JP3412601B2 - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents
半導体発光装置の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば青色発光
の発光ダイオードによる発光を波長変換して白色発光を
得るようにした半導体発光装置の製造方法に係り、特に
波長変換用の合成樹脂ペーストの印刷方法の改良に関す
る。 【0002】 【従来の技術】青色発光の発光ダイオード(以下、「L
ED」と記す)は、近来になって、GaN,GaAl
N,InGaN及びInAlGaN等のGaN系化合物
半導体を利用することによって、発光輝度の高い製品が
得られるようになった。そして、この青(B)のLED
と旧来からの赤(R),緑(G)発光のLEDとの組合
せにより、これらのLEDの3個を1ドットとする高画
質のフルカラー画像の形成が可能となった。 【0003】LEDの分野では、フルカラー対応には光
の三原色のR,G,B(青)が必要であるから、これら
の発光色のLEDのより一層の開発と改良が主である。
その一方で、たとえばR,G,Bの合成によってしか得
られない白色発光を単一のLEDで達成しようとする試
みも既になされている。本願出願人は、GaN系化合物
半導体を利用した青色発光のLEDを用いて白色発光が
得られる半導体発光装置をすでに提案し、特願平11−
3788号として出願した。図3にこの出願に係る白色
発光の半導体発光装置の概略縦断面図を示す。 【0004】図示のように、先の出願に係る白色発光の
半導体発光装置は、サブマウント素子1とその上に搭載
した発光素子2及びこの発光素子2の全体を封止した蛍
光物質を含むパッケージ3とから構成されている。サブ
マウント素子1はn型のシリコン基板1aを用いたもの
で、発光素子2の搭載面側の一部に臨む部分だけをp型
半導体領域1bとしている。そして、シリコン基板1a
の底面にはn電極1cを形成するとともに、発光素子2
の搭載面にはシリコン基板1aのn型半導体層に接合し
たn側電極1dを備え、更にp型半導体領域1bに含ま
れた部分にp側電極1eを形成している。発光素子2
は、GaN系化合物半導体を利用した高輝度の青色発光
のLEDである。この発光素子2は、サファイアを素材
とした基板2aの表面に、たとえばGaNのn型層,I
nGaNの活性層及びGaNのp型層2bを積層したも
のである。そして、従来周知のように、p型層2bの一
部をエッチングしてn型層を露出させ、この露出したn
型層の表面にn側電極2cを形成し、p型層の表面には
p側電極2dを形成し、これらのn側及びp側の電極2
c,2dをそれぞれバンプ電極2e,2fによってn側
電極1d及びp側電極1eに接合している。 【0005】パッケージ3は、従来からLEDランプの
分野で使用されているエポキシ樹脂を素材とし、蛍光物
質を混入したものである。エポキシ樹脂に混入する蛍光
物質は、白色発光に変換する場合では、発光素子2の発
光色である青色と補色の関係を持つものであればよく、
蛍光染料,蛍光顔料,蛍光体などが利用でき、たとえば
(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce等が好適であ
る。 【0006】このような波長変換用の蛍光物質を含むパ
ッケージ3で発光素子2を封止することで、発光素子2
からの青色発光の波長が蛍光物質によって変えられ、高
輝度のGaN系化合物半導体を利用した青色の発光チッ
プを白色発光のデバイスとして使えるようになる。すな
わち、GaN系化合物半導体を利用した青色発光の発光
素子2の場合では、それ自身の青色発光の成分と、パッ
ケージ3に含まれた蛍光物質によって波長変換された黄
緑色の成分との混色によって白色発光が得られる。 【0007】図3に示したサブマウント素子1と発光素
子2及びパッケージ3とから構成される白色発光の半導
体発光装置は、図4及び図5に示すスクリーン印刷法を
用いた工程によって製造することができる。 【0008】図4の(a)において、シリコンウエハ1
