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JP3583574B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

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JP3583574B2
JP3583574B2 JP08849197A JP8849197A JP3583574B2 JP 3583574 B2 JP3583574 B2 JP 3583574B2 JP 08849197 A JP08849197 A JP 08849197A JP 8849197 A JP8849197 A JP 8849197A JP 3583574 B2 JP3583574 B2 JP 3583574B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルカラー複写機,カラーファクシミリ装置,あるいはそれらを統合した複合機等のカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなカラー画像形成装置として、例えばスキャナ(画像読取手段)が原稿の画像面をスキャンしてフルカラーのデータ成分を読み取ってR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の画像信号を出力するスキャン動作を行ない、その画像信号を画像処理部(画像処理手段)がK(ブラック),C(シアン),M(マゼンダ),Y(イエロー)のフルカラー画像形成用の画像信号に変換する処理を含む画像処理を行なった後、その画像信号に基づいてプリンタ(画像形成手段)が画像保持体上にK,C,M,Yの画像を重ね合わせてフルカラー画像を形成するようにしたものがある。
【0003】
ここで、上記スキャナ及び画像処理部内の色変換回路について、もう少し具体的に説明する。
スキャナは、ミラー,光源等と一体になった走行体を移動させることにより、コンタクトガラス上にセットされた原稿の下面(画像面)をスキャンし、例えばその原稿面からの反射光像を各種ミラー及びレンズを介してカラーラインセンサに入射させる。
【0004】
なお、カラーラインセンサは、R,G,B用の各カラーフィルタとCCD(受光素子)とからなり、レンズからの反射光像を各カラーフィルタを通して各CCDの受光面に結像させ、R,G,Bの画像信号に変換して出力させる。これは、デジタルカラー複写機で用いられる公知の技術である。
【0005】
画像処理部内の色変換回路は、例えばR,G,Bの画像信号を以下の(1)〜(4)に示すようにしてK,C,M,Yの画像信号に変換する。この場合、スキャナは1枚の原稿に対して4回スキャン動作を行なう。
【0006】
(1)メイン制御部からのK変換用パラメータを設定し、スキャナから1回目のスキャン動作によって出力されるR,G,Bの画像信号をK変換用パラメータを用いてK画像信号に変換する。
(2)メイン制御部からのC変換用パラメータに設定変更し、スキャナから2回目のスキャン動作によって出力されるR,G,Bの画像信号をC変換用パラメータを用いてC画像信号に変換する。
【0007】
(3)メイン制御部からのM変換用パラメータに設定変更し、スキャナから3回目のスキャン動作によって出力されるR,G,Bの画像信号をM変換用パラメータを用いてM画像信号に変換する。
(4)メイン制御部からのY変換用パラメータに設定変更し、スキャナから4回目のスキャン動作によって出力されるR,G,Bの画像信号をY変換用パラメータを用いてY画像信号に変換する。
【0008】
ところが、スキャナで1枚の原稿に対して4回もスキャン動作が行なわれるということは、そのフルカラーコピーを1枚とるだけで多くの時間がかかることになり、コピーの生産性が低く、しかも装置の寿命が短くなる。
【0009】
そこで、その問題点を解消するために、例えばスキャナから1回のスキャン動作によって出力されるR,G,Bの画像信号を画像処理部の各色変換回路によってK,C,M,Yの画像信号に一括変換する処理を含む画像処理を行なった後、その各画像信号をまとめて画像メモリ(画像記憶手段)に記憶し、その後その各画像信号を順次プリンタに送って画像保持体上にフルカラー画像を形成するようにしたカラー画像形成装置も存在する。
【0010】
このようなカラー画像形成装置では、1枚の原稿に対してスキャン動作を1回行なうだけで、そのフルカラーコピーを何枚もとれるため、コピーの生産性及び装置の耐久性が飛躍的に高まるが、単に画像メモリを追加しただけでなく、R,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に一括変換しなければならないため、色変換回路が前述のカラー画像形成装置と比較して4倍も必要になり、装置全体のコストが大幅に上昇するという別の問題がある。
そこで、その問題を解消するため、例えば特開平3−274854号公報に見られるようなカラー画像形成装置が提案されている。
【0011】
このような画像形成装置では、読み取り部(スキャナ)の1回目のスキャン動作(走査)によって出力されるR,G,Bの画像信号をマスキング部(K,Y,M,C用の各色変換回路を含む)によってK,Y,M,Cの画像信号に変換する等の処理を行なった後、そのうちのK画像信号を直接書き込み部(プリンタ)に送ってKの画像形成を行なわせると同時に、Y画像信号を一旦画像メモリに蓄え(書き込み)、Kの画像形成が終了した時(読み取り部がリターン動作を開始する頃)に画像メモリに蓄えたY画像信号を書き込み部に送ってYの画像形成を行なわせる。
【0012】
その後、読み取り部による2回目のスキャン動作によって出力されるR,G,Bの画像信号をマスキング部によって再びK,Y,M,Cの画像信号に変換する等の処理を行なった後、そのうちのM画像信号を直接書き込み部に送ってMの画像形成を行なわせると同時に、C画像信号を一旦画像メモリに蓄え、Mの画像形成が終了した時に画像メモリに蓄えたCの画像信号を書き込み部に送ってCの画像形成を行なわせる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このようなカラー画像形成装置においては、画像メモリに1色分の画像信号を記憶するだけでよいが、R,G,Bの画像信号をK,Y,M,Cの画像信号に一括変換するための色変換回路を使用しているため、やはり装置全体のコストが上昇してしまう。また、1枚の原稿に対して2回のスキャン動作を行なう必要があるため、コピーの生産性及び装置の耐久性が多少低下してしまう。
【0014】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、カラー画像形成装置において、コストの上昇を抑えると共に、コピーの生産性及び装置の耐久性を向上させることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、原稿の画像面をスキャンしてフルカラーのデータ成分を読み取って画像信号を出力するスキャン動作を行なう画像読取手段と、該手段からの少なくとも最大画像サイズの1/2サイズ分の画像信号を記憶する画像記憶手段と、画像読取手段あるいは画像記憶手段からの画像信号をフルカラー画像形成用の画像信号に変換する処理を含む画像処理を行なって出力する画像処理手段と、該手段からの画像信号に基づいて画像保持体上に複数色の画像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する画像形成手段と、画像読取手段からの画像信号を画像記憶手段又は画像処理手段に出力する制御あるいは画像記憶手段からの画像信号を画像処理手段に出力する制御を選択的に行なう出力制御手段とを備えたカラー画像形成装置を提供する。
【0016】
また、画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿のサイズを判別する原稿サイズ判別手段を設け、出力制御手段が、原稿サイズ判別手段によって判別されたサイズが画像記憶手段が画像読取手段からの画像信号を記憶できるサイズである場合には、該画像信号を画像記憶手段と画像処理手段の両方に、画像記憶手段が画像読取手段からの画像信号を記憶できないサイズである場合には、該画像信号を画像処理手段のみにそれぞれ出力するようにするとよい。
さらに、画像形成開始指示がなされた時に、画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿の入れ替えの有無を判断する原稿入替有無判断手段と、該手段によって原稿の入れ替えがあると判断された場合には、画像読取手段によるスキャン動作の実行を、原稿の入れ替えがないと判断された場合には、画像記憶手段に記憶されている画像信号の読み出し動作の実行をそれぞれ決定する動作決定手段とを設けてもよい。
【0017】
さらにまた、画像記憶手段への書き込み動作時あるいは読み出し動作時に画像信号を回転させる画像回転手段と、画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿のサイズ及び方向を判別する原稿サイズ・方向判別手段と、該手段によって判別されたサイズ及び方向が画像読取手段からの画像信号を回転させずに画像保持体上にフルカラー画像を2つ形成できるサイズ及び方向である場合には、画像回転手段によって画像信号を回転させる必要がないと判断し、画像読取手段からの画像信号を回転させることによって画像保持体上にフルカラー画像を2つ形成できるサイズ及び方向である場合には、画像回転手段によって画像信号を回転させる必要があると判断する回転実行可否判断手段とを設けてもよい。
