JP3576832B2 - 旋回作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホー、パワーショベル等の旋回作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、旋回台の後端が走行装置の左右幅内からはみ出ないように旋回するいわゆる後方小旋回型の旋回作業機が知られている。この旋回作業機は、通常、走行装置上に縦方向の旋回軸心回りに旋回自在に設けられた旋回台を備え、この旋回台の前端には、ブーム、アーム、バケット等よりなる作業装置が揺動自在に設けられている。
【0003】
かかる後方小旋回型の旋回作業機では、狭い旋回台の後部スペースでの点検を容易にすべく、ボンネットを旋回台の後部に上下揺動自在に枢着してフルオープンタイプとし、このフルオープンのボンネット上に運転席を設ける場合がある。この場合、エアクリーナや油圧ポンプ等の各種機器に点検はボンネットを後方へ大きく開くことによって容易に行うことができる(例えば、特開平9−195317号公報参照)。
【0004】
また、従来では、上記のように開閉自在なボンネット上に運転席を設ける場合には、エンジン等を跨ぐように配置された支持フレームを旋回台に固定し、この支持フレームで上記ボンネットを下方から支持することにより、運転者の荷重に耐えるように当該ボンネットを補強するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の旋回作業機では、ボンネットは旋回台に上下揺動自在に枢着されているが、そのボンネットを支持する支持フレームは旋回台に固定されたままであるから、ボンネットをフルオープンした場合でも支持フレームはエンジン等を跨いだ状態で旋回台に残されたままになっており、このため、支持フレームが邪魔になって各種機器の点検が行い難くなるという欠点があった。
【0006】
また、ボンネットだけが旋回台に枢着された従来の旋回作業機では、開放状態のボンネットに対しては折角設けた支持フレームが何ら補強の役目を果たさないので、歪みなくボンネットを開閉させるにはボンネットの構成板材そのものを厚肉にする必要があり、この点で材料コストが高くなっている。
本発明は、このような実情に鑑み、ボンネットを支持する支持フレームが邪魔にならずにボンネット内の各種機器の点検を容易に行え、しかも、ボンネットの構成板材を厚肉にしなくてもその開閉を適切に行える旋回作業機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成すべく以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、走行装置上に縦方向の旋回軸心回りに旋回自在に設けられた旋回台が開閉自在なボンネットで覆われており、このボンネットを下方から支持する支持フレームが前記旋回台に立設されている旋回作業機において、前記支持フレームを前記旋回台に対して上下揺動自在に枢着するとともに、この上下揺動自在な支持フレームに前記ボンネットを固定したものである。
【0008】
この場合、旋回台に上下揺動自在に枢着された支持フレームにボンネットが固定されているので、ボンネットは支持フレームとともに旋回台に対して上下揺動して開閉され、ボンネットを旋回台に対して開放すると支持フレームも同時に開放されることになり、ボンネット内の各種機器の点検の際に支持フレームが邪魔になることがない。
【0009】
また、支持フレームは常にボンネットと一体に揺動して開放途中又は閉鎖途中のボンネットの補強部材としても機能するため、ボンネットの構成材料を必要以上に厚肉にしなくても開閉時におけるボンネットの歪みを有効に防止できるようになる。
上記の本発明において、ボンネット上に運転席を配置する場合には、この運転席を下方から支持する受け部材を支持フレームに設けるようにすれば、運転席に座った運転者の荷重が支持フレーム側に適切に伝達されるので、その荷重によるボンネットの変形をより有効に防止することができる。
【0010】
