JP3552472B2 - シールド型コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドハウジングの内側に相手側コネクタと接続されるボディを配置して成るシールド型コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来のコネクタの一例を示す分解斜視図、図8は前面から見た断面図である。このコネクタはUSB(Universal Serial Bus:周辺装置を接続するためのパーソナルコンピュータ向けインタフェース仕様)用のコネクタであって、板状の金属部材を折曲して略角筒状に形成されたシールドハウジング10’と、シールドハウジング10’の内側に配置される合成樹脂製のボディ1’とで構成される。
【0003】
ボディ1’を形成する主部2’の前面下端より台部3’が延設され、台部3’の略中央には後述する突片19が挿入される溝部3a’が設けてある。また主部2’の前面上方には4本のコンタクト20を支持する支持部4’が突設してある。さらに主部2’の両側面には位置決め用の突起6と、シールドハウジング10’を係止固定するための係止突起7とが設けてある。
【0004】
一方、シールドハウジング10’は後側からボディ1’に嵌合されるのであって、後部両側面にはボディ1’の位置決め用突起6が嵌入される位置決めスリット13と、同じくボディ1’の係止突起7が係入されてシールドハウジング10’をボディ1’に係止固定する係止孔14がそれぞれ設けてある。また後部下面には突片19が下方へ向けて突設されている。而して、シールドハウジング10’をボディ1’に嵌合したときには、突片19がボディ1’の台部3’に設けられた溝部3a’に挿入されて位置決めされ、台部3’上にシールドハウジング10’が載置されるようになっている。またシールドハウジング10’の後部両側面からは略く字形の脚片15が下方へ垂設されている。これら脚片15は例えば本コネクタをプリント基板上に実装する際にプリント基板に設けられる溝などに挿入されてコネクタをプリント基板に固定するとともに、シールドハウジング10’をプリント基板のグランドラインに接続するための端子としての役割を果たすものである。
【0005】
シールドハウジング10’の前面に開口する挿入口17から相手側コネクタ(図示せず)が挿入され、相手側コネクタが有するコンタクトとボディ1’の支持部4’に支持されているコンタクト20とが接触導通する。ここで、シールドハウジング10’の4つの側面には挿入接続された相手側コネクタの抜け止めのため、相手側コネクタの側面に形成された被係合部に凹凸係合する係合部16aを有する舌片16がそれぞれ1乃至2つずつ形成されている。さらに挿入口17の長手方向に対向する両側端からはねじ孔18aを有する矩形の取付片18,18がそれぞれ突設されており、相手側コネクタが有する取付ねじをねじ孔18aに螺合することで本コネクタに相手側コネクタが強固に取り付けられるようになっている。なお、挿入口17の長手方向に沿った両側端はそれぞれ外側へ折曲してある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来例のコネクタにおいては、シールドハウジング10’の相手側コンタクトが挿入される部分がボディ1’の台部3’に載置されているだけであるから、相手側コネクタの接続時等に上方向にこじられた場合にはシールドハウジング10’を押さえる部材がないためにシールドハウジング10’のがたつきや変形が生じてしまう(図8参照)。
【0007】
またシールドハウジング10’は1枚の板材を折曲し且つ端部を突き合わせて略角筒状に形成されているが、突き合わせ部分が離れて開いてしまうのを防止するためにかしめ部30が設けられており、裏面側から叩いてかしめ部30をかしめる構造になっている。しかしながら、接続された相手側コネクタが急激にこじられたような場合(例えば、相手側コネクタに接続されているコードに人が足を引掛けたような場合)にかしめ部30の強度不足によって突き合わせ部分が離れて開いてしまう虞がある。しかも、一旦かしめ部30が外れて開いてしまうと、再度かしめ部30をかしめて両端部を突き合わせることは不可能である。さらに裏面側より叩いてかしめ部30をかしめる構造であることから、かしめ部30をかしめるための金型が必要になり、金型の複雑化並びにコストアップを招いてしまう。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、こじりに対するシールドハウジングのがたつきや外れなどの不具合の発生を防止するとともに製造も容易なシールド型コネクタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、板状の導電性部材を折曲するとともに両端部を互いに突き合わせて略角筒状に形成されたシールドハウジングと、シールドハウジングの内側に配置され相手側コネクタと接続されるボディとを備え、シールドハウジングの突き合わせ部分に断面形状略く字形の係合片を突設するとともに、係合片の傾斜に沿ったテーパ面を有する係合溝部をボディに設け、ボディの係合溝部にシールドハウジングの係合片を弾接係合させて成ることを特徴とし、係合片と係合溝部との弾接係合により、相手側コネクタ接続時等の左右並びに上下方向のこじりに対するシールドハウジングのがたつきや変形を防止することができるとともに、突き合わせ部分にかしめ構造が不要であるから金型の単純化並びにコストダウンが図れる。しかも係合片と係合溝部によりボディに対するシールドハウジングの位置決めを兼ねることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、シールドハウジングの突き合わせ部分を除く部位にシールドハウジングをボディに固定するための固定片を設けて成ることを特徴とし、固定片によってシールドハウジングをボディに固定することにより、こじりに対するシールドハウジングの強度をさらに向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は従来例と共通であるので、共通する部分については同一の符号を付して説明は省略する。また本実施形態では従来例と同様のUSBコネクタについて例示するが、これに限定する主旨ではなくシールド型コネクタ全般に本発明の技術的思想が適用可能である。
【0012】