【0018】
また、複数の給紙トレイを有し、その各給紙トレイ内の用紙サイズ及び方向をそれぞれ判別する用紙サイズ・方向判別手段と、各給紙トレイ内の用紙の有無をそれぞれ判断する用紙有無判断手段と、該手段によって給紙中の給紙トレイに用紙がなくなったと判断された場合に、用紙サイズ・方向判別手段による判別結果に基づいてサイズが同一で方向が異なる用紙が収納された他の給紙トレイの有無を判断する他トレイ有無判断手段と、該手段によって該給紙トレイがあると判断された場合に、該給紙トレイからの給紙に変更する給紙変更手段と、該手段による給紙変更が行なわれた時に、画像記憶手段に記憶されている画像信号を90度又は270度回転させる画像回転手段とを設けてもよい。
【0019】
この発明のカラー画像形成装置では、出力制御手段が、画像読取手段からの画像信号をそのまま画像処理手段に出力したり、画像記憶手段に出力して一旦記憶させ、その画像信号を画像処理手段に出力する。
例えば、画像読取手段による1回のスキャン動作によって入力される画像信号を画像処理手段及び画像記憶手段に同時に出力する。
【0020】
それによって、例えば画像処理手段の色変換回路がK変換用パラメータを設定して画像読取手段からのR,G,Bの画像信号をそのパラメータを用いてK画像信号に変換し、画像処理手段の他の回路がそのK画像信号に対して空間フィルタに関する処理を含む他の画像処理を行ない、画像形成手段がそのK画像信号に基づいて画像保持体上にK画像を形成する。
一方、画像記憶手段が画像読取手段からのR,G,Bの画像信号を記憶する。
【0021】
その後、出力制御手段が画像記憶手段からのR,G,Bの画像信号を画像処理手段に出力する。
それによって、画像処理手段の色変換回路がC変換用パラメータに設定変更して画像記憶手段からのR,G,Bの画像信号をそのパラメータを用いてC画像信号に変換し、画像処理手段の他の回路がそのC画像信号に対して空間フィルタに関する処理を含む他の画像処理を行ない、画像形成手段がそのC画像信号に基づいて画像保持体上にC画像を形成する。
【0022】
次に、画像処理手段の色変換回路がM変換用パラメータに設定変更して画像記憶手段からのR,G,Bの画像信号をそのパラメータを用いてM画像信号に変換し、画像処理手段の他の回路がそのM画像信号に対して空間フィルタに関する処理を含む他の画像処理を行ない、画像形成手段がそのM画像信号に基づいて画像保持体上にM画像を形成する。
【0023】
最後に、画像処理手段の色変換回路がY変換用パラメータに設定変更して画像記憶手段からのR,G,Bの画像信号をそのパラメータを用いてY画像信号に変換し、画像処理手段の他の回路がそのY画像信号に対して空間フィルタに関する処理を含む他の画像処理を行ない、画像形成手段がそのY画像信号に基づいて画像保持体上にY画像を形成する。
なお、色変換手段による色変換の順序はK,C,M,Yの順序に限るものではない。
【0024】
このように、このカラー画像形成装置では、画像記憶手段に画像読取手段からの画像信号(例えばR,G,Bの画像信号)を記憶するため、その画像記憶手段のメモリ容量をフルカラー画像形成用の画像信号(例えばK,C,M,Yの画像信号)を記憶する画像記憶手段のメモリ容量よりも小さくすることができ、しかも画像処理手段が画像読取手段あるいは画像記憶手段からの画像信号をフルカラー画像形成用の画像信号に一括変換しなくてもよいため、装置全体のコストの上昇を抑えることができる。また、1枚の原稿に対してスキャン動作を1回行なうだけで、そのフルカラーコピーを何枚もとれるため、コピーの生産性及び装置の耐久性が大幅に向上する。
【0025】
また、画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿のサイズを判別する原稿サイズ判別手段を設け、それによって判別されたサイズが画像記憶手段が画像読取手段からの画像信号を記憶できるサイズである場合には、該画像信号を画像記憶手段と画像処理手段の両方に、画像記憶手段が画像読取手段からの画像信号を記憶できないサイズである場合には、該画像信号を画像処理手段のみにそれぞれ出力することもできる。
例えば、最大画像サイズをA3とし、画像記憶手段のメモリ容量を最大画像サイズの1/2サイズ(A4)の画像信号までを記憶できるメモリ容量とした場合、画像読取手段から出力される画像信号がA4以下の画像信号であれば、それを画像記憶手段と画像処理手段の両方に出力することにより、1枚の原稿に対してスキャン動作を1回行なうだけで、そのフルカラーコピーを何枚もとることができる。
【0026】
画像読取手段から出力される画像信号がA3の画像信号であれば、その画像信号を画像記憶手段に記憶できないため、その画像信号を画像処理手段のみに出力することにより、1枚の原稿に対するスキャン動作は1回で済まないが、そのフルカラーコピーをとることが可能になり、装置の使い勝手が向上する。
【0027】
さらに、画像形成開始指示がなされた時に、画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿の入れ替えの有無を判断し、原稿の入れ替えがある場合には画像読取手段によるスキャン動作の実行を、原稿の入れ替えがない場合には(但し電源投入後少なくとも1回はスキャン動作が行なわれていることが必要)画像記憶手段に記憶されている画像信号の読み出し動作の実行をそれぞれ決定し、その決定した動作を行なわせることもできる。
【0028】
それによって、原稿の入れ替えがない時には画像読取手段にスキャン動作を行なわせなくても前回と同じ原稿のフルカラーコピーをとることができる。したがって、処理効率が高まり、コピーの生産性及び装置の耐久性がより向上する。
【0029】
さらにまた、画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿のサイズ及び方向を判別する原稿サイズ・方向判別手段を設け、その判別結果に応じて画像記憶手段への書き込み動作時あるいは読み出し動作時に画像信号を回転させるか否かを判断する。つまり、判別したサイズ及び方向が画像読取手段からの画像信号を回転させずに画像保持体上にフルカラー画像を2つ形成できるサイズ及び方向である場合には、画像回転手段によって画像信号を回転させる必要がないと判断し、画像読取手段からの画像信号を回転させることによって画像保持体上にフルカラー画像を2つ形成できるサイズ及び方向である場合には、画像回転手段によって画像信号を回転させる必要があると判断する。例えば最大画像サイズをA3とした場合、画像読取手段から出力される画像信号がA4以下の画像信号であれば、その画像信号を画像記憶手段への書き込み動作時あるいは読み出し動作時に必要に応じて回転させ、その画像信号を画像処理手段に画像形成色毎に2回出力することにより、最終的に画像形成手段内の画像保持体上に同一のフルカラー画像を2つ形成できるため、コピーの生産性をさらに向上させることができる。
【0030】
また、複数の給紙トレイを有し、その各給紙トレイ内の用紙サイズ及び方向をそれぞれ判別する用紙サイズ・方向判別手段と、各給紙トレイ内の用紙の有無をそれぞれ判断する用紙有無判断手段とを設け、その用紙有無判断手段によって給紙中の給紙トレイに用紙がなくなったと判断された場合に、用紙サイズ・方向判別手段による判別結果に基づいてサイズが同一で方向が異なる用紙が収納された他の給紙トレイの有無を判断し、その給紙トレイがあればその給紙トレイからの給紙に変更すると共に、画像記憶手段に記憶されている画像信号を90度又は270度回転させることにより、リピートコピー(ジョブ)の中断を防止することもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2はこの発明の一実施形態であるデジタルカラー複写機の機構部を示す概略構成図であり、図3は図2に示した感光体ドラム及び中間転写ベルト回りの部分拡大図である。
【0032】
このデジタルカラー複写機は、スキャナ(画像読取手段)1,プリンタ(画像形成手段)2,及び自動原稿給送装置(自動原稿給送手段)40からなり、図示しない操作部上のキー操作によって必要なコピー条件が設定された後、スキャナ1のコンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で操作部上のスタートキーが押下されると、図示しないメイン制御部がコピー動作の制御を開始する。
【0033】
それによって、自動原稿給送装置(以下「ADF」と略称する)40では、原稿台41に原稿束がセットされている場合には、まずその原稿束から原稿1枚のみを呼び出しローラ42によって分離し、給送ローラ43によってスキャナ1のコンタクトガラス3上に給送する。その後、その原稿を搬送ベルト44によってコンタクトガラス3上の読み取り位置(露光位置)まで送ってセットする。
コンタクトガラス3上の読み取り位置に原稿がセットされると、メイン制御部はスキャナ1に対してスキャン動作の開始を指示する。
【0034】
なお、このADF40は原稿押さえ板(圧板)としての機能も果たす。すなわち、使用者がこのADF40を上方に開放してコンタクトガラス3上の読み取り位置に原稿をセットし、ADF40を閉じることによってその原稿をセット位置に固定することができる。したがって、コンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態でスタートキーが押下された時には、メイン制御部はスキャナ1に対して直ちにスキャン動作の開始を指示する。
【0035】
