【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
直接遷移型のバンド構造を有するZnSeやGaNは、青色あるいは紫色の光を発する半導体レーザ装置、発光ダイオード等の半導体発光素子の材料として有望である。しかしながら、ZnSeやGaNからなる基板が存在しないため、このような半導体発光素子を形成する際には他の材料からなる基板を用いる必要がある。
【0003】
図6は従来のZnSe系半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。図6の半導体レーザ装置はM.A.Haase et al.,Appl.Phys.Lett.59(11),9 September 1991,pp.1272−1273に開示されている。
【0004】
図6において、n−GaAs基板21上に、n+ −ZnSeコンタクト層22、n−ZnSSeクラッド層23、CdZnSe/ZnSe量子井戸活性層24、p−ZnSSeクラッド層25、p+ −ZnSeコンタクト層26およびポリイミド層27が順に形成されている。ポリイミド層27の中央部にはストライプ状の開口部が形成されている。ポリイミド層27の上面およびp+ −ZnSeコンタクト層26の中央部の上面にはAu電極28が形成され、n−GaAs基板21の下面にはIn電極29が形成されている。
【0005】
このように、図6の半導体レーザ装置は、CdZnSe/ZnSe量子井戸活性層24をn−ZnSSeクラッド層23およびp−ZnSSeクラッド層25で挟んだダブルヘテロ構造のpn接合を有する。
【0006】
一方、図7は従来のGaN系発光ダイオードの構造を示す断面図である。図7の発光ダイオードは日経マイクロデバイス1994年2月号の第92頁〜第93頁に開示されている。
【0007】
図7において、サファイア(Al2 O3 )基板31上に、GaNバッファ層32、n−GaN層33、n−AlGaNクラッド層34、InGaN活性層35、p−AlGaNクラッド層36およびp−GaN層37が順に形成されている。n−GaN層33の上部領域およびn−AlGaNクラッド層34からp−GaN層37までの幅は、サファイア基板31からn−GaN層33の下部領域までの幅よりも狭く形成されている。p−GaN層37の上面に正電極38が形成され、n−GaN層33の上面に負電極39が形成されている。
【0008】
図7の発光ダイオードは、InGaN活性層35をn−AlGaNクラッド層34およびp−AlGaNクラッド層36で挟んだダブルヘテロ構造のpn接合を有し、青色の光を効率良く発生することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
表1に各種材料の格子定数および熱膨張係数を示す。
【0010】
【表1】
【0011】
表1から明らかなように、GaAsの格子定数はZnSeの格子定数に近くなっているが、GaN、サファイアおよびSiCの格子定数は互いに異なっている。
【0012】
図6のZnSe系半導体レーザ装置では、ZnSeに近い格子定数を有するGaAs基板を用いており、クラッド層の材料としてZnSSe混晶を用いている。この半導体レーザ装置においては、ある温度、例えば成長温度でZnSSe混晶を用いると格子整合がとれるが、他の温度、例えば室温にすると格子整合がとれず、転位が発生してしまうという問題がある。
【0013】
一方、図7のGaN系発光ダイオードでは、表1から明らかなように、GaNの格子定数がサファイアの格子定数と大きく異なっているので、サファイア上に成長したGaNに転位が発生する。
【0014】
これらの結果、上記の従来の半導体レーザ装置および発光ダイオードに通電すると、転位が増大し、素子寿命が短くなるという問題があった。
本発明の目的は、転位の発生が防止された半導体発光素子を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体発光素子は、SiC基板上にSiCからなる第1のクラッド層、InGaNからなる活性層およびSiCからなる第2のクラッド層が順に形成されたものである。
【0016】
活性層は、In組成の小さい複数のInGaN層とIn組成の大きい1以上のInGaN層とが交互に積層された多層膜により構成されてもよい。
【0017】
【作用】
本発明に係る半導体発光素子においては、SiC基板上にSiCからなる第1のクラッド層が形成されているので、格子定数および熱膨張係数が互いに一致している。したがって、比較的膜厚の厚いクラッド層が基板に対して広い温度範囲で格子整合しているので、クラッド層に転位が発生しない。
【0018】
また、活性層が直接遷移型のバンド構造を有するInGaNにより形成されているので、青色あるいは紫色の光を効率良く発することができる。活性層の膜厚はクラッド層の膜厚に比べて薄くてよいので、活性層の格子定数がクラッド層の格子定数と異なっても、格子が歪むだけで活性層での転位の発生が防止される。
【0019】
特に、In組成の小さいInGaN層はSiCに近い格子定数を有し、In組成の大きいInGaN層はSiCに比べて小さいバンドギャップを有する。したがって、活性層をIn組成の小さいInGaN層およびIn組成の大きいInGaN層の多層膜で構成すれば、In組成の小さいInGaN層によりクラッド層との格子整合をとり、かつIn組成の大きいInGaN層によりクラッド層とのバンドギャップの差を大きくすることができる。それにより、転位の発生を防止しつつ、光の閉じ込めを良くするために活性層の膜厚を厚くすることができる。
【0020】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例による発光ダイオードの構造を示す断面図である。