本実施形態では、シールドハウジング10の突き合わせ部分に断面形状略く字形の係合片11,11を突設するとともに、これらの係合片11,11の傾斜に沿ったテーパ面5a,5aを有する係合溝部5をボディ1に設け、ボディ1の係合溝部5にシールドハウジング10の係合片11,11を弾接係合し、さらにシールドハウジング10の下側後端縁より一対の固定片12,12を突設するとともに、ボディ1の主部2の台部3との境界近傍に固定片12,12が圧入される圧入溝8,8が設けてある。
【0013】
シールドハウジング10の係合片11,11は、板状導電性部材の互いに突き合わされる両端部より突出する突条を外側に略く字形に折り曲げて形成される。また係合溝部5はボディ1の台部3に設けられ、互いに向き合う側面が山形に形成されており、この山形部分によって係合片11,11の傾斜に沿ったテーパ面5a,5aが形成されている。
【0014】
一方、図2(b)に示すようにボディ1の主部2から支持部4の下面側にかけて、略L形に形成されたコンタクト20を配置するための凹所1aが各コンタクト20毎に設けてある。コンタクト20は帯板状の導電性部材を略L形に折曲して成り、プリント基板等に実装される端子部20bが主部1の後面側で固定され(図6参照)、相手側コネクタのコンタクトと弾接して接触導通する接触部20aが支持部4内で支持されている。すなわち、略波形に形成されたコンタクト20の接触部20aの先端部分が支持部4下面側に設けた係止部4aに係止され、コンタクト20が支持部4内に上下方向進退自在に支持される。
【0015】
ボディ1にシールドハウジング10を嵌合する際、シールドハウジング10の下面側に突出する係合片11,11をボディ1の係合溝部5内に挿入することでボディ1に対するシールドハウジング10の位置決めを行うことができるとともに、かしめ構造を用いることなくシールドハウジング10の突き合わせ部分が開くのを防止することができる。
【0016】
また係合溝部5に係合片11,11を挿入することで係合片11,11が係合溝部5と弾接係合し、しかも図2(a)に示すように係合溝部5のテーパ面5a,5aが形成された部分が係合片11,11の内側部分に沿って係合されるため、従来例で説明したような相手側コネクタのこじりがあっても係合片11,11と係合溝部5によって上下方向のがたつき並びに変形が防止できる。
【0017】
一方、ボディ1にシールドハウジング10を嵌合した際にシールドハウジング10の固定片12,12がボディ1の圧入溝8,8に圧入されるため、ボディ1とシールドハウジング10とが強固に固定されることになり、こじりに対する強度をさらに向上させることができる。
上述のように本実施形態によれば、シールドハウジング10の下面から突設した略く字形の係合片11,11をボディ1に設けた係合溝部5に弾接係合するようにしたため、相手側コネクタ接続時等の左右並びに上下方向のこじりに対するシールドハウジング10のがたつきや変形を防止することができるとともに、突き合わせ部分にかしめ構造が不要であるから金型の単純化並びにコストダウンが図れるという利点がある。しかも係合片11,11と係合溝部5によりボディ1に対するシールドハウジング10の位置決めを兼ねることができ、シールドハウジング10製造工程の簡素化が図れるという利点もある。さらに、シールドハウジング10の後端縁より突設される固定片12,12をボディ1の圧入溝8,8に圧入し、シールドハウジング10をボディ1に圧入固定するようにしたので、こじりに対するシールドハウジング10の強度をさらに向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明は、板状の導電性部材を折曲するとともに両端部を互いに突き合わせて略角筒状に形成されたシールドハウジングと、シールドハウジングの内側に配置され相手側コネクタと接続されるボディとを備え、シールドハウジングの突き合わせ部分に断面形状略く字形の係合片を突設するとともに、係合片の傾斜に沿ったテーパ面を有する係合溝部をボディに設け、ボディの係合溝部にシールドハウジングの係合片を弾接係合させて成るので、係合片と係合溝部との弾接係合により、相手側コネクタ接続時等の左右並びに上下方向のこじりに対するシールドハウジングのがたつきや変形を防止することができるとともに、突き合わせ部分にかしめ構造が不要であるから金型の単純化並びにコストダウンが図れるという効果がある。しかも係合片と係合溝部によりボディに対するシールドハウジングの位置決めを兼ねることができ、シールドハウジング製造工程の簡素化が図れるという効果がある。
【0019】
請求項2の発明は、シールドハウジングの突き合わせ部分を除く部位にシールドハウジングをボディに固定するための固定片を設けて成るので、固定片によってシールドハウジングをボディに固定することにより、こじりに対するシールドハウジングの強度をさらに向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上を示し、(a)は前面図、(b)は同図(a)のX−X線断面矢視図である。
【図3】同上の上面図である。
【図4】同上の下面図である。
【図5】同上の側面図である。
【図6】同上の後面図である。
【図7】従来例を示す分解斜視図である。
【図8】同上を前面から見た断面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
5 係合溝部
8 圧入溝
10 シールドハウジング
11 係合片
12 固定片
Claims (2)
- 板状の導電性部材を折曲するとともに両端部を互いに突き合わせて略角筒状に形成されたシールドハウジングと、シールドハウジングの内側に配置され相手側コネクタと接続されるボディとを備え、シールドハウジングの突き合わせ部分に断面形状略く字形の係合片を突設するとともに、係合片の傾斜に沿ったテーパ面を有する係合溝部をボディに設け、ボディの係合溝部にシールドハウジングの係合片を弾接係合させて成ることを特徴とするシールド型コネクタ。
- シールドハウジングの突き合わせ部分を除く部位にシールドハウジングをボディに固定するための固定片を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のシールド型コネクタ。
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