JP3417016B2 - 熱間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法 - Google Patents
熱間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱間加工性ならびに耐C
O2 腐食性に優れ、耐硫化物応力割れ性に優れた高靭性
マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法に関
する。
O2 腐食性に優れ、耐硫化物応力割れ性に優れた高靭性
マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、CO2 を多量に含むガスを生産す
るガス井の開発や、2次回収のためのCO2 インジェク
ションが広く行われるようになっている。このような環
境では鋼管の腐食が激しいため耐CO2 腐食性や耐硫化
物応力割れ性等の耐食性に優れたマルテンサイト系ステ
ンレス鋼管が多く要求されている。中でも、耐食性およ
び熱間加工性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼と
して、例えばCおよびNを0.015%以下、Ni:
0.1〜3.0%、Cr:11〜17%にNb:0.0
1〜0.05%、必要によってはMo:0.05〜1.
0%を含有した耐食性に優れた継目無鋼管用鋼を提示し
ている、特公昭59−15977号公報や特公昭59−
15978号公報等が挙げられる。これらの鋼は、従来
のSUS410,SUS420J1,J2鋼等に比べ
て、C含有量を低く制限しているためCr炭化物の析出
量が少なく、耐食性に有効な固溶Cr量を確保できるこ
とから耐食性に優れている。
るガス井の開発や、2次回収のためのCO2 インジェク
ションが広く行われるようになっている。このような環
境では鋼管の腐食が激しいため耐CO2 腐食性や耐硫化
物応力割れ性等の耐食性に優れたマルテンサイト系ステ
ンレス鋼管が多く要求されている。中でも、耐食性およ
び熱間加工性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼と
して、例えばCおよびNを0.015%以下、Ni:
0.1〜3.0%、Cr:11〜17%にNb:0.0
1〜0.05%、必要によってはMo:0.05〜1.
0%を含有した耐食性に優れた継目無鋼管用鋼を提示し
ている、特公昭59−15977号公報や特公昭59−
15978号公報等が挙げられる。これらの鋼は、従来
のSUS410,SUS420J1,J2鋼等に比べ
て、C含有量を低く制限しているためCr炭化物の析出
量が少なく、耐食性に有効な固溶Cr量を確保できるこ
とから耐食性に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなマルテンサイト系ステンレス鋼においては、Cなら
びにNの添加量を著しく低下させると、鋼塊加熱時にオ
ーステナイト基地に熱間加工性を悪化させるδフェライ
ト相が生成し易い欠点がある。したがって、継目無鋼管
圧延のような過酷な加工条件下では熱間加工割れやその
他の疵を多く発生し、歩留低下によるコストアップは避
けられなかった。また、耐食性を更に向上させるために
前記公報のようにCuを少量添加した鋼も開発されてい
るが、Cu量が高い場合には熱間加工時に表面欠陥が発
生する問題から、疵の手入れ工程を必要とするため高コ
スト化を余儀なくされていた。したがって、これまで、
高耐食性を有し熱間加工時に表面欠陥の生成が少ないマ
ルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管を製造すること
は困難とされていた。
うなマルテンサイト系ステンレス鋼においては、Cなら
びにNの添加量を著しく低下させると、鋼塊加熱時にオ
ーステナイト基地に熱間加工性を悪化させるδフェライ
ト相が生成し易い欠点がある。したがって、継目無鋼管
圧延のような過酷な加工条件下では熱間加工割れやその
他の疵を多く発生し、歩留低下によるコストアップは避
けられなかった。また、耐食性を更に向上させるために
前記公報のようにCuを少量添加した鋼も開発されてい
るが、Cu量が高い場合には熱間加工時に表面欠陥が発
生する問題から、疵の手入れ工程を必要とするため高コ
スト化を余儀なくされていた。したがって、これまで、
高耐食性を有し熱間加工時に表面欠陥の生成が少ないマ
ルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管を製造すること