また、ボンネットの表面側へ貫通する枢着ブラケットを支持フレームに設け、この枢着ブラケットに運転席を反転自在に枢着するようにすれば、運転席とボンネットの間に物品の収納部を形成できるとともに、雨天時に運転席を転倒させることで座面が濡れるのを防止できるようになる。
上記の本発明では、支持フレームの旋回台に対する枢着位置は特に限定していない。しかるに、ボンネットが前方へ倒れると旋回台の前部に配置される操縦フロアが塞がれることになり、ボンネットが左右側方へ倒れるとキャノピの支柱との干渉を避けるために当該ボンネットを余り大きく開放することができず、いずれの場合も点検作業の困難化に繋がる。
【0011】
そこで、本発明は、前後方向に向けて配置された支持フレームの後端部をボンネットの最後部に配置し、この支持フレームの後端部を旋回台の最後部に左右方向の軸心回りに枢着することを推奨する。
この場合、ボンネットが支持フレームとともに後方に倒れることになるので、ボンネットをフルオープンにしたときに操縦フロアから各種機器の点検作業が行えることになり、その点検作業が容易になる。
【0012】
また、掘削装置との重量バランスを図る等の目的で運転席が旋回軸心よりも左右方向一側にずれた状態でボンネット上に配置されている場合には、作業者の荷重を支持フレーム側に適切に伝えられるようにするため、支持フレームの後端部の枢着位置は旋回台の最後部に設定したまま、その運転席の直下を通過すべく支持フレームを同左右方向一側に屈曲形成することが好ましい。
【0013】
更に、ボンネットをフルオープンにしたときの各種機器の点検作業を容易にするため、開閉自在なボンネットは旋回台の前部に設けた操縦フロアのすぐ後方に配置することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
図7は、バックホーで例示する本発明に係る旋回作業機1を示しており、この旋回作業機1は、左右一対のクローラ走行体2を備えた走行装置3上に、縦方向(上下方向)の旋回軸心P1回りに旋回自在に旋回台4を備えて主構成されたものである。
【0015】
上記旋回台4の前端部にはバックホー装置(掘削装置)5が設けられ、旋回台4上の前部左側には操作部6及びステップ部7等を備えた操縦フロア8が設けられている。この旋回台4上における操縦フロア8の後方及び右側方には、エンジン9、タンク10,11等の各種機器を覆うボンネット12,13が搭載され、このボンネット12上に運転席14が設けられている。
【0016】
また、運転席14の前方でかつ旋回台4の左側部には、運転席14への乗降口15が形成されている。
前記バックホー装置5は、旋回台4の前端に設けた支持ブラケット16に上下方向の揺動軸心P2回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット17と、このスイングブラケット17に左右方向の軸心回りに上下揺動自在に支持されたブーム18と、このブーム18の先端に左右方向の軸心回りに前後揺動自在に支持されたアーム19と、該アーム19の先端に左右方向の軸心回りに揺動自在に支持されたバケット20と、を備えている。
【0017】
そして、これらのスイングブラケット17、ブーム18、アーム19及びバケット20は、それぞれ油圧シリンダよりなるスイングシリンダ21、ブームシリンダ22、アームシリンダ23及びバケットシリンダ24により揺動駆動されるようになっている。
前記旋回台4は、走行装置3の中央に設けられた旋回ベアリング25を介して旋回軸心P1回りに回動自在に支持されており、当該旋回台4の底部を構成する板状のベースフレーム26(図1及び図3参照)上に設けた旋回モータ27により旋回駆動されるようになっている。
【0018】
図6に示すように、旋回台4の後部は、旋回軸心P1を中心とした円弧壁面に形成されており、この旋回台4の後部が描く旋回軌跡が走行装置3の左右及び前後幅内に収められている。また、旋回台4の左右側部は前後方向の直壁面に形成されており、旋回台4の左右幅が前記旋回軌跡の直径よりも幅狭に形成されている。
【0019】
しかして、本実施形態の旋回作業機1は、旋回台4が走行装置3の車幅からはみ出ることなく旋回できる後方小旋回型に属するものであり、これによって狭路での走行や掘削作業が容易に行えるようになっている。
