JP3549822B2 - 射出成形機の制御方法及び射出成形機の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の制御方法及び射出成形機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、成形品としてのディスク基板を成形するための射出成形機は、射出装置を備え、該射出装置は、前端に射出ノズルを備えた加熱シリンダ、該加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリュー、該スクリューを回転させたり、進退させたりする駆動部としての射出シリンダを有する。そして、射出工程において、前記スクリューを前進させ、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、前記射出ノズルから射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、冷却工程において、前記キャビティ空間内の樹脂を冷却し、固化させることによってディスク基板を成形するようにしている。前記金型装置は、固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を固定金型に対して接離させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
【0003】
前記ディスク基板を成形する場合、キャビティ空間内において樹脂を中心から径方向外方に向けて均等に流す必要がある。そのためには、コールドランナ式の1個取りの金型装置を使用するのが好ましいが、1個取りの金型装置を使用すると、生産効率が低くなるだけでなく、ディスク基板のコストが高くなってしまう。
【0004】
そこで、ホットランナ式の多数個取り(2個取り又は4個取り)の金型装置が提供されている。該ホットランナ式の多数個取りの金型装置においては、金型装置に複数のキャビティ空間が形成され、各キャビティ空間に樹脂を供給するための各ランナに加熱手段が配設され、該加熱手段によってランナ内の樹脂が溶融状態に保たれる。この場合、ランナ内の樹脂の溶融状態を良好にすることができるので、各キャビティ空間内において樹脂を中心から径方向外方に向けて均等に流すことができる。
【0005】
ところで、キャビティ空間に充填される樹脂の圧力、すなわち、充填圧が高くなると、オーバーパックが発生して固化した後の樹脂に応力が残留したり、固定金型と可動金型との間から樹脂が漏れ出してばりが形成されたりして、ディスク基板に成形不良が発生してしまう。
【0006】
そこで、射出シリンダ内の油圧を検出し、検出された油圧が閾(しきい)値を超えたときに、ディスク基板に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出成形機においては、射出ノズルから射出された樹脂は各ランナを通過して各キャビティ空間に充填されるので、例えば、一つのキャビティ空間における充填圧が高くなっても、他のキャビティ空間における充填圧が正常である場合は、射出シリンダ内の油圧が閾値を超えないことがある。その場合、ディスク基板に成形不良が発生したと判断することができず、射出成形機の運転を停止させることができない。
【0008】
したがって、そのまま射出成形機の運転が継続されてしまい、充填圧が高くなったキャビティ空間のディスク基板に成形不良が発生するだけでなく、その影響を受けて他のキャビティ空間のディスク基板にも成形不良が発生してしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、成形品に成形不良が発生した場合に、成形品に成形不良が発生したと確実に判断することができる射出成形機の制御方法及び射出成形機の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の射出成形機の制御方法においては、射出ノズルから射出された樹脂を複数の樹脂供給系を介して複数のキャビティ空間に充填し、該各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えるかどうかを判断し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする。
【0011】
本発明の他の射出成形機の制御方法においては、さらに、前記充填圧は、スプルーブッシュに配設された充填圧検出手段によって検出される。
【0012】
本発明の射出成形機の制御装置においては、射出ノズルから射出された樹脂を複数のキャビティ空間に充填するための複数の樹脂供給系と、前記各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出する充填圧検出手段と、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする制御部とを有する。
【0013】
本発明の他の射出成形機の制御装置においては、さらに、前記充填圧は、スプルーブッシュに配設された充填圧検出手段によって検出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態における射出成形機の制御装置を示す機能ブロック図、図2は本発明の実施の形態における金型装置の断面図、図3は本発明の実施の形態における充填圧の例を示す図である。なお、図3においては、横軸に時間を、縦軸に充填圧を採ってある。
