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JP3550043B2 - トランスファフィーダ - Google Patents

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JP3550043B2
JP3550043B2 JP08830299A JP8830299A JP3550043B2 JP 3550043 B2 JP3550043 B2 JP 3550043B2 JP 08830299 A JP08830299 A JP 08830299A JP 8830299 A JP8830299 A JP 8830299A JP 3550043 B2 JP3550043 B2 JP 3550043B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトランスファフィーダに関する。
フォージングロールなどで予備成形される鍛造素材は、その予備成形過程で成形後の個々の素材長さが大きくバラツクことがある。本発明は、予備成形された長さの異なる鍛造素材を、クランプしてプレス金型上の所定位置に送るためのトランスファフィーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
トランスファフィーダを備えた鍛造プレスでは、複数の金型を並べてプレス加工を行い一工程を終えると、ワークを次の金型へ送って次工程加工を受け、能率よく量産品を製造するようにしている。トランスファフィーダは、鍛造プレス内でワークを次工程金型へ搬送する装置であって、プレス内の下金型の上部空間に配置された一対のフィードバー1、2を備えており、図6に示すように、フィードバー1,2が閉動作C、上昇U、前進A、下降D、開動作O、後退Rの順に運動を繰り返してワークを前工程金型から次工程金型へ搬送するようになっている。
上記のごとき従来のフィードバーの駆動装置としては、特開平6−304690号公報に記載されたものがあり、これに代表されるように、一対のフィードバー1,2の開閉動作は共通のサーボモータで行なっている。このため両フィードバー1,2は同一タイミングで同一距離しか開閉動作しない。
【0003】
上記従来例の問題点を図7に基づき説明する。
(1) 前記一対のフィードバー1,2には複数のフィンガー101 ,102 を取付けており、互いに接近してクランプ完了点でワークWを両側から挟んで把持するようにしている。
しかるに、両フィンガー101 ,102 の移動距離dは同一であるため、既述のごとく予備成形された材料Wa、Wbの長さが異なる場合は、基準側のフィンガーを長いフィンガー102 と短いフィンガー102aとの間で交換しなければならなかった。しかし、このような手間は生産性を著しく低下させるものである。
【0004】
(2) ところで、ワークWの形状寸法は多工程金属型間の加工毎に変化するので、それに合わせて反基準側フィンガー101 の形状寸法も変えているから、全てのワークを同時に確実に把持するためにはそれぞれのフィンガー101 を個別に、ワークW方向に押圧してワークWを挟持しなければならない。この押圧作用は従来より、スプリングの付勢力を適用する構成が多く用いられている。
しかるに、スプリング付勢力によってフィンガーをワークに押圧させる従来技術では、つぎのような問題がある。図8(a) 、(b) はスプリングをクランプ付勢力に使用した構成に共通する基本的な作用を示している。(a) 図は、左右一対のフィードバー1,2が互いに接近し、スプリング103 が長さFになるまで圧縮されてフィンガー保持部104 に取付けたフィンガー101 と、フィードバー2に固定されたフィンガー102 との間でワークWを押圧把持した状態を示している。このときワークWの中心線は金型の中心と一致する線K1である。フィードバー1,2はこの状態で前進して次工程金型の上までワークWを挟持して搬送する。
(b) 図はフィードバー1、2が次工程金型上で左右に開いてフィンガー101 、102 がワークWを放そうとする状態を示している。この開動作は左右同時に始まるが、フィードバー2が開き始めた当初はフィードバー1内のスプリング103 が伸びて、ワークWをフィードバー2側に押し付けたままであり、その後スプリング103 の伸び以上にフィードバー1が後退すると、ワークWが落下する。しかし、落下直前にワークWはスプリング103 で図中右側に押されるから、ワークWの中心線K2は金型の中心に対しズレてしまう。したがって、そのままプレス加工すると、欠陥製品を作ったり、金型を損傷するという問題があった。
【0005】
そこで、別の従来技術として、予備成形により長さのバラツク鍛造素材を搬送する場合、図9に示すような対策を実施していた。
まず、下金型LD上に、鍛造時の基準位置となる側においてワークWのストッパー面105 を設ける。そして、そのストッパー面105 側にあるフィードバー2のフィンガー102 はストロークを少なくするか又は固定して、下降時のワークWの基準面が金型ストッパー面105 の内側となるようフィンガー位置を設定する。
このようにすると、開動作時には、反基準側フィードバー1のフィンガー101 をスプリング103 等で押圧しても、ワークWは金型ストッパー面105 に押し付けられるので、ワークWの心は下金型の心からずれることはなくなる。
しかるに、この従来例でも、金型LDに充分大きなストッパー面105 を設けることができない場合は、アンクランプ時に下金型LD上でワークWは反基準側フィンガー101 のスプリング103 により押され、位置がずれるため製品に欠陥が生じる問題があった。