は困難とされていた。
【0004】本発明は、このような技術の現状から種々
の検討結果から生じた後述するような知見に基づいて熱
間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系
ステンレス鋼継目無鋼管の製造法を提供するものであ
る。
の検討結果から生じた後述するような知見に基づいて熱
間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系
ステンレス鋼継目無鋼管の製造法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれまでの
マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の問題点を解
消するために、多くの実験結果から耐CO2 腐食性や耐
硫化物応力腐食割れ性等の耐食性はCを低減化し必要量
のCr,Ni,Cu或いは更にMoを添加しておけば維
持されること、熱間加工性は、P,S等を低減化して介
在物の形成を抑えると共にNiを添加することによって
変形抵抗の異なる異相の相分率および形状を制御するよ
うな冶金的操作を行うことで得られることを知見した。
更に、熱間加工時の表面欠陥の生成はCuの添加量を制
限することにより抑えられることも知見した。
マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の問題点を解
消するために、多くの実験結果から耐CO2 腐食性や耐
硫化物応力腐食割れ性等の耐食性はCを低減化し必要量
のCr,Ni,Cu或いは更にMoを添加しておけば維
持されること、熱間加工性は、P,S等を低減化して介
在物の形成を抑えると共にNiを添加することによって
変形抵抗の異なる異相の相分率および形状を制御するよ
うな冶金的操作を行うことで得られることを知見した。
更に、熱間加工時の表面欠陥の生成はCuの添加量を制
限することにより抑えられることも知見した。
【0006】特に、本発明者らはCならびにNの効果に
着目し次のような知見を得た。図1は、ベース成分を1
%Cu−4%Ni−15%Cr鋼としてCおよびN含有
量を変えた場合の、耐CO2 腐食特性ならびに熱間加工
時の絞り値を示す。図1において、C.R.は40atm
のCO2 と平衡した180℃の人工海水中における年間
の腐食速度であり、C.R.<0.1mm/yであれば十分
な耐食性を有すると評価できる。また、R.A.は12
50℃に加熱した試料を900℃で歪速度3 sec-1の条
件にて単軸引張変形したときの絞り率であり、R.A.
>70%となれば熱間変形能は良好であるといえる。な
お、CO2 腐食試験には熱間加工後、焼入れ・焼戻し処
理を行い、降伏強度が720MPa 程度を示すものを用い
た。図1より、耐CO2 腐食特性を満足するためにはC
≦0.05%にする必要があり、また、良好な熱間加工
性を有するためには、C+0.8N>0.06にする必
要があるということが読み取れる(各元素記号の含有量
の単位はwt.%)。
着目し次のような知見を得た。図1は、ベース成分を1
%Cu−4%Ni−15%Cr鋼としてCおよびN含有
量を変えた場合の、耐CO2 腐食特性ならびに熱間加工
時の絞り値を示す。図1において、C.R.は40atm
のCO2 と平衡した180℃の人工海水中における年間
の腐食速度であり、C.R.<0.1mm/yであれば十分
な耐食性を有すると評価できる。また、R.A.は12
50℃に加熱した試料を900℃で歪速度3 sec-1の条
件にて単軸引張変形したときの絞り率であり、R.A.
>70%となれば熱間変形能は良好であるといえる。な
お、CO2 腐食試験には熱間加工後、焼入れ・焼戻し処
理を行い、降伏強度が720MPa 程度を示すものを用い
た。図1より、耐CO2 腐食特性を満足するためにはC
≦0.05%にする必要があり、また、良好な熱間加工
性を有するためには、C+0.8N>0.06にする必
要があるということが読み取れる(各元素記号の含有量
の単位はwt.%)。
【0007】次に図2に4%Ni−15%Cr鋼の18
0℃のCO2 環境におけるC.R.および900℃での
R.A.におよぼすCu量の影響を示す。Cu量が0.
2%以上になるとC.R.<0.1mm/yを示し耐食性は
十分であるといえる。また、Cu量が1%以上になると
R.A.<70%となる。これはCu量の増加に伴いへ
げ等の表面疵の発生頻度が多くなるからである。
0℃のCO2 環境におけるC.R.および900℃での
R.A.におよぼすCu量の影響を示す。Cu量が0.