【0016】
図2において、11は固定側の金型ユニット、12は可動側の金型ユニット、13は固定プラテン、14は固定金型、15は該固定金型14を前記固定プラテン13に取り付けるための金型取付板であり、前記固定金型14は、マニホルド16、中間プレート17及び型板18を備える。また、19は前記固定金型14に対向させて進退(図2における左右方向に移動)自在に配設された可動金型であり、該可動金型19は受け板21及び型板22を備える。そして、前記型板22の2箇所に、型板18と対向する面に開口させて凹部23が形成される。前記固定金型14及び可動金型19によって金型装置が構成される。
【0017】
前記可動金型19の後方(図2における左方)には、図示されない可動プラテンが進退自在に配設され、該可動プラテンの更に後方には、図示されない型締装置が配設される。そして、該型締装置を作動させることによって、前記可動プラテンを進退させると、可動金型19が同様に進退させられ、前記金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われ、型締めに伴って前記凹部23によってディスク形状を有するキャビティ空間C1、C2が形成される。
【0018】
また、前記固定プラテン13の後方(図2における右方)には、射出装置が配設される。該射出装置は、前端に射出ノズル26を備えた加熱シリンダ、該加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設された図示されないスクリュー、該スクリューを回転させたり、進退させたりする駆動部としての図示されない射出シリンダを備える。そして、前記スクリューを前進させ、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を前記射出ノズル26から射出し、前記キャビティ空間C1、C2に充填し、該キャビティ空間C1、C2内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品としてのディスク基板を成形するようにしている。
【0019】
そのために、前記固定プラテン13における射出装置と対向する面の中央に、円錐(すい)形の形状を有する凹部24が形成され、該凹部24に、固定プラテン13に対して固定金型14を位置決めするためのロケートリング25が配設される。また、前記マニホルド16内にマニホルド室27が形成され、該マニホルド室27にマニホルド28が断熱状態で配設される。そのために、前記金型取付板15とマニホルド28との間に断熱材から成るスペーサ31、32が、中間プレート17とマニホルド28との間に断熱材から成るスペーサ33が配設され、マニホルド28の周囲に断熱空間が形成される。また、前記マニホルド28の中央に、後方に向けて突出させてブシュ34が形成され、該ブシュ34の後端面(図2における右端面)と射出ノズル26とが対向させられる。そして、前記マニホルド28内には、前記ブシュ34の後端面に開口するスプルー35、及び該スプルー35と接続され、かつ、スプルー35から離れる方向(図2における上下方向)に延在させて形成されたランナ36、37が形成され、該ランナ36、37の先端は、「L」字状に折り曲げられ、マニホルド28の両端において可動金型19側に向けて開口させられる。なお、前記キャビティ空間C1、C2は、前記スプルー35を中心にして等距離の位置に形成される。
【0020】
前記マニホルド28の両端にはホットチップ41、42が取り付けられ、該ホットチップ41、42の前端(図2における左端)にノズル部43、44が形成される。そして、前記ホットチップ41、42より前方(図2における左方)にスプルーブッシュ51、52が配設され、該スプルーブッシュ51、52は、それぞれ外筒61、62及び内筒45、46から成る。前記ノズル部43、44の前端と前記内筒45、46の後端(図2における右端)とが対向させられる。また、前記ホットチップ41、42内にチップランナ47、48が、内筒45、46内にコールドスプルー49、50が形成され、前記ランナ36、チップランナ47及びコールドスプルー49が連通させられるとともに、前記ランナ37、チップランナ48及びコールドスプルー50が連通させられる。なお、前記マニホルド28、ホットチップ41、42及びスプルーブッシュ51、52によって、射出ノズル26から射出された樹脂を各キャビティ空間C1、C2に充填するための樹脂供給系が構成される。
【0021】
そして、前記スプルーブッシュ51、52の前端はキャビティ空間C1、C2に臨ませて配設され、前端面(図2における左端面)に開口させてダイ53、54が形成される。さらに、前記スプルーブッシュ51、52の前端部(図2における左端部)を包囲して、インナスタンパホルダ55、56が配設される。該インナスタンパホルダ55、56は、中間プレート17及び型板18と螺(ら)合させられ、スタンパ81、82を型板18に取り付ける。
【0022】
