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JP3578274B2 - 数値制御工作機械 - Google Patents

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JP3578274B2
JP3578274B2 JP2002122780A JP2002122780A JP3578274B2 JP 3578274 B2 JP3578274 B2 JP 3578274B2 JP 2002122780 A JP2002122780 A JP 2002122780A JP 2002122780 A JP2002122780 A JP 2002122780A JP 3578274 B2 JP3578274 B2 JP 3578274B2
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恒彦 山崎
直臣 宮川
利彦 井上
晃 飯領田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセットタイプの工具を有する数値制御工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の機械加工を行う場合において、NC(数値制御)の可能な数値制御工作機械が一般的に用いられている。
【0003】
図3は、そのような数値制御工作機械の一例としてレーザ加工機の外観を示す斜視図であり、図4は、該レーザ加工機の内部構造を示す詳細図であるが、このような工作機械においては、工具23がX,Y,Z軸に沿って駆動されると共に(図3参照)、A,B軸の回りに回転されるように構成されている(図4参照)。
【0004】
ところで、図に示す工具23はオフセットタイプのものであって、工具23の加工点が回転軸(A軸,B軸)からオフセットしているため、A軸やB軸の回りに単に回転させただけでは加工点が適正位置からずれてしまうことになる。そこで、このような工作機械においては、工具23の旋回中心から加工点までの距離(図9(a) の符号l+l参照)をパラメータで定義することにより、工具23の姿勢をどのように変更したとしても加工点の位置がずれないような制御(姿勢制御)が行われるようになっている。これにより、工具23の姿勢を変更する場合、図9(a) に符号Mで示すように、工具23は加工点P2を中心として回転されることになる。図において、点P1は、工具23によって加工できる点を意味し、点P2は、ワーク上の加工点を意味する。このような姿勢制御によれば、P1=P2が達成されることとなる。
【0005】
一方、上述した工作機械においては、ワークWと工具23との間の距離(以下、本明細書において“ギャップ長”とする)dを一定に保つために倣い装置が使用されている。なお、加工するワークの材質や板厚によっては該ギャップ長を変更したい場合もあるが(図9(b) の符号M及びd参照)、その場合には加工プログラム中で指令できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなギャップ長変更や工具姿勢変更は図10(PRO2)に示すように加工プログラムで行うようになっている。同図において、ブロックN001はギャップ長変更指令を示し、ブロックN002は姿勢変更指令を示す。
【0007】
このようなギャップ長変更と姿勢変更とを連続して行おうとすると、姿勢制御のアーム長(工具の旋回中心と加工点間との距離)は初期設定値のままであって変更されていないため、工具23はギャップ長変更指令に基づき図11(a) に符号Mで示すように移動され、姿勢変更指令に基づき当初に指定した点P1を中心に回転され(同図の符号M参照)、その結果、加工点が点P2から点P3にずれてしまうという問題があった。
【0008】
このような加工点ズレを回避する方法としては、図11(b) (PRO3)に示すように、ギャップ長変更指令G13(符号N001参照)と姿勢変更指令G01(符号N002参照)との間でアーム長変更指令G71(符号N003参照)を行う方法がある。かかる方法によれば、姿勢変更指令G01がなされる時には既にアーム長(姿勢制御のパラメータであるアーム長)が変更されているために加工点ズレは防止されるものの、そのようなアーム長変更指令を加工プログラム中で逐一行わなければならず、そのため、加工プログラム作成作業が煩雑となって、加工時間も長くなってしまうという問題があった。
【0009】
