JP3540798B2 - 全自動洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全自動洗濯機に関するものである。特に、風呂の残り湯を洗濯用に利用できる風呂水吸水ポンプを備えた全自動洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
このような全自動洗濯機では、風呂水吸水ポンプに自吸ポンプが用いられる。自吸ポンプでは、運転開始時に呼び水を与えなければならないので、運転開始時には、必ず呼び水として水道水がポンプに与えられていた(例えば、特開平8−131688号公報参照)。
【0003】
上述の全自動洗濯機では、呼び水の供給停止後に、ポンプを運転開始している。しかしながら、ポンプが運転されると、内部の呼び水の一部が吐出口から流出するので、ポンプ内の呼び水が減少する結果、ポンプの運転開始から風呂水を吐出するまでの時間(自吸時間)が長くなる。その結果、ポンプの運転時間が長くなり、洗濯槽への給水時間も長くなる。また、洗濯一回当たりのポンプの運転時間が長くなるので、ポンプに想定される寿命時間に達する迄の、洗濯可能回数が減少してしまう。つまり、ポンプが傷み易くなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、風呂水吸水ポンプ使用時の洗濯時間の短縮や風呂水吸水ポンプの長寿命化を図れる、風呂水吸水ポンプを備えた全自動洗濯機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明の全自動洗濯機は、 風呂水を汲み上げて洗濯槽に供給するための自吸ポンプと、自吸ポンプの呼び水として、自吸ポンプに水を供給するための呼び水供給水路と、呼び水供給水路を開閉する呼び水供給水路開閉手段と、自吸ポンプの運転を開始する前に呼び水供給水路開閉手段を開くことによって、呼び水の供給を開始し、自吸ポンプの運転を開始して洗濯槽内への風呂水の供給を開始した後の所定時間の経過後に呼び水供給水路開閉手段を閉じることによって、呼び水の供給を停止する呼び水供給制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、以下の作用を奏する。すなわち、呼び水は、自吸ポンプの運転に伴い自吸ポンプ内から送り出される場合がある。このような場合に、呼び水は、自吸ポンプの運転開始から所定時間の経過後まで供給されることによって補われるので、呼び水の不足による自吸時間の増加を防止することができる。従って、呼び水の供給が自吸ポンプの運転開始前に終了する場合に比べて、自吸時間が短くなるので、自吸ポンプの運転時間、さらには洗濯槽への給水時間を短縮することができる。また、自吸ポンプの運転時間の短縮によって、自吸ポンプの長寿命化を図ることができる。
【0009】
また、自吸ポンプは、呼び水の供給後に運転開始されるので、呼び水の供給と自吸ポンプの運転開始が同時に行われる場合に比べて、呼び水を確実に供給でき、自吸時間を短くできる。従って、自吸ポンプの運転時間や給水時間の短縮や、自吸ポンプの長寿命化をより一層図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態にかかる全自動洗濯機の概略構成の正面断面図である。
【0016】
この全自動洗濯機は、箱状のハウジング1と、ハウジング1の内部に洗濯槽2として、つり棒3に支持された外槽4と、外槽4内に回動可能に設けられ、表面に多数の小孔5aを有した内槽5とを備えている。洗濯槽2内に洗浄水が溜められ、洗濯物は内槽5内に収容される。内槽5および、内槽5内の底部に設けられた攪拌翼6は、モータ7等を含む駆動装置8によって駆動される。洗いおよびすすぎ時には攪拌翼6のみが一方向または両方向に回転し、脱水時には攪拌翼6および内槽5がともに高速で一方向に回転する。
【0017】
またハウジング1内の下部には、洗濯槽2から排水をするために、機外に導出された排水管21、弁22等を有した排水機構が設けられている。