また、ワークWの端面を押さえ運ぶために大きなクランプ力の必要なものについては、大きな搬送素材の長さばらつきを許容しようとすると、反基準側フィンガー101 に非常に長いスプリング103 が必要となり限られたスペースに設置できなくなる等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑み、長さの異なる素材をフィンガーを交換することなく搬送でき、プレス金型上で心の合う所定位置に正確に搬送することができるトランスファフィーダを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1のトランスファフィーダは、反基準側フィードバーと基準側フィードバーの対が、開閉、昇降、前後進するトランスファフィーダにおいて、前記反基準側フィードバーを開閉動作させる第1サーボモータおよび前記基準側フィードバーを開閉動作させる第2サーボモータ、前記第1、第2サーボモータを個別に動作タイミングを異ならせて制御する制御装置とを設けており、前記反基準側フィードバーに、スプリング付勢タイプのフィンガーを取付け、前記基準側フィードバーに、非スプリング付勢タイプのフィンガーを取付け、アンクランプ作用時に、基準側フィードバーを停止状態のままで反基準側フィードバーを後退させ、該反基準側フィードバーのフィンガー中のスプリングが伸び切った時点からは基準側フィードバーと反基準側フィードバーを共に後退させるよう制御すること を特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、基準側フィードバーの第1サーボモータと反基準側フィードバーの第2サーボモータを個別に動作タイミングを異ならせて動できる。このため、アンクランプ作用時に、反基準側フィードバーのみ後退させると、この後退動作の間にも付勢スプリングが伸びようとするが、基準側フィードバーは後退せず停止しているので、材料が金型中心に対して位置ズレを生ずることはない。また、付勢スプリングが伸び切ると、そのタイミングに合わせて両フィードバーを後退させれば、下金型に心合わせした状態で、材料を下金型に正確に置くことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るトランスファフィーダの平面図、図2は同トランスファフィーダの側面図、図3は同トランスファフィーダの背面図、図4は本発明におけるクランプ動作の説明図、図5は本発明におけるアンクランプ動作の説明図である。
【0010】
図1〜3において、1は反基準側フィードバー、2は基準側フィードバーである。各フィードバー1,2には図示していないが、図5に示すようなスプリング付勢型のフィンガー3や固定型のフィンガー4が、多工程金型の金型数に応じた数だけ取付けられる。
5はトランスファフィーダの基端側のベースフレームであり、6は先端側のベースフレームである。これらのベースフレーム5,6は鍛造プレスの下金型上方空間に固定されている。
【0011】
7はトランスファフィーダの基端側の昇降フレームであり、8は先端側の昇降フレームである。前記昇降フレーム7はスライドガイド9を介して、ベースフレーム5に昇降自在に取付けられている。前記昇降フレーム8もスライドガイド9を介して、ベースフレーム6に昇降自在に取付けられている。また、昇降フレーム7,8はベースフレーム5,6に取付けられたネジ式螺進機構10A に連結されている。このネジ式螺進機構10A は、ネジ棒11と、これに螺合され回転不能に規制されたナット12を備え、このナット12には連結部材13が取付けられ、前記ネジ棒11をモータで回転させると、制御対象物を前後進させる公知の機構である。なお、後述するネジ式螺進機構10B 、10C、10Dも同様の機構である。
この2基の昇降用のネジ式螺進機構10A ,10A には、昇降用サーボモータM3,M3が接続されており、この2台のサーボモータM3,M3を駆動することにより、昇降フレーム7,8を昇降させ、ひいてはフィードバー1,2を昇降させるようになっている。
【0012】
前記基端側の昇降フレーム7には、前後進方向のスライドレール21が設置されており、このスライドレール21上をキャリッジ22が前後進するようになっている。
一方、昇降フレーム7には、前後進用のネジ式螺進機構10B が固定され、そのネジ棒11には前後進用のサーボモータM4が接続されており、ナット12はキャリッジ22に結合されている。
また、後に詳述するが、このキャリッジ22に両フィードバー1,2が連結部材13と連結アーム32を介して、フィードバー1,2の基端側が連結されている。さらに、フィードバー1,2の先端側は後述する連結アーム3に対し前後進方向に摺動自在に取付けられている。
よって、前記サーボモータM4を駆動すると、キャリッジ22を前進後退させ、一対のフィードバー1,2を同様に前進後退させることができる。
【0013】
前記基端側の昇降フレーム7上では前記キャリッジ22が前後進するが、その方向に直交する向きに、キャリッジ22上にスライドガイド31が設置されている。そして、キャリッジ22上には幅方向に直列に2基のネジ式螺進機構10C ,10D が個別に設置されている。
このネジ式螺進機構10C ,10D のナット12,12には、連結部材13,13が接続されているが、この連結部材13,13は前記スライドガイド31に案内されて昇降フレーム7の幅方向に移動する。また、この連結部材13,13には連結アーム32,32を介して、フィードバー1,2の基端部が連結されている。そして、フィードバー1用のネジ式螺進機構10C には第1サーボモータM1が接続され、フィードバー2用のネジ式螺進機構10D には第2サーボモータM2が接続されている。
【0014】
