JP3553092B2 - 製造プロセスの流出液からビスフェノ―ル‐aを回収する方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は二価フェノ―ル類の合成方法に係り、特にビスフェノ―ル‐Aの回収方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
二価フェノ―ルの2,2‐ビス(p‐ヒドロキシフェニル)プロパン[一般に「ビスフェノ―ル‐A」といわれる]は、酸触媒の存在下で2モルのフェノ―ルと1モルのアセトンを縮合させることによって工業的に製造される。このフェノ―ルは化学量論量よりモル過剰に存在させる。縮合の間多くの副生物が生成するが、これらは所望の産物であるビスフェノ―ル‐Aを汚染する。縮合反応ゾ―ンから生成物流中を運ばれるこれらの汚染物の中には、水、触媒に由来する微量の酸性物質、未反応のフェノ―ルとアセトン、およびビスフェノ―ル‐Aのいくつかの異性体が含まれる。
【0003】
一般に、所望のビスフェノ―ル‐Aを生成物流から分離する第一のステップでは、生成物流を冷却して、ビスフェノ―ル‐Aと存在する過剰のフェノ―ルとの1:1付加(化合)物の形態で晶析と沈澱を起こさせる。晶析した付加物を分離して洗浄し、蒸溜、抽出または水蒸気ストリッピングによってフェノ―ルを除去する。この分離の際、晶析により得られた母液はすでに記載した汚染物と混ざったビスフェノ―ル‐Aも含有している。このような残渣または類似の残渣を含むその他の流出液は、ビスフェノ―ル‐Aのさまざまな精製工程中に生成することが多い。これらの流出液は反応器に再循環されてさらに縮合反応にかけられることが多いが、一部はパ―ジするかあるいは「クラッキング」によりフェノ―ル、アセトンまたはイソプロピルフェノ―ルに分解して有価試薬を回収しなければならない。
【0004】
本発明の方法により、製造プロセスの流出液流中で汚染物と混和しているビスフェノ―ル‐Aおよび他の有価残渣をクラッキング操作を使用しないで回収するための経済的な手段が提供される。クラッキング操作を使用すると、ビスフェノ―ル‐Aがその出発物質であるフェノ―ルとアセトンに再変換されてしまう。
【0005】
フェノ―ルを含有するプロセス流から酸性汚染物を除去するためにアニオン交換樹脂を使用することはすでに発表されており公知である。たとえば、1989年8月23日付けで公開された欧州特許出願第0,329,075号(三井東圧化学株式会社)には、反応物のフェノ―ルが残留しており、かつ酸性汚染物を含有するビスフェノ―ル‐A生成物流が記載されている。それによると、所望のビスフェノ―ル‐Aを蒸溜によって分離する前に前記生成物流を弱塩基性のイオン交換樹脂で処理して酸性汚染物を除去している。ビスフェノ―ル‐A生成物流の類似の処理がフェイラ―(Faler)らの米国特許第4,766,254号に記載されている。そこでは、フェノ―ル‐ビスフェノ―ル‐A付加物から得た母液をアニオン交換樹脂で処理している。
【0006】
【発明の概要】
本発明はフェノ―ルとビスフェノ―ル‐Aとの1:1付加物の晶析の際に得られる母液からビスフェノ―ル‐Aを回収するための方法からなる。この母液はフェノ―ル、ビスフェノ―ル‐A、ビスフェノ―ル‐Aの異性体、フェノ―ルとアセトンの縮合反応の汚染性副生物を含有している。本発明の方法は、
A.ビスフェノ―ル‐Aの異性体をビスフェノ―ル‐Aに異性化し、
B.得られた混合物を塩基性イオン交換樹脂と反応させることによって酸性不純物を除去し、
C.酸を含まない異性化生成物からビスフェノ―ル‐Aを分離する
ことからなる。
【0007】
また、本発明の方法によると、ビスフェノ―ル‐Aの大部分がすでに除去されているいかなるプロセス流からでも価値のあるビスフェノ―ル‐Aを回収することができる。
【0008】
【発明の好ましい態様の詳細な説明】
ビスフェノ―ル‐Aを製造するための工業的に重要な方法は、酸触媒と化学量論量より過剰のフェノ―ル反応物の存在下で2モルのフェノ―ルと1モルのアセトンとを縮合させることからなる。たとえば、米国特許第4,766,254号および第4,847,433号を参照されたい。よく使われている触媒は酸性のイオン交換触媒である。
