JP3574505B2 - 測量機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、測量結果に対して気象補償を行うために用いられる気象データを検出する気温センサ又は気圧センサ等の気象センサを組み込んだ測量機に関する。
【0002】
【従来の技術】
土地の距離等を測量する測量機として、従来より、光波測距儀のような測距儀が一般に用いられている。この光波測距儀は、測定対象地点に配置した反射プリズムに対して変調光を照射するとともに、この反射プリズムによって反射された変調光が戻ってくるまでにかかる時間差(位相差)を検出し、検出された時間差に基づいて測定対象地点までの距離を測定するものである。また、最近では、所定の測点に対する測定対象地点の方向を測角する電子セオドライトに光波測距儀を組み合わせたトータルステーションが実用化されるに至っている。
【0003】
このような測量機においては、気温,気圧,水蒸気分圧等の気象条件が測量結果に誤差を与えてしまう場合がある。例えば、光波測距儀においては、空気の屈折率,即ち空気中での光の進行速度が気圧,気温,及び水蒸気分圧等に依って変化してしまうことから、この光波測距儀によって検出された変調光の発受光の時間差,即ち測距値もこれら気象条件如何で変化してしまう。従って、真の測量値(測距値)を得るためには、測量結果からこれら気象変化による影響分を除去しなければならない。このように気象変化による影響分を測量結果から除去する処理は、気象補正と呼ばれている。
【0004】
この気象補正用の気象条件を測定するために用いられる気象センサ(例えば温度センサ)は、汚れによってその測定精度が落ちてしまう。従って、従来の測量機では、この気象センサをその本体内部の金属部や本体ケーシング表面上における操作者の手が触れにくい部位に設置していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、何れの設置方法においても、発光部,電源部,等の発熱源を内蔵する本体に直接気象センサが設置されるので、気象センサがこの発熱源からの熱の影響を受けてしまって、正確な気象データの検出ができなかった。またこの本体は熱の蓄積容量が大きいので、一旦発熱してしまうとたとえその後に作業を一時休止しても冷めにくいという問題もあった。これが従来における第1の問題点である。
【0006】
また、本体内部の金属部に気象センサを装着する場合には、温度測定対象の外気を導入したり、測量機内部の気圧を外気圧と同じにするために、本体ケーシングに外気を通気させるための通風孔を穿たねばならなかった。しかし、このようにすると、この通風孔から本体内に侵入してくる埃や水分から精密機械である測量機内部機構を保護する対策が必要となる。これが従来における第2の問題点である。
【0007】
また、本体ケーシング表面に気象センサ(特に温度センサ)を設置する場合には、その設置部位自体が本来手の入りにくい部位であるので、組み付け作業の手間が掛かる問題がある。また、この場合には、太陽の放射熱に対する対策が必要となるので、本体の回りの複数箇所に気象センサを設置して日陰部分になっている気象センサからの気象データ(最も低温を示すデータ)のみを採用するといった構成が必要となり、測量機の回路構成を複雑にさせてしまうという問題をも生じさせていた。これが従来における第三の問題点である。
【0008】
本発明の第1の課題は、上述した従来における第1及び第2の問題点に鑑み、本体を密封状態としたままでも測量機の外部雰囲気に晒され、本体から発される熱の影響を受けることなく外部雰囲気の気象データを検出することができる気象センサを組み込んだ測量機を提供することである。
【0009】
本発明の第2の課題は、更に、上述した従来における第三の問題点に鑑み、組付けが容易な位置に設置された一つの気象センサのみで太陽の放射熱による影響を受けずに気象データを検出することができる気象センサを組み込んだ測量機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による測量機の第1の態様は、上記第1の課題を解決するため、測量を行って測量結果を算出する測量機本体と、前記測量結果に対して気象補正演算を施すために用いられる前記測量機本体の外部雰囲気の気象データを検出する気象センサと、その一端が前記測量機本体に支持されているとともにその他端に前記気象センサを保持し、前記気象センサを前記測量機本体に近づけた第1の位置と前記気象センサを前記測量機本体から遠ざけた第2の位置との間で前記他端が変位される可動アームとを備えたことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0011】
