JP3586261B2 - キャップ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器を密封状態に栓をするキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器の一種であるガラス製1.8リットル瓶(いわゆる一升瓶)は、リサイクル率が良いことで知られている。この一升瓶に一般に使用されているキャップは、瓶口を密封状態に栓をするポリエチレン製の内栓と、この内栓を覆って瓶口周囲に被せられたアルミ製キャップとからなる。このアルミ製キャップは、内栓で栓をされた瓶口に被せられた状態で、瓶口の外周に形成されているリング状凹部に沿って押圧変形させることで瓶口から外れないように装着されている。このように封をされた一升瓶を開栓する際には、アルミ製キャップを弱化線に沿って切り裂いて取り外してから、内栓を瓶口から引き抜くことになる。
【0003】
また、一升瓶用のキャップとして前記アルミ製キャップの代わりとなる外筒と前記内栓とを樹脂一体成形したものがあり、このタイプの樹脂製キャップは、外筒の内面に形成されたリング状凸部が瓶口外周のリング状凹部に係合した状態で瓶口に装着されている。このような樹脂製キャップを開栓する際には、外筒を弱化線に沿って切り裂いて取り去ると樹脂製の内栓が残り、この内栓を瓶口から引き抜くことで開栓できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したポリエチレン製内栓とアルミキャップの組み合わせからなるキャップは、アルミキャップが瓶口から取り外し可能なまでに切り裂かれているかどうかで開封または開栓されたかどうかを一目で判断できるため、盗飲防止効果が高い。しかしながら、アルミキャップを弱化線に沿って切り裂いたときの破断エッジが鋭利になっているために指や手を傷つける危険性があった。
【0005】
一方、上述した樹脂一体成形キャップでは、樹脂製外筒を弱化線で切り裂いても鋭利な破断エッジにはならないため安全面では優れている。しかしながら、樹脂一体成形キャップは、加熱して素材である樹脂が柔軟化した状態でキャップを瓶から引っ張ると、瓶口外周のリング状凹部と樹脂製外筒内面のリング状凸部との係合が外れてすっぽ抜ける可能性がある。この場合には、樹脂製外筒を引き裂かなくても開栓が可能になり、盗飲防止効果が低いという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記問題を解決するために本発明のキャップは、容器の円筒状首部の上端の容器口部を栓をする樹脂製フランジ部付き内栓と、容器首部に外装される、上端縁部に係合部を有する金属製の外筒とを含み、前記内栓のフランジ部には外周縁部に形成された被係合部と、前記被係合部の内側で前記フランジ部から垂下して容器首部に外装される内筒部とが設けられ、前記被係合部と前記内筒部とは弱化線部に沿って切り取ることにより前記内栓から別々に分離可能になっており、前記内筒部には容器首部の外周に形成されたリング状凹部に嵌り込むリング状凹部が形成され、前記内筒部のリング状凹部内には少なくとも1つの突起部が形成される一方、前記外筒はその係合部を前記内栓の被係合部に係合させて前記内栓の内筒部に外装されることにより前記内栓に組み付けられ、このように組み付けられた前記内栓および前記外筒を容器口部に被せて前記容器首部外周のリング状凹部に沿って前記外筒を押圧変形させることで前記容器に装着されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のキャップは、前記内栓と前記外筒との互いに対する回転を防止するために前記被係合部および前記係合部の各接触面にすべり止め手段を設けてもよい。
【0008】
また、本発明のキャップは、前記内栓のフランジ部の被係合部につまみ用舌片部を設けてもよい。
【0009】
さらに、本発明のキャップは、前記内栓に金属製の蓋が被せられていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態のキャップ10を半分断面で示す分解側面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は容器である例えばガラス瓶1の口部3にキャップ10を装着した状態を半分断面で示す側面図である。
