JP3580836B2 - 好中球減少症治療剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ヒト神経成長因子2(NGF−2)を含有する好中球減少症治療剤 に関する。
【0002】
【従来の技術】
神経栄養因子群は、神経成長因子(nerve growth factor,NGF)がレヴィ ーモンタルチーニ(Levi−Monntalcini),アニュアル ニューヨーク アカデミー オブ サイエンス(Anu. N. Y. Acad. Sci)55,330(1952)およびコーエン(Cohen)ら,プロシージング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci.) USA 40,1014(1954)によって見出されて以来、多数の因子が見い出されている。これらの因子は、神経細胞の分化、成熟、生存、機能維持、増殖などの多様な機能を担っているものと考えられている。これらの因子は具体的には、先に上げたNGF以外に、脳由来神経栄養因子(brain devived neurotrophic factor BDNF,Barde Y−A,et al,エンボ・ジャーナル(EMBO J.)1,549−553(1982)),毛様体神経栄養因子(ciliary neurotrophic factor;CNTF,Watters. D. et al,ジャーナル・オブ・ニューロケミストリー(J. Neurochem.) 49,705−713,(1987)などが報告されている。
ヒト神経成長因子2(NGF−2)は、ヨーロッパ特許出願公開第386,7 52号公報にポリペプチド(I)として示され、また、フェブス・レターズ(FEBS Letters),266,187−191(1990)に発表されている。これと同じ因子が、Hohn ら,ネイチャー(Nature),344,399(1990)などの文献にNT−3として発表されており、またPCT公開WO91/03569号公報に示されている。
該ヒト神経成長因子2を、本明細書においては、ヒトNGF−2/NT−3と略称することもある。ヒトNGF−2/NT−3については、(1)ヒトNGF−2/NT−3遺伝子は腎臓および脳中の海馬,小脳に強く発現している。(2)成熟動物よりも新生仔の方が発現が強い。(3)NGF,BDNFが作用を示さないか弱い作用を示すような神経細胞(例えば nodose ganglion 由来神 経細胞)に作用を示す。これらのことから、NGF−2/NT−3は神経系の発達時に重要な働きをしていると考えられる。
血球の分化においては、まず多能性幹細胞がリンパ系幹細胞と骨髄系幹細胞に分化する。次にリンパ系幹細胞はいくつかの過程を経て、Tリンパ球および形質細胞へと分化する。また骨髄系幹細胞は、いくつかの分化過程を経て好塩基球,好酸球,単球およびマクロファージ,好中球,巨核球および赤血球へと分化する。これらの各分化過程には多数の造血因子(コロニー刺激因子およびインターロイキンなど)が関与していることが分っており、そのうちいくつかの因子は臨床的に有用であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
各種コロニー刺激因子やインターロイキンなどの造血因子は血球の分化過程に働く因子であり、末梢血中の最終分化過程にある血球、例えば好塩基球,好酸球,単球,好中球などに作用し、これらを増殖せしめるものは非常に少ない。例えばNGFに末梢血リンパ球のコロニー形成を促進することが知られている〔プロシージング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci.) USA 85,6508(1988)〕だけである。
NGF−2/NT−3は中枢神経系諸疾患の治療への応用が試みられているが、本発明はこの因子が末梢血中の血球を増殖せしめる作用を有することを応用し、この因子を好中球減少症さらには感染症および腫瘍に対する治療剤として用いることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に挙げたNGFとは構造的に異なるNGF−2/NT−3が末梢血中の分化した血球の増殖を刺激する活性をもつことを見い出し、これを動物に投与すると顕著な血球の増加が引き起こされ、好中球減少症の治療に著効を示すことを見い出し、さらに感染症および腫瘍の治療にも有効であろうと考えられ、これらの知見に基づいて鋭意研究した結果、本発明を完成した。
【0005】
本発明は、NGF−2/NT−3を含有する好中球減少症治療剤である。
上記NGF−2/NT−3活性物質としては、神経栄養因子活性、すなわち神経細胞の分化,生存,機能維持などの作用を有する物質であればいずれでもよい。 例えば動物体内や動物細胞で産生される天然のNGF−2/NT−3、遺伝子組換え技術で生産されるNGF−2/NT−3、あるいはこれらの関連物質が挙げられる。上記NGF−2/NT−3やこれらの関連物質は、そのペプチド鎖に糖鎖を有していてもよくまた無くてもよい。
具体的には、例えば〔図22〕(配列番号12。図22においてXはArgまたはArg Thrである。)で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド(I)(ヒトNGF−2/NT−3)(EP−386,752,特開平3−204897)や、その生物学的もしくは免疫学的活性に必要な一部分のアミノ酸配列からなるフラグメントでもよい。上記フラグメントとしては、例えばポリペプチド(I)のアミノ末端から5個のアミノ酸残基を欠くフラグメント(ヨーロッパ特許公開499,993号)やカルボキシル末端部の数個のアミノ酸残基を欠くフラグメントなどが挙げられる。さらに〔図22〕で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド(I)のムテインも本発明において用いることができる。
【0006】
このようなNGF−2/NT−3のムテインは主に本来のペプチドもしくは蛋白質のアミノ酸配列の改変によって得られる。このような改変としては単数もしくは複数のアミノ酸の付加、単数もしくは複数の構成アミノ酸の欠失、および単数もしくは複数の構成アミノ酸の他のアミノ酸での置換などが挙げられる。更に、グリコシル化位置で導入されるNGF−2/NT−3のムテインもこの改変の中に含まれるものである。
上記のアミノ酸の付加としては、NGF−2/NT−3の活性が失なわれない範囲内で、ペプチド発現のためもしくはシグナルペプチドとして使用される開始コドンに由来するメチオニンもその対象として、少なくとも1個のアミノ酸の付加をいう。NGF−2/NT−3と同様の活性を示すNGFやBDNFとの類似性を有す蛋白質のアミノ酸配列のいくつかもしくは全てが、付加のための好ましいアミノ酸として挙げられる。