また、非接触式ならい装置の場合であって、工具を別の形状のものに取り替えたような場合には、工具姿勢が傾いた場合におけるギャップ変化量を求めること自体が困難となる。したがって、かかる場合には上述のようなアーム長変更指令時に正確な補正値を入力できないという問題がある。また、オペレータが、このような複雑な制御を理解しなければ、機械の使用及びプログラミングできないことは問題である。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、工具とワークとの間のギャップ長を変更し、さらに工具姿勢を変更する場合であっても加工点ズレを防止できる、数値制御工作機械を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、オフセットタイプの工具(23)を駆動手段(103X,103Y,13,17,19)によって回転させると共に3軸方向に移動駆動させながらワーク(W)の加工を行う数値制御工作機械(1)において、
前記駆動手段(103X,…)を駆動して前記工具とワークとの間の距離(d)を変更するギャップ長変更部(105)と、
前記工具とワークとの間の距離(d)に基づき、工具姿勢変更のための回転中心位置を求める回転中心位置演算部(106)と、
前記駆動手段(103X,…)を駆動して前記工具(W)を前記回転中心位置の回りに回転させることに基づき前記工具(W)の姿勢を変更する姿勢制御部(107)と、を備え、
加工プログラム(PRO1)中でギャップ長変更指令(N001)がなされている場合には、前記ギャップ長変更部(105)によって前記工具とワークとの間の距離を(d)変更すると共に、前記回転中心位置演算部(106)によって前記回転中心位置を求め、
加工プログラム(PRO1)中で姿勢変更指令(N002)がなされている場合には、前記姿勢制御部(107)によって前記工具(W)の姿勢を変更する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の数値制御工作機械(1)において、前記工具とワークとの間の距離(d)を検知する距離検知手段(27)と、該距離検知手段(27)の出力電圧と前記距離(d)との関係を前記工具(23)の姿勢との関連で記憶するメモリ手段(110)と、を備え、かつ、
前記ギャップ長変更部(105)は、前記距離検知手段(27)と前記メモリ手段(110)に記憶された前記距離検知手段の出力電圧と前記距離との関係とに基づき前記工具とワークとの距離(d)を変更する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の数値制御工作機械(1)において、前記工具(23)はレーザ光を出射するトーチであって、前記数値制御工作機械(1)は、ワーク(W)のレーザ加工を行うレーザ加工機である、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の数値制御工作機械(1)において、前記工具(23)は、互いに直交するX,Y,Zの3軸方向に移動駆動され、かつ、それら3軸の内のいずれか2軸の回りに回転される、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ギャップ長変更指令(N001)及び姿勢変更指令(N002)の両方を行う場合においても、工具(23)の加工点ズレを防止できる。その結果、加工精度が向上される。また、加工点ズレ防止のためにアーム長変更指令(図11(b) のブロックN002参照)等の指令を別途行う必要が無く、加工プログラム作業が容易となる。
【0016】
請求項2の発明によれば、より一層確実に加工点ズレを防止できる。
【0017】
請求項3の発明によれば、加工点ズレを起こすことなくレーザ加工ができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、軸制御の数値制御工作機械に本発明を適用することができる。
【0019】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図7に基づき説明する。ここで、図1(a) は、加工プログラムの一例を示す図であり、図1(b) は、その加工プログラムによってトーチが制御される様子を示す模式図であり、図2は、レーザ加工方法の一例を示すフローチャート図である。また、図3は、レーザ加工機の外観を示す斜視図であり、図4は、該レーザ加工機のサドル部分の内部構造を示す詳細図であり、図5は、トーチ部分の構造を示す詳細図である。さらに、図6は、本発明に係る数値制御工作機械(レーザ加工機)の構造の一例を示すブロック図である。
【0021】
