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JP3555587B2 - 移動端末管理システム - Google Patents

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JP3555587B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯情報端末や携帯電話等の移動端末を取り扱うパケットネットワークに関し、特に移動端末の移動管理に関する。
【0002】
【従来の技術】
MobileIPは、移動端末がもともと接続されていたサブネットワークから別のサブネットワークに移動した際に、移動端末のIPアドレスの変更を伴わずに通信相手と通信が行えることを目的としている。このMobileIPでは、携帯情報端末など頻繁に動き回って接続サブネットワークが変わるノードを移動端末(Mobile Node;略してMN)、移動端末がもともと接続されていたサブネットワークをホームリンク(Home Link;略してHL)、ホームリンクにあって移動端末の留守を預かるノードをホームエージェント(Home Agent;略してHA)、移動端末が実際につながっているサブネットワークをフォリンリンク(Foreign Link;略してFL)、フォリンリンクにあって移動端末が当該フォリンリンクにいる間の世話をするノードをフォリンエージェント(Foreign Agent;略してFA)、移動端末がフォリンリンクで割り当てられたアドレスを気付アドレス(care−of
address、略してCOA)、接続サブネットワークに依存せず移動端末に一意に割り当てられたアドレスをホームアドレス(home address)と呼ぶ。なお、移動端末の通信相手(Correspondennce Node;略してCN)には他の移動端末以外に固定端末も含まれる。
【0003】
MobileIPでは、概ね以下のような処理が行われる。
【0004】
(1)移動端末がホームリンクにいる場合
この場合は通常のTCP/IPと同じ状態であり、移動端末は通信相手と通常と同じ方法で通信を行う。
【0005】
(2)移動端末がホームリンク以外にいる場合
移動端末がホームリンク以外にいることに気づいたとき、ホームアドレス宛のパケットを全て自端末に転送してもらうため、フォリンエージェントを通じてホームエージェントに対して新たな気付アドレスを通知するHome Registrationを行う。
【0006】
(2−1)パケットの到着
通信相手から送出されホームアドレスをめざしているパケットは通常のIPルーティングのメカニズムに従ってホームリンクまで到着する。ホームエージェントはProxy ARPなどの方法でこのパケットを捕捉し、移動端末のいるネットワークのフォリンエージェントに向けてトンネリングを用いて転送することで、移動端末にパケットを届ける。
【0007】
(2−2)パケットの送出
移動端末から通信相手に対してパケットを送出するときは、IPヘッダのソースアドレスはホームアドレスのまま送信する。途中で何かエラーが発生した場合、ホームアドレスに送られるので、結果的に前述の機構を用いて移動端末に返ってくる。
【0008】
ところで、より高速で広帯域な移動体通信サービスに対応する次世代移動体通信システム「IMT2000」の標準化の検討が進められており、主要なサービスの一つにIPパケット通信の提供がある。そして、このIMT2000網上における移動端末の位置管理方法として、前述したMobileIPの適用が検討されている。
【0009】
図9にIMT2000網で想定されているIPパケット網のネットワーク構成を示す。図9において、移動端末1121、1122はIMT2000のIPパケット網が管理主体となって割り当てられたIPアドレス(ホームアドレス)を持ち、無線基地局1102〜1105を介して移動先のパケットデータサポートノード(PDSN:Packet Data Support Node)1106、1107との間で無線アクセスリンクの設定と管理を行う。
【0010】
パケットデータゲートウェイノード(PDGN:Packet Data Gateway Node)1108は、IMT2000パケット網とインターネット等のIPコアネットワーク1111を接続するゲートウェイルータ機能を提供すると共に、MobileIPのホームエージェント機能を提供する。
【0011】
パケットデータサポートノード1106、1107は、IMT2000パケット網内の特定エリア毎に存在し、或る一定数の無線基地局1102〜1105を束ねた形で設けられる。このパケットデータサポートノード1106、1107は無線基地局1102〜1105を介して接続される移動端末1121、1122との間で、無線アクセスリンクの設定と管理を行うと共に、MobileIPのフォリンエージェント機能を提供する。更にパケットデータサポートノード1106、1107は、移動端末1121、1122から送信されるパケットに対するデフォルトルータの役割も提供する。
【0012】
このように構成されたIMT2000網では以下のような処理が行われる。
【0013】
最初に移動端末1121は、無線基地局毎に一意に決定されるパケットデータサポートノード1106との間で、無線アクセスリンクを設定し、MobileIP登録要求を送信する。パケットデータサポートノード1106は、このMobileIP登録要求を受信してパケットデータゲートウェイノード1108に転送する。パケットデータゲートウェイノード1108は、MobileIP登録要求を受信すると、移動端末1121のIPアドレスと現在接続されているパケットデータサポートノード1106のIPアドレスとの対応を管理し、MobileIP登録応答をパケットデータサポートノード1106に返す。パケットデータサポートノード1106は、受信したMobileIP登録応答を移動端末1121に転送し、移動端末1121のIPアドレスと無線アクセスリンクのリンクIDとの対応を管理する。
【0014】
