JP3579338B2 - 繊維化樹脂及びこれをバインダーとして用いた構造体 - Google Patents
繊維化樹脂及びこれをバインダーとして用いた構造体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3579338B2 JP3579338B2 JP2000276583A JP2000276583A JP3579338B2 JP 3579338 B2 JP3579338 B2 JP 3579338B2 JP 2000276583 A JP2000276583 A JP 2000276583A JP 2000276583 A JP2000276583 A JP 2000276583A JP 3579338 B2 JP3579338 B2 JP 3579338B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resistant
- resin
- kneaded
- epoxy resin
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透水性舗装材などの構造体のバインダーとして使用する繊維化樹脂及びこれを使用した構造体に関し、特に、長期間経過しても黄変しにくく、且つ、水による結合劣化現象を克服したエポキシ系繊維化樹脂及びこれをバインダーとして使用した舗装材等の構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
舗装材などの構造体のバインダーとして従来から合成樹脂が使用されており、また、液体合成樹脂の液だれや、バインダーの不均一による構造体の強度や透水性のばらつきを改善するために、樹脂と繊維を混練した繊維化樹脂をバインダーとして使用することが知られている(例えば、実開平2−11808、特開平11−60322)。
【0003】
従来のバインダー用繊維化樹脂の樹脂材料としてはバインダーとしての強度やコストの有利性からエポキシ系樹脂が多用されているが、従来のエポキシ系樹脂は主成分がビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、アルキルフェノールノボラックグリシジルエーテルなどのビスフェノール型のエポキシ系樹脂であるため、これをバインダー用の繊維化樹脂に使用すると以下のような問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、ビスフェノール型のエポキシ系繊維化樹脂をバインダーとして使用した従来の舗装材は、敷施後6ケ月位が経過すると黄変したり、光沢が失われたりして舗装としての美観が著しく損なわれてしまう。
舗装材は歩道、公園、建築物など、美観が重要な分野に使用されるものであるため、黄変等の変質は致命的な問題であり、その改善が求められている。
【0005】
従って、本発明の第1の目的は、長期間経過しても黄変や光沢消失が生じにくく、液だれのおそれのない耐候性エポキシ系繊維化樹脂を提供することにある。
【0006】
ところで、有機材料であるエポキシ系繊維化樹脂のバインダーを使用して砂利、砕石、ガラスカレットなどの無機材料の骨材を結合させた構造体は水による結合強度の劣化が避けられず、その対策が課題となっている。特に、近年はガラスカレットを舗装構造体などに利用することが多くなっているが、ガラス骨材の場合は表面が滑らかでバインダーが接着しにくいため、水の影響による剥離が特に著しく、強度低下はもちろん、美観損傷の一因にもなっている。
【0007】
従って、本発明の第2の目的は、長期間経過しても黄変や光沢消失が生じにくく、且つ、水の影響下でも結合強度が劣化しにくい耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、上記の第1の繊維化樹脂を骨材のバインダーとして使用することにより、長期間経過しても黄変等の変質が生じにくく、また、強度むらや透水性の不均一がない構造体を提供することにある。
【0009】
本発明の第4の目的は、上記の第2の繊維化樹脂を骨材のバインダーとして使用することにより、黄変等の変質あるいは強度むらや透水性の不均一がなく、しかも、水の影響による結合劣化が著しく改善された構造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の耐候性エポキシ系繊維化樹脂は、還元反応により芳香族ベンゼン環を置換した脂環族エポキシ系樹脂と、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール、ガラスウール、金属繊維、炭素繊維又は高分子材料の繊維との混練物を主成分とすることを特徴とする。
【0011】
