JP3577114B2

JP3577114B2 - シンチレーションカメラ

Info

Publication number: JP3577114B2
Application number: JP22506394A
Authority: JP
Inventors: 忠一蔵掛; 俊朗岩崎
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1994-09-20
Filing date: 1994-09-20
Publication date: 2004-10-13
Anticipated expiration: 2019-10-13
Also published as: US5771512A; JPH0894759A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、被検者内に投与した放射性同位元素（ｒａｄｉｏｉｓｏｔｏｐｅ；以下単に「ＲＩ」という）の分布を画像化するシンチレーションカメラに関する。
【０００２】
【従来の技術】
シンチレーションカメラには、横断面のＲＩ分布（ＲＩ横断面分布）を得るためのＳＰＥＣＴ（ＳｉｎｇｌｅＰｈｏｔｏｎＥｍｉｓｓｉｏｎＣｏｍｐｕｔｅｄＴｏｍｏｇｒａｐｈｙ）と呼ばれるものがある。このＳＰＥＣＴの動作原理はＸ線コンピュータトモグラフィ装置（Ｘ線ＣＴ）と類似しており、λ線の放出角度θ毎に検出位置ｔとそこでの計数率が測定される。これは横断面内でのＲＩ分布の角度θへのプロジェクションデータに相当する。得られた多くのθのデータからＲＩ横断面分布を再構成するのは、Ｘ線ＣＴと同じ手法が用いられる。ＳＰＥＣＴとしては、シンチレーションカメラの検出器を支持するスタンドの構造を変更することにより容易に実現できることから、検出器が被検者の体軸に直交する面内で回転する回転型が普及しており、この型ではθは検出器の回転角度で、またｔは位置計算により与えられる。開発初期には検出器は円軌道に沿って回転していたが、近年では、検出器を被検者に可能な限り接近させて分解能の向上を図るために楕円軌道や不規則軌道に沿って回転することが可能なものが登場している。
【０００３】
ところで、このようなＳＰＥＣＴで心臓のＲＩ横断面分布を撮影するとき、検出器を被検者に接近させて分解能を高めるために、両腕を頭部側に挙げた状態で撮影がなされる。この姿勢を維持しやすいように被検者が掴まるための握り棒が頭部側に用意される。また、この握り棒に代えて、またはこれと併用して両腕を縛り固定するバンドが用意されている。
【０００４】
しかし、回転型ＳＰＥＣＴでは、検出器の回転角度毎に通常の平面撮影を繰り返していくため、撮影に３０分以上の時間が必要になる。この撮影期間中、被検者は両腕を挙げた姿勢を維持しなければならず、握り棒やバンドでは常に力を入れおく必要があることから非常に疲労することになる。さらに、疲労した被検者が疲労を軽減しようとして両腕や体躯を動かすと、アーチファクトの原因になる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に対処すべくなされたもので、その目的は、被検者が両腕を挙げた状態を楽に維持できるシンチレーションカメラを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被検者を載置する天板と、前記天板を両側から昇降自在に支持する２台の昇降機構と、前記被検者内に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出する検出器と、前記検出器を一方側に突き出たアームで支持するスタンドと、前記スタンドを前記被験者の体軸方向へ移動可能にするために前記２台の昇降機構の間に設置されたレールと、前記２台の昇降機構のうち前記一方側に位置する昇降機構に着脱可能に取り付けられ、前記天板上で頭部側に挙げた前記被検者の両腕を両側から支持して両腕の広がりを抑えるように対向された２枚の板を有するアームレストとを具備することを特徴とする。
【０００７】
【作用】
本発明によれば、被検者は、頭部側に挙げた両腕をアームレストの２枚の板に寄りかからせることにより、力を入れなくても両腕を頭部側に挙げた姿勢を撮影中に維持することが楽にできると共に、疲労を軽減するために両腕を不用意に動かすことがなくなって態動によるアーチファクトの問題が解消する。また、アームレストにより両腕を動かす範囲が限定されるので、アーチファクトの発生が軽減される。また、本発明は、天板を支持する２台の昇降機構のうち、特にスタンドから検出器が突き出た一方側の昇降機構に着脱可能に取り付けられているので、昇降機構の内側にスタンドを配置して胸部撮影が可能となりますので、スタンドの開口径を大きくする必要がなく、スタンド自体を小型化できる。
【０００８】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明によるシンチレーションカメラの一実施例を説明する。図１は頭部撮影でのシンチレーションカメラの側面図であり、図２は体躯撮影、ここでは心臓撮影でのシンチレーションカメラの側面図である。図３は検出器スタンドの斜視図である。
【０００９】
シンチレータ等の蛍光板の後方に複数の光電子増倍管を稠密に配してなる２つの検出器１，２が各々、アーム３，４を介してスタンド５により、天板６及び被検者Ｐを挟んで対向した状態で被検者体軸に直交する面内で回転可能に支持される。なお、勿論、検出器は１台であってもよいし、このような回転型でなくても複数の検出素子がリング状に配列されたＳＰＥＣＴ専用機であってもよい。
【００１０】
天板６は２台の昇降機構８，９により天板長軸の両側から両持ち支持される。昇降機構８，９は、手動でまたは電動で天板６を上下に昇降する。
スタンド５はその底部のキャスターを介して、天板６の長軸と平行に床面に設置された平行レール１０に係合され、天板６上の被検者Ｐに対して被検者体軸に沿ってスライド可能になっている。図３に示すように、スタンド５には、スタンド５が天板６及び被検者Ｐに干渉しないでスライドできるように、被検者Ｐが載置した状態で天板６を導入可能な径の開口穴７が貫通されている。