IPコアネットワーク1111に接続された通信相手1112から移動端末1121宛に送信されたIPパケットは、全てパケットデータゲートウェイノード1108で捕捉され、移動端末1121のフォリンエージェント機能を持つパケットデータサポートノード1106までIPトンネリングにより転送される。パケットデータサポートノード1106は、IPトンネリングされたIPパケットの内容を復元し、対応するリンクIDを持つ無線アクセスリンクを介して移動端末1121に転送する。他方、移動端末1121から通信相手1112宛に送信されたIPパケットは、パケットデータサポートノード1106が宛先に応じてルーティングし、転送する。また、移動端末1121から別の移動端末1122宛に送信されたIPパケットは、送信元の移動端末1121のフォリンエージェント機能を持つパケットデータサポートノード1106からパケットデータゲートウェイノード1108までルーティングされ、パケットデータゲートウェイノード1108から送信先の移動端末1122のフォリンエージェント機能を持つパケットデータサポートノード1107にIPトンネリングされ、最終的に移動端末1122に届けられる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、IMT2000網で想定されているIPパケット網のネットワーク構成では、或る一定数の無線基地局を束ねた形で設けられるパケットデータサポートノードに移動端末のフォリンエージェント機能を持たせるようにしている。このため、パケットデータサポートノード配下の無線基地局でカバーされるエリア内に居る複数の移動端末宛に、外部インターネットからIPパケットが一斉に到着すると、パケットデータサポートノードの負荷が急増するという課題がある。
【0016】
そこで本発明の目的は、移動端末のフォリンエージェント機能を提供するノードへの負荷集中を抑えることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動端末管理システムは、複数の無線基地局を束ねた形で設けられ、前記無線基地局を介して接続される移動端末との間で無線アクセスリンクの設定と管理を行う第1のノードと、IPコアネットワークを接続するゲートウェイルータ機能を提供すると共に前記移動端末のホームエージェント機能を提供する第2のノードとを含み、複数の移動端末に対して移動体通信サービスを提供する移動体通信ネットワークにおいて、前記第2のノードは前記第1のノードと前記無線基地局とに接続されており、且つ、前記第2のノードは、前記複数の移動端末の内の一部の移動端末についてはそのフォリンエージェント機能を当該移動端末が現に利用している前記無線基地局に置き、残りの移動端末についてはそのフォリンエージェント機能を当該移動端末が現に利用している前記無線基地局を配下に持つ前記第1のノードに置き、フォリンエージェント機能が前記第1のノードに置かれた前記移動端末と通信相手との間で授受されるパケットは前記第1のノード及び前記無線基地局経由で転送し、フォリンエージェント機能が前記無線基地局に置かれた前記移動端末と通信相手との間で授受されるパケットは前記第1のノードを経由せず前記無線基地局経由で直接転送することを特徴とする。
【0018】
個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかは、個々の移動端末からの位置登録時に決定する。また、個々の移動端末のフォリンエージェントの配置場所を移動端末とその通信相手との間のセッション確立中に変化させることもできる。
【0019】
個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかは、個々の移動端末の加入者データに設定されている情報に基づいて決定することができる。その際、個々の移動端末の移動特性に基づいて決定しても良いし、個々の移動端末の単位時間当たりのフォリンエージェントの切り替え頻度に基づいて決定しても良い。更に、個々の移動端末の機種タイプに基づいて決定したり、移動体通信ネットワークのパケット網の資源の使用状況に基づいて決定することもできる。
【0020】
また、前記移動端末のフォリンエージェントの配置場所を次回の位置登録要求を待たずに変化させるようにしても良い。その際、個々の移動端末のフォリンエージェントの配置場所を移動端末とその通信相手との間のセッション確立中に変化させることもできる。また、移動体通信ネットワークのパケット網の資源の使用状況に基づいて前記移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させるようにしても良いし、前記移動端末のユーザアプリケーションの遅延要求に応じて前記移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させるようにしても良い。
【0021】
【作用】
本発明の移動端末管理システムにあっては、複数の移動端末のフォリンエージェント機能が第1のノード、その配下の各無線基地局に分散されるため、第1のノード配下の無線基地局でカバーされるエリア内に居る複数の移動端末宛に、インターネット等のIPコアネットワークからIPパケットが一斉に到着しても、移動端末のフォリンエージェント機能を提供するノード(無線基地局および第1のノード)への負荷集中を抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態にかかるシステム構成図である。図1において、101は移動体通信システムであり、複数の無線基地局102〜105と、無線基地局102及び無線基地局103に対応して設けられた第1のノード106と、無線基地局104及び無線基地局105に対応して設けられた同じく第1のノード107と、外部のIPコアネットワーク111に接続された第2のノード108と、この第2のノード108に接続された監視装置109とを含んで構成され、複数の移動端末121、122に対してパケット通信による移動体通信サービスを提供する。移動体通信システム101がIMT2000の場合、第1のノード106、107はパケットデータサービスノードに相当し、第2のノード108はパケットデータゲートウェイノードに相当し、IPコアネットワーク111は外部のインターネットに相当する。
【0024】