上記の欠失されるアミノ酸は、NGF−2/NT−3の活性が失なわれない範囲内でかつシステインを除く、NGF−2/NT−3構成アミノ酸の少なくとも1個のアミノ酸の欠失が挙げられる。ポリペプチド(I)のアミノ末端から1〜7個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失したムテインや、ポリペプチド(I)の41〜48番目、57〜61番目および91〜94番目のアミノ酸領域から1もしくはそれ以上のアミノ酸が欠失したムテインがその例として挙げられる。
【0007】
上記の他のアミノ酸で構成アミノ酸を置換するものとしては、NGF−2/NT−3の活性が失なわれない範囲で、システインを除く少なくともの1個のNGF−2/NT−3構成アミノ酸を少なくとも1個の異なったアミノ酸で置換するものが挙げられる。これらの被置換構成アミノ酸としては、イソロイシン、リジン、スレオニン、アラニン、セリン、プロリン、バリン、グルタミン酸、アルギニン、グリシンおよびアスパラギンが挙げられ、その置換位置としては、図22のアミノ酸配列の内、アミノ酸残基番号41〜48番、57〜61番および91〜94番の領域での置換が好ましいものとして挙げられる。
例えば、構成アミノ酸がイソロイシンであるとき、置換アミノ酸としてはアスパラギン、スレオニン、バリン、リジン、グリシン、セリンおよびプロリンが挙げられる。
構成アミノ酸がアルギニンであるとき、置換アミノ酸としてはグルタミン酸、リジンおよびアラニンが挙げられる。
構成アミノ酸がグリシンであるとき、置換アミノ酸としてはスレオニン、イソロイシン、リジン、グリシン、セリン、アスパラギン、プロリンおよびバリンが挙げられる。
構成アミノ酸がセリンであるとき、置換アミノ酸としてはイソロイシン、グルタミン酸、スレオニン、グリシン、アスパラギン、プロリン、バリンおよびリジンが挙げられる。
【0008】
構成アミノ酸がバリンであるとき、置換アミノ酸としてはセリン、イソロイシン、プロリン、グリシン、スレオニン、リジンおよびアスパラギンが挙げられる。
構成アミノ酸がリジンであるとき、置換アミノ酸としてはイソロイシン、スレオニン、グリシン、アスパラギン、セリン、プロリン、グルタミン酸、アラニン、アルギニンおよびバリンが挙げられる。
構成アミノ酸がスレオニンであるとき、置換アミノ酸としてはイソロイシン、リジン、グリシン、アスパラギン、セリン、プロリンおよびバリンが挙げられる。
構成アミノ酸がアスパラギンであるとき、置換アミノ酸としてはイソロイシン、スレオニン、グリシン、リジン、セリン、プロリン、グルタミン酸およびバリンが挙げられる。
構成アミノ酸がプロリンであるとき、置換アミノ酸としてはイソロイシン、リジン、グリシン、アスパラギン、セリン、スレオニンおよびバリンが挙げられる。
構成アミノ酸がアラニンであるとき、置換アミノ酸としてはグルタミン酸、リジンおよびアルギニンが挙げられる。
構成アミノ酸がグルタミン酸であるとき、置換アミノ酸としてはアラニン、リジン、セリン、アスパラギンおよびアルギニンが挙げられる。
【0009】
上記置換においては、少なくとも2つの構成アミノ酸の置換を同時に行なうことができ、特に2もしくは3の構成アミノ酸の置換が好ましい。
上記の付加、欠失および置換の2もしくは3個の組合せによってムテインを得ることもできる。
これらのムテインを得るために、部位指向突然変異を用いることができる。この技術はR.F.LatherおよびJ.P.Lecoqのジェネティク・エンジニアリング(Genetic Engineering),31−50頁、アカデミック・プレス(1983)に記載されて、よく知られているものである。オリゴヌクレオチドに対する突然変異は、M.SmithおよびS.Gillamのジェネティク・エンジニアリング:プリンシプルズ・アンド・メソッズ(Genetic Engineering:Principles and Methods),3巻,1〜32頁、プレナム・プレス(1981)に記載されている。
【0010】
また上記NGF−2/NT−3は、ポリエチレングリコール誘導体など、化学修飾されたものでもよい。
とりわけ、本発明においては〔図22〕で示されるアミノ酸配列を有するヒトNGF−2/NT−3を用いるのが好ましく、この場合そのアミノ末端にさらにメチオニン残基(Met)を有するものと有さないものとの混合物であってもよく、またアミノ末端にMetを有さずチロシン(Tyr)で始まるもの(ヨーロッパ特許公開499,993号)でもよい。
【0011】
本発明におけるNGF−2/NT−3は低毒性であるので安全に使用することができる。
本発明のNGF−2/NT−3は末梢血中の血球、たとえば好塩基球,好酸球,単球,好中球などを増加せしめ、その機能を亢進させる。従って、本発明のNGF−2/NT−3は動物の好中球減少症に対する治療剤として用いることができ、さらに感染症や腫瘍に対する治療剤として用いることができる。
該動物としては温血哺乳動物があげられ、その例としては、たとえばマウス、ネコ、牛、羊、ヤギ、ブタ、ウサギ、ヒトなどがあげられる。
【0012】
本発明の治療剤は動物に投与することにより、その好中球減少症、さらに感染症に伴なう症状を改善し、治癒を促進する。本発明の治療剤は動物に投与することにより、さらに、抗腫瘍作用をも示す。
該投与は、一般に非経口的におこなわれ、たとえば本発明の治療剤を該動物に注射投与することにより好ましく実施できる。
本発明の治療剤の使用量は、その使用方法,使用目的などにより異なるが、NGF−2/NT−3のタンパク質量として、注射投与して用いる場合には、たとえば1日量約0.02μg/kg〜0.02mg/kgを投与するのが好ましい。
【0013】
本発明の治療剤を水溶液として調製する場合は、NGF−2/NT−3を水性溶剤(例、蒸留水),水溶性溶剤(例、生理的食塩水,リンゲル液),油性溶剤(例、ゴマ油,オリーブ油)等の溶剤,または所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナトリウム,酢酸ナトリウム),緩衝液(例、クエン酸ナトリウム,グリセリン),等張化剤(例、ブドウ糖,転化糖),安定剤(例、ヒト血清アルブミン,ポリエチレングリコール),保存剤(例、ベンジルアルコール,フェノール),無痛化剤(例、塩化ベンザルコニウム,塩酸プロカイン)等の添加剤と共に用いて、常套手段により製造される。
また、該水溶液におけるpHは、約3〜8に、さらに好ましくは約5〜7に調 整される。上記pH範囲に調整するためには、たとえば希酸(例、希塩酸)や希 アルカリ(例、希水酸化ナトリウム,希炭酸水素ナトリウム)などを添加することにより行なわれる。
また、本発明の治療剤を固型状のものとして調製する場合は、たとえばNGF−2/NT−3を凍結乾燥するか、あるいは固型状(例、粉末状)のNGF−2/NT−3に希釈剤(例、蒸留水,生理的食塩水,ブドウ糖),賦形剤(例、カルボキシメチルセルロース(CMC),アルギン酸ナトリウム),保存剤(例、ベンジルアルコール,塩化ベンザルコニウム,フェノール),無痛化剤(ブドウ糖,グルコン酸カルシウム,塩酸プロカイン)等を混合し、常套手段により、固型状筋肉内注射用製剤に製造することができる。