【0011】
本実施形態のキャップ10は、例えばブリキ製の蓋12が被せられる内栓14と、例えばアルミ板(板厚0,2mm)で形成された外筒50とからなる。蓋12は、その裾部をかしめることにより内栓14に対して固定される。
【0012】
内栓14は、例えばポリエチレンからなり、中空のドーム状部16と、ドーム状部16の周囲に形成されたフランジ部18とを有する。内栓14のドーム状部16はガラス瓶1の円筒状首部2の上端開口部である口部2に圧入されることにより、ガラス瓶1を密封状態に栓をする。なお、ガラス瓶1への臭いの侵入を防止して内容物への臭い移りをなくすために、ドーム状部16の外表面にアルミ箔を接着して覆ってもよい。また、本実施形態では内栓14のドーム状部16の内部空間を閉じるように蓋12を設けたが、前記ドーム状部16を中実構造にして蓋12を省略してもよい。
【0013】
内栓14においてフランジ部18には、その外周縁部から略円筒状に垂下する被係合部としてのフック状部20が設けられている。フック状部20の下端は内側に折れ曲がったフック状断面を有している。フック状部20は、円周方向にわたって形成された弱化線部(または薄肉部)22を介してフランジ部18に連結されている。また、フック状部20には、指でつかみ易くするために、つまみ用舌片部24が下方に延びた形状で一体形成されている。これにより、指でつまみ用舌片部24をつかんで引っ張ると、フック状部20は弱化線部22に沿って切り裂かれることにより内栓14から分離可能になっている。さらに、フック状部20の内面(接触面)には、多数のすべり止め用凸部(すべり止め手段)26が形成されている。なお、フック状部20に形成されたつまみ用舌片部24は、必ずしもフック状部20から下方に突出した形状でなくてもよく、フック状部20において切り込みにより画定された舌片部分からなってもよい。
【0014】
内栓14のフランジ部18にはまた、フック状部20の内側においてフランジ部18から垂下してガラス瓶1の首部2に外装される内筒部30が設けられている。内筒部30は、円周方向にわたって形成されている弱化線部(または薄肉部)32を介してフランジ部18に連結されている。また、内筒部30の下部には、切り込み34が形成されており、この切り込み32から延びる弱化線部(または薄肉部)36が前記弱化線部32までつながっている。これにより、切り込み34の右側部分を指でつまんで引っ張ると、内筒部30は弱化線部36,32に沿って切り裂かれることにより内栓14から分離可能になっている。
【0015】
ガラス瓶1の首部2の外周にはリング状凹部4が形成されており、内栓14の内筒部30が前記首部2に外装されたときに前記リング状凹部4に嵌り込むように前記内筒部30にもリング状凹部38が形成されている。内筒部30のリング状凹部38内には、図2に示すように、少なくとも1つ(本実施形態では4つ)の断面山形の突起部40が円周方向に均等間隔で形成されている。突起部40は、内筒部30の外径とほぼ同じか、または、内筒部30の外径から若干突出する位の高さに形成されている。
【0016】
一方、外筒50は、内栓14の内筒部30に外装可能な内径を有するとともに、その上端部が外側に巻かれて膨出したカール部(係合部)52を有している。カール部52の外面(接触面)には、多数のすべり止め用溝(すべり止め手段)54が形成されている。なお、外筒50の下端部は、内栓14の内筒部30に外装されたときに内筒部30の下端部を受けるように内方に折り曲げられている。
【0017】
外筒50は、蓋12が固定された内栓14に対して、その内筒30に外装されてカール部52を内栓14のフック状部20の内側に押し込むことによって、内筒部30の外周を完全に覆った状態で組み付けられる。このように組み付けられた内栓14および外筒50では、互いに係合するフック状部20およびカール部52の各接触面にそれぞれ形成されたすべり止め用の凸部26および溝54が引っ掛かることによって互いに対する回転が防止される。
【0018】