図1及び図3に示すように、前記ベースフレーム26の後端には、前端側のバックホー装置5との重量バランスを図るためのカウンタウエイト28が設けられている。また、当該ベースフレーム26におけるカウンタウエイト28よりも前側に位置する左右側縁部及び前側縁部には板金製のカバーフレーム29が取り付けられている。
【0020】
図5に示すように、ベースフレーム26の後部(図5の右側部)にはエンジン9が横向きに配置され、このエンジン9の左側に油圧ポンプ30が直結され、同エンジン9の右側方にラジエータ31が配置されている。このエンジン9の後方に位置するウエイト28部分に形成した収納凹部28a(図1参照)に作動油タンク10が収納されているとともに、この作動油タンク10の上方にバッテリ32が設けられている。
【0021】
また、油圧ポンプ30の上方には、エアクリーナ33やマフラー34等が配置され、前記ラジエータ31の前側で操縦フロア8の右側には燃料タンク11が配置されている。
旋回台4の上部を覆うボンネット12,13は板金製又は硬質樹脂製よりなり、旋回台4に対して固定の固定ボンネット13と、同旋回台4に対して開閉自在な開閉ボンネット12とから構成されている。
【0022】
このうち、開閉ボンネット12は操縦フロア8のすぐ後方に配置されていて、前記エンジン9や油圧ポンプ30等を上から覆っている。また、開閉ボンネット12は、旋回台4の最後部を構成するカウンタウエイト28の左右中間部に設けたヒンジ部材35を介して後端部が左右方向の軸心P3回りに上下揺動自在に枢結されている。
【0023】
前記開閉ボンネット12内の左側すなわち乗降口15の後方側には、前記エアクリーナ33や油圧ポンプ30の他、日常点検が必要な燃料系の機器(燃料フィルター,電磁ポンプ等)61や電装品等が納められている。従って、開閉ボンネット12を開くことで、乗降口15側からボンネット12内の左側に納めされた日常点検機器を容易に点検できるようになっている。
【0024】
また、図5に示すように、作動油タンク10の給油パイプ10aは、タンク上面左側から左前斜め上方に延伸してその給油口10bがボンネット12内の左側部に寄せられ、この給油パイプ10aにラジエータ31のリザーバタンク36が取り付けられている。これにより、開閉ボンネット12を開くことで作動油タンク10やリザーバタンク36への補給を好適に行えるようになっている。
【0025】
図1及び図2に示すように、開閉ボンネット12の上面中央部には、下向きに凹んだ凹部12aが形成され、この凹部12aに前記運転席14が搭載されて開閉ボンネット12と一体に開閉揺動するようになっている。この凹部12aの中央には、更に一段下向きに凹んだ第二凹部12bが設けられており、この第二凹部12bにグリースガン等の工具37を収納可能としている。
【0026】
そして、運転席14の前部を左右方向の支点回りに回動させることで第二凹部12bを開放し、工具37の出し入れができるようになっている。
図1及び図2に示すように、旋回台4の後部には開閉ボンネット12を下方から支持する支持フレーム39が立設されている。この支持フレーム39は、側面視ほぼ門型に屈曲形成された中空パイプ材よりなる左右一対の支持枠材40と、この支持枠材40の前端同士を連結する前端プレート41と、同支持枠材40の後端同士を連結する後端プレート42と、を備えている。
【0027】
この支持フレーム39はエンジン9やマフラー34等を上から覆うように前後方向に向けて配置され、支持枠材40の上部間同士は前後一対の受け部材43,44で互いに連結されている。このうち、前受け枠材43は支持枠材40の前側の屈曲部近傍同士を互いに連結するパイプ材よりなり、後受け枠材44は支持枠材40の後側の屈曲部近傍同士を互いに連結する板材よりなる。
【0028】
支持フレーム39の前端プレート41は開閉ボンネット12の前側壁の下部に固定され、後受け枠材44は開閉ボンネット12の上側壁に固定されている。また、図2に示すように、支持フレーム39を構成する各支持枠材40の後端部は開閉ボンネット12の湾曲後壁面の最後部に配置され、カウンタウエイト28の後部に固定したチャンネル材よりなる前記ヒンジ部材35に左右方向の軸心P3回りに上下揺動自在に枢着されている。