上記第2の目的を達成するために、本発明の耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂は、還元反応により芳香族ベンゼン環を置換した脂環族エポキシ系樹脂と、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール、ガラスウール、金属繊維、炭素繊維又は高分子材料の繊維との混練物を主成分とし、これに耐水剥離防止剤を添加・混練したことを特徴とする。
この耐水剥離防止剤の好ましい例として、シラン系カップリング剤、有機チタン系カップリング剤、有機リン酸塩系カップリング剤、クロムコンプレックス系カップリング剤などを挙げることができる。
【0012】
上記の耐候性エポキシ系繊維化樹脂及び耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂は、いずれも、さらに硬化剤や硬化調整触媒を添加してもよく、この場合、添加する硬化剤及び触媒は、芳香族ベンゼン環を含まない耐候性・難黄変性の化合物が好ましい。
【0013】
上記第3の目的を達成するために、本発明の構造体は、還元反応により芳香族ベンゼン環を置換した脂環族エポキシ系樹脂と、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール、ガラスウール、金属繊維、炭素繊維又は高分子材料の繊維とを混練した耐候性エポキシ系繊維化樹脂を、砂利、砕石、貝殻、ガラスカレット、溶融スラグなどの骨材にバインダーとして混練し、固化させたことを特徴とする。
【0014】
上記第4の目的を達成するために、本発明の構造体は、還元反応により芳香族ベンゼン環を置換した脂環族エポキシ系樹脂と、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール、ガラスウール、金属繊維、炭素繊維又は高分子材料の繊維との混練物を主成分とし、これにシラン系カップリング剤、有機チタン系カップリング剤、有機リン酸塩系カップリング剤又はクロムコンプレックス系カップリング剤を耐水剥離防止剤として添加・混練した耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂を、砂利、砕石、貝殻、産業廃棄物のガラスカレット、溶融スラグなどの骨材にバインダーとして混練し、固化させたことを特徴とする。
【0015】
本発明の上記構造体の成形固化に使用される脂環族エポキシ系樹脂は上記の主成分にさらに硬化剤及び/又は硬化触媒を添加してもよく、さらには必要に応じて粘度調整剤を添加してもよい。その場合は、好ましくは、還元反応により変性させた脂環族化合物、即ち、芳香族ベンゼン環を含まない耐候性・難黄変性の化合物に変性させた脂環族化合物の硬化剤又は硬化触媒を使用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者は、従来のビスフェノール型のエポキシ系樹脂及びこの樹脂をバインダーとして使用した舗装剤が短期間で黄変する原因について鋭意研究を重ねた結果、ビスフェノール型のエポキシ系樹脂は成分中に芳香族ベンゼン環を有しており、その影響で紫外線を受けやすくなり、これが黄変の主要な原因であるとの考えに到達し、芳香族ベンゼン環を置換した脂環族エポキシ系樹脂に変性させることにより黄変を抑制し、優れた耐候性が得られることを見出した。
【0017】
この着想に基づき、本発明は、図1に示すように、従来のビスフェノール型エポキシ系樹脂を還元反応により芳香族ベンゼン環を有しない脂環族の耐候性エポキシ系樹脂1(例えば、脂環族ジオールジグリシジルエーテルを主成分とするエポキシ樹脂など)に変性し、この耐候性エポキシ系樹脂1と、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール、ガラスウール、金属繊維、炭素繊維、高分子材料の繊維2とを30〜50℃のもとで均一に混合して黄変しにくく、且つ、樹脂の液だれが生じない新規なバインダー用耐候性エポキシ系繊維化樹脂3を得たものである。なお、本発明は、前記各種繊維の一つを選択して使用する場合に限らず、それらの複数種を混合して用いる場合も包含する。
また、本発明の繊維化樹脂は上記の主成分に硬化剤、硬化調整触媒、増粘剤などを添加してもよい。
【0018】
上記耐候性エポキシ系繊維化樹脂3に硬化剤や硬化調整触媒を添加する場合は、
還元反応により芳香族ベンゼン環を含まない化合物に変性させた、例えば、脂環族ポリアミンなどを主成分とする難黄変性の脂環族化合物を用いることにより硬化剤や触媒による黄変が併せて抑制された耐候性エポキシ系繊維化樹脂を得ることができたものである。
【0019】
さらに、本発明は、図2、図3に示すように、上記の黄変しにくい耐候性エポキシ系繊維化樹脂3に、好ましくは、上記の黄変しにくい耐候性の硬化剤や硬化調整触媒を添加し、これを自然石の砂利、砕石、砂、貝殻、産業廃棄物のガラスカレット、溶融スラグ等の骨材4に均一に混合した後、適宜の形状のブロック(図3)に成形固化し、あるいは層状の舗装構造体(図2)に形成して耐候性・透水性の構造体5を得たものである。
