JP3593678B2 - 印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、名刺,ハガキ等の被印刷物をインクリボンにより印刷する際に用いて好適な印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、名刺やハガキ等の比較的小型サイズの被印刷物の印刷を行う印刷装置は、例えば、特開平2−206573号公報等で知られている。
【0003】
この種の印刷装置は、通常、コンピュータに接続され、印刷に係わる印字データは、コンピュータから印刷装置に転送されるとともに、コンピュータのプリンタドライバにより印刷装置が制御されることにより印刷が行われる。また、印刷装置では、給紙機構から被印刷物が順次送り出されるとともに、送り出された被印刷物は前段搬送機構により印字機構まで搬送され、サーマルヘッドとインクリボンを用いた熱転写方式により印刷される。そして、印刷された被印刷物は後段搬送機構により搬送され、排紙トレイ上に排出される。
【0004】
ところで、この種の印刷装置では、印刷領域以外でのインクリボンの消費をできるだけ抑え、無駄となるインクリボンの発生を回避する必要がある。このため、被印刷物が印字機構まで搬送され、当該被印刷物がプラテンローラ上に載ったなら、リリース位置にある印字ヘッド及びインクリボンを含む印字部をセット位置へ変位させることにより搬送される被印刷物に圧接させ、印字データに基づく印字信号を印字ヘッドに供給して印字を行うとともに、印刷領域が終了したなら前記印字部を前記被印刷物から速やかにリリースさせ、インクリボンの送り動作を停止させている。この場合、被印刷物に対する正確な印字位置を確保するため、搬送される被印刷物の先端位置をプラテンローラの手前でレジストセンサにより検出し、この検出時点から一定時間経過後に印字部をセット位置まで変位させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の印刷装置による印刷方法では、図6(a)に示すように、印刷画像Vrが被印刷物Pの搬送方向前側に位置する場合と、図6(b)に示すように、印刷画像Vrが被印刷物Pの搬送方向後側に位置する場合とでは、インクリボンの消費量が大きく異なる問題があった。
【0006】
即ち、図6(a)の場合には、印字部を印字開始位置Xsrで被印刷物Pに圧接させた後、印刷領域が終了した印字終了位置Xfrでリリースするとともに、図6(b)の場合には、印字部を印字開始位置Xsrで被印刷物Pに圧接させた後、印刷領域が終了した印字終了位置Xrrでリリースするため、インクリボンの使用長は、図6(a)の場合にLfrとなり、図6(b)の場合にLrrとなる。この結果、図6(b)の場合は、図6(a)の場合に比べ、インクリボンの使用長がLsr=Lrr−Lfrだけ多くなり、無駄な使用長Lsrが生じてしまう問題があった。なお、図6中、Fは被印刷物Pの搬送方向を示す。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、インクリボンの無駄を排して資源節減及びランニングコスト削減を図れるとともに、追加部品を必要とすることなく制御手法の改良により容易に実現することができる印刷方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明は、搬送される被印刷物Pがプラテンローラ47上に載ったならインクリボン3及び印字ヘッド4を含む印字部2を被印刷物Pに対して圧接させ、印字データDに基づく印字信号を印字ヘッド4に供給して印字を行うとともに、印字が終了したなら被印刷物Pから印字部2をリリースせる印刷方法において、印字データDから、当該印字データDによる被印刷物Pに対する印字画像Vの位置を求め、当該位置が被印刷物Pの搬送方向後側にあるときは、前後方向を反転させた印字データDnにより印字を行うようにしたことを特徴とする。
【0009】
この場合、好適な実施の態様により、印刷装置MとコンピュータCを接続し、このコンピュータCから印刷に係わる印字データDを印刷装置Mに転送して印刷を行う印刷システム1におけるコンピュータCに備えるプリンタドライバ5により印字画像Vの位置を求め、当該位置が被印刷物Pの搬送方向後側にあるときは、プリンタドライバ5により印字データDを前後方向に反転させて印刷装置Mに転送することができる。印刷装置Mとしては、名刺,ハガキ及び封筒を含む特定の被印刷物Pに対して印刷を行う専用の印刷装置Mに用いて好適である。