【0018】
またハウジング1内の上部には、洗濯槽2内へ洗浄水を供給するための給水機構30が設けられている。給水機構30は、外部の水道等の給水設備(図示せず)から供給される水道水を、また、浴槽の風呂水を、洗濯用に給水することができる。
【0019】
図2は、給水機構30の概略構成の水路図である。
【0020】
給水機構30には、各管41〜47と、以下の水路を開閉する開閉手段としての例えば電磁弁からなる各弁31,32と、水を吸い込んで送り出すことのできるポンプPとを備えている。これら各部によって、水道等から供給される水道水を洗濯槽2内へ導くための第1水道水供給水路および第2水道水供給水路と、浴槽等から風呂水を洗濯槽2内へ導くための風呂水供給水路と、ポンプPに呼び水として水道水を供給するための呼び水供給水路とが形成されている。
【0021】
第1水道水供給水路は、一端が水道等に接続されて他端がハウジング1内上部に導入されて分岐した管41と、管41の分岐した他端の一方に第1給水弁31を介して接続された管42と、管42と接続されて洗濯槽2の上部に導かれた管43とによって構成されている。管43の洗濯槽2側の端部には、第1注水口部36が設けられ、ここには、洗濯槽2内に臨む注水口が形成され、内部に洗剤容器38が取り付けられている。第1水道水供給水路は、第1給水弁31によって開閉され、水道水を洗濯槽2内に供給するとともに、後述するように、洗剤容器38内の洗剤を投入することができる。
【0022】
第2水道水供給水路は、上述の管41と、管41の分岐した他端の他方に第2給水弁32を介して接続されて洗濯槽2の上部に導入された管45とによって構成されている。管45の洗濯槽2側の端部には、第2注水口部37が設けられ、ここには、洗濯槽2内に臨む注水口が形成され、内部に柔軟剤容器39が前方から出し入れ自在に取り付けられている。柔軟剤容器39は、内部に仕上げ剤を収容でき、その内部は、サイフォン効果の得られる上下に延びる屈曲状水路39aを通じて洗濯槽2内へ連通している。第2水道水供給水路は、第2給水弁32によって開閉され、水道水を洗濯槽2内に供給するとともに、柔軟剤容器39内の仕上げ剤を屈曲状水路39aから徐々に流出させることができる。
【0023】
風呂水供給水路は、一端が機外に導出されて浴槽等に導かれて他端がポンプPの吸込口51dに接続された管46と、ポンプP内の水路と、ポンプPの吐出口51iから洗濯槽2の上部に導入された管47とによって構成されている。管46の一端にはフィルタ(図示せず)が取り付けられ、吸い込まれる風呂水中の異物を捕獲することができる。ポンプPは、管46を通じて風呂水を吸い込み、吐出口51iから送り出すことができる。
【0024】
呼び水供給水路は、上述の管41と、管42と、管42とポンプPの呼び水口51hとを接続する管44とによって構成されている。呼び水供給水路は、第1水道水供給水路と一部を兼用され、第1給水弁31によって開閉され、ポンプPに呼び水として水道水を供給することができる。
【0025】
図3は、第1注水口部36の近傍部分の概略構造の断面側面図である。
【0026】
第1注水口部36は、多数の小孔36dを下壁に有する通水路36aと、この通水路36aの下側に位置する凹部36bとからなる。凹部36b内には、前方から出し入れ自在に、内部に洗剤を収容できる洗剤容器38が装着されている。洗剤容器38の後壁下部には、後壁開口38aが形成されている。洗剤容器38の凹部36bへの装着時には、洗剤容器38と凹部36bの下壁との間に隙間36cが存在する。この隙間36cは後壁開口38aを介して洗剤容器38内に通じている。洗剤容器38には前部に引出し用の把手38bが形成されている。
【0027】
洗濯に際して、洗剤容器38に予め洗剤を投入し、洗剤容器38を凹部36bに装着した状態で、第1給水弁31が開くと、管42,管43を通って来た水道水は、第1注水口部36に至る。そして、水道水は、通水路36aから小孔36dを通り洗剤容器38内に落下し、洗剤容器38内の洗剤とともに、後壁開口38aから隙間36cを流れて、洗濯槽2内へ供給される。