【0021】
図1において、n−SiC基板1上に、n−SiCクラッド層2、In1−x Gax N(0<x<1)活性層3およびp−SiCクラッド層4が順に形成されている。p−SiCクラッド層4の上面の中央部にAl電極5が形成され、n−SiC基板1の下面の中央部にNi電極6が形成されている。
【0022】
このように、図1の発光ダイオードは、直接遷移型のIn1−x Gax N活性層3を活性層3よりバンドギャップが大きくかつ屈折率の小さいn−SiCクラッド層2およびp−SiCクラッド層4で挟んだダブルヘテロ構造のpn接合を有している。
【0023】
表2に各種材料のバンドギャップ、線熱膨張係数、格子定数および格子不整合を示す。格子不整合は、GaNに対する格子定数のずれの割合(%)を示している。
【0024】
【表2】
【0025】
本実施例では、特にn−SiC基板1、n−SiCクラッド層2およびp−SiCクラッド層4の材料として、2.9eVのバンドギャップを有する6H−SiC、3.2eVのバンドギャップを有する4H−SiCまたは3.3eVのバンドギャップを有する2H−SiCを用いる。表2から明らかなように、6H−SiC、4H−SiCおよび2H−SiCの格子定数はいずれも3.08Åであり、GaNの格子定数3.16Åに近く、格子不整合が2.6%と小さくなっている。
【0026】
図2にIn1−x Gax NにおけるGa組成xとバンドギャップとの関係を示す。図2から明らかなように、In1−x Gax NのバンドギャップはGa組成xが0から1.0まで増加するにしたがって2.0eVから3.4eVまで変化する。
【0027】
n−SiCクラッド層2およびp−SiCクラッド層4の材料として2H−SiCを用いた場合には、In1−x Gax Nのバンドギャップが3.3よりも小さくなるように、Ga組成xを0.9よりも小さく設定する。また、4H−SiCを用いた場合には、In1−x Gax Nのバンドギャップが3.2eVよりも小さくなるようにGa組成xを0.9以下に設定し、6H−SiCを用いた場合には、In1−x Gax Nのバンドギャップが2.9eVよりも小さくなるようにGa組成xを0.7以下に設定する。
【0028】
表3にn−SiCクラッド層2およびp−SiCクラッド層4の成膜条件およびIn1−x Gax N活性層3の成膜条件を示す。
【0029】
【表3】
【0030】
表3に示すように、n−SiCクラッド層2およびp−SiCクラッド層4の成膜には、CVD(化学的気相成長)法を用い、原料ガスとしてSiH4 、C3 H8 、CH4 およびH2 を用いて基板温度を1500℃以下に設定する。n−SiCクラッド層2の成膜の際には、N2 およびNH3 を用いてn型不純物としてNをドープする。p−SiCクラッド層4の成膜の際には、TMA〔トリメチルアルミニウム;(CH3 )3 Al〕を用いてp型不純物としてAlをドープする。
【0031】
In1−x Gax N活性層3の成膜には、CVD法を用い、原料ガスとしてTMG〔トリメチルガリウム(CH3 )3 Ga〕、TMI〔トリメチルインジウム;(CH3 )3 In〕、TMA、NH3 、N2 およびH2 を用い、基板温度を750〜850℃に設定する。また、SiH4 を用いてn型不純物としてSiをドープしてもよく、Cp2 Mg〔ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム;Mg(C5 H5 )2 〕、DEZ〔ジエチルジンク;(C2 H5 )2 Zn〕等を用いてp型不純物としてMg、Zn、Cd等をドープしてもよい。
【0032】
図1の発光ダイオードにおいては、1μm以上の膜厚を有するクラッド層2,4がn−SiC基板1と同じSiCにより形成されるので、広い温度範囲で格子整合がとれ、転位が発生しない。また、In1−x Gax N活性層3の膜厚は数百Å(例えば500Å)程度に設定されるので、In1−x Gax Nの格子定数がn−SiC基板1の格子定数に一致していなくても、歪みを吸収する。したがって、転位の発生が防止される。
【0033】
このように、図1の発光ダイオードにおいては、広い温度範囲でn−SiCクラッド層2、In1−x Gax N活性層3およびp−SiCクラッド層4に転位が発生せず、n−SiC基板1上に高品質な結晶層が得られるため、発光効率が高く、かつ信頼性が高い。
【0034】
特に、n−SiCクラッド層2およびp−SiCクラッド層4として4H−SiCを用いた場合には、バンドギャップが約3.2eVであるので、In1−x Gax N活性層3は約3eV(波長で415nm付近)までの短波長光を効率良く発生する。
【0035】
図3は本発明の第2の実施例による半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
図3において、n−SiC基板11上に、n−SiCクラッド層12、In1−x Gax N活性層13、p−SiCクラッド層14、およびSiO2 、SiN等の絶縁層15が順に形成されている。絶縁層15の中央部にはストライプ状の開口部が形成されている。絶縁層15の上面およびp−SiCクラッド層14の中央部の上面にAl電極16が形成され、n−SiC基板11の下面にNi電極17が形成されている。
【0036】
n−SiC基板11の材料およびIn1−x Gax N活性層13のGa組成xは、第1の実施例と同様にして選択する。n−SiCクラッド層12およびp−SiCクラッド層14は光の閉じ込めのためにそれぞれ1μm程度の膜厚を有し、In1−x Gax N活性層13は数百Å(例えば500Å)程度の膜厚を有する。
【0037】