【0009】
フェノ―ルとアセトンとの縮合を触媒するのに有用な酸性のイオン交換樹脂はその製法と共に広く知られている組成物である。たとえば、米国特許第3,037,052号(援用する)に記載されている製法を参照されたい。酸性イオン交換樹脂の代表例は、ペンダント基として複数のスルホン酸基を有する樹脂またはポリマ―のような強酸のイオン交換体である。例としては、スルホン化されたポリスチレンまたはポリ(スチレン‐ジビニルベンゼン)コポリマ―およびスルホン化されたフェノ―ル‐ホルムアルデヒド樹脂がある。これらのスルホン化された樹脂はゲルタイプおよびマクロレティキュラ―タイプとして水膨潤形態で市販されている。市販の樹脂の特定例を挙げると、アンバ―ライト(Amberlite)IR−120H、アンバ―リスト(Amberlyst)15H、アンバ―リスト(Amberlyst)31、ダウエックス(Dowex)50−X−4、ダウエックス(Dowex)MSC−1H、デュオライト(Duolite)C−26、パ―ミュチット(Permutit)QH、チェンプロ(Chempro)C−2、およびアイマック(Imac)C8P/Hがある[ここで、アンバ―ライト(Amberlite)、アンバ―リスト(Amberlyst)、ダウエックス(Dowex)、デュオライト(Duolite)、パ―ミュチット(Permutit)、チェンプロ(Chempro)およびアイマック(Imac)は米国の登録商標である]。このようなイオン交換体の別の例とそのようなイオン交換体の製法は、「ポリマ―の科学・技術全書(the Encyclopedia of Polymer Science and Technology)」の第7巻、第695〜708頁(1967年)および第3版(1981年)に記載されている。酸性樹脂の交換容量は乾燥樹脂1g当たりのH+ が少なくとも2.0ミリ当量(meq.)であるのが好ましく、3.0〜5.5meq.H+ /g(乾燥樹脂)の範囲の交換容量が特に好ましい。好ましい触媒のひとつは、アンバ―リスト(Amberlyst)(登録商標)ゲルタイプであり、これはジビニルベンゼンなどのような架橋性モノマ―で架橋されたスチレンであってスチレン残基の芳香核に結合したペンダントのスルホン酸基を有している。スルホン化は米国特許第2,366,007号(援用する)に記載されている方法によって実施できる。
【0010】
(縮合反応の副生物が水であることを考慮して)最高の効率を上げるために触媒は最初実質的に乾燥(脱水)した形態で使用するのが有利である。
【0011】
縮合反応ゾ―ンは単一の反応器からなっていてもよいし、あるいは直列または並列の2個以上の反応器からなっていてもよい。多数の反応器からなる反応ゾ―ンの場合、フェノ―ルは全部を第一の反応器に供給するのが適当であり、アセトン化合物は全部を第一の反応器に供給するかまたは第一の反応器と第二および使用する場合にはその後の反応器に分配するのが適当である。
【0012】
反応器ゾ―ンにおける反応温度は40℃から95℃まで変化し得、55〜90℃の範囲の反応温度が好ましい。
【0013】
反応器ゾ―ンにおける反応時間はいろいろであり得、反応温度に依存する。たとえば、供給原料の時間基準液空間速度(LHSV)は、触媒1リットル当たり供給流0.2〜40リットル/時の範囲の速度で広範囲に渡って変化し得る。
【0014】
反応ゾ―ンの流出液を連続的に抜出し、生成物ビスフェノ―ル‐A分離系に供給する。すでに述べたようにこの流出液は所望のビスフェノ―ル‐Aと混合している未反応フェノ―ル、未反応アセトン、触媒の酸性残渣、水、およびビスフェノ―ル‐Aの異性体を含んでいる。問題となる異性体は、ヒドロキシ基がp‐p′配置以外になっている位置異性体である。本発明の方法の出発物質となるのはこの流出液である。この流出液は、まず最初に、冷却してビスフェノ―ル‐Aとフェノ―ルの結晶性1:1付加物を沈澱させ、この固体付加物を分離することによって処理してもよい。残りの母液は一般にかなりの量の残留ビスフェノ―ル‐Aを含有する。
【0015】
添付の図は本発明の具体例のプロセスを示すブロック図であり、出発物質は上記の母液である。