【0014】
本発明の治療剤の製剤化にあたって、NGF−2/NT−3を含有する水溶剤にさらにヒト血清アルブミン(HSA)を配合し、溶液状態でpH3〜8を示す ように調整すると、保存中および凍結や凍結乾燥操作におけるNGF−2/NT−3活性の低下が少なく、また凍結乾燥品においてはその再溶解時の溶状が澄明であるので好都合である。
HSAとしては、いかなるものでもよいが、本組成物を臨床応用するためには、非経口投与に用いる程度の品質のものが好ましい。
例えば、健康人血漿を原料として Cohn のエタノール分画第6法によって、分画精製したものが用いられる。
また安定剤としてアセチルトリプトファンナトリウムや、カプリル酸ナトリウムを含有するものであってもよい。
HSAは、各成分を水溶液とした場合に、水溶液1ml当り約0.1mg〜50mg、とりわけ約0.5mg〜20mg含有させることが好ましい。
【0015】
本発明の治療剤の製剤化にあたっては、上記HSAに加えさらにグリシン,グルタミン酸,アスパラギン酸,アラニン,プロリンなどのアミノ酸、とりわけモノアミノ脂肪族アミノ酸、もしくは環状アミノ酸,ブドウ糖,マンノースなどの単糖類,ソルビット,マンニット等の糖アルコール類,およびこれらの生理学的に許容できる塩もしくは誘導体の1種または2種以上を配合してもよい。
上記配合剤は、NGF−2/NT−3を水溶液とした場合に、水溶液1ml当り、単糖類または糖アルコール類に関しては約10〜100mg,アミノ酸に関しては約5〜50mg配合することが好ましい。
上記の製剤化にあたっては、水溶液を溶液状態でpH約3〜8,好ましくはpH約5〜7に示すように調整するために、グルタミン酸などの酸性アミノ酸を配合する場合は該物質を上記所定量加えることにより所定のpHに調整でき、また所 望により、または上記酸性アミノ酸を配合しない場合は塩酸,リン酸等の鉱酸、もしくはコハク酸,酒石酸,クエン酸等の緩衝剤で所定のpHに調整する。
【0016】
本発明の治療剤は、水溶液,凍結品または凍結乾燥品の形態が好ましく、とりわけ凍結乾燥品が好ましい。
本発明の治療剤は、NGF−2/NT−3活性物質の減弱を防止するために、たとえば以下の方法によってより好ましくは製造することができる。
NGF−2/NT−3活性物質を含有する水溶液に、所望によりHSAを前記所定の濃度になるように加え、前記した方法でpH調整を行なう。
また、所望により、単糖類,糖アルコール類,アミノ酸などもそこに記載した濃度として加えることもできる。また所望により等張化剤,界面活性剤なども加えることができる。なお、HSA以外の物質を添加する場合には、最終水溶液のpHが前記pHを示すように、前記した方法でpH調整を行う。かくして得られる 水溶液としての本発明の治療剤は、下記の凍結および凍結乾燥品の原料としても用いることができる。
【0017】
凍結品としての本発明の治療剤は、とえば上記水溶液を通常約−80〜−20℃で凍結することにより製造できる。該凍結組成物は約−80〜−10℃で保管することが好ましい。
凍結乾燥品としての本発明の治療剤は、例えば上記凍結組成物を常法により減圧乾燥するか上記水溶液または上記凍結組成物の融解により得られる水溶液を、所望により小分けし、上記同様凍結した後、常法により減圧乾燥することにより製造することができる。
また前記の方法により製造した凍結乾燥品を、例えば前記した単糖類,等アルコール類,アミノ酸等を含有し、所望により塩酸等でpH調整された溶解液によ つて再溶解することによって溶液状態の本発明の治療剤を製造することができる。
【0018】
注射用製剤としての本発明の凍結乾燥した治療剤を製造する場合は、NGF−2/NT−3の水溶液および配合剤含有水溶液をそれぞれ除菌ろ過して混合するか、これらの混合液を小分けする前に除菌ろ過等により精製し、無菌操作によりバイアル瓶等に分注小分けした後上記凍結乾燥処理に付すことが好ましい。この場合、容器の空間部を真空にするか、窒素ガス置換することにより、該組成物の安定性を高めることができる。
また、アミノ酸や単糖類あるいは糖アルコール類を含有する水溶液で、凍結乾燥品を溶解する場合には、その水溶液は除菌ろ過し、無菌操作によりアンプル等に分注小分後、常法により蒸気滅菌したものを用いることが好ましい。
【0019】
本発明の治療剤を投与するには、該組成物が水溶液のものである場合には、そのまま注射用溶解液として用いる。
該組成物が凍結乾燥により固型状のものである場合には、蒸留水もしくは生理的食塩水などを用いて溶解し注射用溶解液として用いる。なお、所望により前記したと同様の単糖類,糖アルコール類,アミノ酸等を含有し、前記と同様にpH 調整された溶解液で溶解後使用することも出来る。
本発明のNGF−2/NT−3からなる治療剤は、末梢血中の血球を著しく増加せしめ、機能を亢進する。
したがつて、本発明の治療剤は、好中球減少症の治療に有効であり、さらに感染症および腫瘍の治療に使用することが可能である。
【0020】
本願発明明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略 号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を次にあげる。またアミノ酸に関して光学異性体がありうる場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA デオキシリボ核酸
A アデニン
C シトニン
G グアニン
T チミン
Ala :アラニン
Arg :アルギニン
Asn :アスパラギン
Asp :アスパラギン酸
Cys :システイン
Gln :グルタミン
Glu :グルタミン酸
Gly :グリシン
His :ヒスチジン
Ile :イソロイシン
Leu :ロイシン
Lys :リジン
Met :メチオニン
Phe :フェニールアラニン
Pro :プロリン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Trp :トリプトファン
Tyr :チロシン
Val :バリン
後述の参考例9で得られた形質転換体CHO−N2−1は、平成3年1月22日から財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 50307として寄託されており、また該形質転換体は平成3年1月29日から通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)に寄託番号FERM BP−3255として寄託されている。
【0021】
参考例1 ヒトNGF発現ベクターの構築(1)