本発明による測量機の第2の態様は、上記第2の課題をも解決するため、上述した第1の態様の構成において、前記可動アームの他端には前記測量機の使用状態において下方に開口した凹部が形成されているとともに、この凹部内に前記気象センサが保持されていることを特徴とする(請求項7に対応)。
【0012】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
各実施例の詳細な説明を行う前に、本発明の各構成要件の概念を説明する。
(測量機本体)
測量機本体は、発光ブロックから出射された変調光を測定光として測定対象地点に配置された反射器に投射し、その反射光を受光ブロックによって受光するとともに、変調光の出射時の位相と受光時の位相との位相差に基づいて測定対象地点までの距離を測定する光波測距儀としても良い(請求項2に対応)。また、この測量機本体は、この光波測距儀と電子セオドライトとを組み合わせたトータルステーションとしても良い。
(気象センサ)
気象センサは、測量機本体の外部雰囲気の温度を検出する温度センサであってもよいし(請求項3に対応)、気圧を検出する気圧センサであっても良いし、水蒸気分圧センサであっても良い。
(可動アーム)
可動アームは、測量機の使用状態における上部位置に使用状態における水平方向面内で回転自在に配置された取手であっても良いし(請求項4に対応)、ロッドアンテナのように伸縮自在に形成されたアームであっても良いし、可撓管から構成されたアームであっても良い。また、取手の機能を兼ねていない回転自在のブームであっても良い。
【0013】
可動アームを取手と兼用する場合には、その一端がこの可動アームを測量機本体の外面に支持する脚を中心に回転可能に支持されているとともに、可動アームの他端に気象センサを保持するように構成されても良い(請求項5に対応)。このようにすれば、使用状態において正確な気象測定ができると同時に、この可動アーム自体を測量の妨げにならない位置に移動できるという効果も得られる。
【0014】
また、可動アームの他端を着脱自在に保持する第2の脚を備えても良い(請求項6に対応)。このようにすれば、取手を把持して測量機を運搬する際に測量機の重量が可動アームの両端に平均してかかるので、曲げ応力が緩和されて機械強度が向上する。
(凹部)
凹部と可動アームの外面とが多数の通気孔によって連通されていても良い(請求項8に対応)。このように構成すると凹部内の通気性が良くなり、その内部に配置される気象センサの表面温度を外部雰囲気の温度と同じにすることができる。
【0015】
これら複数の通気孔の全てが、測量機の使用状態において可動アームの外面に向けて水平方向以下の方向を向いているように形成されていても良い(請求項9に対応)。このようにすれば、上方から態様光線が照射された場合でも、通風孔を介して太陽光線が凹部内に入り込む事が防止される。また、測量機の使用状態において水平方向を向いている通気孔が気象センサに直接面していないように構成されても良い(請求項10に対応)。このようにすれば、太陽光線が側方から照射された場合でも、通風孔を介して凹部内に入り込んだ太陽光線が気象センサに直接照射されることが防止される。
【0016】
【実施例1】
以下、図面に基づいて本発明の第1実施例を説明する。本実施例は、本発明による測量機をトータルステーションとして適用した例を示すものである。
<トータルステーションの機械構成>
図1は、このトータルステーションの外観を示す正面図であり、図2は、図1の左側から見た状態を示すトータルステーションの側面である。これら図1及び図2から明らかなように、測量機本体としてのトータルステーションは、本体部2,基台部3,及び整準ブロック4を、図面上上方から順に積載して構成されている。
【0017】
本体部2は、略U字状の形状を有し、そのU字状凹部2a内に視準望遠鏡部1を保持している。また、本体部2の正面及び裏面には、測量結果や操作指示を表示するための表示器12,12,及び各種データや操作コマンドを入力するための操作部13が設けられている。
【0018】