移動端末121、122は、移動体通信システム101が管理主体となって割り当てられたIPアドレス(ホームアドレス)を持ち、MobileIPの移動端末に相当する。また移動端末121、122は、最寄りの無線基地局102〜105を介して、第1のノード106、107との間で無線アクセスリンクの設定と管理を行う。
【0025】
第2のノード108は、移動体通信システム101のパケット網とIPコアネットワーク111を接続するゲートウェイルータ機能を提供すると共に、MobileIPのホームエージェント機能を提供する。また、第2のノード108は移動端末121、122のフォリンエージェント機能を無線基地局102〜105及び第1のノード106、107の何れに配置するかを決定する機能を持つ。第2のノード108は、パス131、132を通じて第1のノード106、107に接続されると共に、パス141、142、143、144を通じて無線基地局102、103、104、105とも直接に接続されている。
【0026】
第1のノード106、107は、移動体通信システム101のパケット網内の特定エリア毎に存在し、或る一定数(図1の場合は2つずつ)の無線基地局102〜105を束ねた形で設けられる。この第1のノード106、107は、無線基地局102〜105を介して接続される移動端末121、122との間で、無線アクセスリンクの設定と管理を行うと共に、MobileIPのフォリンエージェント機能を提供し、更に移動端末121、122から送信されるパケットに対するIPルーティング機能も備えている。第1のノード106は、パス131を介して第2のノード108に、パス133を介して第1のノード107に、パス151、152を介して無線基地局102、103にそれぞれ接続される。第2のノード107は、パス132を介して第2のノード108に、パス133を介して第1のノード106に、パス153、154を介して無線基地局104、105にそれぞれ接続される。
【0027】
無線基地局102〜105は、無線ゾーン内の特定エリア毎に存在し、無線アクセスリンクによって移動端末121、122に接続すると共に第1のノード106、107とも接続する。また、各無線基地局102〜105は、MobileIPのフォリンエージェント機能を提供すると共にIPルーティング機能も備えている。
【0028】
監視装置109は、各移動端末121、122毎の加入者データを保持管理する。1つの移動端末当たりの加入者データの例を図2に示す。移動端末識別番号1091は当該移動端末を一意に識別する番号であり、それに対応して移動特性データ1092を含む加入者データが蓄積される。移動特性データ1092は、当該移動端末の過去一定期間にわたる移動特性を示す。移動特性データ1092は、当該移動端末が利用した無線基地局の識別子及びその日時を含むリスト1094と、当該リスト1094から決定した当該移動端末の移動属性フラグ1093とを含む。移動属性フラグ1093は、例えば、当該移動端末が利用する無線基地局の過去一定期間内における切り替え頻度が所定の閾値以下であれば、殆ど移動しないか全く移動しないことを示す値“0”に設定され、所定の閾値を超えていれば、頻繁に移動するか時々移動することを示す値“1”に設定される。移動特性データ1092は、移動端末からのMobileIP登録要求時に更新、参照される。
【0029】
図3乃至図8は本実施の形態における処理シーケンス図であり、併せて移動端末、第1及び第2のノード、通信相手で行われる処理例を示す。なお、このような処理は移動端末、第1及び第2のノード、通信相手を構成するメモリに記憶されたプログラムに従ってそれらを構成するコンピュータで実行される。以下、各図を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0030】
先ず、図1の移動端末121を例にして、移動端末のフォリンエージェント機能を無線基地局に配置する場合の処理を図3を参照して説明する。
【0031】
最初に移動端末121は、最寄りの無線基地局102を通じてその無線基地局102に対応する第1のノード106との間に無線アクセスリンクを設定する(S101)。次に移動端末121は、設定された無線アクセスリンクを通じて第1のノード106にMobileIP登録要求を送信する(S102)。このMobileIP登録要求には、移動端末121のIPアドレスと移動端末識別子とが設定される。第1のノード106は、このMobileIP登録要求を受信すると、当該MobileIP登録要求に更に無線基地局102を特定する無線基地局識別子を付加して、第2のノード108へ転送する(S103)。
【0032】
第2のノード108は、MobileIP登録要求を受信すると、移動端末121のフォリンエージェントを配置する場所を決定する(S104)。具体的には、要求中に設定された移動端末121の移動端末識別子に対応する加入者データを監視装置109からアクセスし、要求中に設定された無線基地局102の識別子と現在日時の組をリスト1094に登録した後、登録後のリスト1094から当該移動端末が利用する無線基地局の過去一定期間内における切り替え頻度を求めて所定の閾値と比較し、閾値以下であれば移動属性フラグ1093の値を“0”にし、閾値を超えていれば“1”にする。そして、移動端末属性フラグ1093の値が“0”であれば、エージェントを配置する場所を無線基地局に決定し、“1”であれば、エージェントを配置する場所を無線基地局を配下に持つ第1のノードに決定する。ここで、説明の便宜上、移動端末121の移動属性フラグ1093が値“0”であったとすると、移動端末121のフォリンエージェント機能は無線基地局102に配置すると決定される。
【0033】
次に第2のノード108は、移動端末121のIPアドレスと、フォリンエージェント(今の場合は登録要求中に設定された無線基地局識別子が示す無線基地局102)のIPアドレスとの対応を内部の図示しないメモリで管理する(S105)。第2のノード108は事前に無線基地局102〜105、第1及び第2のノード106、107のIPアドレスを把握しているので、フォリンエージェントのIPアドレスはそれを使用する。次に第2のノード108は、決定したフォリンエージェントである無線基地局102に対し、移動端末121の無線端末識別子及びIPアドレスを指定したMobileIP登録要求を送信する(S106)。この送信はパス141を通じて直接行われる。