このように組み付けられたキャップ10は、ガラス瓶1の口部2に被せられて所定圧力で押えられた状態で、円盤状ローラを用いて外筒50をガラス瓶1の首部2外周のリング状凹部4に沿って押圧変形させることによりガラス瓶1に装着される。このとき、外筒50は、図4に示すように、略山形の突起部40が形成されている内筒部30のリング状凹部38の表面に密着した状態に変形させられる。このようにして装着されたキャップ10は、アルミ製外筒50の押圧変形部がガラス瓶1のリング状凹部4に強固に係合しているために、強く引っ張ったとしてもガラス瓶1から引き抜くことはできない。このことは、上述したように加熱することで軟化してすっぽ抜ける可能性がある樹脂一体成形キャップとは異なり、金属製外筒50の押圧変形部をガラス瓶1のリング状凹部4に係合させていることで保証されるものである。また、同じ理由により外筒50をガラス瓶1の首部2の下方に引き降ろすこともできない。
【0019】
上記のようにして装着されたキャップ10を開封する手順は、次の通りである。まず、内栓14に設けたつまみ用舌片部24を指でつかんで引っ張ることにより、フック状部20を弱化線部22に沿って円周方向に切り裂いて取り去る。これにより、フック状部20がなくなってカール部52の係合が解除されることで外筒50は内栓14に対して回転可能な状態になる。
【0020】
続いて、外筒50を手で握っていずれかの方向に回転させる。これにより、図5に示すように、外筒50の押圧変形部は、内筒部30のリング状凹部38に形成された突起部40に沿って摺動することによって、少なくとも押圧変形前の内径にまで広げられる。本実施形態では、4つの突起部40が均等配置されているので、外筒50を少なくとも90°回転させれば、外筒50の押圧変形部は全周にわたって広がって復元し、その結果、ガラス瓶1のリング状凹部4に対する外筒50の係合が解除される。
【0021】
続いて、外筒50をガラス瓶1の首部2に沿って下げる。これにより、内栓14の内筒部30が露出する。次に、内筒部30を切り込み34の位置から弱化線部36,32に沿って円周方向に切り裂いて内栓14から切り離す。
【0022】
そして、最終的に残った蓋12付き内栓14をガラス瓶1の口部3から引き抜くことで開栓することができる。ガラス瓶1の首部2の下に降ろした外筒50は、内栓14の開栓および再栓に何ら支障はないためそのままにしておいてもよいが、内栓14を抜き取って開栓したときに上に持ち上げることによってガラス瓶1から取り外すこともできる。外筒50を取り外した状態にしておけば、ガラス瓶1のリサイクルが容易になる。
【0023】
なお、上述した手順では外筒50を引き下げた次に内筒部30を切り裂くようにしたが、外筒50を回転させることによって外筒50のガラス瓶1のリング状凹部4に対する係合が解除された時点で内栓14は内筒部30が付いたままでもガラス瓶1から引き抜かれ得る状態になるため、外筒50を回転させた次に、あるいは、回転させてからガラス瓶1の首部2に沿って下げた次に、内筒部30が付いたままで内栓14をガラス瓶1の口部3から引き抜いたのちに内筒部30を切り込み34の位置から弱化線部36,32に沿って円周方向に切り裂いて内栓14から切り離してもよい。
【0024】
上述したように本実施形態のキャップ10によれば、開封に際してアルミ製外筒50を引き裂く必要がなく、ポリエチレン製の内筒部30を引き裂くだけなので、従来のように引き裂いたアルミキャップの破断エッジで指や手を傷つける危険性が全くなく、安全面において非常に優れている。
【0025】
また、キャップ10では、開栓するには少なくともフック状部20を内栓14から切り離す必要があることから開栓されたかどうかの判断が容易であるとともに、上述した樹脂一体成形キャップように加熱によるすっぽ抜けも起こらないので、盗飲防止効果が高い。
【0026】
さらに、キャップ10は、ガラス瓶1に特別の構造を必要としないため、現在流通している一升瓶などにそのまま適用することができる。
【0027】
なお、本実施形態のキャップ10では、内栓14の蓋12の表面および外筒50の外周に例えば容器の内容物の商品名や銘柄などを付すことによって広告表示部として使用してもよい。
【0028】