本実施の形態に係るレーザ加工機(数値制御工作機械)1は、図3に示すように、ワークWを±X方向に移動できるように構成されたワーク載置部1Aと、レーザ光照射のためのトーチ(工具)23を有するレーザ光照射部1Bと、からなる。
【0022】
まず、ワーク載置部1Aの構造について説明する。
【0023】
ワーク載置部1Aはベッド2を有しており、そのベッド2の上面側には、レール(図示せず)が±X方向に延設された状態に取り付けられている。このベッド2の上側にはテーブル3が配置されているが、そのテーブル3は、該レールに支持された状態で後述の駆動手段(例えば、サーボモータで回転駆動されるボールねじ等)103Xによって±X方向に移動されるようになっている。したがって、テーブル3に載置されたワークWは、±X方向に自在に移動されることになる。
【0024】
次に、レーザ光照射部1Bの構造について説明する。
【0025】
レーザ光照射部1Bは、2本のコラム51,51とクロスアーム52とからなる門型フレーム5を有しているが、この門型フレーム5は、上述したテーブル3の移動を阻害しないようにその移動経路を跨ぐような状態で(2本のコラム51,51が上述したベッド2に固定された状態で)配置されている。
【0026】
そして、クロスアーム52は、下方が開口された内部空間を有しており、その内壁(YZ面に平行な内壁)にはクロスレール5a,5aが±Y方向に延設された状態に取り付けられている。この内部空間にはサドル6が配置されているが、該サドル6は、クロスレール5a,5aに支持された状態で後述の駆動手段(例えば、サーボモータで回転駆動されるボールねじ等)103Yによって±Y方向に移動されるようになっている。なお、このサドル6の上部には、図4に示すように、符号20で示す部品(以下、“レーザ受光部”とする)が取り付けられている(詳細は後述する)。
【0027】
一方、この門型フレーム5の近傍にはレーザ発振器(図示せず)が配置されており、そのレーザ発振器のレーザ光出射部にはレーザ光路管が接続されている。このレーザ光路管は、図3に符号7aで示すように、クロスアーム52の内壁に配置されており、該光路管7aと上述したレーザ受光部20とはレーザ光路管7bを介して接続されている。なお、レーザ受光部20は、上述したようにサドル6の側に取り付けられていることからサドル6の移動に伴って±Y方向に移動するが、レーザ光路管7bは、伸縮自在かつレーザ受光部20を中心に水平面内で回動自在に構成されているために、サドル6の移動を阻害したりレーザ受光部20から外れたりすることは無い。このような構成に基づき、レーザ発振器により発振されたレーザ光は、レーザ光路管7a及び7bを経由してレーザ受光部20に到達することとなる。
【0028】
さらに、このサドル6には、図4に示すように、レール10,10が±Z方向に延設された状態に取り付けられており、これらのレール10,10にはヘッド枠体12が移動自在に支持されている。そして、サドル6とヘッド枠体12との間には、符号13に示すように駆動装置(サーボモータと、該モータにて回転駆動されるボールねじとからなるもの)が介装されていて、該駆動装置13によってヘッド枠体12が±Z方向に駆動されるように構成されている。なお、このヘッド枠体12には第1モータ(駆動手段)17及び第2モータ(駆動手段)19が取り付けられており、それらの出力軸にはそれぞれ第1駆動歯車17a及び第2駆動歯車19aが嵌め込まれていて、後述する外スリーブ部材15や内スリーブ部材16を回転駆動するように構成されている(詳細は次述)。
【0029】
上述したレーザ受光部20の下方には、該受光部20に対向するように、略円筒状の部材(以下、“内スリーブ部材”という)16がヘッド枠体12の側に取り付けられた状態で配置されている。そして、レーザ受光部20の下部(符号20aで示す部分)と内スリーブ部材16の上部(符号16bで示す部分)とは、±Z方向に伸縮自在な光路管21によって接続されている。なお、レーザ受光部20の内部には反射鏡が配置されていて、レーザ光路管7bからのレーザ光は、光路管21を介して内スリーブ部材16の内部空間KR1に導かれるようになっている(図5の符号RZ参照)。
【0030】
ところで、この内スリーブ部材16は、軸CT1(すなわち、A軸)の回りに回転できるように支持されており、その一部には内スリーブ歯車16aが形成されている。そして、この内スリーブ歯車16aは上述した第2駆動歯車19aに噛合されており、第2モータ19を駆動することにより内スリーブ部材16が回転されるようになっている。なお、内スリーブ部材16の下端には傘歯車(図5の符号16c参照)が形成されている(詳細は後述)。