このように、図3の半導体レーザ装置においても、膜厚の薄い活性層を挟む膜厚の厚いクラッド層12,14がn−SiC基板11と同じSiCにより形成されているので、広い温度範囲で格子整合がとれ、転位の発生が防止される。それにより、n−SiC基板11上に高品質な結晶層が得られるため、発光効率が高く、かつ信頼性が高い。
【0038】
図4は本発明の第3の実施例による半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
図4の半導体レーザ装置においては、図3の半導体レーザ装置におけるIn1−x Gax N活性層13の代わりに多層膜活性層(量子井戸構造層)18が設けられている。多層膜活性層18は、図5に示すように、3つのIn0.1 Ga0.9 N層18aおよび2つのIn0.3 Ga0.7 N層18bが交互に積層されてなる。各In0.1 Ga0.9 N層18aは100Åの膜厚を有し、各In0.3 Ga0.7 N層18bは80Åの膜厚を有する。
【0039】
In組成(1−x)の小さいIn0.1 Ga0.9 N層18aはSiCに近い格子定数を有する。また、図2から明らかなように、In組成(1−x)の大きいIn0.3 Ga0.7 N層18bはSiCに比べて小さいバンドギャップを有する。したがって、In0.1 Ga0.9 N層18aによりn−SiCクラッド層12およびp−SiCクラッド層14に対して格子整合がとられる。また、In0.3 Ga0.7 N層18bによりn−SiCクラッド層12およびp−SiCクラッド層14とのバンドギャップの差を大きくすることができる。それにより、転位の発生を防止しつつ、In1−x Gax N活性層3の膜厚を厚くして光の閉じ込めを良くすることができる。
【0040】
このように、図4の半導体レーザ装置においても、広い温度範囲で転位の発生が防止され、n−SiC基板11上に高品質な結晶層が得られるので、発光効率が高く、かつ信頼性が高く、しかも光の閉じ込めが良好となる。
【0041】
上記実施例では、結晶の面方位が傾斜していないSiC基板を用いているが、結晶の面方位が低指数面から10°以下に傾けられた基板を用いてもよい。
また、上記実施例のように、SiC基板、n−SiCクラッド層およびp−SiCクラッド層を同じ結晶多系のSiCにより形成する方が、格子定数が一致するので好ましいが、SiC基板、n−SiCクラッド層およびp−SiCクラッド層のいずれかまたは全てを異なる結晶多系のSiCにより形成してもよい。ただし、SiC基板上のクラッド層はエピタキシャル成長により形成されるので、SiC基板とそれに接するクラッド層を同じ結晶多系のSiCにより形成する方が製造上容易である。
【0042】
さらに、上記実施例では、基板の側からnnp構造としているが、基板および各層を逆の導電型の層で形成し、基板の側からppn構造としてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、SiC基板上にSiCからなる第1のクラッド層、InGaNからなる活性層およびSiCからなる第2のクラッド層を順に形成することにより、広い温度範囲で格子整合がとれるので、転位の発生が防止され、SiC基板上に高品質な結晶層が得られる。したがって、発光効率が高く、信頼性の高い半導体発光素子が得られる。
【0044】
特に、活性層をIn組成の小さいInGaN層とIn組成の大きいInGaN層との多層膜で構成した場合には、光の閉じ込めを良くしつつ転位の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による発光ダイオードの構造を示す断面図である。
【図2】In1−x Gax NにおけるGa組成xとバンドギャップとの関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例による半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例による半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
【図5】図4の半導体レーザ装置における多層膜活性層の構造を示す図である。
【図6】従来のZnSe系半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
【図7】従来のGaN系発光ダイオードの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,11 n−SiC基板
2,12 n−SiCクラッド層
3,13 In1−x Gax N活性層
4,14 p−SiCクラッド層
18 多層膜活性層
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a semiconductor light emitting device.
[0002]
[Prior art]
ZnSe and GaN having a direct transition type band structure are promising as materials for semiconductor light emitting devices such as semiconductor laser devices and light emitting diodes that emit blue or violet light. However, since there is no substrate made of ZnSe or GaN, it is necessary to use a substrate made of another material when forming such a semiconductor light emitting device.
