JP3550038B2 - モーションを利用した認証方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者にモーション(一連の動き)を行わせることにより、その利用者が登録された本人、もしくは登録されたグループに属する人物、であるか否かを判定するための、認証方法および装置に関する。本発明は、登録された本人もしくはグループのメンバーであると判定されたら入退室を許可したり、コンピュータへのアクセスを許可したりするシステム等に応用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、本人であることを確認するための手段として、暗証番号、パスワードといった本人が持つ秘密情報の記憶による方法、身分証明カードやトークンなどといった本人が持つ持ち物による方法、指紋認証、瞳孔認証などといった本人の身体的特徴を識別する方法、そして筆跡認証などといった本人の動作の癖を識別する方法など、さまざまな技術が使われてきた。
【0003】
人間の記憶による方法は、本人しか知らないはずの秘密情報が一旦他人に知られてしまうと、容易に他人になりすまされてしまう。そして、本人の持ち物による方法は、持ち物を他人に奪われると、容易に他人になりすまされてしまう。
【0004】
一方、本人の身体的特徴や、本人の動作の癖を識別する方法は、他人になりすまされる危険が少ないという特徴があるが、指紋認証や瞳孔認証では、指を押し付けたりレンズを覗く必要があるなど、接触型の読取装置を用いることになるため、不特定多数が試行する機器としては利用者にとって心理的な抵抗感がある。
【0005】
筆跡認証は、書いたものを提示する方法では持ち物による方法と変わらないため、認証現場でいちいちタブレット等の入力装置にサインを書くことが必要だが、この場合は手軽な認証方法とは言いがたい。
【0006】
また、本人であることを確認するのではなく、あるグループに属する人達であることを確認するための手段としても、従来より、本人確認手段と同様の技術が使われてきた。この場合、本人確認手段よりも広範囲で使われる場合が多く、個人ごとの事前登録が必要ないような、簡易な方法が望まれる場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では、他人になりすまされる危険が少なく、かつ非接触型の読取装置を使った手軽な認証装置は実現されていなかった。
【0008】
この発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、非接触型の読取装置を使い利用者のモーション(一連の動き)を入力して、これを用いて認証を行うことにより、手軽でなりすましの危険の少ない本人確認機構や、個人ごとの事前登録が必要ないようなグループメンバー確認機構を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る認証方法は、利用者の一連の動きを複数のフレームから構成される距離画像として入力し、この入力された複数のフレームから特徴的なフレームを複数抽出し、この抽出された複数の特徴的なフレームの、時間的な並び及び空間的な特徴を、予め登録された辞書データと比較し、この比較結果に基づいて、前記利用者が正当な利用者であるか否かを判断することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記特徴的なフレームは、当該フレームの距離画像から計算される複数種類の特徴パラメータのうちの所定のものが特徴的な値を取る場合に抽出され、前記空間的な特徴として、対象となる特徴的なフレームを特徴的であると判断する基となった特徴パラメータについて比較を行うこととするのが好ましい。
【0011】
あるいは/さらに加えて、前記空間的な特徴の比較を、対象となる特徴的なフレームの距離画像と前記辞書データ中の対応する距離画像とのパターンマッチングにより行うと良い。
【0012】
前記辞書データは、前記利用者についての認証を行う前に、正当な利用者により入力された一連の動きに基づいて抽出した複数の特徴的なフレームの時間的な並び及び空間的な特徴を表す所定の情報を登録して成るものであることが好ましい。
【0013】
前記辞書データと比較する、複数の特徴的なフレームの時間的な並び及び空間的な特徴は、正当な利用者による複数回の一連の動きの入力についての比較結果は一致となり、不正な利用者による一連の動きの入力についての比較結果は不一致となるような性質の情報とすることが好ましい。
【0014】
前記辞書データに登録された一連の動きについて正当な利用者以外の利用者も知り得る状況であると判断した場合には、正当な利用者のみが知り得ると仮定した場合に前記辞書データと比較する時間的な並び及び空間的な特徴よりも、空間的な特徴に微分演算を施した特徴に重みを置いて比較することが好ましい。