【0016】
母液の少なくとも一部を貯蔵タンク(1)から「異性化」反応器(2)に供給する。この反応器は、従来からフェノ―ルとアセトンの縮合を触媒するのに酸触媒として使われている前記樹脂の中から選択されたもののような強酸性のイオン交換樹脂を収容している。この酸触媒は、ビスフェノ―ル‐A異性体の異性化を促進するように触媒割合で存在する。興味深いことには、ビスフェノ―ル‐Aの幾何異性体がビスフェノ―ル‐Aに変換されるだけではなく、4,4′‐(4‐ヒドロキシ‐m‐フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノ―ル[これは「トリスフェノ―ル」または「BPX−I」ともいわれる]のように異性体ではないが構造上類似している化合物もまたビスフェノ―ル‐Aに変換される。
【0017】
異性化反応器中で、2,4′‐(1‐メチルエチリデン)ビスフェノ―ルなどのようなビスフェノ―ル‐Aの副生異性体の多くと構造未知の化合物のあるものがビスフェノ―ル‐Aに連続的に変換される。反応器(2)中の母液は約55〜95℃の範囲内の温度に加熱して異性化を促進する。変換の進行は、異性体の変換を観察する従来の分析技術によって追跡できる。
【0018】
異性化反応完了後反応器(2)の流出液を、酸性の不純物を通常痕跡量にまで除去する弱塩基性のイオン交換樹脂を収容している容器(3)に通す。
【0019】
本発明のこの工程に有用なイオン交換樹脂としては公知の塩基性樹脂がすべて包含される。ほとんどの場合それらは、通常ポリマ―鎖に結合したジメチルベンジルアミノ基または対応するメチル‐四級化基のような基を含有しているアミンまたは第四級アンモニウム樹脂である。ピリジル基を有するアミン樹脂を始めとするアミン樹脂が好ましいことが多い。本発明の目的からみてアミン樹脂は遊離の塩基形態で使用するが、対イオンとしてヒドロキシアニオンを有する第四級樹脂も使用することができる。
【0020】
アニオン交換樹脂の製法は一般によく知られている。たとえば、マックマスタ―ズ(McMasters)らの米国特許第2,632,001号(援用する)に記載されている方法を参照されたい。この方法では、ポリ(ビニルトルエン)の側鎖を塩素化した後、水のような極性溶媒の存在下で第三級アミンと反応させて第四級アンモニウム塩を形成する。このタイプの市販樹脂の代表例は、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−400、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−401、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−402、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−900、デュオライト(Duolite)A−101−D、デュオライト(Duolite)ES−111、ダウエックス(Dowex)1、ダウエックス(Dowex)11、ダウエックス(Dowex)21K、およびイオナック(Ionac)A−540、ならびにジメチルエタノ―ルアミン(CH3 )2 −NCH2 CH2 OHから誘導されたもの、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−410、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−911、ダウエックス(Dowex)2、デュオライト(Duolite)A−102−D、イオナック(Ionac)A−550およびレイレックス(Reillex)である[アンバ―ライト(Amberlite)、デュオライト(Duolite)、ダウエックス(Dowex)およびイオナック(Ionac)は米国の登録商標である]。
【0021】
