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JP3567838B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルが知られている。この種の燃料噴射ノズルの例としては、例えば特開平2−67459号公報に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平2−67459号公報に記載された燃料噴射ノズルでは、ノズルボディ内壁面に周溝が形成され、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝と重複しているものの、噴孔入口のノズルボディ先端側部分も周溝と重複してしまっており、また、周溝のノズルボディ先端側部分が噴孔入口と重複していない。つまり、特開平2−67459号公報に記載された燃料噴射ノズルは、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が噴孔入口と重複しないように、周溝に対し噴孔入口が配置されたものではない。そのため、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができない。尚、本明細書において「ノズルボディ後端側」とは、ノズルボディ先端側のノズルボディ軸線方向反対側のことをいう。
【0004】
また、ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した他の燃料噴射ノズルの例としては、例えば特開平4−86373号公報に記載されたものがある。
【0005】
ところが、特開平4−86373号公報に記載された燃料噴射ノズルでは、ノズルボディ内壁面に凹部が形成されているものの、ノズルボディ内壁面に周溝が形成されていない。つまり、特開平4−86373号公報に記載された燃料噴射ノズルは、ノズルボディ内壁面に周溝が形成されると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が噴孔入口と重複しないように、周溝に対し噴孔入口が配置されたものではない。そのため、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができない。
【0006】
前記問題点に鑑み、本発明は、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができるように周溝に対し噴孔入口を配置した燃料噴射ノズルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に周溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように、前記周溝に対し前記噴孔入口を配置し、前記周溝のノズルボディ先端側部分の壁面のうち、ノズルボディ内壁面に接している部分が、前記ノズルボディの半径方向外側を向くように形成されている燃料噴射ノズルが提供される。
【0008】
請求項1に記載の燃料噴射ノズルでは、ノズルボディ内壁面に周溝が形成されると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が噴孔入口と重複しないように、周溝に対し噴孔入口が配置される。ニードル弁のリフト量が小さい時には、ニードル弁外壁面とノズルボディ内壁面との間に形成される空間が周溝内の空間よりも小さくなり、また、周溝内に流入した燃料が周溝のノズルボディ先端側部分に衝突するため、周溝内に流入した燃料は周溝内において旋回流を形成する。この旋回流の中心軸が周溝の接線方向に平行な状態は非常に不安定であるため、旋回流の中心軸の向きは変更せしめられ、周溝内において旋回流はつぶれた状態で存在せしめられる。周溝内の旋回流がつぶれている状態の下で燃料が噴孔内に流入することにより、噴孔内においても旋回流が形成され、その結果、ノズルボディに対しニードル弁が偏心していない場合、均一なホローコーン噴霧が噴孔から噴射される。一方、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している場合には、周溝内の旋回流が弱められるものの、噴孔入口のノズルボディ先端側部分から燃料が回り込むことに伴って噴孔内の燃料の旋回流が強められ、その結果、ノズルボディに対しニードル弁が偏心していない場合と同様に均一なホローコーン噴霧が噴孔から噴射される。つまり、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができる。この現象はニードル弁外壁面とノズルボディ内壁面との間に形成される空間が周溝内の空間よりも小さいことに起因しているため、ニードル弁のリフト量が大きくなると、ホローコーン噴霧は形成されなくなり、貫徹噴射が行われる。
【0010】
また、周溝のノズルボディ先端側部分の壁面のうち、ノズルボディ内壁面に接している部分が、ノズルボディの半径方向外側を向くように形成されるため、周溝内に流入した燃料が、ノズルボディの半径方向外側に向いた周溝のノズルボディ先端側部分の壁面に沿って流れ、その結果、周溝内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面との間にテーパ状面を形成し、前記テーパ状面と燃料噴射ノズル中心軸線とがなす角度を、前記ノズルボディ内壁面と前記燃料噴射ノズル中心軸線とがなす角度と、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面と前記燃料噴射ノズル中心軸線とがなす角度との間の値にすることにより、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面とを滑らかに連続せしめた請求項1に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0014】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、周溝のノズルボディ後端側部分の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面とがテーパ状面により滑らかに連続せしめられるため、燃料が周溝内に流入し易くされ、その結果、周溝内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、前記燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面の輪郭とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面の輪郭とが、滑らかな凸状曲線を介して連続せしめられるようにした請求項1に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0016】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、周溝のノズルボディ後端側部分の壁面の輪郭とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面の輪郭とが滑らかな凸状曲線を介して連続せしめられるため、燃料が周溝内に流入し易くされ、その結果、周溝内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に周溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように、前記周溝に対し前記噴孔入口を配置し、ノズルボディ内側にニードル弁を配置すると共に、前記ニードル弁が閉弁位置に位置する時に前記周溝内に収容される突起を前記ニードル弁に配置し、前記燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、前記突起のノズル先端側部分の壁面の輪郭が滑らかな凹状曲線を描くようにした燃料噴射ノズルが提供される。