また、キャップ10で栓をする容器はガラス瓶に限らず、例えば金属製、樹脂製、陶器製などの容器であってもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明のキャップによれば、開栓に際して金属製キャップを切り裂く必要がないので、手を傷つける危険性がなく安全である。
また、樹脂一体形成キャップのように加熱によるすっぽ抜けも起こらないので、盗飲防止効果が高い。
さらに、容器に特別の構造を必要としないので、現在流通している容器に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のキャップを半分断面で示す分解側面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】ガラス瓶の口部にキャップを装着した状態を半分断面で示す側面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】外筒を回転させたときの状態を示す図4と同様の断面図。
【符号の説明】
1…ガラス瓶(容器)、2…首部、3…口部、4…リング状凹部、10…キャップ、12…蓋、14…内栓、16…ドーム状部、18…フランジ部、20…フック状部(被係合部)、22…弱化線部、24…つまみ用舌片部、30…内筒部、32,36…弱化線部、38…リング状凹部、40…突起部、50…外筒、52…カール部(係合部)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器を密封状態に栓をするキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器の一種であるガラス製1.8リットル瓶(いわゆる一升瓶)は、リサイクル率が良いことで知られている。この一升瓶に一般に使用されているキャップは、瓶口を密封状態に栓をするポリエチレン製の内栓と、この内栓を覆って瓶口周囲に被せられたアルミ製キャップとからなる。このアルミ製キャップは、内栓で栓をされた瓶口に被せられた状態で、瓶口の外周に形成されているリング状凹部に沿って押圧変形させることで瓶口から外れないように装着されている。このように封をされた一升瓶を開栓する際には、アルミ製キャップを弱化線に沿って切り裂いて取り外してから、内栓を瓶口から引き抜くことになる。
【0003】
また、一升瓶用のキャップとして前記アルミ製キャップの代わりとなる外筒と前記内栓とを樹脂一体成形したものがあり、このタイプの樹脂製キャップは、外筒の内面に形成されたリング状凸部が瓶口外周のリング状凹部に係合した状態で瓶口に装着されている。このような樹脂製キャップを開栓する際には、外筒を弱化線に沿って切り裂いて取り去ると樹脂製の内栓が残り、この内栓を瓶口から引き抜くことで開栓できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したポリエチレン製内栓とアルミキャップの組み合わせからなるキャップは、アルミキャップが瓶口から取り外し可能なまでに切り裂かれているかどうかで開封または開栓されたかどうかを一目で判断できるため、盗飲防止効果が高い。しかしながら、アルミキャップを弱化線に沿って切り裂いたときの破断エッジが鋭利になっているために指や手を傷つける危険性があった。
【0005】
一方、上述した樹脂一体成形キャップでは、樹脂製外筒を弱化線で切り裂いても鋭利な破断エッジにはならないため安全面では優れている。しかしながら、樹脂一体成形キャップは、加熱して素材である樹脂が柔軟化した状態でキャップを瓶から引っ張ると、瓶口外周のリング状凹部と樹脂製外筒内面のリング状凸部との係合が外れてすっぽ抜ける可能性がある。この場合には、樹脂製外筒を引き裂かなくても開栓が可能になり、盗飲防止効果が低いという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記問題を解決するために本発明のキャップは、容器の円筒状首部の上端の容器口部を栓をする樹脂製フランジ部付き内栓と、容器首部に外装される、上端縁部に係合部を有する金属製の外筒とを含み、前記内栓のフランジ部には外周縁部に形成された被係合部と、前記被係合部の内側で前記フランジ部から垂下して容器首部に外装される内筒部とが設けられ、前記被係合部と前記内筒部とは弱化線部に沿って切り取ることにより前記内栓から別々に分離可能になっており、前記内筒部には