JP3573039B2 - 無線端末位置測定方法およびそれを用いた端末装置、端末位置管理局装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルラ通信を使って端末位置を測定するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−181242は、セルラ方式で各基地局がGPS同期したCDMA方式を用いているシステムにおいて、各基地局から届くパイロット信号の受信タイミングを観測することで端末位置を測定することを開示している。
【0003】
図2、3は特開平7−181242に記載された技術を示す。図2にGPS衛星20に同期した基地局21、22、23から送信されている基準信号25、26、27を受信する端末24が示されている。図3に相関演算結果の例が示されている。
【0004】
端末24は、受信信号に対し特定符号パタンの相関演算を行うことで、各基地局から送信される基準信号の受信タイミングを検出することができる。CDMA方式では、各基地局が出す共通パイロット信号が特定パタンの信号であり、端末はこの信号に相関演算を行うことで受信タイミングを検出することが可能である。各基地局は、GPS同期により基準時間を合わせ、合わせたシステム時間の特定の送信タイミングにおいてパイロット信号を送信している。また上記の特定の送信タイミングは、オフセット時間と呼ばれ、シンクチャネルを通じて情報が送信されており、端末は自由に入手することができる。端末は、測定した受信タイミングから既知である送信タイミングの差を計算することで、電波伝搬にかかった遅延時間を知ることができる。
【0005】
図3は相関演算結果の例を示している。図は遅延プロファイルと呼ばれるもので、どのような遅延パスが観測されるかを示している。横軸は遅延時間、すなわち送信タイミングによる補正済みの受信タイミングである。単位は拡散符号のチップに対応している。縦軸は相関演算出力で、相関値が大きい部分は信号の受信があったこと、すなわちパスの存在を示している。この結果を使えば、電波が基地局から端末に到来するまでにかかった相対遅延時間を求めることができる。ここで遅延時間が相対値であるのは、端末では絶対時間がわからないからである。得られた相対遅延時間に光速をかけることで、相対伝搬距離差を求めることができる。少なくとも3局以上の基地局について相対伝搬距離差が求まれば、3点測位により端末位置を推定することが可能である。
【0006】
図4、5を用いてセルラ通信を測位に使う場合のもう1つの課題である遠近問題について説明する。セルラ通信では基地局−端末位置に依存して受信電力が変化し、必要とされるダイナミックレンジは100dBを越える。このため通常端末には自動利得調整(AGC)機能が持たされていて、受信信号の強さに応じて自動的にAD変換前の信号強度が調整される。図4は、端末において近傍の3つ基地局から到来する信号を受信している場合の受信信号を周波数領域で示したものである。帯域内の総受信電力64は雑音電力60に3つの基地局からの信号61、62、63を加えたものである。最も近くにある基地局からの信号61は、伝搬距離が短いため電力が強く、全受信信号の支配項となっている。図5は、2つの基地局A,B間の受信状態を示している。雑音電力71は熱雑音が原因として発生するもので、端末位置に依存せず一定である。AGCは総受信信号レベル70に適応するように設定されている。したがって例えば端末が基地局A付近にあるときには、基地局Aからの信号が支配項となってAGCが働く。量子化雑音電力74はAGCに応じて変動するため、基地局A付近では値が高くなっている。しかもこの時、基地局Bからの信号電力は伝搬距離が長くなるため低下しており、基地局Bからの信号は等価的にS/I(信号対干渉電力比)=(Bからの信号)/(Aからの信号+雑音)が非常に小さな値になってしまい、信号受信が困難になる。しかし、無線測位を行うには、端末が基地局A付近であっても基地局Bからの信号を判別する必要がある。
【0007】