【0010】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
まず、本実施例に係る印刷方法を実施できる印刷システム1の全体構成について、図3〜図5を参照して説明する。
【0012】
図3に示すように、印刷システム1は、接続ケーブル11を介して接続した印刷装置MとコンピュータCを備える。コンピュータCは、汎用パーソナルコンピュータを使用でき、要部を構成するCPU等を含む処理部12、ハードディスク,ROM,RAM等を含むメモリ13、プリンタドライバ5、双方向パラレルポート14等を備え、各部はバスライン15により接続される。この場合、メモリ13には各種のデータベースBが登録されている。また、コンピュータCには、プリンタドライバ5を機能させるソフトウェアをインストールする。これにより、本実施例に係る印刷方法を実行できる。
【0013】
一方、印刷装置Mは、図3に示す制御系構成部分を備える。制御系構成部分は、処理部21、メモリ22、双方向パラレルポート23等を備え、各部はバスライン24により接続される。なお、上述した接続ケーブル11によりコンピュータC側の双方向パラレルポート14と印刷装置M側の双方向パラレルポート23が接続される。これにより、コンピュータCから印字データを印刷装置Mに転送するとともに、コンピュータCのプリンタドライバ5により印刷装置Mを制御して印刷を行う印刷システム1が構成される。
【0014】
印刷装置Mは、図4に示す機械系構成部分を備え、名刺,ハガキ及び封筒を含む特定の被印刷物P(図4)に対して印刷を行う専用の印刷装置Mとして構成する。同図中、Mmは、装置本体であり、この装置本体Mmは、装置本体下部Mmdと、この装置本体下部Mmdに対して後部のヒンジ部31を支点に上下に開閉する装置本体上部Mmuを備える。図4に示す装置本体Mmの右側が前面部Mfとなり、この前面部Mfに給紙機構32を配設する。そして、この給紙機構32の上端側から装置本体Mmの後部Mrに向かって、前段搬送機構33,印字機構34,後段搬送機構35及び排紙トレイ機構36を順次配設する。25は制御ユニットであり、前述した処理部21,メモリ22等を備える。また、26は操作パネルを示す。
【0015】
給紙機構32は、多数の被印刷物Pをセットする給紙ガイド機構37と、この給紙ガイド機構37にセットされた多数の被印刷物Pから一枚ずつ被印刷物Pを送り出す給紙ローラ機構38を備える。給紙ガイド機構37は、給紙エレベータ機構39により上昇し、かつマニュアル操作により下降させることができる給紙トレイ40を備え、この給紙トレイ40上に多数の被印刷物Pが積み重ねられてセットされる。セットできる被印刷物Pは、横置きした名刺Pa,縦置きしたハガキPb,縦置きした封筒Pcである。この場合、被印刷物Pの最上面位置Puは、不図示のセンサにより検出され、給紙エレベータ機構39が駆動制御されることにより、常に、一定範囲の高さに維持される。一方、給紙ローラ機構38は、セットされた被印刷物Pの最上面に当接し、被印刷物Pを搬送方向前方へ送り出すピックアップローラ41,このピックアップローラ41の搬送方向前方に配したフィードローラ42,このフィードローラ42の下方に配したリタードローラ43を備え、このフィードローラ42とリタードローラ43により、被印刷物Pが分離されて一枚ずつ前方に送り出される。
【0016】
前段搬送機構33は、テイクアウェイローラ機構44,プリレジストローラ機構45及びレジストローラ機構46を順次水平方向に配設して構成し、給紙ローラ機構38から送り出された被印刷物Pを印字機構34まで搬送する機能を有する。
【0017】
印字機構34は、搬送される被印刷物Pの上側にプラテンローラ47を配設するとともに、被印刷物Pの下側にインクリボン3及びサーマルヘッドを用いた印字ヘッド4を配して構成し、熱転写方式により印字する機能を有する。このインクリボン3と印字ヘッド4は印字部2(図5)を構成する。印字機構34の具体的構成を図5に示す。61は、給紙ローラ機構38の下方に配設した水平方向の支持シャフトであり、この支持シャフト61に、カセット装填フレーム62の一端部をベアリングを介して回動自在に取付ける。カセット装填フレーム62は、インクリボン用カセット63を装填するカセット装填部64を有する。
【0018】