【0031】
この内スリーブ部材16の外側には、内スリーブ部材16よりも大径の略円筒状部材(以下、“外スリーブ部材”という)15が配置されている。この外スリーブ部材15は、軸CT1の回りに、しかも内スリーブ部材16の回転とは無関係に回転できるように支持されている。この外スリーブ部材15にも外スリーブ歯車15aが形成されており、その外スリーブ歯車15aは上述した第1駆動歯車17aに噛合され、第1モータ17を駆動することにより外スリーブ部材17が回転されるようになっている。
【0032】
ところで、図5に示すように、上述した外スリーブ部材15の下端部分の側壁には、符号22で示す部品を介してトーチ23が取り付けられている。これにより、トーチ23は、軸CT1からオフセットした位置に配置されると共に、外スリーブ部材15が回転されることに基づき軸CT1(A軸)の回りに回転されるようになっている。
【0033】
この部品22は、トーチ23を軸CT2(すなわち、B軸)の回りに回転できるように支持している。符号22aに示す傘歯車は、トーチ23と一体的に軸CT2の回りに回転するように構成されているものであって、内スリーブ部材側の傘歯車16cに噛合されている。これにより、上述した第2モータ19によって内スリーブ部材16が回転されると、傘歯車16c,22aを介してトーチ23が軸CT2の回りに回転されることとなる。
【0034】
つまり、本実施の形態においては、第1モータ17によって外スリーブ部材15を回転させるとトーチ23を軸CT1(A軸)の回りに回転でき、第2モータ19によって内スリーブ部材16を回転させるとトーチ23を軸CT2(B軸)の回りに回転できる。なお、本実施の形態におけるトーチ23は、加工点がトーチ回転軸(A軸,B軸)からオフセットしているオフセットタイプである。
【0035】
一方、上述した傘歯車16c,22aや部品22の内部は空洞であり(符号KR2参照)、スリーブ部材15,16の下方や部品22の内部には反射鏡25,26が配置され、傘歯車22aの内部には集光レンズ70が配置されている。したがって、内スリーブ部材16の内部空間KR1に導かれたレーザ光RZは、反射鏡25にて反射された上で集光レンズ70を透過し、さらに反射鏡26にて反射されて、トーチ23の先端(射出口23a)から出射されることとなる。
【0036】
ところで、図5において、符号27は、トーチ先端とワークWとの間の距離(ギャップ長)を測定するギャップセンサ(距離検知手段)を示し、符号30は、各種の演算を行う演算装置を示し、符号29は、ギャップセンサ27と演算装置30とを接続するケーブルを示す。
【0037】
また、符号40,40は、ヘッド枠体12と外スリーブ部材15との間に配置されたOリングを示す。これにより、ヘッド枠体12と外スリーブ部材15との間には、これらのOリング40,40にて仕切られた環状空間部39が形成されることとなる。
【0038】
さらに、符号41は、ヘッド枠体12に形成されて環状空間部39に開口されたガス輸送路を示す。なお、上述した門型フレーム5の近傍には不図示のガスボンベが設置されており、そのガスボンベとガス輸送路41とはガス管(図示せず)等にて接続されていて、ガスボンベから環状空間部39にアシストガスが供給されるようになっている。また、符号42は、外スリーブ部材15に形成されたガス輸送路を示す。このガス輸送路42は、符号42bに示すように環状空間部39に開口され、下方(すなわち、−Z方向)に延設された後、外スリーブ部材15の円筒壁に沿うように円弧状に湾曲され、符号42aに示す部分で開口されている。さらに、符号43は、その開口部分42aと部品22とを接続するガス管を示す。これにより、ガスボンベからのアシストガスは、ガス輸送路41、環状空間部39、ガス輸送路42、ガス管43を通って部材22に供給され、トーチ射出口23aから放出されることとなる。
【0039】
ところで、上述したレーザ加工機1は、図6に示す構成であって、トーチ23(又はワークW)を移動・回転させるための5つの駆動手段103X、103Y,13,17,19を備えている。このうちの駆動手段13は、既に述べているように、トーチ23をヘッド枠体12と共に±Z方向に移動するためのものであり、駆動手段(すなわち、第1モータ)17は、トーチ23を軸CT1(A軸)の回りに回転させるためのものであり、駆動手段(すなわち、第2モータ)19は、トーチ23を軸CT2(B軸)の回りに回転させるためのものである。また、駆動手段103Xは、上述したテーブル3を±X方向に移動するためのものであり、駆動手段103Yは、トーチ23をサドル6と共に±Y方向に移動するためのものである。そして、これらの5つの駆動手段103X,…は軸制御部102によって駆動制御されるように構成されている。