【0028】
なお、この第1注水口部36および上述の第2注水口部37は、本願出願人の先願(特開平7─222890号)に開示されているものと同様のものであるが、構成の一例であり、上述の構成に限定されない。
【0029】
図4は、ポンプPの断面図である。図5は、ポンプP内部の水路の模式図であり、運転状況に応じて示されている。
【0030】
ポンプPは、上述の吸込口51dと、吐出口51iと、呼び水口51hとが形成され、内部に水路となる各室を区画するケーシング51と、ケーシング51内にあって水を押し動かす回転部材であるインペラ52とを備えている。インペラ52は、シール部材55によってシールされた軸56を介して、モータ53によって回転することができる。
【0031】
ケーシング51内部には、吸込口51dに接続された吸込室51aと、吸込室51aと中央開口51eを通じて連通してインペラ52を回転可能に収容する回転室51bと、回転室51bに上部開口51gおよび戻り水口51fで連通して回転室51bの周囲に設けられた排出室51cとが区画されている。排出室51cには、吐出口51iと呼び水口51hとが形成されている。また、吸込口51dには、吸込室51a内から管46への洗浄水の流出を阻止するための逆止弁54が設けられている。
【0032】
ポンプPは、運転開始時、内部に呼び水が溜められている状態で運転されると、空の管46内に水を吸い込むことができる(この運転を自吸運転という)自吸ポンプである。自吸ポンプは、自吸運転後、継続して水を吸い込み、吐出することができる。なお、ポンプPは自吸ポンプであればよく、上述の構成に限定されない。
【0033】
ポンプPの運転を図5を参照して説明する。図5(a)に示すように、呼び水を呼び水供給水路から排出室51c内に所定量、例えば、供給された水道水が戻り水口51fを塞ぐ程度に供給すると、水道水は回転室51b内にも流入する。図5(b)に示すように、インペラ52が回転すると、回転室51b内の空気(白抜き矢印)と洗浄水(矢印)が排出室51cに排出される。この排出された洗浄水は排出室51c内を通り戻り水口51fから回転室51b内に戻り、排出室51c内の空気は吐出口51iから排出される。それとともに、吸込室51a内が負圧となり、管46内の空気が吸い込まれて、風呂水が吸水される。やがて、図5(c)に示すように、風呂水は、吸込室51aに至り、ケーシング51内に満たされて、管47へ継続して吐出される。また、インペラ52の回転が停止しても、吸込室51a内の水は、逆止弁54によって管46へ流出せず、ケーシング51内底部に溜められる。この溜まっている水は、以後のポンプPの運転時の呼び水として利用することができる。
【0034】
図1を参照して説明する。
【0035】
また、全自動洗濯機には、各部を制御するための制御部11と、洗濯槽2内の水位を検知する水位検知手段とが、ハウジング1内に設けられている。
【0036】
水位検知手段は、ハウジング1内の上部に設けられた水位センサ91と、水位センサ91から外槽4の底部一角に設けられているエアートラップ4aに接続された圧力ホース92とを備えている。洗濯槽2内の洗浄水の水位が上昇すると、エアートラップ4a内の圧力が上昇する。この圧力を圧力ホース92を介して水位センサ91で検出することにより、制御部11が洗濯槽2内の水位を検知することができる。
【0037】
制御部11は、制御中枢としてのマイクロコンピュータ(CPU)を含んでおり、CPUが、ROM、RAM等に予め記憶されたプログラムやデータに基づいて制御を実行してゆく。この際、制御部11は、ソフトウェア上に設定したカウンタの計数量によって時間を計時して制御を行なう。
【0038】
制御部11には、ポンプP、第1給水弁31、動作表示するためのLED等の表示素子13等が、駆動回路(図示せず)を介してそれぞれ接続されている。CPUは、これらの各機器に指令信号を与えて、各機器を所望の状態に運転する。例えば、CPUが第1給水弁31に開/閉信号を与え、第1給水弁31を開/閉状態とする。また、CPUは、モータ53を駆動して、インペラ52を回転させ、ポンプPを運転する。また、CPUは、所定のLEDを発光させて、異状報知等を行うことができる。
