JP3409722B2 - 排気ガス再循環量制御弁 - Google Patents
排気ガス再循環量制御弁Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気ガス再循環量制
御弁に関する。
御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より内燃機関、例えばディーゼル機
関においてはNOxの発生を抑制するために機関排気通
路と機関吸気通路とを排気ガス再循環(以下、EGRと
称す)通路により連結し、このEGR通路を介して排気
ガス、即ちEGRガスを機関吸気通路内に再循環させる
ようにしている。この場合、EGRガスは比較的比熱が
高く、従って多量の熱を吸収することができるので、E
GRガス量を増大するほど、即ちEGR率(EGRガス
量/(EGRガス量+吸入空気量))を増大するほど燃
焼室内における燃焼温度が低下する。燃焼温度が低下す
るとNOxの発生量が低下し、従ってEGR率を増大す
ればするほどNOxの発生量は低下することになる。
関においてはNOxの発生を抑制するために機関排気通
路と機関吸気通路とを排気ガス再循環(以下、EGRと
称す)通路により連結し、このEGR通路を介して排気
ガス、即ちEGRガスを機関吸気通路内に再循環させる
ようにしている。この場合、EGRガスは比較的比熱が
高く、従って多量の熱を吸収することができるので、E
GRガス量を増大するほど、即ちEGR率(EGRガス
量/(EGRガス量+吸入空気量))を増大するほど燃
焼室内における燃焼温度が低下する。燃焼温度が低下す
るとNOxの発生量が低下し、従ってEGR率を増大す
ればするほどNOxの発生量は低下することになる。
【0003】このように従来よりEGR率を増大すれば
NOxの発生量を低下しうることはわかっている。しか
しながらEGR率を増大させていくとEGR率が或る限
度を越えたときに煤の発生量、即ちスモークが急激に増
大し始める。この点に関し従来より、それ以上EGR率
を増大すればスモークが限りなく増大していくものと考
えられており、従ってスモークが急激に増大し始めるE
GR率がEGR率の最大許容限界であると考えられてい
る。
NOxの発生量を低下しうることはわかっている。しか
しながらEGR率を増大させていくとEGR率が或る限
度を越えたときに煤の発生量、即ちスモークが急激に増
大し始める。この点に関し従来より、それ以上EGR率
を増大すればスモークが限りなく増大していくものと考
えられており、従ってスモークが急激に増大し始めるE
GR率がEGR率の最大許容限界であると考えられてい
る。
【0004】従って従来よりEGR率はこの最大許容限
界を越えない範囲内に定められている。このEGR率の
最大許容限界は機関の形式や燃料によってかなり異なる
がおおよそ30パーセントから50パーセントである。
従って従来のディーゼル機関ではEGR率は最大でも3
0パーセントから50パーセント程度に抑えられてい
る。
界を越えない範囲内に定められている。このEGR率の
最大許容限界は機関の形式や燃料によってかなり異なる
がおおよそ30パーセントから50パーセントである。
従って従来のディーゼル機関ではEGR率は最大でも3
0パーセントから50パーセント程度に抑えられてい
る。
【0005】このように従来ではEGR率に対して最大
許容限界が存在すると考えられていたので従来よりEG
R率はこの最大許容限界を越えない範囲内においてNO
xおよびスモークの発生量ができるだけ少なくなるよう
に定められていた。しかしながらこのようにしてEGR
率をNOxおよびスモークの発生量ができるだけ少なく
なるように定めてもNOxおよびスモークの発生量の低
下には限度があり、実際には依然としてかなりの量のN
Oxおよびスモークが発生してしまうのが現状である。
許容限界が存在すると考えられていたので従来よりEG
R率はこの最大許容限界を越えない範囲内においてNO
xおよびスモークの発生量ができるだけ少なくなるよう
に定められていた。しかしながらこのようにしてEGR
率をNOxおよびスモークの発生量ができるだけ少なく
なるように定めてもNOxおよびスモークの発生量の低
下には限度があり、実際には依然としてかなりの量のN
Oxおよびスモークが発生してしまうのが現状である。
【0006】図18は従来のEGR通路内に設けられた
EGR制御弁の部分断面側面図である。図18におい
て、1000はEGR制御弁、1001はEGR通路、
1002は弁体、1003はEGR制御弁駆動部であ
る。図18に示すように従来のEGR制御弁では、EG
Rガス量を制御するために、弁体1002がEGRガス
の流れの方向にストロークすることによりEGRガスの
流路面積が変更される。このようなストローク式のEG
R制御弁が採用されるメリットとしては、例えば閉弁動
作時に弁体1002が突き当たる勢いにより、弁体10
02に付着したデポジットを弁体1002から分離させ
ることができる点等がある。このようなEGR制御弁の
例としては、例えば特開平8−14114号公報に記載
されたものがある。
EGR制御弁の部分断面側面図である。図18におい
て、1000はEGR制御弁、1001はEGR通路、
1002は弁体、1003はEGR制御弁駆動部であ
る。図18に示すように従来のEGR制御弁では、EG
Rガス量を制御するために、弁体1002がEGRガス
の流れの方向にストロークすることによりEGRガスの
流路面積が変更される。このようなストローク式のEG
R制御弁が採用されるメリットとしては、例えば閉弁動
作時に弁体1002が突き当たる勢いにより、弁体10
02に付着したデポジットを弁体1002から分離させ
ることができる点等がある。このようなEGR制御弁の
例としては、例えば特開平8−14114号公報に記載
されたものがある。
【0007】ところがディーゼル機関の燃焼の研究の過
程においてEGR率を最大許容限界よりも大きくすれば
上述の如くスモークが急激に増大するがこのスモークの
発生量にはピークが存在し、このピークを越えてEGR
率を更に大きくすると今度はスモークが急激に減少しは
じめ、アイドリング運転時においてEGR率を70パー
セント以上にすると、またEGRガスを強力に冷却した
場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にするとス
モークがほとんど零になる。即ち煤がほとんど発生しな
いことが見い出されたのである。また、このときにはN
Oxの発生量が極めて少量となることも判明している。
この後この知見に基づいて煤が発生しない理由について
検討が進められ、その結果これまでにない煤およびNO
xの同時低減が可能な新たな燃焼システムが構築される
に至ったのである。この新たな燃焼システムについては
後に詳細に説明するが簡単に言うと炭化水素が煤に成長
するまでの途中の段階において炭化水素の成長を停止さ
せることを基本としている。
程においてEGR率を最大許容限界よりも大きくすれば
上述の如くスモークが急激に増大するがこのスモークの
発生量にはピークが存在し、このピークを越えてEGR
率を更に大きくすると今度はスモークが急激に減少しは
じめ、アイドリング運転時においてEGR率を70パー
セント以上にすると、またEGRガスを強力に冷却した
場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にするとス
モークがほとんど零になる。即ち煤がほとんど発生しな
いことが見い出されたのである。また、このときにはN
Oxの発生量が極めて少量となることも判明している。
この後この知見に基づいて煤が発生しない理由について
検討が進められ、その結果これまでにない煤およびNO
xの同時低減が可能な新たな燃焼システムが構築される
に至ったのである。この新たな燃焼システムについては
後に詳細に説明するが簡単に言うと炭化水素が煤に成長
するまでの途中の段階において炭化水素の成長を停止さ
せることを基本としている。
【0008】即ち、実験研究を重ねた結果判明したこと
は燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス
温度が或る温度以下のときには炭化水素の成長が煤に至
る前の途中の段階で停止し、燃料およびその周囲のガス
温度が或る温度以上になると炭化水素は一気に煤まで成
長してしまうということである。この場合、燃料および
その周囲のガス温度は燃料が燃焼した際の燃料周りのガ
スの吸熱作用が大きく影響しており、燃料燃焼時の発熱
量に応じて燃料周りのガスの吸熱量を調整することによ
って燃料およびその周囲のガス温度を制御することがで
きる。
は燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス
温度が或る温度以下のときには炭化水素の成長が煤に至
る前の途中の段階で停止し、燃料およびその周囲のガス
温度が或る温度以上になると炭化水素は一気に煤まで成
長してしまうということである。この場合、燃料および
その周囲のガス温度は燃料が燃焼した際の燃料周りのガ
スの吸熱作用が大きく影響しており、燃料燃焼時の発熱
量に応じて燃料周りのガスの吸熱量を調整することによ
って燃料およびその周囲のガス温度を制御することがで
きる。
【0009】従って、燃焼室内における燃焼時の燃料お
よびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制すれば煤が発生しなくなり、燃焼室
内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭
化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制すること
は燃料周りのガスの吸熱量を調整することによって可能
となる。一方、煤に至る前に成長が途中で停止した炭化
水素は酸化触媒等を用いた後処理によって容易に浄化す
ることができる。これが新たな燃焼システムの基本的な
考え方である。
よびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制すれば煤が発生しなくなり、燃焼室
内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭
化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制すること
は燃料周りのガスの吸熱量を調整することによって可能
となる。一方、煤に至る前に成長が途中で停止した炭化
水素は酸化触媒等を用いた後処理によって容易に浄化す
ることができる。これが新たな燃焼システムの基本的な
考え方である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような新たな燃焼
システムにおいては、上述したようにEGR率がかなり