【0020】
本発明の上記耐候性エポキシ系繊維化樹脂3及びこれをバインダーとして形成した構造体5は、樹脂に芳香族ベンゼン環を有しない脂環族エポキシ系樹脂を使用しているので、紫外線の影響を受けにくく、長期間経過しても黄変や光沢消失が生じにくい。
また、本発明の耐候性エポキシ系繊維化樹脂3は、耐候性エポキシ系樹脂1と上記繊維2を混練してなるので、これをバインダーとして形成した構造体5は、樹脂の液だれ現象がなく、上層と下層の合成強度が均一になるとともに、下層における空隙率も確保され、透水性を有している。
【0021】
本発明において、前記耐候性エポキシ系樹脂1と前記繊維2を30−50℃の温度下で混合する理由は、30℃未満では耐候性エポキシ系樹脂1の粘性が高く、繊維やフィラメントとの混合性能が低下する傾向があり、また、50℃を超えると、分解性が高くなり、物性保証が難しくなるという問題があるからである。
【0022】
実施例1
脂環族ジオール・ジグリシジルエーテルのエポキシ系樹脂を主成分とする、芳香族ベンゼン環を有しない耐候性エポキシ系樹脂1000gに、セラミックウール15〜50g、ガラスウール50〜200g、石英フィラメント100−200gと増粘剤10〜60gを混練し、これに、変性脂環族ポリアミンを主成分とする耐候性・難黄変タイプの硬化剤450〜500gを添加して耐候性エポキシ系繊維化樹脂に混練する。この耐候性エポキシ系繊維化樹脂を骨材(4〜6mm淡色、白色砂利)25〜30kgに均一に混ぜ、一日養生をかけた後、耐候性エポキシ系繊維化樹脂の構造体を得た。
その構造体は、曲げ強度が113kgf/cm2、圧縮強度は304kgf/cm2で、充分な強度を有していた。また、空隙率は20〜30%で、良好な透水性を有するのが特徴であった。
【0023】
比較例1
ビスフェノールAジグリシジルエーテルを主成分とするビスフェノール型のエポキシ系樹脂1000gに、ロックウール50−80g、ガラスウール25−50g、増粘剤5〜45gの繊維を混練するとともに、これに、変性脂環族ポリアミンを主成分とするエポキシ系硬化剤350〜400gを添加して、汎用のビスフェノール型エポキシ系繊維化樹脂に混練し、この汎用のビスフェノール型エポキシ系繊維化樹脂を骨材(4〜6mm淡色、白色砂利)25〜30kgに均一に混ぜ、一日養生をかけた後、汎用のビスフェノール型エポキシ系繊維化樹脂の構造体を得た。その構造体の曲げ強度が102kgf/cm2で、それほど弱くはないが、時間の経過とともに黄変する弱点がある。
【0024】
構造体のバインダーとして耐候性エポキシ系繊維化樹脂を使用した実施例1の構造体と、ビスフェノール型エポキシ系繊維化樹脂を使用した比較例1の構造体について行った黄変暴露実験の比較を下記の表1に示す。
【表1】
◎…ほとんど認められず
△…やや黄変
×…著しく黄変
【0025】
次に、実施例1と比較例1の各構造体の黄変経時変化を下記の表2に示す。
【表2】
UVカーボンアーク促進耐候性試験機
膜厚700〜800μm、ブラックパネル温度70−80℃
【0026】
表1の通りに、白い骨材によって一年間暴露実験が行われた。その結果は、実施例1のように、骨材はほとんど白色のままで、黄変は肉眼では見られない程度にとどまっており、舗装の美観に影響しないものである。これは、耐候性エポキシ系樹脂も硬化剤も非芳香族の構造を持っているからである。一方、比較例1の場合は、1ケ月後で骨材の表面の黄変がはじまり、6ケ月経過してからは黄変程度がひどく、真黄色になった。これは、ビスフェノール型エポキシ系樹脂が芳香族ベンゼン環の構造を持っているうえ、硬化剤も芳香族ベンゼン環の構造を持っているため、紫外線を吸収しやすくなるからである。
また、表2をみると、実施例1の方が比較例1のより黄変しにくい結果が出ている。しかも、時間が経過するとともに、黄変の程度は次第に明らかになってくることが分かる。
【0027】
ところで、脂環族エポキシ系樹脂を使用した繊維化樹脂及びこれを骨材のバインダーとした構造体は上記のように黄変しにくく透水性がよいという利点があり、それ自体有用なものであるが、無機質の骨材を有機質の上記エポキシ系繊維化樹脂バインダーで結合した構造体は雨水の浸入や水中浸漬などによって水が加わると、構造体における骨材の結合が劣化し、剥離し易くなるという問題に直面した。
【0028】
本発明者は種々研究の結果、上記の耐候性エポキシ系繊維化樹脂に、水による結合劣化を防止するのに適した耐水剥離防止剤を添加・混合し、これを無機質の骨材のバインダーとして使用することによって上記の問題が解決されることを見出した。
【0029】
本発明に使用する上記耐水剥離防止剤としては、シラン系、有機チタン系、有機リン酸塩系、クロムコンプレックス系などの耐水剥離防止剤を挙げることができ、特にシラン系が有用である。
【0030】