本発明で使用するのに好ましいのは、第一級、第二級または第三級のアミン基を含有する弱塩基性アニオン交換樹脂である。これらの製品の市販されている例は、アンバ―ライト(Amberlite)A−21、ダウエックス(Dowex)44、デュオライト(Duolite)A−7、イオナック(Ionac)A−260、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−35、アンバ―ライト(Amberlite)IRA−68であり、この最後の2つの樹脂はアクリル骨格をもつゲルタイプである。
【0022】
反応器(2)から流出する混合物とアニオン交換樹脂との接触は便利な手段のいずれを用いて行なってもよい。一般に、精製用混合物を約45〜125℃、好ましくは約50〜75℃の範囲の温度で、樹脂を収容したカラムに通すのが好ましい。フェノ―ル混合物をカラムに通すのは上向きでも下向きでもよく、酸性の汚染物を除去するのに充分な時間実施する。
【0023】
酸性の不純物はアニオン交換樹脂と接触するとそれと塩を形成することによって除去される。
【0024】
反応器(2)から流出する混合物の弱塩基性イオン交換樹脂による処理は連続式またはバッチ式のいずれで行なってもよい。通常、流量が低ければ低いほど酸性汚染物の除去効率は高くなる。連続処理の場合流出混合物は、弱塩基性イオン交換樹脂1kg当たり2〜1000(好ましくは3〜50)kg/時の流量で供給するのが好ましい。バッチ式処理では、流出混合物を5〜60分間1〜20重量%の弱塩基性イオン交換樹脂と混合するのが好ましい。
【0025】
樹脂が使い尽されて効力が落ちたときは、たとえば6〜10%の苛性水溶液で処理することによって再生することができる。このような処理に先立ち、液体フェノ―ルで洗浄することによってフェノ―ル可溶性不純物を除くことができる。このような不純物が存在すると樹脂の再生効率が落ちるであろう。その後水で洗浄する。
【0026】
容器(3)からの流出液を、次に、粒状物質(たとえば、イオン交換樹脂粒子、金属断片など)を除去するフィルタ―(4)に通す。このフィルタ―(4)は約5ミクロンより大きい粒子を除去する。次に一連の蒸溜塔(5、6、7)が続いており、これらはそれぞれ前のカラムより順次(連続的に)高くなる減圧/温度条件下で作動して液流を4つの留分に分ける。蒸溜塔(5)は、比較的純粋なフェノ―ル(たとえば純度97%以上)を含む塔頂留分が除去されるような真空・温度条件下で運転される。蒸溜塔(5)の塔底液(ボトム)は蒸溜塔(6)に供給する。この蒸溜塔(6)は、着色した「軽質」留分が除去されるような減圧・高温条件下で運転される。この軽質留分は、主として、ビスフェノ―ル‐Aの残留異性体およびクロマンならびに化学構造が既知/未知の他の副生物から構成される。この留分はプラントからパ―ジして廃棄することができるし、または本発明のプロセスもしくは他のプロセスによる回収プロセスにかけることもできる。蒸溜塔(6)の塔底液を蒸溜塔(7)へ供給する。この蒸溜塔の塔頂留分は、使用する温度・圧力条件に応じて純度60〜90%のビスフェノ―ル‐Aを含むのが典型的である。この蒸溜塔(7)の塔底液は、プロセスからパ―ジされる「重質残渣」を含んでいる。これらの重質残渣はさらに別の回収プロセスにかけることもできる(たとえば、ビスフェノ―ル‐A製造プロセスの他の個所に戻したり、クラッキングしてフェノ―ル類に分解したり、さらに蒸溜したり、燃焼したり、または別の用途に使用したりする)。
【0027】
【実施例の記載】
以下の実施例で本発明の実施方法を説明する。この実施例は、本発明者が本発明の実施態様として最良と考えているものであるが、本発明はこれに限定されることはない。
【0028】
前述の装置を使用し、フェノ―ルを約83.3%、ビスフェノ―ル‐Aを9.8%、2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐(2‐ヒドロキシフェニル)プロパン[すなわち、o,p‐ビスフェノ―ル‐A]を2.3%、およびその他の副生物を4.6%含有するビスフェノ―ル‐Aのプロセス副生物流を、74℃の温度で流量を20gpmとして、貯蔵タンク(1)から、スルホン化ポリスチレン樹脂[ロ―ム・アンド・ハ―ス(Rhom & Haas)製アンバ―リスト(Amberlyst)31、乾燥基準で16500ポンドの触媒]の床を充填したジャケット付き「異性化」反応器(2)に連続的に通した。