前記ランナ36、37を通過する樹脂を加熱して溶融状態を保つために、前記マニホルド28の外周面には第1の加熱手段としてのヒータH1が配設される。また、チップランナ47、48を通過する樹脂を加熱して溶融状態を保つために、前記ホットチップ41に第2の加熱手段としてのヒータH2が、ホットチップ42に第3の加熱手段としてのヒータH3が埋設される。
【0023】
一方、前記可動金型19側において、前記ダイ53、54と対向する部分に、筒状のカットパンチ65、66が進退自在に配設され、該カットパンチ65、66内にスプルーロッド57、58が、前記カットパンチ65、66より径方向外方にエジェクタスリーブ59、60がそれぞれ進退自在に配設される。そして、カットパンチ65、66を進退させるために穴開加工用の図示されない駆動手段が、スプルーロッド57、58及びエジェクタスリーブ59、60を進退させるために突出し用の図示されない駆動手段が配設される。
【0024】
次に、ディスク基板を成形する際の射出成形機の動作について説明する。
【0025】
まず、前記型締装置が駆動され、金型装置において型閉じ及び型締めが行われ、キャビティ空間C1、C2が形成される。続いて、射出装置において射出工程が開始され、射出ノズル26から溶融させられた樹脂が射出されると、樹脂はスプルー35を通過した後、ランナ36、37に分岐させられる。そして、ランナ36を通過した樹脂は、チップランナ47及びコールドスプルー49を通過した後、一方のキャビティ空間C1に充填され、ランナ37を通過した樹脂は、チップランナ48及びコールドスプルー50を通過した後、他方のキャビティ空間C2に充填される。この場合、ランナ36、37及びチップランナ47、48を通過する間、樹脂は加熱されるので、溶融状態が良好になる。したがって、各キャビティ空間C1、C2内において樹脂が中心から径方向外方に向けて均等に流れるので、ディスク基板の品質を向上させることができる。
【0026】
次に、射出装置において保圧工程が開始され、射出シリンダが駆動されてキャビティ空間C1、C2内の樹脂の圧力が所定の値に保たれる。続いて、金型装置において冷却工程が開始され、キャビティ空間C1、C2内の樹脂が冷却され、固化される。そして、前記保圧工程又は冷却工程において、前記穴開加工用の駆動手段が駆動され、カットパンチ65、66が前進(図2における右方に移動)させられると、カットパンチ65、66の前端(図2における右端)がダイ53、54に嵌(かん)入され、キャビティ空間C1、C2内の樹脂に穴開加工が施される。このようにして、ディスク基板が成形される。
【0027】
その後、金型装置の型開きが行われるのに伴って、突出し用の駆動手段が駆動され、スプルーロッド57、58及びエジェクタスリーブ59、60を前進させると、ディスク基板が突き出され、離型させられる。
【0028】
続いて、射出装置において計量工程が開始され、加熱シリンダ内のスクリューが回転させられ、スクリューヘッドの前方に溶融させられた樹脂が蓄えられる。これに伴って、前記スクリューは後退させられる。
【0029】
ところで、射出工程において、各キャビティ空間C1、C2への充填圧P1、P2が高くなると、オーバーパックが発生して固化した後の樹脂に応力が残留したり、固定金型14と可動金型19との間から樹脂が漏れ出してばりが形成されたりして、ディスク基板に成形不良が発生してしまう。
【0030】
そこで、前記樹脂供給系のうちのスプルーブッシュ51、52に、コールドスプルー49、50に臨ませて充填圧検出手段としての充填圧センサ71、72が配設され、該充填圧センサ71、72によって、コールドスプルー49、50内の樹脂の圧力をキャビティ空間C1、C2への充填圧P1、P2として検出するようにしている。なお、本実施の形態においては、スプルーブッシュ51、52に充填圧センサ71、72が配設され、コールドスプルー49、50内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出するようになっているが、型板18又は型板22に、キャビティ空間C1、C2に臨ませて充填圧センサを配設し、直接キャビティ空間C1、C2内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出したり、ホットチップ41、42に、チップランナ47、48に臨ませて充填圧センサを配設し、チップランナ47、48内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出したり、マニホルド28に、ランナ36、37に臨ませて充填圧センサを配設し、ランナ36、37内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出したりすることもできる。
【0031】
そして、前記充填圧センサ71、72によってキャビティ空間C1、C2における充填圧P1、P2が検出されると、検出信号が常時又は所定のタイミングごとに制御部としてのCPU73に送られる。該CPU73の条件成立判断処理手段75は、前記充填圧P1、P2とあらかじめ設定された閾値PTHと比較し、前記充填圧P1、P2のうちの少なくとも一つ(本実施の形態においては、充填圧P1)が閾値PTHを超えると、射出工程を中止させるための工程中止条件が成立したと判断する。なお、前記閾値PTHは一定の値に固定しても、図示されない設定器によって任意の値に設定することもできる。
【0032】