0に図3で示したp型半導体領域1bを形成するととも
に、n電極1c(同図(c)参照),n側電極1d,p
側電極1eをパターン形成したシリコンウエハ10を準
備する。そして、n側及びp側の電極1d,1eにそれ
ぞれバンプ電極2e,2f(図3参照)を形成する。そ
の後、発光素子2をシリコンウエハ10のn側電極1
d,p側電極1eのパターンに合わせて実装する(図4
の(b),(c))。 【0009】発光素子2の実装の後、図5の(a)及び
(b)に示すように、予め製作しておいたメタルマスク
11をシリコンウエハ10の上に載せる。このメタルマ
スク11は機械的操作によってシリコンウエハ10の上
に位置決めして搭載され、発光素子2の外郭との間に適
切な隙間ができるようにセットされる。次いで、蛍光体
ペースト12をスクリーン印刷法によって塗布する。こ
の蛍光体ペースト12はエポキシ樹脂等の樹脂に蛍光物
質とチキソトロピック材を混入したものである。そし
て、蛍光体ペースト12を塗布した後には、メタルマス
ク11を取り外し熱硬化することによってシリコンウエ
ハ10の表面に発光素子2を封止した蛍光被膜層が形成
される。そして、最終工程でシリコンウエハ10をダイ
シングすることによって、図3に示した白色変換用のパ
ッケージ3を備えた半導体発光装置の単体が得られる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】GaN系化合物半導体
を利用した青色発光の発光素子2の高さ寸法は、現状で
は100μm程度であり、スクリーン印刷法であれば発
光素子2の上面に積層される蛍光体ペースト12の厚さ
は自在に調節できる。そして、先の出願において示した
ように、良好な白色発光を得るためには蛍光体ペースト
12によるパッケージ3の厚さが非常に重要であり、た
とえば蛍光物質の含有重量%が50〜90%程度であれ
ば、20〜100μm程度とすることが好ましい。そし
て、より良好な白色発光を得るためには、発光素子2の
周りの全包囲を同じ厚さのパッケージ3で被覆すること
が有効であることも判っている。 【0011】ところが、シリコンウエハ10にはサブマ
ウント素子1のパターンが高密度で形成されているた
め、メタルマスク11を発光素子2の側面との間に適切
な距離を持つよう位置決めすることは非常にむずかし
い。すなわち、パターンの形成密度が高いので、メタル
マスク11の位置決めの自由度が小さくなり、発光素子
2との間で適切な位置関係を持たせるには高精度の位置
決めが必要となる。 【0012】また、先に述べたように発光素子2の高さ
寸法が100μm程度であり、メタルマスク11と発光
素子2の側面との間の距離が小さいと、蛍光体ペースト
12の浸潤や回り込みが不十分となりやすい。このた
め、極端な場合には、図5の(d)に示すように、蛍光
体ペースト12の発光素子2の左側面への浸潤が不足し
てこの発光素子2が露出してしまう。したがって、発光
素子2の全方位を一様な厚さのパッケージ3として形成
できず、波長変換度が不良となって白色発光にも大きく
影響する。 【0013】このように、スクリーン印刷法によって蛍
光物質を含む樹脂のパッケージ3を形成する場合、シリ
コンウエハ10に形成するサブマウント素子1のパター
ン密度が高いと、パッケージ3の成形が不良に陥りやす
いという問題がある。 【0014】そこで、本発明は、シリコンウエハへのマ
スクの位置決めの自由度を高めるとともに発光素子を蛍
光物質含有のパッケージで最適に被覆できる半導体発光
装置の製造方法を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、ウエハにサブ
マウント素子のパターンを形成し、前記サブマウント素
子に発光素子を導通搭載し、更に蛍光物質を含有した波
長変換用の樹脂のパッケージで前記発光素子を封止する
半導体発光装置の製造方法において、前記ウエハとし
て、前記サブマウント素子の個別パターンの少なくとも
一方向の配列方向に前記個別パターンどうしの間の間隔
を拡げるスペーサ用のランドを形成したものを使用し、
前記ランドに相当する位置をマスキングするとともに硬