【0029】
しかして、開閉ボンネット12は旋回台4の最後部に左右方向の軸心P3回りに上下揺動自在に枢着された上記支持フレーム39に固定されており、これにより、開閉ボンネット12を旋回台4に対して開放すると支持フレーム39も同時に開放され、開閉ボンネット12内の各種機器の点検作業の際に当該支持フレーム39が邪魔にならないようになっている。
【0030】
また、支持フレーム39は常に開閉ボンネット12と一体に揺動し、開放途中又は閉鎖途中においても開閉ボンネット12の補強部材として機能するので、開閉時における開閉ボンネット12の歪みが有効に防止されることになる。
更に、開閉ボンネット12が操縦フロア8のすぐ後方に位置しているので、開閉ボンネット12をフルオープンにしたときに操縦フロア8側から各種機器の点検作業を行うことができ、この点でも点検作業が容易になっている。
【0031】
図1及び図2に示すように、支持フレーム39の前受け枠材43には左右一対の枢着ブラケット45が設けられ、この枢着ブラケット45は凹部12aの前側部分において開閉ボンネット12を表面側へ貫通しており、この枢着ブラケット45に運転席14の前端部が反転自在に枢着されている。
このため、運転席14の下方に前記工具37の収納空間(第二凹部12b)を形成することができ、しかも、雨天時に運転席14を前方へ転倒させることで座面が濡れるのを防止することができる。
【0032】
図6に示すように、本実施形態の旋回作業機1では、掘削装置5との重量バランスを図るために運転席14が旋回軸心P1よりも左側にずれた状態で開閉ボンネット12上に配置されている。このため、枢着部が左右方向中央部に設定されている支持フレーム39の各支持枠材40を前後方向に真っ直ぐな部材で構成すると、当該支持フレーム39が運転席14の直下から外れて、運転席14に座った作業者の荷重を適切に支持できなくなる。
【0033】
そこで、本実施形態では、図2に示すように、作業者の荷重を支持フレーム39側に適切に伝えられるようにするため、各支持枠材40の中途部に傾斜部分46を設け、支持フレーム39が運転席14の直下を通過するように各支持枠材40を運転席14と同じ左側に屈曲形成するようにしている。
図1に示すように、支持フレーム39の前端プレート41には、開閉ボンネット12を旋回台4のステップ部7に係合させるためのロック部材47が設けられており、このロック部材47の操作部は開閉ボンネット12の前側壁下部を貫通して前方へ突出している。
【0034】
前記固定ボンネット13は、開閉ボンネット12及び操縦フロア8の右側方において旋回台4の後部から前部に渡る範囲で設けられており、この固定ボンネット13により前記ラジエータ31及び燃料タンク11を覆っている。
操縦フロア8の操作部6には、操作レバー49等を備えた操作ボックス50が立設され、この操作ボックス50の下方の旋回台4内には、旋回モータ27やバックホー装置5の各油圧シリンダ等を油圧制御する制御弁ユニット51が配置されている。
【0035】
また、操作ボックス50の下部の左右両側には、それぞれスイングペダル,増速ペダル,サービスポートペダル等のペダル装置52が設けられ、操縦フロア8の後部のステップ部7の左側部分がオペレータが乗降するための乗降口15とされている。
旋回台4の左右側部及び前側部を構成する前記カバーフレーム29は、バックホー装置5の支持ブラケット16を挟んで左右個別の側壁部材29L,29Rにて形成され、それぞれベースフレーム26及び該ベースフレーム26に備えたブラケット等を介して固定されている。
【0036】
一方、前記ステップ部7は、前記乗降口15から開閉ボンネット12と操作部6との間を左右方向に延伸し、かつ、その延伸端から操作部6と固定ボンネット13との間を前方に張り出した、平面略L字状の金属製のステップ部材53を有する(図5参照)。
このステップ部材53は、前記側壁部材29L,29Rとは別構成とされていて、当該側壁部材29L,29Rやベースフレーム26から立設したブラケット等を介してボルト等で固定されている。
【0037】