大きな値に設定される。そのため、EGR率をかなり大
きくするためには、EGRガスの最大流路面積をかなり
大きくする必要がある。また、EGR率をかなり大きく
するためには、吸入空気量がかなり絞られる。吸入空気
量が絞られると、吸入空気量を絞った部分の下流側の機
関吸気通路内に負圧が発生する。そのため、負圧の影響
を受けてもEGR制御弁の開度が変化しないようにEG
R制御弁を構成する必要がある。
システムにおいては、上述したようにEGR率がかなり
大きな値に設定される。そのため、EGR率をかなり大
きくするためには、EGRガスの最大流路面積をかなり
大きくする必要がある。また、EGR率をかなり大きく
するためには、吸入空気量がかなり絞られる。吸入空気
量が絞られると、吸入空気量を絞った部分の下流側の機
関吸気通路内に負圧が発生する。そのため、負圧の影響
を受けてもEGR制御弁の開度が変化しないようにEG
R制御弁を構成する必要がある。
【0011】そこで、本発明は、内燃機関から煤が排出
されること及びNOxが排出されることを同時に阻止し
つつ、機関吸気通路内に負圧が発生する場合であっても
EGR制御弁の開度を所望の開度に維持すると共に、排
気ガス再循環通路の外形を大きくすることなく再循環排
気ガスの最大流路面積を大きくすることができる排気ガ
ス再循環量制御弁を提供することを目的とする。
されること及びNOxが排出されることを同時に阻止し
つつ、機関吸気通路内に負圧が発生する場合であっても
EGR制御弁の開度を所望の開度に維持すると共に、排
気ガス再循環通路の外形を大きくすることなく再循環排
気ガスの最大流路面積を大きくすることができる排気ガ
ス再循環量制御弁を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、機関排気通路と機関吸気通路とを再循環排気ガ
ス通路により連結し、燃焼室内に供給される再循環排気
ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピ
ークに達し、燃焼室内に供給される再循環排気ガス量を
更に増大していくと燃焼室内における燃焼時の燃料およ
びその周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤
がほとんど発生しなくなる内燃機関の排気ガス再循環通
路内に再循環排気ガスの量を制御するために設けられた
排気ガス再循環量制御弁であって、弁体が回転すること
により再循環排気ガスの流路面積が変更され、前記弁体
の回転軸が再循環排気ガスの流れの方向に対して垂直
に、かつ前記弁体の中心に配置された排気ガス再循環量
制御弁が提供される。
よれば、機関排気通路と機関吸気通路とを再循環排気ガ
ス通路により連結し、燃焼室内に供給される再循環排気
ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピ
ークに達し、燃焼室内に供給される再循環排気ガス量を
更に増大していくと燃焼室内における燃焼時の燃料およ
びその周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤
がほとんど発生しなくなる内燃機関の排気ガス再循環通
路内に再循環排気ガスの量を制御するために設けられた
排気ガス再循環量制御弁であって、弁体が回転すること
により再循環排気ガスの流路面積が変更され、前記弁体
の回転軸が再循環排気ガスの流れの方向に対して垂直
に、かつ前記弁体の中心に配置された排気ガス再循環量
制御弁が提供される。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、前記排気
ガス再循環量制御弁がバタフライ式である請求項1に記
載の排気ガス再循環量制御弁が提供される。
ガス再循環量制御弁がバタフライ式である請求項1に記
載の排気ガス再循環量制御弁が提供される。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、前記排気
ガス再循環量制御弁がロータリー式である請求項1に記
載の排気ガス再循環量制御弁が提供される。
ガス再循環量制御弁がロータリー式である請求項1に記
載の排気ガス再循環量制御弁が提供される。
【0015】請求項1〜3に記載の排気ガス再循環量制
御弁では、煤の発生量がピークとなる再循環排気ガスの
量よりも燃焼室内に供給される再循環排気ガスの量が多
く煤がほとんど発生しない燃焼が低温の下で行われるた
め、内燃機関から煤が排出されること及びNOxが排出
されることを同時に阻止することができる。更に、排気
ガス再循環量制御弁の弁体の回転軸が再循環排気ガスの
流れの方向に対して垂直に、かつ前記弁体の中心に配置
される。そのため、弁体の回転軸に対して一方の側の弁
体が負圧により受ける力と、弁体の回転軸に対して他方
の側の弁体が負圧により受ける力とが相殺される。その
結果、機関吸気通路内に負圧が発生する条件下でも、排
気ガス再循環量制御弁は負圧の影響を受けず、それゆ
え、排気ガス再循環量制御弁の開度は所望の開度に維持
される。また、排気ガス再循環量制御弁の弁体の回転軸
が再循環排気ガスの流れの方向に対して垂直に、かつ前
記弁体の中心に配置されるため、排気ガス再循環通路の
外形を大きくすることなく、再循環排気ガスの最大流路
面積を図18に示した従来のストローク式のEGR制御
弁の場合よりも大きくすることができる。
御弁では、煤の発生量がピークとなる再循環排気ガスの
量よりも燃焼室内に供給される再循環排気ガスの量が多
く煤がほとんど発生しない燃焼が低温の下で行われるた
め、内燃機関から煤が排出されること及びNOxが排出
されることを同時に阻止することができる。更に、排気
ガス再循環量制御弁の弁体の回転軸が再循環排気ガスの
流れの方向に対して垂直に、かつ前記弁体の中心に配置
される。そのため、弁体の回転軸に対して一方の側の弁
体が負圧により受ける力と、弁体の回転軸に対して他方
の側の弁体が負圧により受ける力とが相殺される。その
結果、機関吸気通路内に負圧が発生する条件下でも、排
気ガス再循環量制御弁は負圧の影響を受けず、それゆ
え、排気ガス再循環量制御弁の開度は所望の開度に維持
される。また、排気ガス再循環量制御弁の弁体の回転軸
が再循環排気ガスの流れの方向に対して垂直に、かつ前
記弁体の中心に配置されるため、排気ガス再循環通路の
外形を大きくすることなく、再循環排気ガスの最大流路
面積を図18に示した従来のストローク式のEGR制御
弁の場合よりも大きくすることができる。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、前記内燃
機関は、前記煤がほとんど発生しない燃焼である第1の
燃焼と、煤の発生量がピークとなる再循環排気ガスの量
よりも前記燃焼室内に供給される再循環排気ガスの量が
少ない第2の燃焼とを選択的に切り換える切換手段を具
備し、前記第1の燃焼から前記第2の燃焼に又は前記第
2の燃焼から前記第1の燃焼に切り換えられるときに排
気ガス再循環率がステップ状に変化せしめられる請求項
1に記載の排気ガス再循環量制御弁が提供される。
機関は、前記煤がほとんど発生しない燃焼である第1の
燃焼と、煤の発生量がピークとなる再循環排気ガスの量
よりも前記燃焼室内に供給される再循環排気ガスの量が
少ない第2の燃焼とを選択的に切り換える切換手段を具
備し、前記第1の燃焼から前記第2の燃焼に又は前記第
2の燃焼から前記第1の燃焼に切り換えられるときに排
気ガス再循環率がステップ状に変化せしめられる請求項
1に記載の排気ガス再循環量制御弁が提供される。
【0017】請求項4に記載の排気ガス再循環量制御弁
では、第1の燃焼から第2の燃焼に又は第2の燃焼から
第1の燃焼に切り換えられるときに排気ガス再循環率を
ステップ状に変化させることにより、排気ガス再循環率
が、煤の発生量がピークになる排気ガス再循環率に設定
されるのを回避することができる。
では、第1の燃焼から第2の燃焼に又は第2の燃焼から
第1の燃焼に切り換えられるときに排気ガス再循環率を
ステップ状に変化させることにより、排気ガス再循環率
が、煤の発生量がピークになる排気ガス再循環率に設定
されるのを回避することができる。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、前記第1
の燃焼が行われているときの排気ガス再循環率がほぼ5
5パーセント以上であり、前記第2の燃焼が行われてい
るときの排気ガス再循環率がほぼ50パーセント以下で
ある請求項4に記載の排気ガス再循環量制御弁が提供さ
れる。
の燃焼が行われているときの排気ガス再循環率がほぼ5
5パーセント以上であり、前記第2の燃焼が行われてい
るときの排気ガス再循環率がほぼ50パーセント以下で
ある請求項4に記載の排気ガス再循環量制御弁が提供さ
れる。
【0019】請求項5に記載の排気ガス再循環量制御弁
では、第1の燃焼が行われているときの排気ガス再循環
率をほぼ55パーセント以上にすると共に第2の燃焼が
行われているときの排気ガス再循環率をほぼ50パーセ
ント以下にすることにより、排気ガス再循環率が、煤の
発生量がピークになる排気ガス再循環率に設定されるの
を回避することができる。
では、第1の燃焼が行われているときの排気ガス再循環
率をほぼ55パーセント以上にすると共に第2の燃焼が
行われているときの排気ガス再循環率をほぼ50パーセ
ント以下にすることにより、排気ガス再循環率が、煤の
発生量がピークになる排気ガス再循環率に設定されるの
を回避することができる。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、機関の運
転領域を低負荷側の第1の運転領域と高負荷側の第2の
運転領域とに分割し、前記第1の運転領域では前記第1
の燃焼を行い、前記第2の運転領域では前記第2の燃焼
を行うようにした請求項4に記載の排気ガス再循環量制
御弁が提供される。
転領域を低負荷側の第1の運転領域と高負荷側の第2の
運転領域とに分割し、前記第1の運転領域では前記第1
の燃焼を行い、前記第2の運転領域では前記第2の燃焼
を行うようにした請求項4に記載の排気ガス再循環量制
御弁が提供される。
【0021】請求項6に記載の排気ガス再循環量制御弁
では、第1の燃焼を実行し得る時、つまり、燃焼室内に
おける燃焼時の燃料及びその周囲のガス温度を煤の生成
温度よりも低く維持し得る時が、燃焼による発熱量が比
較的少ない機関中低負荷運転時に限られるという理由か
ら、低負荷側の第1の運転領域で第1の燃焼を行うと共
に高負荷側の第2の運転領域で第2の燃焼を行う。それ
ゆえ、運転領域に応じて適切な燃焼を実行することがで
きる。
では、第1の燃焼を実行し得る時、つまり、燃焼室内に
おける燃焼時の燃料及びその周囲のガス温度を煤の生成
温度よりも低く維持し得る時が、燃焼による発熱量が比
較的少ない機関中低負荷運転時に限られるという理由か
ら、低負荷側の第1の運転領域で第1の燃焼を行うと共