続いて、前記CPU73の工程スキップ処理手段76は、工程中止条件が成立したと判断されると、前記充填圧P1、P2が閾値PTHを超えたキャビティ空間C1、C2(本実施の形態においては、キャビティ空間C1)のディスク基板に成形不良が発生したと判断し、射出工程が完了する前に射出工程を中止して、次の工程にスキップする。すなわち、型開きを行い、各キャビティ空間C1、C2内の未完成のディスク基板をいずれも不良品として処理する。続いて、前記工程スキップ処理手段76は次の工程、すなわち、計量工程を開始する。
【0033】
そして、ディスク基板に成形不良が発生したショットが所定の回数だけ続くと、CPU73の図示されない運転停止処理手段は、射出成形機の運転を停止させる。
【0034】
このように、例えば、一つのキャビティ空間C1における充填圧P1が高くなると、他のキャビティ空間C2における充填圧P2が正常である場合でも、ディスク基板に成形不良が発生したと確実に判断することができる。そして、そのまま射出成形機の運転が継続された場合、キャビティ空間C1のディスク基板に成形不良が発生するだけでなく、その影響を受けてキャビティ空間C2のディスク基板にも成形不良が発生するが、射出工程が中止され、各キャビティ空間C1、C2の未完成のディスク基板がいずれも不良品として処理されるので、良品と不良品とが混在することがなくなる。
【0035】
また、工程中止条件が成立すると、射出工程が中止されるが、射出成形機の運転は停止させられることなく、計量工程にスキップされるので、射出成形機の運転を継続することができる。したがって、射出成形機の運転効率を向上させることができる。
【0036】
なお、図3においては、キャビティ空間C1における充填圧P1が閾値PTHを超え、キャビティ空間C2における充填圧P2が正常な場合を示しているが、この場合、充填圧P1が閾値PTHを超えたときに、射出工程が中止されて次の工程にスキップする。
【0037】
本実施の形態においては、ホットランナ式の金型装置に適用した例について説明しているが、コールドランナ式の金型装置に適用することもできる。また、本実施の形態においては、成形品としてディスク基板を成形するようになっているが、ディスク基板以外のものを成形することもできる。
【0038】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出成形機の制御方法においては、射出ノズルから射出された樹脂を複数の樹脂供給系を介して複数のキャビティ空間に充填し、該各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えるかどうかを判断し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする。
【0040】
この場合、各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧が検出され、各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断される。
【0041】
したがって、少なくとも一つのキャビティ空間における充填圧が高くなると、他のキャビティ空間における充填圧が正常である場合でも、成形不良が発生したと確実に判断することができる。そして、少なくとも一つのキャビティ空間の成形品に成形不良が発生すると、その影響を受けて他のキャビティ空間の成形品にも成形不良が発生するが、射出工程が中止され、各キャビティ空間の未完成の成形品がいずれも不良品として処理されるので、良品と不良品とが混在することがなくなる。
【0042】
また、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断されると、射出成形機の運転を停止することなく、射出工程が中止されて次の工程にスキップされるので、射出成形機の運転を継続することができ、射出成形機の運転効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における射出成形機の制御装置を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における金型装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における充填圧の例を示す図である。
【符号の説明】
26 射出ノズル
28 マニホルド
41、42 ホットチップ
51、52 スプルーブッシュ
71、72 充填圧センサ
73 CPU
C1、C2 キャビティ空間
PTH 閾値