一方、カセット装填フレーム62の他端部の下方には、昇降駆動部65を配設する。昇降駆動部65は、ステッピングモータを用いたリリースモータ66と、偏心カム67と、リリースモータ66の回転を偏心カム67の軸部68に伝達する回転伝達ギア機構部69と、偏心カム67が係合するカセット装填フレーム62の下面に固定した従動部70を備える。従動部70は一定の間隔を空けて配した下面にV面を有する上係合部と上面にV面を有する下係合部を備え、この上係合部と下係合部間に偏心カム67が配される。これにより、リリースモータ66を駆動制御すれば、偏心カム67が回転し、カセット装填フレーム62の他端部側は偏心カム67の回転角度に応じて昇降変位する。
【0019】
また、71は、側面視をU形に形成したヘッド支持機構であり、一端部を、ベアリングを介して支持シャフト61に回動自在に取付けるとともに、他端部側は、カセット装填フレーム62の下方を経由して上方に至らせる。そして、ヘッド支持機構71の他端部上端により印字ヘッド4を支持する。なお、ヘッド支持機構71は印字ヘッド4に対する位置決め機能も備えている。印字ヘッド4は名刺やハガキ等の厚手或いは硬い被印刷物Pに対する印字を行うため、C端面タイプのサーマルヘッドを用いることにより、このような被印刷物Pに対しても確実に印字できるようにしている。また、C端面タイプのサーマルヘッドを用いた場合には、被印刷物Pにカールを生じやすいため、プラテンローラ47に、ゴム硬度が80度以上のゴムローラを使用することによりカールを防止している。さらに、このような印字機構34では被印刷物Pの搬送が不安定になりやすいが、レジストローラ機構46と後述する第一トランスローラ機構50の間隔を、印刷する最小サイズの被印刷物の搬送方向における寸法よりも短く設定することにより、印字中の被印刷物Pにおける前後の二個所が常にニップされるようにし、印字機構34における搬送の不安定化による印字品質への悪影響を回避している。なお、印字ヘッド4はプラテンローラ47の直下に位置する。
【0020】
以上の構成により、支持シャフト61,この支持シャフト61に支持され、かつ他端部に従動部70を設けたカセット装填フレーム62及び印字ヘッド4を支持するヘッド支持機構71は、印字部2(インクリボン3及び印字ヘッド4)を一緒に変位させる伝達機構部72を構成し、この伝達機構部72は、昇降駆動部65による従動部70の昇降変位を、印字部2に伝達することにより、プラテンローラ47上の被印刷物Pに対する印字部2の圧接及び圧接解除を行うリリース機構となる。また、前段搬送機構33には、搬送される被印刷物Pの前端を検出するレジストセンサ73を接続し、このレジストセンサ73の検出結果は、前述した処理部21,メモリ22等を含む制御部74(制御ユニット25に内蔵)に付与される。
【0021】
他方、図4に示す後段搬送機構35は、第一トランスローラ機構50,第二トランスローラ機構51,第三トランスローラ機構52,第四トランスローラ機構53,第五トランスローラ機構54及び第六トランスローラ機構55を順次配設して構成し、印字機構34により印字された被印刷物Pを、排紙トレイ機構36まで搬送する機能を有する。この場合、各ローラ機構50〜55により形成される搬送路Tは横U形となり、印字機構34から送り出された被印刷物Pは、Uターン状に搬送される。即ち、被印刷物Pは上方に向かって搬送された後、手前に送られて排出される。なお、各ローラ機構50〜55の間隔は、搬送する被印刷物Pの最小サイズよりも短い間隔に設定される。これにより、厚手の名刺やハガキ等の被印刷物Pも円滑かつ安定に搬送できる。
【0022】
排紙トレイ機構36は、排紙トレイ56を有し、この排紙トレイ56は、後段搬送機構35の内側(排出側下方)に囲まれるように配される。これにより、排紙トレイ56は装置本体上部Mmuの上面部Muに配されるとともに、被印刷物Pは後段搬送機構35から手前に排出されるため、印刷面が上を向いた状態で排紙トレイ56上に順次積み重ねられる。また、排紙トレイ56は、後端が弾性支持機構57により支持される。これにより、排紙トレイ56に収容される被印刷物Pの枚数が多くなるに従って排紙トレイ56は下降変位する。
【0023】
次に、本実施例に係る印刷方法を含む印刷システム1における要部の動作(機能)について説明する。なお、コンピュータCには、予め、プリンタドライバ5を機能させるソフトウェアがインストールされている。
【0024】
まず、コンピュータCのアプリケーションを起動し、印刷する画面を開く。これにより、例えば、名刺を印刷する場合には、名刺の原稿がディスプレイに表示される。次いで、プリンタ設定画面を開き、印刷する被印刷物Pである名刺を選択する。この場合、被印刷物Pとして、名刺,ハガキ又は封筒を選択できるとともに、セッティング方向及び種別を選択できる。名刺の場合には、セッティング方向として、横置と縦置を選択できるとともに、種別として、大きさや紙種等を選択でき、さらに、厚口,中口又は薄口を選択できる。そして、選択した所定の被印刷物Pに対して、サイズ,印刷方向,印刷部数,サイドレジスト,トップレジスト,印刷濃度を設定することができる。