視準望遠鏡部1は、測角対象地点に配置されたプリズムCを視準するための視準望遠鏡1aを内蔵している。この視準望遠鏡1aは、図6に示した光波測距のための変調光dの送光光学系L1,及び受光光学系L2を兼ねている。その他、図6に示されるように、視準望遠鏡部1内には、この変調光dを出射する送光ブロック39,プリズムCからの変調光の戻り光iを受光する受光ブロック51,送光ブロック39から出射された内部参照光rをリレーして受光ブロック51に入射させる光学系から構成される内部参照光ブロックL3,及び受光ブロック51に入射される戻り光i及び内部参照光rの光量を調整する自動光量調整ブロック50が、内蔵されている。
【0019】
この視準望遠鏡部1は、軸6によって本体部2のU字状凹部2a内に軸支され、図1の紙面の上下方向に沿って立てた面内(図2の面内)で回転可能となっている。視準望遠鏡部1と一体に回転する軸6の端部には円盤状の透明スケール7aが固着されている。一方、本体部2内には、この透明スケール7a上に描かれたパターンを読み取る検出装置7bが固設されている。これら透明スケール7a及び検出装置7bは、インクリメンタル方式の垂直方向エンコーダ7を構成し、視準望遠鏡部1と本体部2との間の相対回転方向を示すパルスを、その相対回転角に対応する個数だけ発生する。なお、図1に示す垂直方向微調整ネジ2bは、視準望遠鏡部1の本体部2に対する回転量を微調整するためのネジである。
【0020】
基台部3は、図2に示すように、軸6の方向に直交する方向を向いた軸9によって本体部2の底面に軸支され、図1及び図2の紙面の左右方向に沿って立てた面内で相対回転可能となっている。基台部3と一体に回転する軸9の端部には円盤状のスケール10aが設けられている。一方、本体部2内には、このスケール10a上に描かれたパターンを読み取る検出装置10bが固設されている。これらスケール10a及び検出装置10bは、インクリメンタル方式の水平方向エンコーダ10を構成し、基台部3と本体部2との間の相対回転方向を示すパルスを、その相対回転角に対応する個数だけ発生する。なお、図1に示す水平方向微調整ネジ2cは、本体部2の基台部3に対する回転量を微調整するためのネジである。
【0021】
以上の機械構成により、視準望遠鏡部1は、基台部3に対してあらゆる方向を向くことができる。そして、この時の視準望遠鏡の方向は、垂直方向エンコーダ7及び水平方向エンコーダ10によって測定される。
【0022】
整準ブロック4は、上部板4a及び下部板4bから構成されて、下部板4bからの突出量が微調整可能な3個の整準ネジ8をその周方向における等角度間隔位置に有している。そして、これら整準ネジ8の突出量を微調整することにより、上部板4aを下部板4bに対して任意の向き及び角度に相対傾動させて、軸9を鉛直方向に向けることができる。
【0023】
なお、基台部3と上部板4aとの間は、相互に水平方向にシフト可能な求心軸受となっており、軸9を所定の測点上に移動させる求心作業ができるようになっている。図2に示す求心望遠鏡2dは、軸9と同軸の対物光軸を有し、上述の求心作業を行うためのガイドとなる。また、上部板4aに設けられた固定ネジ4cは、基台部3と上部板4aとの間の動きを固定するためのネジである。
【0024】
本体部2の上部には、そのU字状凹部2aをまたぐように、取手部11が取り付けられている。この取手部11の構成を、以下に詳細に述べる。図3は、図1の紙面と平行な面に沿った取手部11の断面を示す一部断面図である。また、図4は、図3の矢印IV方向から取手部11を見た状態を示す一部断面図である。この取手部11の水平方向に沿って配置された部分は、角柱状の把持部分であり、また、この取手部11を本体部に接続している部分は、図2及び図4に示すような略台形の側面を有している脚部分である。
【0025】
この取手部11は、大きく分けて、3つの構成部品(即ち、回転軸受部110,回転アーム部112,及び固定部111)から構成されている。
第1の脚としての回転軸受部110は、図1及び図3における左側の脚部分の全体を構成している。この回転軸受部110は、ネジ113によって本体部2に固定されている。この回転軸受部110内には、その中心軸に沿った円筒状の内面を有する軸受孔110aが形成されている。なお、この軸受孔110aの下端部は、この軸受孔110aよりも大きな内径を有する大内径孔110bに連通されている。
【0026】