また他の課題について説明する。移動体通信の端末では、低価格化のために周波数精度があまり高くない局部発信機を用いられていて、最寄りの基地局に同期することでキャリア周波数偏差を削減している(AFC機能)。しかしAFC機能の限界から端末−基地局間には数Hzの周波数差が残り、例えフェージングがない場合でも完全に同期することができない。このため、受信した信号の位相は数Hzのゆっくりした回転運動をしている。このため、たとえ端末のユーザが静止あるいは歩行速度程度のゆっくりとした動きしかしていない場合にも、受信信号はどんどん回転していてしまい、長期間の同相加算を行うことが困難である。遠方の基地局からの信号は等価的にS/Iが低下しているため、同相加算回数を増加させたいが、上記現象のため加算回数はある程度以上は長くすることができない。例えばキャリヤ周波数800MHz、AFC後の周波数安定度が0.01ppmの端末があった場合、位相回転の周波数は8Hzになる。同相加算に必要な位相回転許容値を36度以内とすると、1/8×36/360=0.0125[秒]以内であれば同相加算可能なことがわかる。同相加算回数をこれよりも長い時間行った場合、信号ベクトルが回転しまい、かえってS/Iが劣化する現象が発生する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、セルラ通信システムの少なくとも第1及び第2の基地局から到来する信号を使って端末の位置を推定する無線端末位置測定方法において、該第2の基地局からの受信信号よりも受信強度の強い上記第1の基地局からの受信信号をキャンセルする第1のステップと、該第1のステップの後に上記第2の基地局からの受信信号を上記端末にて処理する第2のステップとを有することを特徴とする無線端末位置測定方法により解決される。
【0009】
少なくとも2つの基地局から到来する電波が、同一の端末に受信される場合、伝搬距離差やフェージングの状況により、両者の信号強度には、大きな差が発生している。したがって信号強度の弱い基地局からの信号を受信する際に、信号強度の強い基地局の信号は干渉波として働いている。この干渉波をキャンセルして信号受信することにより、受信信号強度の大きな基地局からの干渉の影響を殆どなくすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、移動端末の構成例を示す。
【0011】
移動通信端末は通常の通信動作を可能とするため、受信機と送信機が備わっている。本実施例はCDMAセルラを採用している。アンテナ1が受信した信号は、RFユニット2にてベースバンドの信号に変換される。変換された信号はA/D変換器4においてディジタル信号に変換される。変換された信号から、逆拡散ユニット6,7によってパイロット信号と、通話チャネル信号が取り出される。パイロット信号を逆拡散するブロック7の出力により、伝搬路による位相回転と基地局−端末間のキャリヤ周波数差による位相回転が検出される。これをもとにAFC9の機能が動作する。パイロット信号の逆拡散出力である伝搬路推定結果に対して共役をとり、これに通話チャネルを逆拡散するブロック6の出力をかけることで復調8が行われる。復調回路では伝搬路符号化も復調される。復調された信号は音声コーデック13において音声信号に変換され、スピーカー14から出力される。他方、マイク15から取り込まれた音声信号は音声コーデック13においてディジタル信号に変換される。変換された信号は変調器10で伝送路符号化と変調が行われ、拡散部11において拡散後、D/A変換器12によりアナログ信号に変換される。アナログ信号はRF部2でキャリヤ周波数にアップコンバートされてから、アンテナ1より送信される。
【0012】
第1の実施例を、図6を用いて説明する。図6は干渉除去を行うための干渉除去装置の構成を示している。
【0013】
端末アンテナ1で受信された信号には、希望信号(再生したい信号)と干渉信号(他の信号)の両方が含まれる。CDMA方式では、両信号は同一タイミングで、同一周波数帯に含まれる。A/D変換器4においてディジタル信号に変換された信号を信号処理装置17はそのままメモリー5に蓄積する。
【0014】