【0025】
一方、プリンタドライバ5では、本実施例に係る印刷方法に基づく印字データに対する処理が行われる。以下、図1に示すフローチャートに従って本実施例に係る印刷方法について説明する。
【0026】
まず、被印刷物Pに対する1頁分の印字データDがプリンタドライバ5のメモリに展開される(ステップS1)。この印字データDは、データベースBから読み出してもよいしコンピュータCのキーボード等から入力してもよい。プリンタドライバ5では展開された印字データDに対する画像処理により、印字データDを構成する画像データ(画像部分のみのデータ)Dvが最初に出てくるライン数と最後に出てくるライン数を検出する(ステップS2)。そして、この検出結果に基づいて、印字データDの印字位置、具体的には、被印刷物Pにおける画像データDvによる印刷画像の位置を求め、この位置が被印刷物Pの搬送方向前側にあるか後側にあるかを判断する(ステップS3)。この場合、全ライン数は既知であるため、画像データDvが最初に出てくるライン数と最後に出てくるライン数に基づいて印刷画像の位置を知ることができる。
【0027】
一方、コンピュータCの画面上で「スタート」をクリックすれば、データの転送が行われる。この場合、図2(a)に示すように、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向前側となる印字データDの場合には、当該印字データDをそのまま印刷装置Mに転送する(ステップS4)。これにより、印刷装置Mでは印字データDを最初のラインから印字されることになる(ステップS5)。これに対して、図2(b)に示すように、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向後側となる印字データDの場合には、印字データDの前後方向を反転させ、この反転させた印字データDnを印刷装置Mに転送する(ステップS6)。これにより、印刷装置Mでは印字データDを最後のラインから印字されることになる(ステップS7)。なお、図2中、Fは被印刷物Pの搬送方向を示す。また、コンピュータC(プリンタドライバ5)からは、さらに印刷濃度データ及び各種印刷モードの設定情報も印刷装置Mに転送される。
【0028】
他方、印刷装置Mでは、転送された印字データD(印字データDn)がメモリ22に展開され、印刷が行われる。印刷装置Mにおける印刷時の動作は次のようになる。
【0029】
今、前段搬送機構33から被印刷物Pが搬送されれば、レジストセンサ73により被印刷物Pの前端が検出される。そして、予め設定した設定時間Tsが経過したなら、制御部74はリリースモータ66を起動させる。これにより、偏心カム67が回転し、従動部70を上方へ変位させてカセット装填フレーム62を上昇させる。なお、電源投入時には、カセット装填フレーム62は図5に実線で示す下降位置にあり、印字部2を構成するインクリボン3(カセット63)と印字ヘッド4は共に下降し、プラテンローラ47から離間したリリース位置ある。この場合、設定時間Tsは、搬送される被印刷物Pの前端が、プラテンローラ47に対する印字部2(インクリボン3及び印字ヘッド4)の圧接位置よりも所定距離だけ搬送方向前方に位置する距離を考慮して設定する。これにより、カセット装填フレーム62を上昇させた際に、インクリボン3は常に被印刷物Pの下面に圧接することになり、特に厚手の被印刷物Pを使用した場合であっても、インクリボン3に被印刷物Pの前端が衝突して汚れる不具合が回避される。
【0030】
そして、被印刷物Pに対して印字部2による印字が行われる。他方、印字(印刷領域)が終了すれば、印字部2に対するリリース指令が出力し、リリースモータ66が起動する。リリースモータ66の起動により、リリースモータ66の回転が回転伝達ギア機構部69を介して偏心カム67に伝達され、偏心カム67が回転する。偏心カム67の回転により、カセット装填フレーム62が下降し、インクリボン3が被印刷物Pから離れる。この後、印字部2がリリース位置まで下降し、リリースが終了したことを検出すれば、制御部74はリリースモータ66を停止させる。
【0031】
