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JP3420662B2 - 塗装された樹脂成形物を利用した樹脂組成物 - Google Patents

塗装された樹脂成形物を利用した樹脂組成物

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JP3420662B2
JP3420662B2 JP25399895A JP25399895A JP3420662B2 JP 3420662 B2 JP3420662 B2 JP 3420662B2 JP 25399895 A JP25399895 A JP 25399895A JP 25399895 A JP25399895 A JP 25399895A JP 3420662 B2 JP3420662 B2 JP 3420662B2
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博典 村上
和彦 坂井
章公 片桐
淳 竹内
実 幕田
仁 大金
健二 濱邊
修 青木
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昭和電工株式会社
本田技研工業株式会社
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物に関す
るものであり、更に詳しくは、塗装されたポリオレフィ
ン系樹脂組成物からなる自動車用バンパーの廃材を再利
用する樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用バンパーには非常に高い耐衝撃
性が要求され、ポリオレフィン系樹脂組成物、主として
プロピレン重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、
タルクを含有したものが広く使用され、また様々なもの
が提案されている(例えば、特開昭53−55952号
公報,特開昭53−64257号公報,特開昭57−5
5952号公報,特開昭57−159841号公報,特
開昭58−111846号公報参照)。また、自動車用
バンパーには、その性能を満足することに加えて、意匠
性を高めるべく、塗装が施されている製品が多い。とこ
ろで、近年特に、環境問題や資源保護等が重要視され、
様々な製品、特に自動車部品の再利用(リサイクル)が
求められている。塗装されたポリオレフィン系樹脂組成
物からなる自動車用バンパーのリサイクルの方法として
は、回収された樹脂成形品を粉砕機にて粉砕して成形用
原材料として利用したり、または粉砕したものをさらに
押出機にてペレット化してから成形用原材料として利用
する方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのよう
な方法によりリサイクル材として用いた場合、塗料系樹
脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性が乏しいために再
利用してできた樹脂組成物からなる成形品の耐衝撃性が
低下する問題があった。そのため、再利用した材料は耐
衝撃性の必要な部品にそのまま用いることは困難であ
る。そこで、塗装されたポリオレフィン系樹脂製の自動
車部品の廃材を利用した樹脂組成物からなる成形品の耐
衝撃性を改善する方法として、特開平5−154861
号公報、特開平5−169479号公報に記載の方法が
知られている。しかし、上記の方法は、再利用する廃材
の量が100重量部に対し、耐衝撃性改良の為に配合す
る各種材料が、最小でも76重量部必要とされる。した
がって、廃材の使用量が相対的に少ないうえ、コストア
ップとなる。よって、大量に存在し又は発生する廃材を
処理しきることは困難で、廃材の再利用方法としてはあ
まり有効なものではなかった。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、ポリオレフィン系樹脂成形体を再利用した樹
脂組成物であって、従来再利用が困難とされていた塗装
の施されたものであっても、少量の添加剤の配合により
高効率で、また、耐衝撃性ならびに機械的強度に優れた
成形体を可能ならしめる樹脂組成物を目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、塗装されたポリオレフィ
ン系樹脂組成物からなる自動車用バンパーの廃材に、特
定のエチレン系共重合体を特定の重量比でブレンドする
ことにより、得られる樹脂組成物からなる成形品の耐衝
撃性を大きく改善し、剛性や耐熱性の如き機械的特性に
も優れる射出成形体を得ることを見出した。すなわち、
本発明は、塗膜樹脂の割合が5重量%以下の塗装の施さ
れたポリオレフィン系樹脂成形物の粉砕物を100重量
部と、重量平均分子量が50000〜180000のエ
チレン系重合体(変性ポリオレフィンを除く)を3〜1
5重量部とが配合されていることを特徴とものである。
本発明においては、塗装されたポリオレフィン系樹脂成
形物として自動車用バンパーが特に好適に用いられる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に説明