ヒト白血球DNAより作製されたλEMBL3ゲノムライブラリー〔クロンテック(Clontech)社〕を大腸菌NM538に感染させたのち、軟寒天プレート上に約3×104クローンずつ撒いた。プラークをナイロンメンブラン(アマシャム社、ハイボンド−N)上に移した後、0.5N NaOH−1.5M NaCl溶液に6分 間浸し、ファージDNAを変性させた後、0.5M Tris−HCl(pH8.0)−1.5M NaCl溶液に6分間浸した。本メンブランを2×SSC溶液に浸し、風乾後80℃、2時間処理することによりDNAをメンブランに固定した。
一方、既知〔アルリッチ(Ullrich, A.)ら、ネイチャー(Nature) 303,821(1983)〕のヒトNGF遺伝子を参考にしてヒトβNGFをコードするDNA(0.38kb)を化学合成し、これをDNAラベリングキット(ニッポンジーン社)を用いて32Pで標識したものをプローブとした。
DNAを固定したフィルターを、標識プローブを含む、6×SSC(1×SSC=0.15M NaCl,0.015Mクエン酸ナトリウム),5×Denhardt’s,0.5%SDS,20μg/ml変性サケ精子DNA溶液10ml中で65℃、16時間、保温した。反応後、フィルターを2×SSC,0.1%SDS溶液中で室温で 5分ずつ3回、1×SSC,0.1%SDS溶液中で、60℃で60分洗浄した。洗浄したフィルターを乾燥させた後、ラジオオートグラムをとり、プローブと反応するクローンを検索した。この方法により得られたクローンλβLN2113よりデイヴィス(Davis)らの方法(Davisら、〔アドバンスト・バクテリアル・ジェネティクス(Advanced Bacterial Genetics)〕,Cold Spring Harbor Laboratory 1980)によりファージDNAを抽出した。
次にλβLN2113をSmaIとApaIで切断し、ヒトNGF遺伝子を含むDNA(約1kb)を切り出し、プラスミドpBluscript II SK+(+は上付き)(Stratagene 社,USA)のSmaI,ApaI部位に挿入し、プラスミドpNGF107Gを得た。
また、pBluescript II SK ̄(Stratagene 社)のSmaI,ApaI部位に同DNA断片を挿入することによりpNGFP108Gを得た。pNGFP107GおよびpNGFP108Gに挿入された部分の塩基配列をシークナーゼ(United States Biochemical Corporarion)を用いて決定した。決定された塩基配列はネイチャー(Nature),303,821(1983)に記載されている配列と、蛋白コード領域では完全に一致した。
上記のファージλβLN2113DNAを制限酵素Bgl IIで切断し、ヒトNGFを含むDNA断片(1.8kb)を単離した。一方、動物細胞用の発現ベクターpKSV−10(ファルマシア)を制限酵素Bgl IIで切断し、上記のヒトNGF遺伝子を含むDNA断片(1.8kb)とT4DNAリガーゼで連結した。この反応液を用いてエシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH1の形質転換を行い、アンピシリン耐性の形質転換体の1つ〔エシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH1/pMNGF101〕から単離したプラスミドをpMNGF101と命名した。
【0022】
参考例2 ヒトNGF発現ベクターの構築(2)
参考例1で得られたプラスミドpNGFP107Gを制限酵素BclIおよびApaIで切断し、ヒトNGF遺伝子を含むDNA断片(0.8kb)を単離した。この0.8kb BclI−ApaI断片と化学合成アダプターSN1,SN2およびSN3とを混合し、T4DNAリガーゼで連結したのち、Bgl IIで切断することによっ て0.8kb Hind III−Bgl II DNA断片が得られた。
【0023】
プラスミドpSV2−gpt〔サイエンス(Science),209,1422(1980)〕を制限酵素EcoRIとHind IIIで切断し、SV40プロモーターを含む2. 6kb EcoRI−Hind III DNA断片を単離した。次にプラスミドpMTVdhfr〔ネイチャー(Nature),294,228(1981)〕よりpolyA付加領域を含 む1.6kb Bgl II−EcoRI断片を単離した。
上記のSV40プロモーターを含む2.6kb EcoRI−Hind III DNA断片、ヒトNGF遺伝子を含む0.8kb Hind III−Bgl II DNA断片およびpolyA 付加領域を含む1.6kb Bgl II−EcoRI断片をT4DNAリガーゼで連結し た。この反応液を用いてエシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH1の形質転換を行い、アンピシリン耐性の形質転換体〔エシェリヒア コリ(Escherichia coli)DH1/pMNGF201〕から単離したプラスミドをpMNGF201と命名した。
【0024】
参考例3 ヒトNGF発現ベクターの構築(3)
参考例2で得られたプラスミドpMNGF201をHind IIIで切断し、DNAポリメラーゼKlenow フラグメント反応により平滑化したのち、Bgl IIで切断して約0.8kb DNA断片を分離した。一方プラスミドpTB399(特開昭61−63282に記載)をEcoRIで切断後、Klenow フラグメント反応により平滑化したのち、Bgl IIで切断して約3.9kb DNA断片を得た。これら2つのDNA断片をT4DNAリガーゼ反応により環状化し、プラスミドpTB1054を得た。
【0025】
参考例4 ヒトNGF−2/NT−3発現ベクターの構築
(1)ヒトNGF−2/NT−3 cDNAを有するプラスミドpHNT2(ヨーロッパ特許出願公開第386,752号公報参照)を制限酵素StuIで切断し、Bgl II リンカーをT4DNAリガーゼにより結合させた。このDNAを制限酵素EcoRIおよびBgl IIで切断することにより、ヒトNGF−2/NT−3 cDNAを含 む1.0kbのDNA断片を得た。一方、動物細胞用発現プラスミドpTB399(セル・ストラクチャー・アンド・ファンクション(Cell Struct. Funct.) 12,205(1987))を制限酵素EcoRIおよびBgl IIで切断し、約3.8kbのDNA断片を得た。両DNA断片をT4DNAリガーゼにより連結させプラスミドpTB1055を得た。
次に、ハムスタージヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)cDNAを有するプラスミ ドpTB348(特開昭61−63282に記載)を制限酵素SalI,Hind IIIで切断し、これにプラスミドpTB1055を制限酵素SalI,Hind IIIで切断することによって得られた約2.6kb DNA断片を連結することにより、プラスミドpTB1059を得た(〔図1〕参照)。
【0026】