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の制御方法及び射出成形機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、成形品としてのディスク基板を成形するための射出成形機は、射出装置を備え、該射出装置は、前端に射出ノズルを備えた加熱シリンダ、該加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリュー、該スクリューを回転させたり、進退させたりする駆動部としての射出シリンダを有する。そして、射出工程において、前記スクリューを前進させ、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、前記射出ノズルから射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、冷却工程において、前記キャビティ空間内の樹脂を冷却し、固化させることによってディスク基板を成形するようにしている。前記金型装置は、固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を固定金型に対して接離させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
【0003】
前記ディスク基板を成形する場合、キャビティ空間内において樹脂を中心から径方向外方に向けて均等に流す必要がある。そのためには、コールドランナ式の1個取りの金型装置を使用するのが好ましいが、1個取りの金型装置を使用すると、生産効率が低くなるだけでなく、ディスク基板のコストが高くなってしまう。
【0004】
そこで、ホットランナ式の多数個取り(2個取り又は4個取り)の金型装置が提供されている。該ホットランナ式の多数個取りの金型装置においては、金型装置に複数のキャビティ空間が形成され、各キャビティ空間に樹脂を供給するための各ランナに加熱手段が配設され、該加熱手段によってランナ内の樹脂が溶融状態に保たれる。この場合、ランナ内の樹脂の溶融状態を良好にすることができるので、各キャビティ空間内において樹脂を中心から径方向外方に向けて均等に流すことができる。
【0005】
ところで、キャビティ空間に充填される樹脂の圧力、すなわち、充填圧が高くなると、オーバーパックが発生して固化した後の樹脂に応力が残留したり、固定金型と可動金型との間から樹脂が漏れ出してばりが形成されたりして、ディスク基板に成形不良が発生してしまう。
【0006】
そこで、射出シリンダ内の油圧を検出し、検出された油圧が閾(しきい)値を超えたときに、ディスク基板に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出成形機においては、射出ノズルから射出された樹脂は各ランナを通過して各キャビティ空間に充填されるので、例えば、一つのキャビティ空間における充填圧が高くなっても、他のキャビティ空間における充填圧が正常である場合は、射出シリンダ内の油圧が閾値を超えないことがある。その場合、ディスク基板に成形不良が発生したと判断することができず、射出成形機の運転を停止させることができない。
【0008】
したがって、そのまま射出成形機の運転が継続されてしまい、充填圧が高くなったキャビティ空間のディスク基板に成形不良が発生するだけでなく、その影響を受けて他のキャビティ空間のディスク基板にも成形不良が発生してしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、成形品に成形不良が発生した場合に、成形品に成形不良が発生したと確実に判断することができる射出成形機の制御方法及び射出成形機の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の射出成形機の制御方法においては、射出ノズルから射出された樹脂を複数の樹脂供給系を介して複数のキャビティ空間に充填し、該各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えるかどうかを判断し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする。
【0011】
本発明の他の射出成形機の制御方法においては、さらに、前記充填圧は、スプルーブッシュに配設された充填圧検出手段によって検出される。
【0012】
本発明の射出成形機の制御装置においては、射出ノズルから射出された樹脂を複数のキャビティ空間に充填するための複数の樹脂供給系と、前記各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出する充填圧検出手段と、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする制御部とを有する。
【0013】
本発明の他の射出成形機の制御装置においては、さらに、前記充填圧は、スプルーブッシュに配設された充填圧検出手段によって検出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態における射出成形機の制御装置を示す機能ブロック図、図2は本発明の実施の形態における金型装置の断面図、図3は本発明の実施の形態における充填圧の例を示す図である。なお、図3においては、横軸に時間を、縦軸に充填圧を採ってある。
【0016】
図2において、11は固定側の金型ユニット、12は可動側の金型ユニット、13は固定プラテン、14は固定金型、15は該固定金型14を前記固定プラテン13に取り付けるための金型取付板であり、前記固定金型14は、マニホルド16、中間プレート17及び型板18を備える。また、19は前記固定金型14に対向させて進退(図2における左右方向に移動)自在に配設された可動金型であり、該可動金型19は受け板21及び型板22を備える。そして、前記型板22の2箇所に、型板18と対向する面に開口させて凹部23が形成される。前記固定金型14及び可動金型19によって金型装置が構成される。