化後に前記パッケージを創成する蛍光体ペーストをスク
リーン印刷法によって塗布することを特徴とする。 【0016】このような製造方法では、サブマウント素
子の個別パターンどうしがランドによって離隔されてい
るので、マスキングのためのマスクの位置決めの自由度
が向上し、マスクと発光素子との位置関係を適正に設定
できる。このため、発光素子の周りへの蛍光体ペースト
の回り込みが促され、発光素子の表面を一様に波長変換
用のパッケージで封止した製品が得られる。 【0017】 【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、ウエハ
にサブマウント素子のパターンを形成し、前記サブマウ
ント素子に発光素子を導通搭載し、更に蛍光物質を含有
した波長変換用の樹脂のパッケージで前記発光素子を封
止する半導体発光装置の製造方法において、前記ウエハ
として、前記サブマウント素子の個別パターンの少なく
とも一方向の配列方向に前記個別パターンどうしの間の
間隔を拡げるスペーサ用のランドを形成したものを使用
し、前記ランドに相当する位置をマスキングするととも
に硬化後に前記パッケージを創成する蛍光体ペーストを
スクリーン印刷法によって塗布することを特徴とする半
導体発光装置の製造方法であり、マスキングのためのマ
スクの位置決めの自由度が向上しその結果発光素子の表
面を一様に波長変換用のパッケージで封止できるという
作用を有する。 【0018】以下、本発明の実施の形態について図面に
基づき説明する。なお、従来例で説明したものと同じ構
成部材については共通の符号で指示し、その詳細な説明
は省略する。また、本発明の製造方法によって得られる
半導体発光装置の最終製品は図3に示したものと同様で
ある。 【0019】図1はシリコンウエハ5に発光素子2を実
装搭載するまでの工程であって、(a)はシリコンウエ
ハ5の要部を拡大して示す平面図、(b)は発光素子2
を実装したときの平面図、(c)は実装時の側面図であ
る。 【0020】シリコンウエハ5は、図3で示したp型半
導体領域1bを形成するとともに、n電極1c(図1の
(c)参照),n側電極1d,p側電極1eをパターン
形成したものである。そして、n側電極1d及びp側電
極1eの組合わせのパターンは、図1の(a)において
縦方向に近接して一定ピッチで形成されている点は従来
例と同様であるが、横方向にスペーサ用のランド5aを
形成している点が相違する。このランド5aはn側及び
p側の電極1d,1eの組合せのパターンの間隔を広げ
るためにパターン形成されたものである。そして、サブ
マウント素子1の各電極やランド5aを形成したシリコ
ンウエハ5に対して、図1の(b)及び(c)に示すよ
うに、発光素子2を図3で説明した電極どうしの導通構
造となるようにバンプ電極2e,2f(図3参照)によ
って導通実装する。 【0021】図2は発光素子2の実装後のマスキングか
ら蛍光体ペーストのスクリーン印刷によるパッケージの
形成までを示す工程であって、(a)はメタルマスクを
被せたときの平面図、(b)はその側面図、(c)は蛍
光体ペーストの形成を示す平面図、(d)はその側面図
である。 【0022】n側及びp側の電極1d,1eに導通させ
てシリコンウエハ5に搭載された発光素子2どうしの横
方向の間隔は図1の(b),(c)で示したようにラン
ド5aによって大きく開いている。このため、メタルマ
スク6は従来例に比べて横幅が広い形状のものを使用で
きるだけでなく、シリコンウエハ5に被せるときの横方
向の位置決めの自由度を大きくすることができる。した
がって、スクリーン印刷によってメタルマスク6どうし
の間に形成される蛍光体ペースト7は、図2の(c),
(d)に示すように、発光素子2の全体を確実に被膜す
る。 【0023】ここで、発光素子2を実装搭載したときシ
リコンウエハ10の表面からの高さ寸法を100μm程
度としたとき、図2の(b)においてメタルマスク6の
端面6a,6bの間の長さは630μmであり、発光素
子2の一方の端面2gとメタルマスクの端面6aの間隔
を45μm〜75μmとし、他方の端面2hとメタルマ
スクの端面6bとの間の間隔を75μm〜245μm程