に高負荷側の第2の運転領域で第2の燃焼を行う。それ
ゆえ、運転領域に応じて適切な燃焼を実行することがで
きる。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、前記内燃
機関が、前記燃焼室から排出された未燃炭化水素を酸化
するための酸化機能を有する触媒を機関排気通路内に具
備する請求項1に記載の排気ガス再循環量制御弁が提供
される。
機関が、前記燃焼室から排出された未燃炭化水素を酸化
するための酸化機能を有する触媒を機関排気通路内に具
備する請求項1に記載の排気ガス再循環量制御弁が提供
される。
【0023】請求項8に記載の発明によれば、前記触媒
が酸化触媒、三元触媒又はNOx吸収剤の少くとも一つ
からなる請求項7に記載の排気ガス再循環量制御弁が提
供される。
が酸化触媒、三元触媒又はNOx吸収剤の少くとも一つ
からなる請求項7に記載の排気ガス再循環量制御弁が提
供される。
【0024】請求項7及び8に記載の排気ガス再循環量
制御弁では、燃焼室から排出される未燃炭化水素が機関
排気通路内にて酸化されるため、未燃炭化水素が内燃機
関から排出されるのを阻止することができる。
制御弁では、燃焼室から排出される未燃炭化水素が機関
排気通路内にて酸化されるため、未燃炭化水素が内燃機
関から排出されるのを阻止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。
実施形態について説明する。
【0026】図1は本発明を4ストローク圧縮着火式内
燃機関に適用した第一の実施形態を示している。図1を
参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3
はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電
気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9
は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8
は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連
結され、サージタンク12は吸気ダクト13およびイン
タークーラ14を介して過給機、例えば排気ターボチャ
ージャ15のコンプレッサ16の出口部に連結される。
コンプレッサ16の入口部は空気吸込管17を介してエ
アクリーナ18に連結され、空気吸込管17内にはステ
ップモータ19により駆動されるスロットル弁20が配
置される。また、スロットル弁20上流の空気吸込管1
7内には吸入空気の質量流量を検出するための質量流量
検出器21が配置される。
燃機関に適用した第一の実施形態を示している。図1を
参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3
はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電
気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9
は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8
は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連
結され、サージタンク12は吸気ダクト13およびイン
タークーラ14を介して過給機、例えば排気ターボチャ
ージャ15のコンプレッサ16の出口部に連結される。
コンプレッサ16の入口部は空気吸込管17を介してエ
アクリーナ18に連結され、空気吸込管17内にはステ
ップモータ19により駆動されるスロットル弁20が配
置される。また、スロットル弁20上流の空気吸込管1
7内には吸入空気の質量流量を検出するための質量流量
検出器21が配置される。
【0027】一方、排気ポート10は排気マニホルド2
2を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン2
3の入口部に連結され、排気タービン23の出口部は排
気管24を介して酸化機能を有する触媒25を内蔵した
触媒コンバータ26に連結される。排気マニホルド22
内には空燃比センサ27が配置される。
2を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン2
3の入口部に連結され、排気タービン23の出口部は排
気管24を介して酸化機能を有する触媒25を内蔵した
触媒コンバータ26に連結される。排気マニホルド22
内には空燃比センサ27が配置される。
【0028】触媒コンバータ26の出口部に連結された
排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17と
は排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路29を介
して互いに連結され、EGR通路29内にはステップモ
ータ30により駆動されるバタフライ式EGR制御弁3
1が配置される。また、EGR通路29内にはEGR通
路29内を流れるEGRガスを冷却するためのインター
クーラ32が配置される。図1に示される実施形態では
機関冷却水がインタークーラ32内に導びかれ、機関冷
却水によってEGRガスが冷却される。
排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17と
は排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路29を介
して互いに連結され、EGR通路29内にはステップモ
ータ30により駆動されるバタフライ式EGR制御弁3
1が配置される。また、EGR通路29内にはEGR通
路29内を流れるEGRガスを冷却するためのインター
クーラ32が配置される。図1に示される実施形態では
機関冷却水がインタークーラ32内に導びかれ、機関冷
却水によってEGRガスが冷却される。
【0029】一方、燃料噴射弁6は燃料供給管33を介
して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール34に連結さ
れる。このコモンレール34内へは電気制御式の吐出量
可変な燃料ポンプ35から燃料が供給され、コモンレー
ル34内に供給された燃料は各燃料供給管33を介して
燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34にはコモ
ンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ
36が取付けられ、燃料圧センサ36の出力信号に基づ
いてコモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるよ
うに燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール34に連結さ
れる。このコモンレール34内へは電気制御式の吐出量
可変な燃料ポンプ35から燃料が供給され、コモンレー
ル34内に供給された燃料は各燃料供給管33を介して
燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34にはコモ
ンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ
36が取付けられ、燃料圧センサ36の出力信号に基づ
いてコモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるよ
うに燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
【0030】電子制御ユニット40はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス41によって互いに接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッ
サ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備
する。質量流量検出器21の出力信号は対応するAD変
換器47を介して入力ポート45に入力され、空燃比セ
ンサ27および燃料圧センサ36の出力信号も夫々対応
するAD変換器47を介して入力ポート45に入力され
る。アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏込
み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が
接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変
換器47を介して入力ポート45に入力される。また、
入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回
転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52
が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回
路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁制御用ステ
ップモータ19、EGR制御弁制御用ステップモータ3
0および燃料ポンプ35に接続される。
ータからなり、双方向性バス41によって互いに接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッ
サ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備
する。質量流量検出器21の出力信号は対応するAD変
換器47を介して入力ポート45に入力され、空燃比セ
ンサ27および燃料圧センサ36の出力信号も夫々対応
するAD変換器47を介して入力ポート45に入力され
る。アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏込
み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が
接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変
換器47を介して入力ポート45に入力される。また、
入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回
転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52