一方、前記先端側の昇降フレーム8上にも、スライドガイド31が設置され、2基のネジ式螺進機構10C ,10D が直列に設置されている。そして、このネジ式螺進機構10C ,10D のナット12,12には、連結部材13,13が接続されており、この連結部材13,13は前記スライドガイド31に案内されて昇降フレーム8の幅方向に移動する。また、この連結部材13,13には連結アーム33,33を介して、フィードバー1,2が連結されている。ただし、前記連結アーム33,33は、フィードバー1,2に直接結合されておらず、その下端にスライド筒34を取付け、このスライド筒34内に、前記フィードバー1,2の先端側を挿入して、スライド自在に保持するようにしている。そして、フィードバー1用のネジ式螺進機構10C には第1サーボモータM1が接続され、フィードバー2用のネジ式螺進機構10D には第2サーボモータM2が接続されている。
したがって、第1、第2サーボモータM1、M2により、一対のフィードバー1,2を開閉することができる。
【0015】
本発明の特徴は上記のごとく、フィードバー1の開閉用の第1サーボモータM1とフィードバー2の開閉用の第2サーボモータM2を個別に設け、これらを個別に制御するようにした点にある。
このため、フィードバー1,2を異なるタイミングで開閉動作させ、また異なる距離を移動させることができる。
【0016】
つぎに、本実施形態のトランファフィーダの利点を説明する。
図4はクランプ作用の説明図であり、(A) 図は長さの短い材料Waをクランプする場合を示し、(B) 図は長さの長い材料Wbをクランプする場合を示している。
(A) 図では、金型中心線Kに対し材料Waの両端長さが同一であるため、フィードバー1、2のクランプ動作距離dは同一で足りる。しかし、(B) 図では金型中心線Kに対する材料Wbの両端長さが異なり、図中右側が長くなっている。この場合は、フィードバー1の動作距離dは同じのまま、フィードバー2の動作距離d’を短くすればよく、こうすることによりフィンガー4を短いものに交換することなく、材料Wbを確実に把持することができる。
【0017】
図5は反基準側フィードバー1のフィンガ3にスプリング付勢タイプを用いたもののアンクランプ作用の説明図である。(I) 図はアンクランプ寸前の状態であり、一対のフィンガー1,2のフィンガー3,4によって材料Wが下金型LD上に搬送されてきた状態である。この状態からフィードバー1,2を下降させ、(II)図に示すように、反基準側フィードバー1のみ若干後退させる。この後退動作の間にも付勢スプリング5が伸びようとするが、基準側フィードバー2は後退せず停止しているので、材料Wが金型中心Kに対して位置ズレを生ずることはない。このようにして、付勢スプリング5が伸び切ると、そのタイミングに合わせて両フィードバー1,2を後退させれば、下金型に心合わせした状態で、材料Wを下金型LDに正確に置くことができる。
以上のごとく、本実施形態のトランスファフィーダによれば、長さの異なる材料のクランプ時にフィンガーを交換する必要がなく、アンクランプ時に心ズレが生ずることもない。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、基準側フィードバーの第1サーボモータと反基準側フィードバーの第2サーボモータを個別に動作タイミングを異ならせて動できる。このため、アンクランプ作用時に、反基準側フィードバーのみ後退させると、この後退動作の間にも付勢スプリングが伸びようとするが、基準側フィードバーは後退せず停止しているので、材料が金型中心に対して位置ズレを生ずることはない。また、付勢スプリングが伸び切ると、そのタイミングに合わせて両フィードバーを後退させれば、下金型に心合わせした状態で、材料を下金型に正確に置くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトランスファフィーダの平面図である。
【図2】同トランスファフィーダの側面図である。
【図3】同トランスファフィーダの背面図である。
【図4】本発明におけるクランプ動作の説明図である。
【図5】本発明におけるアンクランプ動作の説明図である。
【図6】トランスファーダの動作説明図である。
【図7】従来技術における長さの異なるワークのクランプ動作の説明図である。
【図8】従来技術における長さの異なるワークのアンクランプ動作の説明図である。
【図9】従来技術の下金型にストッパ面を設けた構成の説明図である。
【符号の説明】
1 フィードバー
2 フィードバー
7 昇降フレーム
8 昇降フレーム
21 スライドレール
22 キャリッジ
31 スライドガイド
M1 第1サーボモータ
M2 第2サーボモータ

Claims (1)

  1. 反基準側フィードバーと基準側フィードバーの対が、開閉、昇降、前後進するトランスファフィーダにおいて、
    前記反基準側フィードバーを開閉動作させる第1サーボモータおよび前記基準側フィードバーを開閉動作させる第2サーボモータ
    前記第1、第2サーボモータを個別に動作タイミングを異ならせて制御する制御装置とを設けており、
    前記反基準側フィードバーに、スプリング付勢タイプのフィンガーを取付け、前記基準側フィードバーに、非スプリング付勢タイプのフィンガーを取付け、
    アンクランプ作用時に、基準側フィードバーを停止状態のままで反基準側フィードバーを後退させ、該反基準側フィードバーのフィンガー中のスプリングが伸び切った時点からは基準側フィードバーと反基準側フィードバーを共に後退させるよう制御する
    ことを特徴とするトランスファフィーダ。
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