度とする。このような寸法関係であれば、蛍光体ペース
ト7をスクリーン印刷法によって塗布するとき、発光素
子2の全体の周りに蛍光体ペースト7が十分に浸潤す
る。したがって、発光素子2の周りを一様に蛍光体ペー
スト7で被覆でき、ダイシング後には図3に示した従来
例と同様の半導体発光装置の製品を得ることができる。 【0024】 【発明の効果】本発明では、サブマウント素子の個別パ
ターンの配列方向にこれらの個別パターンどうしの間の
間隔を拡げるスペーサ用のランドを形成したウエハを使
用するので、スクリーン印刷用のマスクの位置決めの自
由度が高くなり、マスクと発光素子との位置関係を適正
に設定できる。このため、発光素子の周りへの蛍光体ペ
ーストの回り込みが促され、発光素子の表面を一様に波
長変換用のパッケージで封止でき、白色などの発光が高
効率に得られる。
の発光ダイオードによる発光を波長変換して白色発光を
得るようにした半導体発光装置の製造方法に係り、特に
波長変換用の合成樹脂ペーストの印刷方法の改良に関す
る。 【0002】 【従来の技術】青色発光の発光ダイオード(以下、「L
ED」と記す)は、近来になって、GaN,GaAl
N,InGaN及びInAlGaN等のGaN系化合物
半導体を利用することによって、発光輝度の高い製品が
得られるようになった。そして、この青(B)のLED
と旧来からの赤(R),緑(G)発光のLEDとの組合
せにより、これらのLEDの3個を1ドットとする高画
質のフルカラー画像の形成が可能となった。 【0003】LEDの分野では、フルカラー対応には光
の三原色のR,G,B(青)が必要であるから、これら
の発光色のLEDのより一層の開発と改良が主である。
その一方で、たとえばR,G,Bの合成によってしか得
られない白色発光を単一のLEDで達成しようとする試
みも既になされている。本願出願人は、GaN系化合物
半導体を利用した青色発光のLEDを用いて白色発光が
得られる半導体発光装置をすでに提案し、特願平11−
3788号として出願した。図3にこの出願に係る白色
発光の半導体発光装置の概略縦断面図を示す。 【0004】図示のように、先の出願に係る白色発光の
半導体発光装置は、サブマウント素子1とその上に搭載
した発光素子2及びこの発光素子2の全体を封止した蛍
光物質を含むパッケージ3とから構成されている。サブ
マウント素子1はn型のシリコン基板1aを用いたもの
で、発光素子2の搭載面側の一部に臨む部分だけをp型
半導体領域1bとしている。そして、シリコン基板1a
の底面にはn電極1cを形成するとともに、発光素子2
の搭載面にはシリコン基板1aのn型半導体層に接合し
たn側電極1dを備え、更にp型半導体領域1bに含ま
れた部分にp側電極1eを形成している。発光素子2
は、GaN系化合物半導体を利用した高輝度の青色発光
のLEDである。この発光素子2は、サファイアを素材
とした基板2aの表面に、たとえばGaNのn型層,I
nGaNの活性層及びGaNのp型層2bを積層したも
のである。そして、従来周知のように、p型層2bの一
部をエッチングしてn型層を露出させ、この露出したn
型層の表面にn側電極2cを形成し、p型層の表面には
p側電極2dを形成し、これらのn側及びp側の電極2
c,2dをそれぞれバンプ電極2e,2fによってn側
電極1d及びp側電極1eに接合している。 【0005】パッケージ3は、従来からLEDランプの
分野で使用されているエポキシ樹脂を素材とし、蛍光物
質を混入したものである。エポキシ樹脂に混入する蛍光
物質は、白色発光に変換する場合では、発光素子2の発
光色である青色と補色の関係を持つものであればよく、
蛍光染料,蛍光顔料,蛍光体などが利用でき、たとえば
(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce等が好適であ
る。 【0006】このような波長変換用の蛍光物質を含むパ
ッケージ3で発光素子2を封止することで、発光素子2
からの青色発光の波長が蛍光物質によって変えられ、高
輝度のGaN系化合物半導体を利用した青色の発光チッ