【0039】
また、制御部11には、上述の水位スイッチ91、この全自動洗濯機を運転するための操作パネル12等が接続されている。CPUは操作パネル12等の出力信号に応じて各機器の動作を制御する。
【0040】
操作パネル12には、風呂水を利用するための風呂水キーと、運転開始操作後の予め定める開始時間になったときに運転開始する予約運転するための予約キーと、運転開始操作のための開始キーとが設けられている。風呂水キーをセットすると、ポンプPによって浴槽から風呂水を吸い込み、洗浄水として利用することができる。また、予約キーをセットすると、所定時間の経過後にこの全自動洗濯機の運転が開始される。この風呂水キーと予約キーの組合せで、計4通りの運転を行うことができる。すなわち、▲1▼風呂水キーだけをセットして、風呂水吸水しながら、すぐに運転開始するコース(風呂水コース)、▲2▼風呂水キーと予約キーとを同時にセットして、予約運転時に、風呂水吸水するコース(風呂水予約コース)、▲3▼風呂水キーも予約キーも何れもセットせずに、水道水を給水して、すぐに運転開始するコース、▲4▼予約キーだけをセットして、水道水で予約運転するコースの▲1▼〜▲4▼のコースがある。
【0041】
次に、制御部11の制御内容を、上述の▲1▼と▲2▼のコースについて、図6と図7に示すフローチャートを参照して説明する。また、その時の動作を図8〜図10のタイミングチャートを参照して説明する。なお、各図では、第1給水弁31(「給水弁」と表記)の開状態を「ON」、閉状態を「OFF」、ポンプPの運転状態を「ON」、停止状態を「OFF」として示した。
【0042】
風呂水コース
図6と図8を参照する。
【0043】
開始キーが押されると、まず、第1給水弁31が開かれて(ステップS1)、水道水が給水され始める(タイミングD1)。この水道水は、ポンプPに呼び水として供給されるとともに、第1注水口部36から洗濯槽2内に供給される。所定時間Ta、例えば、20秒の間、水道水が供給され続ける(ステップS2)。ここで所定時間Taは、ポンプPに所定量の呼び水を供給できる時間として設定されている。時間Taの経過後(タイミングD2)、ポンプPが運転される(ステップS3)。風呂水コースの場合(ステップS4でNo)、同時に、第1給水弁31が閉じられて(ステップS6)、呼び水の供給が終了する。
【0044】
ポンプPが運転されると、管46を通じて、浴槽から風呂水が吸い上げられ、洗濯槽2内に供給される。全自動洗濯機の運転開始時には、ポンプPの運転開始から自吸時間の経過後、例えば、約1分後に、風呂水が洗濯槽2内に吐出され始める(タイミングD4)。それとともに、風呂水が洗濯槽2内に溜められ、その水位が設定水位に到達するまで、ポンプPによって風呂水の供給が継続される(ステップS7)。すなわち、水位検知手段によって、風呂水の水位が、設定水位、例えば、洗濯槽2内の所定の洗濯水量に対応した水位に到達したことが検知される。水位が設定水位に達すると、ポンプPは運転を停止される(ステップS8)(タイミングD3)。その後、所定条件での洗い運転が行われる(ステップS9)。
【0045】
洗い運転の終了後に弁22が開かれて排水され(ステップS10)、所定条件でモータ7が駆動され脱水運転(中間脱水という)される(ステップS11)。以降、以下に詳述するすすぎ工程(ステップS12)、脱水(ステップS13)が行われる。
【0046】
次に、すすぎ工程について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
上述のように、ステップS1〜6で呼び水が供給され(図7のステップS21)、ステップS3〜8でポンプPが運転されて(図7のステップS22)、洗い運転が行われている。従って、ポンプP内には、風呂水が充分に溜まっており、この状態であれば、ポンプPは、呼び水を供給されずとも、風呂水を吸い上げて、洗濯槽2内に供給することができる。