【0015】
前記利用者の識別情報を別途入力し、この識別情報が示す利用者に対応する辞書データを選択し、選択した辞書データに対する比較を行うようにすれば、簡単且つ高精度に認証が行える。
【0016】
前記利用者に一連の動きを入力するタイミングを提示し、前記特徴的なフレームの時間的な並びの比較の基準を、前記タイミングを提示しない場合より厳しくすることも有効である。
【0017】
本発明に係る認証装置は、正当な利用者の一連の動きを表す、複数の特徴的な距離画像のフレームの時間的な並び及び空間的な特徴を表す所定の情報を、辞書データとして登録する記憶手段と、利用者の一連の動きを複数のフレームから構成される距離画像として入力する画像取得手段と、この画像取得手段により入力された複数のフレームから特徴的なフレームを複数抽出し、これら複数の特徴的なフレームの時間的な並び及び空間的な特徴を、前記記憶手段に登録された辞書データと比較し、この比較結果に基づいて、前記利用者が正当な利用者であるか否かを判断する処理手段とを具備したことを特徴とする。
【0018】
前記画像取得手段に、利用者が一連の動きを行う身体の一部を固定可能な手段を併設し、前記処理手段で行う前記特徴的なフレームの空間的な特徴の比較の基準を、自由空間で一連の動きを行う場合より厳しくすることも有効である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、 図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
【0020】
図1に、本実施形態に係るアクセス制御システムの一構成例を示す。本システムは、反射光を受光して距離画像を取得する、例えば特願平8−275949号に示されているような、画像取得部101と、取得された距離画像を解析し特徴データを抽出したり、抽出した特徴データをデータベース103に保存された特徴データと比較したりする処理を行う処理部102と、特徴データを保存する特徴登録データベース103と、処理部102での処理結果をもとに、例えば電子錠の開閉制御を行うアクセス制御部104とから構成される。
【0021】
なお、この構成のうちアクセス制御部104以外の部分を抜き出して認証装置を構成することもできるし、この認証装置を、画像取得部101を備えたコンピュータ上に、処理部102にて実行される認証方法の各ステップを記述したプログラムをインストールすることにより構成することも可能である。
【0022】
図2は、特願平8−275949号に示されているような画像取得部101の外観図である。この画像取得部101は、非接触型の読取装置として機能する。図2に示す、中央の円aがレンズであり、周囲に並ぶ小さな円bは、例えば、赤外線などの光を照射するLEDにあたる。LEDbから照射された光が物体に反射され、レンズaにより集光され、レンズaの後部にあるエリアセンサで受光される。このように取得された距離画像は、例えば、256*256のサイズで256階調として表すことができる。
【0023】
処理部102は、画像取得部101により取得された距離画像の時系列(利用者が画像取得部101の前で行ったモーション(一連の動き)に対応するもの)を受け取り、エッジきり出し、重心抽出および面積算出など、種々の画像処理を行う。画像処理の結果、得られた画像が特徴を表している画像であると判定した場合は、前もって特徴登録データベース103に記録しておいた認識辞書画像との比較を行う。比較の結果、同じ特徴を表していると判定した場合は、さらに認識辞書画像とのパターンマッチングにより、モーションを入力した利用者が、登録された本人であるか否かの判定もしくはグループメンバーであるか否かの判定を行う。
【0024】
制御部104は、処理部102の判定に従って、例えば電子錠の開閉制御(登録された本人と判定されれば開けるが、違っていれば開けるのを拒否する等)を行う。
【0025】
次に本実施形態の動作を具体的に説明する。認証の処理は「登録」と「照合」の大きく二つに分けることができる。
【0026】
まず、登録処理について、図3の流れに従って述べる。ある一人の登録者(登録をしようとする利用者)が、例えば遮光箱部に手を差し入れ、一連の動き(モーションと呼ぶ)を行う。処理部102は、この一連の動きが開始されたことをまず検知する(S201)。
【0027】
そして、処理部102は、画像取得部101により距離画像の動画(時系列)として取得された、登録者のモーションを受け取る(S202)。処理部102は、この動画を構成する距離画像(フレームと呼ぶ)の組(フレーム群と呼ぶ)を処理し、それぞれの特徴を表すパラメータ(特徴パラメータと呼ぶ、後述)を算出する(S203)。
【0028】