[0003]
FIG. 6 is a sectional view showing the structure of a conventional ZnSe-based semiconductor laser device. The semiconductor laser device of FIG. A. Haase et al. , Appl. Phys. Lett. 59 (11), 9 September 1991, pp. 139-143. 1272-1273.
[0004]
6, an n + -ZnSe contact layer 22, an n-ZnSSe cladding layer 23, a CdZnSe / ZnSe quantum well active layer 24, a p-ZnSSe cladding layer 25, and a p + -ZnSe contact layer 26 are formed on an n-GaAs substrate 21. And a polyimide layer 27 are formed in this order. A stripe-shaped opening is formed at the center of the polyimide layer 27. An Au electrode 28 is formed on an upper surface of the polyimide layer 27 and a central upper surface of the p + -ZnSe contact layer 26, and an In electrode 29 is formed on a lower surface of the n-GaAs substrate 21.
[0005]
As described above, the semiconductor laser device of FIG. 6 has a pn junction of a double hetero structure in which the CdZnSe / ZnSe quantum well active layer 24 is sandwiched between the n-ZnSSe clad layer 23 and the p-ZnSSe clad layer 25.
[0006]
FIG. 7 is a sectional view showing the structure of a conventional GaN-based light emitting diode. The light emitting diode of FIG. 7 is disclosed on pages 92 to 93 of Nikkei Microdevice, February, 1994.
[0007]
7, a GaN buffer layer 32, an n-GaN layer 33, an n-AlGaN cladding layer 34, an InGaN active layer 35, a p-AlGaN cladding layer 36, and a p-GaN layer are formed on a sapphire (Al 2 O 3 ) substrate 31. 37 are formed in order. The width from the upper region of the n-GaN layer 33 and the n-AlGaN cladding layer 34 to the p-GaN layer 37 is smaller than the width from the sapphire substrate 31 to the lower region of the n-GaN layer 33. A positive electrode 38 is formed on the upper surface of the p-GaN layer 37, and a negative electrode 39 is formed on the upper surface of the n-GaN layer 33.
[0008]
The light emitting diode of FIG. 7 has a pn junction of a double hetero structure in which an InGaN active layer 35 is sandwiched between an n-AlGaN cladding layer 34 and a p-AlGaN cladding layer 36, and can efficiently generate blue light.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
Table 1 shows lattice constants and thermal expansion coefficients of various materials.
[0010]
[Table 1]
[0011]
As is apparent from Table 1, the lattice constant of GaAs is close to that of ZnSe, but the lattice constants of GaN, sapphire, and SiC are different from each other.