スキャナ1は、スキャン動作の開始が指示されると、照明ランプ4及び第1ミラー5aと一体になったキャリッジを水平方向に往復移動させることにより、コンタクトガラス3上の原稿の下面(画像面)を走査(スキャン)する。それによって、原稿面からの反射光像は第1ミラー5a,第2ミラー5b,及び第3ミラー5cを介してレンズ6に導かれ、カラーラインセンサ7の受光面に結像される。
【0036】
カラーラインセンサ7は、その結像光束をフルカラーのデータ成分であるR,G,Bの画像信号に変換して出力する。そのR,G,Bの画像信号は、図示しない信号処理部で増幅,暗電流補正,シェーディング補正,及びA/D変換され、図示しない画像処理部に出力される。
【0037】
なお、原稿画像のフルカラーのデータ成分を輝度Yと色差Cb,Crのデータや、明度と色度の値で表わすL*a*b*によるデータとして読み取って、フルカラーの画像信号を出力するようにしてもよい。ここで、L*a*b*について簡単に説明すると、色を数値で表わそうとするとき、明度はL*、色相と彩度を表わす色度はa*b*という単位で設定される。a*とb*はそれぞれ色の方向を示しており、a*は赤−緑方向、b*は黄−青方向を表わす。
【0038】
また、スキャナ2は、コンタクトガラス3上にセットされた原稿のサイズ及び方向を検知し、その検知結果を原稿サイズ検知信号としてメイン制御部に出力する機能も有している。
【0039】
スキャナ1によってコンタクトガラス3上の読み取り位置にセットされた原稿の画像面に対するスキャン動作が終了すると、ADF40はその原稿を搬送ベルト44によりコンタクトガラス3から送り出した後、排出ローラ45によって排出トレイ46に排出する。
【0040】
画像処理部は、スキャナ1から出力されるR,G,Bの画像信号、あるいは一旦画像メモリに書き込んで記憶させた後読み出したR,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に変換する処理を含む各種画像処理を行ない、そのK,C,M,Yの画像信号をプリンタ2のレーザ書込ユニット8(書き込み部)に出力する。
【0041】
プリンタ2は、内部に感光体ドラム(画像保持体)9を備え、その周囲にクリーニングユニット10,除電ランプ11,帯電チャージャ12,電位センサ13,K現像器14,C現像器15,M現像器16,Y現像器17,現像濃度パターン検知器18,及び中間転写ベルト(画像保持体)19等を配設している。
【0042】
各現像器14〜17は静電潜像を現像するため、トナーを感光体ドラム9に接触させるように回転する現像スリーブ14a〜17aと、トナーを汲み上げて撹拌する現像パドル14b〜17b及びトナー濃度検知センサ14c〜17c等により構成されている。なお、この実施例ではレーザ光による書き込みと現像の順序(カラー画像形成順序)をK,C,M,Yとする。
【0043】
スキャナ1によるスキャン動作が終了すると、メイン制御部は所定のタイミングでプリンタ2の感光体ドラム9を矢示A方向に回動させ、その表面を帯電チャージャ12によって一様に帯電し、そこにレーザ書込ユニット8によってK画像信号に応じて変調されたレーザ光をドラム軸方向に主走査しながら照射して露光し、静電潜像を形成する。
【0044】
その後、帯電チャージャ12によって一様に帯電された感光体ドラム9上にK画像信号に応じて形成されたK潜像の先端部が、K現像器14の現像位置に到達すると、K潜像は回転する現像スリーブ14aによってKトナーで現像され始め、K潜像の後端部が現像位置を通過した時点でK現像が終了し、Kトナー画像が形成される。
【0045】
そして、感光体ドラム9上に形成されたKトナー画像を、感光体ドラム9に隣接して回動する中間転写ベルト19上に中間転写する。この中間転写は、感光体ドラム9と中間転写ベルト19とが接触した時に、中間転写ローラ20に所定のバイアス電圧を印加することによって行なわれる。その後、感光体ドラム9上の残留トナーをクリーニングユニット10によって除去し、除電ランプ11で除電してから再び帯電チャージャ12による帯電が始まり、レーザ光による書き込み,現像,中間転写,クリーニングと続くサイクルを繰り返す。
【0046】
それによって、感光体ドラム9上に順次形成されたK,M,Y,Cの各トナー画像を中間転写ベルト19上に順次位置合わせして転写することにより4色重ねの中間転写画像(フルカラー画像)が形成され、それを転写紙上に一括転写する。そのため、中間転写ベルト19上にKトナー画像を形成するK工程が終了すると、次に中間転写ベルト19上にCトナー画像を形成するC工程に進むが、そのCトナー画像の先端部と中間転写ベルト19上のKトナー画像の先端部とが一致するように、レーザ書込ユニット8によるC潜像用のレーザ光による書き込み開始のタイミングが調整される。
【0047】
同様に、M工程及びY工程が行なわれて、中間転写ベルト19上に4色重ねの中間転写画像が形成される。但し、画像形成順序はK,C,M,Yに限定されるものではなく、トナーの特性と最終的に転写紙上に形成されるフルカラー画像の仕上り効果とに応じて、画像形成順序が予め決定される。
中間転写ベルト19は、中間転写ローラ20,駆動ローラ21,及び従動ローラ群に張架されており、図示しない駆動モータにより矢示B方向に周動される。
【0048】
ベルトクリーナ22は、ブラシローラ22a,ゴムブレード22b,及びベルトからの接離機構22c等から構成され、最初のKトナー画像を中間転写する前は中間転写ベルト19に接触しているが、中間転写が開始されると接離機構22cによってベルト面から離される。
【0049】
紙転写ユニット23は、紙転写ローラ23a,ローラクリーニングブレード23b,及びベルトからの接離機構23c等から構成されている。紙転写ローラ23aは、通常は中間転写ベルト19から離れているが、中間転写ベルト19上に形成された4色重ねの中間転写画像を転写紙上に一括転写する時に、タイミングを取ってその転写紙を中間転写ベルト19に押圧し、該ローラ23aに所定のバイアス電圧を印加して中間転写画像をその転写紙上に転写させる。
【0050】
4色重ねの中間転写像が転写紙上に転写され始めると、ベルトクリーナ22は接離機構22cにより紙転写を終った中間転写ベルト19に接触し、ブラシローラ22aとゴムブレード22bとによって残留しているトナーを回収することによりクリーニングを行なう。
【0051】
その後、中間転写ベルト19から4色重ねの中間転写像が一括紙転写された転写紙を搬送ベルト27で定着ユニット28に搬送し、所定温度にコントロールされた定着ローラ28aと加圧ローラ28bとでトナー画像を加圧溶融定着してコピートレイ29に排出し、フルカラーコピーが得られる。
【0052】
なお、給紙カセット(給紙トレイ)30〜33には、それぞれ異なるサイズ又は方向の転写紙が収納されており、操作部からの操作信号によって指示されたサイズ又は方向の転写紙(用紙)が収納されている給紙カセットからその転写紙を所定のタイミングで給紙ローラ25により給送し、その先端がレジストローラ対26に突き当った状態で一旦停止させ、中間転写ベルト19の4色重ね中間転写画像の先端部が紙転写位置に到達するタイミングに合わせて再給送する。34はOHP用紙や厚紙などの手差し給紙トレイである。
【0053】
図4は、このデジタル複写機の制御系の構成例を示すブロック図である。
このデジタル複写機の制御部は、メイン制御部61,スキャナ制御部62,画像処理部63,レーザ駆動部64,中間転写ベルト制御部65,AC負荷制御部66等から構成されている。
メイン制御部61は、このデジタル複写機全体を統括的に制御する。
【0054】
スキャナ制御部62は、スキャナモータ71の駆動制御及びカラーラインセンサ7による画像読み取り制御を行ない、カラーラインセンサ7から出力されるR,G,Bの画像信号及びその出力(読み取り)タイミングを示す信号を画像処理部63へ送出する。
【0055】
画像処理部63は、スキャナ1のスキャナ制御部62からのR,G,Bの画像信号をそのままK,C,M,Yの画像信号に変換したり、上記R,G,Bの画像信号を一旦画像メモリに書き込んで記憶させた後、所定のタイミングで読み出してK,C,M,Yの画像信号に変換する処理を含む各種画像処理を行ない、そのK,C,M,Yの画像信号をレーザ駆動部64に送る。
【0056】
レーザ駆動部64は、同期検知センサ72からの同期検知信号及び画像処理部63からの各色の画像信号に応じて図2に示したレーザ書込ユニット8内のレーザダイオード68を変調(ON/OFF)駆動し、そのレーザダイオード68から画像信号に応じて変調されたレーザ光を発生させる。
同期検知センサ72は、感光体ドラム9上の画像形成開始位置を一定にするために、画像形成開始前の画像形成領域外でレーザ書込ユニット8内の図示しないポリゴンミラーで反射されたレーザ光を検知し、同期検知信号を出力する。
【0057】
ポリゴンモータ73は、メイン制御部61からの駆動信号に応じた回転数で回転し、ポリゴンミラーを回転させる。
中間転写ベルト制御部65は、メイン制御部61からの駆動信号及びマークセンサ50からのタイミング信号に応じてベルト駆動モータ74をONにして中間転写ベルト19の回動を開始させたり、所定のタイミングでベルト駆動モータ74をOFFにして中間転写ベルト19の回動を停止させる。
【0058】
AC負荷制御部66は、メイン制御部61からの駆動信号に応じて定着ローラ28aに内蔵されているヒータを含むAC負荷75への通電を制御する。
複写プロセス機器76は、帯電チャージャ12,各現像器14〜17,紙転写ユニット23等であり、メイン制御部61からの指示によって(タイミング信号に応じて)駆動する。