【0034】
無線基地局102は、このMobileIP登録要求を受信すると、当該要求で指定された移動端末121のIPアドレスと、当該移動端末121との間に設定された前記無線アクセスリンクのリンクIDとの対応を図示しない内部のメモリで管理し、自らに移動端末121のフォリンエージェント機能を生成する(S107)。つまり、フォリンエージェントのインスタンス生成を行う。そして、無線基地局102は、自局の識別子を指定したMobileIP登録応答を移動端末121に送信する(S108)。移動端末121はこの登録応答の受信により、Mobile登録要求の完了を認識すると共に、無線基地局102がフォリンエージェントであることを認識する。
【0035】
次に、図1の移動端末122を例にして、移動端末のフォリンエージェント機能を第1のノードに配置する場合の処理を図4を参照して説明する。
【0036】
移動端末122が最寄りの無線基地局105と無線アクセスリンクを設定し、MobileIP登録要求を第2のノード108に送るまでの処理S201〜203は、図3のS101〜S103と同じである。第2のノード108は、MobileIP登録要求を受信すると、要求中に設定された移動端末122の移動端末識別子に対応する加入者データを監視装置109からアクセスし、リスト1094に現在日時と無線基地局105の識別子の組を登録した後に移動属性フラグ1093を必要に応じて更新し、更新後の移動属性フラグ1093に基づき、移動端末122のフォリンエージェント機能の配置場所を決定する(S204)。今、説明の便宜上、移動属性フラグ1093が値“1”であったとすると、移動端末122のフォリンエージェント機能は第1のノード107に配置すると決定される。
【0037】
次に第2のノード108は、移動端末122のIPアドレスと、フォリンエージェント(今の場合は登録要求を転送してきた第1のノード107)のIPアドレスとの対応を内部の図示しないメモリで管理する(S205)。そして、第2のノード108は、決定したフォリンエージェントである第1のノード107に対し、移動端末122の無線端末識別子及びIPアドレスを設定したMobileIP登録応答を送信する(S206)。
【0038】
第1のノード107は、このMobileIP登録応答を受信すると、当該応答で指定された移動端末122のIPアドレスと、当該移動端末122との間に設定された前記無線アクセスリンクのリンクIDとの対応を図示しない内部のメモリで管理し、自らに移動端末122のフォリンエージェント機能を生成する(S207)。そして、第1のノード107は、自ノードの識別子を指定したMobileIP登録応答を無線基地局105を通じて移動端末122に送信する(S208)。移動端末122はこの登録応答の受信により、Mobile登録要求の完了を認識すると共に、第1のノード107がフォリンエージェントであることを認識する。
【0039】
次に、無線基地局102にフォリンエージェント機能が配置された移動端末121とIPコアネットワーク111に接続された通信相手112との間のパケット通信時の処理について図5を参照して説明する。
【0040】
通信相手112が、発信先IPアドレスに移動端末121のIPアドレスを設定したパケットをIPコアネットワーク111に送信すると(S301)、移動端末121のホームエージェント機能を持つ第2のノード108で捕獲される(S302)。第2のノード108は、捕獲したパケットの発信先IPアドレスに対応するフォリンエージェント(今の場合は無線基地局102)のIPアドレスを内部メモリから参照し、発信先IPアドレスが無線基地局102のIPアドレス、発信元IPアドレスが第2のノード108のIPアドレスであるトンネリング用のヘッダを前記捕獲したパケットの先頭に付加して、無線基地局102に当該パケットをトンネリングする(S303)。
【0041】
無線基地局102は、トンネリングされてきたパケットからトンネリング用ヘッダを除去して元のパケットを復元し(S304)、そのパケットの発信先IPアドレスに対応する無線アクセスリンクのリンクIDを内部メモリから参照して、該当するリンクIDを持つ無線アクセスリンクを介して移動端末121に当該パケットを送信する(S305)。
【0042】
他方、自らがフォリンエージェント機能を担っている移動端末121にかかる無線アクセスリンクを通じて移動端末121から通信相手112宛にパケットが送信されると(S306)、無線基地局102は、そのパケットを捕獲し(S307)、直接IPルーティングによってパケットを通信相手112へ転送する(S308)。
【0043】
次に、第1のノード107にフォリンエージェント機能が配置された移動端末122とIPコアネットワーク111に接続された通信相手112との間のパケット通信時の処理について図6を参照して説明する。
【0044】
通信相手112が、発信先IPアドレスに移動端末122のIPアドレスを設定したパケットをIPコアネットワーク111に送信すると(S401)、移動端末122のホームエージェント機能を持つ第2のノード108で捕獲される(S402)。第2のノード108は、捕獲したパケットの発信先IPアドレスに対応するフォリンエージェント(今の場合は第1のノード107)のIPアドレスを内部メモリから参照し、発信先IPアドレスが第1のノード107のIPアドレス、発信元IPアドレスが第2のノード108のIPアドレスであるトンネリング用のヘッダを前記捕獲したパケットの先頭に付加して、第1のノード107に当該パケットをトンネリングする(S403)。
【0045】
第1のノード107は、トンネリングされてきたパケットからトンネリング用ヘッダを除去して元のパケットを復元し(S404)、そのパケットの発信先IPアドレスに対応する無線アクセスリンクのリンクIDを内部メモリから参照して、該当するリンクIDを持つ無線アクセスリンクを介して移動端末122に当該パケットを送信する(S405)。
【0046】