可動アームとしての回転アーム部112は、取手部11の把持部分全体に該当する水平部分112a,及び、図1及び図3における右側の脚部分の上半分に該当する垂直部分112cから構成されている。また、水平部分112aにおける垂直部分112c側とは反対側に位置する端部には、回転軸受部110の軸受孔110aに挿通される軸部112bが一体に形成されている。この軸部112bは、軸受孔110aの全長よりも僅かに長く、その端部に抜け止め用のワッシャ112hが固定されている。従って、回転アーム部112は、回転軸受部110に対して、水平面(図1及び図3の左右方向に立てた面)内において回転自在,且つ脱落不能となっている。
【0027】
一方、垂直部分112cには、その下端面(固定部111に接する面)に開口する中空部112fが形成されている。この凹部としての中空部112f内にはバイメタルからなる温度センサ114が装着されている。この気象センサとしての温度センサ114は、コード116を介して本体部2内の電気処理部20に接続され、測定して得た気象データとしての気温データをこの電気処理部20に入力している。なお、このコード116は、水平部分112a及び軸部112b内ではそれらの中に埋め込まれているが、回転軸受部110内の大内径部110b内ではその空間中に架設されている。回転アーム部112が回転する時には、この大内径部110b内でこのコード116が捩れるので、この回転が可能となっている。
【0028】
この中空部112fは、また、複数の通気孔112dによっても外部と連通している。これら通気孔112dのうち、温度センサ114よりも下方に形成されているものは水平方向に向けて形成され、温度センサ114の側部に形成されているものは、内側から外側に向かって下方に傾くように形成されている。また、温度センサ114のよりも上方には、通気孔112dは形成されていない。従って、太陽光線による熱放射を温度センサ114に直接照射することなく外気を中空部112f内に導入して、この中空部112f内にこもった熱を排出するとともに温度センサ114を外気に晒すことができる。
【0029】
また、図4に示すように、垂直部分112cの下端面からは、鈎状のフック112gが突出形成している。このフック112gの背面(図4の右側の面)は、取手部11の裏面の一部をなしている。また、このフック112gには、図4に示すように、図3の紙面に直交する方向にその軸を向けた雌ネジ孔112eが形成されている。
【0030】
第2の脚としての固定部111は、図1及び図3における右側の脚部分の下半分を構成し、回転アーム部112の垂直部分112cを図1及び図3に示す把持可能位置(第1の位置)に固定する働きを行う。この固定部111は、ネジ113によって本体部2に固定されている。図4に示すように、この固定部111の上端には、回転アーム部112のフック112gにはまり合う形状の鈎部111aが形成されている。この鈎部111aには、図4に示す回転アーム部112のフック112gに係合した状態においてこのフック112gに形成された雌ネジ孔112eと同軸に連通する貫通孔111bが、形成されている。なお、この貫通孔111bの内面は、雌ネジ孔112eの内径よりも若干小径であり、平滑面となっている。
【0031】
この貫通孔111bには、シャフト116が回転自在に挿通している。このシャフト116の雌ネジ孔112e側端部には、この雌ネジ孔112eに螺合する雄ネジ部116aが形成され、その反対側端には、摘み部115が一体に固着されている。従って、シャフト116は、貫通孔111bから脱落不能となっている。その雄ねじ部116aが雌ネジ部112eに螺合すると、回転アーム部112のフック112gが、固定部111の鈎部111aに係合した状態で固定される。
<トータルステーションの内部回路>
次に、電気処理回路20を含むトータルステーション内部回路の構成を、図6のブロック図を用いて説明する。図6において、基準発振器37は、測距の基準となる基準周波数信号f1を発生する水晶発振器である。この基準周波数信号f1は、各周波数信号発生器38及び計数回路部54に入力される。
【0032】
各周波数信号発生器38は、基準周波信号f1を分周して、トータルステーション内部で使用される各周波数信号を発生する。即ち、各周波数信号発生器38は、測距光を強度変調するために送光ブロック39に入力される変調信号f2,局部発振器40に入力される基準信号f3,ゲート回路部53における位相差測定の際に用いられる比較基準信号f4を、発生する。なお、これら周波数信号f2〜f4は、その初期位相が同期するように生成される。また、比較基準信号f4は、変調信号f2を更に分周して生成される。