2%以上になるとC.R.<0.1mm/yを示し耐食性は
十分であるといえる。また、Cu量が1%以上になると
R.A.<70%となる。これはCu量の増加に伴いへ
げ等の表面疵の発生頻度が多くなるからである。
【0008】本発明は以上に述べた知見を組み合わせて
構成したものであり、その要旨は以下の通りである。す
なわち、重量%で、 C ≦0.05%、 Si≦0.50%、 Mn≦1.0%、 P ≦0.03%、 S ≦0.01%、 Cr:11〜17%、 Ni:1.5〜5%、 Cu:0.2〜1%未
満、 Al≦0.05%、 N :0.02〜0.1
%で、かつ C+0.8N>0.06を満足し、 或いは更にMo:0.5〜2%を含有し、 残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を継目無鋼
管に熱間加工して室温まで冷却した後、Ac3 変態点+
10℃〜Ac3 変態点+200℃の温度に加熱し室温ま
で空冷以上の冷却速度にて冷却し、次いでAc1 変態点
〜Ac3 変態点の温度に加熱して室温まで空冷以上の冷
却速度にて冷却し、しかる後、Ac1 変態点以下の温度
にて焼戻し処理する熱間加工性および耐食性に優れた高
靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法
である。
構成したものであり、その要旨は以下の通りである。す
なわち、重量%で、 C ≦0.05%、 Si≦0.50%、 Mn≦1.0%、 P ≦0.03%、 S ≦0.01%、 Cr:11〜17%、 Ni:1.5〜5%、 Cu:0.2〜1%未
満、 Al≦0.05%、 N :0.02〜0.1
%で、かつ C+0.8N>0.06を満足し、 或いは更にMo:0.5〜2%を含有し、 残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を継目無鋼
管に熱間加工して室温まで冷却した後、Ac3 変態点+
10℃〜Ac3 変態点+200℃の温度に加熱し室温ま
で空冷以上の冷却速度にて冷却し、次いでAc1 変態点
〜Ac3 変態点の温度に加熱して室温まで空冷以上の冷
却速度にて冷却し、しかる後、Ac1 変態点以下の温度
にて焼戻し処理する熱間加工性および耐食性に優れた高
靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法
である。
【0009】以下に本発明について詳細に説明する。ま
ず、鋼成分の限定理由について述べる。CはCr炭化物
等を形成して耐食性を劣化させる元素であるが、典型的
なオーステナイト形成元素として熱間加工温度域の90
0〜1250℃でδフェライト相の発生を抑制する効果
がある。しかしながら、0.05%を超える量の含有は
Cr炭化物等の析出によるCr欠乏層が生成されて耐C
O2 腐食性を劣化する。また、多くの炭化物の粒界析出
によって耐硫化物応力腐食割れ性を著しく低下する。し
たがって、本発明は耐CO2 腐食性や耐硫化物応力腐食
割れ性等に優れた耐食性を得るためにCの含有量を0.
05%以下とした。
ず、鋼成分の限定理由について述べる。CはCr炭化物
等を形成して耐食性を劣化させる元素であるが、典型的
なオーステナイト形成元素として熱間加工温度域の90
0〜1250℃でδフェライト相の発生を抑制する効果
がある。しかしながら、0.05%を超える量の含有は
Cr炭化物等の析出によるCr欠乏層が生成されて耐C
O2 腐食性を劣化する。また、多くの炭化物の粒界析出
によって耐硫化物応力腐食割れ性を著しく低下する。し
たがって、本発明は耐CO2 腐食性や耐硫化物応力腐食
割れ性等に優れた耐食性を得るためにCの含有量を0.