が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回
路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁制御用ステ
ップモータ19、EGR制御弁制御用ステップモータ3
0および燃料ポンプ35に接続される。
【0031】図2は図1に示したバタフライ式EGR制
御弁31の詳細図である。詳細には、図2(a)はEG
Rガスの流れの方向から見た全閉時のバタフライ式EG
R制御弁の部分断面側面図、図2(b)はEGRガスの
流れの方向から見た全開時のバタフライ式EGR制御弁
の部分断面側面図、図2(c)は全開時のバタフライ式
EGR制御弁の斜視図である。図2に示すように本実施
形態のEGR制御弁31では、弁体の回転軸61が、E
GRガスの流れの方向に対して垂直に配置されていると
同時に、弁体60の中心に配置されている。つまり、弁
体60は弁体の回転軸61により線対称をなしている。
EGRガスの流路面積は、弁体の回転軸61を中心に弁
体60が回転することにより変更される。
御弁31の詳細図である。詳細には、図2(a)はEG
Rガスの流れの方向から見た全閉時のバタフライ式EG
R制御弁の部分断面側面図、図2(b)はEGRガスの
流れの方向から見た全開時のバタフライ式EGR制御弁
の部分断面側面図、図2(c)は全開時のバタフライ式
EGR制御弁の斜視図である。図2に示すように本実施
形態のEGR制御弁31では、弁体の回転軸61が、E
GRガスの流れの方向に対して垂直に配置されていると
同時に、弁体60の中心に配置されている。つまり、弁
体60は弁体の回転軸61により線対称をなしている。
EGRガスの流路面積は、弁体の回転軸61を中心に弁
体60が回転することにより変更される。
【0032】上述したようにEGR制御弁31が構成さ
れる結果、弁体の回転軸61に対して弁体60の上側部
分(図2(a))が空気吸込管17内の負圧により受け
る力と、弁体60の下側部分(図2(a))が負圧によ
り受ける力とが相殺される。そのため、空気吸込管17
内にスロットル弁20が配置された本実施形態の場合の
ように空気吸込管17内に負圧が発生する条件下でも、
EGR制御弁31は負圧の影響を受けず、それゆえ、E
GR制御弁31の開度が所望の開度に維持され得る。
れる結果、弁体の回転軸61に対して弁体60の上側部
分(図2(a))が空気吸込管17内の負圧により受け
る力と、弁体60の下側部分(図2(a))が負圧によ
り受ける力とが相殺される。そのため、空気吸込管17
内にスロットル弁20が配置された本実施形態の場合の
ように空気吸込管17内に負圧が発生する条件下でも、
EGR制御弁31は負圧の影響を受けず、それゆえ、E
GR制御弁31の開度が所望の開度に維持され得る。
【0033】また上述したようにEGR制御弁31が構
成される結果、図2(b)に示すように、EGR通路幅
W1はEGRガスの最大流路幅W2と一致せしめられ
る。一方、図18に示すようにストローク式のEGR制
御弁の場合には、EGR通路幅W1’は最大流路幅W
2’よりも大きくなってしまう。つまり、本実施形態に
よれば、EGR通路幅W1を大きくすることなく、EG
Rガスの最大流路幅W2を従来の場合の最大流路幅W
2’よりも大きくすることができる。
成される結果、図2(b)に示すように、EGR通路幅
W1はEGRガスの最大流路幅W2と一致せしめられ
る。一方、図18に示すようにストローク式のEGR制
御弁の場合には、EGR通路幅W1’は最大流路幅W
2’よりも大きくなってしまう。つまり、本実施形態に
よれば、EGR通路幅W1を大きくすることなく、EG
Rガスの最大流路幅W2を従来の場合の最大流路幅W
2’よりも大きくすることができる。
【0034】図3は第二の実施形態のロータリー式EG
R制御弁531の詳細図である。詳細には、図3(a)
はEGRガスの流れの方向に垂直な方向から見た全閉時
のロータリー式EGR制御弁の部分断面側面図、図3
(b)はEGRガスの流れの方向に垂直な方向から見た
全開時のロータリー式EGR制御弁の部分断面側面図、
図2(c)はロータリー式EGR制御弁の斜視図であ
る。図3に示すロータリー式EGR制御弁531では、
図2に示したバタフライ式EGR制御弁31と同様に、
弁体の回転軸561が、EGRガスの流れの方向に対し
て垂直に配置されていると同時に、弁体560の中心に
配置されている。つまり、全閉時に弁体560は、弁体
の回転軸561により、EGRガスの流れの方向から見
て線対称をなしている。EGRガスの流路面積は、弁体
の回転軸561を中心に弁体560が回転することによ
り変更される。
R制御弁531の詳細図である。詳細には、図3(a)
はEGRガスの流れの方向に垂直な方向から見た全閉時
のロータリー式EGR制御弁の部分断面側面図、図3
(b)はEGRガスの流れの方向に垂直な方向から見た
全開時のロータリー式EGR制御弁の部分断面側面図、
図2(c)はロータリー式EGR制御弁の斜視図であ
る。図3に示すロータリー式EGR制御弁531では、
図2に示したバタフライ式EGR制御弁31と同様に、
弁体の回転軸561が、EGRガスの流れの方向に対し
て垂直に配置されていると同時に、弁体560の中心に
配置されている。つまり、全閉時に弁体560は、弁体
の回転軸561により、EGRガスの流れの方向から見
て線対称をなしている。EGRガスの流路面積は、弁体
の回転軸561を中心に弁体560が回転することによ
り変更される。
【0035】上述したようにEGR制御弁531が構成
される結果、弁体の回転軸561に対して弁体560の
上側部分(図3(a))が空気吸込管内の負圧により受
ける力と、弁体560の下側部分(図3(a))が負圧
により受ける力とが相殺される。そのため、空気吸込管
内に負圧が発生する条件下でも、EGR制御弁531は
負圧の影響を受けず、それゆえ、EGR制御弁531の
開度が所望の開度に維持され得る。
される結果、弁体の回転軸561に対して弁体560の
上側部分(図3(a))が空気吸込管内の負圧により受
ける力と、弁体560の下側部分(図3(a))が負圧
により受ける力とが相殺される。そのため、空気吸込管
内に負圧が発生する条件下でも、EGR制御弁531は
負圧の影響を受けず、それゆえ、EGR制御弁531の
開度が所望の開度に維持され得る。
【0036】また上述したようにEGR制御弁531が
構成される結果、図2に示した第一の実施形態と同様
に、EGR通路幅はEGRガスの最大流路幅と一致せし
められる。つまり、本実施形態でも、EGR通路幅を大
きくすることなく、EGRガスの最大流路幅を従来の場
合の最大流路幅よりも大きくすることができる。
構成される結果、図2に示した第一の実施形態と同様
に、EGR通路幅はEGRガスの最大流路幅と一致せし
められる。つまり、本実施形態でも、EGR通路幅を大
きくすることなく、EGRガスの最大流路幅を従来の場
合の最大流路幅よりも大きくすることができる。
【0037】第一の実施形態の説明に戻り、図4は機関
低負荷運転時にスロットル弁20の開度およびEGR率
を変化させることにより空燃比A/F(図4の横軸)を
変化させたときの出力トルクの変化、およびスモーク、
HC,CO,NOxの排出量の変化を示す実験例を表し
ている。図4からわかるようにこの実験例では空燃比A
/Fが小さくなるほどEGR率が大きくなり、理論空燃
比(≒14.6)以下のときにはEGR率は65パーセ
ント以上となっている。
低負荷運転時にスロットル弁20の開度およびEGR率
を変化させることにより空燃比A/F(図4の横軸)を
変化させたときの出力トルクの変化、およびスモーク、
HC,CO,NOxの排出量の変化を示す実験例を表し
ている。図4からわかるようにこの実験例では空燃比A
/Fが小さくなるほどEGR率が大きくなり、理論空燃
比(≒14.6)以下のときにはEGR率は65パーセ
ント以上となっている。
【0038】図4に示されるようにEGR率を増大する
ことにより空燃比A/Fを小さくしていくとEGR率が
40パーセント付近となり空燃比A/Fが30程度にな
ったときにスモークの発生量が増大を開始する。次い
で、更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると
スモークの発生量が急激に増大してピークに達する。次
いで更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると
今度はスモークが急激に低下し、EGR率を65パーセ
ント以上とし、空燃比A/Fが15.0付近になるとス
モークがほぼ零となる。即ち、煤がほとんど発生しなく
なる。このとき機関の出力トルクは若干低下し、またN
Oxの発生量がかなり低くなる。一方、このときHC,
COの発生量は増大し始める。
ことにより空燃比A/Fを小さくしていくとEGR率が
40パーセント付近となり空燃比A/Fが30程度にな
ったときにスモークの発生量が増大を開始する。次い
で、更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると
スモークの発生量が急激に増大してピークに達する。次
いで更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると
今度はスモークが急激に低下し、EGR率を65パーセ
ント以上とし、空燃比A/Fが15.0付近になるとス
モークがほぼ零となる。即ち、煤がほとんど発生しなく
なる。このとき機関の出力トルクは若干低下し、またN
Oxの発生量がかなり低くなる。一方、このときHC,
COの発生量は増大し始める。
【0039】図5(A)は空燃比A/Fが21付近でス
モークの発生量が最も多いときの燃焼室5内の燃焼圧変
化を示しており、図5(B)は空燃比A/Fが18付近
でスモークの発生量がほぼ零のときの燃焼室5内の燃焼
圧の変化を示している。図5(A)と図5(B)とを比
較すればわかるようにスモークの発生量がほぼ零である
図5(B)に示す場合はスモークの発生量が多い図5
(A)に示す場合に比べて燃焼圧が低いことがわかる。
モークの発生量が最も多いときの燃焼室5内の燃焼圧変
化を示しており、図5(B)は空燃比A/Fが18付近
でスモークの発生量がほぼ零のときの燃焼室5内の燃焼
圧の変化を示している。図5(A)と図5(B)とを比
較すればわかるようにスモークの発生量がほぼ零である
図5(B)に示す場合はスモークの発生量が多い図5
(A)に示す場合に比べて燃焼圧が低いことがわかる。
【0040】図4および図5に示される実験結果から次
のことが言える。即ち、まず第1に空燃比A/Fが1
5.0以下でスモークの発生量がほぼ零のときには図4
に示されるようにNOxの発生量がかなり低下する。N
Oxの発生量が低下したということは燃焼室5内の燃焼
温度が低下していることを意味しており、従って煤がほ
とんど発生しないときには燃焼室5内の燃焼温度が低く