【0040】
一方、符号101は、ティーチング等のために用いられる操作ボックスを示すが、このボックス101は、ジョグ送り用レバーや各種スイッチ類を有している。符号104は、トーチ23の位置データ等をメモリするための加工プログラムメモリを示し、符号105は、前記駆動手段103X,…を駆動してギャップ長(つまり、ワークWとトーチ23との間の距離)を変更するためのギャップ長変更部を示し、符号106は、ギャップ長が変更された場合や、トーチを交換した場合や、トーチを傾けた際に倣い特性が変わった時に姿勢制御のアーム長を演算するアーム長演算部を示す。つまり、このアーム長演算部106は、工具姿勢変更のための回転中心位置をギャップ長に基づき求める回転中心位置演算部に相当する。また、符号107は、アーム長演算部106等の演算結果に基づいて前記駆動手段103X,…を駆動してトーチ23を前記回転中心位置の回りに回転させることに基づき、その姿勢を変更する姿勢制御部を示し、符号109はシステムメモリを示す。
【0041】
ところで、トーチ先端には、上述のようにギャップセンサ27が配置されているが、このセンサ27の出力電圧は ギャップ長が同じであってもトーチ姿勢が変化した場合にはその影響を受けて変わってしまう(つまり、センサ27の出力電圧とギャップ長との関係はトーチ姿勢によって変わる)という性質がある。そこで、本実施の形態では、図7に示すような、センサ27の出力電圧とギャップ長との関係をトーチ姿勢毎に記憶するデータベース(メモリ手段)110を設けておいて、ギャップ長変更部105は、前記センサ27と前記データベース110(記憶されているところのセンサ出力とギャップ長との関係)との結果に基づきギャップ長を補正するようになっている。
【0042】
次に、レーザ加工方法について図1及び図2等に沿って説明する。
【0043】
上述した構成のレーザ加工機を用いて加工を行う場合には、まず、加工プログラムを作成する(図1(a) 参照)。そのプログラム作成に際しては、ワークWの形状情報やトーチ23の位置情報等は操作ボックス101を用いて入力する。なお、作成された加工プログラムPRO1は加工プログラムメモリ104中に格納される。
【0044】
そして、ワークWを実際に加工する場合には、操作ボックス101から加工開始指令を発する(図2の符号S1参照)。これにより、主制御部100は加工プログラムメモリ104から加工プログラムPRO1を読み出し、該読み出された加工プログラムPRO1に基づいてワークWに対する加工が開始される。
【0045】
例えば、図1(a) の加工プログラムPRO1のブロックN001に示すようにギャップ長変更指令がなされていると(S2)、主制御部100の指令によりギャップ長変更部105は軸制御部102を駆動制御する。これにより、軸制御部102は駆動手段103X,…を駆動してトーチ位置を変更し、その結果、ギャップ長が変更される(図2の符号S3、及び図1(a) の符号M参照)。次に、アーム長演算部106は、姿勢制御のパラメータであるアーム長を演算し補正する(図2の符号S4、図1(a) の符号P2参照)。なお、上述のようなギャップ長変更指令がなされない場合にはギャップ長変更(S3)やアーム長補正(S4)は行われない。
【0046】
次に、加工プログラムPRO1のブロックN002に示すように工具姿勢変更指令がなされていると(S5)、主制御部100からの指令に基づき、姿勢制御部107は軸制御部102を制御する。その結果、軸制御部102は駆動手段103X,…を駆動してトーチ姿勢を変更する(S6)。このとき、姿勢制御のアーム長は上述のように変更されているため、トーチ23は加工点(図1(b) の符号P2に示す回転中心位置)を中心に回転されることとなり、加工点がずれることは無い。
【0047】
次に、ギャップ長変更部105は、ギャップセンサ27とデータベース110との結果に基づきギャップ長を補正する(図2のS7、及び図8参照)。これにより、図8(b) に示すように、トーチの姿勢変化に拘らずレーザビーム光の加工位置P1がワーク上の加工点P2に常に一致し、加工を適正に行うことができる。
【0048】
その後、トーチ23は、レーザ光を照射しながら加工線に沿って移動され、ワークWを切断する(S8)。そして、加工終了指令によりレーザ加工は終了する(S9,S10)。
【0049】