(2)上記(1)項記載のプラスミドpHNT2に含まれるヒトNGF−2/NT−3 遺伝子は5′上流にin frame のATG配列が存在する(ヨーロッパ特許出願公開第386,752号公報の第2図参照)。このATG配列を除くために以下の2つのDNAオリゴマーを合成した。
【0027】
Primer1:5′TAC AGG TGA ATT CGG CCA TGT CCA TCT TG 3′(配列番号:4)
Primer2:5′AGA GAT GCG AAT TCA TGT TCT TC 3′(配列番号:5)
Primer1および2を用いて、以下の手順でポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)を行った。プラスミドpHNT2を制限酵素BamHIで切断し直鎖状に し、フェノール抽出後、エタノールで抽出、蒸発乾固し、蒸留水に溶解した。PCRは、GeneAmp(商標)DNA増幅試薬マキット(パーキン・エルマー・シータスUSA)を用い、鋳型DNAとして前述の直鎖状pHNT2を0.3ng,プライマーとしてPrimer1,2を各1.0μM加えて行った。反応は、DNAサーマルサイクラー(パーキン・エルマー・シータス)を用い、94℃,1分,55℃,2分,72℃,3分を30回くり返すことによって行った。その結果、約0.8kbのDNA断片を得ることができた。Primer1,2には、制限酵素EcoRIの認識部位が存在するので、得られた断片をEcoRIで切断し、pUC119のEcoRI部位にサブクローニングした。この組換えプライマーpTB1337を大腸菌MV1184株に導入して得られる一本鎖DNAから塩基配列を確認したところ、一塩基の誤りもなく遺伝子が増幅されていたことがわかった。このpTB1337を制限酵素EcoRIおよびApaIで切り出し0.23kbのDNA断片を得た。上記(1)項記載のプラスミドpTB1055を制限酵素EcoRIおよびApaIで切断して得られる約4.6kbのDNAに、この0.23kbのDNAを連結し、プラスミドpTB1338を得た。
pTB1338を制限酵素SalIとHind IIIで切断し、上記(1)項と同様の方法でハムスターDHFR遺伝子を導入し、発現プラスミドpTB1339を得 た(〔図2〕〜〔図3〕参照)。
このプラスミドpTB1339上に存在するNGF−2/NT−3のプロ領域を コードするDNA,NGF−2/NT−3をコードするDNAおよびその付近のDNAを〔図7−1〕〜〔図7−2〕に示す(配列番号:6)。
【0028】
参考例5 ヒトNGF−2/NT−3の生物活性の測定
ニワトリ有精卵を37.5℃でふ卵器で8日〜10日揺卵して胚発生を行った 胎児から後根神経節(Dorsal root ganglion,以下DRG)を摘出した。DRGを0.125%トリプシン−PBS溶液で37℃、20分処理し、ピペッティングを行うことで、細胞を分散させた。これを、10%牛胎児血清−ダルベッコ改変MEM培地−50μg/mlカナマイシンに懸濁し、37℃,5%CO2存在下2〜4時間培養することにより線維芽細胞等を培養シャーレに付着させ、非付着細胞のみを分取した。非付着細胞を遠心(800rpm,5分)により集め、10%牛胎児血清−ダルベッコ改変MEM培地/ハムF−12培地(混合比1:1)−1μMサイトシンアラビノシド(AraC,シグマ社,USA)−50μg/mlカナマイシンを含む培地に10000細胞/mlとなるように再懸濁し、0.5ml/ウェルずつ、ポリLーオルニチンコート済み48穴プレートに播種した。この培地にサンプルとなる溶液を0.5〜20μl加え、37℃,5%CO2存在下で3日間培養し、生存細胞数を計測した。
【0029】
参考例6 ヒトNGF−2/NT−3発現ベクターの構築
プラスミドpHNT5(pHNT2のEcoRI挿入断片の方向が逆向き)を大腸菌MV1183に導入することにより(−)鎖一本鎖DNAを常法により調製した。一方プラスミドpNGFP108G(参考例1参照)を用いヒトNGF(−)鎖一本 鎖DNAを調製した。これらに対し、
oligo1;5′AGGAGCAAGCGCTCATCATCCCA 3′(配列番号:7)
oligo2;5′TCACGGCGGAAGCGCTACGCGGAGCAT 3′(配列番号:8)
を合成し、これを用いて部位特異的な塩基変異を導入し、NGFおよびNGF−2/NT−3のそれぞれに制限酵素Eco47IIIの認識部位(AGCGCT)を導入した。この反応は、in Vitro Mutagenesis System,Ver. 2.0(アマシャム,UK)を使用した。この結果、ヒトNGF遺伝子中にEco47III部位を有するプラスミドpTB1340,ヒトNGF−2/NT−3遺伝子中にEco47III部位を有するプラスミドpTB1341を得た。pTB1340を制限酵素KpnIおよびEco47IIIで切断することにより約3.0kbのDNA断片を得た。pTB1341を制限酵素KpnIおよびEco47IIIで切断することにより、0.67kbのDNAの断片を得た。両者をT4DNAリガーゼにより連結させることにより、プレプロ領域がNGF,mature 領域がNGF−2/NT−3となるハイブリッドタ ンパクをコードする遺伝子を持つプラスミドpTB1342を得た。pTB1342を制限酵素StuIで切断後、合成Bal IIリンカーを連結し、これを制限酵素 MluIおよびBgl IIで切断することにより0.8kbのDNA断片を得た。これを制限酵素MluIおよびBgl IIでpTB1054(参考例3参照)を切断して得られる約4.1kbのDNA断片に挿入し、発現プラスミドpTB1343を得た(〔図4〕〜〔図6〕参照)。さらにこれをSalIおよびHind III で切断して得た約2.6kbのDNA断片をpTB348のSalI−Hind III部位に挿入することによりpTB1344を得た(〔図4〕〜〔図6〕参照)。
該プラスミドpTB1344上に存在するNGFのプロ領域をコードするDNA、NGF−2/NT−3をコードするDNAおよびその付近のDNAを〔図8−1〕〜〔図8−2〕に示す(配列番号:9)。
【0030】
参考例7 CHO細胞の形質転換およびクローニング
ハムスターCHO細胞(DHFR−)を5%牛胎児血清を含むHamF−12培地 でファルコンシャーレ(径6cm)に4×105個まいた。5%CO2存在下37℃で一晩培養後、培地を交換し、さらに4時間培養を行い、参考例1で得られたヒトNGF−2/NT−3発現プラスミドpTB1059,pTB1339,pTB13 44をそれぞれ、シャーレ一枚あたり10μg リン酸カルシウム法(グラハムら ウィロロジー(Virology)52,456−467(1973))によりCHO細胞 に導入した。培養4時間後、培地を交換し一晩培養後、選択培地(5%牛胎仔血清−ダルベッコ改変MEM培地−50μg/mlカナマイシン−35μg/mlプロリン) に培地を置き換え培養を続けた。10〜15日後DHFR+(+は上つき)となった細胞がコロニーを形成したので、シングルコロニーアイソレーションを行いクローニングした。