[0012]
In the ZnSe-based semiconductor laser device of FIG. 6, a GaAs substrate having a lattice constant close to that of ZnSe is used, and a ZnSSe mixed crystal is used as a material of the cladding layer. In this semiconductor laser device, lattice matching can be achieved if ZnSSe mixed crystal is used at a certain temperature, for example, a growth temperature, but there is a problem that lattice matching cannot be performed at another temperature, for example, room temperature, and dislocation occurs. .
[0013]
On the other hand, in the GaN-based light-emitting diode of FIG. 7, as is apparent from Table 1, since the lattice constant of GaN is significantly different from that of sapphire, dislocation occurs in GaN grown on sapphire.
[0014]
As a result, when the above-described conventional semiconductor laser device and light-emitting diode are energized, dislocations increase and the element life is shortened.
An object of the present invention is to provide a semiconductor light emitting device in which occurrence of dislocation is prevented.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The semiconductor light-emitting device according to the present invention has a structure in which a first clad layer made of SiC, an active layer made of InGaN, and a second clad layer made of SiC are sequentially formed on a SiC substrate.
[0016]
The active layer may be formed of a multilayer film in which a plurality of InGaN layers having a small In composition and one or more InGaN layers having a large In composition are alternately stacked.
[0017]
[Action]
In the semiconductor light emitting device according to the present invention, since the first cladding layer made of SiC is formed on the SiC substrate, the lattice constant and the thermal expansion coefficient match each other. Therefore, since the relatively thick clad layer is lattice-matched to the substrate in a wide temperature range, no dislocation occurs in the clad layer.
[0018]
Further, since the active layer is formed of InGaN having a direct transition type band structure, blue or purple light can be efficiently emitted. Since the thickness of the active layer can be smaller than the thickness of the cladding layer, even if the lattice constant of the active layer is different from the lattice constant of the cladding layer, dislocation in the active layer is prevented only by distortion of the lattice. You.
[0019]
In particular, an InGaN layer having a small In composition has a lattice constant close to that of SiC, and an InGaN layer having a large In composition has a band gap smaller than that of SiC. Therefore, if the active layer is composed of a multilayer film of an InGaN layer having a small In composition and an InGaN layer having a large In composition, lattice matching with the cladding layer is achieved by the InGaN layer having a small In composition, and the InGaN layer having a large In composition is formed by the InGaN layer. The difference in band gap from the cladding layer can be increased. Thereby, the thickness of the active layer can be increased in order to improve the light confinement while preventing the occurrence of dislocation.
[0020]
【Example】
FIG. 1 is a sectional view showing a structure of a light emitting diode according to a first embodiment of the present invention.
[0021]
In Figure 1, on n-SiC substrate 1, n-SiC cladding layer 2, In 1-x Ga x N (0 <x <1) active layer 3 and p-SiC cladding layer 4 are formed in this order. An Al electrode 5 is formed at the center of the upper surface of the p-SiC cladding layer 4, and a Ni electrode 6 is formed at the center of the lower surface of the n-SiC substrate 1.
[0022]
As described above, in the light emitting diode of FIG. 1, the direct transition type In 1-x Ga x N active layer 3 has the n-SiC cladding layer 2 and the p-SiC cladding layer 2 having a larger band gap and a smaller refractive index than the active layer 3. It has a pn junction of a double hetero structure sandwiched between layers 4.
[0023]
Table 2 shows the band gap, coefficient of linear thermal expansion, lattice constant and lattice mismatch of various materials. The lattice mismatch indicates the ratio (%) of the shift of the lattice constant with respect to GaN.
[0024]
[Table 2]
[0025]
In this embodiment, as materials for the n-SiC substrate 1, the n-SiC cladding layer 2, and the p-SiC cladding layer 4, in particular, 6H-SiC having a band gap of 2.9 eV and 4H having a band gap of 3.2 eV are used. -SiC or 2H-SiC having a band gap of 3.3 eV is used. As is clear from Table 2, the lattice constants of 6H-SiC, 4H-SiC and 2H-SiC are all 3.08 °, close to the lattice constant of GaN of 3.16 °, and the lattice mismatch is 2.6%. It is getting smaller.
[0026]
FIG. 2 shows the relationship between the Ga composition x and the band gap in In 1-x Ga x N. As is apparent from FIG. 2, the band gap of In 1-x Ga x N changes from 2.0 eV to 3.4 eV as the Ga composition x increases from 0 to 1.0.