図6に示す干渉除去装置は信号処理装置17内に構築されている。本装置は、ハードウェアあるいはソフトウェアで実現される。この干渉除去装置は、メモリー5の内容を読み出して、干渉信号のレプリカ122を作成する。そして、作成したレプリカを信号処理装置17内の引き算回路126にてメモリーの内容から差し引く。これにより、強い干渉波となる近傍基地局の影響を大幅に削減する。干渉除去によりS/Iを高めてから計算される遅延プロファイルを使って、端末位置が推定される。
【0015】
メモリー5内のデータには、パイロット信号、ページング信号、通話信号の3種類が含まれる。それぞれは全て別の拡散コードにより拡散されている。ブロック101〜106は個別の拡散コードにより逆拡散するブロックである。ブロック107はパイロット信号の逆拡散結果から伝搬路推定を行う。得られた推定結果を用い、ブロック109〜113は復調を行う。復調の結果、BPSK通信であれば、Iチャネルの符号の正負によって送信符号を判定することができる。ここでは伝搬路符号化も復調することで復調後の信号の符号誤り率を改善が考えられるが、一部の情報は秘匿のためにスクランブルもかかっているため、一般にはデスクランブル情報を持たない端末では伝搬路符号化を復調することはできない。しかし、信号自体のS/Iがよいため、伝搬路符号化を復調しなくても送信されている符号自体はほぼ正確に推定することが可能である。得られた仮判定結果はブロック114〜119にて再び同じ拡散符号で再拡散され、ブロック120にて加算されて特定基地局から送信された信号が再現される。ブロック123は伝搬路推定から遅延プロファイルを作成するブロックである。遅延プロファイルは、逆拡散で使用する拡散符号の系列の位相をずらしながらパイロット信号を逆拡散することで得られる。ここで遅延プロファイルは複素量である。ブロック120で加算された送信信号に、ブロック123で得られた遅延プロファイルをかけることで、受信信号のレプリカ122が完成する。このとき、レプリカを作成した基地局に関する遅延プロファイルは、ブロック123で既に作成されている。ブロック126は、メモリー5に蓄積された信号からレプリカ122を引き算する干渉除去機能である。干渉波が除去された信号は再びメモリー5に上書きされる。他の基地局からの信号についても同様に順次強いものから除去しながら遅延プロファイルを作成することでS/Iを高めてプロファイル作成が可能となる。強い信号が全て除去された後には、ブロック101、107、123を使って遅延プロファイルの作成のみを行い、受信電力が弱い基地局に関する遅延プロファイルを作成することができる。このようにして複数の基地局に関する遅延プロファイルが作成されれば、CPU16は各遅延プロファイルからパスを特定し、相対遅延差を計算する。またCPU16は計算した相対遅延差と予め知っている基地局の位置情報から端末の位置を計算する。
【0016】
以上の処理から遠近問題が発生している場合でも、複数の基地局からの信号を高いS/Iで受信することが可能となり、各基地局までの相対距離差が測定できる。よって端末の位置検出が可能となり、課題は解決される。
【0017】
上記の方法は、S/Iを向上させるために、干渉電力(I)を抑圧する方法であるが、他方、信号電力(S)を向上させる方法がある。通常の通信と異なり、端末位置を測定する場合には即時性が要求されない。そこで、メモリー5に蓄積した全てのデータを使ってパス検出に必要な遅延プロファイルを作成することを考える。
【0018】
信号電力(S)の向上に関し、原因と対策についてより詳細に説明する。
【0019】
端末では、図1のAGC3が、受信した信号のレベルに応じてRF部の利得を調整し、ダイナミックレンジを広く確保している。AGCは、例えば受信電力を累積平均して受信レベルを求め、その値が一定になるようにフィードバックしてRF部の利得を調整している。AGCにより、A/D変換器はビット幅を低減することができる。
【0020】
ところで測位の場合には、最低3局以上の基地局が必要である。第1の基地局よりも遠い第2の基地局からの希望信号のS/Iを向上させるには、同相加算回数を大きくする方法が有効である。同相加算回数が大きいほど、遠くの基地局が観測できるようになり、観測基地局数の増加から、端末位置を推定する際の推定精度が向上する。
【0021】