する。先ず、再利用する塗装されたポリオレフィン系樹
脂組成物からなる自動車用バンパーの廃材(以下廃材と
もいう)から説明する。 〔廃材〕本発明における廃材としては、ポリオレフィン
系樹脂成形物であって、その表面に、アクリル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの塗料樹
脂が塗装されたものでも適用できる。廃材に含まれる塗
料樹脂の割合は5重量%以下であり、好ましくは3重量
%以下である。塗料樹脂の割合が、5重量%を超えると
耐衝撃性の改善効果が小さいからである。廃材を再利用
するには、混合の便宜上、まず粉砕処理がなされる。廃
材の粉砕物の大きさは適宜設定可能であるが、最大の長
さが0.1mm〜10mmのものが混合しやすいので好
ましい。また、ポリオレフィン系樹脂成形物としては、
広く様々なものが適用され、自動車用部品や家電製品、
家具、雑貨等が適用され、例えば自動車用部品である
と、そのバンパー、スポイラー、サイドモール等の外装
部品、インスツルメントパネル、ドアライニング等の内
装部品などが挙げられる。
【0007】尚、本発明は、従来再利用が困難であった
塗装の施されたポリオレフィン系樹脂組成物であって
も、再利用することを可能ならしめるものであって、塗
装の施されていないポリオレフィン系樹脂組成物に対し
ても適用できることは勿論のことである。
【0008】〔エチレン系共重合体〕本発明に使用され
るエチレン系重合体は、エチレンの単独重合体またはエ
チレンと、炭素数が少なくとも12のα−オレフィンと
の共重合体を示す。エチレンとα−オレフィンとの共重
合体の場合、その共重合割合は多くとも20重量%、よ
り好ましくは15重量%以下である。α−オレフィンと
しては例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙げら
れる。このエチレン系重合体の重量平均分子量は500
00〜180000であり、特に55000〜1300
00が好ましい。重量平均分子量が50000未満のエ
チレン系重合体を用いると耐衝撃性が十分ではなく、1
80000よりも高いと均一な樹脂組成物が得られにく
く却って耐衝撃性が低下するからである。密度は、0.
900〜0.975g/cm3であり、0.910〜0.970
g/cm3がより好ましい。
【0009】〔組成割合〕本発明において用いられる上
記成分の組成割合は、廃材100重量部に対しエチレン
系重合体3〜15重量部であり、3〜13重量部が好ま
しく、とりわけ5〜13重量部が望ましい。100重量
部の廃材に対するエチレン系共重合体の組成割合が、3
重量部未満では耐衝撃性の改良効果が充分でない。他
方、15重量部を越えると剛性や耐熱性の如き機械的強
度が低下し良くない。
【0010】〔配合〕廃材とエチレン系重合体の配合
は、それぞれの各組成物を均一に混合すればよい。この
場合、ポリオレフィン系樹脂の分野において一般に添加
されている抗酸化剤、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、帯
電防止剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、架橋剤、着色剤、顔
料、無機充填剤などの各種添加剤をそれぞれの組成物や
合成樹脂が有する性質を実質的に損なわない範囲で添加
しても良い。また、必要に応じて各種の合成樹脂を添加
することができる。各組成物の混合には、合成樹脂の分
野において一般に行われている方法を適用すればよく、
混合法としてはタンブラー、リボンブレンダー、ヘンシ
ェルミキサーのごとき混合機を使ってドライブレンドす
る方法又はスクリュー式押出機、ニーダー、バンバリー
ミキサーのごとき混合機を用いて溶融混練する方法が挙
げられる。この際、あらかじめ組成物をドライブレンド
し、得られる混合物を更に溶融混練させることによって
より均一な組成物を得ることができる。
【0011】〔成形体〕本発明の樹脂組成物を用いてな
る成形体は、合成樹脂の分野で一般に行われている各種
成形法によって得ることが出来、中でも射出成形法が成
形効率が良いので好ましい。前記の溶融混練する場合で
も、成形体を成形する場合でもポリオレフィン系樹脂が
溶融する温度で実施する必要があるが、必要以上に高い
温度で実施すると、ポリオレフィン系樹脂が熱分解する
ことがあるので、溶融混練温度および成形温度は、18
0〜270℃、好ましくは、180〜250℃とされ
る。本発明の樹脂組成物によって得られた成形体には、
内部に塗料系の樹脂が混入されているが、もとの廃材に
比較し、耐衝撃強度が大きく向上している。
【0012】本発明の樹脂組成物においては、廃材に少
量のエチレン系重合体を添加し混練することにより、廃
材中のゴム成分等の分散性が向上するため耐衝撃性が大
きく改善されるものと考えられる。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するも
のではない。表2に示すように、廃材100重量部に対
して、エチレン系重合体をあらかじめタンブラーを使っ
て3分間ドライブレンドした。得られた各混合物を樹脂
温度が200℃においてベント付二軸押出機(径30m