【0017】
前記可動金型19の後方(図2における左方)には、図示されない可動プラテンが進退自在に配設され、該可動プラテンの更に後方には、図示されない型締装置が配設される。そして、該型締装置を作動させることによって、前記可動プラテンを進退させると、可動金型19が同様に進退させられ、前記金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われ、型締めに伴って前記凹部23によってディスク形状を有するキャビティ空間C1、C2が形成される。
【0018】
また、前記固定プラテン13の後方(図2における右方)には、射出装置が配設される。該射出装置は、前端に射出ノズル26を備えた加熱シリンダ、該加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設された図示されないスクリュー、該スクリューを回転させたり、進退させたりする駆動部としての図示されない射出シリンダを備える。そして、前記スクリューを前進させ、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を前記射出ノズル26から射出し、前記キャビティ空間C1、C2に充填し、該キャビティ空間C1、C2内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品としてのディスク基板を成形するようにしている。
【0019】
そのために、前記固定プラテン13における射出装置と対向する面の中央に、円錐(すい)形の形状を有する凹部24が形成され、該凹部24に、固定プラテン13に対して固定金型14を位置決めするためのロケートリング25が配設される。また、前記マニホルド16内にマニホルド室27が形成され、該マニホルド室27にマニホルド28が断熱状態で配設される。そのために、前記金型取付板15とマニホルド28との間に断熱材から成るスペーサ31、32が、中間プレート17とマニホルド28との間に断熱材から成るスペーサ33が配設され、マニホルド28の周囲に断熱空間が形成される。また、前記マニホルド28の中央に、後方に向けて突出させてブシュ34が形成され、該ブシュ34の後端面(図2における右端面)と射出ノズル26とが対向させられる。そして、前記マニホルド28内には、前記ブシュ34の後端面に開口するスプルー35、及び該スプルー35と接続され、かつ、スプルー35から離れる方向(図2における上下方向)に延在させて形成されたランナ36、37が形成され、該ランナ36、37の先端は、「L」字状に折り曲げられ、マニホルド28の両端において可動金型19側に向けて開口させられる。なお、前記キャビティ空間C1、C2は、前記スプルー35を中心にして等距離の位置に形成される。
【0020】
前記マニホルド28の両端にはホットチップ41、42が取り付けられ、該ホットチップ41、42の前端(図2における左端)にノズル部43、44が形成される。そして、前記ホットチップ41、42より前方(図2における左方)にスプルーブッシュ51、52が配設され、該スプルーブッシュ51、52は、それぞれ外筒61、62及び内筒45、46から成る。前記ノズル部43、44の前端と前記内筒45、46の後端(図2における右端)とが対向させられる。また、前記ホットチップ41、42内にチップランナ47、48が、内筒45、46内にコールドスプルー49、50が形成され、前記ランナ36、チップランナ47及びコールドスプルー49が連通させられるとともに、前記ランナ37、チップランナ48及びコールドスプルー50が連通させられる。なお、前記マニホルド28、ホットチップ41、42及びスプルーブッシュ51、52によって、射出ノズル26から射出された樹脂を各キャビティ空間C1、C2に充填するための樹脂供給系が構成される。
【0021】
そして、前記スプルーブッシュ51、52の前端はキャビティ空間C1、C2に臨ませて配設され、前端面(図2における左端面)に開口させてダイ53、54が形成される。さらに、前記スプルーブッシュ51、52の前端部(図2における左端部)を包囲して、インナスタンパホルダ55、56が配設される。該インナスタンパホルダ55、56は、中間プレート17及び型板18と螺(ら)合させられ、スタンパ81、82を型板18に取り付ける。
【0022】
前記ランナ36、37を通過する樹脂を加熱して溶融状態を保つために、前記マニホルド28の外周面には第1の加熱手段としてのヒータH1が配設される。また、チップランナ47、48を通過する樹脂を加熱して溶融状態を保つために、前記ホットチップ41に第2の加熱手段としてのヒータH2が、ホットチップ42に第3の加熱手段としてのヒータH3が埋設される。
【0023】
一方、前記可動金型19側において、前記ダイ53、54と対向する部分に、筒状のカットパンチ65、66が進退自在に配設され、該カットパンチ65、66内にスプルーロッド57、58が、前記カットパンチ65、66より径方向外方にエジェクタスリーブ59、60がそれぞれ進退自在に配設される。そして、カットパンチ65、66を進退させるために穴開加工用の図示されない駆動手段が、スプルーロッド57、58及びエジェクタスリーブ59、60を進退させるために突出し用の図示されない駆動手段が配設される。