05%以下とした。
【0010】Siは製鋼上脱酸剤として添加され含有さ
れたもので、鋼の中に0.50%を超えて含有されると
靭性および耐硫化物応力腐食割れ性を低下するために、
0.50%以下とした。Mnは介在物を形成し腐食環境
下で耐硫化物応力腐食割れ抵抗性を損なう元素である
が、オーステナイト単相化するための有用な成分として
添加する。ただし、1.0%を超えると多量の介在物を
形成して、腐食環境下での耐硫化物応力腐食割れ抵抗性
と靭性を低下する。したがって、Mnの含有量は、1.
0%以下とした。
れたもので、鋼の中に0.50%を超えて含有されると
靭性および耐硫化物応力腐食割れ性を低下するために、
0.50%以下とした。Mnは介在物を形成し腐食環境
下で耐硫化物応力腐食割れ抵抗性を損なう元素である
が、オーステナイト単相化するための有用な成分として
添加する。ただし、1.0%を超えると多量の介在物を
形成して、腐食環境下での耐硫化物応力腐食割れ抵抗性
と靭性を低下する。したがって、Mnの含有量は、1.
0%以下とした。
【0011】Pは粒界に偏析して粒界強度を弱め、熱間
加工性および耐硫化物応力腐食割れ性を低下させるので
0.03%以下とした。Sは硫化物として介在物を形成
し熱間加工性を低下させるため、Pと同様にできるだけ
少ない程好ましく、その上限を0.01%とした。Cr
は本発明の目的とする耐CO2 腐食性を付与し、ステン
レス鋼としての要求される耐食性を付与するためには、
11%以上の含有が必要である。しかし、17%を超え
るとフェライト相が生成し易くなる。したがって、Cr
の含有範囲を11〜17%とした。
加工性および耐硫化物応力腐食割れ性を低下させるので
0.03%以下とした。Sは硫化物として介在物を形成
し熱間加工性を低下させるため、Pと同様にできるだけ
少ない程好ましく、その上限を0.01%とした。Cr
は本発明の目的とする耐CO2 腐食性を付与し、ステン
レス鋼としての要求される耐食性を付与するためには、
11%以上の含有が必要である。しかし、17%を超え
るとフェライト相が生成し易くなる。したがって、Cr
の含有範囲を11〜17%とした。
【0012】NiはCr含有鋼においては耐食性を向上
させる効果がある。更に、Niは強力なオーステナイト
形成元素として高温加熱時にδフェライト相の形成を抑
制すると共に、δフェライト相の内部に形成されるクラ
ックの成長を抑え、熱間加工性を向上させる効果もあ
る。しかしながら、N:0.02%の場合にNi:1.
5%未満の含有量ではそれらの効果が得られず、また、
5%を超えるとAc 1 変態点が低下するため残留オース
テナイト相が形成されて強度・靭性を損なわれる。した
がって、その範囲を1.5〜5%とした。
させる効果がある。更に、Niは強力なオーステナイト
形成元素として高温加熱時にδフェライト相の形成を抑
制すると共に、δフェライト相の内部に形成されるクラ
ックの成長を抑え、熱間加工性を向上させる効果もあ
る。しかしながら、N:0.02%の場合にNi:1.