フレーム群には時間順に番号をつけておき、これをフレーム番号と呼ぶ。ある二つのフレームを選んだとき、そのフレーム番号の差はその二つのフレームの取得された時間間隔を表す。これをタイミングギャップと呼ぶ。
【0029】
着目フレームの特徴パラメータが特徴的な値をとるようなフレーム(特徴フレーム、後述)であったならば(S204Yes)、着目フレームを特徴パラメータとともに一時保存しておく(S205)。S202からS205までを、登録者がモーションを終了する(S206Yes)まで繰り返す。
【0030】
さらに、より正確な辞書データを作成したい場合には、同一登録者、同一モーションについてS202からS206までの操作を複数回行う(S207)。すなわち、一人の登録者に、同じモーションを何回か繰り返して行ってもらい、その結果を統合して特徴登録データベース103に記録する辞書データを作成する。
【0031】
例えば、まず、複数回の結果について同一種類の特徴パラメータにより特徴フレームと判断されたフレーム同士の対応を取って比較し、全てもしくは大多数のモーションについて共通して現れたのではなかった特徴フレームは、ノイズであるものとして廃棄する。対応の取れなかった特徴フレームを廃棄するのでもよいし、対応が取れてもそれぞれの特徴パラメータの値がまるっきり異なっていたりタイミングギャップが大き過ぎたり距離画像同士のパターンマッチングの結果がかけ離れていたりする場合には廃棄するのでもよい。
【0032】
さらに、複数回の結果について対応の取れた複数の特徴フレームの特徴パラメータの中央値をとるなどの基準で、複数回の特徴フレームを代表するフレーム(代表フレームと呼ぶ)を選ぶ(S208)。
【0033】
次に、辞書データとなるデータを各特徴フレーム毎に、以下のように求める。複数回の特徴パラメータから特徴パラメータの分散値を求める。代表フレームと代表フレームに選ばれなかった特徴フレームとのタイミングギャップをそれぞれ求め、タイミングギャップの分散値を求める。代表フレームと代表フレームに選ばれなかった特徴フレームとの距離画像同士のパターンマッチングによりパターン不一致度をそれぞれ求め、パターン不一致度の平均値と分散値を求める。
【0034】
そして、各特徴フレーム毎に、[そのフレームが特徴フレームであると判断する基となった特徴パラメータの種類(面積、重心、モーメントなどの種別)、代表フレーム、代表フレームのフレーム番号、代表フレームの特徴パラメータ(値)、特徴パラメータの分散値、タイミングギャップの分散値、パターン不一致度の平均値、パターン不一致度の分散値]の組を、辞書データとして特徴登録データベース103に登録する(S209)。
【0035】
次に、照合について図4の流れに従って述べる。ある一人の被認証者が、例えば遮光箱部に手を差し入れ、モーションを行う。処理部102は、この一連の動きが開始されたことをまず検知する(S301)。
【0036】
そして、処理部102は、画像取得部101を介して、上記モーションを距離画像の動画として取得し(S302)、この動画を構成するフレーム群を処理し、それぞれの特徴パラメータを算出する(S303)。着目フレームの特徴パラメータが特徴的な値をとるようなフレーム、すなわち特徴フレームであったならば(S304Yes)、着目フレームを特徴パラメータとともに照合データとして保存する(S305)。S302からS305までを、被認証者がモーションを終了する(S306Yes)まで繰り返す。
【0037】
さらに、処理部102は、上記のように照合データとして保存された特徴パラメータ群と、特徴登録データベース103に登録されている辞書データの特徴パラメータ群との不一致度を算出し(S307)、不一致度がしきい値以上であれば(S308No)、被認証者は他人である(もしくはグループメンバーではない)との制御情報を制御部104に伝え(S312)処理を終了する(S313)。
【0038】
特徴パラメータ群の不一致度がしきい値未満であれば(S308Yes)、処理部102は、照合データとして保存された特徴フレーム群と、特徴登録データベース103に登録されている辞書データの特徴フレーム群とのパターンマッチングの不一致度を算出し(S309)、パターンマッチングの不一致度がしきい値以上であれば(S310No)、被認証者は他人である(もしくはグループメンバーではない)との制御情報を制御部104に伝え(S312)処理を終了する(S313)。パターンマッチングの不一致度がしきい値未満であれば(S310Yrs)、被認証者は本人である(もしくはグループメンバーである)との制御情報を制御部104に伝え(S311)、処理を終了する(S313)。
【0039】
制御部104は、制御情報に応じた処理、例えば被認証者が本人であるとの制御情報の場合には電子錠を解除するなど、また被認証者が他人であるとの制御情報の場合は警告音を鳴らすなどの処理を行う。これらの処理は、本アクセス制御装置を応用するシステムによって異なる。
