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JP3432286B2 - コーティング用組成物の製造方法 - Google Patents

コーティング用組成物の製造方法

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JP3432286B2
JP3432286B2 JP16281694A JP16281694A JP3432286B2 JP 3432286 B2 JP3432286 B2 JP 3432286B2 JP 16281694 A JP16281694 A JP 16281694A JP 16281694 A JP16281694 A JP 16281694A JP 3432286 B2 JP3432286 B2 JP 3432286B2
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコーティング用組成物の
製法に関する。更に詳しくは鉄等の金属、プラスチッ
ク、木材、コンクリート等の表面に耐擦傷性、透明性、
耐沸水性、耐熱性、耐候性、密着性に優れた塗膜を形成
できるコーティング用組成物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐擦傷性の改良を目的として
種々のシリコン化合物含有のコーティング用組成物が検
討されている。例えば、アルコキシシラン加水分解物を
用いた方法として、特開昭53−2565、特開昭56
−22365、特開昭61−166824号公報等があ
る。またオルガノアルコキシシランとコロイド状のシリ
カまたはコロイド状のアルミナを主成分とするコーティ
ング用組成物として特公昭52−39691、特公昭5
3−5042、特開昭54−87736、特開昭55−
94971、特開昭56−99236、特開昭59−6
8377号公報等に提案されている。更には、アルコキ
シシリル基を含有したアクリル系共重合体を使用したコ
ーティング用組成物が特開平3−47871、特開平3
−54278号公報等に提案されている。更に両者の特
徴をそれぞれ発揮させるため上記のアルコキシシランの
加水分解物とアクリル系共重合体を混合した組成物をコ
ーティング用途に用いることも注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
混合物よりなるコーティング用組成物では、得られる塗
膜の透明性や耐沸水性に改善の余地がある。本発明の目
的は、鉄等の金属、プラスチック、木材、コンクリート
等の表面に透明性や耐沸水性の良好な塗膜を形成させる
ことが出来、更に該組成物が本来有している耐擦傷性、
耐熱性、耐候性、密着性も兼ね備えたコーティング用組
成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに鋭意検討した結果、アルコキシシリル基含有エチレ
ン性不飽和単量体の重合時に特定のシリケートオリゴマ
ーを共存させることにより塗膜の物性を改良できること
を見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、有機溶
媒中で下記一般式[I]で示されるシリケートオリゴマ
ーの存在下に、アルコキシシリル基含有エチレン性不飽
和単量体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エス
テル及び必要に応じて更に(メタ)アクリル酸アルキル
エステルを共重合することを特徴とする、均一溶液系の
コーティング用組成物の製造方法にある。
【化1】 (式中、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基を示す)
【0005】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明で使用するシリケートオリゴマーとしては下記一般式
〔I〕で示されるものであれば、特に限定されない。
【化1】 (式中、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基を示す)
【0006】該シリケートオリゴマーは例えば、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピ
オキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコ
キシシラン又はテトラフェノキシシランを加水分解する
ことにより得られる。nはこの場合の加水分解率を制御
することにより調整できる
【0007】加水分解反応自体は、公知の方法によるこ
とができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定
量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコール
を留去しながら通常、室温程度〜100℃で反応させ
る。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、さ
らに縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有する液状
のシリケートオリゴマー(通常平均重合度2〜8程度、
好ましくは3〜6)が加水分解物として得られる。加水
分解の程度は、使用する水の量により適宜調節すること
ができるが、コーティング用組成物の物性あるいは塗膜
の硬化を考慮すると、本発明においては通常40〜90
%程度、好適には60〜80%程度から選ばれる。上記
範囲以上の場合は接着性が低下しそれ以下の場合はnが
0のものが含まれ、硬度の低下のために好ましくない。
【0008】こうして得られたテトラアルコキシシリケ
ートオリゴマーにはモノマーが通常2〜10%程度含有
されている。このモノマーが含有されているとコート用
組成物の貯蔵安定性が欠け、保存中に増粘し、薄膜形成
が困難となるので、モノマー含有量が1%以下、好まし
くは0.3%以下になるように、このモノマー除去をフ