なっていると言える。同じことが図5からも言える。即
ち、煤がほとんど発生していない図5(B)に示す状態
では燃焼圧が低くなっており、従ってこのとき燃焼室5
内の燃焼温度は低くなっていることになる。
のことが言える。即ち、まず第1に空燃比A/Fが1
5.0以下でスモークの発生量がほぼ零のときには図4
に示されるようにNOxの発生量がかなり低下する。N
Oxの発生量が低下したということは燃焼室5内の燃焼
温度が低下していることを意味しており、従って煤がほ
とんど発生しないときには燃焼室5内の燃焼温度が低く
なっていると言える。同じことが図5からも言える。即
ち、煤がほとんど発生していない図5(B)に示す状態
では燃焼圧が低くなっており、従ってこのとき燃焼室5
内の燃焼温度は低くなっていることになる。
【0041】第2にスモークの発生量、即ち煤の発生量
がほぼ零になると図4に示されるようにHCおよびCO
の排出量が増大する。このことは炭化水素が煤まで成長
せずに排出されることを意味している。即ち、燃料中に
含まれる図6に示されるような直鎖状炭化水素や芳香族
炭化水素は酸素不足の状態で温度上昇せしめられると熱
分解して煤の前駆体が形成され、次いで主に炭素原子が
集合した固体からなる煤が生成される。この場合、実際
の煤の生成過程は複雑であり、煤の前駆体がどのような
形態をとるかは明確ではないがいずれにしても図6に示
されるような炭化水素は煤の前駆体を経て煤まで成長す
ることになる。従って、上述したように煤の発生量がほ
ぼ零になると図4に示される如くHCおよびCOの排出
量が増大するがこのときのHCは煤の前駆体又はその前
の状態の炭化水素である。
がほぼ零になると図4に示されるようにHCおよびCO
の排出量が増大する。このことは炭化水素が煤まで成長
せずに排出されることを意味している。即ち、燃料中に
含まれる図6に示されるような直鎖状炭化水素や芳香族
炭化水素は酸素不足の状態で温度上昇せしめられると熱
分解して煤の前駆体が形成され、次いで主に炭素原子が
集合した固体からなる煤が生成される。この場合、実際
の煤の生成過程は複雑であり、煤の前駆体がどのような
形態をとるかは明確ではないがいずれにしても図6に示
されるような炭化水素は煤の前駆体を経て煤まで成長す
ることになる。従って、上述したように煤の発生量がほ
ぼ零になると図4に示される如くHCおよびCOの排出
量が増大するがこのときのHCは煤の前駆体又はその前
の状態の炭化水素である。
【0042】図4および図5に示される実験結果に基づ
くこれらの考察をまとめると燃焼室5内の燃焼温度が低
いときには煤の発生量がほぼ零になり、このとき煤の前
駆体又はその前の状態の炭化水素が燃焼室5から排出さ
れることになる。このことについて更に詳細に実験研究
を重ねた結果、燃焼室5内における燃料およびその周囲
のガス温度が或る温度以下である場合には煤の成長過程
が途中で停止してしまい、即ち煤が全く発生せず、燃焼
室5内における燃料およびその周囲の温度が或る温度以
上になると煤が生成されることが判明したのである。
くこれらの考察をまとめると燃焼室5内の燃焼温度が低
いときには煤の発生量がほぼ零になり、このとき煤の前
駆体又はその前の状態の炭化水素が燃焼室5から排出さ
れることになる。このことについて更に詳細に実験研究
を重ねた結果、燃焼室5内における燃料およびその周囲
のガス温度が或る温度以下である場合には煤の成長過程
が途中で停止してしまい、即ち煤が全く発生せず、燃焼
室5内における燃料およびその周囲の温度が或る温度以
上になると煤が生成されることが判明したのである。
【0043】ところで煤の前駆体の状態で炭化水素の生
成過程が停止するときの燃料およびその周囲の温度、即
ち上述の或る温度は燃料の種類や空燃比の圧縮比等の種
々の要因によって変化するので何度であるかということ
は言えないがこの或る温度はNOxの発生量と深い関係
を有しており、従ってこの或る温度はNOxの発生量か
ら或る程度規定することができる。即ち、EGR率が増
大するほど燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度は低
下し、NOxの発生量が低下する。このときNOxの発
生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときに煤が
ほとんど発生しなくなる。従って上述の或る温度はNO
xの発生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったとき
の温度にほぼ一致する。
成過程が停止するときの燃料およびその周囲の温度、即
ち上述の或る温度は燃料の種類や空燃比の圧縮比等の種
々の要因によって変化するので何度であるかということ
は言えないがこの或る温度はNOxの発生量と深い関係
を有しており、従ってこの或る温度はNOxの発生量か
ら或る程度規定することができる。即ち、EGR率が増
大するほど燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度は低
下し、NOxの発生量が低下する。このときNOxの発
生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときに煤が
ほとんど発生しなくなる。従って上述の或る温度はNO
xの発生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったとき
の温度にほぼ一致する。
【0044】一旦、煤が生成されるとこの煤は酸化機能
を有する触媒を用いた後処理でもって浄化することはで
きない。これに対して煤の前駆体又はその前の状態の炭
化水素は酸化機能を有する触媒を用いた後処理でもって
容易に浄化することができる。このように酸化機能を有
する触媒による後処理を考えると炭化水素を煤の前駆体
又はその前の状態で燃焼室5から排出させるか、或いは
煤の形で燃焼室5から排出させるかについては極めて大
きな差がある。本発明において採用されている新たな燃
焼システムは燃焼室5内において煤を生成させることな
く炭化水素を煤の前駆体又はその前の状態の形でもって
燃焼室5から排出させ、この炭化水素を酸化機能を有す
る触媒により酸化せしめることを核としている。
を有する触媒を用いた後処理でもって浄化することはで
きない。これに対して煤の前駆体又はその前の状態の炭
化水素は酸化機能を有する触媒を用いた後処理でもって
容易に浄化することができる。このように酸化機能を有
する触媒による後処理を考えると炭化水素を煤の前駆体
又はその前の状態で燃焼室5から排出させるか、或いは
煤の形で燃焼室5から排出させるかについては極めて大
きな差がある。本発明において採用されている新たな燃
焼システムは燃焼室5内において煤を生成させることな
く炭化水素を煤の前駆体又はその前の状態の形でもって
燃焼室5から排出させ、この炭化水素を酸化機能を有す
る触媒により酸化せしめることを核としている。
【0045】さて、煤が生成される前の状態で炭化水素
の成長を停止させるには燃焼室5内における燃焼時の燃
料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度より
も低い温度に抑制する必要がある。この場合、燃料およ
びその周囲のガス温度を抑制するには燃料が燃焼した際
の燃料周りのガスの吸熱作用が極めて大きく影響するこ
とが判明している。
の成長を停止させるには燃焼室5内における燃焼時の燃
料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度より
も低い温度に抑制する必要がある。この場合、燃料およ
びその周囲のガス温度を抑制するには燃料が燃焼した際
の燃料周りのガスの吸熱作用が極めて大きく影響するこ
とが判明している。
【0046】即ち、燃料周りに空気しか存在しないと蒸
発した燃料はただちに空気中の酸素と反応して燃焼す
る。この場合、燃料から離れている空気の温度はさほど
上昇せず、燃料周りの温度のみが局所的に極めて高くな
る。即ち、このときには燃料から離れている空気は燃料
の燃焼熱の吸熱作用をほとんど行わない。この場合には
燃焼温度が局所的に極めて高くなるために、この燃焼熱
を受けた未燃炭化水素は煤を生成することになる。
発した燃料はただちに空気中の酸素と反応して燃焼す
る。この場合、燃料から離れている空気の温度はさほど
上昇せず、燃料周りの温度のみが局所的に極めて高くな
る。即ち、このときには燃料から離れている空気は燃料
の燃焼熱の吸熱作用をほとんど行わない。この場合には
燃焼温度が局所的に極めて高くなるために、この燃焼熱
を受けた未燃炭化水素は煤を生成することになる。
【0047】一方、多量の不活性ガスと少量の空気の混
合ガス中に燃料が存在する場合には若干状況が異なる。
この場合には蒸発燃料は周囲に拡散して不活性ガス中に
混在する酸素と反応し、燃焼することになる。この場合
には燃焼熱は周りの不活性ガスに吸収されるために燃焼
温度はさほど上昇しなくなる。即ち、燃焼温度を低く抑
えることができることになる。即ち、燃焼温度を抑制す
るには不活性ガスの存在が重要な役割を果しており、不
活性ガスの吸熱作用によって燃焼温度を低く抑えること
ができることになる。
合ガス中に燃料が存在する場合には若干状況が異なる。
この場合には蒸発燃料は周囲に拡散して不活性ガス中に
混在する酸素と反応し、燃焼することになる。この場合
には燃焼熱は周りの不活性ガスに吸収されるために燃焼
温度はさほど上昇しなくなる。即ち、燃焼温度を低く抑
えることができることになる。即ち、燃焼温度を抑制す
るには不活性ガスの存在が重要な役割を果しており、不
活性ガスの吸熱作用によって燃焼温度を低く抑えること
ができることになる。
【0048】この場合、燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度に抑制するにはそ
うするのに十分な熱量を吸収しうるだけの不活性ガス量
が必要となる。従って燃料量が増大すれば必要となる不
活性ガス量はそれに伴なって増大することになる。な
お、この場合、不活性ガスの比熱が大きいほど吸熱作用
が強力となり、従って不活性ガスは比熱の大きなガスが
好ましいことになる。この点、CO2 やEGRガスは比
較的比熱が大きいので不活性ガスとしてEGRガスを用
いることは好ましいと言える。
を煤が生成される温度よりも低い温度に抑制するにはそ
うするのに十分な熱量を吸収しうるだけの不活性ガス量
が必要となる。従って燃料量が増大すれば必要となる不
活性ガス量はそれに伴なって増大することになる。な
お、この場合、不活性ガスの比熱が大きいほど吸熱作用
が強力となり、従って不活性ガスは比熱の大きなガスが
好ましいことになる。この点、CO2 やEGRガスは比
較的比熱が大きいので不活性ガスとしてEGRガスを用
いることは好ましいと言える。
【0049】図7は不活性ガスとしてEGRガスを用
い、EGRガスの冷却度合を変えたときのEGR率とス