【0033】
送光ブロック39は、変調信号f2によって強度変調された光を出射する発光ダイオード(発光素子)である。この送光ブロック39は、送光光学系L1への送光光dと内部参照光ブロックL3への内部参照光rとを、交互に出射する。
【0034】
受光ブロック51は、自動光量調整ブロック50にて自動調整された戻り光i及び内部参照光rを受光するフォトダイオード(受光素子)である。受光ブロック51は、戻り光iを戻り変調信号f5に変換し、内部参照光rを参照変調信号f6に変換し、これらを混合器52に入力する。
【0035】
局部発振器49は、変調信号f2の周波数から僅かに異なる周波数の信号f7を発生し、これを混合器52に入力する。
混合器52は、戻り変調信号f5及び参照変調信号f6に信号f7をミキシングして、このミキシングの結果得られた各周波数の信号から周波数(f7−f2)の信号f5’,f6’のみをローパスフィルタによって取り出す回路である。この混合器52によって数kHz程度にビートダウンされた戻り変調信号f5’及び参照変調信号f6’は、ゲート回路部53に入力される。
【0036】
ゲート回路部53は、各周波数信号発生器38から出力される比較基準信号f4と混合器52からの戻り変調信号f5’とから、その位相差に応じた信号(その位相差に応じた時間だけHとなるデジタル信号)f5”を生成する。同様に、各周波数信号発生器38から出力される比較基準信号f4と混合器52からの参照変調信号f6’とから、その位相差に応じた信号(その位相差に応じた時間だけHとなるデジタル信号)f6”を生成する。なお、比較基準信号f4は、予め、混合器52のビートダウンにより生じる信号f5’,f6’と同じ周波数信号として生成されている。
【0037】
計数回路部54は、ゲート回路部53から出力される信号f5”,f6”の長さを、基準発振器37からの基準周波数信号f1をカウントパルスとして用いて計数する。即ち、これら信号f5”,f6”がHである間に受信した基準周波数信号f1の波の数を計数する。この計数値は、戻り変調信号f5又は参照変調信号f6の位相差に相当する値である。これら計数値は、制御演算部55に入力される。
【0038】
制御演算部55は、ゲート回路部53,計数回路部54,自動光量調整ブロック50,及びその他の回路の全体的な制御を行う。制御演算部55は、その制御の結果として計数回路部54から入力された計数値に基づいて、トータルステーションの機械中心(送光ブロック39及び受光ブロック51に対する視準望遠鏡1aの光軸上における光学的等価位置)から反射プリズムCまでの見かけの距離Dsを算出する。この際、制御演算部55は、戻り変調信号f5に対する計数値から参照変調信号f6に対する計数値を減算し、変調信号f2の初期位相誤差分を補正する。更に、制御演算部55は、温度センサ114から入力された気温データに基づいて、算出した見かけの距離Dsを下記の気象補正演算式(1)によって補正し、トータルステーションの機械中心からコーナーキューブCまでの真の距離Dを算出する。
【0039】
D=Ds{1+[279.75207−(106.06631・P)/(273.14941+t)]×10−6} …(1)
但し、Pは気圧(mmHg)であり、tは気温(°C)である。また、光の波長は0.815(μm)とする。
【0040】
制御演算部55は、また、水平方向エンコーダ10からのパルス及び垂直方向エンコーダ7から入力されるパルスをカウントすることにより、トータルステーションの機械中心(軸6と軸9との交点に一致)を基準とした測定対象の測角値を計算する。
【0041】
制御演算部55は、このようにして算出した距離値D及び測角値を、各表示器12上に表示する。
<実施例の作用>
本実施例のトータルステーションを用いて測量を行う場合の作業は、以下に示す通りになる。即ち、測量を行う前に、所定の測点上に立てられた図示せぬ三脚上にトータルステーションを配置し、整準ブロック4の各整準ネジ8を調整して、基台部3を水平にする(軸9を鉛直方向に向ける)。また、固定ネジ4cを緩め、視準望遠鏡2dを覗きながら基台部3を水平方向にシフトさせて、トータルステーションの機械中心(軸9の延長線)を測点上に正確に配置する。このような求心作業を行った後、固定ネジ4cを締め、基台部3を整準ブロック4に対して固定する。この時点では、温度センサ114は、視準望遠鏡部1及び本体部2に最も近づけた位置(第1の位置)に位置している。