m)を用いて溶融混練を行い、ペレット状の各樹脂組成
物を製造した。さらに、得られた各樹脂組成物のペレッ
トを型締力100トンの射出成形機を用いて210℃の
樹脂温度において射出成形し、以下に示す各試験用の試
験片を作成した。
【0014】ここで、使用した廃材としては、自動車
(本田技研工業(株)製)の廃車から回収した塗装が施
されたポリプロピレン製バンパーを粉砕機にて粉砕した
ものを用いた。尚、廃材の物性は、MFRが11g/10mi
n、曲げ弾性率が9900kg/cm2、落錘衝撃強度が
125kg−cmであった。また、廃材中にはウレタン
系塗装被膜が0.9重量%混入していた。また、用いた
エチレン系重合体は表1に示すものである。
【表1】
【0015】各樹脂組成物について、メルトフローレー
ト(以下、MFRともいう)、曲げ弾性率、落錘衝撃強
度、熱変形温度を測定した。測定結果を表2に示す。メ
ルトフローレートはASTM−D1238に従って、
2.16kgの荷重を用いて230℃で測定した。曲げ
弾性率はASTM−D790に従って、曲げ速度が25
mm/分の条件で測定した。落錘衝撃強度の測定方法は
次の通りである。まず、各材料から射出成形にて成形し
た60×60×3.2mmの平板を試験片として用い、こ
れを外径48mm、内径44mm、高さ50mmのパイプ状試
験台上に載せ、その上に曲率が1/2インチφの撃芯を
置く。そして、−30℃の条件下において、3kgの錘
を任意の高さから自然落下させて試験片が破壊するとき
の高さを測定した。破壊した際の高さ(cm)×3(kg)
を落錘衝撃強度として表に示した。熱変形温度はAS
TM−D648に従って、荷重が4.6kg/cm2の条
件で測定した。
【0016】比較例として、エチレン系重合体または配
合比を変えた樹脂組成物を調製し、同様の試験を行っ
た。測定結果を表3に示す。
【表2】
【表3】
【0017】表1,2から、廃材そのまま(比較例番号
1)であると、特に落錘衝撃強度が低いものの、本実施
例の樹脂組成物であると、曲げ弾性率、落錘衝撃強度、
熱変形温度において優れていることがわかる。また、重
量平均分子量の大きいエチレン系重合体を用いた比較例
番号2,3でならびに、重量平均分子量の小さいエチレ
ン系重合体を用いた比較例番号4であっては、落錘衝撃
強度が低くなっている。また、エチレン系重合体の配合
比の少ない比較例番号5も落錘衝撃強度が低くなってい
る。また、エチレン系重合体の配合比の多い比較例番号
6は落錘衝撃強度は高いものの、熱変形温度が低下して
しまっている。
【0018】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物によって得られた成
形体には、内部に塗料系の樹脂が混入されているが、も
との廃材に比較し、耐衝撃強度が大きく向上している。
よって、本発明による樹脂組成物は、耐衝撃性を要する
成形品にも使用することができ、自動車部品をはじめ、
電気製品、日用雑貨製品などの各種用途の成形体として
再利用することが出来る。特に、本発明は、少量のエチ
レン系重合体と多量の廃材を用いるものであるので、廃
材の使用量が相対的に多く、経済的にも有利であり、環
境問題や資源保護等の面からも優れた技術である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 章公 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 竹内 淳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 幕田 実 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 大金 仁 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 濱邊 健二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 青木 修 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−337942(JP,A) 特開 平7−68551(JP,A) 特開 平7−241848(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 B29B 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜樹脂の割合が5重量%以下の塗装の
    施されたポリオレフィン系樹脂成形物の粉砕物を100
    重量部と、重量平均分子量が50000〜180000
    のエチレン系重合体(変性ポリオレフィンを除く)を3
    〜15重量部とが配合されていることを特徴とする塗装
    された樹脂成形物を利用した樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂成形物が自動
    車用バンパーであることを特徴とする請求項1記載の樹
    脂組成物。
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