他方、移動端末122から無線アクセスリンクを通じて通信相手112宛にパケットが送信されると、無線基地局105は当該移動端末122のフォリンエージェント機能を有しないため当該パケットを捕獲せず、当該パケットは第1のノード107に受信される。第1のノード107は、直接IPルーティングによってパケットを通信相手112へ転送する(S407)。
【0047】
次に、無線基地局102にフォリンエージェント機能が配置された移動端末121と第1のノード107にフォリンエージェント機能が配置された移動端末122との間のパケット通信時の処理について図7を参照して説明する。
【0048】
移動端末121が、発信先IPアドレスに移動端末122のIPアドレスを設定したパケットを送信すると(S501)、移動端末121のフォリンエージェント機能を持つ無線基地局102がそのパケットを捕獲し(S502)、直接IPルーティングによってパケットを移動端末122のホームエージェントである第2のノード108へ転送する(S503)。第2のノード108は、受信したパケットの発信先IPアドレスに対応するフォリンエージェント(今の場合は第1のノード107)のIPアドレスを内部メモリから参照し、発信先IPアドレスが第1のノード107のIPアドレス、発信元IPアドレスが第2のノード108のIPアドレスであるトンネリング用のヘッダを前記受信したパケットの先頭に付加して、第1のノード107に当該パケットをトンネリングする(S504)。第1のノード107は、トンネリングされてきたパケットからトンネリング用ヘッダを除去して元のパケットを復元し(S505)、そのパケットの発信先IPアドレスに対応する無線アクセスリンクのリンクIDを内部メモリから参照して、該当するリンクIDを持つ無線アクセスリンクを介して移動端末122に当該パケットを送信する(S506)。
【0049】
他方、移動端末122から無線アクセスリンクを通じて移動端末121宛のパケットが送信されると(S507)、無線基地局105は当該移動端末122のフォリンエージェント機能を有しないため当該パケットを捕獲せず、当該パケットは第1のノード107に受信される。第1のノード107は、直接IPルーティングによってパケットを移動端末121のホームエージェントである第2のノード108に転送する(S508)。第2のノード108は、捕獲したパケットの発信先IPアドレスに対応するフォリンエージェント(今の場合は無線基地局102)のIPアドレスを内部メモリから参照し、発信先IPアドレスが無線基地局102のIPアドレス、発信元IPアドレスが第2のノード108のIPアドレスであるトンネリング用のヘッダを前記受信したパケットの先頭に付加して、無線基地局102に当該パケットをトンネリングする(S509)。無線基地局102は、トンネリングされてきたパケットからトンネリング用ヘッダを除去して元のパケットを復元し(S510)、そのパケットの発信先IPアドレスに対応する無線アクセスリンクのリンクIDを内部メモリから参照して、該当するリンクIDを持つ無線アクセスリンクを介して移動端末121に当該パケットを送信する(S511)。
【0050】
次に、移動端末が無線基地局間を移動した際にフォリンエージェントを切り替える際の処理を説明する。フォリンエージェントの切り替えは以下のようなバリエーションがある。
(1)移動端末が同じ第1のノード配下の無線基地局間を移動した場合
(A)フォリンエージェントが移動前の無線基地局に配置されていたとき
(ア)移動後の無線基地局にフォリンエージェントを再配置する。
(イ)当該第1のノードにフォリンエージェントを再配置する。
(B)フォリンエージェントが第1のノードに配置されていたとき
(ア)移動後の無線基地局にフォリンエージェントを再配置する。
なお、移動後の無線基地局にフォリンエージェントを再配置しない場合、つまり第1のノードにフォリンエージェントを配置したままにする場合には、フォリンエージェントの切り替えはない。
(2)移動端末が異なる第1のノード配下の無線基地局間を移動した場合
(A)フォリンエージェントが移動前の無線基地局に配置されていたとき
(ア)移動後の無線基地局にフォリンエージェントを再配置する。
(イ)移動後の無線基地局を配下に持つ第1のノードにフォリンエージェントを再配置する。
(B)フォリンエージェントが移動前の無線基地局を配下に持つ第1のノードに配置されていたとき
(ア)移動後の無線基地局にフォリンエージェントを再配置する。
(イ)移動後の無線基地局を配下に持つ第1のノードにフォリンエージェントを再配置する。
【0051】
以下、図8を参照して、移動端末122を例に無線基地局間を移動した際のフォリンエージェントの切り替え処理を説明する。
【0052】
移動端末122が無線基地局105から別の無線基地局10i(i=2、3または4)へ移動すると、移動体通信システム101固有の手順によって無線アクセスリンクが移動先の無線基地局10iを経由してその無線基地局10iを配下に持つ第1のノード10j(jは6または7)との間のリンクに変更される(S601)。移動端末122は、新たな無線アクセスリンクが設定されると、設定された無線アクセスリンクを通じて第1のノード10jにMobileIP登録要求を送信する(S602)。このMobileIP登録要求には、移動端末122のIPアドレスと移動端末識別子とが設定される。第1のノード10jは、このMobileIP登録要求を受信すると、当該MobileIP登録要求に更に無線基地局10iを特定する無線基地局識別子を付加して、第2のノード108へ転送する(S603)。
【0053】
第2のノード108は、MobileIP登録要求を受信すると、要求中に付加された移動端末122の移動端末識別子に対応する加入者データを監視装置109からアクセスし、前述と同様にその移動特性データ1092を参照更新して、移動端末122のフォリンエージェント機能の配置場所を決定する(S604)。次に、第2のノード108は、移動端末122のIPアドレスとフォリンエージェントのIPアドレスとの現在の対応関係を前記決定されたフォリンエージェント機能の配置場所に応じて更新する(S605)。そして、フォリンエージェントの配置場所が前回と同じ第1のノード107か否かを判別し(S606)、その判別結果に応じて処理を切りわける。
【0054】