【0031】
参考例8 形質転換体によるヒトNGF−2/NT−3遺伝子の発現
参考例2によって得られたCHO形質転換体の培養上清を採取し、参考例5に示した方法で培養上清中のヒトNGF−2/NT−3活性を測定した。この結果、pTB1059,pTB1339,pTB1344のいずれによって形質転換した 場合にも生物活性が認められた。
【0032】
参考例9 ヒトNGF−2/NT−3高産生CHO細胞株の確立
参考例7,8で示した形質転換株をそれぞれ、100nMメトトレキセートを 含む選択培地(参考例7に記載)で培養した。この培地で生存してきたクローンについては、更に選択培地中のメトトレキセート濃度を1μM,10μMへと段階的に上げながら培養を続けた。その結果、プラスミドpTB1059によって形 質転換した株A1002,プラスミドpTB1339によって形質転換した株C HO−dN2−17およびCHO−dN2−19,プラスミドpTB1344によ って形質転換した株CHO−N2−1(IFO 50307,FERM BP−3255)およびCHO−N2−37を得た。これらのNGF−2/NT−3の産生量)は以下のとおりであった。
この表において産生量は参考例5に示した生物活性測定方法によって、マウスβNGF当量として算出した。この例では、限界希釈点を0.02ng/ml βNGF当量点とした。
【0033】
参考例10 ヒトNGF−2/NT−3の単離
参考例9で得られた細胞株CHO−N2−1を5%牛胎児血清、35μg/ml プロリン,50μg/mlカナマイシンおよび2μMメトトレキセートを含むダル ベッコ改変培地で2×104細胞/cm2の濃度で播種し、5%CO2存在下、37℃,7日間培養した。ニワトリ胚DRGに対する活性測定から、この培地中には、10μg NGF−1当量以上の組換え型ヒトNGF−2/NT−3が産生されていることがわかった。この培養液は、使用時まで−20℃で凍結保存した。
凍結保存培養上清1リットルを遠心8000rpm,15分,4℃または濾過(東洋濾紙 No.2)することで細胞残渣を除き、これを終濃度が1mM EDTA,0.05%CHAPSとなるように調整し、2N酢酸でpH6.0に補正した。これを再び遠心又は濾過し、不溶性画分を除き陽イオン交換樹脂に通した。陽イオン交換樹脂としては、S−セファロース ファーストフロー(ファルマシアLKB, スウェーデン)を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0−1mM EDTA−0.05%CHAPSで平衡化し、これを径2.6cm高さ10cmのカラムに詰めたものを用いた。調製済み培養上清を4℃で60ml/hrの流速でこのカラムを通すことにより、吸着を行った。吸着後、カラムを0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0−1mM EDTA−0.05%CHAPSを流速60ml/hrで4時間洗浄し、0.5M NaCl−0.1Mリン酸ナトリウム(pH6.0)−1mM EDTA−0.05%CHAPSを流速50ml/hrで流すことにより溶出を行った。ヒトNGF−2/NT−3を含む画分をヨーロッパ特許出願公開第386,752号公報の参考例1に記載の抗ポリペプチド(I)N末ペプチド抗体を用いたウェスタンブロッティングにより決定し、これを集めウルトラフリー20(ミリポア,USA)により約20倍濃縮した。得られた濃縮液を20mM Tris−HCl(pH7.4)−0.15M NaCl−1mM EDTA−0.05%CHAPSで平衡化させたセファクリルS−100HR(ファルマシアLKB,スウェーデン)カラム(径1.6cm×85cm)によりゲル濾過した。先に示したのと同様に、ウェスタンブロッティングによりヒトNGF−2/NT−3画分を同定し、この画分をウルトラフリー20で約20倍に濃縮した。得られた濃縮液を逆相HPLCにかけ、ヒトNGF−2を精製した。即ち、この濃縮液をAsahipak ODP−50(旭化成,日本,径8mm×150mm)カラムを通し、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む0−90%アセトニトリルの濃度勾配にかけ、精製ヒトNGF−2/NT−3を約60μg 得た。
こうして得られた組換え型ヒトNGF−2/NT−3をSDS−PAGE(15 %(35.1:1))により分析したところ、分子量14000付近にほぼ単一なバンドとして検出された〔図9〕。また、これはEP−386,752の参考例1 に示す抗体と反応した〔図10〕。
〔図9〕では、この精製過程をSDS−PAGEで分析し、銀染色を行った図を示し、〔図10〕ではSDS−PAGE後ウェスタンブロッティングを行ったものを示した。〔図9〕,〔図10〕ともレーン1はヨーロッパ特許出願公開第386,752号公報に記載の方法で得られたポリペプチド(I)を、レーン2は上記の逆相クロマトグラフィーにかけたサンプルを、レーン3は逆相クロマトグラフィーで素通しした画分を、レーン4は逆相クロマトグラフィーでアセトニトリルの濃度勾配をかけることによって溶出されてきた画分(NGF−2/NT−3画分)をそれぞれ示す。
【0034】
参考例11 ヒトNGF−2/NT−3遺伝子の動物細胞での発現(II)
参考例4で得られたプラスミドpTB1059,pTB1339,および参考例1で得られたpTB1344についてサルCOS−7細胞での発現を検討した。 遺伝子導入は参考例7で示したリン酸カルシウム法により行った。ただし、培地としては10%牛胎仔血清−ダルベッコ改変MEM培地を用い、遺伝子導入後は、0.5%牛胎仔血清−ダルベッコ改変MEM培地を用いた。遺伝子導入48時間後に培地を採集した。100μlの培養上清に10μlの100%(w/v)トリクロロ酢酸を加え冷却(0℃,10分)することによりタンパクを沈殿させ、これをSDS−PAGEで泳動した。ウエスタン・ブロッティングを常法により行い、EP−386,752の参考例1に示した抗ポリペプチド(I)N末ペプチド抗体を用いて組換え体を検出した〔図11〕。この系ではpTB1339が最もよく組換え体を産生した。〔図11〕において、レーン1はヨーロッパ特許出願公開第386,752号公報に記載の方法で得られたポリペプチド(I)の、レーン2はプラスミドpTB1059によるCOS上清の、レーン3はプラスミドpTB1344によるCOS上清の、レーン4はプラスミドpTB1339によるCOS上清の結果をそれぞれ示す。
【0035】
参考例12
参考例9で得られたCHO−N2−1株をそれぞれ用い大量培養による調製を行った。調製法を参考例10を基にし、一部以下のように改変した。