同相加算を行うには、2つの補償が必要である。1つは端末と基地局間で局部発信器の周波数偏差による受信信号の位相回転の補償である。もう1つは端末の位置や周囲環境が変化するために発生するフェージングによる位相回転の補償である。
【0022】
端末−基地局間の同期ずれによる位相回転は、主に端末の周波数合わせ性能が十分でないことが原因で発生する。基地局間では、それぞれの基地局がGPS同期しているために十分な精度が確保されており、周波数偏差は非常に小さい。このため、複数ある基地局のうち、1つの基地局に同期ができれば、他の基地局の位相回転も同期することができる。同期する候補としては、最も信号品質の良い、すなわち相関演算で最大ピークとなった基地局信号の位相回転を基準にすることが有効である。
【0023】
特定基地局のパイロット信号を逆拡散すると図7の様になる。雑音成分が残留するが、その位相回転を1次式で近似することで位相の平均回転数を推定することができる。推定された回転数で逆回転をする回転演算により、受信データに含まれる端末−基地局間キャリヤ周波数差はほぼ取り除かれる。補償後のデータは位相が揃っているため、ただ単純に加算するだけで同相加算演算が完了する。これによって受信信号のS/Iを向上させることができる。
【0024】
1次近似を精度よく求めるためには、同相加算を行う全データを使って近似式を求めることである。このため端末は測位ジョブが開始されると、一定期間について受信データをメモリー5に蓄える。(メモリーの容量は、例えばチップレート1.2288MHzのCDMAセルラ方式で、4倍のオーバーサンプルを考え、1サンプルあたりI,Q合わせて8ビットの情報がある場合には、1秒間のデータの収集に約5MBの容量が必要である。) 端末は最も信号レベルの高い信号の受信タイミングを既に知っている。何故なら端末は通信を行うために周囲の基地局を常にサーチし、信号レベルが最も高い基地局を追い続けているからである。したがって端末はメモリー5に蓄えられた情報に対して、既知である最も信号レベルが高い基地局からの信号タイミングに合わせてパイロット信号を抽出する逆拡散演算を行い、伝搬路の推定を行う。ここでの逆拡散は0.1〜10ms程度の比較的拡散率の低いものを実施し、複数の値を得る。図7は、実測で0.8秒間の逆拡散結果の位相を示した図である。図からわかるように得られた伝搬路推定結果は干渉電力や雑音電力の影響が大きく残る。しかしながら干渉+雑音成分は、統計処理により取り除くことができる。これは、干渉+雑音成分が広周波数帯域の信号であるのに対し、信号成分の回転ベクトルは周波数の低い信号であるため、平均操作により低周波数の成分を抽出すれば、その回転量が推定できることを利用している。図7から、回転量の1次式を推定することで、基地局と端末の周波数偏差は大幅に抑えられることが分かる。基地局と端末間の周波数偏差が抑えられたら、各基地局からの信号の受信タイミング付近において逆拡散演算を行うことで、各基地局からの信号の遅延プロファイルを算出することができる。
【0025】
上記実施例では全ての測定データを一旦メモリーに蓄積する方法に関して説明したが、以下に示す別の方法も本発明に含まれる。
【0026】
位相回転の推定結果が1次式で近似しているため、端末と基地局の周波数偏差が時間的にあまり変化しない場合には、過去の値を使って、端末に対する基地局信号の位相回転偏差を推定することが可能である。ただし基地局と端末の位相差は時間によって変わるため、最近の値を使う必要がある。受信品質が良好な特定の基地局のみを観測すればよいため、位相回転推定に必要となる逆拡散結果を蓄積するためのメモリーは大容量を必要としない。基地局からの報知情報から近傍に存在する基地局の送信タイミングは既知であるから、拡散符号系列をその近傍の基地局タイミング付近に合わせて逆拡散することで、遅延プロファイルを作成することができる。メモリーには逆拡散後の信号を蓄積することでメモリーの容量は大幅に削減できる。逆拡散結果は、先に予測されている位相回転量の補正を行って同相加算することで、上記と同等の同相加算の効果を得ることができる。よって大幅にメモリー量を削減することができる。
【0027】