【0048】
そこで先ず、ポンプPが運転される(ステップS30)。このとき、ステップS21のような呼び水の供給は行われない。ポンプPの運転開始とともに、通常は、風呂水が吸い上げられ、きわめて短時間で吐出され始める(タイミングE1)。それとともに、洗濯槽2内の水位が上昇し始める。
【0049】
次に、ステップS31では、洗濯槽2内の水位がリセット水位(水位検知手段による検知下限水位)に到達したか否かが判断される。すなわち、ポンプ運転開始から所定時間の間、水位検知手段によって、水位がリセット水位に到達することが検知される。ここでの所定時間は、ポンプPの吸水能力で洗濯槽2内の水位が充分にリセット水位に到達できる時間として設定されている。従って、水位の到達が検知できなければ、風呂水が吐出されていないと判断することができ、一方、水位の到達が検知できれば、風呂水が吐出されていると判断することができる。つまり、ステップS31で洗濯槽2内に水が供給されていることを検知することができる。
【0050】
ポンプPの運転によって風呂水が吐出されていれば、水位の到達が検知され(ステップS31でYES)、そのまま、ポンプPの運転が継続されて、水位も上昇を続ける。
【0051】
ステップS40では、洗濯槽2内の水位が設定水位に到達したことが判断される。すなわち、ポンプ運転開始から所定時間の間、水位検知手段によって、水位が設定水位に到達することが検知される。ここで、所定時間は、ポンプの吸水能力で洗濯槽2内の水位が充分に設定水位に到達できる時間として設定されている。従って、水位の到達が検知できなければ、風呂水の供給が途絶えたと判断できる。
【0052】
ポンプPの運転によって、風呂水が設定水位にまで溜められると(ステップS40でYES)、ポンプPは運転を停止される(ステップS41)(タイミングE2)。その後、所定条件でのすすぎ運転が行われ(ステップS42)、すすぎ運転の終了後に排水され(ステップS43)、すすぎ工程が終了する。
【0053】
このように、すすぎに際して呼び水の供給を省けるので、呼び水の供給を伴う場合に比べて、呼び水として供給される水道水を節約することができる。
【0054】
ところで、上述の説明は、浴槽内に風呂水が充分に溜められており、且つ洗いの際に吸い込まれた風呂水がポンプP内に溜まっている場合を想定している。実際の洗濯運転に際しては、状況が異なる場合もある。例えば、逆止弁54が充分に機能せず、ポンプP内に呼び水が溜められていない場合である。また、洗い工程が行われずに、すすぎ工程から全自動洗濯機が運転開始される場合も、ステップS21が行われておらず、ポンプP内に呼び水が溜められていない。図7と図9を参照して説明する。
【0055】
このような場合には、ステップS30のポンプPの運転によっても、ポンプPは自吸運転できず、その結果、風呂水は吸水されず、水位はリセット水位に到達しない(ステップS31でNO)。従って、ポンプPが停止されて、第1給水弁31が開かれて、ポンプP内に呼び水が供給される(ステップS32)(タイミングE3)。呼び水の供給を所定時間Tc、例えば、20秒間行う(ステップS33)。ここで、所定時間Tcは、所定時間Taと同様に、呼び水のための時間として設定されている。
【0056】
その後、第1給水弁31が閉じられて、ポンプPが再度、運転される(ステップS34)(タイミングE4)。ポンプPは、ステップS32〜34で呼び水を供給されているので、風呂水を吸い込み始めて、自吸時間の後に、風呂水が洗濯槽2内に吐出され始め、水位が上昇する。
【0057】
ステップS35では、ステップS31と同様に、ステップS34のポンプPの運転開始から所定時間内に、水位がリセット水位に到達したか否かが判断される。
【0058】
ポンプPの運転によって風呂水が吐出されていれば、所定時間内に到達が検知され(ステップS35でYES)、そのまま、ポンプPの運転が継続されて、水位も上昇を続ける。そして、風呂水が設定水位にまで溜められると(ステップS40でYES)、ポンプPは運転を停止され(ステップS41)(タイミングE5)、その後、すすぎ運転、排水(ステップS42,43)が行われる。