培養は5%牛胎仔血清,35μg/mlプロリン,50μg/mlカナマイシン,2μMメトトレキセートを含むダルベッコ改変MEM培地で2×104/cm2の濃度で播種し、5%CO2存在下,37℃,7日間培養した。培養上清を採集後、1%牛胎児血清−35μg/mlプロリン−50μg/mlカナマイシン−2μMメトトレキセートを含むダルベッコ改変MEM培地/ハムF−12培地(1:1混合培地)(以下、調製培地と略す)に置き換え3〜4日間培養した。この培養上清を採集後、さらに調製培地で3〜4日培養し培養上清を採集した。120枚の10cmシャーレからこの一連の培養で5リットルの培養上清を得ることができた。これを2回くり返し10リットルの培養上清を得た。培養上清は−20℃で保管した。 参考例10記載の方法で培養上清を処理し、S−セファロースカラム(径5 ×20cm)にかけた。参考例10に記載した方法により活性画分を溶出し、12ml/フラクションずつ分画した〔図12〕。この画分に対し、50%飽和になるように硫安を加え、0℃で2時間放置し、遠心(10000rpm,15分,4℃,サーバルSS34ローター(USA))により沈殿を回収した。沈殿を40mlの20mM Tris−HCl(pH7.4)1mM EDTA−0.05%CHAPSに溶解した。ゲル濾過を行う前に遠心(15000rpm,15分,4℃,サーバルSS 34ローター)し、不溶性物質を除いた。ゲル濾過は参考例10に記載の方法で行った。ただし、カラムは径2.6cm×90cmのものを用い、流速は100ml/h,サンプル量10mlにした〔図13〕。溶出画分はウルトラフリー20(ミリポア,USA)で濃縮した。これを参考例10記載の方法で逆相クロマトグラフィーを行い精製した(1ml /フラクション)〔図14〕。これらの各ステップでの精製過程を表1に示す。
これらについてSDS−PAGEで分析した図を〔図15〕および〔図16〕に示した。最終標品は、ほぼ単一のバンドを示した。以上のことから、約10リットルの培養上清から組換え標品が210μg得られたことがわかった。
なお、〔図15〕は銀染色の結果を、〔図16〕は、ウエスタンブロッティングの結果をそれぞれ示す。〔図15〕および〔図16〕において、レーン1はヨーロッパ特許出願公開第386,752号公報に記載の方法で得られたポリペプチド(I)0.01μgについての、レーン2はCHO−N2−1細胞培養上清10μgについての、レーン3はS−セファロース素通し画分10μgについての、レーン4はS−セファロース溶出画分1μgについての、レーン5は硫安沈殿画分1μgについての、レーン6はゲル濾過溶出画分0.1μgについての、レーン7は逆相HPLC溶出画分0.1μgについての結果をそれぞれ示す。
なお、精製開始時は、総タンパクの0.001〜0.01%程度のものが、最終的には純度95%以上にまで精製(効率104倍)されていることを示すためにウエスタンブロッティング〔図16〕と銀染色〔図15〕を並置した。
【0036】
【表1】
【0037】
参考例13 精製組換え体の生物活性(I)
参考例12で得られた最終精製標品について、参考例5で示した方法により生物活性を測定した。コントロールとしてマウスβNGF(和光純薬)を用いた。結果を〔図17〕に示す。〔図17〕において■はマウスβNGFの結果を、●はNGF−2/NT−3の結果をそれぞれ示す。〔図17〕に示すようにNGF−2/NT−3は、この系においてβNGFよりも活性が弱いことがわかった。
【0038】
参考例14 精製組換え体の生物活性(II)
ラットPC12細胞に対する生物活性を測定した。活性測定法はバイオケミカル アンド バイオフィジカル リサーチ コミュニケーションズ 171巻 116〜122頁(1990年)に記載の方法により行った。この結果を〔図18〕に示した。〔図18〕において、■はマウスβNGFの結果を、●はNGF−2/NT−3の結果をそれぞれ示す。組換え型NGF−2はPC12細胞に対し神経突起の伸長を惹き起こす活性は非常に低く、マウスβNGF(和光純薬)に対して1/103かそれ以下の活性であることがわかった。
【0039】
参考例15
参考例9で得られたCHO−N2−1株を、参考例10と同様に播種,培養した。培地を無血清培地(Cosmedium;コスモバイオ社)に交換し、さらに2日間培養した。1リッターの培養上清を100個の10−cm皿から集めた。0.5mMPMSFと1mMのベンズアミジンを集められた培養上清とカラムの緩衝液に加えて、参考例10と同様の方法でNGF−2/NT−3を精製した。逆相HPLCによって、保持時間が24分(P1),26分(P2)および28分(P3)の3つのピークを与えた〔図19〕。
P2とP3は、ニワトリ胎仔DRG神経に対する生物的活性を有していたが、P1は有していなかった。P2蛋白質は、PAGEにおいて大腸菌により生産された組換えNGF−2と同時に移動したが、P3蛋白質はそれらより少しさらに速く移動した〔図21〕。P2蛋白質のみが、ウエスタン・ブロッティングにより、抗ポリペプチド(I)N−末端ペプチド抗体(EP−A−386,752の参考例2で得られたもの)を認識した〔図20〕。〔図20〕において、レーン(a) は大腸菌形質転換体により生産されたNGF−2を、レーン(b)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション24(P1)を、レーン(c)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション26(P2)を、レーン(d)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション28(P3)をそれぞれ示す。
〔図21〕において、レーン(e)は大腸菌形質転換体により生産されたNGFを、レーン(f)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション25を、レーン(g)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション26(P2)を、レーン(h)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション27を、レーン(i)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション28(P3)を、レーン(j)は逆相HPLCクロマトグラフィー〔図19〕で得られたフラクション29をそれぞれ示す。
N末端アミノ酸を分析したところ、P2は成熟型NGF−2/NT−3のN末端配列と一致したが、P3はN末端5残基欠失型NGF−2/NT−3に相当することが分かった〔表2〕。
【0040】
【表2】
【0041】
実施例1 (ヒト末梢血リンパ球に対するNGF−2/NT−3の効果)