なお、上述した実施の形態では、本発明をレーザ加工機に適用した例について述べたが、もちろんこれに限られるものではなく、レーザ加工機以外の数値制御工作機械に適用し、トーチ以外の工具に適用しても良い。
【0050】
また、上述した実施の形態では、工具23又はワークWは、X,Y,Zの3軸方向に移動され、かつ、Y軸及びZ軸の2軸の回りに回転されるように構成されていたが、1軸の回りにだけ回転されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は、加工プログラムの一例を示す図であり、図1(b) は、その加工プログラムによってトーチが制御される様子を示す模式図である。
【図2】図2は、レーザ加工方法の一例を示すフローチャート図である。
【図3】図3は、レーザ加工機の外観を示す斜視図である。
【図4】図4は、該レーザ加工機のサドル部分の内部構造を示す詳細図である。
【図5】図5は、トーチ部分の構造を示す詳細図である。
【図6】図6は、本発明に係る数値制御工作機械の構造の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、ギャップ長と電圧との関係(倣い特性)を示す図である。
【図8】図8は、トーチ軸心方向に関する倣い制御の様子を説明するための模式図である。
【図9】図9(a) は、工具姿勢変更の様子を示す模式図であり、(b) は、ギャップ長変更の様子を示す模式図である。
【図10】図10は、加工プログラムの一例を示す図である。
【図11】図11(a) は、従来の問題点を説明するための図であって、工具姿勢変更及びギャップ長変更を行った様子を説明するための模式図であり、図11(b) は、加工プログラムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1……………レーザ加工機(数値制御工作機械)
23…………トーチ(工具)
27…………ギャップセンサ(距離検知手段)
100………主制御部
102………軸制御部
103X……駆動手段
103Y……駆動手段
104………加工プログラムメモリ
105………ギャップ長変更部
106………アーム長演算部(回転中心位置演算部)
107………姿勢制御部
110………データベース(メモリ手段)
PRO1……加工プログラム
W……………ワーク

Claims (4)

  1. オフセットタイプの工具を駆動手段によって回転させると共に3軸方向に移動駆動させながらワークの加工を行う数値制御工作機械において、
    前記駆動手段を駆動して前記工具とワークとの間の距離を変更するギャップ長変更部と、
    前記工具とワークとの間の距離に基づき、工具姿勢変更のための回転中心位置を求める回転中心位置演算部と、
    前記駆動手段を駆動して前記工具を前記回転中心位置の回りに回転させることに基づき前記工具の姿勢を変更する姿勢制御部と、を備え、
    加工プログラム中でギャップ長変更指令がなされている場合には、前記ギャップ長変更部によって前記工具とワークとの間の距離を変更すると共に、前記回転中心位置演算部によって前記回転中心位置を求め、
    加工プログラム中で姿勢変更指令がなされている場合には、前記姿勢制御部によって前記工具の姿勢を変更する、
    ことを特徴とする数値制御工作機械。
  2. 前記工具とワークとの間の距離を検知する距離検知手段と、該距離検知手段の出力電圧と前記距離との関係を前記工具の姿勢との関連で記憶するメモリ手段と、を備え、かつ、
    前記ギャップ長変更部は、前記距離検知手段と前記メモリ手段に記憶された前記距離検知手段の出力電圧と前記距離との関係とに基づき前記工具とワークとの距離を変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御工作機械。
  3. 前記工具はレーザ光を出射するトーチであって、前記数値制御工作機械は、ワークのレーザ加工を行うレーザ加工機である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御工作機械。
  4. 前記工具は、互いに直交するX,Y,Zの3軸方向に移動駆動され、かつ、それら3軸の内のいずれか2軸の回りに回転される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の数値制御工作機械。
JP2002122780A 2002-04-24 2002-04-24 数値制御工作機械 Expired - Lifetime JP3578274B2 (ja)

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