フォリンエージェント機能が第1のノード107に配置されている状態で移動端末122が無線基地局105から無線基地局104へ移動し、且つ、移動属性フラグ1093が“1”であった場合、ステップS606の判別結果はYESとなる。この場合、第2のノード108は、移動端末122のIPアドレスを指定したリンクID更新要求を第1のノード107へ送信する(S607)。第1のノード107は、このリンクID更新要求を受信すると、移動端末122のIPアドレスに対応する無線アクセスリンクのリンクIDを、移動端末122との間に新たに設定された無線アクセスリンクのリンクIDに更新する(S608)。そして、登録応答を前記無線アクセスリンクを通じて移動端末122に送信する(S609)。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局104へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、無線基地局105を経由する経路から無線基地局104を経由する経路に切り替わる。
【0055】
ステップS606で移動端末122のフォリンエージェントの配置場所が以前と同じでないと判別された場合、第2のノードは無線基地局や第1のノードと協調して、新フォリンエージェントの設定と旧フォリンエージェントの解除(消滅)を行う(S610)。以下、このステップS610の詳細を説明する。
【0056】
(1)移動端末122が無線基地局105から第1のノード107配下の無線基地局104へ移動した場合
(A)フォリンエージェントが移動前の無線基地局105に配置されていたとき
(ア)フォリンエージェントの再配置場所が無線基地局104の場合
この場合、図3のステップS106〜S108と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を無線基地局104に生成し、且つ、無線基地局105に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局104へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局104←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0057】
(イ)フォリンエージェントの再配置場所が第1のノード107の場合
この場合、図4のステップS206〜S208と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を第1のノード107に生成し、且つ、無線基地局105に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局104へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局104←→第1のノード107←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0058】
(B)フォリンエージェントが第1のノード107に配置されていたとき
(ア)フォリンエージェントの再配置場所が無線基地局104の場合
この場合、図3のステップS106〜S108と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を無線基地局104に生成し、且つ、第1のノード107に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局104へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第1のノード107←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局104←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0059】
(2)移動端末122が無線基地局105から第1のノード106配下の無線基地局(例えば103)へ移動した場合
(A)フォリンエージェントが移動前の無線基地局105に配置されていたとき
(ア)フォリンエージェントの再配置場所が無線基地局103の場合
この場合、図3のステップS106〜S108と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を無線基地局103に生成し、且つ、無線基地局105に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局103へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局103←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0060】
(イ)フォリンエージェントの再配置場所が移動後の無線基地局103を配下に持つ第1のノード106の場合
この場合、図4のステップS206〜S208と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を第1のノード106に生成し、且つ、無線基地局105に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局103へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局103←→第1のノード106←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0061】
(B)フォリンエージェントが移動前の無線基地局105を配下に持つ第1のノード107に配置されていたとき
(ア)フォリンエージェントの再配置場所が移動後の無線基地局103の場合