よって、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向前側となる印字データDの場合には、印字データDの最初のラインから印字されるとともに、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向後側となる印字データDの場合には、印字データDの前後方向が反転し、印字データDの最後のラインから印字されるため、インクリボン3の使用長は、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向後側であっても搬送方向前側と同じになる。即ち、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向後側となる印字データDをそのまま印字した場合には、図2(b)に示すように、インクリボン3の使用長はLrとなるが、前後方向を反転させた印字データDnにより印字した場合の使用長はLnとなり、この使用長Lnは、印刷画像Vの位置が被印刷物Pの搬送方向前側となる図2(a)の場合の使用長Lfと同じになる。このように、本実施例に係る印刷方法によれば、インクリボン3の無駄を排して資源節減及びランニングコスト削減を図れ、しかも、追加部品を必要とすることなく制御手法の改良により容易に実現することができる。
【0032】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、印刷装置MとコンピュータCを用いた印刷システム1に適用した場合を示したが、単独の印刷装置をはじめ、印字データを用いて印刷を行う任意の印刷装置に適用できる。
【0033】
【発明の効果】
このように、本発明は、搬送される被印刷物がプラテンローラ上に載ったならインクリボン及び印字ヘッドを含む印字部を被印刷物に対して圧接させ、印字データに基づく印字信号を印字ヘッドに供給して印字を行うとともに、印字が終了したなら被印刷物から印字部をリリースさせる印刷方法において、印字データから、当該印字データによる被印刷物に対する印字画像の位置を求め、当該位置が被印刷物の搬送方向後側にあるときは、前後方向を反転させた印字データにより印字を行うようにしたため、次のような顕著な効果を奏する。
【0034】
(1) インクリボンの無駄を排して資源節減及びランニングコスト削減を図ることができる。
【0035】
(2) 追加部品を必要とすることなく制御手法の改良により容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る印刷方法の処理手順を示すフローチャート、
【図2】同印刷方法による印刷画像の説明図、
【図3】同印刷方法を実施する印刷システムの要部を示すブロック系統図、
【図4】同印刷システムを構成する印刷装置の機械系構成部分の模式的構成図、
【図5】同印刷システムを構成する印刷装置における印字機構の具体的構成図、
【図6】従来の技術に係る印刷方法による印刷画像の説明図、
【符号の説明】
1 印刷システム
2 印字部
3 インクリボン
4 印字ヘッド
5 プリンタドライバ
47 プラテンローラ
P 被印刷物
D 印字データ
Dn 印字データ(前後方向を反転させた印字データ)
M 印刷装置
C コンピュータ
V 印字画像
Claims (3)
- 搬送される被印刷物がプラテンローラ上に載ったならインクリボン及び印字ヘッドを含む印字部を前記被印刷物に対して圧接させ、印字データに基づく印字信号を印字ヘッドに供給して印字を行うとともに、印字が終了したなら前記被印刷物から前記印字部をリリースさせる印刷方法において、前記印字データから、当該印字データによる前記被印刷物に対する印字画像の位置を求め、当該位置が前記被印刷物の搬送方向後側にあるときは、前後方向を反転させた印字データにより印字を行うことを特徴とする印刷方法。
- 印刷装置とコンピュータを接続し、このコンピュータから印刷に係わる印字データを前記印刷装置に転送して印刷を行う印刷システムにおける前記コンピュータに備えるプリンタドライバにより前記印字画像の位置を求め、当該位置が前記被印刷物の搬送方向後側にあるときは、前記プリンタドライバにより前記印字データを前後方向に反転させて前記印刷装置に転送することを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
- 前記印刷装置は、名刺,ハガキ及び封筒を含む特定の被印刷物に対して印刷を行う専用の印刷装置であることを特徴とする請求項2記載の印刷方法。
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