【0040】
以下には、上記の各処理の内容について、さらに詳細に説明する。
【0041】
S203、S303で行う特徴パラメータ算出とは、画像の特徴を計量化するための数値化処理である。特徴パラメータは、例えば、図形を構成する画素数を数えることによって求めることのできる面積や、図形の境界線の画素数を数えることによって求めることのできる周囲長、あるいは重心などがあり、さらにこれらの特徴パラメータの微分値(差分値)や、二次微分値(二次差分値)、あるいは特徴パラメータ同士の算術演算結果なども特徴パラメータとなり得る。
【0042】
面積、周囲長、重心などの特徴パラメータは、被認証者が定められたモーションを正しく知ってモーションを行っているかどうかが数値の大小に強く現れ、微分値や二次微分値には、被認証者のモーションの癖に相当する値が数値の大小に強く現れる。
【0043】
上述した種類の特徴パラメータのうちの幾つか(複数)を組み合わせることにより、被認証者が本人であるときの複数回試行は本人であると判断し、被認証者が他人であるときの試行は他人であると判断することが可能である。このような複数種類の特徴パラメータをS203、S303では算出する。
【0044】
なお、正当な利用者以外の人も定められたモーションを知っていると思われる場合(オープンスペースでモーションを行う場合等)の特徴パラメータの照合は、正当な利用者しか定められたモーションを知り得ないように秘匿している状況での照合よりも、上記の癖に相当する値が表れやすい微分値や二次微分値等の特徴パラメータに、より重みを置いて行うと良い。
【0045】
特徴フレームとは、特徴パラメータが極大値または極小値をとる、あるいは前もって定めたあるしきい値を超えるもしくは下回る、といった、特徴的な値を示すフレームである。
【0046】
S204、S304で行うある着目フレームが特徴フレームかどうかの判定は、着目フレームの特徴パラメータの値をしきい値と比較したり、前後のフレームの特徴パラメータと比較したりすることにより行う。複数種類の特徴パラメータのうち一つでも特徴的な値を示せば、特徴フレームとして抽出することにする。
【0047】
図5に示した例では、特徴パラメータAに関しては、th1およびth2が前もって定めたしきい値であり、特徴パラメータがこれを超えたり下回ったフレームであるf3,f5,f6,f8が、特徴フレームとして抽出される。また、特徴パラメータが極大値を示したf1,f4や、極小値を示したf2,f7も、特徴フレームとして抽出される。また、特徴パラメータBに関しては、前もって定めたしきい値th3に基づいてf11が、極大値/極小値であるという基準に基づいてf9,f10が、それぞれ特徴フレームとして抽出される。
【0048】
S307で行う、特徴フレーム群の特徴パラメータの不一致度算出は、次のようなものである。まず、辞書データの特徴フレームと入力された照合用の特徴フレームとの対応をとり、番号をつける。この番号を特徴フレーム番号とよぶ。このとき、そのフレームを特徴フレームと判断するもととなった特徴パラメータの種別が一致し、かつ、タイミングギャップが各特徴フレーム毎に最小になるものを対応候補とする。
【0049】
そして、各特徴フレーム毎に、辞書データのタイミングギャップの分散値と照合用の特徴フレームのタイミングギャップとを比較し、対応が付くかどうかを判定する。例えば照合用の特徴フレームの辞書データの特徴フレームに対するタイミングギャップが、辞書データのタイミングギャップ分散値の平方根より小さければ、対応がつくと判定する、といった方法がある。
【0050】
次に、式(1)に示すように、特徴フレームの特徴パラメータの値自体についても辞書データと照合用との差GFiを求め、各タイミングギャップGTiと共に、全特徴フレーム番号iについて重み付けして合算し、特徴フレームの特徴パラメータの不一致度DFを求める。
【数1】
ここで、特徴フレーム番号iに対応するタイミングギャップGTiにつける重みWTiは、対応する辞書データのタイミングギャップの分散値が大きいほど小さくなるように定めると良い。同様に、特徴フレーム番号iに対応する特徴パラメータGFiにつける重みWFiは、対応する辞書データの特徴パラメータの分散値が大きいほど小さくなるように定めると良い。
【0051】
本人がモーションを行っている様子を他人に知られる可能性が高い場合は、被認証者のモーションの癖に相当する値が強く現れる特徴パラメータの重みを大きくするよう、特徴パラメータの種別毎に重みを調整してもよい。
【0052】
なお、対応の付かない特徴フレームが存在した場合は、その数に応じて前もって定めたペナルティ値を式(1)で求めた値に加算して、特徴パラメータ不一致度DFとすると良い。
【0053】