シラン系の耐水剥離防止剤としてはN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シランなどが有用である。これらシラン系の耐水剥離防止剤は、分子中に不飽和結合、NH基、NH2基、グリシド基、SH基、CI基などの有機材料と化学的に結合する官能基と、無機材料と反応する加水分解基とを有するケイ素化合物であり、図3に示す耐水剥離防止剤の化学結合モデルは、有機材料であるバインダーと無機材料である骨材の界面における水の影響下の結合強化作用を示している。
【0031】
このようにシランカップリング剤が発揮する最大の性能は、水分子が有機−無機複合材料の界面に浸透することによって生ずる機械的強度低下を阻止して、耐水性を著しく向上させる点にある。
【0032】
チタンカップリング剤の作用、機能は必ずしも明確ではないが、チタニウムエステルが水分により部分的に加水分解し、そこに生じた水酸基被着材表面の官能基に配位結合もしくは縮合による共有結合を形成し、さらに、チタニウムエステルどうしが重合して、表面に酸化チタンに似た被膜を形成すると考えられている。
【0033】
また、有機リン酸塩系のカップリング剤は、無機材料の表面のシラノールとの反応によりSi−O−P結合を形成して無機材料表面を有機材料と結合し易い状態に改質すると考えられている。
【0034】
実施例2
脂環族ジオール・ジグリシジルエーテルのエポキシ系樹脂を主成分とする、芳香族ベンゼン環を有しない耐候性エポキシ系樹脂1000g、セラミックウール15〜50g、ガラスウール50−200g、石英フィラメント100〜200gと増粘剤10〜60gと耐水剥離防止剤(シランカップリング剤)10〜20gを混練し、これに、変性脂環族ポリアミンを主成分とする耐候性・難黄変タイプの硬化剤450〜500gを添加して耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂に混練する。この耐候性エポキシ系繊維化樹脂を骨材(4〜6mm淡色、ガラスカレット)25〜30kgに均一に混ぜ、一日養生をかけた後、耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂をバインダーとする構造体を得た。
その構造体は、曲げ強度が102.1kgf/cm2、圧縮強度は166.6kgf/cm2で、充分な強度を有していた。また、空隙率は20−30%で、良好な耐水性透水性を有するのが特徴であった。
【0035】
耐水剥離防止剤を添加していない耐候性エポキシ系繊維化樹脂をバインダーとして使用した構造体(他の条件は同一)を比較例2として実施例2の構造体との水中結合変化(表3)及び水中劣化性の比較(表4)を以下に示す。
【0036】
表3. 耐水剥離防止剤の有無による構造体の水による剥離変化
【表3】
【0037】
表4. 耐水剥離防止剤の添加有無による構造体の強度の水による劣化性
【表4】
【0038】
上記の比較表3、4から明らかなように、耐水剥離防止剤を添加しない繊維化樹脂バインダーを使用した構造体は、水浸前と水浸後ではその曲げ強度、圧縮強度がいずれも約30%に低下してしまうのに対し、耐水剥離防止剤を添加した繊維化樹脂バインダーを使用する本発明の構造体は曲げ強度、圧縮強度がいずれも90%に維持され、水の影響による結合強度の劣化が著しく改善されることが確認された。
【0039】
【効果】
本発明の上記耐候性エポキシ系繊維化樹脂及びこの耐候性繊維化樹脂をバインダーとして使用した舗装材などの構造体はビスフェノール型エポキシ系樹脂の黄変の原因である芳香族ベンゼン環を除去し、脂環族のエポキシ樹脂に変性しているので、従来問題となっていた経時的な黄変や光沢の消失が抑制され、長期間にわたり、本来の美観を保持することができる。
【0040】
また、エポキシ樹脂成分の変性によってバインダーとしての強度が損なわれることがない。
【0041】
耐水剥離防止剤を添加した上記の耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂及びこれを前記骨材のバインダーとして使用した舗装材などの構造体は、前記の耐候性を有するとともに、水の影響による結合劣化、剥離等を効果的に抑制し、長期間にわたって強度を保持することができる。特に、表面が滑らかなガラスカレットのような骨材であっても水中浸漬時の結合強度が著しく向上するので、ガラスカレットの舗装材への再利用などに大きく貢献できる。
【0042】
また、耐水剥離防止剤として好適な前記シランカップリング剤などは芳香族ベンゼン環を含まない難黄変性の化合物であるので、これを添加しても製品の耐候性は何等損なわれない。
【0043】
難黄変性タイプの硬化剤及び硬化調整触媒を使用することにより、バインダー及び構造体がこれら添加によって黄変することがなく、長期間経過しても肉眼ではほとんど判別できないものになる。
【0044】