位相の回転がフェージングに起因するものである場合、複数の基地局の位相回転は独立に変動する。2つの基地局に関して位相回転推定を行い、その回転量の相関をとる。相関が例えば0.7以上であれば、互い基地局の位相回転量がほぼ同じであることを示しており、フェージングは発生していないと考えられる。逆に相関が例えば0.7以下になるようであれば、その長さの位相補正ができないことを示しており、より短い時間での同相加算しかできないことを示唆している。したがって同相加算回数が相関を閾値として定めることができる。
【0028】
以上説明した手順で得られた遅延プロファイルより、従来例で説明した方法により端末の位置が計算される。
【0029】
本実施例では端末だけで位置測定が可能であり、GPS等の付加装置も不要であることから、端末が測位操作を行う際に必要となる消費電力を削減することが可能である。基地局の位置に関する情報は、ネットワークに繋がるサーバから得る方法や、基地局から送信される報知チャネルで周囲の基地局の位置を送信することで端末は知ることができる。一旦蓄積した基地局位置情報は、保持することで、サーバへのアクセスや報知情報の受信回数を減らすことができるため、端末の低消費電力化に有効である。
【0030】
本実施例の説明ではCDMA方式を例に挙げて説明したが、これに限るものではない。送信されている情報が既知であればTDMAやFDMA方式においても本方法を適用することが可能である。TDMAやFDMAの場合、各基地局からの信号が到来するタイミングや周波数が異なるため、端末では信号の含まれるタイミングや周波数を全て走査して得られた情報を端末位置管理局に伝送する必要がある。
【0031】
以上に挙げた実施例では、位置測定用の端末に関して送信タイミングを測定し、端末位置を推定する方法について記載した。他方、本発明は位置測定用の端末だけでなく、基地局送信タイミング測定装置に対しても有効である。基地局送信タイミング測定装置は、各基地局の送信タイミングを測定し、測位をする際に含まれる各基地局の送信タイミング誤差を補正する場合に用いられる。基地局送信タイミング測定装置はセルラ回線、あるいはネットワークにつながっている。従って測位用の端末は、セルラ回線及びネットワークを介して基地局送信タイミング測定装置に送信タイミングの誤差を問い合わせ、正確な位置測定が可能となる。しかしながら基地局送信タイミング測定装置の設置可能な場所は、設置コストから限定されるため、1局の設置でできるだけ遠くの基地局まで測定したい。このような時には、端末の場合と同様に、遠近問題が発生するため、干渉除去や同相加算回数を長くするための工夫が必要である。本発明は、基地局送信タイミング測定装置に適用すれば遠近問題を回避し、遠くの基地局の送信タイミングまで測定することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、セルラ通信システムを用いて端末の測位を行う場合に、メモリーに受信情報を貯めて推定精度を上げるために必要となる様々な処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明からなる第1の実施例の端末構成を示す図。
【図2】従来例を説明する図。
【図3】端末で受信した信号を相関演算した結果を示す図。
【図4】特定の基地局付近に端末がある場合の受信信号スペクトラムを示す図。
【図5】2つの基地局を例に挙げて基地局付近ではS/Iが低くなることを説明する図。
【図6】本発明からなる第3の実施例でレプリカ作成のための機能ブロック図。
【図7】特定基地局の逆拡散結果の位相回転量を示す図。
【符号の説明】