ラシュ蒸留、真空蒸留で行う。
【0009】シリケートオリゴマーの使用量は重合され
る単量体100重量部に対して5〜500重量部、好ま
しくは10〜400重量部、特に好ましくは10〜30
0重量部である。これ未満では塗膜の硬度が著しく低下
し、これを越えると基材との接着性が著しく低下する。
尚、上記範囲内でアクリル系単量体量が多いと、耐アル
カリ性及び保存安定性が向上し、シリケートオリゴマー
の含有量が多いと硬度、耐溶剤性、耐候性、密着性が向
上する傾向にある。
【0010】本発明で用いるアルコキシシリル基含有エ
チレン性不飽和単量体とは、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシジメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシトリメトキシシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
トリエトキシシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシ
ラン、ビニルトリ(エトキシメトキシ)シラン、アリル
トリメトキシシラン、P−ビニルフェニルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。中でも、γ−メタアクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン
等が好適に用いられる。
【0011】ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシルプロピル、(メ
タ)アクリル酸4−ヒドロキシルブチルなどが例示され
る。
【0012】共存重合に当たっては、アルコキシシリル
基含有エチレン性不飽和単量体とヒドロキシル基含有
(メタ)アクリル酸エステルのみの共重合でも良いが、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合も可能
である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキ
ル基の炭素数は、特に制限はなく1〜20程度の任意の
ものが使用できるが、アルキル基の炭素数が1〜3の物
と、アルキル基の炭素数が4以上の物との組合わせでの
使用が、塗膜物性のバランスの点で好ましい。 (a)アルキル基の炭素数1〜3の(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどが挙げら
れ、単独又は2種以上併用される。
【0013】(b)アルキル基の炭素数が4以上の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げ
られ、単独又は2種以上併用される。上記以外の他の単
量体として必要に応じてスチレン、ビニルトルエン等の
芳香族モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど
のビニル化合物等が併用される。
【0014】アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和
単量体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルのみの共重合の時、単量体100重量部中における単
量体の割合はアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和
単量体が1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルが70
〜99重量%、好ましくは75〜95重量%が有利であ
る。
【0015】更に(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を併用する時、単量体の合計量100重量部中における
アルコキシシリル基含有エチレン不飽和単量体の割合は
1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、ヒドロキ
シル基含有(メタ)アクリル酸エステルが0.5〜50
重量%、好ましくは1〜30重量%、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルが0.5〜98重量%、好ましくは
1〜75重量%であることが有利である。又、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル中におけるアルキル基の炭
素数1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a)とアルキル基の炭素数4以上の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル(b)との割合は(a)/(b)が
重量基準で2/8〜8/2、好ましくは3/7〜7/3
が望ましい。
【0016】かかる単量体を用いることにより、シリケ
ートオリゴマーとの架橋性が改善される。また塗膜を硬
化させる際に収縮して、内部応力が生じて、ひび割れ等
の問題が起きる可能性があるが、これを回避するには、
上記重合体の組成比により、ガラス転移点を低く設定す
ることが好ましい。好適なガラス転移点(Tg)の具体
的な温度範囲は−20〜60℃である。
【0017】本発明の特徴は有機溶媒中で前記シリケー
トオリゴマーの存在下にアルコキシシリル基含有エチレ
ン性不飽和単量体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステルを共存重合する点である。かかる共存重合
の方法としては、特に限定されないが、例えば、各成分
を混合して、通常のラジカル重合法により製造できる。
本発明に使用される有機溶剤としては、原料単量体及び
重合体とシリケートオリゴマーを溶解するものを使用す
る必要があり、その中で、コーティング対象となる基材
あるいは塗布方法により適宜選定が可能である。使用で