【0059】
シーケンス機器77は、上述したスキャナモータ71,ポリゴンモータ73,及びベルト駆動モータ74を除く各種モータ,ソレノイド,クラッチ等であり、メイン制御部61からのタイミング信号に応じて駆動する。
操作部78は、メイン制御部61からの表示情報を表示する表示器と、各種情報を入力するキーとを備えている。
【0060】
センサ・スイッチ類79は、カラーラインセンサ7,同期検知センサ72,マークセンサ50を除く、各種センサ及びスイッチである。その各種センサには、給紙カセット30〜33内の転写紙の有無をそれぞれ検出するペーパエンドセンサ、及び給紙カセット30〜33内のカセットサイズ(転写紙サイズ及び方向)をそれぞれ検出するカセットサイズセンサが含まれている。
【0061】
図1は、図4の画像処理部63の構成例を示すブロック図である。
この画像処理部63は、データバス制御部81,メモリ制御部82R,82G,82B,画像メモリ83R,83G,83B,色補正部84,及び階調処理部85によって構成されている。
【0062】
データバス制御部81は、出力制御手段に相当するものであり、メイン制御部61からの指示(制御信号)に基づいて以下の(1)〜(4)に示す制御を選択的に行なう。
(1)スキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82B(画像メモリ83R,83G,83B)と色補正部84の両方に同時に出力する。
【0063】
(2)メモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力する。
(3)スキャナ1からのR,G,Bの画像信号を色補正部84のみに出力する。
(4)スキャナ1からのR,G,Bの画像信号とメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を演算して色補正部84に出力する。
【0064】
メモリ制御部82Rは、メイン制御部61からの制御信号に基づいてスキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるR画像信号の画像メモリ73Rへの書き込み動作又は読み出し動作を選択的に行なう。また、その書き込み動作時又は読み出し動作時に、必要に応じてメモリアドレスを操作することによりR画像信号を回転させる。さらに、変倍処理機能も有している。
【0065】
メモリ制御部82Gは、メイン制御部61からの制御信号に基づいてスキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるG画像信号の画像メモリ83Gへの書き込み動作又は読み出し動作を選択的に行なう。また、その書き込み動作時又は読み出し動作時に、必要に応じてメモリアドレスを操作することによりG画像信号を回転させる。さらに、変倍処理機能も有している。
【0066】
メモリ制御部82Bは、メイン制御部61からの制御信号に基づいてスキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるB画像信号の画像メモリ83Bへの書き込み動作又は読み出し動作を選択的に行なう。また、その書き込み動作時又は読み出し動作時に、必要に応じてメモリアドレスを操作することによりB画像信号を回転させる。さらに、変倍処理機能も有している。
【0067】
画像メモリ83R,83G,83Bは、それぞれR,G,Bの画像信号を記憶(蓄積)する16MBのDRAMであり、画像記憶手段に相当する。
色補正部84は、R,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に変換する色変換回路と、色変換回路からのK,C,M,Yの画像信号に対して空間フィルタに関する処理(MTF補正)を行なうMTF補正回路とを備えている。
【0068】
なお、その各回路に代えて、R,G,Bの画像信号に対してMTF補正を行なうMTF補正回路と、MTF補正回路からのR,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に変換する色変換回路とを備えてもよい。
階調処理部85は、色補正部84からのK,C,M,Yの画像信号に対してプリンタγ補正処理,変倍処理,ディザ処理等の処理を行なう。
色補正部84及び階調処理部85が、画像処理手段としての機能を果たす。
【0069】
以下、このデジタル複写機におけるこの発明に係るフルカラーコピーの出力制御について説明する。なお、給紙カセット30〜33には、A3,A4ヨコ,A4タテ,B5ヨコが収納されているものとする。
【0070】
(1)この発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第1例
まず、このデジタル複写機におけるこの発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第1例について、図5を参照して具体的に説明する。ここでは、最大画像サイズ(中間転写ベルト19に転写できるトナー画像の最大サイズ)をA3とし、各画像メモリ83R,83G,83Bのメモリ容量を最大画像サイズの画像信号までを記憶できるメモリ容量とする。
【0071】
図5は、このデジタル複写機におけるADF40を圧板として使用した時のコピー(圧板1to1コピー)動作を説明するための図である。
図4の操作部78上のキー操作によってコピー部数(置数)「1」が設定され、且つ図2のコンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で、操作部78上のスタートキーが押下された時に、図1のメイン制御部61はスキャナ1に原稿の画像面をスキャンしてR,G,Bの画像信号を出力するスキャン動作を開始させる。
【0072】
そして、データバス制御部81によってスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82Bと色補正部84の両方に出力させる。また、メモリ制御部82R,82G,82Bに書き込みの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、スキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をそれぞれ画像メモリ83R,83G,83Bに書き込んで記憶させる(図5のメモリIN)。
【0073】
さらに、メイン制御部61は、色補正部84にK変換用パラメータ及び空間フィルタに関するパラメータ(フィルタ係数)をロードする。それによって、色補正部84は、そのK変換用パラメータ及びフィルタ係数をそれぞれ設定し、スキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をK変換用パラメータを用いてK画像信号に変換し、そのK画像信号を上記フィルタ係数を用いてMTF補正(空間フィルタに関する処理)を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0074】
階調処理部85は、メイン制御部61からの指示により、色補正部84からのK画像信号をγ補正等の処理を行なって図4のレーザ駆動部64へ出力する。
それによって、最終的に図2の感光体ドラム9上にK画像信号に応じたKトナー画像が形成され(作像が行なわれ)、そのKトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写される。
【0075】
次に、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに読み出しの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図5のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力する。
【0076】
また、色補正部84にC変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、C変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をC変換用パラメータを用いてC画像信号に変換し、そのC画像信号を上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0077】
階調処理部85は、メイン制御部61からの指示に基づいて、色補正部84からのC画像信号をγ補正等の処理を行なってレーザ駆動部64へ出力する。
それによって、最終的に感光体ドラム9上にC画像信号に応じたCトナー画像が形成され、そのCトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写される。すなわち、Kトナー画像上にCトナー画像が重ねられる。
【0078】
続いて、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図5のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力する。
【0079】
また、色補正部84にM変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、M変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をM変換用パラメータを用いてM画像信号に変換し、そのM画像信号を上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0080】