1...アンテナ、2...無線部(RF部)、3...AGC、4...AD変換器、5...メモリー、6、7...逆拡散器、8...復調器、9...AFC、10...変調器、11...拡散器、12...DA変換器、13...音声コーデック、14...スピーカ、15...マイク、16...CPU、17...DSP、20...GPS衛星、21、22、23...基地局、24...端末、25、26、27...基地局から送信される信号、40、41、42、43...相関演算結果のピーク、44...最短伝搬距離信号の差(相対遅延差)、60...雑音電力、61...最も近い基地局からの信号電力、62、63...他の基地局からの信号電力、64...トータルの受信電力、70...トータルの受信電力、71...雑音電力、72...基地局Aからの信号電力、73...基地局Bからの信号電力、74...電子化雑音電力、100...受信信号、101、102、103、104、105、106...逆拡散部、107...伝送路推定部、108、109、110、111、112、113...復調部、114、115、116、117、118、119...再拡散部、120...加算器、121...位相回転部、122...レプリカ信号、123...遅延プロファイル作成部、124...遅延プロファイル、126...引き算回路。
Claims (8)
- セルラ通信システムの少なくとも第 1 及び第 2 の基地局から到来する信号の受信タイミングを使って端末の位置を推定する無線端末位置測定方法において、
上記端末の記憶回路に上記第 1 及び第 2 の基地局からの受信信号を蓄積する第1のステップと、
該第 2 の基地局からの受信信号よりも受信強度の強い上記第 1 の基地局からの受信信号の受信タイミングを測定する第2のステップと、
上記蓄積された受信信号から上記第1の基地局からの受信信号のレプリカを作成する第3のステップと、
上記蓄積された受信信号から上記レプリカを差し引いた信号を上記蓄積された受信信号に上書きする第4のステップとを有し、
上記第4のステップの後に、該上書きされた信号に基づいて上記第2の基地局からの受信信号について上記第2のステップを行うことを特徴とする無線端末位置測定方法。 - 請求項1において、
符号分割多元接続(CDMA)方式を用いて、上記第1の基地局からの受信信号成分を逆拡散−復調−再拡散の手順で処理することにより上記レプリカを作成する第5のステップを有することを特徴とする無線端末位置測定方法。 - 請求項2において、上記第5のステップは、逆拡散−復調−再拡散の後に受信信号を増幅する第6のステップを有することを特徴とする無線端末位置測定方法。
- 請求項3において、上記第6のステップは、上記第1の基地局からの信号伝搬路による振幅変動及び位相回転の少なくとも一方を補正する第7のステップを含むことを特徴とする無線端末位置測定方法。
- セルラ通信システムの少なくとも第 1 及び第 2 の基地局から到来する信号の受信タイミングを使って端末の位置を推定する無線端末位置測定システムにおける無線端末装置であって、
第1の基地局からの受信信号と第2の基地局からの受信信号とを含む信号を蓄積する記憶回路と、
上記記憶回路に蓄積された信号から上記第2の基地局からの受信信号よりも受信強度の強い上記第1の基地局からの受信信号の受信タイミングを測定する受信タイミング測定部と、
上記記憶回路に蓄積された信号から上記第 1 の基地局からの受信信号をキャンセルする信号処理回路とを有し、
上記信号処理回路は、該記憶回路に蓄積された信号から上記第 1 の基地局の受信信号のレプリカを作成するレプリカ信号発生回路と、上記蓄積した信号から該レプリカを差し引く引き算回路とを有し、
上記記憶回路に蓄積された信号は、上記レプリカを差し引いた後の信号で上書きされ、
上記受信タイミング測定部は、上記上書きされた後の記憶回路に蓄積された信号に基づいて上記第2の基地局からの受信信号について受信タイミングを測定することを特徴とする無線端末装置。 - 請求項5において、
上記レプリカ信号発生回路は、符号分割多元接続(CDMA)方式を用いて、上記第1の基地局からの受信信号成分を逆拡散する逆拡散回路と、該逆拡散回路の出力信号から復調する復調回路と、該復調回路の出力信号を再度拡散する再拡散回路とを有することを特徴とする無線端末装置。 - 請求項6において、上記再拡散回路の出力信号を増幅する増幅回路を有することを特徴とする無線端末装置。
- 請求項7において、上記第1の基地局からの信号伝搬路による振幅変動及び位相回転の少なくとも一方を補正する補正回路を含むことを特徴とする無線端末装置。
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