プを白色発光のデバイスとして使えるようになる。すな
わち、GaN系化合物半導体を利用した青色発光の発光
素子2の場合では、それ自身の青色発光の成分と、パッ
ケージ3に含まれた蛍光物質によって波長変換された黄
緑色の成分との混色によって白色発光が得られる。 【0007】図3に示したサブマウント素子1と発光素
子2及びパッケージ3とから構成される白色発光の半導
体発光装置は、図4及び図5に示すスクリーン印刷法を
用いた工程によって製造することができる。 【0008】図4の(a)において、シリコンウエハ1
0に図3で示したp型半導体領域1bを形成するととも
に、n電極1c(同図(c)参照),n側電極1d,p
側電極1eをパターン形成したシリコンウエハ10を準
備する。そして、n側及びp側の電極1d,1eにそれ
ぞれバンプ電極2e,2f(図3参照)を形成する。そ
の後、発光素子2をシリコンウエハ10のn側電極1
d,p側電極1eのパターンに合わせて実装する(図4
の(b),(c))。 【0009】発光素子2の実装の後、図5の(a)及び
(b)に示すように、予め製作しておいたメタルマスク
11をシリコンウエハ10の上に載せる。このメタルマ
スク11は機械的操作によってシリコンウエハ10の上
に位置決めして搭載され、発光素子2の外郭との間に適
切な隙間ができるようにセットされる。次いで、蛍光体
ペースト12をスクリーン印刷法によって塗布する。こ
の蛍光体ペースト12はエポキシ樹脂等の樹脂に蛍光物
質とチキソトロピック材を混入したものである。そし
て、蛍光体ペースト12を塗布した後には、メタルマス
ク11を取り外し熱硬化することによってシリコンウエ
ハ10の表面に発光素子2を封止した蛍光被膜層が形成
される。そして、最終工程でシリコンウエハ10をダイ
シングすることによって、図3に示した白色変換用のパ
ッケージ3を備えた半導体発光装置の単体が得られる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】GaN系化合物半導体
を利用した青色発光の発光素子2の高さ寸法は、現状で
は100μm程度であり、スクリーン印刷法であれば発
光素子2の上面に積層される蛍光体ペースト12の厚さ
は自在に調節できる。そして、先の出願において示した
ように、良好な白色発光を得るためには蛍光体ペースト
12によるパッケージ3の厚さが非常に重要であり、た
とえば蛍光物質の含有重量%が50〜90%程度であれ
ば、20〜100μm程度とすることが好ましい。そし
て、より良好な白色発光を得るためには、発光素子2の
周りの全包囲を同じ厚さのパッケージ3で被覆すること
が有効であることも判っている。 【0011】ところが、シリコンウエハ10にはサブマ
ウント素子1のパターンが高密度で形成されているた
め、メタルマスク11を発光素子2の側面との間に適切
な距離を持つよう位置決めすることは非常にむずかし
い。すなわち、パターンの形成密度が高いので、メタル
マスク11の位置決めの自由度が小さくなり、発光素子
2との間で適切な位置関係を持たせるには高精度の位置
決めが必要となる。 【0012】また、先に述べたように発光素子2の高さ
寸法が100μm程度であり、メタルマスク11と発光
素子2の側面との間の距離が小さいと、蛍光体ペースト
12の浸潤や回り込みが不十分となりやすい。このた
め、極端な場合には、図5の(d)に示すように、蛍光
体ペースト12の発光素子2の左側面への浸潤が不足し
てこの発光素子2が露出してしまう。したがって、発光
素子2の全方位を一様な厚さのパッケージ3として形成
できず、波長変換度が不良となって白色発光にも大きく
影響する。 【0013】このように、スクリーン印刷法によって蛍
光物質を含む樹脂のパッケージ3を形成する場合、シリ
コンウエハ10に形成するサブマウント素子1のパター
ン密度が高いと、パッケージ3の成形が不良に陥りやす
いという問題がある。 【0014】そこで、本発明は、シリコンウエハへのマ
スクの位置決めの自由度を高めるとともに発光素子を蛍
光物質含有のパッケージで最適に被覆できる半導体発光