階調処理部85は、メイン制御部61からの指示に基づいて、色補正部84からのM画像信号をγ補正等の処理を行なってレーザ駆動部64へ出力する。
それによって、最終的に感光体ドラム9上にM画像信号に応じたMトナー画像が形成され、そのMトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写される。すなわち、K,Cのトナー画像上にMトナー画像が重ねられる。
【0081】
その後、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図5のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力する。
【0082】
また、色補正部84にY変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、Y変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をY変換用パラメータを用いてY画像信号に変換し、そのY画像信号を上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0083】
階調処理部85は、メイン制御部61からの指示に基づいて、色補正部84からのY画像信号をγ補正等の処理を行なってレーザ駆動部64へ出力する。
それによって、最終的に感光体ドラム9上にY画像信号に応じたYトナー画像が形成され、そのYトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写される。すなわち、K,C,Mのトナー画像上にYトナー画像が重ねられる。
【0084】
Yトナー画像の中間転写ベルト19への中間転写が終了すると、その中間転写ベルト19上では4色(K,C,M,Y)のフルカラー画像が完成するため、そのフルカラー画像は給紙カセット30〜33のいずれかから給紙される転写紙上に一括転写された後、その転写紙は定着ユニット28でフルカラー画像が定着され、フルカラーコピーとしてコピートレイ29に排出される。
【0085】
なお、コピー部数として「N(N≧2)」が設定された場合には、メイン制御部61は上述した1枚のフルカラーコピーの出力制御を行なった後、以下の制御を行なう。
すなわち、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し、データバス制御部81に出力する。
【0086】
次いで、メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力させると共に、色補正部84にK変換用パラメータをロードする。
以後、メイン制御部61が前述と同様な制御を行なうことにより、最終的に1枚目と同じフルカラーコピーがコピートレイ29に排出される。
したがって、メイン制御部61が上述した2枚目以降の制御をN−1回繰り返し行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーをN枚とることができる。
【0087】
このように、メイン制御部61が、データバス制御部81にスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をそのまま色補正部84に出力させると同時に、メモリ制御部82R,82G,82Bに出力させて画像メモリ83R,83G,83Bに一旦記憶させ、その後そのメモリ制御部82R,82G,82Bに画像メモリ83R,83G,83B内のR,G,Bの画像信号を読み出させ、それを色補正部84に出力させることにより、次のような効果を得ることができる。
【0088】
すなわち、画像メモリ83R,83G,83BにR,G,Bの画像信号を記憶するため、K,C,M,Yの画像信号を記憶する画像メモリよりもメモリ容量が小さくなり、しかも色補正部84に備えた色変換回路がR,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に一括変換しなくてもよいため、装置全体のコストの上昇を抑えることができる。また、1枚の原稿に対してスキャン動作を1回行なうだけで、そのフルカラーコピーを何枚もとれるため、コピーの生産性及び装置の耐久性が大幅に向上する。
【0089】
(2)この発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第2例
次に、このデジタル複写機におけるこの発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第2例について説明する。ここでは、スキャナ1及びメイン制御部61が原稿サイズ判別手段としての機能も果たす。また、最大画像サイズをA3とし、各画像メモリ83R,83G,83Bのメモリ容量を最大画像サイズの1/2サイズ(A4ヨコ又はA4タテ)の画像信号までを記憶できるメモリ容量とする。なお、「タテ」は長手方向が搬送方向と一致する原稿,転写紙の方向を、「ヨコ」は長手方向が搬送方向と直交する原稿,転写紙の方向をそれぞれ示すものとする。
【0090】
操作部78上のキー操作によってコピー部数「1」が設定され、且つコンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で操作部78上のスタートキーが押下された時に、メイン制御部61はスキャナ1にスキャン動作を開始させる。
次いで、スキャナ1からの原稿サイズ検知信号に基づいてコンタクトガラス3上の原稿サイズ(スキャナ1からのR,G,Bの画像信号のサイズ)を判別する。
【0091】
そして、原稿サイズがA4ヨコ,A4タテ,又はB5ヨコの場合には、データバス制御部81によってスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82B(画像メモリ83R,83G,83B)と色補正部84の両方に出力させ、以後前述した(1)の制御と同様の制御を行なう。
【0092】
それによって、最終的に中間転写ベルト19上ではK,C,M,Yのフルカラー画像が完成するため、そのフルカラー画像は給紙カセット30〜33のいずれかから給紙される転写紙(A4ヨコ,A4タテ,又はB5ヨコの転写紙)上に一括転写された後、その転写紙は定着ユニット28でフルカラー画像が定着され、フルカラーコピーとしてコピートレイ29に排出される。
【0093】
なお、コピー部数として「N(N≧2)」が設定された場合には、メイン制御部61が上述した1枚のフルカラーコピーの出力制御を行なった後、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を与え、以後(1)の制御と同様な制御を行ない、この2枚目以降の制御をN−1回繰り返し行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーをN枚とることができる。
【0094】
一方、メイン制御部61は、原稿サイズがA3の場合には、データバス制御部81によってスキャナ1からのR,G,Bの画像信号を色補正部84のみに出力させた後、スキャナ1にスキャナ動作をあと3回行なわせてR,G,Bの画像信号を順次出力させ、それらをデータバス制御部81によって順次色補正部84へ出力させる。
【0095】
それによって、最終的に中間転写ベルト19上ではK,C,M,Yのフルカラー画像が完成するため、そのフルカラー画像は給紙カセット30〜33のいずれかから給紙される転写紙(A3の転写紙)上に一括転写された後、その転写紙は定着ユニット28でフルカラー画像が定着され、フルカラーコピーとしてコピートレイ29に排出される。
なお、コピー部数として「N(N≧2)」が設定された場合には、メイン制御部61が以上の制御をN回繰り返す。
【0096】
このように、メイン制御部61が、原稿サイズに応じてデータバス制御部81によりスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82Bと色補正部84の両方あるいは色補正部84のみに出力することにより、次のような効果も得ることができる。
【0097】
すなわち、スキャナ1から出力される画像信号がA4ヨコ,A4タテ,B5ヨコの画像信号であれば、それをメモリ制御部82R,82G,82Bと色補正部84の両方に出力することにより、1枚の原稿に対してスキャン動作を1回行なうだけで、そのフルカラーコピーを何枚もとることができる。スキャナ1から出力される画像信号がA3の画像信号であれば、その画像信号を色補正部84のみに出力することにより、1枚の原稿に対するスキャン動作は1回で済まないが、そのフルカラーコピーをとることが可能になり、装置の使い勝手が向上する。
【0098】
(3)この発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第3例
次に、このデジタル複写機におけるこの発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第3例について説明する。ここでは、スキャナ1及びメイン制御部61が原稿入替有無判断手段及び動作決定手段としての機能も果たす。また、最大画像サイズをA3とし、各画像メモリ83R,83G,83Bのメモリ容量を最大画像サイズ又はその1/2サイズの画像信号までを記憶できるメモリ容量とする。
【0099】