【００１１】
初期状態では、図１に示すように、スタンド５は天板６に対して、天板６の端部１Ａ側に配置される。この初期状態で被検者Ｐが天板６に乗り降りがなされる。被検者Ｐの関心部位に検出器１，２を対峙させるには、初期状態からスタンド５のスライドが開始され、天板６が被検者Ｐと共にその端部１Ａから開口穴７に導入され、天板６の他方の端部１Ｂ側に向かってスライドされる。
【００１２】
天板６を端部１Ｂ側で支持する昇降機構８上には、アームレスト１１が着脱可能に取り付けられる。図４はアームレスト１１の斜視図、図５（ａ）はアームレスト１１の側面図、図５（ｂ）はアームレスト１１の平面図、図５（ｃ）はアームレスト１１の正面図、図５（ｄ）は図５（ｂ）のａ−ａ´に関する断面図である。図６（ａ）は三角マットの側面図、図６（ｂ）は三角マットの斜視図である。アームレスト１１は、天板６上で頭部側に挙げた被検者Ｐの両腕を両側から支持して両腕の広がりを抑える、換言すると両腕を寄り掛けることができるように、２枚の板１２，１３が対向する側壁として底板１４で固定されて断面略コの字状に成型される。底板１４の下面には、昇降機構８上にアームレスト１１を嵌め込み、固定できるように脚部２０が取り付けられている。図５（ｄ）に示すように、側板１２，１３及び底板１４の内側には、発泡ウレタン等の衝緩材２１が貼り付けられている。アームレスト１１には、被検者Ｐの頭部を安定して支持できるように窪みを有する頭部座台１８が装着可能である。
【００１３】
また、アームレスト１１には、両腕を十分挙げることが困難な被検者Ｐの負担を軽減することを目的として、天板６上で頭部側に挙げた被検者Ｐの両腕を下方から支持する三角マット１５が装着可能である。三角マット１５は発泡ウレタン等の衝緩材料で成型される。
【００１４】
図６（ｂ）に示すように、三角マット１５の周囲には面状ファスナ１７（雄雌の一方）が貼り付けられており、この面状ファスナ１７において、底板１４の上面に貼り付けられている面状ファスナ１７（雄雌の他方）と係合させることで、三角マット１５をアームレスト１１に対して固定できるようになっている。この三角マット１５は、その底面を変更することで、両腕を支持する角度を変更可能なように、少なくとも２辺の長さが異なる断面三角形状に形成される。例えば、図６（ａ）に示すように、三角マット１５は、内角が３０°、４５°、１０５ °の直角三角形の断面に形成される。
【００１５】
図７（ａ）に三角マット１５を使用しない場合のアームレスト１１の使用状態を示し、図７（ｂ）に三角マット１５を使用する場合のアームレスト１１の使用状態を示す。このアームレスト１１は、体躯撮影、例えば心臓撮影のときに使用される。体躯撮影の場合、図２に示すように、図１の頭部撮影のときとは逆向きに、つまり頭部が天板６の端部１Ｂの側に、脚部が天板６の端部１Ａの側にくるように被検者Ｐを天板６上に載置させる。これにより、スタンド５の開口穴７の径拡大を含む設計変更を不要にして、アームレスト１１の使用が可能になる。つまり、開口穴７の径は、装置の物理的なサイズを小さくする目的で、被検者Ｐと天板６を導入可能な最小限に抑えられていることが多い。また、従来は、体躯撮影であろうと、頭部撮影と同じように、図１の状態で被検者Ｐを天板６上に載置して行うのが慣例であった。したがって、従来は、開口穴７に導入できる程度の補助具、つまり握り棒やバンドしかなかった。本発明ではこの慣例を打破して、体躯撮影の場合、頭部撮影のときとは逆向きに被検者Ｐを天板６上に載置させ、これにより、スタンド５の開口穴７の径拡大を含む設計変更を不要にして、アームレスト１１の使用を可能にする。
【００１６】
被検者Ｐは、頭部側に挙げた両腕をアームレスト１１の側板１２，１３に寄りかからせることにより、力を入れなくても両腕を頭部側に挙げた姿勢を撮影中に維持することが楽にできると共に、疲労を軽減するために両腕を不用意に動かすことがなくなって態動によるアーチファクトの問題が解消する。また、アームレスト１１により両腕を動かす範囲が限定されるので、アーチファクトの発生が軽減される。さらに、両腕を十分挙げることが困難な被検者であっても、三角マット１５を使用することにより、負担が軽減される。
【００１７】
本発明は上述した実施例に限定されることなく種々実施可能である。例えば上記実施例では、シンチレーションカメラを一例に説明したが、天板を必要とするＸ線診断装置、Ｘ線コンピュータトモグラフィ装置（Ｘ線ＣＴ）、磁気共鳴イメージング装置（ＭＲＩ装置）にも上述のアームレストを適用できる。
【００１８】
【発明の効果】
本発明によれば、被検者は、頭部側に挙げた両腕をアームレストの２枚の板に寄りかからせることにより、力を入れなくても両腕を頭部側に挙げた姿勢を撮影中に維持することが楽にできると共に、疲労を軽減するために両腕を不用意に動かすことがなくなって態動によるアーチファクトの問題が解消する。また、アームレストにより両腕を動かす範囲が限定されるので、アーチファクトの発生が軽減される。また、本発明は、天板を支持する２台の昇降機構のうち、特にスタンドから検出器が突き出た一方側の昇降機構に着脱可能に取り付けられているので、昇降機構の内側にスタンドを配置して胸部撮影が可能となりますので、スタンドの開口径を大きくする必要がなく、スタンド自体を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるシンチレーションカメラの一実施例における頭部撮影でのシンチレーションカメラの側面図。
【図２】本発明によるシンチレーションカメラの一実施例における体躯撮影でのシンチレーションカメラの側面図。
【図３】検出器スタンドの斜視図。
【図４】アームレストの斜視図。
【図５】アームレストの構造図。
【図６】三角マットの構造図。
【図７】アームレストの使用状態を示す図。
【符号の説明】
１，２…検出器、３，４…アーム、
５…スタンド、６…天板、
７…開口穴、８，９…昇降機構、
１０…レール、１１…アームレスト、
１２，１３…側板、１４…底板、
１５…三角マット、１７，２２…面状ファスナ、
１８…頭部座台、２０…脚部、
２１…衝緩材。