モークとの関係を示している。即ち、図7において曲線
AはEGRガスを強力に冷却してEGRガス温をほぼ9
0℃に維持した場合を示しており、曲線Bは小型の冷却
装置でEGRガスを冷却した場合を示しており、曲線C
はEGRガスを強制的に冷却していない場合を示してい
る。
い、EGRガスの冷却度合を変えたときのEGR率とス
モークとの関係を示している。即ち、図7において曲線
AはEGRガスを強力に冷却してEGRガス温をほぼ9
0℃に維持した場合を示しており、曲線Bは小型の冷却
装置でEGRガスを冷却した場合を示しており、曲線C
はEGRガスを強制的に冷却していない場合を示してい
る。
【0050】図7の曲線Aで示されるようにEGRガス
を強力に冷却した場合にはEGR率が50パーセントよ
りも少し低いところで煤の発生量がピークとなり、この
場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にすれば煤
がほとんど発生しなくなる。
を強力に冷却した場合にはEGR率が50パーセントよ
りも少し低いところで煤の発生量がピークとなり、この
場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にすれば煤
がほとんど発生しなくなる。
【0051】一方、図7の曲線Bで示されるようにEG
Rガスを少し冷却した場合にはEGR率が50パーセン
トよりも少し高いところで煤の発生量がピークとなり、
この場合にはEGR率をほぼ65パーセント以上にすれ
ば煤がほとんど発生しなくなる。
Rガスを少し冷却した場合にはEGR率が50パーセン
トよりも少し高いところで煤の発生量がピークとなり、
この場合にはEGR率をほぼ65パーセント以上にすれ
ば煤がほとんど発生しなくなる。
【0052】また、図7の曲線Cで示されるようにEG
Rガスを強制的に冷却していない場合にはEGR率が5
5パーセントの付近で煤の発生量がピークとなり、この
場合にはEGR率をほぼ70パーセント以上にすれば煤
がほとんど発生しなくなる。
Rガスを強制的に冷却していない場合にはEGR率が5
5パーセントの付近で煤の発生量がピークとなり、この
場合にはEGR率をほぼ70パーセント以上にすれば煤
がほとんど発生しなくなる。
【0053】なお、図7は機関負荷が比較的高いときの
スモークの発生量を示しており、機関負荷が小さくなる
と煤の発生量がピークとなるEGR率は若干低下し、煤
がほとんど発生しなくなるEGR率の下限も若干低下す
る。このように煤がほとんど発生しなくなるEGR率の
下限はEGRガスの冷却度合や機関負荷に応じて変化す
る。
スモークの発生量を示しており、機関負荷が小さくなる
と煤の発生量がピークとなるEGR率は若干低下し、煤
がほとんど発生しなくなるEGR率の下限も若干低下す
る。このように煤がほとんど発生しなくなるEGR率の
下限はEGRガスの冷却度合や機関負荷に応じて変化す
る。
【0054】図8は不活性ガスとしてEGRガスを用い
た場合において燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度にするために必要
なEGRガスと空気の混合ガス量、およびこの混合ガス
量中の空気の割合、およびこの混合ガス中のEGRガス
の割合を示している。なお、図8において縦軸は燃焼室
5内に吸入される全吸入ガス量を示しており、鎖線Yは
過給が行われないときに燃焼室5内に吸入しうる全吸入
ガス量を示している。また、横軸は要求負荷を示してい
る。
た場合において燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度にするために必要
なEGRガスと空気の混合ガス量、およびこの混合ガス
量中の空気の割合、およびこの混合ガス中のEGRガス
の割合を示している。なお、図8において縦軸は燃焼室
5内に吸入される全吸入ガス量を示しており、鎖線Yは
過給が行われないときに燃焼室5内に吸入しうる全吸入
ガス量を示している。また、横軸は要求負荷を示してい
る。
【0055】図8を参照すると空気の割合、即ち混合ガ
ス中の空気量は噴射された燃料を完全に燃焼せしめるの
に必要な空気量を示している。即ち、図8に示される場
合では空気量と噴射燃料量との比は理論空燃比となって
いる。一方、図8においてEGRガスの割合、即ち混合
ガス中のEGRガス量は噴射燃料が燃焼せしめられたと
きに燃料およびその周囲のガス温度を煤が形成される温
度よりも低い温度にするのに必要最低限のEGRガス量
を示している。このEGRガス量はEGR率で表すとほ
ぼ55パーセント以上であり、図6に示す実施形態では
70パーセント以上である。即ち、燃焼室5内に吸入さ
れた全吸入ガス量を図8において実線Xとし、この全吸
入ガス量Xのうちの空気量とEGRガス量との割合を図
8に示すような割合にすると燃料およびその周囲のガス
温度は煤が生成される温度よりも低い温度となり、斯く
して煤が全く発生しなくなる。また、このときのNOx
発生量は10p.p.m 前後、又はそれ以下であり、従って
NOxの発生量は極めて少量となる。
ス中の空気量は噴射された燃料を完全に燃焼せしめるの
に必要な空気量を示している。即ち、図8に示される場
合では空気量と噴射燃料量との比は理論空燃比となって
いる。一方、図8においてEGRガスの割合、即ち混合
ガス中のEGRガス量は噴射燃料が燃焼せしめられたと
きに燃料およびその周囲のガス温度を煤が形成される温
度よりも低い温度にするのに必要最低限のEGRガス量
を示している。このEGRガス量はEGR率で表すとほ
ぼ55パーセント以上であり、図6に示す実施形態では
70パーセント以上である。即ち、燃焼室5内に吸入さ
れた全吸入ガス量を図8において実線Xとし、この全吸
入ガス量Xのうちの空気量とEGRガス量との割合を図
8に示すような割合にすると燃料およびその周囲のガス
温度は煤が生成される温度よりも低い温度となり、斯く
して煤が全く発生しなくなる。また、このときのNOx
発生量は10p.p.m 前後、又はそれ以下であり、従って
NOxの発生量は極めて少量となる。
【0056】燃料噴射量が増大すれば燃料が燃焼した際
の発熱量が増大するので燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度に維持するために
はEGRガスによる熱の吸収量を増大しなければならな
い。従って図8に示されるようにEGRガス量は噴射燃
料量が増大するにつれて増大せしめなければならない。
即ち、EGRガス量は要求負荷が高くなるにつれて増大
する必要がある。
の発熱量が増大するので燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度に維持するために
はEGRガスによる熱の吸収量を増大しなければならな
い。従って図8に示されるようにEGRガス量は噴射燃
料量が増大するにつれて増大せしめなければならない。
即ち、EGRガス量は要求負荷が高くなるにつれて増大
する必要がある。
【0057】ところで過給が行われていない場合には燃
焼室5内に吸入される全吸入ガス量Xの上限はYであ
り、従って図8において要求負荷がLo よりも大きい領
域では要求負荷が大きくなるにつれてEGRガス割合を
低下させない限り空燃比を理論空燃比に維持することが
できない。云い換えると過給が行われていない場合に要
求負荷がLo よりも大きい領域において空燃比を理論空
燃比に維持しようとした場合には要求負荷が高くなるに
つれてEGR率が低下し、斯くして要求負荷がLo より
も大きい領域では燃料およびその周囲のガス温度を煤が
生成される温度よりも低い温度に維持しえなくなる。
焼室5内に吸入される全吸入ガス量Xの上限はYであ
り、従って図8において要求負荷がLo よりも大きい領
域では要求負荷が大きくなるにつれてEGRガス割合を
低下させない限り空燃比を理論空燃比に維持することが
できない。云い換えると過給が行われていない場合に要
求負荷がLo よりも大きい領域において空燃比を理論空
燃比に維持しようとした場合には要求負荷が高くなるに
つれてEGR率が低下し、斯くして要求負荷がLo より
も大きい領域では燃料およびその周囲のガス温度を煤が
生成される温度よりも低い温度に維持しえなくなる。
【0058】ところが図1に示されるようにEGR通路
29を介して過給機の入口側即ち排気ターボチャージャ
15の空気吸込管17内にEGRガスを再循環させると
要求負荷がLo よりも大きい領域においてEGR率を5
5パーセント以上、例えば70パーセントに維持するこ
とができ、斯くして燃料およびその周囲のガス温度を煤
が生成される温度よりも低い温度に維持することができ
る。即ち、空気吸込管17内におけるEGR率が例えば
70パーセントになるようにEGRガスを再循環させれ
ば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16により
昇圧された吸入ガスのEGR率も70パーセントとな
り、斯くしてコンプレッサ16により昇圧しうる限度ま
で燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度
よりも低い温度に維持することができる。従って、低温
燃焼を生じさせることのできる機関の運転領域を拡大す
ることができることになる。要求負荷がLo よりも大き
い領域でEGR率を55パーセント以上にする際にはE
GR制御弁31が全開せしめられる、スロットル弁20
が若干閉弁せしめられる。
29を介して過給機の入口側即ち排気ターボチャージャ
15の空気吸込管17内にEGRガスを再循環させると
要求負荷がLo よりも大きい領域においてEGR率を5
5パーセント以上、例えば70パーセントに維持するこ
とができ、斯くして燃料およびその周囲のガス温度を煤
が生成される温度よりも低い温度に維持することができ
る。即ち、空気吸込管17内におけるEGR率が例えば
70パーセントになるようにEGRガスを再循環させれ
ば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16により
昇圧された吸入ガスのEGR率も70パーセントとな
り、斯くしてコンプレッサ16により昇圧しうる限度ま
で燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度
よりも低い温度に維持することができる。従って、低温
燃焼を生じさせることのできる機関の運転領域を拡大す
ることができることになる。要求負荷がLo よりも大き
い領域でEGR率を55パーセント以上にする際にはE
GR制御弁31が全開せしめられる、スロットル弁20
が若干閉弁せしめられる。
【0059】前述したように図8は燃料を理論空燃比の
もとで燃焼させる場合を示しているが空気量を図8に示
される空気量よりも少くしても、即ち空燃比をリッチに
しても煤の発生を阻止しつつNOxの発生量を10p.p.