[0027]
When 2H-SiC is used as the material of the n-SiC cladding layer 2 and the p-SiC cladding layer 4, the Ga composition x is set so that the band gap of In 1-x Ga x N becomes smaller than 3.3. Is set smaller than 0.9. When 4H-SiC was used, Ga composition x was set to 0.9 or less so that the band gap of In 1-x Ga x N was smaller than 3.2 eV, and 6H-SiC was used. In this case, the Ga composition x is set to 0.7 or less so that the band gap of In 1-x Ga x N becomes smaller than 2.9 eV.
[0028]
Table 3 shows the conditions for forming the n-SiC cladding layer 2 and the p-SiC cladding layer 4 and the conditions for forming the In 1-x Ga x N active layer 3.
[0029]
[Table 3]
[0030]
As shown in Table 3, the n-SiC cladding layer 2 and the p-SiC cladding layer 4 were formed using a CVD (chemical vapor deposition) method, and SiH 4 , C 3 H 8 , and CH were used as source gases. The substrate temperature is set to 1500 ° C. or lower using H 4 and H 2 . At the time of forming the n-SiC cladding layer 2, N is doped as an n-type impurity using N 2 and NH 3 . When forming the p-SiC cladding layer 4, Al is doped as a p-type impurity using TMA [trimethyl aluminum; (CH 3 ) 3 Al].
[0031]
The In 1-x Ga x N active layer 3 is formed by a CVD method using TMG [trimethylgallium (CH 3 ) 3 Ga], TMI [trimethyl indium; (CH 3 ) 3 In], and TMA as source gases. , NH 3 , N 2 and H 2 , and the substrate temperature is set at 750-850 ° C. Moreover, Si may be doped as an n-type impurity using SiH 4 , and Cp 2 Mg [bis (cyclopentadienyl) magnesium; Mg (C 5 H 5 ) 2 ], DEZ [diethyl zinc; (C 2 H 5 ) 2 Zn] or the like, and may be doped with Mg, Zn, Cd, or the like as a p-type impurity.
[0032]
In the light emitting diode of FIG. 1, the cladding layers 2 and 4 having a thickness of 1 μm or more are formed of the same SiC as the n-SiC substrate 1, so that lattice matching can be achieved in a wide temperature range and no dislocation occurs. Further, since the film thickness of the In 1-x Ga x N active layer 3 is set to about several hundreds of degrees (for example, 500 degrees), the lattice constant of the In 1-x Ga x N becomes the lattice constant of the n-SiC substrate 1. Even if they do not match, they absorb the distortion. Therefore, occurrence of dislocation is prevented.
[0033]
As described above, in the light emitting diode of FIG. 1, no dislocation occurs in the n-SiC cladding layer 2, the In 1-x Ga x N active layer 3 and the p-SiC cladding layer 4 over a wide temperature range, and the n-SiC Since a high-quality crystal layer is obtained on the substrate 1, luminous efficiency is high and reliability is high.
[0034]
In particular, when 4H-SiC is used as the n-SiC cladding layer 2 and the p-SiC cladding layer 4, the band gap is about 3.2 eV, so that the In 1-x Ga x N active layer 3 has about 3 eV. (Wavelength of about 415 nm) is efficiently generated.
[0035]
FIG. 3 is a sectional view showing the structure of a semiconductor laser device according to a second embodiment of the present invention.
3 formed, on the n-SiC substrate 11, n-SiC cladding layer 12, In 1-x Ga x N active layer 13, p-SiC cladding layer 14, and SiO 2, the insulating layer 15 of SiN or the like in order Have been. A stripe-shaped opening is formed at the center of the insulating layer 15. An Al electrode 16 is formed on an upper surface of the insulating layer 15 and an upper surface of a central portion of the p-SiC cladding layer 14, and a Ni electrode 17 is formed on a lower surface of the n-SiC substrate 11.
[0036]
The material of the n-SiC substrate 11 and the Ga composition x of the In 1-x Ga x N active layer 13 are selected in the same manner as in the first embodiment. Each of the n-SiC cladding layer 12 and the p-SiC cladding layer 14 has a thickness of about 1 μm for confining light, and the In 1-x Ga x N active layer 13 has a thickness of about several hundreds of degrees (for example, about 500 degrees). It has a film thickness.