また、操作ボックス50の下部は、ゴム等の弾性材料よりなるブーツ54により構成され、このブーツ54は、平面L字状のステップ部材53と左側部材29Lとによって囲まれた空間を埋めるべく操縦フロア8の一部をなす床部材を構成している。
すなわち、操縦フロア8は、ステップ部材53とブーツ54との別構成の部材によって前後に分割して形成されることとなっている。
【0038】
上記のように左右の側壁部材29L,29Rと、操縦フロア8を構成するステップ部材53とブーツ54とをそれぞれ個別の部材で形成していることから、個別に着脱することが可能であり、個々の部材の補修、交換等の作業が容易に行え、また必要箇所のみを取り外すことで旋回台4内部の機器のメンテナンスも容易に行えるようになっているのである。
【0039】
図4に示すように、前記操作ボックス50及びブーツ54は、ベースフレーム26から立設して操作レバー49のリンク機構やパイロットバルブ等を支持する枠体55の外周を囲うように設けられており、ブーツ54の中央部には枠体55等を挿通する開口部54aが形成されている。
また、前記ステップ部材53には、操作部6と固定ボンネット12との間で前方に張り出した張出部53aを形成してあるため(図5参照)、操作ボックス50の右側の操作ペダル52を使用していないとき等に張出部53aを足置きスペースとして利用できるようになっている。
【0040】
なお、前記ステップ部材53の上面には、該ステップ部材53の形状に倣った平面視L字状のゴム製マット56が設けられており、ステップ部材53の全体にわたり滑り止め機能等をもたせている。
また、前記張出部53aは、バックホー装置5の支持ブラケット16(揺動軸心P2)の後方に配置されている。
【0041】
すなわち、従来においては、揺動軸心P2の後方に運転席が左右にオーバーラップして設けられていたため揺動軸心P2と運転席との間に操作ボックス等が立設し、該操作ボックス等が障害となってバックホー装置の基部近傍を視認しずらかった。
この点、本実施形態においては、上記のような配置とすることで、張出部53aの上方空間によってバックホー装置5を視認でき、特にバックホー装置5の左右の揺動状態等を確認しやすくなっている。また、前記空間から走行装置3の足元を確認し易くなっている。
【0042】
図3及び図4に示すように、前記運転席14の上方には日除け部(キャノピ)57が設けられている。
この日除け部57は、運転席14の右側方で前記固定ボンネット13から上方に延伸する一本の支柱58を介して右側部が片持ち状に支持されており、この支柱58の基部は、固定ボンネット13内に設けられた固定フレーム59に取り付けられている。
【0043】
この固定フレーム59は、金属製の板材によって形成されており、側面視において、前記ラジエータ31の上方及び前後側方を覆う門型に形成されている。そして、この固定フレーム59の前側の脚部59aが前記ラジエータ31と燃料タンク11との間を上下に挿通してベースフレーム26側に固定され、後側の脚部59bがウエイト28から上方に突出した支持台28bに固定されている。
【0044】
また、前後脚部59a,59bの上端には前後に延びるベースプレート59cが固定されていて、このベースプレート59cの上面に前記支柱58の基板部をボルト締結するための複数のボス部63が突設されている。この各ボス部63は、固定ボンネット13の上側壁に設けた小孔を貫通して上方に突出しており、この各ボス部63に前記支柱58の基板部がボルト締結されている。
【0045】
このように、支柱58をボルト締結するためのボス部63だけを固定ボンネット13に貫通させるようにすれば、固定ボンネット13に対する貫通孔をできるだけ小さくすることができ、同ボンネット13の強度低下を可及的に防止できるようになる。
なお、図3に示すように、支柱58の基部はゴム等よりなる可撓性を有する根元カバー64で水密に閉塞されている。
【0046】
固定フレーム59はラジエータ31の左側近傍位置に配置されており、前記ベースプレート59cがエンジン9とラジエータ31との間のラジエータファン60に上方に重なるように配置されている。このように、固定フレーム59をラジエータ31の近傍位置で外周を覆う門型に形成することで、固定フレーム59がラジエータ31のガード機能を奏し、また、ラジエータ31をサポート部材62(図5参照)を介して固定フレーム59に連結すればラジエータ31の防振を図ることができる。