きる有機溶剤を具体的に示すと、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、オクタ
ノール等のアルコールやエチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテ
ル等のグリコール誘導体やベンゼン、ケロシン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素や酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等の
エステル類やアセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類やエチ
ルエーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類が挙げられる。これら有機溶剤は単独
でも複数を組合わせても使用可能である。
【0018】また、溶媒の使用量は、単量体及びシリケ
ートオリゴマーの合計量100重量部に対して20〜2
00重量部の範囲で可能である。この組成比は使用目的
に応じて適宜選択できる。上記範囲以下では均一の塗膜
をえるのが難しい等の塗装時の問題が生じる可能性があ
る。
【0019】重合触媒としては、公知のラジカル重合触
媒、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイドなどが用いられる。重合
時の温度は60〜150℃が適当であり、又重合時間は
6〜20時間程度が実用的である。本発明の組成物は、
前記の如く重合時に用いた有機溶剤がそのまま溶剤とな
った状態で、塗料用として実用に供せられるが、必要で
あれば、それを任意の溶剤に置換して用いても差し支え
ない。
【0020】更にかくして得られる本発明の均一溶液系
コーティング用組成物には硬化触媒を使用することが
望ましい。該硬化触媒は、使用時に添加して使用するこ
と(2液型)も可能であり、最初から添加した状態(1
液型)でも保存は可能である。硬化触媒の具体例として
は塩酸、硝酸、リン酸、硼酸等の無機酸類、酢酸、ギ
酸、マレイン酸、フタル酸、安息香酸、パラトルエンス
ルホン酸等の有機酸類、ジブチルスズラウリレート、ジ
ブチルスズオクチエート、ジブチルスズアセテート、ジ
オクチルスズラウレート等の有機スズ化合物類、テトラ
ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ
ブトキシチタネート等の有機チタン化合物類、モノメチ
ルホスフェート、モノエチルホスフェート等のリン酸エ
ステル類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等の
シランカップリング剤類がある。
【0021】その他トリス(アセチルアセトナート)ア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム等の有機アルミニウム化合物類、テトラブチルジ
ルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム等の有機ジルコニウム類、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、ピペラジン、メタフェニレ
ンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ化合物、エポキシ化合物等が挙げられるが、
特に無機酸、有機スズ化合物、有機酸、有機アルミニウ
ム化合物が好ましい。これら触媒の使用量は触媒により
異なるが、例えば塩酸を使用する場合はシリケートオリ
ゴマー100重量部に対して0.1〜2重量部程度が好
ましい。
【0022】本発明の組成物の使用方法につき、より具
体的に説明する。上記共存重合した重合体組成物を通常
濃度調整し、次に硬化触媒を添加してその後基材に塗布
を行い、加熱乾燥を行う。シリケートオリゴマーのRが
アルキル基やフェニル基の場合、必要に応じて加水分解
しておくことも可能である。この場合の基材としては
鉄、ステンレス、アルミニウム、その他の金属、合金、
プラスチック、木材、セメント、コンクリート等に適用
できる。また、塗布の方法としては刷毛塗り、スピンコ
ート、スプレーコート、デッピング、ロールコート、グ
ラビア印刷法等の通常の塗布方法が挙げられる。この時
の皮膜の膜厚は0.1〜200μmが好ましく、より好
ましくは1〜100μmである。本発明の組成物は塗膜
の厚膜化に特に有効で、従来のものは50μmを越える
とクラック等の発生する可能性が高かったが、本発明で
はより厚膜化が可能となった。上記範囲より薄い場合に
は十分な耐擦傷性を得ることが難しく、また、上記範囲
より厚い場合はクラック等の発生する可能性があるため
好ましくない。
【0023】また、本発明の組成物を使用して塗料を調
製する時には必要に応じて、塗料の安定性を考慮して脱
水剤やアルキル基の炭素数1〜10のアルキルアルコー
ルを添加する必要がある。この場合の脱水剤としては、
オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルト
ギ酸トリプロピル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸
トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルトプロピオ
ン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オル
トイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン
酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリ
エチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸ト
リエチル等のオルトカルボン酸エステルが用いられ、添
加量としては、共存重合アルコキシシリル基含有重合体
100重量部に対して0〜30重量部、好ましくは0.