容器首部の外周に形成されたリング状凹部に嵌り込むリング状凹部が形成され、前記内筒部のリング状凹部内には少なくとも1つの突起部が形成される一方、前記外筒はその係合部を前記内栓の被係合部に係合させて前記内栓の内筒部に外装されることにより前記内栓に組み付けられ、このように組み付けられた前記内栓および前記外筒を容器口部に被せて前記容器首部外周のリング状凹部に沿って前記外筒を押圧変形させることで前記容器に装着されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のキャップは、前記内栓と前記外筒との互いに対する回転を防止するために前記被係合部および前記係合部の各接触面にすべり止め手段を設けてもよい。
【0008】
また、本発明のキャップは、前記内栓のフランジ部の被係合部につまみ用舌片部を設けてもよい。
【0009】
さらに、本発明のキャップは、前記内栓に金属製の蓋が被せられていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態のキャップ10を半分断面で示す分解側面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は容器である例えばガラス瓶1の口部3にキャップ10を装着した状態を半分断面で示す側面図である。
【0011】
本実施形態のキャップ10は、例えばブリキ製の蓋12が被せられる内栓14と、例えばアルミ板(板厚0,2mm)で形成された外筒50とからなる。蓋12は、その裾部をかしめることにより内栓14に対して固定される。
【0012】
内栓14は、例えばポリエチレンからなり、中空のドーム状部16と、ドーム状部16の周囲に形成されたフランジ部18とを有する。内栓14のドーム状部16はガラス瓶1の円筒状首部2の上端開口部である口部2に圧入されることにより、ガラス瓶1を密封状態に栓をする。なお、ガラス瓶1への臭いの侵入を防止して内容物への臭い移りをなくすために、ドーム状部16の外表面にアルミ箔を接着して覆ってもよい。また、本実施形態では内栓14のドーム状部16の内部空間を閉じるように蓋12を設けたが、前記ドーム状部16を中実構造にして蓋12を省略してもよい。
【0013】
内栓14においてフランジ部18には、その外周縁部から略円筒状に垂下する被係合部としてのフック状部20が設けられている。フック状部20の下端は内側に折れ曲がったフック状断面を有している。フック状部20は、円周方向にわたって形成された弱化線部(または薄肉部)22を介してフランジ部18に連結されている。また、フック状部20には、指でつかみ易くするために、つまみ用舌片部24が下方に延びた形状で一体形成されている。これにより、指でつまみ用舌片部24をつかんで引っ張ると、フック状部20は弱化線部22に沿って切り裂かれることにより内栓14から分離可能になっている。さらに、フック状部20の内面(接触面)には、多数のすべり止め用凸部(すべり止め手段)26が形成されている。なお、フック状部20に形成されたつまみ用舌片部24は、必ずしもフック状部20から下方に突出した形状でなくてもよく、フック状部20において切り込みにより画定された舌片部分からなってもよい。
【0014】
内栓14のフランジ部18にはまた、フック状部20の内側においてフランジ部18から垂下してガラス瓶1の首部2に外装される内筒部30が設けられている。内筒部30は、円周方向にわたって形成されている弱化線部(または薄肉部)32を介してフランジ部18に連結されている。また、内筒部30の下部には、切り込み34が形成されており、この切り込み32から延びる弱化線部(または薄肉部)36が前記弱化線部32までつながっている。これにより、切り込み34の右側部分を指でつまんで引っ張ると、内筒部30は弱化線部36,32に沿って切り裂かれることにより内栓14から分離可能になっている。
【0015】
ガラス瓶1の首部2の外周にはリング状凹部4が形成されており、内栓14の内筒部30が前記首部2に外装されたときに前記リング状凹部4に嵌り込むように前記内筒部30にもリング状凹部38が形成されている。内筒部30のリング状凹部38内には、図2に示すように、少なくとも1つ(本実施形態では4つ)の断面山形の突起部40が円周方向に均等間隔で形成されている。突起部40は、内筒部30の外径とほぼ同じか、または、内筒部30の外径から若干突出する位の高さに形成されている。