この場合、図3のステップS106〜S108と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を無線基地局103に生成し、且つ、第1のノード107に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局103へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第1のノード107←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局103←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0062】
(イ)フォリンエージェントの再配置場所が移動後の無線基地局103を配下に持つ第1のノード106の場合
この場合、図4のステップS206〜S208と同様な手順により移動端末122のフォリンエージェント機能を第1のノード106に生成し、且つ、第1のノード107に生成されていた移動端末122のフォリンエージェント機能を解除する。これにより、移動端末122が例えば通信相手112とセッションを確立した状態で無線基地局105から無線基地局103へ移動した場合、通信相手112と送受信されるパケットは、移動端末122←→無線基地局105←→第1のノード107←→第2のノード108を経由する経路から、移動端末122←→無線基地局103←→第1のノード106←→第2のノード108を経由する経路に切り替わる。
【0063】
【発明の他の実施の形態】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0064】
前記の実施の形態では、移動端末の移動特性をモニタし、その結果に基づいて当該移動端末のフォリンエージェントの配置場所を決定したが、移動特性に変えて、(1)個々の移動端末の単位時間当たりのフォリンエージェントの切り替え頻度、(2)個々の移動端末の機種タイプ、(3)移動体通信ネットワークのパケット網の資源の使用状況、に基づいて決定しても良い。
【0065】
前記(1)の場合、図2の移動特性データ1092の代わりに移動端末の単位時間当たりのフォリンエージェントの切り替え頻度が保持管理される。切り替え頻度が所定の閾値以下であれば、フォリンエージェントは移動先の無線基地局に、それ以外は移動先の無線基地局を配下に持つ第1のノードにそれぞれ配置される。
【0066】
前記(2)の場合、図2の移動特性データ1092の代わりに移動端末の機種タイプが設定される。機種タイプは、当該移動端末がPHSか携帯電話かといった移動端末のタイプを示す。機種タイプによって、移動頻度が静的に或る程度予測できるため、移動頻度の低い機種タイプは移動先の無線基地局にそのフォリンエージェントを配置し、それ以外は移動先の無線基地局を配下に持つ第1のノードにそのフォリンエージェントを配置する。
【0067】
前記(3)の場合、監視装置109は、第1のノード、それと第2のノードを結ぶパス等のパケット網の資源の使用状況をモニタする装置に置き換えられる。第2のノードは、移動端末からのMobileIP登録要求時、監視装置109でモニタされている情報から、移動先の無線基地局を配下に持つ第1のノードのリソース使用量(CPU使用率やメモリ使用率等)とそれと第2のノードとの間のパスの空き帯域等を調べ、充分に余裕があるときは第1のノードにフォリンエージェントを配置するものと決定し、それ以外は移動先の無線基地局にフォリンエージェントを配置するものと決定する。
【0068】
また、前記の実施の形態では、個々の移動端末のフォリンエージェントを無線基地局に置くか、第1のノードに置くかを、個々の移動端末からの位置登録時に決定し、次回の位置登録時までフォリンエージェントの配置場所を固定したが、次回の位置登録を待たずに変化させるようにしても良い。フォリンエージェントの配置場所の変更は、前記の実施の形態と同様に移動端末と通信相手との間にセッションが確立されている状態でも行える。例えば、(4)移動体通信ネットワークのパケット網の資源の使用状況に基づいて個々の移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させたり、(5)移動端末のユーザアプリケーションの遅延要求に応じて当該移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させることができる。
【0069】
前記(4)の場合、監視装置109は、第1のノード、それと第2のノードを結ぶパス等のパケット網の資源の使用状況をモニタする装置に置き換えられる。第2のノードは、監視装置109でモニタされている情報から、第1のノードのリソース使用量(CPU使用率やメモリ使用率等)とそれと第2のノードとの間のパスの空き帯域等を調べ、余裕がなくなってきたと判断した場合には、当該第1のノードに配置されている一部または全てのフォリンエージェント機能をそれが代理する移動端末が接続されている無線基地局に移す。その逆に充分な余裕があるときは当該第1のノード配下の無線基地局に配置されている一部または全てのフォリンエージェント機能を当該第1のノードに移す。
【0070】
移動端末が通信相手とセッションを確立した状態で通信しながら移動する状況を考えた場合、その移動端末のフォリンエージェントが無線基地局に配置されている場合と第1のノードに配置されている場合とで、フォリンエージェントの配置場所の変更頻度が異なる。フォリンエージェントの配置場所を変更する頻度が多いと、その切り替わり時にパケットの送信が遅延するため、少ない遅延が要求される音声信号をパケット化して送信している場合には向かない。他方、文字等のテキストをパケット化して送信している場合には多少の遅延があっても問題はない。前記(5)では、このような移動端末のユーザアプリケーションの遅延要求に応じて当該移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させる。例えば、少ない遅延量による通信の必要性が移動端末から第2のノードに通知された場合、第2のノードは、若しその移動端末のフォリンエージェントが無線基地局に配置されていれば、それをその無線基地局を配下に持つ第1のノードに移す。反対に、多少の遅延があっても通信可能であることが移動端末から第2のノードに通知された場合、第2のノードは、若しその移動端末のフォリンエージェントが第1のノードに配置されていれば、それを移動端末が利用している無線基地局に移す。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、移動端末のフォリンエージェント機能を提供するノードへの負荷集中を抑えることができる。その理由は、複数の移動端末のフォリンエージェント機能が第1のノード、その配下の各無線基地局に分散されるためである。