装置の製造方法を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、ウエハにサブ
マウント素子のパターンを形成し、前記サブマウント素
子に発光素子を導通搭載し、更に蛍光物質を含有した波
長変換用の樹脂のパッケージで前記発光素子を封止する
半導体発光装置の製造方法において、前記ウエハとし
て、前記サブマウント素子の個別パターンの少なくとも
一方向の配列方向に前記個別パターンどうしの間の間隔
を拡げるスペーサ用のランドを形成したものを使用し、
前記ランドに相当する位置をマスキングするとともに硬
化後に前記パッケージを創成する蛍光体ペーストをスク
リーン印刷法によって塗布することを特徴とする。 【0016】このような製造方法では、サブマウント素
子の個別パターンどうしがランドによって離隔されてい
るので、マスキングのためのマスクの位置決めの自由度
が向上し、マスクと発光素子との位置関係を適正に設定
できる。このため、発光素子の周りへの蛍光体ペースト
の回り込みが促され、発光素子の表面を一様に波長変換
用のパッケージで封止した製品が得られる。 【0017】 【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、ウエハ
にサブマウント素子のパターンを形成し、前記サブマウ
ント素子に発光素子を導通搭載し、更に蛍光物質を含有
した波長変換用の樹脂のパッケージで前記発光素子を封
止する半導体発光装置の製造方法において、前記ウエハ
として、前記サブマウント素子の個別パターンの少なく
とも一方向の配列方向に前記個別パターンどうしの間の
間隔を拡げるスペーサ用のランドを形成したものを使用
し、前記ランドに相当する位置をマスキングするととも
に硬化後に前記パッケージを創成する蛍光体ペーストを
スクリーン印刷法によって塗布することを特徴とする半
導体発光装置の製造方法であり、マスキングのためのマ
スクの位置決めの自由度が向上しその結果発光素子の表
面を一様に波長変換用のパッケージで封止できるという
作用を有する。 【0018】以下、本発明の実施の形態について図面に
基づき説明する。なお、従来例で説明したものと同じ構
成部材については共通の符号で指示し、その詳細な説明
は省略する。また、本発明の製造方法によって得られる
半導体発光装置の最終製品は図3に示したものと同様で
ある。 【0019】図1はシリコンウエハ5に発光素子2を実
装搭載するまでの工程であって、(a)はシリコンウエ
ハ5の要部を拡大して示す平面図、(b)は発光素子2
を実装したときの平面図、(c)は実装時の側面図であ
る。 【0020】シリコンウエハ5は、図3で示したp型半
導体領域1bを形成するとともに、n電極1c(図1の
(c)参照),n側電極1d,p側電極1eをパターン
形成したものである。そして、n側電極1d及びp側電
極1eの組合わせのパターンは、図1の(a)において
縦方向に近接して一定ピッチで形成されている点は従来
例と同様であるが、横方向にスペーサ用のランド5aを
形成している点が相違する。このランド5aはn側及び
p側の電極1d,1eの組合せのパターンの間隔を広げ
るためにパターン形成されたものである。そして、サブ
マウント素子1の各電極やランド5aを形成したシリコ
ンウエハ5に対して、図1の(b)及び(c)に示すよ
うに、発光素子2を図3で説明した電極どうしの導通構
造となるようにバンプ電極2e,2f(図3参照)によ
って導通実装する。 【0021】図2は発光素子2の実装後のマスキングか
ら蛍光体ペーストのスクリーン印刷によるパッケージの
形成までを示す工程であって、(a)はメタルマスクを
被せたときの平面図、(b)はその側面図、(c)は蛍
光体ペーストの形成を示す平面図、(d)はその側面図
である。 【0022】n側及びp側の電極1d,1eに導通させ
てシリコンウエハ5に搭載された発光素子2どうしの横
方向の間隔は図1の(b),(c)で示したようにラン
ド5aによって大きく開いている。このため、メタルマ
スク6は従来例に比べて横幅が広い形状のものを使用で
きるだけでなく、シリコンウエハ5に被せるときの横方
向の位置決めの自由度を大きくすることができる。した