m 前後又はそれ以下にすることができ、また空気量を図
8に示される空気量よりも多くしても、即ち空燃比の平
均値を17から18のリーンにしても煤の発生を阻止し
つつNOxの発生量を10p.p.m 前後又はそれ以下にす
ることができる。
もとで燃焼させる場合を示しているが空気量を図8に示
される空気量よりも少くしても、即ち空燃比をリッチに
しても煤の発生を阻止しつつNOxの発生量を10p.p.
m 前後又はそれ以下にすることができ、また空気量を図
8に示される空気量よりも多くしても、即ち空燃比の平
均値を17から18のリーンにしても煤の発生を阻止し
つつNOxの発生量を10p.p.m 前後又はそれ以下にす
ることができる。
【0060】即ち、空燃比がリッチにされると燃料が過
剰となるが燃焼温度が低い温度に抑制されているために
過剰な燃料は煤まで成長せず、斯くして煤が生成される
ことがない。また、このときNOxも極めて少量しか発
生しない。一方、平均空燃比がリーンのとき、或いは空
燃比が理論空燃比のときでも燃焼温度が高くなれば少量
の煤が生成されるが本発明では燃焼温度が低い温度に抑
制されているので煤は全く生成されない。更に、NOx
も極めて少量しか発生しない。
剰となるが燃焼温度が低い温度に抑制されているために
過剰な燃料は煤まで成長せず、斯くして煤が生成される
ことがない。また、このときNOxも極めて少量しか発
生しない。一方、平均空燃比がリーンのとき、或いは空
燃比が理論空燃比のときでも燃焼温度が高くなれば少量
の煤が生成されるが本発明では燃焼温度が低い温度に抑
制されているので煤は全く生成されない。更に、NOx
も極めて少量しか発生しない。
【0061】このように、低温燃焼が行われているとき
には空燃比にかかわらずに、即ち空燃比がリッチであろ
うと、理論空燃比であろうと、或いは平均空燃比がリー
ンであろうと煤が発生されず、NOxの発生量が極めて
少量となる。従って燃料消費率の向上を考えるとこのと
き平均空燃比をリーンにすることが好ましいと言える。
には空燃比にかかわらずに、即ち空燃比がリッチであろ
うと、理論空燃比であろうと、或いは平均空燃比がリー
ンであろうと煤が発生されず、NOxの発生量が極めて
少量となる。従って燃料消費率の向上を考えるとこのと
き平均空燃比をリーンにすることが好ましいと言える。
【0062】ところで燃焼室内における燃焼時の燃料お
よびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制しうるのは燃焼による発熱量が比較
的少ない機関中低負荷運転時に限られる。従って本発明
による実施形態では機関中低負荷運転時には燃焼時の燃
料およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で
停止する温度以下に抑制して第1の燃焼、即ち低温燃焼
を行うようにし、機関高負荷運転時には第2の燃焼、即
ち従来より普通に行われている燃焼を行うようにしてい
る。なお、ここで第1の燃焼、即ち低温燃焼とはこれま
での説明から明らかなように煤の発生量がピークとなる
不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が多く煤が
ほとんど発生しない燃焼のことを言い、第2の燃焼、即
ち従来より普通に行われている燃焼とは煤の発生量がピ
ークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量
が少い燃焼のことを言う。
よびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制しうるのは燃焼による発熱量が比較
的少ない機関中低負荷運転時に限られる。従って本発明
による実施形態では機関中低負荷運転時には燃焼時の燃
料およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で
停止する温度以下に抑制して第1の燃焼、即ち低温燃焼
を行うようにし、機関高負荷運転時には第2の燃焼、即
ち従来より普通に行われている燃焼を行うようにしてい
る。なお、ここで第1の燃焼、即ち低温燃焼とはこれま
での説明から明らかなように煤の発生量がピークとなる
不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が多く煤が
ほとんど発生しない燃焼のことを言い、第2の燃焼、即
ち従来より普通に行われている燃焼とは煤の発生量がピ
ークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量
が少い燃焼のことを言う。
【0063】図9は第1の燃焼、即ち低温燃焼が行われ
る第1の運転領域Iと、第2の燃焼、即ち従来の燃焼方
法による燃焼が行われる第2の運転領域IIとを示してい
る。なお、図9において縦軸Lはアクセルペダル50の
踏込み量、即ち要求負荷を示しており、横軸Nは機関回
転数を示している。また、図7においてX(N)は第1
の運転領域Iと第2の運転領域IIとの第1の境界を示し
ており、Y(N)は第1の運転領域Iと第2の運転領域
IIとの第2の境界を示している。第1の運転領域Iから
第2の運転領域IIへの運転領域の変化判断は第1の境界
X(N)に基づいて行われ、第2の運転領域IIから第1
の運転領域Iへの運転領域の変化判断は第2の境界Y
(N)に基づいて行われる。
る第1の運転領域Iと、第2の燃焼、即ち従来の燃焼方
法による燃焼が行われる第2の運転領域IIとを示してい
る。なお、図9において縦軸Lはアクセルペダル50の
踏込み量、即ち要求負荷を示しており、横軸Nは機関回
転数を示している。また、図7においてX(N)は第1
の運転領域Iと第2の運転領域IIとの第1の境界を示し
ており、Y(N)は第1の運転領域Iと第2の運転領域
IIとの第2の境界を示している。第1の運転領域Iから
第2の運転領域IIへの運転領域の変化判断は第1の境界
X(N)に基づいて行われ、第2の運転領域IIから第1
の運転領域Iへの運転領域の変化判断は第2の境界Y
(N)に基づいて行われる。
【0064】即ち、機関の運転状態が第1の運転領域I
にあって低温燃焼が行われているときに要求負荷Lが機
関回転数Nの関数である第1の境界X(N)を越えると
運転領域が第2の運転領域IIに移ったと判断され、従来
の燃焼方法による燃焼が行われる。次いで要求負荷Lが
機関回転数Nの関数である第2の境界Y(N)よりも低
くなると運転領域が第1の運転領域Iに移ったと判断さ
れ、再び低温燃焼が行われる。
にあって低温燃焼が行われているときに要求負荷Lが機
関回転数Nの関数である第1の境界X(N)を越えると
運転領域が第2の運転領域IIに移ったと判断され、従来
の燃焼方法による燃焼が行われる。次いで要求負荷Lが
機関回転数Nの関数である第2の境界Y(N)よりも低
くなると運転領域が第1の運転領域Iに移ったと判断さ
れ、再び低温燃焼が行われる。
【0065】このように第1の境界X(N)と第1の境
界X(N)よりも低負荷側の第2の境界Y(N)との二
つの境界を設けたのは次の二つの理由による。第1の理
由は、第2の運転領域IIの高負荷側では比較的燃焼温度
が高く、このとき要求負荷Lが第1の境界X(N)より
低くなったとしてもただちに低温燃焼を行えないからで
ある。即ち、要求負荷Lがかなり低くなったとき、即ち
第2の境界Y(N)よりも低くなったときでなければた
だちに低温燃焼が開始されないからである。第2の理由
は第1の運転領域Iと第2の運転領域II間の運転領域の
変化に対してヒステリシスを設けるためである。
界X(N)よりも低負荷側の第2の境界Y(N)との二
つの境界を設けたのは次の二つの理由による。第1の理
由は、第2の運転領域IIの高負荷側では比較的燃焼温度
が高く、このとき要求負荷Lが第1の境界X(N)より
低くなったとしてもただちに低温燃焼を行えないからで
ある。即ち、要求負荷Lがかなり低くなったとき、即ち
第2の境界Y(N)よりも低くなったときでなければた
だちに低温燃焼が開始されないからである。第2の理由
は第1の運転領域Iと第2の運転領域II間の運転領域の
変化に対してヒステリシスを設けるためである。
【0066】ところで機関の運転領域が第1の運転領域
Iにあって低温燃焼が行われているときには煤はほとん
ど発生せず、その代り未燃炭化水素が煤の前駆体又はそ
の前の状態の形でもって燃焼室5から排出される。この
とき燃焼室5から排出された未燃炭化水素は酸化機能を
有する触媒25により良好に酸化せしめられる。
Iにあって低温燃焼が行われているときには煤はほとん
ど発生せず、その代り未燃炭化水素が煤の前駆体又はそ
の前の状態の形でもって燃焼室5から排出される。この
とき燃焼室5から排出された未燃炭化水素は酸化機能を
有する触媒25により良好に酸化せしめられる。
【0067】触媒25としては酸化触媒、三元触媒、又
はNOx吸収剤を用いることができる。NOx吸収剤は
燃焼室5内における平均空燃比がリーンのときにNOx
を吸収し、燃焼室5内における平均空燃比がリッチにな
るとNOxを放出する機能を有する。
はNOx吸収剤を用いることができる。NOx吸収剤は