【0016】
一方、外筒50は、内栓14の内筒部30に外装可能な内径を有するとともに、その上端部が外側に巻かれて膨出したカール部(係合部)52を有している。カール部52の外面(接触面)には、多数のすべり止め用溝(すべり止め手段)54が形成されている。なお、外筒50の下端部は、内栓14の内筒部30に外装されたときに内筒部30の下端部を受けるように内方に折り曲げられている。
【0017】
外筒50は、蓋12が固定された内栓14に対して、その内筒30に外装されてカール部52を内栓14のフック状部20の内側に押し込むことによって、内筒部30の外周を完全に覆った状態で組み付けられる。このように組み付けられた内栓14および外筒50では、互いに係合するフック状部20およびカール部52の各接触面にそれぞれ形成されたすべり止め用の凸部26および溝54が引っ掛かることによって互いに対する回転が防止される。
【0018】
このように組み付けられたキャップ10は、ガラス瓶1の口部2に被せられて所定圧力で押えられた状態で、円盤状ローラを用いて外筒50をガラス瓶1の首部2外周のリング状凹部4に沿って押圧変形させることによりガラス瓶1に装着される。このとき、外筒50は、図4に示すように、略山形の突起部40が形成されている内筒部30のリング状凹部38の表面に密着した状態に変形させられる。このようにして装着されたキャップ10は、アルミ製外筒50の押圧変形部がガラス瓶1のリング状凹部4に強固に係合しているために、強く引っ張ったとしてもガラス瓶1から引き抜くことはできない。このことは、上述したように加熱することで軟化してすっぽ抜ける可能性がある樹脂一体成形キャップとは異なり、金属製外筒50の押圧変形部をガラス瓶1のリング状凹部4に係合させていることで保証されるものである。また、同じ理由により外筒50をガラス瓶1の首部2の下方に引き降ろすこともできない。
【0019】
上記のようにして装着されたキャップ10を開封する手順は、次の通りである。まず、内栓14に設けたつまみ用舌片部24を指でつかんで引っ張ることにより、フック状部20を弱化線部22に沿って円周方向に切り裂いて取り去る。これにより、フック状部20がなくなってカール部52の係合が解除されることで外筒50は内栓14に対して回転可能な状態になる。
【0020】
続いて、外筒50を手で握っていずれかの方向に回転させる。これにより、図5に示すように、外筒50の押圧変形部は、内筒部30のリング状凹部38に形成された突起部40に沿って摺動することによって、少なくとも押圧変形前の内径にまで広げられる。本実施形態では、4つの突起部40が均等配置されているので、外筒50を少なくとも90°回転させれば、外筒50の押圧変形部は全周にわたって広がって復元し、その結果、ガラス瓶1のリング状凹部4に対する外筒50の係合が解除される。
【0021】
続いて、外筒50をガラス瓶1の首部2に沿って下げる。これにより、内栓14の内筒部30が露出する。次に、内筒部30を切り込み34の位置から弱化線部36,32に沿って円周方向に切り裂いて内栓14から切り離す。
【0022】
そして、最終的に残った蓋12付き内栓14をガラス瓶1の口部3から引き抜くことで開栓することができる。ガラス瓶1の首部2の下に降ろした外筒50は、内栓14の開栓および再栓に何ら支障はないためそのままにしておいてもよいが、内栓14を抜き取って開栓したときに上に持ち上げることによってガラス瓶1から取り外すこともできる。外筒50を取り外した状態にしておけば、ガラス瓶1のリサイクルが容易になる。
【0023】
なお、上述した手順では外筒50を引き下げた次に内筒部30を切り裂くようにしたが、外筒50を回転させることによって外筒50のガラス瓶1のリング状凹部4に対する係合が解除された時点で内栓14は内筒部30が付いたままでもガラス瓶1から引き抜かれ得る状態になるため、外筒50を回転させた次に、あるいは、回転させてからガラス瓶1の首部2に沿って下げた次に、内筒部30が付いたままで内栓14をガラス瓶1の口部3から引き抜いたのちに内筒部30を切り込み34の位置から弱化線部36,32に沿って円周方向に切り裂いて内栓14から切り離してもよい。