5〜30重量部、特に好ましくは5〜25重量部であ
る。
【0024】更に、塗料に使用する顔料としては、酸化
チタン、炭酸カルシウム、タルク、リトボン、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、アルミナ、クレーなどの白顔
料、カーボンブラック、鉄黒などの黒顔料、フタロシア
ニンブルー、紺青、群青などの青顔料、レーキイエロ
ー、黄鉛、オーカイエロー、ハンザイエローなどの黄顔
料、ベンガラ、レーキレッドなどの赤顔料、クロムバー
ミリオンなどの橙顔料、フタロシアニングリーン、酸化
クロムなどの緑顔料などが挙げられる。
【0025】また、本発明の組成物には発明の硬化を損
なわない範囲において、他の樹脂用添加剤を加えること
ができる。例えば、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、導電性付与剤、耐擦傷性付与剤、相溶化剤、接着
性付与剤、着色剤、流動性改善剤、可塑剤、タレ防止
剤、沈殿防止剤、消泡剤等が挙げられる。塗料の調製に
は通常使用されるサンドミル、ディスパー、ボールミル
など使用される。この塗料は、コンクリート、モルタル
建築物、瓦、サイデングボードなどの外装材の上塗り塗
料として、更に建築物の内装、床用の塗料として用いる
ことができ、特に、外装用途では、耐候性に優れた塗料
として利用することができる。
【0026】
【作用】本発明においては耐擦傷性、透明性、耐沸水
性、保存安定性に優れた塗膜を与えるコ−ティング用組
成物が得られる。
【0027】
【実施例】次に実施例および比較例に基づいて、本発明
を更に詳細に説明をするがその要旨を越えない限り以下
の実施例に限定されるものではない。尚、塗膜の評価は
下記の方法で行った。 (1)セロテープ剥離:塗膜の接着強度を評価するた
め、塗膜面の中央に直交する縦横11本ずつの平行線を
1mmの間隔で基材面に達するまで引いて1cm2の中に1
00個のます目ができるように碁盤目をつけた。セロハ
ン粘着テープ(商品名:“セロテープ”ニチバン製)を
碁盤目上に強くはりつけ、90度方向に急速に剥がした
時の、剥離しないます目数を測定した。
【0028】(2)鉛筆硬度:傷付度合いをJIS K
5400に従った鉛筆硬度試験により評価した。 (3)塗膜の耐沸水性:100℃の熱水に基材とともに
4時間浸漬し、塗膜の艶びけやクラック発生の状態を目
視により観察した。塗膜の艶びけやクラック発生の状態
がないものを○、やや艶びけの認められるものを△とし
た。 (4)透明性(ヘーズ):JIS K−7105に準拠
して測定した。
【0029】〔シリケートオリゴマーの調製〕 シリケートオリゴマーA 撹拌機と還流用コンデンサー及び温度計を付けた500
mlの3つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン2
34gとメタノール74gを加えて混合した後、0.0
5%塩酸22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水
分解反応を行った。次いでコンデンサーを抽出管に取り
替え、内温度が150℃になるまで昇温し、メタノール
で抽出させ更に150℃、3時間加熱し縮合して加水分
解物を得た。重合度は3〜6でヒドロキシル基10以上
であった。テトラメトキシシランオリゴマー中のモノマ
ー量は5%であった。
【0030】シリケートオリゴマーB 上記に引き続き100〜150℃に加熱したジャケット
にテトラメトキシシランオリゴマーで煮沸させて、気化
したモノマーを不活性ガスと共に系外に排出する。こう
して得られたテトラメトキシシランオリゴマー中のモノ
マー量は0.2%であった。 シリケートオリゴマーC 前記のテトラメトキシシランに代えてテトラエトキシシ
ランを使用してオリゴマー中のモノマー量が0.3%以
下のテトラエトキシシランオリゴマー(重合度3〜6)
を得た。
【0031】実施例1〜3 窒素導入管、還流冷却器、温度計及び撹拌装置を備えた
フラスコにγ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン 100重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル 50重量部、メタクリル酸メチル 500重量
部、アクリル酸n−ブチル 350重量部、シリケート
オリゴマーA〜Cをそれぞれ500重量部(純分換算)
及びキシレン420重量部、イソプロピルアルコール8
0重量部、ベンゾイルパーオキサイド2重量部を仕込
み、90℃に加温して重合を開始した。重合開始2時間
後にキシレン30重量部にベンゾイルパーオキサイド8
重量部を溶解した溶液を添加しながら10時間重合を続
けた。樹脂分72重量%、粘度1900cps(25
℃)の共存重合品を得た。Tgは20℃であった。上記
共存重合品にキシレン600重量部を加え樹脂分を54
重量%とした。この溶液に1N塩酸0.95gを加え6
5℃で30分撹拌する。この溶液をガラス板(70mm×
150mm×0.5mm)にアプリケーターを用いて塗布
後、110℃で30分間熱処理を行った。この塗膜(1
00μ)の物性を前記の方法により評価し、その結果を
表1に示した。