【0024】
次に、ディスク基板を成形する際の射出成形機の動作について説明する。
【0025】
まず、前記型締装置が駆動され、金型装置において型閉じ及び型締めが行われ、キャビティ空間C1、C2が形成される。続いて、射出装置において射出工程が開始され、射出ノズル26から溶融させられた樹脂が射出されると、樹脂はスプルー35を通過した後、ランナ36、37に分岐させられる。そして、ランナ36を通過した樹脂は、チップランナ47及びコールドスプルー49を通過した後、一方のキャビティ空間C1に充填され、ランナ37を通過した樹脂は、チップランナ48及びコールドスプルー50を通過した後、他方のキャビティ空間C2に充填される。この場合、ランナ36、37及びチップランナ47、48を通過する間、樹脂は加熱されるので、溶融状態が良好になる。したがって、各キャビティ空間C1、C2内において樹脂が中心から径方向外方に向けて均等に流れるので、ディスク基板の品質を向上させることができる。
【0026】
次に、射出装置において保圧工程が開始され、射出シリンダが駆動されてキャビティ空間C1、C2内の樹脂の圧力が所定の値に保たれる。続いて、金型装置において冷却工程が開始され、キャビティ空間C1、C2内の樹脂が冷却され、固化される。そして、前記保圧工程又は冷却工程において、前記穴開加工用の駆動手段が駆動され、カットパンチ65、66が前進(図2における右方に移動)させられると、カットパンチ65、66の前端(図2における右端)がダイ53、54に嵌(かん)入され、キャビティ空間C1、C2内の樹脂に穴開加工が施される。このようにして、ディスク基板が成形される。
【0027】
その後、金型装置の型開きが行われるのに伴って、突出し用の駆動手段が駆動され、スプルーロッド57、58及びエジェクタスリーブ59、60を前進させると、ディスク基板が突き出され、離型させられる。
【0028】
続いて、射出装置において計量工程が開始され、加熱シリンダ内のスクリューが回転させられ、スクリューヘッドの前方に溶融させられた樹脂が蓄えられる。これに伴って、前記スクリューは後退させられる。
【0029】
ところで、射出工程において、各キャビティ空間C1、C2への充填圧P1、P2が高くなると、オーバーパックが発生して固化した後の樹脂に応力が残留したり、固定金型14と可動金型19との間から樹脂が漏れ出してばりが形成されたりして、ディスク基板に成形不良が発生してしまう。
【0030】
そこで、前記樹脂供給系のうちのスプルーブッシュ51、52に、コールドスプルー49、50に臨ませて充填圧検出手段としての充填圧センサ71、72が配設され、該充填圧センサ71、72によって、コールドスプルー49、50内の樹脂の圧力をキャビティ空間C1、C2への充填圧P1、P2として検出するようにしている。なお、本実施の形態においては、スプルーブッシュ51、52に充填圧センサ71、72が配設され、コールドスプルー49、50内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出するようになっているが、型板18又は型板22に、キャビティ空間C1、C2に臨ませて充填圧センサを配設し、直接キャビティ空間C1、C2内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出したり、ホットチップ41、42に、チップランナ47、48に臨ませて充填圧センサを配設し、チップランナ47、48内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出したり、マニホルド28に、ランナ36、37に臨ませて充填圧センサを配設し、ランナ36、37内の樹脂の圧力を充填圧P1、P2として検出したりすることもできる。
【0031】
そして、前記充填圧センサ71、72によってキャビティ空間C1、C2における充填圧P1、P2が検出されると、検出信号が常時又は所定のタイミングごとに制御部としてのCPU73に送られる。該CPU73の条件成立判断処理手段75は、前記充填圧P1、P2とあらかじめ設定された閾値PTHと比較し、前記充填圧P1、P2のうちの少なくとも一つ(本実施の形態においては、充填圧P1)が閾値PTHを超えると、射出工程を中止させるための工程中止条件が成立したと判断する。なお、前記閾値PTHは一定の値に固定しても、図示されない設定器によって任意の値に設定することもできる。
【0032】
続いて、前記CPU73の工程スキップ処理手段76は、工程中止条件が成立したと判断されると、前記充填圧P1、P2が閾値PTHを超えたキャビティ空間C1、C2(本実施の形態においては、キャビティ空間C1)のディスク基板に成形不良が発生したと判断し、射出工程が完了する前に射出工程を中止して、次の工程にスキップする。すなわち、型開きを行い、各キャビティ空間C1、C2内の未完成のディスク基板をいずれも不良品として処理する。続いて、前記工程スキップ処理手段76は次の工程、すなわち、計量工程を開始する。
【0033】
そして、ディスク基板に成形不良が発生したショットが所定の回数だけ続くと、CPU73の図示されない運転停止処理手段は、射出成形機の運転を停止させる。
【0034】