【0072】
また本発明によれば、移動端末と通信相手との間で送受信されるパケットの遅延を抑えることができる。その理由は、無線基地局にフォリンエージェントが配置された移動端末の場合、第1のノードを経由せずにパケットの送受信が可能になるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるシステム構成図である。
【図2】監視装置で保持管理される移動端末の加入者データの内容例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態において移動端末のフォリンエージェント機能を無線基地局に配置する場合の処理シーケンス図である。
【図4】本発明の実施の形態において移動端末のフォリンエージェント機能を第1のノードに配置する場合の処理シーケンス図である。
【図5】無線基地局にフォリンエージェント機能が配置された移動端末と通信相手との間のパケット通信時の処理シーケンス図である。
【図6】第1のノードにフォリンエージェント機能が配置された移動端末と通信相手との間のパケット通信時の処理シーケンス図である。
【図7】無線基地局にフォリンエージェント機能が配置された移動端末と第1のノードにフォリンエージェント機能が配置された移動端末との間のパケット通信時の処理シーケンス図である。
【図8】無線基地局間を移動端末が移動した際のフォリンエージェントの切り替え処理シーケンス図である。
【図9】IMT2000網で想定されているIPパケット網のネットワーク構成を示す図である。
【符号の説明】
101…移動体通信システム
102〜105…無線基地局
106、107…第1のノード
108…第2のノード
109…監視装置
111…IPコアネットワーク
112…通信相手(CN)
121、122…移動端末(MN)
131〜133、141〜144、151〜154…パス

Claims (12)

  1. 複数の無線基地局を束ねた形で設けられ、前記無線基地局を介して接続される移動端末との間で無線アクセスリンクの設定と管理を行う第1のノードと、IPコアネットワークを接続するゲートウェイルータ機能を提供すると共に前記移動端末のホームエージェント機能を提供する第2のノードとを含み、複数の移動端末に対して移動体通信サービスを提供する移動体通信ネットワークにおいて、前記第2のノードは前記第1のノードと前記無線基地局とに接続されており、且つ、前記第2のノードは、前記複数の移動端末の内の一部の移動端末についてはそのフォリンエージェント機能を当該移動端末が現に利用している前記無線基地局に置き、残りの移動端末についてはそのフォリンエージェント機能を当該移動端末が現に利用している前記無線基地局を配下に持つ前記第1のノードに置き、フォリンエージェント機能が前記第1のノードに置かれた前記移動端末と通信相手との間で授受されるパケットは前記第1のノード及び前記無線基地局経由で転送し、フォリンエージェント機能が前記無線基地局に置かれた前記移動端末と通信相手との間で授受されるパケットは前記第1のノードを経由せず前記無線基地局経由で直接転送することを特徴とする移動端末管理システム。
  2. 個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかを、個々の移動端末からの位置登録時に決定する手段を備える請求項1記載の移動端末管理システム。
  3. 個々の移動端末のフォリンエージェントの配置場所を移動端末とその通信相手との間のセッション確立中に変化させる手段を備える請求項2記載の移動端末管理システム。
  4. 個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかを、個々の移動端末の加入者データに設定されている情報に基づいて決定する手段を備える請求項2または3記載の移動端末管理システム。
  5. 個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかを、個々の移動端末の移動特性に基づいて決定する手段を備える請求項2または3記載の移動端末管理システム。
  6. 個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかを、個々の移動端末の単位時間当たりのフォリンエージェントの切り替え頻度に基づいて決定する手段を備える請求項2または3記載の移動端末管理システム。
  7. 個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかを、個々の移動端末の機種タイプに基づいて決定する手段を備える請求項2または3記載の移動端末管理システム。
  8. 個々の移動端末のフォリンエージェントを前記無線基地局に置くか、前記第1のノードに置くかを、移動体通信ネットワークのパケット網の資源の使用状況に基づいて決定する手段を備える請求項2または3記載の移動端末管理システム。
  9. 前記移動端末のフォリンエージェントの配置場所を次回の位置登録要求を待たずに変化させる手段を備えた請求項1または2記載の移動端末管理システム。
  10. 個々の移動端末のフォリンエージェントの配置場所を移動端末とその通信相手との間のセッション確立中に変化させる手段を備えた請求項9記載の移動端末管理システム。
  11. 移動体通信ネットワークのパケット網の資源の使用状況に基づいて前記移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させる請求項9または10記載の移動端末管理システム。
  12. 前記移動端末のユーザアプリケーションの遅延要求に応じて前記移動端末のフォリンエージェントの配置場所を変化させる請求項9または10記載の移動端末管理システム。
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