JP3549114B2 - 稲いもち病の防除方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水田における農薬粒剤を用いた稲いもち病の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、水稲のいもち病を防除するには、いもち病防除剤を含有する粒剤を水稲田の田面水に散布する水面施用方法、移植前の稲育苗箱の上から散布して本田に移植後に効果を発揮する育苗箱施用方法、本田に稲を移植後に稲の茎葉に粉剤、ゾル剤などを均一に散布する方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これまで行われている粒剤を水稲用に水面施用して稲いもち病を防除する方法は、稲いもち病の発生が予想される7〜10日前に施用する必要がある。しかし、予想がはずれると十分な防除効果が発揮されない。また、粒剤を育苗箱に施用する方法は、処理作業が煩雑であり、散布ムラや稲の茎葉に付着すると、本田移植後に水稲に薬害を与えたり、防除効果が十分に発揮できなくなる。また、粉剤、水和剤、ゾル剤などを移植後の水稲の茎葉に散布する方法は、散布時期が遅れると防除効果不足となり、また散布に多大な労力を要し、さらには薬剤の飛散による周辺への悪影響も懸念される。
【0004】
したがって、これらに代わり、省力的であり、かつ的確な稲いもち病の防除方法の開発が望まれている。本発明は、このような要望に合致した稲いもち病防除方法を提供せんとするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した目的を達成するために鋭意検討した。その結果、稲いもち病防除活性成分として、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキサイドまたは1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンを含有する農薬粒剤を、肥料を用いることなく、田植と同時に、稲株の側面の穴または側条の溝に施用し、覆土することが、省力的であり、高い稲いもち病防除効果が発揮されることを見いだした。
【0006】
本発明で使用できる稲いもち病防除剤としては、水稲の移植後に、薬剤が稲苗を浸透移行し、効力を発揮する(1)3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキサイド (プロベナゾール)
(2)1,2,5,6−テトラヒドロピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−4−オン(ピロキロン)があげられる。
【0007】
【実施例】
実施例(稲いもち病防除方法)
本発明において、稲いもち病防除剤を含有する粒剤を用いて稲いもち病を防除するには、次のように行うのが望ましい。
【0008】
まず、使用する薬剤は、上記したような稲いもち病防除剤を含有する粒剤であればよく、既に育苗箱施用剤、水面施用剤として市販されている各種の粒剤がそのまま用いることができるほか、徐放性付与粒剤、薬害軽減剤を添加した粒剤などの各種の改良製剤も有効に使用することができる。
【0009】
このような粒剤を水稲田に散布するには、田植と同時に稲苗の真横2〜6c mで1〜5cmの深度の土壌申に埋め込むか、稲苗の側方2〜6cmの側条溝に1〜5cmの深度で施用し覆土すればよい。ただし、稲株からの距離深度は薬剤の種類により適宜変更するのがよい。
【0010】
また、施用薬量は、使用する稲いもち病防除剤の種類により異なるが、一般に有効成分量として10アール当り80g〜600gで、これを含有する粒剤の量としては、10アール当り2〜5kg、好ましくは2〜3kgの範囲である。そして、この量は、前記した水面施用方法における通常の散布量と同等かそれ以下でよい。
【0011】
この方法を実際に行うには、田植機に作溝器を取り付け、この溝の申に粒剤を一定量ずつ施用すればよい。こうすれば、施用した薬剤が移植した稲稚苗が活着するまで根部に直接ふれることがなく、薬害を回避することができる。しかも、土壌中に施用された薬剤は、徐々に稲苗の根部より吸収されるため、長期間にわたって稲いもち病防除効果を発揮するようになる。
【0012】
次に、本発明の有用牲を立証するために、本発明の防除方法のうち、側条施用する試験例を示す。
【0013】
【試験例】
稲いもち病防除効果試験
水田に1区の面積が60m2(2m×30m)の試験区をつくり、市販の稲いもち病防除用粒剤を10アール当り2kg、3kg、4kgとなるように、作溝器を付けた田植機により、稲(品種コシヒカリ)の稚苗移植と同時に稲苗の側面から3cmで幅1cm、深度3cmの土壌中に側条施用し、その直後に覆土した。そして、稲苗の移植50日後および70日後に、各区とも3か所から任意に50株を選び(合計150株)、各区の稲いもち病発病調査を次の基準で調査して発病度を求め、無処理区との対比から、防除価(%)を求めた。
【0014】
本試験は2連制で行い、平均防除価を算出した。
【0015】
なお、対照区として、▲1▼水面施用区は、本試験に用いたと同薬剤を従来の水面施用方法にしたがい、移植30日後に本発明と同薬量を散布機を用いて均一に散布した。また▲2▼育苗箱施用区は、育苗箱1箱(30cm×60cm×3cm)当り、本試験に用いたと同薬剤の30g、50gを移植前日に稲苗の上から散布し、茎葉に付着した粒剤は手で払い落とした後十分に潅水した。
【0016】
【0017】
【数1】
【0018】
結果は表1に示すとおりである。
【0019】
【表1】
【0020】
また、上記したような田植と同時に稲の側条に粒剤を散布した場合のほかに、田植と同時に稲の真横に穴をあけて粒剤を散布した場合も、上記の実施例に示した方法と同様に優れた稲いもち病防除効果を発揮し、有用である。
【0021】
【発明の効果】
本発明の稲いもち病防除方法を実施すると、次のような効果がもたらされる。第1に、本発明の方法によれば、稲苗の根部付近に薬剤が存在するため、従来の水面施用に比べて根からの薬剤吸収量が増加し、高い防除効果が安定して発揮されるようになる。
第2に、薬剤が土壌中から徐々に溶出して稲苗の根から吸収されるために持続性に優れ、従来の水面施用する場合よりも施用時期が早いにもかかわらず少ない薬量の施用でも高い防除効果が維持されるようになる。
第3に、従来の育苗箱施用方法に比べて、薬剤の散布ムラによる防除効果のフレがなく、また薬害の心配もない。
第4に、水稲の移植と同時に薬剤処理もできるので、省力的な防除方法である。
第5に、従来の水面施用方法のように、稲いもち病の発病を予測して散布するような必要がなくなり、処理時期の誤りによる防除効果不足も解消することができる。
Claims (1)
- 稲いもち病防除活性成分として、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキサイドまたは1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オンを含有する農薬粒剤を、肥料を用いることなく、田植と同時に、稲株の側面の穴または側条の溝に施用し、覆土することを特徴とする水田における稲いもち病の防除方法。
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---|---|---|---|
JP31147291A JP3549114B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 稲いもち病の防除方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31147291A JP3549114B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 稲いもち病の防除方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05124906A JPH05124906A (ja) | 1993-05-21 |
JP3549114B2 true JP3549114B2 (ja) | 2004-08-04 |
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ID=18017638
Family Applications (1)
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JP31147291A Expired - Fee Related JP3549114B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 稲いもち病の防除方法 |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102823463A (zh) * | 2012-03-29 | 2012-12-19 | 南京农业大学 | 一种防治水稻稻瘟病的轻型施药方法 |
CN107711831A (zh) * | 2017-03-01 | 2018-02-23 | 南京高正农用化工有限公司 | 一种包含烯丙苯噻唑的杀菌组合物及其应用方法 |
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1991
- 1991-10-31 JP JP31147291A patent/JP3549114B2/ja not_active Expired - Fee Related
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