S309の前半では、フレームのパターンマッチングの不一致度算出を行うが、これは、二つのフレーム(ここでは辞書データの特徴フレームと照合用の特徴フレーム)を移動しながら重ねあわせ、両者がどの程度一致するかしないかを算出する処理である。
【0054】
まず、比較する二つのフレームのうち、一方のフレームを一回り小さく切り出して検出すべき部分パターンであるテンプレートを作る。これをRiとする。他方のフレームをViとする。すると、両者のパターンマッチングの不一致度DPiは、式(2)のように求めることができる。
【数2】
ここで、x0とy0は、RiをViの中の可能な位置へ(x,y)平面上で移動させたときの移動量である。また、d0は、Riに対するViの奥行き方向の移動量を表す(各フレームは距離画像であるため)。
【0055】
S309全体では、特徴フレーム群のパターンマッチングの不一致度算出を行うが、これは次のようなものである。
【0056】
まず、各特徴フレームについてそれぞれ、上述したパターンマッチングの不一致度算出を行う。特徴フレーム番号がiであるフレームについて、式(2)のようにパターンマッチングの不一致度DPiを求めることができる。次に、式(3)に示すように、各フレームの不一致度DPi(iは特徴フレーム番号)を重み付けして合算し、特徴フレーム群全体としてのパターンマッチングの不一致度DPを求める。
【数3】
ここで、特徴フレーム番号iに対応するパターンマッチングの不一致度DPiにつける重みWPiは、対応する辞書データのパターンマッチングの不一致度の平均値および分散値が大きいほど小さくなるように定めると良い。
【0057】
以下には、上記のような認証を精度良く、もしくはより簡単に行うための種々の工夫について述べる。
【0058】
例えば、画像取得部101は、図6に示すような、手を差し入れる穴の空いた箱状の遮光箱部を備えていてもよい。ここで、画像取得部101は、利用者の手の動きの速度や形状を取得できるように、遮光箱部の手を差し入れる穴の空いた方向と直交する方向の画像を取得するように設置されている。図6は、手を差し入れる方向をX軸方向、画像取得部のセンサの向きをD軸方向に設定している例である。これにより、利用者の動きをとらえるのに最も適した方向の距離画像を取得することができる。
【0059】
画像取得部101は、複数設置してもよい。画像取得部101を複数設置することにより、異なる複数の角度から画像を取得でき、多数の特徴パラメータによって、より正確に認証を行うことができる。
【0060】
補助的な別の種類のセンサを併設していてもよく、例えば赤外線センサを用いることにより、赤外線を発しない偽物の手を用いる被認証者を判別する、といったことができる。
【0061】
また、画像取得部101にキーボード等を併設し、利用者にまずユーザIDに相当する番号等を打ち込んでもらい、特徴登録データベース103からそのユーザIDに対応する辞書データを処理部102に読み込み、それから上述したように利用者に秘密のモーションを行ってもらい、読み込んだ辞書データとの比較で本人(もしくはグループメンバー)か否かの確認を行うようにすれば、全ユーザの辞書データと比較するよりも簡単に高精度な認証を行うことができる。この場合のキーボードの代わりに、補助的な別の種類のセンサを用いることも可能である。
【0062】
また、遮光箱部は、他人が利用者の手の動きを見ることができないように遮る働きと、手を差し込む位置を制限し、位置を一定に固定する働きと、画像取得部101が受ける外光の影響をさらに少なくする働きとがある。これらの働きにより、特徴フレームのパターンマッチングの際に、テンプレートを相対的に大きくとることができ、重ねあわせる際に動かす範囲を小さくすることができる。したがって、被認証者が他人であったときに、異なる特徴フレームを誤って一致していると判定する可能性を小さくできる。
【0063】
また、被認証者がモーションを行う際にタイミングを取ることを補助するために、音楽を流したり、合図を出したりしてもよい。これは、モーションの開始(S201やS301)と終了(S206やS306)を判定するためにも役に立つ。そして、モーションが音楽や合図に合わせて行われるため、辞書データの特徴フレームと入力された照合用の特徴フレームとの対応をとる際に指標として用いるタイミングギャップが小さくなり、被認証者が本人であったときに正しく特徴フレームの対応付け判定できる可能性が高くなる。また、対応が取れるかどうかの判定を相対的に厳しくすることができるので、被認証者が他人であったときに異なる特徴フレームを誤って対応づけてしまう可能性を小さくできる。
【0064】
図7に、本実施形態の認証の対象となるモーションの一例を示しておく。(a)〜(c)の一連の動きで一つのモーションが形成され、(a)(b)(c)の各時点では静止画として特徴のある形を取り、各時点の間をつなぐ連続動作の中に本人の癖が表れる。
【0065】