ヒト静脈より採取したヒト末梢血を、LSM(リンホサイトセパレーティングメディウム,Organon Teknika Corp.)上に重層し、2000rpmで30分間室温にて遠心分離に付した。界面の、リンパ球からなる白濁層を集め、RPMI 1640培地に懸濁し、1500rpm ,5分間の遠心操作を2回繰り返して洗浄した。このリンパ球画分をRPMI 1640培地に懸濁し、あらかじめ牛胎児血清(FCS)でコーティングしておいてプラスチックディッシュ上に播種した。5%炭酸ガスふ卵器内で、37℃,1時間インキュベートしたのち、シャーレ器壁に接着しなかった細胞(non−adherent cells)を集めRPMI 1640培地で洗浄した。このようにして調製したヒト末梢血由来リンパ球細胞を、ヒトGM−CSF(組換え型,Genzyme 社)5,50および500U/mlまたはヒトNGF(組換え型,Biochem. Biophys. Res. Commun. 171,116(1990))5,50および500ng/mlまたは上述の参考例12で得られたN末端5残基欠失型ヒトNGF−2/NT−3 5,50および500ng/mlをそれぞれ含む寒天培地(0.3%バクトアガー,20%FCSを含むRPMI 1640培地)に懸濁し(1×106細胞/ml)、径35mmディッシュあたり1mlを播種した。
寒天が固化したのち、炭酸ガスふ卵器(5%CO2)内で、37℃にて2週間培養し、細胞数が50ケ以上となったコロニー数を計数した結果を〔図23〕に示した。
〔図23〕から明らかな如く、N末端5残基欠失型NGF−2/NT−3の添加により、ヒト末梢血リンパ球のコロニー形成は、GM−CSFまたはNGFを添加した場合と同様に明らかに促進された。
【0042】
実施例2 注射剤の製造
1mlあたり参考例12で得られたN末端5残基欠失型ヒトNGF−2/NT−3 0.5mg,シュークロース10mgおよびクエン酸ナトリウム15mgを含む水溶液(pH7.4)を調製して、安定な注射液を得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明のNGF−2/NT−3を含有する治療剤は、動物の末梢血中の血球に作用し増殖促進作用を示す。したがって、本発明の治療剤は、様々の原因による好中球減少症に対して有効な治療剤として用いることができ、さらに、感染症や腫瘍の治療にも有効である。
【0044】
【0045】
【配列表】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例4で得られた、プラスミドpTB1059の構築図を示す。
【図2】参考例4で得られた、プラスミドpTB1339の 構築図を示す。
【図3】参考例4で得られた、プラスミドpTB1339の 構築図を示す。
【図4】参考例6で得られた、プラスミドpTB 1344の構築図を示す。
【図5】参考例6で得られた、プラスミドpTB 1344の構築図を示す。
【図6】参考例6で得られた、プラスミドpTB 1344の構築図を示す。
【図7−1】参考例4で得られた、プラスミドpTB1339上に存在するNGF−2/NT−3のプロ領域をコードするDNA、NGF−2/NT−3をコードするDNAおよびその付近のDNA配列を示す。
【図7−2】参考例4で得られた、プラスミドpTB1339上に存在するNGF−2/NT−3のプロ領域をコードするDNA、NGF−2/NT−3をコードするDNAおよびその付近のDNA配列を示す。
【図8−1】参考例6で得られたプラスミドpTB1344上 に存在するNGFのプロ領域をコードするDNA,NGF−2/NT−3をコードするDNAおよびその付近のDNA配列を示す。
【図8−2】参考例6で得られたプラスミドpTB1344上 に存在するNGFのプロ領域をコードするDNA,NGF−2/NT−3をコードするDNAおよびその付近のDNA配列を示す。
【図9】参考例10で得られた、SDS−PAGEの結果を示す。
【図10】参考例10で得られた、SDS−PAGEの結果を示す。
【図11】参考例11で得られた、SDS−PAGEの結果を示す。
【図12】参考例12で得られた、CHO−N2−1株の培養上清のS−セファロースカラムの溶出画分を示す。
【図13】参考例12で得られた、ゲル濾過の溶出画分を示す。
【図14】参考例12で得られた、逆相クロマトグラフィーの結果を示す。
【図15】参考例12で得られた、各精製過程における生成物についてのSDS−PAGEの結果を示す。
【図16】参考例12で得られた、SDS−PAGEの結果を示す。
【図17】参考例13で得られた、生物活性の測定結果を示す。
【図18】参考例14で得られた、生物活性の測定結果を示す。
【図19】参考例15で得られた、逆相HPLCクロマトグラフィーの結果を示す。
【図20】参考例15で得られた、ウエスタン・ブロッティングの結果を示す。
【図21】参考例15で得られた、PAGEの結果を示す。
【図22】ヒトNGF−2のアミノ酸配列を示す。
【図23】実施例1で得られた、ヒト末梢血リンパ球に対するN末端5残基欠失型NGF−2/NT−3の効果を示す。
Claims (8)
- ヒト神経成長因子2および/または
(1)少なくとも1個のアミノ酸の付加;
(2)システインを除く少なくとも1個の構成アミノ酸の欠失;
(3)システインを除く少なくとも1個の構成アミノ酸の置換;
(4)上記の付加、欠失および置換の2もしくは3個の組合せ;
(5)ポリエチレングリコール誘導体による化学修飾;および
(6)グリコシル化位置の導入
からなる群から選ばれる改変を含み末梢血の血球の増殖を促進する活性を有するヒト神経成長因子2のムテイン
を含有する好中球減少症治療剤。 - ヒト神経成長因子2が、天然抽出物もしくはリコンビナントポリペプチドのものである請求項1記載の好中球減少症治療剤。
- ヒト神経成長因子2が、配列番号:12のアミノ酸配列で表わされるポリペプチドである請求項1または2記載の好中球減少症治療剤。
- ムテインが、配列番号:12のアミノ酸残基番号1〜118番のアミノ酸配列で表わされるポリペプチドである、請求項1記載の好中球減少症治療剤。
- ムテインが、配列番号:12または配列番号:12のアミノ酸残基番号1〜118番のアミノ酸配列のN−末端にメチオニンを有する配列で表わされるポリペプチドである請求項1記載の好中球減少症治療剤。
- 配列番号:12または配列番号:12のアミノ酸残基番号1〜118番のアミノ酸配列で表わされるポリペプチドと、配列番号:12または配列番号:12のアミノ酸残基番号1〜118番のアミノ酸配列のN−末端にメチオニンを有する配列で表わされるポリペプチドとを含有する請求項1記載の好中球減少症治療剤。
- ムテインが、配列番号:12または配列番号:12のアミノ酸残基番号1〜118番のアミノ酸配列で表わされるポリペプチドのアミノ末端から1〜7個のアミノ酸を欠失したものである請求項1記載の好中球減少症治療剤。
- ムテインが、配列番号:12または配列番号:12のアミノ酸残基番号1〜118番のアミノ酸配列で表わされるポリペプチドのアミノ末端から5個のアミノ酸を欠失したものである、請求項7記載の好中球減少症治療剤。
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