【0032】実施例4〜5 実施例2における単量体組成においてγ−メタアクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを200重量部、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチルを100重量部、メタク
リル酸メチルを350重量部、アクリル酸n−ブチルを
200重量部、スチレンを150重量部に(実施例4)
またγ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン
を50重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを1
00重量部、メタクリル酸メチルを350重量部、アク
リル酸n−ブチルを400重量部、スチレンを100重
量部に(実施例5)にそれぞれ変更した。Tgは実施例
4が40℃、実施例5が8℃であった。結果を表1に示
した。 実施例6〜7 実施例2において、シリケートオリゴマーの使用量を1
000重量部、(実施例6)及び1500重量部に(実
施例7)に変更した。結果を表1に示した。 実施例8 塩酸に代えてジブチルスズジラウレートを使用した以外
は実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0033】実施例9 塩酸に代えてトリス(アセチルアセテート)アルミニウ
ムを使用した以外は実施例2と同様の操作を行った。結
果を表1に示す。 対照例1 実施例2において共重合時にシリケートオリゴマーの使
用を省略し、重合後にシリケートオリゴマーを混合し
た。その結果も表1に示した。尚、ヘーズは混合物製造
直後に測定した。
【0034】
【表1】 オリゴマー セロテープ剥離 鉛筆硬度 耐沸水性 透明性(ヘーズ) 実施例1 A 100/100 HB ○ 0.2 〃 2 B 100/100 HB ○ 0.2 〃 3 C 100/100 HB ○ 0.2 〃 4 B 100/100 H ○ 0.2 〃 5 B 100/100 F ○ 0.2 〃 6 B 100/100 2H ○ 0.2 〃 7 B 100/100 3H ○ 0.2 〃 8 B 100/100 F ○ 0.2 〃 9 B 100/100 F ○ 0.2 対照例1 B 100/100 F △ 21.6
【0035】
【発明の効果】本発明の均一溶液系のコーティング用組
成物は各基材との接着性が高く、硬度が十分であり、耐
沸水性も良く、透明性にも優れた塗膜を形成できる。ま
た、保存安定性、塗布性能も良く、極めて取り扱いの容
易なコーティング用組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/12 C09D 151/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒中で下記一般式[I]で示され
    るシリケートオリゴマーの存在下に、アルコキシシリル
    基含有エチレン性不飽和単量体とヒドロキシル基含有
    (メタ)アクリル酸エステルを共重合することを特徴と
    する、均一溶液系のコーティング用組成物の製造方法。 【化1】 (式中、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
    4のアルキル基、フェニル基を示す)
  2. 【請求項2】 アルコキシシリル基含有エチレン性不飽
    和単量体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エス
    テルとの合計量100重量部中におけるアルコキシシリ
    ル基含有エチレン不飽和単量体の割合が1〜30重量
    %、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルの
    割合が70〜99重量%であることを特徴とする請求項
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルコキシシリル基含有エチレン性不飽
    和単量体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エス
    テルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの合計量1
    00重量部中におけるアルコキシシリル基含有エチレン
    不飽和単量体の割合が1〜30重量%、ヒドロキシル基
    含有(メタ)アクリル酸エステルの割合が0.5〜50
    重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が
    0.5〜98重量%であることを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】 シリケートオリゴマーとしてテトラメト
    キシシラン部分加水分解物を使用することを特徴とする
    請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリケートオリゴマーとしてテトラメト
    キシシラン部分加水分解物であって、モノマー量が1重
    量%以下の物を使用することを特徴とする請求項1〜3
    いずれか記載の製造方法。
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