上述した実施形態は、その認証のアルゴリズムや手順等を含めて、あくまで一例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、上述した他にも種々の変形実施が可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上に示されるように、本発明によれば、利用者のモーションを距離画像の動画として取得し、ここから利用者の動作の癖を抽出し、本人の癖と比較判定することにより、手軽でなりすましの危険の少ない本人確認方法を実現することが可能となる。また、同様に、利用者の動作を抽出し、事前に定めたの動作かどうか判定することにより、簡易なグループメンバー確認方法を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るアクセス制御システムの概略構成例を示す図。
【図2】画像取得部101の一例の外観を表す図。
【図3】処理部102で行われる登録処理の流れの一例を示す図。
【図4】処理部102で行われる照合処理の流れの一例を示す図。
【図5】特徴フレームの選択手法の一例を示す図。
【図6】遮光箱部の一例の外観を表す図。
【図7】モーションの一例を示す図。
【符号の説明】
101…画像取得部
102…処理部
103…特徴登録データベース
104…制御部
Claims (4)
- 利用者の一連の動きを複数のフレームから構成される距離画像として入力し、
この入力された複数のフレームの各々から、当該フレームの距離画像から計算される複数種類の特徴パラメータのうち特徴的なパラメータ値を取るフレームを複数抽出し、
この抽出された複数の特徴的なフレームそれぞれの時間的な並び及び空間的に特徴的であると判断する基となった特徴パラメータについて、予め登録された辞書データと比較し、 この比較結果に基づいて、前記利用者が正当な利用者であるか否かを判断する認証方法であって、
前記辞書データに登録された一連の動きについて正当な利用者以外の利用者も知り得る状況であると判断した場合には、正当な利用者のみが知り得ると仮定した場合に前記辞書データと比較する時間的な並び及び空間的な特徴よりも、空間的な特徴に微分演算を施した特徴に重みを置いて比較することを特徴とする認証方法。 - 利用者の一連の動きを複数のフレームから構成される距離画像として入力し、
この入力された複数のフレームの各々から、当該フレームの距離画像から計算される複数種類の特徴パラメータのうち特徴的なパラメータ値を取るフレームを複数抽出し、
この抽出された複数の特徴的なフレームそれぞれの時間的な並び及び空間的に特徴的であると判断する基となった特徴パラメータについて、予め登録された辞書データと比較し、 この比較結果に基づいて、前記利用者が正当な利用者であるか否かを判断する認証方法であって、
前記利用者の識別情報を別途入力し、
この識別情報が示す利用者に対応する辞書データを選択し、選択した辞書データに対する比較を行うものであることを特徴とする認証方法。 - 利用者の一連の動きを複数のフレームから構成される距離画像として入力し、
この入力された複数のフレームの各々から、当該フレームの距離画像から計算される複数種類の特徴パラメータのうち特徴的なパラメータ値を取るフレームを複数抽出し、
この抽出された複数の特徴的なフレームそれぞれの時間的な並び及び空間的に特徴的であると判断する基となった特徴パラメータについて、予め登録された辞書データと比較し、 この比較結果に基づいて、前記利用者が正当な利用者であるか否かを判断する認証方法であって、
前記利用者に一連の動きを入力するタイミングを提示し、
前記特徴的なフレームの時間的な並びの比較の基準を、前記タイミングを提示しない場合より厳しくすることを特徴とする認証方法。 - 正当な利用者の一連の動きを表す、複数の特徴的な距離画像のフレームの時間的な並び及び空間的な特徴を表す所定の情報を、辞書データとして登録する記憶手段と、
利用者の一連の動きを行う身体の一部の動きを制限することが可能な固定手段と、
前記固定手段により動きを制限された利用者の一連の動きを複数のフレームから構成される距離画像として入力する画像取得手段と、
この画像取得手段により入力された複数のフレームの各々から、当該フレームの距離画像から計算される複数の特徴パラメータのうち特徴的なパラメータ値を取るフレームを複数抽出し、これら抽出された複数の特徴的なフレームそれぞれの時間的な並び及び空間的に特徴的であると判断する基となった特徴パラメータについて、
前記記憶手段に登録された辞書データと比較し、この比較結果に基づいて、前記利用者が正当な利用者であるか否かを判断する処理手段とを具備したことを特徴とする認証装置。
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