操作部78上のキー操作によってコピー部数「1」が設定され、且つコンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で操作部78上のスタートキーが押下された時に、メイン制御部61はADF40(圧板)の開閉を検知する図示しないセンサからの信号によって原稿の入れ替えの有無を判断し、その判断結果に基づいてスキャナ1によるスキャン動作あるいは画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されている画像信号の読み出し動作のいずれを実行させるかを決定し、その決定した動作を実行させる。
【0100】
すなわち、原稿の入れ替えがあればスキャナ1にスキャン動作を行なわせ、原稿の入れ替えがなければ(但し電源投入後少なくとも1回はスキャン動作が行なわれていることが必要)メモリ制御部82R,82G,82Bによって画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されているR,G,Bの画像信号の読み出し動作をそれぞれ行なわせる。
以後、前述した(1)又は(2)の制御と同じ制御を行なう。
【0101】
このように、メイン制御部61が、ADF40(圧板)の開閉を検知するセンサからの信号によって原稿の入れ替えの有無を判断し、その判断結果に基づいてスキャナ1によるスキャン動作あるいは画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されている画像信号の読み出し動作のいずれを実行させることにより、原稿の入れ替えがない時にはスキャナ1にスキャン動作を行なわせなくても前回と同じ原稿のフルカラーコピーをとることができる。
【0102】
使用者は、操作部78上のキー操作によってコピー条件を設定して原稿のフルカラーコピーをとるが、そのコピー画像を評価し、希望通りのものでなかった場合には、操作部78上のキー操作によってコピー条件を変更し、同じ原稿のカラーコピーを再度とることがよくある。この場合、画像メモリ83R,83G,83Bには既に上記原稿から読み取ったR,G,Bの画像信号がそれぞれ記憶されているため、それを読み出して使用することにより、前回と同じ原稿のフルカラーコピーをとることができる。したがって、処理効率が高まり、コピーの生産性及び装置の耐久性がより向上する。
【0103】
(4)この発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第4例
次に、このデジタル複写機におけるこの発明に係るフルカラーコピーの出力制御の第4例について、図6を参照して説明する。ここでは、スキャナ1及びメイン制御部61が画像回転手段,原稿サイズ・方向判別手段,回転実行可否判断手段,及びパラメータ決定手段としての機能も果たす。また、最大画像サイズをA3とし、各画像メモリ83R,83G,83Bのメモリ容量を最大画像サイズの画像信号までを記憶できるメモリ容量とする。
【0104】
図6は、このデジタル複写機におけるADF40を圧板として使用した時の他のコピー(圧板1to2コピー)動作を説明するための図である。
操作部78上のキー操作によってコピー部数「2」が設定され、且つコンタクトガラス3上に原稿がセットされた状態で操作部78上のスタートキーが押下された時に、メイン制御部61はスキャナ1にスキャン動作を開始させる。
【0105】
次いで、スキャナ1からの原稿サイズ検知信号に基づいてコンタクトガラス3上の原稿サイズ及び方向を判別し、原稿サイズがA3であればデータバス制御部81によってスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82Bと色補正部84の両方に出力させ、以後前述した(1)の制御と同じ制御を行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーを2枚とることができる。
【0106】
また、原稿サイズ及び方向がA4タテ,A4ヨコ,又はB5の場合には、スキャナ1からのR,G,Bの画像信号を回転させる必要があるかないかを判断して、回転させる必要がなければ(現在の方向で中間転写ベルト19に上記原稿のフルカラー画像を2つ形成できる)データバス制御部81によってスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82Bと色補正部84の両方に出力させる。
【0107】
また、メモリ制御部82R,82G,82Bに書き込みの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、スキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をそれぞれ画像メモリ83R,83G,83Bに書き込んで記憶させる(図6のメモリIN)。
【0108】
さらに、メイン制御部61は、色補正部84にK変換用パラメータ及びフィルタ係数をロードする。それによって、色補正部84は、そのK変換用パラメータ及びフィルタ係数をそれぞれ設定し、スキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をK変換用パラメータを用いてK画像信号に変換し、そのK画像信号を上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0109】
続いて、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに読み出しの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図6のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力する。
【0110】
色補正部84は、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号を再びK変換用パラメータを用いてK画像信号に変換し、そのK画像信号を上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0111】
それによって、最終的に感光体ドラム9上にK画像信号に応じたKトナー画像が形成され、そのKトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写された後、再び感光体ドラム9上に上記Kトナー画像と同じKトナー画像が形成され、そのKトナー画像が中間転写ベルト19上(先に転写されたKトナー画像と重ならない位置)に中間転写される。
【0112】
次に、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに読み出しの指示を所定の間隔を置いて2回与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図6のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する制御を所定の間隔を置いて2回行なう。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力させる。
【0113】
また、色補正部84にC変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、C変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して所定の間隔を置いて2回送られてくるR,G,Bの画像信号をC変換用パラメータを用いて順次C画像信号に変換し、その各C画像信号を順次上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0114】
それによって、最終的に感光体ドラム9上にC画像信号に応じたCトナー画像が形成され、そのCトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写された後、再び感光体ドラム9上に上記Cトナー画像と同じCトナー画像が形成され、そのCトナー画像が中間転写ベルト19上(先に転写されたCトナー画像と重ならない位置)に中間転写される。つまり、2つの同じKトナー画像上にそれぞれ同じCトナー画像が重ねられる。
【0115】
続いて、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を所定の間隔を置いて2回与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図6のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する制御を所定の間隔を置いて2回行なう。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力させる。
【0116】
また、色補正部84にM変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、M変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して所定の間隔を置いて2回送られてくるR,G,Bの画像信号をM変換用パラメータを用いて順次M画像信号に変換し、その各M画像信号を順次上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0117】