5%未満の含有量ではそれらの効果が得られず、また、
5%を超えるとAc 1 変態点が低下するため残留オース
テナイト相が形成されて強度・靭性を損なわれる。した
がって、その範囲を1.5〜5%とした。
【0013】Cuは耐CO2 腐食特性を向上させる効果
がある。また、オーステナイト安定化元素であり、Ac
1 変態点を低下させないという利点も有するが、その含
有量が0.2%未満では耐食性向上効果が十分でないこ
と、1%以上になると加熱時に酸化により濃化してへげ
疵等の表面欠陥を発生させることから、含有量を0.2
〜1%未満の範囲に限定した。また、Cu単独の添加で
は上記効果は小さいことから、必ずNiと複合させて添
加する必要がある。
がある。また、オーステナイト安定化元素であり、Ac
1 変態点を低下させないという利点も有するが、その含
有量が0.2%未満では耐食性向上効果が十分でないこ
と、1%以上になると加熱時に酸化により濃化してへげ
疵等の表面欠陥を発生させることから、含有量を0.2
〜1%未満の範囲に限定した。また、Cu単独の添加で
は上記効果は小さいことから、必ずNiと複合させて添
加する必要がある。
【0014】AlはSiと同様に脱酸剤として添加され
含有されたもので、0.05%を超えて含有されるとA
lNが多数形成されて著しく靭性が低下する。したがっ
て、含有量の上限を0.05%とした。
含有されたもので、0.05%を超えて含有されるとA
lNが多数形成されて著しく靭性が低下する。したがっ
て、含有量の上限を0.05%とした。
【0015】Nは耐食性に対し無害であるうえに、Cと
同様に典型的なオーステナイト形成元素であり、熱間加
工温度域の900〜1250℃でフェライト相の形成を
抑える効果がある。その効果は、前述のようにNi−C
r鋼をベース成分、C+0.8N>0.06(C,Nは
wt.%)を満たす含有量の範囲において有効である。し
たがって、C≦0.05%の場合に熱間加工温度域にお
いてフェライト相を発生させず、良好な熱間加工性を得
るためにはN含有量を0.02%以上とする必要があ
る。また、通常の溶製工程において0.1%を超える量
のN添加は困難であるために、その範囲を0.02〜
0.1%とした。
同様に典型的なオーステナイト形成元素であり、熱間加
工温度域の900〜1250℃でフェライト相の形成を
抑える効果がある。その効果は、前述のようにNi−C
r鋼をベース成分、C+0.8N>0.06(C,Nは
wt.%)を満たす含有量の範囲において有効である。し
たがって、C≦0.05%の場合に熱間加工温度域にお
いてフェライト相を発生させず、良好な熱間加工性を得
るためにはN含有量を0.02%以上とする必要があ
る。また、通常の溶製工程において0.1%を超える量
のN添加は困難であるために、その範囲を0.02〜
0.1%とした。
【0016】Moは耐孔食性を向上させるのに有効な元
素であり、必要に応じて添加する。ただし、0.5%未
満の含有量ではその効果が小さい。また、強力なフェラ
イト安定化元素であるために2%を超えるとδ相を生成
し易くなることから、その含有範囲を0.5〜2%とし
た。
素であり、必要に応じて添加する。ただし、0.5%未
満の含有量ではその効果が小さい。また、強力なフェラ
イト安定化元素であるために2%を超えるとδ相を生成
し易くなることから、その含有範囲を0.5〜2%とし
た。
【0017】次に熱処理条件の限定理由について述べ
る。上記のような成分組成に通常の鋼片製造工程を経て
角型や丸型等各種の形状に製造された鋼片は、プラグミ
ル法やマンネスマンプラグミル法或いは熱間押出法等通
常の継目無鋼管製造工程で継目無鋼管に熱間加工した
後、室温まで冷却する。このようにして製造された継目
無鋼管は粗大かつ一部にフェライト組織を生成したマル
テンサイト組織を呈して満足する強靭性が得られない。
また高温度から冷却中に、Cr炭化物や金属間化合物が
粒界に析出し、耐食性や耐硫化物応力腐食割れ性や靭性
が損なわれる問題がある。本発明は、こうした問題を解
消するために後処理を施す。
る。上記のような成分組成に通常の鋼片製造工程を経て
角型や丸型等各種の形状に製造された鋼片は、プラグミ
ル法やマンネスマンプラグミル法或いは熱間押出法等通
常の継目無鋼管製造工程で継目無鋼管に熱間加工した
後、室温まで冷却する。このようにして製造された継目
無鋼管は粗大かつ一部にフェライト組織を生成したマル