【0018】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、ニードル弁に配置された突起が、ニードル弁が閉弁位置に位置する時に周溝内に収容される。そのため、突起が配置されない場合に比べ、バルブシート部の下流側の燃料通路容積が減少せしめられ、その結果、ニードル弁の閉弁時にバルブシート部の下流側の燃料通路内に残留する燃料量が低減され、それゆえ、その残留燃料がノズルボディ外側の負圧によりノズルボディ外側に吸い出されることに伴うHCエミッションの悪化が低減される。更に、ニードル弁の開弁時には、その突起により燃料が周溝内に流入し易くされ、また、燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、突起のノズル先端側部分の壁面の輪郭が滑らかな凹状曲線を描くようにされるため、ニードル弁の開弁時に、その突起により、燃料が周溝内により一層流入し易くされ、その結果、周溝内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、機関低負荷運転時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、機関高負荷運転時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0022】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、機関低負荷運転時にニードル弁のリフト量が小さくされ、機関高負荷運転時にニードル弁のリフト量が大きくされる。要求燃料噴射量が少ない機関低負荷運転時にはニードル弁のリフト量が小さくされ、ホローコーン噴霧、つまり、拡散噴霧が形成される。そのため、燃料と空気との混合が促進され、燃焼が向上せしめられる。また、リフト量が大きい場合よりも噴射流量速度が小さくなるため、噴射期間を長く設定できる。一方、機関高負荷運転時にはニードル弁のリフト量が大きくされ、貫徹噴射が行われる。そのため、噴霧を燃焼室壁面に衝突させることにより燃料と空気との混合が図られ、良好な燃焼が確保される。
【0023】
請求項に記載の発明によれば、ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、機関低回転時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、機関高回転時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0024】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、機関低回転時にニードル弁のリフト量が小さくされ、機関高回転時にニードル弁のリフト量が大きくされる。燃料噴射期間を長く確保することができる機関低回転時には、ニードル弁のリフト量を小さくすることにより、燃料噴射率が小さくされ、拡散噴霧が形成される。そのため、燃料と空気との混合が促進され、燃焼が向上せしめられる。一方、燃料噴射期間を短くしなければならない機関高回転時には、ニードル弁のリフト量を大きくすることにより、貫徹噴射が行われる。そのため、噴霧を燃焼室壁面に衝突させることにより燃料と空気との混合が図られ、良好な燃焼が確保される。
【0025】
請求項に記載の発明によれば、ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、パイロット噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、主噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0026】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、パイロット噴射を行うべき時にニードル弁のリフト量が小さくされ、主噴射を行うべき時にニードル弁のリフト量が大きくされる。パイロット噴射を行うべき時にニードル弁のリフト量を小さくすることにより、パイロット噴射時に拡散噴霧が形成される。そのため、ボアフラッシングが阻止され、確実にパイロット噴射の効果を奏することが可能となる。
【0027】
請求項に記載の発明によれば、ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、ポスト噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、主噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0028】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、ポスト噴射を行うべき時にニードル弁のリフト量が小さくされ、主噴射を行うべき時にニードル弁のリフト量が大きくされる。ポスト噴射を行うべき時にニードル弁のリフト量を小さくすることにより、ポスト噴射時に拡散噴霧が形成される。そのため、ボアフラッシングを阻止しつつ、排気通路内に未燃燃料を供給することが可能になる。
【0029】
請求項に記載の発明によれば、ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に周溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように、前記周溝に対し前記噴孔入口を配置し、前記周溝よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面に燃料流入路を形成し、前記燃料流入路が、最も近くに位置する噴孔の中心軸線に対し周方向にオフセットされている燃料噴射ノズルが提供される。
【0030】
請求項に記載の燃料噴射ノズルでは、周溝よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面に形成された燃料流入路が、最も近くに位置する噴孔の中心軸線に対し周方向にオフセットされている。そのため、周溝内において形成されている燃料の旋回流の中心軸の向きは、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料により変更せしめられ、それゆえ、周溝内の旋回流はつぶれた状態にされる。つまり、請求項1に記載の燃料噴射ノズルよりも積極的に燃料の旋回流を噴孔内に形成することができる。その結果、ホローコーン噴霧を形成することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、前記周溝よりもノズルボディ後端側に第二の周溝を形成し、前記周溝と前記第二の周溝とが前記燃料流入路により連通されている請求項に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0032】
請求項10に記載の燃料噴射ノズルでは、周溝よりもノズルボディ後端側に形成された第二の周溝と周溝とが燃料流入路により連通されている。そのため、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料の流れを、請求項に記載の燃料噴射ノズルよりも強くすることができる。
【0033】
請求項11に記載の発明によれば、ノズルボディ内側にニードル弁が配置され、前記第二の周溝が前記ニードル弁に形成されている請求項10に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0034】
請求項11に記載の燃料噴射ノズルでは、第二の周溝が、ノズルボディ内側に配置されているニードル弁に形成されている。そのため、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料の流れを、請求項に記載の燃料噴射ノズルよりも強くすることができる。
【0035】
請求項12に記載の発明によれば、前記燃料流入路が、ノズルボディ中心軸線を隔てて向かい合っている噴孔の中心軸線上に配置されている請求項に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0036】
請求項12に記載の燃料噴射ノズルでは、燃料流入路がノズルボディ中心軸線を隔てて向かい合っている噴孔の中心軸線上に配置されている。そのため、燃料流入路と噴孔とを一の加工工具により加工することができる。その結果、燃料流入路と噴孔とを別個の加工工具により加工する場合に比べ、燃料流入路及び噴孔の加工を容易に行うことができる。
【0037】
請求項13に記載の発明によれば、前記噴孔の直径よりも前記燃料流入路の直径が大きくなるように前記噴孔及び前記燃料流入路が放電加工により形成されている請求項12に記載の燃料噴射ノズルが提供される。
【0038】
請求項13に記載の燃料噴射ノズルでは、噴孔の直径よりも燃料流入路の直径が大きくなるように噴孔及び燃料流入路が放電加工により形成されている。噴孔及び燃料流入路が放電加工により形成されるため、燃料流入路と噴孔とを別個の加工工具により加工する場合に比べ、燃料流入路及び噴孔の加工を容易に行うことができる。その上、噴孔の直径よりも燃料流入路の直径が大きくされるため、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料の流れを、噴孔の直径と燃料流入路の直径とが等しい場合よりも強くすることができる。
【0039】
請求項14に記載の発明によれば、ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記溝と重複せず、かつ、溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように前記溝に対し前記噴孔入口を配置し、前記溝よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面に燃料流入路を形成し、前記燃料流入路が、最も近くに位置する噴孔の中心軸線に対し周方向にオフセットされている燃料噴射ノズルが提供される。
【0040】
請求項14に記載の燃料噴射ノズルでは、ノズルボディ内壁面に溝が形成されると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が溝と重複せず、かつ、溝のノズルボディ後端側部分が噴孔入口と重複しないように溝に対し噴孔入口が配置される。それゆえ、ニードル弁のリフト量が小さい時には、ニードル弁外壁面とノズルボディ内壁面との間に形成される空間が溝内の空間よりも小さくなり、また、溝内に流入した燃料が溝のノズルボディ先端側部分に衝突するため、溝内に流入した燃料は溝内において旋回流を形成する。更に、溝よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面に形成された燃料流入路が、最も近くに位置する噴孔の中心軸線に対し周方向にオフセットされている。そのため、溝内において形成されている燃料の旋回流の中心軸の向きは、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料により変更せしめられ、それゆえ、溝内の旋回流はつぶれた状態にされる。溝内の旋回流がつぶれている状態の下で燃料が噴孔内に流入することにより、噴孔内においても旋回流が形成され、その結果、ノズルボディに対しニードル弁が偏心していない場合、均一なホローコーン噴霧が噴孔から噴射される。一方、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している場合には、溝内の旋回流が弱められるものの、噴孔入口のノズルボディ先端側部分から燃料が回り込むことに伴って噴孔内の燃料の旋回流が強められ、その結果、ノズルボディに対しニードル弁が偏心していない場合と同様に均一なホローコーン噴霧が噴孔から噴射される。つまり、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができる。この現象はニードル弁外壁面とノズルボディ内壁面との間に形成される空間が溝内の空間よりも小さいことに起因しているため、ニードル弁のリフト量が大きくなると、ホローコーン噴霧は形成されなくなり、貫徹噴射が行われる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0042】
図1は本発明の燃料噴射ノズルの第一の実施形態の部分断面側面図、図2は図1の拡大図、図3は図2の周溝をノズルボディ後端側から見た図である。詳細には図2(b)及び図3は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図1から図3において、1はノズルボディ、2はノズルボディ1外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ1内側とノズルボディ1外側とを連通する噴孔、3はノズルボディ内壁面である。4はノズルボディ内壁面3に形成された周溝、5は噴孔2のうちの入口部分である噴孔入口、6は噴孔入口のノズルボディ後端側部分、7は噴孔入口のノズルボディ先端側部分である。8は周溝のノズルボディ先端側部分、9は周溝のノズルボディ後端側部分、10はニードル弁である。図1から図3に示すように、本実施形態の燃料噴射ノズルの噴孔入口5は、噴孔入口のノズルボディ後端側部分6が周溝のノズルボディ先端側部分8と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分7が周溝4と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分9が噴孔入口5と重複しないように、周溝4に対し配置されている。
【0043】
詳細には図2(a)及び図2(b)に示すように、ニードル弁10のリフト量が小さい時には、ニードル弁外壁面とノズルボディ内壁面3との間に形成される空間が周溝4内の空間よりも小さくなり、また、周溝4内に流入した燃料が周溝のノズルボディ先端側部分8に衝突するため、周溝4内に流入した燃料は周溝4内において旋回流を形成する。詳細には図3に示すように、この旋回流の中心軸Lが周溝4の接線方向に平行な状態は非常に不安定であるため、旋回流の中心軸Lの向きは変更せしめられ、周溝内において旋回流はつぶれた状態で存在せしめられる。詳細には図2(b)及び図3に示すように、周溝4内の旋回流がつぶれている状態の下で燃料が噴孔2内に流入することにより、噴孔2内においても旋回流が形成され、その結果、ノズルボディ1の中心軸線に対しニードル弁10が偏心していない場合、均一なホローコーン噴霧が噴孔2から噴射される。一方、ノズルボディ1の中心軸線に対しニードル弁10が偏心している場合には、周溝4内の旋回流が弱められるものの、噴孔入口のノズルボディ先端側部分7から燃料が回り込むことに伴って噴孔2内の燃料の旋回流が強められ、その結果、ノズルボディ1の中心軸線に対しニードル弁10が偏心していない場合と同様に均一なホローコーン噴霧が噴孔2から噴射される。
【0044】
つまり本実施形態によれば、ニードル弁10のリフト量が小さい時に、ノズルボディ1に対しニードル弁10が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができる。この現象はニードル弁10外壁面とノズルボディ内壁面3との間に形成される空間が周溝内の空間よりも小さいことに起因しているため、ニードル弁10のリフト量が大きくなると、ホローコーン噴霧は形成されなくなり、噴孔2からは貫徹噴射が行われる。
【0045】
図4は本発明の燃料噴射ノズルの第二の実施形態の図2と同様の拡大図である。詳細には図4(b)は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図4において、図1から図3に示した参照番号と同一の参照番号は図1から図3に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、101はノズルボディ、102はノズルボディ101外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ101内側とノズルボディ101外側とを連通する噴孔、103はノズルボディ内壁面である。104はノズルボディ内壁面103に形成された周溝、105は噴孔102のうちの入口部分である噴孔入口、106は噴孔入口のノズルボディ後端側部分、107は噴孔入口のノズルボディ先端側部分である。108は周溝のノズルボディ先端側部分、109は周溝のノズルボディ後端側部分である。図4に示すように、本実施形態の燃料噴射ノズルでは、周溝のノズルボディ先端側部分108の壁面のうち、ノズルボディ内壁面103に接している部分が、ノズルボディ101の半径方向外側を向くように形成される。
【0046】
本実施形態によれば、周溝のノズルボディ先端側部分108の壁面のうち、ノズルボディ内壁面103に接している部分により、周溝104内に流入した燃料は、ノズルボディ101の半径方向外側に向いた周溝のノズルボディ先端側部分108の壁面に沿って移動せしめられる。その結果、第一の実施形態の場合よりも、周溝104内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0047】
図5は本発明の燃料噴射ノズルの第三の実施形態の図2と同様の拡大図である。詳細には図5(b)は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図5において、図1から図4に示した参照番号と同一の参照番号は図1から図4に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、201はノズルボディ、202はノズルボディ201外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ201内側とノズルボディ201外側とを連通する噴孔、203はノズルボディ内壁面である。204はノズルボディ内壁面203に形成された周溝、205は噴孔202のうちの入口部分である噴孔入口、206は噴孔入口のノズルボディ後端側部分、207は噴孔入口のノズルボディ先端側部分である。208は周溝のノズルボディ先端側部分、209は周溝のノズルボディ後端側部分である。図5に示すように、本実施形態の燃料噴射ノズルでは、図5のように燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、周溝のノズルボディ先端側部分208の壁面の輪郭が滑らかな凹状曲線を描くようにされる。
【0048】
本実施形態によれば、滑らかな凹状を描く周溝のノズルボディ先端側部分208の壁面により、周溝204内に流入した燃料は、滑らかな凹状に形成された周溝のノズルボディ先端側部分208の壁面に沿って移動せしめられる。その結果、第一の実施形態の場合よりも、周溝204内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0049】
図6は本発明の燃料噴射ノズルの第四の実施形態の図2と同様の拡大図である。詳細には図6(b)は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図6において、図1から図5に示した参照番号と同一の参照番号は図1から図5に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、301はノズルボディ、302はノズルボディ301外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ301内側とノズルボディ301外側とを連通する噴孔、303はノズルボディ内壁面である。304はノズルボディ内壁面303に形成された周溝、305は噴孔302のうちの入口部分である噴孔入口、306は噴孔入口のノズルボディ後端側部分、307は噴孔入口のノズルボディ先端側部分である。308は周溝のノズルボディ先端側部分、309は周溝のノズルボディ後端側部分、311は周溝のノズルボディ後端側部分309の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面303との間に形成されたテーパ状面である。
【0050】
図6に示すように、本実施形態の燃料噴射ノズルでは、テーパ状面311とノズルボディ中心軸線とがなす角度が、ノズルボディ内壁面303とノズルボディ中心軸線とがなす角度と、周溝のノズルボディ後端側部分309の壁面とノズルボディ中心軸線とがなす角度との間の値に設定され、周溝のノズルボディ後端側部分309の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面303とが滑らかに連続せしめられる。
【0051】
本実施形態によれば、上述したようなテーパ状面311が形成されることにより、燃料が周溝304内に流入し易くされる。その結果、第一の実施形態の場合よりも、周溝304内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0052】
図7は本発明の燃料噴射ノズルの第五の実施形態の図2と同様の拡大図である。詳細には図7(b)は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図7において、図1から図6に示した参照番号と同一の参照番号は図1から図6に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、401はノズルボディ、402はノズルボディ401外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ401内側とノズルボディ401外側とを連通する噴孔、403はノズルボディ内壁面である。404はノズルボディ内壁面403に形成された周溝、405は噴孔402のうちの入口部分である噴孔入口、406は噴孔入口のノズルボディ後端側部分、407は噴孔入口のノズルボディ先端側部分である。408は周溝のノズルボディ先端側部分、409は周溝のノズルボディ後端側部分、412は周溝のノズルボディ後端側部分とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面とを連続せしめる連続部分である。図7に示すように、本実施形態の燃料噴射ノズルでは、図7のように燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、周溝のノズルボディ後端側部分409の壁面の輪郭とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面403の輪郭とが、連続部分412の滑らかな凸状曲線を介して連続せしめられる。
【0053】
本実施形態によれば、周溝のノズルボディ後端側部分409の壁面の輪郭とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面403の輪郭とが連続部分412の滑らかな凸状曲線を介して連続せしめられるため、燃料が周溝404内に流入し易くされる。その結果、第一の実施形態の場合よりも、周溝404内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0054】
図8は本発明の燃料噴射ノズルの第六の実施形態の図2と同様の拡大図である。詳細には図8(b)は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図8において、図1から図7に示した参照番号と同一の参照番号は図1から図7に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、510はニードル弁、513はニードル弁510が閉弁位置に位置する時に周溝4内に収容されるように配置された突起である。
【0055】
本実施形態によれば、上述したようにニードル弁510が閉弁位置に位置する時に突起513が周溝4内に配置されるため、突起が配置されない第一の実施形態の場合に比べ、バルブシート部(図示せず。図8(a)の上方に位置する。)の下流側の燃料通路容積が減少せしめられ、その結果、ニードル弁510の閉弁時にバルブシート部の下流側の燃料通路内に残留する燃料量が低減される。それゆえ、その残留燃料がノズルボディ外側の負圧によりノズルボディ外側に吸い出されることに伴うHCエミッションの悪化が低減される。更に詳細には図8(b)に示すように、ニードル弁510の開弁時には、突起513により燃料が周溝4内に流入し易くされる。その結果、第一の実施形態の場合よりも、周溝4内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0056】
図9は本発明の燃料噴射ノズルの第七の実施形態の図2と同様の拡大図である。詳細には図9(b)は周溝及び噴孔内の燃料の流れにより形成される旋回流を示している。図9において、図1から図8に示した参照番号と同一の参照番号は図1から図8に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、610はニードル弁、613はニードル弁610が閉弁位置に位置する時に周溝4内に収容されるように配置された突起、614は突起のノズル先端側部分である。図9に示すように、本実施形態の燃料噴射ノズルでは、図9のように燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、突起のノズル先端側部分614の壁面の輪郭が滑らかな凹状曲線を描くように突起のノズル先端側部分614が形成されている。
【0057】
本実施形態によれば、上述したように突起のノズル先端側部分614の壁面の輪郭が滑らかな凹状曲線を描くようにされるため、ニードル弁610の開弁時(図9(b))に、突起のノズル先端側部分614により、第六の実施形態の場合よりも燃料が周溝4内に流入し易くされる。その結果、第六の実施形態の場合よりも、周溝4内における燃料の旋回流が形成し易くされる。
【0058】
図10は本発明の燃料噴射ノズルの第八の実施形態の図1と同様の部分断面側面図、図11は燃料噴射ノズルから噴射される噴霧を示した図である。詳細には図10(a)はニードル弁のリフト量が小さい時の燃料噴射ノズルを示しており、図11(a)はニードル弁のリフト量が小さい時の噴霧を示しており、図10(b)はニードル弁のリフト量が大きい時の燃料噴射ノズルを示しており、図11(b)はニードル弁のリフト量が大きい時の噴霧を示している。図10において、図1に示した参照番号と同一の参照番号は図1に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、図11において、700はホローコーン噴霧、701は貫徹噴射による噴霧、750は燃料噴射ノズル、751はピストン、752は燃焼室である。
【0059】
本実施形態では、図10(a)及び図11(a)に示すように要求燃料噴射量が少ない機関低負荷運転時には、ニードル弁10のリフト量が小さくされ、ホローコーン噴霧700、つまり、拡散噴霧が形成される。そのため、燃料と空気との混合が促進され、燃焼が向上せしめられる。また、リフト量が大きい場合よりも噴射流量速度が小さくなるため、噴射期間を長く設定できる。一方、図10(b)及び図11(b)に示すように機関高負荷運転時には、ニードル弁10のリフト量が大きくされ、貫徹噴射が行われ、貫徹噴射による噴霧701が形成される。そのため、噴霧701を燃焼室752壁面に衝突させることにより燃料と空気との混合が図られ、良好な燃焼が確保される。
【0060】
以下、本発明の燃料噴射ノズルの第九の実施形態について説明する。本実施形態の燃料噴射ノズルは図10に示した第八の実施形態のものとほぼ同様であり、本実施形態の噴霧は図11に示した第八の実施形態のものとほぼ同様である。本実施形態では、図10(a)及び図11(a)に示すように燃料噴射期間を長く確保することができる機関低回転時には、ニードル弁10のリフト量が小さくされることにより、燃料噴射率が小さくされ、ホローコーン噴霧700が形成される。そのため、燃料と空気との混合が促進され、燃焼が向上せしめられる。一方、図10(b)及び図11(b)に示すように燃料噴射期間を短くしなければならない機関高回転時には、ニードル弁10のリフト量が大きくされることにより、貫徹噴射が行われ、貫徹噴射による噴霧701が形成される。そのため、噴霧701を燃焼室752壁面に衝突させることにより燃料と空気との混合が図られ、良好な燃焼が確保される。
【0061】
以下、本発明の燃料噴射ノズルの第10の実施形態について説明する。本実施形態の燃料噴射ノズルは図10に示した第八の実施形態のものとほぼ同様であり、本実施形態の噴霧は図11に示した第八の実施形態のものとほぼ同様である。本実施形態では、図10(a)及び図11(a)に示すようにパイロット噴射を行うべき時には、ニードル弁10のリフト量が小さくされることにより、ホローコーン噴霧700が形成される。そのため、ボアフラッシングが阻止され、確実にパイロット噴射の効果を奏することが可能となる。一方、図10(b)及び図11(b)に示すように主噴射を行うべき時には、ニードル弁10のリフト量が大きくされる。
【0062】
以下、本発明の燃料噴射ノズルの第11の実施形態について説明する。本実施形態の燃料噴射ノズルは図10に示した第八の実施形態のものとほぼ同様であり、本実施形態の噴霧は図11に示した第八の実施形態のものとほぼ同様である。本実施形態では、図10(a)及び図11(a)に示すようにポスト噴射を行うべき時には、ニードル弁10のリフト量が小さくされることにより、ホローコーン噴霧700が形成される。そのため、ボアフラッシングを阻止しつつ、排気通路内に未燃燃料を供給することが可能になる。一方、図10(b)及び図11(b)に示すように主噴射を行うべき時には、ニードル弁10のリフト量が大きくされる。
【0063】
以下、本発明の燃料噴射ノズルの第12の実施形態について説明する。本実施形態の燃料噴射ノズルは図10に示した第八の実施形態のものとほぼ同様であり、本実施形態の貫徹噴射による噴霧は図11(b)に示した第八の実施形態のものとほぼ同様である。図12は本実施形態のホローコーン噴霧及びそれが噴射されるタイミングを示した図である。本実施形態では、図10(a)及び図12に示すように均質予混合燃焼が可能な低負荷低回転運転領域では、ニードル弁10のリフト量が小さくされ、混合気が圧縮される前の早い時期に燃料噴射が行われる。一方、図10(b)及び図11(b)に示すように均質予混合燃焼が成立しない高負荷高回転運転領域では、ニードル弁10のリフト量が大きくされ、圧縮上死点付近において噴射が行われる通常の噴射が実行される。
【0064】
図13は本発明の燃料噴射ノズルの第13の実施形態を示した図である。詳細には、図13(a)は本実施形態の図1と同様の部分断面側面図、図13(b)はノズルボディ内壁面3をノズルボディ後端側から見た図である。図13において、図1〜図12に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図12に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、801はノズルボディ、816は周溝4よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に形成された燃料流入路である。図13、詳細には図13(b)に示すように、燃料流入路816は、最も近くに位置する、つまり、隣接する噴孔2の中心軸線L1〜L6に対し周方向にオフセットされている。また好適には、燃料流入路816は、ノズルボディ中心軸線Oを隔てて向かい合っている噴孔の中心軸線L1〜L6上に配置されている。
【0065】
本実施形態によれば、周溝4よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に形成された燃料流入路816が、最も近くに位置する噴孔2の中心軸線L1〜L6に対し周方向にオフセットされている。そのため、周溝4内において形成されている燃料の旋回流の中心軸L(図3参照)の向きは、噴孔2の中心軸線に対しオフセットされている燃料流入路816から噴孔2内に流入する燃料により変更せしめられ、それゆえ、周溝4内の旋回流は、図3に示すようにつぶれた状態にされる。つまり、第一の実施形態の燃料噴射ノズルよりも積極的につぶれた旋回流を周溝4内に形成し、噴孔2内に旋回流を形成することができる。その結果、ホローコーン噴霧を形成することができる。
【0066】
図14は本発明の燃料噴射ノズルの第14の実施形態を示した図である。詳細には、図14(a)は本実施形態の図13(a)と同様の部分断面側面図、図14(b)はノズルボディ内壁面3をノズルボディ後端側から見た図13(b)と同様の図である。図14において、図1〜図13に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図13に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、901はノズルボディ、917は周溝4よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に形成された第二の周溝である。図14に示すように、周溝4と第二の周溝917とは燃料流入路816により連通されている。
【0067】
本実施形態によれば、周溝4よりもノズルボディ後端側に形成された第二の周溝917と周溝4とが燃料流入路816により連通されている。そのため、噴孔2に対しオフセットされている燃料流入路816から噴孔2内に流入する燃料の流れを、第13の実施形態の燃料噴射ノズルよりも強くすることができる。その結果、第13の実施形態の燃料噴射ノズルよりも強い旋回流を噴孔2内に形成することができる。
【0068】
図15は本発明の燃料噴射ノズルの第15の実施形態を示した図である。詳細には、図15は本実施形態の図14(a)と同様の部分断面側面図である。図15において、図1〜図14に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図14に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、1010はニードル弁、1018は周溝4よりもノズルボディ後端側のニードル弁1010の外壁面に形成された第二の周溝である。図15に示すように、周溝4と第二の周溝1018とは燃料流入路816により連通されている。
【0069】
本実施形態によれば、第14の実施形態とほぼ同様の効果を奏することができる。更に、第二の周溝1018がノズルボディ801の内壁面ではなくニードル弁1010の外壁面に形成されているため、第14の実施形態の燃料噴射ノズルよりも第二の周溝の加工を容易に行うことができる。
【0070】
図16は本発明の燃料噴射ノズルの第16の実施形態を示した図である。詳細には、図16(a)は本実施形態の図13(a)と同様の部分断面側面図、図16(b)はノズルボディ内壁面3をノズルボディ後端側から見た図13(b)と同様の図である。図16において、図1〜図15に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図15に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、1101はノズルボディ、1102はノズルボディ1101外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ1101内側とノズルボディ1101外側とを連通する噴孔、1116は周溝4よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に形成された燃料流入路である。図16、詳細には図16(b)に示すように、燃料流入路1116は、図13(b)に示した第13の実施形態と同様に、ノズルボディ中心軸線Oを隔てて向かい合っている噴孔1102の中心軸線上に配置されている。つまり、燃料流入路1116aは、噴孔1102aを加工する工具と同一の工具により、噴孔1102aを加工するのと同時に加工される。同様に、燃料流入路1116b〜1116fは、噴孔1102b〜1102fを加工する工具と同一の工具により、噴孔1102b〜1102fを加工するのと同時に加工される。
【0071】
本実施形態によれば、燃料流入路1116がノズルボディ中心軸線Oを隔てて向かい合っている噴孔1102の中心軸線上に配置されている。そのため、燃料流入路1116と噴孔1102とを一の加工工具により加工することができる。その結果、燃料流入路1116と噴孔1102とを別個の加工工具により加工する場合に比べ、燃料流入路1116及び噴孔1102の加工を容易に行うことができる。
【0072】
図17は本発明の燃料噴射ノズルの第17の実施形態を示した図である。詳細には、図17は本実施形態の図13(a)と同様の部分断面側面図である。図17において、図1〜図16に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図16に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、1201はノズルボディ、1202はノズルボディ1201外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ1201内側とノズルボディ1201外側とを連通する噴孔、1216は周溝4よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に形成された燃料流入路である。図16に示すように、噴孔1202及び燃料流入路1216は、噴孔の直径D1よりも燃料流入路1216の直径D2が大きくなるように、放電加工により形成されている。つまり、噴孔出口(噴孔入口5の反対側)を中心に工具が揺動され、噴孔1202及び燃料流入路1216が形成されている。
【0073】
本実施形態によれば、噴孔1202及び燃料流入路1216が放電加工により形成されるため、燃料流入路と噴孔とを別個の加工工具により加工する場合に比べ、燃料流入路1216及び噴孔1202の加工を容易に行うことができる。その上、噴孔1202の直径D1よりも燃料流入路1216の直径D2が大きくされるため、噴孔1202の中心軸線からオフセットされている燃料流入路1216から噴孔1202内に流入する燃料の流れを、噴孔の直径と燃料流入路の直径とが等しい場合よりも強くすることができる。
【0074】
図18は本発明の燃料噴射ノズルの第18の実施形態を示した図である。詳細には、図18(a)は本実施形態の図1と同様の部分断面側面図、図18(b)はノズルボディ内壁面3をノズルボディ後端側から見た図である。図18において、図1〜図17に示した参照番号と同一の参照番号は、図1〜図17に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、1301はノズルボディ、1304はノズルボディ内壁面3に形成された溝である。図18(a)及び図18(b)に示すように、噴孔入口5のノズルボディ後端側部分が溝1304のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口5のノズルボディ先端側部分が溝1304と重複せず、かつ、溝1304のノズルボディ後端側部分が噴孔入口5と重複しないように溝1304に対し噴孔入口5が配置されている。また、溝1304よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に燃料流入路816が形成され、燃料流入路816が、最も近くに位置する、つまり、隣接する噴孔2の中心軸線L1〜L6に対し周方向にオフセットされている。
【0075】
本実施形態によれば、ニードル弁10のリフト量が小さい時には、ニードル弁10外壁面とノズルボディ内壁面3との間に形成される空間が溝1304内の空間よりも小さくなり、また、溝1304内に流入した燃料が溝1304のノズルボディ先端側部分、つまり、噴孔入口5のノズルボディ先端側部分に衝突するため、溝1304内に流入した燃料は溝内において旋回流を形成する(図2(b)参照)。更に、溝1304よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面3に形成された燃料流入路816が、最も近くに位置する噴孔2の中心軸線に対し周方向にオフセットされているため、溝1304内において形成されている燃料の旋回流の中心軸L(図3参照)の向きは、噴孔2の中心軸線に対しオフセットされている燃料流入路816から噴孔2内に流入する燃料により変更せしめられ、それゆえ、溝内の旋回流はつぶれた状態にされる(図3参照)。溝1304内の旋回流がつぶれている状態の下で燃料が噴孔2内に流入することにより、噴孔2内においても旋回流が形成され、その結果、ノズルボディ1301に対しニードル弁10が偏心していない場合、均一なホローコーン噴霧が噴孔2から噴射される。一方、ノズルボディ1301に対しニードル弁10が偏心している場合には、溝4内の旋回流が弱められるものの、噴孔入口5のノズルボディ先端側部分から燃料が回り込むことに伴って噴孔2内の燃料の旋回流が強められ、その結果、ノズルボディ1301に対しニードル弁10が偏心していない場合と同様に均一なホローコーン噴霧が噴孔2から噴射される。つまり、ニードル弁10のリフト量が小さい時に、ノズルボディ1301に対しニードル弁10が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができる。この現象はニードル弁10外壁面とノズルボディ内壁面3との間に形成される空間が溝1304内の空間よりも小さいことに起因しているため、ニードル弁10のリフト量が大きくなると、ホローコーン噴霧は形成されなくなり、貫徹噴射が行われる。
【0076】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができる。また、周溝内に流入した燃料が、ノズルボディの半径方向外側に向いた周溝のノズルボディ先端側部分の壁面に沿って流れ、その結果、ホローコーン噴霧を形成するための周溝内における燃料の旋回流の形成を容易にすることができる。
【0079】
請求項に記載の発明によれば、テーパ状面により燃料が周溝内に流入し易くされ、その結果、ホローコーン噴霧を形成するための周溝内における燃料の旋回流の形成を容易にすることができる。
【0080】
請求項に記載の発明によれば、凸状部分により燃料が周溝内に流入し易くされ、その結果、ホローコーン噴霧を形成するための周溝内における燃料の旋回流の形成を容易にすることができる。
【0081】
請求項に記載の発明によれば、突起が配置されない場合に比べ、バルブシート部の下流側の燃料通路容積が減少せしめ、ニードル弁の閉弁時にバルブシート部の下流側の燃料通路内に残留する燃料量を低減し、それゆえ、その残留燃料がノズルボディ外側の負圧によりノズルボディ外側に吸い出されることに伴うHCエミッションの悪化を低減することができる。更に、ニードル弁の開弁時に、その突起により燃料が周溝内に流入し易くされ、また、突起のノズル先端側部分の凹状部分により、燃料が周溝内により一層流入し易くされ、その結果、ホローコーン噴霧を形成するための周溝内における燃料の旋回流の形成を容易にすることができる。
【0083】
請求項に記載の発明によれば、機関低負荷運転時及び機関高負荷運転時の両方の時に燃料と空気との混合を促進し、燃焼を向上せしめることができる。
【0084】
請求項に記載の発明によれば、機関低回転時及び機関高回転時の両方の時に燃料と空気との混合を促進し、燃焼を向上せしめることができる。
【0085】
請求項に記載の発明によれば、パイロット噴射を行うべき時及び主噴射を行うべき時の両方の時に適切な噴射を実行することができる。
【0086】
請求項に記載の発明によれば、ポスト噴射を行うべき時及び主噴射を行うべき時の両方の時に適切な噴射を実行することができる。
【0087】
請求項に記載の発明によれば、積極的に燃料の旋回流を噴孔内に形成することができる。
【0088】
請求項10に記載の発明によれば、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料の流れを、請求項に記載の燃料噴射ノズルよりも強くすることができる。
【0089】
請求項11に記載の発明によれば、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料の流れを、請求項に記載の燃料噴射ノズルよりも強くすることができる。
【0090】
請求項12に記載の発明によれば、燃料流入路と噴孔とを別個の加工工具により加工する場合に比べ、燃料流入路及び噴孔の加工を容易に行うことができる。
【0091】
請求項13に記載の発明によれば、燃料流入路と噴孔とを別個の加工工具により加工する場合に比べ、燃料流入路及び噴孔の加工を容易に行うことができる。その上、オフセットされている燃料流入路から噴孔内に流入する燃料の流れを、噴孔の直径と燃料流入路の直径とが等しい場合よりも強くすることができる。
【0092】
請求項14に記載の発明によれば、ニードル弁のリフト量が小さい時に、ノズルボディに対しニードル弁が偏心している又はしていないにかかわらず、均一なホローコーン噴霧を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射ノズルの第一の実施形態の部分断面側面図である。
【図2】図1の拡大図である。
【図3】図2の周溝をノズルボディ後端側から見た図である。
【図4】本発明の燃料噴射ノズルの第二の実施形態の図2と同様の拡大図である。
【図5】本発明の燃料噴射ノズルの第三の実施形態の図2と同様の拡大図である。
【図6】本発明の燃料噴射ノズルの第四の実施形態の図2と同様の拡大図である。
【図7】本発明の燃料噴射ノズルの第五の実施形態の図2と同様の拡大図である。
【図8】本発明の燃料噴射ノズルの第六の実施形態の図2と同様の拡大図である。
【図9】本発明の燃料噴射ノズルの第七の実施形態の図2と同様の拡大図である。
【図10】本発明の燃料噴射ノズルの第八の実施形態の図1と同様の部分断面側面図である。
【図11】燃料噴射ノズルから噴射される噴霧を示した図である。
【図12】本実施形態のホローコーン噴霧及びそれが噴射されるタイミングを示した図である。
【図13】本発明の燃料噴射ノズルの第13の実施形態を示した図である。
【図14】本発明の燃料噴射ノズルの第14の実施形態を示した図である。
【図15】本発明の燃料噴射ノズルの第15の実施形態を示した図である。
【図16】本発明の燃料噴射ノズルの第16の実施形態を示した図である。
【図17】本発明の燃料噴射ノズルの第17の実施形態を示した図である。
【図18】本発明の燃料噴射ノズルの第18の実施形態を示した図である。
【符号の説明】
1…ノズルボディ
2…噴孔
3…ノズルボディ内壁面
4…周溝
5…噴孔入口
6…噴孔入口のノズルボディ後端側部分
7…噴孔入口のノズルボディ先端側部分
8…周溝のノズルボディ先端側部分
9…周溝のノズルボディ後端側部分

Claims (14)

  1. ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に周溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように、前記周溝に対し前記噴孔入口を配置し、前記周溝のノズルボディ先端側部分の壁面のうち、ノズルボディ内壁面に接している部分が、前記ノズルボディの半径方向外側を向くように形成されている燃料噴射ノズル。
  2. 前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面との間にテーパ状面を形成し、前記テーパ状面と燃料噴射ノズル中心軸線とがなす角度を、前記ノズルボディ内壁面と前記燃料噴射ノズル中心軸線とがなす角度と、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面と前記燃料噴射ノズル中心軸線とがなす角度との間の値にすることにより、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面とを滑らかに連続せしめた請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  3. 前記燃料噴射ノズルの縦断面をとった時、前記周溝のノズルボディ後端側部分の壁面の輪郭とそのノズルボディ後端側に位置するノズルボディ内壁面の輪郭とが、滑らかな凸状曲線を介して連続せしめられるようにした請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  4. ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に周溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように、前記周溝に対し前記噴孔入口を配置し、ノズルボディ内側にニードル弁を配置すると共に、前記ニードル弁が閉弁位置に位置する時に前記周溝内に収容される突起を前記ニードル弁に配置し、前記燃料噴射ノズルの縦断面を とった時、前記突起のノズル先端側部分の壁面の輪郭が滑らかな凹状曲線を描くようにした燃料噴射ノズル。
  5. ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、機関低負荷運転時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、機関高負荷運転時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  6. ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、機関低回転時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、機関高回転時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  7. ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、パイロット噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、主噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  8. ノズルボディ内側にニードル弁を配置し、ポスト噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が小さくされ、主噴射を行うべき時に前記ニードル弁のリフト量が大きくされる請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  9. ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に周溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が周溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記周溝と重複せず、かつ、周溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように、前記周溝に対し前記噴孔入口を配置し、前記周溝よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面に燃料流入路を形成し、前記燃料流入路が、最も近くに位置する噴孔の中心軸線に対し周方向にオフセットされている燃料噴射ノズル。
  10. 前記周溝よりもノズルボディ後端側に第二の周溝を形成し、前記周溝と前記第二の周溝とが前記燃料流入路により連通されている請求項9に記載の燃料噴射ノズル。
  11. ノズルボディ内側にニードル弁が配置され、前記第二の周溝が前記ニードル弁に形成されている請求項10に記載の燃料噴射ノズル。
  12. 前記燃料流入路が、ノズルボディ中心軸線を隔てて向かい 合っている噴孔の中心軸線上に配置されている請求項9に記載の燃料噴射ノズル。
  13. 前記噴孔の直径よりも前記燃料流入路の直径が大きくなるように前記噴孔及び前記燃料流入路が放電加工により形成されている請求項12に記載の燃料噴射ノズル。
  14. ノズルボディ外側へ燃料を噴射するためにノズルボディ内側とノズルボディ外側とを連通する噴孔を形成した燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディ内壁面に溝を形成すると共に、噴孔入口のノズルボディ後端側部分が溝のノズルボディ先端側部分と重複し、噴孔入口のノズルボディ先端側部分が前記溝と重複せず、かつ、溝のノズルボディ後端側部分が前記噴孔入口と重複しないように前記溝に対し前記噴孔入口を配置し、前記溝よりもノズルボディ後端側のノズルボディ内壁面に燃料流入路を形成し、前記燃料流入路が、最も近くに位置する噴孔の中心軸線に対し周方向にオフセットされている燃料噴射ノズル。
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