【0042】
次に、摘み115を回転させることによってシャフト116先端の雄ねじ部116aを、回転アーム112の雌ネジ孔112eから外す。これにより、回転アーム部112全体が回転軸受部110の回りに回転可能となる。そこで、図5に示すように、回転アーム部112を180度回転させて、温度センサ114を視準望遠鏡部1及び本体部2から最も離れた位置(第2の位置)に変位させる。
【0043】
以上の後に、図示せぬ電源を投入して、トータルステーションの内部回路を起動する。すると、トータルステーションの外部雰囲気の気象データとしての外気温が温度センサ114によって検出されて、電気処理回路20内の制御演算部55に入力される。この時、温度センサ114は、高熱を発生する視準望遠鏡部1及び本体部2から離れているので、これらによる熱対流及び熱放射の影響を受けることがない。また、温度センサ114は、比較的細長い形状の回転軸受部110及び回転アーム部112を介して本体部2に接続されているので、本体部2で発生した熱の熱伝導による影響を受けることがない。また、温度センサ114は、回転アーム部112の垂直部112cの下端面に開口した中空部112f内に配置されているので、操作者の指等に触れて汚されることがないとともに、太陽光線による熱放射を直接受けることもない。従って、温度センサ114を複数個設置する必要がない。また、この中空部112f内は多数の通気孔112dによって外部と連通しているので、外気が温度センサ114表面に導入される。従って、この温度センサ114の表面を外気温と同じ温度にすることができる。但し、通気孔112dのうち水平方向を向いているものは温度センサ114に面しておらず、また、温度センサ114に面している通気孔112dは外部に向かって下方に傾いている。従って、太陽光線がこれら通気孔112dを介して直接温度センサ114に照射されることも防止される。また、温度センサ114は、本体部2の外部に設置されているため、この本体部2を密封構造とすることができる。従って、埃や水分がこの本体部2内に侵入することが防止できる。
【0044】
この後、視準望遠鏡1aによって測定対象地点に配置された反射プリズムCを視準して、送光ブロック39から変調光を出射して光波測距を行えば、この温度センサ114によって検出された外気温の温度データに従って補正された距離値が制御演算部55によって算出される。なお、この光波測距を行っている間、常に、その時点での外気温の温度データが温度センサ114から入力されてくるので、制御演算部55は真の距離値を算出し続けることができる。また、その測定対象地点の方向は、水平方向エンコーダ10及び垂直方向エンコーダ7によって発生されたパルスが制御演算部55によってカウントされることにより、水平角及び垂直角に分けて算出される。算出されたこれら距離値,水平角,及び垂直角は、両表示器12上に表示される。
【0045】
なお、視準望遠鏡1aによって測定対象地点を視準するために視準望遠鏡部1を本体部2のU字状凹部2a内で回転させる場合、回転アーム部112が視準望遠鏡1aの視野から外れているので、回転アーム部112を含む取手部11全体が視準望遠鏡1aによる視準の邪魔になることがない。
【0046】
同じ測点を基準とした測距が終了して、次の測点にトータルステーションを移動させる場合,及び、トータルステーションを片づける場合には、回転アーム部112を逆方向に180度回転させて、回転アーム部112の垂直部112cに形成されたフック部112gを固定部111の鈎部111aに係合させる。この時、摘み115を上述したのと逆方向に回転させて、シャフト116の先端に形成された雄ネジ部116aをフック部112gの雌ネジ部112eに螺合させ、回転アーム部112を固定部111に対して固定する。
【0047】
このように固定した状態で、取手部11の把持部分を把持してトータルステーションを図示せぬ三脚から取り外す。この際、トータルステーションの重量は、回転アーム部112のワッシャ112hとフック部112gにかかるが、これらを含め取手部11全体(温度センサ114及びコード116の被覆を除く)は金属部品で構成されているので、これらが破損することはない。
【0048】