テンサイト組織を呈して満足する強靭性が得られない。
また高温度から冷却中に、Cr炭化物や金属間化合物が
粒界に析出し、耐食性や耐硫化物応力腐食割れ性や靭性
が損なわれる問題がある。本発明は、こうした問題を解
消するために後処理を施す。
【0018】まず、熱間加工して製造された継目無鋼管
を、Ac3 変態点+10℃〜Ac3変態点+200℃の
温度範囲に加熱した後空冷以上の速さで冷却する。この
処理は結晶粒界に析出したCr炭化物やその他の析出物
を溶体化して、Cr炭化物等の析出による耐食性や強靭
性等の劣化を回復するものであって、Ac3 変態点+1
0℃未満の低い温度では一部にフェライト組織やマルテ
ンサイト組織或いはCr炭化物が残存して安定した単一
なオーステナイト相が得られず、またAc3 変態点+2
00℃を超える高い温度では結晶粒が粗大化を起こして
満足する強靭性が得られない。またその温度からの冷却
に際しては、Cr炭化物等の再析出による耐食性や強靭
性の劣化を防止するために、室温度まで空冷以上の速さ
で冷却する。
を、Ac3 変態点+10℃〜Ac3変態点+200℃の
温度範囲に加熱した後空冷以上の速さで冷却する。この
処理は結晶粒界に析出したCr炭化物やその他の析出物
を溶体化して、Cr炭化物等の析出による耐食性や強靭
性等の劣化を回復するものであって、Ac3 変態点+1
0℃未満の低い温度では一部にフェライト組織やマルテ
ンサイト組織或いはCr炭化物が残存して安定した単一
なオーステナイト相が得られず、またAc3 変態点+2
00℃を超える高い温度では結晶粒が粗大化を起こして
満足する強靭性が得られない。またその温度からの冷却
に際しては、Cr炭化物等の再析出による耐食性や強靭
性の劣化を防止するために、室温度まで空冷以上の速さ
で冷却する。
【0019】このような熱処理を受けた継目無鋼管はマ
ルテンサイトの単相組織を呈して高い強度を有するが、
マルテンサイト組織に大きな残留応力を生成して靭性が
低い。マルテンサイト組織中に過飽和に固溶された炭素
を析出し、また残留応力を除去して靭性を回復するため
に、オーステナイト相に逆変態することのないAc1変
態点以下の温度に加熱し冷却する焼戻し処理を施す。特
に本発明のような組成においてCuを含有する継目無鋼
管を焼戻し処理すると、Cuの析出強化が抑制され、靭
性と耐硫化物応力腐食割れ性が著しく改善される。
ルテンサイトの単相組織を呈して高い強度を有するが、
マルテンサイト組織に大きな残留応力を生成して靭性が
低い。マルテンサイト組織中に過飽和に固溶された炭素
を析出し、また残留応力を除去して靭性を回復するため
に、オーステナイト相に逆変態することのないAc1変
態点以下の温度に加熱し冷却する焼戻し処理を施す。特
に本発明のような組成においてCuを含有する継目無鋼
管を焼戻し処理すると、Cuの析出強化が抑制され、靭
性と耐硫化物応力腐食割れ性が著しく改善される。
【0020】しかしながら、本発明では、より優れた耐
硫化物応力腐食割れ性と靭性を得るために、Ac3 変態
点+10℃〜Ac3 変態点+200℃の温度範囲に加熱
する溶体化処理と、Ac1 変態点以下の温度に加熱し冷
却する焼戻し処理の間で、Ac1 変態点〜Ac3 変態点
の2相域温度に加熱し空冷以上の速さで室温まで冷却す
る処理を施す。この中間処理により、溶体化処理によっ
て硬質化した高強度なマルテンサイト組織が軟質化し、
焼戻し処理後の強度が低く調整されて耐硫化物応力腐食
割れ性および靭性が一段と向上し、均質な強靭性を有す
る継目無鋼管が得られる。しかし、このような本発明の
条件から逸脱する温度または遅い冷却速度での処理では
高強度なマルテンサイト組織が局部的に存在し、優れた
耐食性と均質な強靭性を呈した継目無鋼管は得られな
い。
硫化物応力腐食割れ性と靭性を得るために、Ac3 変態
点+10℃〜Ac3 変態点+200℃の温度範囲に加熱
する溶体化処理と、Ac1 変態点以下の温度に加熱し冷
却する焼戻し処理の間で、Ac1 変態点〜Ac3 変態点
の2相域温度に加熱し空冷以上の速さで室温まで冷却す
る処理を施す。この中間処理により、溶体化処理によっ
て硬質化した高強度なマルテンサイト組織が軟質化し、
焼戻し処理後の強度が低く調整されて耐硫化物応力腐食
割れ性および靭性が一段と向上し、均質な強靭性を有す
る継目無鋼管が得られる。しかし、このような本発明の
条件から逸脱する温度または遅い冷却速度での処理では