【0059】
このように、すすぎに際して、ポンプP内に呼び水が無く、ポンプPが自吸運転できない場合でも、呼び水を供給することによって、ポンプPを支障無く運転でき、風呂水を給水することができる。
【0060】
ところで、ステップS34でポンプPが呼び水の供給後に運転されても、風呂水が吐出されない場合も想定される。例えば、風呂水が浴槽中に無い場合等であり、ポンプPが運転されても、風呂水は洗濯槽2内に供給されない。このような場合には、図7と図10を参照して、その水位はリセット水位に到達しないので(ステップS35でNO)、まず、ポンプPが停止されて、所定のLEDを発光させて異状報知を行う(ステップS36)。次いで、以下の水道水の給水処理を行う。すなわち、第1給水弁31を開け(ステップS37)(タイミングE6)、設定水位まで給水して(ステップS38)、第1給水弁31を閉じる(ステップS39)(タイミングE7)。その後、上述と同様に、すすぎ運転、排水(ステップS42,43)が行われる。
【0061】
また、風呂水が無くなるのは、すすぎ工程前とは限らない。例えば、ポンプPの運転中(ステップS31でYESの場合や、ステップS35でYESの場合)に無くなることもあり、このとき、水位は、設定水位に至る途中までしか上昇しない。このような場合には、ステップS40で水位の到達が検知されず(ステップS40でNO)、上述のように、ポンプPの運転停止、異状報知(ステップS36)、水道水の給水処理(ステップS37〜39)が行われ、その後、すすぎ運転、排水(ステップS42,43)が行われる。
【0062】
このように、ポンプPが風呂水を吐出できない場合でも、水道水を供給して、支障無く洗濯のための給水をすることができる。
【0063】
風呂水予約コース
図6と図8を参照して説明する。
【0064】
予約キーによる予約運転の設定後、所定時間が経過すると、以下の処理が行われる。なお、予約運転時には、洗剤が洗剤容器38に収容され、自動投入される場合が想定される。
【0065】
まず、第1給水弁31が開かれて(ステップS1)(タイミングD1)、水道水が、ポンプPに呼び水として供給され始め、第1注水口部36から洗濯槽2内にも供給され始める。第1注水口部36を流通する水道水は、洗剤容器38内に収容された洗剤を流出させながら、洗濯槽2内に供給される。
【0066】
タイミングD1から所定時間Ta、例えば、20秒の経過後(ステップS2)(タイミングD2)、ポンプPが運転される(ステップS3)。風呂水予約コースの場合(ステップS4でYES)、所定時間Tb、例えば、1分の経過後(ステップS5)(タイミングD10)、第1給水弁31が閉じられる(ステップS6)。ここで、所定時間Tbは、水道水の流量が少ない場合に、時間(Ta+Tb)の間に、洗剤容器38内の洗剤を確実に流出させることのできる時間として設定されている。
【0067】
ポンプPが運転された後は、上述の風呂水コースと同様にして、風呂水の供給が開始される。そして、風呂水が洗濯槽2内に設定水位に到達するまで供給され(ステップS7〜8)、以後、洗い運転、排水、中間脱水、すすぎ工程、および脱水(ステップS9〜13)が順次行われる。
【0068】
このように、風呂水予約コースでは、所定時間(Ta+Tb)で流れる水道水が、所定時間Taで流れる風呂水コースの場合よりも、洗剤容器38内の洗剤を確実に流し出すことができる。
【0069】
また、呼び水は、一般に洗剤容器38が使用されない通常の風呂水コースでは所定時間Taで行われ、洗剤容器38が使用されると想定される風呂水予約コースで所定時間(Ta+Tb)で行われるので、運転態様、すなわち、洗剤容器38の使用状況に応じた適切な呼び水供給ができ、水道水を節約することができる。
【0070】
また、時間Tbの間は、ポンプPが運転開始後も、呼び水の供給が行われているので、ポンプPの運転で流出する呼び水を補うことができ、以下で詳述するように洗濯時間の短縮等の効果もある。