上記実施例では、気象センサとして温度センサ114を設置したが、気圧センサや水蒸気圧センサを設置しても良い。これらについても、トータルステーション本体部2内に内蔵された場合にはケーシング内外を連通させる通気孔を形成しなければならないので、回転アーム部112に設けることにより、本体部2を密封構造にして本体部2内に埃や水分が侵入しないように構成できるという利点がある。
【0049】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の第1の態様による測量機では、本体を密封状態としたままでも気象センサを測量機の外部の雰囲気に晒すことができ、また、この気象センサを本体から離すことができるので、本体から発される熱の影響を受けることなく外部雰囲気の気象データを検出することができる。
【0050】
また、本発明の第2の態様による測量機は、更に、組付けが容易な位置に設置された一つの気象センサのみで太陽の放射熱による影響を受けずに気象データを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるトータルステーションの正面図
【図2】図1のトータルステーションの側面図
【図3】図1のトータルステーションの取手部の一部断面図
【図4】図3の矢印IV方向から見た取手部の一部断面図
【図5】図3の回転アーム部を180度回転させた状態を示す一部断面図
【図6】トータルステーションの内部回路を示すブロック図
【符号の説明】
1 視準望遠鏡部
2 本体部
11 取手部
20 電気処理部
110 回転軸受部
112 回転アーム部
112d 通気孔
112f 中空部
Claims (10)
- 測量を行って測量結果を算出する測量機本体と、
前記測量結果に対して気象補正演算を施すために用いられる前記測量機本体の外部雰囲気の気象データを検出する気象センサと、
その一端が前記測量機本体に支持されているとともにその他端に前記気象センサを保持し、前記気象センサを前記測量機本体に近づけた第1の位置と前記気象センサを前記測量機本体から遠ざけた第2の位置との間で前記他端が変位される可動アームと
を備えたことを特徴とする測量機 - 前記測量機本体は、発光素子から出射された変調光を測定光として測定対象地点に配置された反射器に投射し、その反射光を受光素子によって受光するとともに、前記変調光の出射時の位相と受光時の位相との位相差に基づいて前記測定対象地点までの距離を測定する光波測距儀であることを特徴とする請求項1記載の測量機。
- 前記気象センサは、前記測量機本体の外部雰囲気の温度を検出する温度センサであることを特徴とする請求項1又は2記載の測量機。
- 前記可動アームは、前記測量機の使用状態における前記測量機本体の上部位置に、前記使用状態における水平方向面内で回転自在に配置された取手であることを特徴とする請求項1又は2記載の測量機。
- 前記測量機本体に設けられた第1の脚を備えるとともに、
前記可動アームは、その一端が回転自在に前記第1の脚に支持され、その他端で前記気象センサを保持している
ことを特徴とする請求項4記載の測量機。 - 前記可動アームの他端を着脱自在に保持する第2の脚を備えていることを特徴とする請求項5記載の測量機。
- 前記可動アームの他端には前記測量機の使用状態において下方に開口した凹部が形成されているとともに、この凹部内に前記気象センサが保持されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の測量機。
- 前記凹部と前記可動アームの外面とが多数の通気孔によって連通されていることを特徴とする請求項7記載の測量機。
- 前記測量機の使用状態において全ての前記複数の通気孔は前記凹部内から前記可動アームの外面に向けて水平方向以下の方向を向いていることを特徴とする請求孔8記載の測量機。
- 前記測量機の使用状態において水平方向を向いている前記通気孔は前記気象センサに直接面していないことを特徴とする請求項9記載の測量機。
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JP13797295A JP3574505B2 (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 測量機 |
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-
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