このように、例えば、一つのキャビティ空間C1における充填圧P1が高くなると、他のキャビティ空間C2における充填圧P2が正常である場合でも、ディスク基板に成形不良が発生したと確実に判断することができる。そして、そのまま射出成形機の運転が継続された場合、キャビティ空間C1のディスク基板に成形不良が発生するだけでなく、その影響を受けてキャビティ空間C2のディスク基板にも成形不良が発生するが、射出工程が中止され、各キャビティ空間C1、C2の未完成のディスク基板がいずれも不良品として処理されるので、良品と不良品とが混在することがなくなる。
【0035】
また、工程中止条件が成立すると、射出工程が中止されるが、射出成形機の運転は停止させられることなく、計量工程にスキップされるので、射出成形機の運転を継続することができる。したがって、射出成形機の運転効率を向上させることができる。
【0036】
なお、図3においては、キャビティ空間C1における充填圧P1が閾値PTHを超え、キャビティ空間C2における充填圧P2が正常な場合を示しているが、この場合、充填圧P1が閾値PTHを超えたときに、射出工程が中止されて次の工程にスキップする。
【0037】
本実施の形態においては、ホットランナ式の金型装置に適用した例について説明しているが、コールドランナ式の金型装置に適用することもできる。また、本実施の形態においては、成形品としてディスク基板を成形するようになっているが、ディスク基板以外のものを成形することもできる。
【0038】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出成形機の制御方法においては、射出ノズルから射出された樹脂を複数の樹脂供給系を介して複数のキャビティ空間に充填し、該各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えるかどうかを判断し、検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする。
【0040】
この場合、各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧が検出され、各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断される。
【0041】
したがって、少なくとも一つのキャビティ空間における充填圧が高くなると、他のキャビティ空間における充填圧が正常である場合でも、成形不良が発生したと確実に判断することができる。そして、少なくとも一つのキャビティ空間の成形品に成形不良が発生すると、その影響を受けて他のキャビティ空間の成形品にも成形不良が発生するが、射出工程が中止され、各キャビティ空間の未完成の成形品がいずれも不良品として処理されるので、良品と不良品とが混在することがなくなる。
【0042】
また、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断されると、射出成形機の運転を停止することなく、射出工程が中止されて次の工程にスキップされるので、射出成形機の運転を継続することができ、射出成形機の運転効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における射出成形機の制御装置を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における金型装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における充填圧の例を示す図である。
【符号の説明】
26 射出ノズル
28 マニホルド
41、42 ホットチップ
51、52 スプルーブッシュ
71、72 充填圧センサ
73 CPU
C1、C2 キャビティ空間
PTH 閾値
Claims (4)
- (a)射出ノズルから射出された樹脂を複数の樹脂供給系を介して複数のキャビティ空間に充填し、
(b)該各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出し、
(c)検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えるかどうかを判断し、
(d)検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップすることを特徴とする射出成形機の制御方法。 - 前記充填圧は、スプルーブッシュに配設された充填圧検出手段によって検出される請求項1に記載の射出成形機の制御方法。
- (a)射出ノズルから射出された樹脂を複数のキャビティ空間に充填するための複数の樹脂供給系と、
(b)前記各キャビティ空間に充填される樹脂の充填圧を検出する充填圧検出手段と、
(c)検出された各充填圧のうちの少なくとも一つが閾値を超えたときに、すべてのキャビティ空間において成形された成形品に成形不良が発生したと判断し、射出成形機の運転を停止させることなく、射出工程を中止して次の工程にスキップする制御部とを有することを特徴とする射出成形機の制御装置。 - 前記充填圧は、スプルーブッシュに配設された充填圧検出手段によって検出される請求項3に記載の射出成形機の制御装置。
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