高強度なマルテンサイト組織が局部的に存在し、優れた
耐食性と均質な強靭性を呈した継目無鋼管は得られな
い。
【0021】以上のような本発明法によれば、熱間加工
による表面欠陥の発生が少なく、耐CO2 腐食特性・耐
硫化物応力割れ性および靭性に優れた継目無鋼管を製造
することができる。
による表面欠陥の発生が少なく、耐CO2 腐食特性・耐
硫化物応力割れ性および靭性に優れた継目無鋼管を製造
することができる。
【0022】
【実施例】表1に示される化学成分の鋼を通常の溶製工
程にて鋳造した後、熱間圧延により鋼管を製造した。ま
ず、圧延ままの鋼管の表面を観察し疵の発生の有無を調
査した。次に加熱処理と焼戻し処理を施したものを用い
て、強度、靭性、耐CO2腐食性、耐硫化物応力割れ性
を調査した。そのときの熱処理温度と強度等の材質につ
いて表2に示す。
程にて鋳造した後、熱間圧延により鋼管を製造した。ま
ず、圧延ままの鋼管の表面を観察し疵の発生の有無を調
査した。次に加熱処理と焼戻し処理を施したものを用い
て、強度、靭性、耐CO2腐食性、耐硫化物応力割れ性
を調査した。そのときの熱処理温度と強度等の材質につ
いて表2に示す。
【0023】耐CO2 腐食性は40気圧のCO2 と平衡
した180℃の人工海水中での腐食速度で評価した。腐
食速度が0.1mm/y以下であれば耐食性を有すると見な
せる。耐硫化物応力割れ性は丸棒引張試験片を25℃の
5%NaCl溶液中に1気圧の99%CO2 +1%H2
Sガスを飽和した腐食環境中で単軸引張応力を加え、7
20時間で破壊が生じない最大初期応力と降伏応力の比
(Rs値)を求めた。Rs≧0.8であれば優れた特性
であるといえる。表2の結果より、本発明法により製造
された鋼管には熱間加工時に表面欠陥の発生がなく、良
好な耐CO2 腐食性、耐硫化物応力割れ性ならびに高靭
性を示すのに対し、本発明の範囲から外れた比較法では
いずれかの特性が劣っていることが明らかである。
した180℃の人工海水中での腐食速度で評価した。腐
食速度が0.1mm/y以下であれば耐食性を有すると見な
せる。耐硫化物応力割れ性は丸棒引張試験片を25℃の
5%NaCl溶液中に1気圧の99%CO2 +1%H2
Sガスを飽和した腐食環境中で単軸引張応力を加え、7
20時間で破壊が生じない最大初期応力と降伏応力の比
(Rs値)を求めた。Rs≧0.8であれば優れた特性
であるといえる。表2の結果より、本発明法により製造
された鋼管には熱間加工時に表面欠陥の発生がなく、良
好な耐CO2 腐食性、耐硫化物応力割れ性ならびに高靭
性を示すのに対し、本発明の範囲から外れた比較法では
いずれかの特性が劣っていることが明らかである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明により熱間加工時に表面欠陥の発
生がなく、良好な耐CO2 腐食性、耐硫化物応力割れ性
ならびに高靭性のあるマルテンサイト系ステンレス鋼継
目無鋼管の製造が可能となった。
生がなく、良好な耐CO2 腐食性、耐硫化物応力割れ性
ならびに高靭性のあるマルテンサイト系ステンレス鋼継
目無鋼管の製造が可能となった。
【図1】CとNの耐CO2 腐食性におよぼす影響につい
て示したものである。
て示したものである。
【図2】Cu含有鋼のCO2 雰囲気中での耐食性と絞り
率におよぼす影響について示したものである。
率におよぼす影響について示したものである。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−140645(JP,A)
特開 平5−263138(JP,A)
特開 平4−193933(JP,A)
特開 平6−100935(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C21D 9/08
C22C 38/00 - 38/60
C21D 8/10
C21D 6/00
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で C ≦0.05%、 Si≦0.50%、 Mn≦1.0%、 P ≦0.03%、 S ≦0.01%、 Cr:11〜17%、 Cu:0.2〜1%未満、 Ni:1.5〜5%、 Al≦0.05%、 N :0.02〜0.1%、かつ C+0.8N>0.06 を満足する成分を含有して残部がFeおよび不可避的不
純物からなる鋼を継目無鋼管に熱間加工して室温まで冷