【0047】
また、支柱58は旋回台4の右側で前後方向に延びる固定フレーム59に固定されているため、この支柱58が存在する固定ボンネット13は、左右幅が狭く前後に長い形状に形成され、支柱58を避けた旋回台4左側の大部分を開閉ボンネット12で覆うことができるようになり、内部のエンジン9等の機器の大きく露出して点検作業等を行い易くしている。
【0048】
本発明は上記実施形態に限ることなく、適宜に設計変更可能である。
例えば、旋回軸心P1に対するボンネット12,13、運転席14、日除け支柱58、作業装置5の揺動軸心P2等の配置を上記実施形態とは左右反対とした配置にすることができる。
また、支持フレーム39は一本の支持枠材40から構成することもでき、三本以上の支持枠材40から構成することもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、旋回台に上下揺動自在に枢着された支持フレームの上部にボンネットを固定するようにしたので、ボンネット内の各種機器を点検する際に支持フレームが邪魔になることがなく、その点検作業が容易になる。
【0050】
また、支持フレームがボンネットと常に一体に揺動するので、ボンネットの構成材料を必要以上に厚肉にしなくても、開閉時におけるボンネットの歪みが有効に防止され、その開閉を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旋回作業機における旋回台の左側面図(一部断面図)である。
【図2】支持フレーム及び開閉ボンネットの平面図である。
【図3】旋回台の右側面図(一部断面図)である。
【図4】旋回台の正面図(一部断面図)である。
【図5】旋回台の平面断面図である。
【図6】旋回作業機の平面図である。
【図7】旋回作業機の左側面図である。
【符号の説明】
1 バックホー(旋回作業機)
3 走行装置
4 旋回台
8 操縦フロア
12 開閉ボンネット
14 運転席
39 支持フレーム
43 前受け部材
44 後受け部材
45 枢着ブラケット
P1 旋回軸心
P3 支持フレームの揺動軸心
Claims (4)
- 旋回台(4)の左右一側に固定ボンネット(13)が設けられ、左右他側に開閉ボンネット(12)が設けられ、開閉ボンネット(12)上に運転席(14)が旋回軸心(P1)よりも左右方向他側にずらして設けられており、
開閉ボンネット(12)を下方から支持する支持フレーム(39)が旋回台(4)に立設されていてこの支持フレーム(39)に開閉ボンネット(12)が固定され、
支持フレーム(39)は、前後方向に向けて配設されていて互いに連結された左右一対の支持枠材(40)を備え、前記一対の支持枠材(40)の前部に運転席(14)が支持されており、前記一対の支持枠材(40)の後端部が、開閉ボンネット(12)の最後部に配置されるとともに旋回台(4)の後部に設けられたヒンジ部材(35)に上下揺動自在に枢着され、
この枢着部が旋回台(4)の左右方向中央部に設定され、前記一対の支持枠材(40)の中途部に傾斜部分(46)が形成されて運転席(14)側から前記左右方向中央部の枢着部に向かって屈曲形成されたことを特徴とする旋回作業機。 - 前記運転席(14)の前部を下方から支持する前受け部材(43)と、運転席(14)の後部を下方から支持する後受け部材(44)が前記支持枠材(40)を互いに連結して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機。
- 前記前受け部材(43)にはボンネット(12)の表面側へ貫通する枢着ブラケット(45)が設けられ、この枢着ブラケット(45)に運転席(14)が反転自在に枢着されていることを特徴とする請求項2に記載の旋回作業機。
- 開閉ボンネット(12)が旋回台(4)の前部に設けた操縦フロア(8)の後方に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の旋回作業機。
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