[0037]
As described above, also in the semiconductor laser device of FIG. 3, since the thick cladding layers 12 and 14 sandwiching the thin active layer are formed of the same SiC as the n-SiC substrate 11, the semiconductor laser device of FIG. Lattice matching is achieved, and generation of dislocations is prevented. As a result, a high-quality crystal layer is obtained on the n-SiC substrate 11, so that the luminous efficiency is high and the reliability is high.
[0038]
FIG. 4 is a sectional view showing the structure of a semiconductor laser device according to a third embodiment of the present invention.
In the semiconductor laser device of FIG. 4, a multilayer active layer (quantum well structure layer) 18 is provided in place of the In 1-x Ga x N active layer 13 in the semiconductor laser device of FIG. As shown in FIG. 5, the multilayer active layer 18 is formed by alternately stacking three In 0.1 Ga 0.9 N layers 18a and two In 0.3 Ga 0.7 N layers 18b. Each In 0.1 Ga 0.9 N layer 18a has a thickness of 100 °, and each In 0.3 Ga 0.7 N layer 18b has a thickness of 80 °.
[0039]
Small In 0.1 Ga 0.9 N layer 18a of In composition (1-x) has a lattice constant close to SiC. In addition, as apparent from FIG. 2, the In 0.3 Ga 0.7 N layer 18b having a large In composition (1-x) has a smaller band gap than SiC. Therefore, the In 0.1 Ga 0.9 N layer 18 a achieves lattice matching with the n-SiC cladding layer 12 and the p-SiC cladding layer 14. Further, the difference in band gap between the n-SiC cladding layer 12 and the p-SiC cladding layer 14 can be increased by the In 0.3 Ga 0.7 N layer 18b. This makes it possible to increase the film thickness of the In 1-x Ga x N active layer 3 and improve light confinement while preventing the occurrence of dislocations.
[0040]
As described above, also in the semiconductor laser device of FIG. 4, generation of dislocations is prevented in a wide temperature range, and a high-quality crystal layer is obtained on the n-SiC substrate 11, so that the luminous efficiency is high and the reliability is high. It is high and the light confinement is good.
[0041]
In the above embodiment, the SiC substrate in which the plane orientation of the crystal is not inclined is used, but a substrate in which the plane orientation of the crystal is inclined by 10 ° or less from the low index plane may be used.
As in the above embodiment, it is preferable that the SiC substrate, the n-SiC cladding layer and the p-SiC cladding layer are formed of the same polycrystalline SiC since their lattice constants match, but the SiC substrate and the n- Any or all of the SiC cladding layer and the p-SiC cladding layer may be formed of different polycrystalline SiC. However, since the clad layer on the SiC substrate is formed by epitaxial growth, it is easier in manufacturing to form the SiC substrate and the clad layer in contact therewith with the same polycrystalline SiC.
[0042]
Further, in the above-described embodiment, the pnp structure is used from the substrate side. However, the substrate and each layer may be formed by layers of opposite conductivity types, and the ppn structure may be used from the substrate side.
[0043]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the first clad layer made of SiC, the active layer made of InGaN, and the second clad layer made of SiC are sequentially formed on the SiC substrate, so that lattice matching can be performed in a wide temperature range. As a result, generation of dislocation is prevented, and a high-quality crystal layer can be obtained on the SiC substrate. Therefore, a highly reliable semiconductor light emitting device having high luminous efficiency can be obtained.
[0044]
In particular, when the active layer is formed of a multilayer film of an InGaN layer having a small In composition and an InGaN layer having a large In composition, it is possible to prevent dislocations from occurring while improving light confinement.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a structure of a light emitting diode according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing the relationship between Ga composition x and band gap in In 1-x Ga x N.
FIG. 3 is a sectional view showing a structure of a semiconductor laser device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a sectional view showing a structure of a semiconductor laser device according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing a structure of a multilayer active layer in the semiconductor laser device of FIG. 4;
FIG. 6 is a cross-sectional view showing the structure of a conventional ZnSe-based semiconductor laser device.
FIG. 7 is a cross-sectional view illustrating a structure of a conventional GaN-based light emitting diode.
[Explanation of symbols]
1, 11 n-SiC substrate 2, 12 n-SiC cladding layer 3,13 In 1-x Ga x N active layer 4, 14 p-SiC cladding layer 18 multilayer active layer Incidentally, the same reference numerals in each drawing are the same or The corresponding parts are shown.