Claims

被検者を載置する天板と、
前記天板を両側から昇降自在に支持する２台の昇降機構と、
前記被検者内に投与された放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出する検出器と、
前記検出器を一方側に突き出たアームで支持するスタンドと、
前記スタンドを前記被験者の体軸方向へ移動可能にするために前記２台の昇降機構の間に設置されたレールと、
前記２台の昇降機構のうち前記一方側に位置する昇降機構に着脱可能に取り付けられ、前記天板上で頭部側に挙げた前記被検者の両腕を両側から支持して両腕の広がりを抑えるように対向された２枚の板を有するアームレストとを具備することを特徴とするシンチレーションカメラ。
前記アームレストは、前記２枚の板を側壁として底板で固定した断面略コの字状に成型されることを特徴とする請求項１記載のシンチレーションカメラ。
前記アームレストには、前記天板上で頭部側に挙げた前記被検者の両腕を下方から支持するマットが装着可能であることを特徴とする請求項１記載のシンチレーションカメラ。
前記マットは、前記両腕を支持する角度を変更可能なように少なくとも２辺の長さが異なる断面三角形状に形成されることを特徴とする請求項３記載のシンチレーションカメラ。
前記マットは、内角が30°、45°、105 °の前記断面三角形状に形成されることを特徴とする請求項４記載のシンチレーションカメラ。