がって、スクリーン印刷によってメタルマスク6どうし
の間に形成される蛍光体ペースト7は、図2の(c),
(d)に示すように、発光素子2の全体を確実に被膜す
る。 【0023】ここで、発光素子2を実装搭載したときシ
リコンウエハ10の表面からの高さ寸法を100μm程
度としたとき、図2の(b)においてメタルマスク6の
端面6a,6bの間の長さは630μmであり、発光素
子2の一方の端面2gとメタルマスクの端面6aの間隔
を45μm〜75μmとし、他方の端面2hとメタルマ
スクの端面6bとの間の間隔を75μm〜245μm程
度とする。このような寸法関係であれば、蛍光体ペース
ト7をスクリーン印刷法によって塗布するとき、発光素
子2の全体の周りに蛍光体ペースト7が十分に浸潤す
る。したがって、発光素子2の周りを一様に蛍光体ペー
スト7で被覆でき、ダイシング後には図3に示した従来
例と同様の半導体発光装置の製品を得ることができる。 【0024】 【発明の効果】本発明では、サブマウント素子の個別パ
ターンの配列方向にこれらの個別パターンどうしの間の
間隔を拡げるスペーサ用のランドを形成したウエハを使
用するので、スクリーン印刷用のマスクの位置決めの自
由度が高くなり、マスクと発光素子との位置関係を適正
に設定できる。このため、発光素子の周りへの蛍光体ペ
ーストの回り込みが促され、発光素子の表面を一様に波
長変換用のパッケージで封止でき、白色などの発光が高
効率に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体合発光装置の製造方法であっ
て、 (a)は電極とランドのパターンを形成したシリコンウ
エハの要部の拡大平面図 (b)は発光素子を電極上に導通搭載したときの平面図 (c)は同図(b)の側面図 【図2】図1の工程に続くマスキングからスクリーン印
刷によるパッケージの形成までの工程であって、 (a)はシリコンウエハ上にメタルマスクを被せたとき
の平面図 (b)は同図(a)の側面図 (c)はスクリーン印刷後の蛍光体ペーストの形成領域
を示す平面図 (d)は同図(c)の側面図 【図3】サブマウント素子の上に発光素子を搭載しその
周りを蛍光物質を含む樹脂のパッケージで封止した半導
体発光装置の概略縦断面図 【図4】従来の製造方法の例であって、 (a)はシリコンウエハのサブマウント素子の形成パタ
ーンを示す平面図 (b)は発光素子を搭載したときの平面図 (c)は同図(b)の側面図 【図5】従来のスクリーン印刷法によるパッケージの形
成工程であって、 (a)はシリコンウエハ上にメタルマスクを被せたとき
の平面図 (b)は同図(a)の側面図 (c)はスキャナ印刷後の蛍光体ペーストの形成領域を
示す平面図 (d)は同図(c)の側面図 【符号の説明】 1 サブマウント素子 1a シリコン基板 1b p型半導体領域 1c n電極 1d n側電極 1e p側電極 2 発光素子 2a 基板 2b p型層 2c n側電極 2d p側電極 2e,2f バンプ電極 2g,2h 発光素子の端面 3 パッケージ 5 シリコンウエハ 5a ランド 6,11 メタルマスク 6a,6b メタルマスクの端面 7,12 蛍光体ペースト
て、 (a)は電極とランドのパターンを形成したシリコンウ
エハの要部の拡大平面図 (b)は発光素子を電極上に導通搭載したときの平面図 (c)は同図(b)の側面図 【図2】図1の工程に続くマスキングからスクリーン印
刷によるパッケージの形成までの工程であって、 (a)はシリコンウエハ上にメタルマスクを被せたとき
の平面図 (b)は同図(a)の側面図 (c)はスクリーン印刷後の蛍光体ペーストの形成領域
を示す平面図 (d)は同図(c)の側面図 【図3】サブマウント素子の上に発光素子を搭載しその
周りを蛍光物質を含む樹脂のパッケージで封止した半導
体発光装置の概略縦断面図 【図4】従来の製造方法の例であって、 (a)はシリコンウエハのサブマウント素子の形成パタ
ーンを示す平面図 (b)は発光素子を搭載したときの平面図 (c)は同図(b)の側面図 【図5】従来のスクリーン印刷法によるパッケージの形
成工程であって、 (a)はシリコンウエハ上にメタルマスクを被せたとき