次に、この反応流出液[フェノ―ルが82.5%、ビスフェノ―ル‐Aが11.8%、2‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐(2‐ヒドロキシフェニル)プロパンが1.6%、他の副生物が4.1%]の少なくとも一部を、温度72℃で、ロ―ム・アンド・ハ―ス(Rhom & Haas)製アンバ―リスト(Amberlyst)A−21弱塩基性アニオン樹脂を1300ポンド(乾燥基準)収容する容器(3)に通して、酸性化学種の濃度を2ppm以下に下げた。得られた流出溶液をフィルタ―(4)に通して2ミクロンより大きい粒子を除去した。
【0029】
次いで、得られた溶液の少なくとも一部を、圧力30mmHg、温度218℃で作動するフェノ―ル蒸溜塔(5)に供給した。ここで、純度約99%の無色塔頂物質としてフェノ―ルが除去された。塔底液はフェノ―ルを1%含んでいた。これを、温度224℃、圧力約1〜2mmHgで作動する次の蒸溜塔(6)に連続的に供給した。この塔からの塔頂流は黄褐色であり、主として、ビスフェノ―ル‐Aの異性体、主にo,p‐ビスフェノ―ル‐A(45〜50%)、2,2,4‐トリメチル‐4‐(4‐ヒドロキシフェノ―ル)クロマン(30〜35%)、ビスフェノ―ル‐A(2%)、およびその他の副生物から成っていた。これは廃棄した。
【0030】
塔(6)の塔底液を、温度260〜290℃(500〜550F)、圧力1〜2mmHgで作動する蒸溜塔(7)に供給した。塔頂留分は80%以上の純度のやや着色したビスフェノ―ル‐Aから成っていた。これはビスフェノ―ル‐Aの製造プロセスに再循環した。塔底液はひどく着色したタ―ル[ビスフェノ―ル‐Aが30%以下、重質のフェノ―ルプロセス副生物が70%以上]を含んでおり、これは廃棄した。
【0031】
このプロセスにより、通常であれば最初の縮合反応器に再循環されたり、クラッキングによってフェノ―ル類に分解されたり、または燃焼によって廃棄されることになるプロセス流からビスフェノ―ル‐Aおよびその他の価値のある物質を回収するための効率的で低コストの方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましいプロセスの具体例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 母液貯蔵タンク、
2 異性化反応器、
3 弱塩基性イオン交換樹脂を充填した容器、
4 粒子除去用フィルタ―、
5、6、7 蒸溜塔。
Claims (3)
- フェノ―ルとビスフェノ―ル‐Aとの1:1付加物の晶析の際に得られるフェノ―ル、ビスフェノ―ル‐A、ビスフェノ―ル‐Aの異性体、フェノ―ルとアセトンの縮合反応の汚染性副生物を含有する母液からビスフェノ―ル‐Aを回収するための方法であって、
(A)前記母液の少なくとも一部を、ビスフェノ―ル‐Aの異性体をビスフェノ―ル‐Aに異性化する触媒に接触させ、
(B)(A)で得られた流出液の少なくとも一部を塩基性イオン交換樹脂に接触させることによって酸性不純物を除去し、
(C)(B)から流出する酸を含まない流出液から蒸留によって(a)フェノ―ル、(b)着色軽質留分および(c)ビスフェノ―ル‐Aを順次除去し、もってビスフェノール‐Aを分離する
ことからなる方法。 - 酸を含まない液から濾過によって粒子状物質を除去する、請求項1記載の方法。
- ビスフェノ―ル‐A、ビスフェノ―ル‐Aの異性体、フェノ―ル、酸性不純物、およびアセトンとフェノ―ルの縮合反応の汚染性副生物の混合物からビスフェノ―ル‐Aを回収するための方法であって、
(A)ビスフェノ―ル‐Aの異性体をビスフェノ―ル‐Aに異性化し、
(B)異性化生成物から酸性汚染物を除去し、
(C)酸を含まない異性化生成物を濾過して固体の粒子状物質を除去し、
(D)粒状物を含まない物質を蒸溜してフェノ―ルを除去し、
(E)(D)の塔底液を蒸溜して着色軽質留分を除去し、
(F)(E)の塔底液を蒸溜してビスフェノ―ル‐Aを分離する
ことからなる方法。
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