【0071】
ところで、上述の実施の形態では、ポンプPの運転開始時の呼び水は、ポンプPの運転開始と同時に終了するように行われている(風呂水予約コースの洗い時の給水を除く)が、後述するように呼び水をポンプPの運転開始後にまで継続してもよい。
【0072】
図11のフローチャートと、図13のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図13には、(a),(b)に上述の実施の形態の場合、(c),(d)に図11の場合、(e),(f)に後述する図12の場合が、それぞれ図示されている。
【0073】
まず、第1給水弁31が開かれて(ステップS70)(タイミングD1)、水道水が、ポンプPに呼び水として供給され始める。タイミングD1から所定時間Ta、例えば、20秒の経過後(ステップS71)(タイミングD2)、ポンプPの運転が開始される(ステップS72)。所定時間Td、例えば、10秒の経過後(ステップS73)(タイミングD5)、第1給水弁31が閉じられる(ステップS74)。ここで、所定時間Tdは、上述のようにインペラ52の回転に伴ってポンプPの吐出口51iから流出してしまう呼び水を補うことのできる時間として設定されている。
【0074】
その後、設定水位まで風呂水が給水され(ステップS75)、ポンプPが停止される(ステップS76)(タイミングD6)。
【0075】
このように、呼び水の一部がポンプPの運転に伴い吐出口51iから流出する場合に、呼び水はポンプPの運転開始後に供給されることによって補われるので、呼び水の不足による自吸時間の増加を防止することができる。従って、呼び水の供給がポンプPの運転開始前に終了する場合に比べて、自吸時間が短くなるので、ポンプPの運転時間、さらには洗濯時間を短縮することができる。また、ポンプPの運転時間の短縮によって、ポンプPの長寿命化を図ることができる。例えば、図13(d)のポンプPの運転時間(タイミングD2〜D6)は、図6の制御内容の場合である図13(b)のポンプPの運転時間(タイミングD2〜D3)よりも短くなっている。
【0076】
また、ポンプPは、呼び水の供給開始後に運転開始されるので、呼び水の供給とポンプの運転開始が同時に行われる場合に比べて、呼び水を確実に供給でき、自吸時間を短くできる。従って、ポンプPの運転時間や洗濯時間の短縮や、ポンプPの長寿命化をより一層図ることができる。
【0077】
また、図11の上述の制御内容に代えて、以下の図12のフローチャートに示す制御を行ってもよい。
【0078】
まず、第1給水弁31が開かれて(ステップS80)(タイミングD1)、水道水が、ポンプPに呼び水として供給され始める。タイミングD1から所定時間Ta、例えば、20秒の経過後(ステップS81)(タイミングD2)、第1給水弁31が閉じられ、ポンプPの運転が開始される(ステップS82)。所定時間Te、例えば、5秒の経過後(ステップS83)(タイミングD7)、第1給水弁31が開かれる(ステップS84)。ここで、所定時間Teは、ポンプPの回転が充分に上がる時間として設定されている。ついで、所定時間Tf、例えば、9秒の経過後(ステップS85)(タイミングD8)、第1給水弁31が閉じられる(ステップS86)。ここで、所定時間Tfは、ポンプPの運転に伴って、ポンプPの吐出口51iから流出してしまう呼び水を補うことのできる時間として設定されている。
【0079】
その後、設定水位まで風呂水が給水され(ステップS87)、ポンプPが停止される(ステップS88)(タイミングD9)。
【0080】
このように、図12に示す制御内容の場合には、図11の場合の効果に加えて、ポンプPのインペラ52の回転が上がってから、呼び水を供給できるので、無駄無く呼び水を補い、水道水を節約できる。
【0081】
なお、上述の所定時間Td、Tfは、特に限定されない。例えば、ポンプPの運転中、呼び水が継続され続けてもよい。この場合には、ポンプPの運転中に流出する呼び水も補うことができる。
【0082】