【0024】
上述したように本実施形態のキャップ10によれば、開封に際してアルミ製外筒50を引き裂く必要がなく、ポリエチレン製の内筒部30を引き裂くだけなので、従来のように引き裂いたアルミキャップの破断エッジで指や手を傷つける危険性が全くなく、安全面において非常に優れている。
【0025】
また、キャップ10では、開栓するには少なくともフック状部20を内栓14から切り離す必要があることから開栓されたかどうかの判断が容易であるとともに、上述した樹脂一体成形キャップように加熱によるすっぽ抜けも起こらないので、盗飲防止効果が高い。
【0026】
さらに、キャップ10は、ガラス瓶1に特別の構造を必要としないため、現在流通している一升瓶などにそのまま適用することができる。
【0027】
なお、本実施形態のキャップ10では、内栓14の蓋12の表面および外筒50の外周に例えば容器の内容物の商品名や銘柄などを付すことによって広告表示部として使用してもよい。
【0028】
また、キャップ10で栓をする容器はガラス瓶に限らず、例えば金属製、樹脂製、陶器製などの容器であってもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明のキャップによれば、開栓に際して金属製キャップを切り裂く必要がないので、手を傷つける危険性がなく安全である。
また、樹脂一体形成キャップのように加熱によるすっぽ抜けも起こらないので、盗飲防止効果が高い。
さらに、容器に特別の構造を必要としないので、現在流通している容器に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のキャップを半分断面で示す分解側面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】ガラス瓶の口部にキャップを装着した状態を半分断面で示す側面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】外筒を回転させたときの状態を示す図4と同様の断面図。
【符号の説明】
1…ガラス瓶(容器)、2…首部、3…口部、4…リング状凹部、10…キャップ、12…蓋、14…内栓、16…ドーム状部、18…フランジ部、20…フック状部(被係合部)、22…弱化線部、24…つまみ用舌片部、30…内筒部、32,36…弱化線部、38…リング状凹部、40…突起部、50…外筒、52…カール部(係合部)。
Claims (4)
- 容器の円筒状首部の上端の容器口部を栓をする樹脂製フランジ部付き内栓と、容器首部に外装される、上端縁部に係合部を有する金属製の外筒とを含み、前記内栓のフランジ部には外周縁部に形成された被係合部と、前記被係合部の内側で前記フランジ部から垂下して容器首部に外装される内筒部とが設けられ、前記被係合部と前記内筒部とは弱化線部に沿って切り取ることにより前記内栓から別々に分離可能になっており、前記内筒部には容器首部の外周に形成されたリング状凹部に嵌り込むリング状凹部が形成され、前記内筒部のリング状凹部内には少なくとも1つの突起部が形成される一方、前記外筒はその係合部を前記内栓の被係合部に係合させて前記内栓の内筒部に外装されることにより前記内栓に組み付けられ、このように組み付けられた前記内栓および前記外筒を容器口部に被せて前記容器首部外周のリング状凹部に沿って前記外筒を押圧変形させることで前記容器に装着されることを特徴とするキャップ。
- 前記内栓と前記外筒との互いに対する回転を防止するために前記被係合部および前記係合部の各接触面にすべり止め手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
- 前記内栓のフランジ部の被係合部にはつまみ用舌片部が設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載のキャップ。
- 前記内栓には金属製の蓋が被せられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のキャップ。
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