上記の耐候性エポキシ系樹脂にセラミックウール、ガラスウール、金属、炭素又は高分子材料の繊維を30〜50℃の温度で混合して繊維化樹脂にしてあるので、骨材と混練したときに、樹脂の液だれがなく、透水性及び結合強度にむらが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による脂環族エポキシ系繊維化樹脂のペースト状態図
【図2】本発明による層状構造体の一部断面構造図
【図3】本発明によるブロック状構造体の透視図
【図4】耐水剥離防止剤の化学結合モデルを示す理論分析図
【符号の説明】
1…脂環族エポキシ系樹脂
2…繊維
3…脂環族エポキシ系繊維化樹脂
4…骨材
5…構造体
Claims (4)
- 脂環族ジオール・ジグリシジルエーテルのエポキシ系樹脂を主成分とする、芳香族ベンゼン環を有しない耐候性エポキシ系樹脂1000gに、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール15〜50g、ガラスウール50〜200g、石英フィラメント100〜200g、増粘剤10〜60gの割合で混合した混合物を30〜50℃の温度のもとで混練し、これに、変性脂環族ポリアミンを主成分とする耐候性・難黄変性の硬化剤を450〜500gの割合で添加した混練物を主成分とすることを特徴とする耐候性エポキシ系繊維化樹脂
- 請求項1記載の耐候性エポキシ樹脂に、シラン系カップリング剤、有機チタン系カップリング剤、有機リン酸塩系カップリング剤又はクロムコンプレックス系カップリング剤からなる耐水剥離防止剤を添加・混練したことを特徴とする請求項1記載の耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂
- 脂環族ジオール・ジグリシジルエーテルのエポキシ系樹脂を主成分とする、芳香族ベンゼン環を有しない耐候性エポキシ系樹脂1000gに、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール15〜50g、ガラスウール50〜200g、石英フィラメント100〜200g、増粘剤10〜60gの割合で混合した混合物を、30〜50℃の温度のもとで混練し、これに、変性脂環族ポリアミンを主成分とする耐候性・難黄変性の硬化剤を450〜500gの割合で添加した混練物を主成分とする耐候性エポキシ系繊維化樹脂を、砂利、砕石、貝殻、ガラスカレット、溶融スラグなどの骨材25〜30kgにバインダーとして混練し、空隙率を20〜30%に保持して固化させたことを特徴とする構造体
- 脂環族ジオール・ジグリシジルエーテルのエポキシ系樹脂を主成分とする、芳香族ベンゼン環を有しない耐候性エポキシ系樹脂1000gに、繊維径100ミクロン以下、繊維長1mm以下のセラミックウール15〜50g、ガラスウール50〜200g、石英フィラメント100〜200g、増粘剤10〜60gの割合で混合した混合物を、30〜50℃の温度のもとで混練し、これに、変性脂環族ポリアミンを主成分とする耐候性・難黄変性の硬化剤を450〜500gの割合で添加した混練物を主成分とする耐候性エポキシ系繊維化樹脂に、シラン系カップリング剤、有機チタン系カップリング剤、有機リン酸塩系カップリング剤又はクロムコンプレックス系カップリング剤を耐水剥離防止剤として添加・混練した耐候・耐水性エポキシ系繊維化樹脂を、砂利、砕石、貝殻、産業廃棄物のガラスカレット、溶融スラグなどの骨材25〜30kgをバインダーとして混練し、空隙率を20〜30%に保持して固化させたことを特徴とする構造体
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000276583A JP3579338B2 (ja) | 1999-09-28 | 2000-09-12 | 繊維化樹脂及びこれをバインダーとして用いた構造体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-274575 | 1999-09-28 | ||
JP27457599 | 1999-09-28 | ||
JP2000276583A JP3579338B2 (ja) | 1999-09-28 | 2000-09-12 | 繊維化樹脂及びこれをバインダーとして用いた構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001164096A JP2001164096A (ja) | 2001-06-19 |
JP3579338B2 true JP3579338B2 (ja) | 2004-10-20 |
Family
ID=26551085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000276583A Expired - Fee Related JP3579338B2 (ja) | 1999-09-28 | 2000-09-12 | 繊維化樹脂及びこれをバインダーとして用いた構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3579338B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2707810T3 (es) * | 2010-09-07 | 2019-04-05 | Blh Tech Inc | Método para formar un producto de celulosa resistente al fuego, y aparato asociado |