それによって、最終的に感光体ドラム9上にM画像信号に応じたMトナー画像が形成され、そのMトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写された後、再び感光体ドラム9上に上記Mトナー画像と同じMトナー画像が形成され、そのMトナー画像が中間転写ベルト19上(先に転写されたMトナー画像と重ならない位置)に中間転写される。つまり、2ずつの同じK,Cトナー画像上にそれぞれ同じMトナー画像が重ねられる。
【0118】
その後、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を所定の間隔を置いて2回与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し(図6のメモリOUT)、データバス制御部81へ送出する制御を所定の間隔を置いて2回行なう。
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力させる。
【0119】
また、色補正部84にY変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、Y変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して所定の間隔を置いて2回送られてくるR,G,Bの画像信号をY変換用パラメータを用いて順次Y画像信号に変換し、その各Y画像信号を順次上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0120】
それによって、最終的に感光体ドラム9上にY画像信号に応じたYトナー画像が形成され、そのYトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写された後、再び感光体ドラム9上に上記Yトナー画像と同じYトナー画像が形成され、そのYトナー画像が中間転写ベルト19上(先に転写されたYトナー画像と重ならない位置)に中間転写される。つまり、2ずつの同じK,C,Mトナー画像上にそれぞれ同じYトナー画像が重ねられる。
【0121】
Yトナー画像の中間転写ベルト19への中間転写が終了すると、その中間転写ベルト19上では同一のフルカラー画像が2つ完成するため、その各フルカラー画像は給紙カセット30〜33のいずれかから順次給紙される2枚の転写紙(A4ヨコ又はB5ヨコの転写紙)上に順次一括転写された後、その各転写紙は定着ユニット28で順次フルカラー画像が定着され、フルカラーコピーとしてコピートレイ29に排出される。
【0122】
なお、コピー部数として「N(4以上の偶数)」が設定された場合には、メイン制御部61は上述した2枚(1,2枚目)のフルカラーコピーの出力制御を行なった後、以下の3,4枚目のフルカラーコピーの出力制御を行なう。
【0123】
すなわち、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を所定の間隔を置いて2回与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出し、データバス制御部81へ送出する制御を所定の間隔を置いて2回行なう。
【0124】
メイン制御部61は、データバス制御部81によってメモリ制御部82R,82G,82BからのR,G,Bの画像信号を色補正部84に出力させると共に、色補正部84に再びK変換用パラメータをロードする。
以後、メイン制御部61が前述と同様な制御を行なうことにより、最終的に1,2枚目と同じフルカラーコピーが2枚コピートレイ29に排出される。
したがって、メイン制御部61が以上の制御をN/2回繰り返し行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーをN枚とることができる。
【0125】
また、コピー部数として「3」が設定された場合には、メイン制御部61は前述した最初の2枚(1,2枚目)のフルカラーコピーの出力制御を1回行なった後、前述した1枚のフルカラーコピーの出力制御を行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーを3枚とることができる。
【0126】
さらに、コピー部数として「N(5以上の奇数)」が設定された場合には、メイン制御部61は前述した最初の2枚(1,2枚目)のフルカラーコピーの出力制御を行なった後、前述した3,4枚目のフルカラーコピーの出力制御を(N−1)/2回行ない、さらに前述した1枚のフルカラーコピーの出力制御を行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーをN枚とることができる。
【0127】
一方、メイン制御部61は、スキャナ1からのR,G,Bの画像信号を回転させる必要がある場合には(そのR,G,Bの画像信号を回転させることによってコンタクトガラス3上にセットされた原稿のフルカラー画像を中間転写ベルト19に2つ形成することができる)、現在選択している給紙カセットの転写紙(A4タテの転写紙)とサイズが同一で方向が異なる転写紙(A4ヨコの転写紙)が収納された他の給紙カセットの有無を判断し、その給紙カセットがない場合には、以後原稿サイズがA3の時と同様の制御を行なう。
【0128】
また、上記他の給紙カセットがある場合には、データバス制御部81によってスキャナ1からのR,G,Bの画像信号をメモリ制御部82R,82G,82Bに出力させると共に、メモリ制御部82R,82G,82Bに書き込みの指示を与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、スキャナ1からデータバス制御部81を介して送られてくるR,G,Bの画像信号をそれぞれ画像メモリ83R,83G,83Bに書き込んで記憶させる。このとき、例えば図7の(a)に示すように、アドレス000,100,200,300,……という順序で書き込み動作を行なう。
【0129】
次に、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに読み出しの指示を所定の間隔を置いて2回与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号を所定の間隔を置いて2回読み出す。このとき、例えば図7の(b)に示すように、アドレス099,098,……という順序(書き込み動作時と直交する順序)で読み出し動作を行なう。
【0130】
ここで、画像メモリ83R,83G,83BへのR,G,Bの画像信号の書き込み方向と読み出し方向とを直交させているが、これによって色補正部84へ出力するR,G,Bの画像信号を90度又は270度回転させることができる。つまり、原稿サイズによって画像メモリ83R,83G,83Bに書き込むR,G,Bの画像信号の画素数が決定されるため、画像メモリ83R,83G,83Bへの書き込み動作時又は読み出し動作時にメモリアドレスを操作することにより、R,G,Bの画像信号を90度又は270度回転させることができる。
【0131】
また、メイン制御部61は、色補正部84にK変換用パラメータ及びフィルタ係数をロードする。それによって、色補正部84は、そのK変換用パラメータ及びフィルタ係数をそれぞれ設定し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して所定の間隔を置いて2回送られてくるR,G,Bの画像信号をK変換用パラメータを用いて順次K画像信号に変換し、その各K画像信号を順次上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0132】
それによって、最終的に感光体ドラム9上にK画像信号に応じたKトナー画像が形成され、そのKトナー画像が中間転写ベルト19上に中間転写された後、再び感光体ドラム9上に上記Kトナー画像と同じKトナー画像が形成され、そのKトナー画像が中間転写ベルト19上(先に転写されたKトナー画像と重ならない位置)に中間転写される。
【0133】
次に、メイン制御部61は、メモリ制御部82R,82G,82Bに再び読み出しの指示を所定の間隔を置いて2回与える。それによって、メモリ制御部82R,82G,82Bは、前述と同様に画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されたR,G,Bの画像信号をそれぞれ読み出す。
【0134】
また、メイン制御部61は、色補正部84にC変換用パラメータをロードする。それによって、色補正部84は、そのC変換用パラメータに設定変更し、メモリ制御部82R,82G,82Bからデータバス制御部81を介して所定の間隔を置いて2回送られてくるR,G,Bの画像信号をC変換用パラメータを用いて順次C画像信号に変換し、その各C画像信号を順次上記フィルタ係数を用いてMTF補正を行なった後、階調処理部85へ出力する。
【0135】
以後、前述と同様な制御により、色補正部84からM,Yの画像信号が2回ずつ階調処理部85へ出力され、最終的にK,C,M,Yのフルカラー画像が中間転写ベルト19上で2つ完成し、その各フルカラー画像は給紙カセット30〜33のいずれかから順次給紙される2枚の転写紙(A4ヨコの転写紙)上に順次一括転写された後、その各転写紙は定着ユニット28で順次フルカラー画像が定着され、フルカラーコピーとしてコピートレイ29に排出される。
【0136】
なお、コピー部数として「N(N≧3)」が設定された場合には、メイン制御部61は前述した2枚(1,2枚目)のフルカラーコピーの出力制御あるいは前述した1枚のフルカラーコピーの出力制御と殆ど同じ制御(画像信号の回転に関する処理を含む)を行なうことにより、1枚の原稿のフルカラーコピーをN枚とることができる。
【0137】