また、図11および図12の制御内容は、洗いおよびすすぎのいずれにも適用できる。すなわち、図11および図12の制御内容は、図6のステップS1〜8に代えて行うことができる(風呂水コースの場合)。また、図7のステップS34〜36のポンプPと第1給水弁31の動作に代えて、図11および図12の動作を行なってもよい。
【0083】
また、上述の実施の形態では、第1水道水供給水路と、呼び水供給水路の一部が兼用されていたが、これには、限定されない。例えば、両水路は別々に形成され、両水路を開閉する第1給水弁31だけが共用されていてもよい。また、第1水道水供給水路と、呼び水供給水路との全体が兼用されていてもよい。
【0084】
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、以下の効果を奏する。すなわち、呼び水が自吸ポンプの運転に伴い自吸ポンプ内から流出する場合に、呼び水を自吸ポンプの運転開始後に供給して補えるので、呼び水の不足による自吸時間の増加を防止することができる。従って、自吸ポンプの運転時間や給水時間を短縮することができ、また、自吸ポンプの長寿命化を図ることができる。
【0086】
また、自吸ポンプは呼び水の供給後に運転開始されるので、呼び水の供給と自吸ポンプの運転開始が同時に行われる場合に比べて、呼び水を確実に供給でき、自吸時間を短くできる。従って、自吸ポンプの運転時間や給水時間の短縮や、自吸ポンプの長寿命化をより一層図ることができる。
【0087】
請求項2に係る発明によれば、以下の効果を奏する。すなわち、予約運転時には、第2の所定時間で流れる水道水で、洗剤容器内の洗剤等を確実に流し出すことができる。また、呼び水は、洗剤容器の使用状態に対応して適切な呼び水供給ができ、水道水を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全自動洗濯機の概略構成の断面正面図である。
【図2】図1の全自動洗濯機の給水機構の概略構成の水路図である。
【図3】図1の全自動洗濯機の第1注水口部の近傍部分の概略構造の断面側面図である。
【図4】図1の全自動洗濯機のポンプの断面図である。
【図5】図4のポンプの水路の模式図であり、(a)〜(c)に運転状況毎に水(→)と空気(白抜き→)の流れを図示している。
【図6】図1の全自動洗濯機の制御内容のフローチャートである。
【図7】図6のすすぎ工程を詳細に示したフローチャートである。
【図8】図6および図7の制御内容による動作の第1のタイミングチャートである。
【図9】図6および図7の制御内容による動作の第2のタイミングチャートである。
【図10】図6および図7の制御内容による動作の第3のタイミングチャートである。
【図11】図1の全自動洗濯機の呼び水の制御内容のフローチャートである。
【図12】図1の全自動洗濯機の呼び水の制御内容の他のフローチャートである。
【図13】図11および図12の制御内容による動作のタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 洗濯槽
P ポンプ(自吸ポンプ)
31 第1給水弁
(呼び水供給水路開閉手段、水道水供給水路開閉手段、水路開閉手段)
38 洗剤容器
41 管(呼び水供給水路、水道水供給水路)
42 管(呼び水供給水路、水道水供給水路)
43 管(水道水供給水路)
44 管(呼び水供給水路)
Claims (1)
- 風呂水を汲み上げて洗濯槽に供給するための自吸ポンプと、
自吸ポンプの呼び水として、自吸ポンプに水を供給するための呼び水供給水路と、
呼び水供給水路を開閉する呼び水供給水路開閉手段と、
自吸ポンプの運転を開始する前に呼び水供給水路開閉手段を開くことによって、呼び水の供給を開始し、自吸ポンプの運転を開始して洗濯槽内への風呂水の供給を開始した後の所定時間の経過後に呼び水供給水路開閉手段を閉じることによって、呼び水の供給を停止する呼び水供給制御手段とを備えたことを特徴とする全自動洗濯機。
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