の平面図 (b)は同図(a)の側面図 (c)はスキャナ印刷後の蛍光体ペーストの形成領域を
示す平面図 (d)は同図(c)の側面図 【符号の説明】 1 サブマウント素子 1a シリコン基板 1b p型半導体領域 1c n電極 1d n側電極 1e p側電極 2 発光素子 2a 基板 2b p型層 2c n側電極 2d p側電極 2e,2f バンプ電極 2g,2h 発光素子の端面 3 パッケージ 5 シリコンウエハ 5a ランド 6,11 メタルマスク 6a,6b メタルマスクの端面 7,12 蛍光体ペースト
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開2000−208822(JP,A)
特開 平11−40848(JP,A)
特開2000−223750(JP,A)
特開2000−261041(JP,A)
国際公開98/34285(WO,A1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 33/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ウエハにサブマウント素子のパターンを
形成し、前記サブマウント素子に発光素子を導通搭載
し、更に蛍光物質を含有した波長変換用の樹脂のパッケ
ージで前記発光素子を封止する半導体発光装置の製造方
法において、前記ウエハとして、前記サブマウント素子
の個別パターンの少なくとも一方向の配列方向に前記個
別パターンどうしの間の間隔を拡げるスペーサ用のラン
ドを形成したものを使用し、前記ランドに相当する位置
をマスキングするとともに硬化後に前記パッケージを創
成する蛍光体ペーストをスクリーン印刷法によって塗布
することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000127479A JP3412601B2 (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 半導体発光装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000127479A JP3412601B2 (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 半導体発光装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001308391A JP2001308391A (ja) | 2001-11-02 |
JP3412601B2 true JP3412601B2 (ja) | 2003-06-03 |
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Family Applications (1)
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JP4907253B2 (ja) * | 2006-08-03 | 2012-03-28 | シャープ株式会社 | 注入装置、製造装置、および半導体発光装置の製造方法 |
CN102795005B (zh) * | 2012-07-09 | 2015-12-02 | 厦门飞德利照明科技有限公司 | 一种led模组的荧光粉丝网印刷工艺 |
US9628184B2 (en) * | 2013-11-05 | 2017-04-18 | Cisco Technology, Inc. | Efficient optical communication device |
-
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- 2000-04-27 JP JP2000127479A patent/JP3412601B2/ja not_active Expired - Fee Related
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