このように、メイン制御部61が、原稿サイズ及び方向に応じて画像メモリ83R,83G,83Bへの書き込み動作時あるいは読み出し動作時に画像信号を回転させるか否かを判断するようにし、スキャナ1から出力される画像信号がA4以下の画像信号の時に、その画像信号を画像メモリ83R,83G,83Bへの書き込み動作時あるいは読み出し動作時に必要に応じて回転させ、その画像信号を色補正部84に画像形成色毎に2回出力して最終的にプリンタ2内の中間転写ベルト19上に同一のフルカラー画像を2つ形成することにより、コピーの生産性をさらに向上させることができる。
【0138】
ここで、コンタクトガラス3上の原稿を90度置き換えてスキャナ1にスキャン動作を行なわせて得られる画像信号と、スキャナ1からの画像信号を90度回転させて得られる画像信号は、同一にはならない。特に、MTFは主走査と副走査で異なることが多い。実施形態の場合は、主走査方向のMTFが副走査方向のMTFよりも高いため、空間フィルタに関する処理(MTF補正)はそれぞれの場合に合わせて行なうことが望ましい。
【0139】
そこで、画像信号の回転を行なわせるか否かを判断し、その判断結果に応じて異なる空間フィルタを利用できるようにフィルタ係数を決定し、それを色補正部84のMTF補正回路に設定することにより、フルカラーコピーの画質を向上させることもできる。なお、例えば図8の(a)(b)にそれぞれ示すような通常時のフィルタ係数,回転時のフィルタ係数をMTF補正回路に持たせ、そのいずれかを上記判断結果に応じてメイン制御部61が選択するようにしたり、フィルタ係数そのものをMTF補正回路にダウンロードするようにするとよい。
【0140】
なお、メイン制御部61が、前述の各フルカラーコピーの出力制御時に、給紙中の給紙カセットに転写紙がなくなると(ペーパエンドになった時)、サイズが同一で方向が異なる転写紙が収納された他の給紙カセットの有無を判断し、その給紙カセットがあればその給紙トレイからの給紙に変更すると共に、画像メモリ83R,83G,83Bに記憶されているR,G,Bの画像信号を90度又は270度回転させることにより、リピートコピーの中断を防止することもできる。
【0141】
さらに、画像信号の回転を画像メモリ83R,83G,83Bからの読み出し時に行なうようにすれば、給紙カセットが切り替わった場合でも、スキャナ1にスキャン動作を再び行なわせる必要がないため、制御効率がより高まる。
この場合、スキャナ1,プリンタ2,及びメイン制御部61が、用紙サイズ・方向判別手段,用紙有無判断手段,他トレイ有無判断手段,給紙変更手段,画像回転手段としての機能を果たす。
【0142】
なお、この実施形態では、色補正部84が、R,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に変換した後、そのK,C,M,Yの画像信号に対してMTF補正を行なうようにしたが、前述したような回路構成の変更により、R,G,Bの画像信号に対してMTF補正を行なった後、そのR,G,Bの画像信号をK,C,M,Yの画像信号に変換することもできる。
【0143】
以上、この発明をデジタルカラー複写機に適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、デジタルカラーファクシミリ装置,あるいはそれらを統合した複合機などの電子写真方式を用いたカラー画像形成装置に適用し得るものである。
【0144】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明のカラー画像形成装置によれば、コストの上昇を抑えると共に、コピーの生産性及び装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4の画像処理部63の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態であるデジタルカラー複写機の機構部を示す概略構成図である。
【図3】図2の感光体ドラム及び中間転写ベルト回りの部分拡大図である。
【図4】図2に示したデジタル複写機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】図2に示したデジタル複写機におけるADF40を圧板として使用した時のコピー(圧板1to1コピー)動作を説明するための図である。
【図6】同じくADF40を圧板として使用した時の他のコピー(圧板1to2コピー)動作を説明するための図である。
【図7】図1の色補正部84への画像信号を回転させるための画像メモリ83R,83G,83Bへの書き込み動作と読み出し動作を説明するための図である。
【図8】図1の色補正部84で使用する空間フィルタの係数の異なる例を示す図である。
【符号の説明】
1:スキャナ 2:プリンタ
7:カラーラインセンサ 8:レーザ書込ユニット
9:感光体ドラム 10:クリーニングユニット
11:除電ランプ 12:帯電チャージャ
14:K現像器 15:C現像器
16:M現像器 17:Y現像器
19:中間転写ベルト 20:中間転写ローラ
23:紙転写ユニット 23a:紙転写ローラ
40:自動原稿給送装置(ADF)
61:メイン制御部 62:スキャナ制御部
63:画像処理部 64:レーザ駆動部
68:レーザダイオード 78:操作部
79:センサ・スイッチ類 81:データバス制御部
82R,82G,82B:メモリ制御部
83R,83G,83B:画像メモリ
84:色補正部 85:階調処理部

Claims (5)

  1. 原稿の画像面をスキャンしてフルカラーのデータ成分を読み取って画像信号を出力するスキャン動作を行なう画像読取手段と、該手段からの少なくとも最大画像サイズの1/2サイズ分の画像信号を記憶する画像記憶手段と、前記画像読取手段あるいは前記画像記憶手段からの画像信号をフルカラー画像形成用の画像信号に変換する処理を含む画像処理を行なって出力する画像処理手段と、該手段からの画像信号に基づいて画像保持体上に複数色の画像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する画像形成手段と、前記画像読取手段からの画像信号を前記画像記憶手段又は前記画像処理手段に出力する制御あるいは前記画像記憶手段からの画像信号を前記画像処理手段に出力する制御を選択的に行なう出力制御手段とを備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
    前記画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿のサイズを判別する原稿サイズ判別手段を設け、前記出力制御手段が、前記原稿サイズ判別手段によって判別されたサイズが前記画像記憶手段が前記画像読取手段からの画像信号を記憶できるサイズである場合には、該画像信号を画像記憶手段と前記画像処理手段の両方に、前記画像記憶手段が前記画像読取手段からの画像信号を記憶できないサイズである場合には、該画像信号を前記画像処理手段のみにそれぞれ出力するようにしたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
    画像形成開始指示がなされた時に、前記画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿の入れ替えの有無を判断する原稿入替有無判断手段と、該手段によって前記原稿の入れ替えがあると判断された場合には、前記画像読取手段によるスキャン動作の実行を、前記原稿の入れ替えがないと判断された場合には、前記画像記憶手段に記憶されている画像信号の読み出し動作の実行をそれぞれ決定する動作決定手段とを設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
    前記画像記憶手段への書き込み動作時あるいは読み出し動作時に画像信号を回転させる画像回転手段と、前記画像読取手段によって画像面がスキャンされる原稿のサイズ及び方向を判別する原稿サイズ・方向判別手段と、該手段によって判別されたサイズ及び方向が前記画像読取手段からの画像信号を回転させずに前記画像保持体上にフルカラー画像を2つ形成できるサイズ及び方向である場合には、前記画像回転手段によって画像信号を回転させる必要がないと判断し、前記画像読取手段からの画像信号を回転させることによって前記画像保持体上にフルカラー画像を2つ形成できるサイズ及び方向である場合には、前記画像回転手段によって画像信号を回転させる必要があると判断する回転実行可否判断手段とを設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、複数の給紙トレイを有し、その各給紙トレイ内の用紙サイズ及び方向をそれぞれ判別する用紙サイズ・方向判別手段と、前記各給紙トレイ内の用紙の有無をそれぞれ判断する用紙有無判断手段と、該手段によって給紙中の給紙トレイに用紙がなくなったと判断された場合に、前記用紙サイズ・方向判別手段による判別結果に基づいてサイズが同一で方向が異なる用紙が収納された他の給紙トレイの有無を判断する他トレイ有無判断手段と、該手段によって該給紙トレイがあると判断された場合に、該給紙トレイからの給紙に変更する給紙変更手段と、該手段による給紙変更が行なわれた時に、前記画像記憶手段に記憶されている画像信号を90度又は270度回転させる画像回転手段とを設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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