-
2000
- 2000-09-12 JP JP2000276583A patent/JP3579338B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001164096A (ja) | 2001-06-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100943312B1 (ko) | 초속경 시멘트 콘크리트 조성물 및 이를 이용한 콘크리트 포장 보수공법 | |
KR101773920B1 (ko) | 고등급 방수 칼라아스팔트 콘크리트 조성물 및 이를 이용한 단면 보수공법 | |
KR101804867B1 (ko) | 에폭시 수지를 포함하는 아스팔트 콘크리트 조성물 및 이의 시공방법 | |
KR101961270B1 (ko) | Sis를 이용한 칼라 구스 매스틱 아스팔트 콘크리트 조성물 및 이의 시공방법 | |
JP2630173B2 (ja) | 透水材用組成物及び透水材の製造方法 | |
KR100603898B1 (ko) | 기존 콘크리트 구조체와 동등한 탄성거동을 하는 기중 및 수중구조물 보수보강용 고분자 조성물 | |
US5431962A (en) | Abrasion resistant floor covering | |
JP3579338B2 (ja) | 繊維化樹脂及びこれをバインダーとして用いた構造体 | |
KR102438324B1 (ko) | 접착증강 표면개질된 나노 세라믹메탈 분말를 이용한 교면방수 시공방법 | |
CN109485366A (zh) | 一种建筑用改性砂浆 | |
JP3076304U (ja) | 耐侯・耐水性構造体 | |
JPH09316371A (ja) | 塗装材 | |
KR102408424B1 (ko) | 구조물 단면보수용 고분자계 폴리머 콘크리트 보수재 | |
JP3069507U (ja) | 耐候性透水性繊維化樹脂を含むブロック状又は層状の舗装構造体 | |
KR102248355B1 (ko) | 속경성 시멘트 콘크리트 조성물 및 이를 이용한 콘크리트 포장 보수공법 | |
KR100801312B1 (ko) | 역청질 팽윤탄을 이용한 도로 맨홀보수용 포장재 | |
KR101989903B1 (ko) | 시트 보강 자착식 프리캐스트 실란트 테이프 및 이를 이용한 미끄럼 방지 테이프 | |
JP2856013B2 (ja) | 既存構造物の表面塗装方法およびその方法に用いられる塗装下地用パテ材 | |
JPH0725981A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2861054B2 (ja) | 樹脂組成物、塗料、舖装材及び舖装構造体 | |
JP2003040977A (ja) | 舗装材用バインダーおよびそれを用いた舗装材 | |
KR100544096B1 (ko) | 미끄럼 방지용 조성물 및 그 시공방법 | |
JPH03137305A (ja) | 舗装方法 | |
CN211199037U (zh) | 一种大体积清水混凝土用高抗裂高耐久表层结构 | |
CN110330284A (zh) | 一种聚合物改性混凝土表面防护材料及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040706 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040715 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070723 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723 Year of fee payment: 4 |
|
R154 | Certificate of patent or utility model (reissue) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S201 | Request for registration of exclusive licence |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |