JP3566902B2 - 面発光半導体レーザ素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は面発光半導体レーザ素子に関し、更に詳しくは、発振するレーザ光の横モード制御が可能な面発光半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、大容量光通信網の構築、または光インターコネクションや光コンピューティングなどの光データ通信システム構築の実現を目指す研究が進められているが、それらの光源として、GaAs基板を用いて製造した面発光半導体レーザ素子が注目を集めている。
【0003】
このような面発光レーザ素子の基本的な層構造の1例Aを図11に示す。
この素子Aでは、例えばn型GaAsから成る基板1の上に、組成が異なる例えばn型のAlGaAsの薄層を交互に積層して成る下部反射鏡層構造2が形成されている。そして、この下部反射鏡層構造2の上には、例えばi型のAlGaAsから成る下部クラッド層3a,GaAs/AlGaAsで形成した量子井戸構造から成る発光層4,i型のAlGaAsから成る上部クラッド層3bが順次積層され、更にこの上部クラッド層3bの上に、組成が異なる例えばp型のAlGaAsの薄層を交互に積層して成る上部反射鏡層構造5が形成されたのち、この上部反射鏡層構造5の最上層の表面には、p型のGaAs層6が形成されて全体の層構造を構成している。そして、上記層構造の少なくとも下部反射鏡層構造2の上面に至るまでの部分がエッチング除去されて、中央部には、柱状の層構造が形成されている。
【0004】
中央に位置する柱状の層構造におけるGaAs層6の上面の周縁部近傍には例えばAuZnから成る円環形状の上部電極7aが形成され、また基板1の裏面には例えばAuGeNi/Auから成る下部電極7bが形成されている。
そして、全体の表面のうち、柱状部の側面、および、GaAs層6の表面のうち、上部電極7aの外側に位置する周縁部が例えばSiNxから成る誘電体膜8で被覆されることにより、GaAs層6の一部表面6a、すなわち上部電極7aの内側の部分がレーザ光の出射窓として機能する円形の開口部6Cになっており、更に上部電極7aと誘電体膜8の表面を被覆して例えばTi/Pt/Auから成る電極引き出し用パッド7cが形成されている。
【0005】
また、このレーザ素子Aにおいては、上部反射鏡層構造5の最下層、すなわち発光層4に最も近い場所に位置する層3cは例えばp型のAlAsで形成されている。そして、このAlAs層3cのうち外側の周縁部分は、平面視形状が円環形状をしていて、当該AlAs層のみを選択的に酸化することによって形成されたAl2O3を主体とする絶縁領域3dになっており、そのことによって、発光層4に対する電流狭窄構造が形成されている。
【0006】
このレーザ素子Aにおいては、上部電極7aと下部電極7bを動作させることにより、発光層4におけるレーザ発振が起こり、そのレーザ光はGaAs層6を通過してその表面部分6a(レーザ光の出射窓)から矢印のように、すなわち基板1の垂直上方に発振していく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、面発光半導体レーザ素子を光伝送システムの光源として組み込むためには、当該レーザ素子から発振するレーザ光の発振横モードを制御することが必要である。
例えばマルチモード光ファイバを用いたデータリンクの場合には、高次横モードで安定して発振するレーザ素子が光源として必要となり、また空間伝搬を適用したボード間光伝送システムの場合や、単一モード光ファイバを用いた高速光伝送システムの場合には、基本横モード発振するレーザ素子が光源として必要になる。
【0008】
従来、上記した構造の面発光半導体レーザ素子の発振横モードは、図11で示した電流狭窄構造のサイズで制御されている。具体的には、円環形状をした絶縁領域3dの円環の幅を変化させることにより、中心部に位置する平面視形状が円形になっている電流注入経路3eの大小で制御している。例えば、基本横モードで発振するレーザ素子の場合、上記した電流注入経路3eの直径は5μm以下程度にすることが必要とされている。
【0009】
しかしながら、電流注入経路3eの直径を上記したような小さい値にすると、結局、レーザ素子としての抵抗が高くなるため、その動作電圧が高くなるというような不都合が生じてくる。
また、電流注入経路3eの直径の大小をμmオーダで正確に制御するということは、絶縁領域3dの幅、すなわちAlAs層3cにおける酸化幅を正確に制御するということを意味する。しかしながら、この酸化幅をμmオーダで制御することはかなり困難である。そのため、製造したレーザ素子の特性にばらつきが生じ、再現性の点で問題が生ずる。
【0010】
なお、マルチモードで発振するレーザ素子の場合、電流注入経路の直径を大きくすると、電流注入時に発振横モードがスイッチングするため雑音が発生し、光伝送特性が劣化するという問題も生ずる。
本発明は、電流注入経路3eの大小で発振横モードを制御している従来の面発光半導体レーザ素子における上記した問題を解決することができる新規な発振横モード制御機構を備え、また製造も従来に比べて容易な面発光半導体レーザ素子の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、上部反射鏡層構造と下部反射鏡層構造との間に発光層を配置した半導体材料の層構造が基板の上に形成され、前記上部反射鏡層構造の上方には、平面視形状が円環形状をした上部電極が形成され、前記上部電極の内側が開口部になっている面発光半導体レーザ素子において、前記開口部の一部表面を被覆して、発振レーザ光に対して透明な層が形成されおり、前記透明な層の厚みが、発振レーザ光の発振波長の(2i+1)/4n倍(ただし、nは透明な層の屈折率,iは整数を表す)に相当する厚みになっていることを特徴とする面発光半導体レーザ素子、または、前記透明な層の厚みが、発振レーザ光の発振波長の(2i+1)/4n倍(ただし、nは透明な層の屈折率,iは整数を表す)に相当する厚みになっていることを特徴とする面発光半導体レーザ素子が提供される。
【0012】
好ましくは、前記透明な層が少なくとも1層の誘電体膜から成り、また、前記発光層の近傍には電流注入経路が形成され、前記開口部に形成されている前記透明な層の形成位置は前記電流注入経路の平面視形状の中に含まれている面発光半導体レーザ素子が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の面発光半導体レーザ素子は、開口部が形成されている上部反射鏡層構造において、レーザ発振を起こさせたくない部分の反射率を低下させる(すなわち、多重反射させる)ことにより発振横モード制御を行うという技術思想に立脚し、そのために、レーザ光の出射窓として機能する上記開口部の一部表面に、発振するレーザ光の発振波長に対して透明な層(以下、単に透明な層という)を設けるという手段を講じたものである。
【0014】
ここで、上記した透明な層としては、レーザ光の発振波長との関係で各種の材料で構成されることになるが、SiNx,SiOx,AlOx,TiOx,MgO,MgFを代表例とする誘電体から成る誘電体膜を好適例としてあげることができる。また、透明な層の材料としては、ITO(インジウム−スズ酸化物)を用いることもできる。透明な層をITOで形成した場合には、この透明な層を電極として機能させることもできる。なお、この誘電体膜の場合、それは1層であってもよく、2層以上の積層構造になっていてもよい。
【0015】
以下、透明な層が誘電体膜である場合を例にして、図面に則して本発明の面発光半導体レーザ素子について説明する。図1は本発明のレーザ素子の1例B1を示し、図2は別の例B2を示す。
これらの素子B1,B2の場合、いずれも、その層構造は図11で示した素子Aと同じである。しかしながら、素子Aで説明したレーザ光の出射窓6aとして機能する開口部6Cの表面にも誘電体膜が形成されていることにより、レーザ光の出射窓の平面視形状が図11の場合と異なっている。
【0016】
素子B1は、上部電極7aの内側に位置する開口部に平面視形状が円環形状をしている誘電体膜8Aが形成されていることにより、平面視形状が円形である、より小径の新たな出射窓6Aが形成された構造になっている。
そして素子B2は、開口部6Cから表出しているGaAs層6の中心部に平面視形状が円形である誘電体膜8Bが形成されていることにより、平面視形状が円環形状をしている新たな出射窓6Bが形成された構造のものである。
【0017】
ここで、上記した誘電体膜8A(8B)の膜厚は、素子B1(B2)によるレーザ光の発振波長がλであるとした場合、λ×(2i+1)/4n倍の値に近似した厚みであることが好ましい。
なお、上記した式において、nは誘電体膜8A(8B)を構成する誘電体の屈折率を表し、またiは0,1,2,……などの整数を表している。
【0018】
最上面に、このような平面視形状で、またこのような膜厚の誘電体膜8A(8B)が形成されていると、この誘電体膜8A(8B)の直下に位置する上部反射鏡層構造の実効的な反射率が低下する。そして結果的に、誘電体膜8A(8B)の直下でのみレーザ発振が起こることになり、発振横モードが制御されることになる。
【0019】
この誘電体膜の平面視形状は、上に例示したタイプに限定されるものではなく、適宜な形状にすることができる。
なお、これらの厚みλ×2i/4nの誘電体膜の上にAu,Ti,Crのような金属膜を設けると、上記した反射率低下の効果が向上してレーザ光の発振横モード制御がより有効に発揮されるので好適である。
【0020】
このように、開口部6Cに形成した誘電体膜(透明な層)は上記したような作用効果を発揮するので、その形成位置は、それを下方に投影したとき、発光層4におけるレーザ発振を規制する電流注入経路3eの平面視形状の中に含まれていることが好ましい。電流注入経路3eを経由して発振してくるレーザ光に対して、誘電体膜の直下に位置する上部反射鏡層構造の実効的な反射率を確実に低下せしめ、もって発振横モードの制御に関する確実性が向上するからである。
【0021】
【実施例】
(1)レーザ素子の構造
図1で示したレーザ素子を次のようにして製造した。このレーザ素子の発振波長は850nmとなるように設計されている。
n型GaAs基板1の上に、MOCVD法で厚み40nmのn型Al0.2Ga0.8Asと厚み50nmのn型Al0.9Ga0.1Asとの薄層をヘテロ界面に厚み20nmの組成傾斜層を介在させながら交互に積層して30.5ペアの多層膜から成る下部反射鏡層構造2を形成した。ついで、この上に、ノンドープAl0.3Ga0.7Asから成る下部クラッド層3a(厚み97nm),3層のGaAs量子井戸(各層の厚み7nm)と4層のAl0.2Ga0.8As障壁層(各層の厚み8nm)で構成された量子井戸構造の発光層4,ノンドープAl0.3Ga0.7Asから成る上部クラッド層3b(厚み97nm)を順次積層したのち、更にその上に、厚み40nmのp型Al0.2Ga0.8Asと厚み50nmのp型Al0.8Ga0.2Asとの薄膜をヘテロ界面に厚み20nmの組成傾斜層を介在させながら交互に積層して25ペアの多層膜から成る上部反射鏡層構造5を形成した。
【0022】
そして、この上部反射鏡層構造5における最上層であるp型Al0.2Ga0.8As層の上にp型GaAs層6を積層した。
なお、上記した上部反射鏡層構造の最下層3cは、厚み50nmのp型AlAsで構成した。
次に、これら層構造におけるp型GaAs層6の表面にプラズマCVD法でSiNx膜8aを成膜したのち、その上に通常のフォトレジストを用いたフォトリソグラフィーで直径約45μmの円形レジストマスク9を形成した(図3)。
【0023】
ついで、CF4を用いたRIEで上記レジストマスク9直下のSiNx膜以外のSiNx膜8aをエッチング除去したのちレジストマスク9を全て除去して、平面視形状が円環形状であるGaAs層6の表面を表出させた。
そして、SiNx膜8aをマスクにし、リン酸と過酸化水素と水の混合液から成るエッチャントを用いて下部反射鏡層構造2に至るまでのエッチング処理を行って柱状構造を形成した(図4)。
【0024】
そして、この層構造を水蒸気雰囲気中において温度400℃で約25分間加熱した。p型AlAs層3cの外側周縁部のみが円環状に選択的に酸化され、その中心部には直径が約15μmの電流注入経路3eが形成された(図5)。
ついで、RIEによってSiNx膜8aを完全に除去したのち、全体の表面をプラズマCVD法によりSiNx膜8で被覆し、続いて、直径約35μmのGaAs層6の上面に形成されているSiNz膜8を外径25μm,内径15μmの円環形状に除去してGaAs層6の表面を表出させ、そこにAuZnを蒸着して円環形状をした上部電極7aを形成し、更に上部電極7aの外側の表面のみをSiNx膜8で被覆し、更にその上に電極引き出し用のパッド7cをTi/Pt/Auで形成した(図6)。
【0025】
なお、このときのSiNx膜8の膜厚は、SiNxの屈折率が1.75であり、素子の発振波長が850nmであるため、前記した式:(2i+1)/4nにおいてi=0にしたときの値、すなわち121nmに設定した。
ついで、上部電極7aの内側に位置しているSiNx膜に対してフォトリソグラフィーとRIEを適用することにより、その中心部に直径6μmの円形の小孔を穿設し他のSiNx膜8Aは残してGaAs層6の表面を表出して出射窓6Aを形成し、図1で示した素子B1を製造した。これを実施例1とする。
【0026】
また、小孔の孔径を10μmにして出射窓6Aを形成した。これを実施例2とする。
また、上部電極7aの内側に位置しているSiNx膜に対し、中心部に直径6μmの部分8Bを残し、他の部分は全て除去することにより、外径15μm,内径6μmの円環形状をした出射窓6Bを形成し、図2で示した素子B2を製造した。これを実施例3とする。
【0027】
いずれの実施例素子の場合も、基板1の裏面を研磨して全体の厚みを約100μmとしたのち、その研磨面にAuGeNi/Auを蒸着して下部電極7bが形成されている。
なお比較のために、前記したAlAs層3cの酸化時間を約30分とすることにより当該AlAs層3cの酸化幅を大きくして電流注入経路3cの直径を約5μmにし、かつ、GaAs層6の上に直径15μmの開口部6Cを形成し、これを出射窓6aとする図11で示した素子Aを製造した。これを比較例1とする。また、実施例1の素子において、上部電極7aの内側に位置するSiNx膜を全て除去して直径15μmの開口部とし、これを出射窓6aとする素子Aを製造した。これを比較例2とする。
以上、5種類の素子における電流注入経路,出射窓の寸法形状を一括して表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
(2)レーザ素子の特性評価
1)まず、実施例1と比較例1における電流−電圧特性と電流−光出力特性を図7に示す。図中、実線は電流−電圧特性、破線は電流−光出力特性をそれぞれ表している。
なお、実施例1,比較例1のいずれにおいても発振モードは基本横モードであった。
【0030】
図7から明らかなように、実施例1は比較例1に対比して動作電圧が低く、例えば5mAでの動作電圧は約1.8Vであり、比較例1の2.4Vに比べてかなり低い。これは、実施例1の電流注入経路の直径は15μmであり、電流注入経路の直径が5μmである比較例1に比べてその箇所での抵抗が低くなっているからである。
また、電流−光出力特性において、実施例1の場合はしきい値電流が比較例1に比べて若干高いとはいえ、電流が10mA程度になるまで光出力は飽和することなく増加している。これは、電流注入経路近傍における抵抗が低いので発熱が抑制されることに基づく効果であると考えられる。
【0031】
2)次に実施例2,3と比較例2における電流−電圧特性と電流−光出力特性を図8にそれぞれ表す。図中、実線は電流−電圧特性、破線は電流−光出力特性をそれぞれ表している。
図8から明らかなように、実施例2,3と比較例2との間では上記両特性に顕著な差異は認められない。
そこで、実施例2,3,比較例2の各素子につき、発光近視野像を観察してみた。動作電流7mAの場合の結果を図9に、動作電流15mAの場合の結果を図10にそれぞれ示した。
【0032】
なお、図9、図10において、像aは実施例2,像bは実施例3,像cは比較例2の場合をそれぞれ示す。
図9,図10から明らかなように、比較例2の場合の像cでは外周部に多数の発光スポットが認められ、それが電流注入によってスイッチングしている。実施例2の像aの場合は発光スポットが少なく、しかもそれらは中心部に集中している。そして、電流注入を大きくしてもスイッチング挙動を起こすことはなかった。
【0033】
また実施例3の像bの場合は、実施例2に比べると発光スポットの数が増加し、しかも全体として拡散している。しかしながら、実施例3の場合も、電流注入を大きくしてもスイッチング挙動を起こすことはなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のレーザ素子は発振横モード制御が可能な面発光半導体レーザ素子であり、例えば低動作電圧で基本横モード発振するレーザ素子である。また、高次横モードで安定して発振する素子では、モードスイッチングによる雑音も低減する。したがって、この面発光半導体レーザ素子は並列データ伝送用の光源として使用可能であり、もって高速光データ通信システムの構築に貢献する。
【0035】
また、本発明のレーザ素子における発振横モードの制御は、従来のように、電流狭窄構造の大小で制御するのではなく、全体の上面に形成する誘電体膜(透明な層)の平面視形状で制御するので、その設計自由度は高く、製造も容易であり、その製造コストも低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面発光半導体レーザ素子の1例B1の層構造を示す断面図である。
【図2】本発明の面発光半導体レーザ素子の別の例B2の層構造を示す断面図である。
【図3】基板の上に形成された層構造にSiNx膜とレジストマスクを形成した状態を示す断面図である。
【図4】基板上に円柱構造を形成した状態を示す断面図である。
【図5】図4の円柱構造に酸化処理を施したのちの状態を示す断面図である。
【図6】図5の構造体に、上部電極と誘電体膜を形成した状態を示す断面図である。
【図7】実施例1と比較例1における電流−電圧特性と電流−光出力特性を示すグラフである。
【図8】実施例2,3および比較例2における電流−電圧特性と電流−光出力特性を示すグラフである。
【図9】動作電流が7mAのときの実施例2,3および比較例2の発光近視野像である。
【図10】動作電流が15mAのときの実施例2,3および比較例2の発光近視野像である。
【図11】従来の面発光半導体レーザ素子の1例Aを示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部反射鏡層構造
3a 下部クラッド層
3b 上部クラッド層
3c AlAs層
3d 絶縁領域
3e 電流注入経路
4 発光層
5 下部反射鏡層構造
6 GaAs層
6a,6A,6B レーザ光の出射窓
6C 開口部
7a 上部電極
7b 下部電極
7c 電極引き出し用パッド
8,8a,8A,8B 誘電体膜(レーザ光の発振波に対して透明な層)
9 レジストマスク
Claims (6)
- 上部反射鏡層構造と下部反射鏡層構造との間に発光層を配置した半導体材料の層構造が基板の上に形成され、前記上部反射鏡層構造の上方には、平面視形状が円環形状をした上部電極が形成され、前記上部電極の内側が開口部になっている面発光半導体レーザ素子において、
前記開口部の一部表面を被覆して、発振レーザ光の発振波長に対して透明な層が形成されており、
前記透明な層の厚みが、発振レーザ光の発振波長の(2i+1)/4n倍(ただし、nは透明な層の屈折率,iは整数を表す)に相当する厚みになっていることを特徴とする面発光半導体レーザ素子。 - 上部反射鏡層構造と下部反射鏡層構造との間に発光層を配置した半導体材料の層構造が基板の上に形成され、前記上部反射鏡層構造の上方には、平面視形状が円環形状をした上部電極が形成され、前記上部電極の内側が開口部になっている面発光半導体レーザ素子において、
前記開口部の一部表面を被覆して、発振レーザ光の発振波長に対して透明な層が形成されており、
前記透明な層の厚みが、発振レーザ光の発振波長の2i/4n倍(ただし、nは透明な層の屈折率,iは自然数を表す)に相当する厚みになっており、かつ、前記透明な層の上に金属膜が成膜されていることを特徴とする面発光半導体レーザ素子。 - 前記透明な層の平面視形状を変化させることにより、発振レーザ光の出射窓の平面視形状を変化させてレーザ光の発振横モードが制御される請求項1または2の面発光半導体レーザ素子。
- 前記発光層の近傍には電流注入経路が形成され、前記開口部に形成されている前記透明な層の形成位置は前記電流注入経路の平面視形状の中に含まれている請求項1〜3のいずれかの面発光半導体レーザ素子。
- 前記透明な層が、少なくとも1層の誘電体膜から成る請求項1〜4のいずれかの面発光半導体レーザ素子。
- 前記誘電体膜が、SiNx,SiOx,AlOx,TiOx,MgO,MgFのいずれかである請求項5の面発光半導体レーザ素子。
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