却した後、Ac3 変態点+10℃〜Ac3 変態点+20
0℃の温度に加熱し続いて室温まで空冷以上の冷却速度
にて冷却し、次いでAc1 変態点〜Ac3 変態点の温度
に加熱し続いて室温まで空冷以上の冷却速度にて冷却
し、しかる後、Ac1 変態点以下の温度にて焼戻し処理
することを特徴とする熱間加工性および耐食性に優れた
高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造
法。 - 【請求項2】 重量%で C ≦0.05%、 Si≦0.50%、 Mn≦1.0%、 P ≦0.03%、 S ≦0.01%、 Cr:11〜17%、 Cu:0.2〜1%未満、 Ni:1.5〜5%、 Mo:0.5〜2%、 Al≦0.05%、 N :0.02〜0.1%、かつ C+0.8N>0.06 を満足する成分を含有して残部がFeおよび不可避的不
純物からなる鋼を継目無鋼管に熱間加工して室温まで冷
却した後、Ac3 変態点+10℃〜Ac3 変態点+20
0℃の温度に加熱し続いて室温まで空冷以上の冷却速度
にて冷却し、次いでAc1 変態点〜Ac3 変態点の温度
に加熱し続いて室温まで空冷以上の冷却速度にて冷却
し、しかる後、Ac1 変態点以下の温度にて焼戻し処理
することを特徴とする熱間加工性および耐食性に優れた
高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29711593A JP3417016B2 (ja) | 1993-11-26 | 1993-11-26 | 熱間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29711593A JP3417016B2 (ja) | 1993-11-26 | 1993-11-26 | 熱間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07150251A JPH07150251A (ja) | 1995-06-13 |
JP3417016B2 true JP3417016B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=17842409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29711593A Expired - Fee Related JP3417016B2 (ja) | 1993-11-26 | 1993-11-26 | 熱間加工性および耐食性に優れた高靭性マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3417016B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP3509604B2 (ja) * | 1999-02-02 | 2004-03-22 | Jfeスチール株式会社 | ラインパイプ用高Cr鋼管 |
JP3797118B2 (ja) * | 2001-02-23 | 2006-07-12 | Jfeスチール株式会社 | 低Mo型耐食マルテンサイト系ステンレス鋼 |
DE60231279D1 (de) | 2001-08-29 | 2009-04-09 | Jfe Steel Corp | Verfahren zum Herstellen von nahtlosen Rohren aus hochfester, hochzäher, martensitischer Rostfreistahl |
JP5505100B2 (ja) * | 2010-06-04 | 2014-05-28 | Jfeスチール株式会社 | 炭酸ガスインジェクション用部材向けCr含有鋼管 |
WO2024113654A1 (zh) * | 2023-04-21 | 2024-06-06 | 达力普石油专用管有限公司 | 一种耐腐蚀高韧性石油套管及其制备方法 |
-
1993
- 1993-11-26 JP JP29711593A patent/JP3417016B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07150251A (ja) | 1995-06-13 |
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