部材及び衝撃緩衝部材の材質・構造等も上記各実施例に示すものに限らない。
また、本組付構造は、パッケージトレイ、ラゲージ、デッキ等、車両の他の構成部材に、各種内装部品を組付ける場合にも、応用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の様に、本組付構造によれば、車両の衝突(特に、側面衝突)の際、乗員(特に、頭部)に、内装部品が、直接、衝突することを防止することができる。従って、乗員の保護を効果的に図ることができる。
また、上記衝撃吸収部材等を備える場合には、この乗員の保護をより的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の組付構造の縦断面図である。
【図2】実施例1のシートベルトアンカー部の取着状態を説明するための一部縦断面図である。
【図3】実施例1の組付構造を構成するピラーインナーの斜視図である。
【図4】実施例1のリブ構造体の一部斜視図である。
【図5】実施例1の変形例に係わる組付構造の縦断面図である。
【図6】実施例1の変形例に係わる組付構造の縦断面図である。
【図7】実施例1の変形例に係わる組付構造の縦断面図である。
【図8】実施例1の組付構造を構成するシートベルトアンカー部の縦断面図である。
【図9】実施例2の組付構造の縦断面図である。
【図10】実施例及び従来例の組付構造を構成するピラー本体の斜視図である。
【図11】従来例の組付構造を構成するピラートリムの斜視図である。
【図12】従来例の組付構造を構成するピラトリムの一部縦断面図である。
【図13】従来例の組付構造の縦断面図である。
【図14】従来例の組付構造の縦断面図である。
【図15】従来例の組付構造の縦断面図である。
【図16】従来例の組付構造の斜視図である。
【符号の説明】
A;トリム付きピラー、2;ピラー本体、21;ピラーアウター、22;ピラーインナー、3B;リブ付きトリム、3;ピラートリム(外殻部)、32;リブ構造体、322a〜322a;リブ片部、36;シートベルトアンカー部収納孔(内装部品収納部位)5;シートベルトアンカー部、53;衝撃緩衝部材、37g;樹脂発泡体、K〜K;空間。

Claims (6)

  1. 車両外側寄りに配置されるピラーアウター及び車両内側寄りに配置されるピラーインナーからなるピラー本体と、該ピラーインナーの車両内側で現れる面を略覆いつつ、該ピラー本体に取着されるピラートリムとを備えたトリム付ピラーに、所定の内装部品を組付けた車両用ピラーの内装部品組付構造であって、
    上記ピラートリムが、その意匠面を上記ピラーインナーから所定距離、離間して取着されていると共に、該意匠面側で開口し、上記ピラーインナーに至り、且つ横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなる略孔状、又はピラーインナーの近傍に至り、且つ横断面積が該意匠面に向かうに従って小さくなる略溝状の内装部品収納部位を有し、
    上記内装部品の該内装部品収納部位への組付時に、該内装部品が、上記意匠面から突出しないことを特徴とする車両用ピラーの内装部品組付構造。
  2. 上記ピラートリムの意匠面を上記ピラーインナーから離間して設けられた空間には、衝撃吸収構造として樹脂発泡体、中空体、車幅方向に沿って配置されるリブ構造体、若しくは上記ピラートリムの外殻部の裏面の所定の箇所より車幅方向に沿って突出するリブ構造部を配置した請求項1記載の車両用ピラーの内装部品組付構造。
  3. 上記ピラートリムの一部分が上記内装部品を略隠蔽する請求項1又は2記載の車両用ピラーの内装部品組付構造。
  4. 上記内装部品が、車両内側に現れる面の裏面側に所定の衝撃緩衝構造を備える請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用ピラーの内装部品組付構造。
  5. 上記衝撃緩衝構造が、樹脂発泡体、車幅方向に沿って配置されるリブ構造体、又は上記車両内側に現れる面の裏面より車幅方向に沿って突出するリブ構造部により構成される請求項4記載の車両用ピラーの内装部品組付構造。
  6. 上記内装部材が中空体である請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用ピラーの内装部品組付構造。
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