燃焼室5内における平均空燃比がリーンのときにNOx
を吸収し、燃焼室5内における平均空燃比がリッチにな
るとNOxを放出する機能を有する。
【0068】このNOx吸収剤は例えばアルミナを担体
とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムN
a、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金
属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土
類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から
選ばれた少くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが
担持されている。
とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムN
a、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金
属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土
類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から
選ばれた少くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが
担持されている。
【0069】酸化触媒はもとより、三元触媒およびNO
x吸収剤も酸化機能を有しており、従って上述した如く
三元触媒およびNOx吸収剤を触媒25として用いるこ
とができる。
x吸収剤も酸化機能を有しており、従って上述した如く
三元触媒およびNOx吸収剤を触媒25として用いるこ
とができる。
【0070】図10は空燃比センサ27の出力を示して
いる。図10に示されるように空燃比センサ27の出力
電流Iは空燃比A/Fに応じて変化する。従って空燃比
センサ27の出力電流Iから空燃比を知ることができ
る。
いる。図10に示されるように空燃比センサ27の出力
電流Iは空燃比A/Fに応じて変化する。従って空燃比
センサ27の出力電流Iから空燃比を知ることができ
る。
【0071】次に図11を参照しつつ第1の運転領域I
および第2の運転領域IIにおける運転制御について概略
的に説明する。図11は要求負荷Lに対するスロットル
弁20の開度、EGR制御弁31の開度、EGR率、空
燃比、噴射時期および噴射量を示している。図11に示
されるように要求負荷Lの低い第1の運転領域Iではス
ロットル弁20の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて
全閉近くから2/3開度程度まで徐々に増大せしめら
れ、EGR制御弁31の開度は要求負荷Lが高くなるに
つれて全閉近くから全開まで徐々に増大せしめられる。
また、図11に示される例では第1の運転領域IではE
GR率がほぼ70パーセントとされており、空燃比はわ
ずかばかりリーンなリーン空燃比とされている。
および第2の運転領域IIにおける運転制御について概略
的に説明する。図11は要求負荷Lに対するスロットル
弁20の開度、EGR制御弁31の開度、EGR率、空
燃比、噴射時期および噴射量を示している。図11に示
されるように要求負荷Lの低い第1の運転領域Iではス
ロットル弁20の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて
全閉近くから2/3開度程度まで徐々に増大せしめら
れ、EGR制御弁31の開度は要求負荷Lが高くなるに
つれて全閉近くから全開まで徐々に増大せしめられる。
また、図11に示される例では第1の運転領域IではE
GR率がほぼ70パーセントとされており、空燃比はわ
ずかばかりリーンなリーン空燃比とされている。
【0072】言い換えると第1の運転領域IではEGR
率がほぼ70パーセントとなり、空燃比がわずかばかり
リーンなリーン空燃比となるようにスロットル弁20の
開度およびEGR制御弁31の開度が制御される。ま
た、第1の運転領域Iでは圧縮上死点TDC前に燃料噴
射が行われる。この場合、噴射開始時期θSは要求負荷
Lが高くなるにつれて遅くなり、噴射完了時期θEも噴
射開始時期θSが遅くなるにつれて遅くなる。
率がほぼ70パーセントとなり、空燃比がわずかばかり
リーンなリーン空燃比となるようにスロットル弁20の
開度およびEGR制御弁31の開度が制御される。ま
た、第1の運転領域Iでは圧縮上死点TDC前に燃料噴
射が行われる。この場合、噴射開始時期θSは要求負荷
Lが高くなるにつれて遅くなり、噴射完了時期θEも噴
射開始時期θSが遅くなるにつれて遅くなる。
【0073】なお、アイドル運転時にはスロットル弁2
0は全閉近くまで閉弁され、このときEGR制御弁31
も全閉近くまで閉弁せしめられる。スロットル弁20を
全閉近くまで閉弁すると圧縮始めの燃焼室5内の圧力が
低くなるために圧縮圧力が小さくなる。圧縮圧力が小さ
くなるとピストン4による圧縮仕事が小さくなるために
機関本体1の振動が小さくなる。即ち、アイドル運転時
には機関本体1の振動を抑制するためにスロットル弁2
0が全閉近くまで閉弁せしめられる。
0は全閉近くまで閉弁され、このときEGR制御弁31
も全閉近くまで閉弁せしめられる。スロットル弁20を
全閉近くまで閉弁すると圧縮始めの燃焼室5内の圧力が
低くなるために圧縮圧力が小さくなる。圧縮圧力が小さ
くなるとピストン4による圧縮仕事が小さくなるために
機関本体1の振動が小さくなる。即ち、アイドル運転時
には機関本体1の振動を抑制するためにスロットル弁2
0が全閉近くまで閉弁せしめられる。
【0074】一方、機関の運転領域が第1の運転領域I
から第2の運転領域IIに変わるとスロットル弁20の開
度が2/3開度程度から全開方向へステップ状に増大せ
しめられる。このとき図9に示す例ではEGR率がほぼ
70パーセントから40パーセント以下までステップ状
に減少せしめられ、空燃比がステップ状に大きくされ
る。即ち、EGR率が多量のスモークを発生するEGR
率範囲(図7)を飛び越えるので機関の運転領域が第1
の運転領域Iから第2の運転領域IIに変わるときに多量
のスモークが発生することがない。
から第2の運転領域IIに変わるとスロットル弁20の開
度が2/3開度程度から全開方向へステップ状に増大せ
しめられる。このとき図9に示す例ではEGR率がほぼ
70パーセントから40パーセント以下までステップ状
に減少せしめられ、空燃比がステップ状に大きくされ
る。即ち、EGR率が多量のスモークを発生するEGR
率範囲(図7)を飛び越えるので機関の運転領域が第1
の運転領域Iから第2の運転領域IIに変わるときに多量
のスモークが発生することがない。
【0075】第2の運転領域IIでは従来から行われてい
る燃焼が行われる。この第2の運転領域IIではスロット
ル弁20は一部を除いて全開状態に保持され、EGR制
御弁31の開度は要求負荷Lが高くなると次第に小さく
される。また、この運転領域IIではEGR率は要求負荷
Lが高くなるほど低くなり、空燃比は要求負荷Lが高く
なるほど小さくなる。ただし、空燃比は要求負荷Lが高
くなってもリーン空燃比とされる。また、第2の運転領
域IIでは噴射開始時期θSは圧縮上死点TDC付近とさ
れる。
る燃焼が行われる。この第2の運転領域IIではスロット
ル弁20は一部を除いて全開状態に保持され、EGR制
御弁31の開度は要求負荷Lが高くなると次第に小さく
される。また、この運転領域IIではEGR率は要求負荷
Lが高くなるほど低くなり、空燃比は要求負荷Lが高く
なるほど小さくなる。ただし、空燃比は要求負荷Lが高
くなってもリーン空燃比とされる。また、第2の運転領
域IIでは噴射開始時期θSは圧縮上死点TDC付近とさ
れる。
【0076】図12(A)は第1の運転領域Iにおける
目標空燃比A/Fを示している。図12(A)におい
て、A/F=15.5,A/F=16,A/F=17,
A/F=18で示される各曲線は夫々目標空燃比が1
5.5,16,17,18であるときを示しており、各
曲線間の空燃比は比例配分により定められる。図12
(A)に示されるように第1の運転領域Iでは空燃比が
リーンとなっており、更に第1の運転領域Iでは要求負
荷Lが低くなるほど目標空燃比A/Fがリーンとされ
る。
目標空燃比A/Fを示している。図12(A)におい
て、A/F=15.5,A/F=16,A/F=17,
A/F=18で示される各曲線は夫々目標空燃比が1
5.5,16,17,18であるときを示しており、各
曲線間の空燃比は比例配分により定められる。図12
(A)に示されるように第1の運転領域Iでは空燃比が
リーンとなっており、更に第1の運転領域Iでは要求負
荷Lが低くなるほど目標空燃比A/Fがリーンとされ
る。
【0077】即ち、要求負荷Lが低くなるほど燃焼によ
る発熱量が少くなる。従って要求負荷Lが低くなるほど
EGR率を低下させても低温燃焼を行うことができる。
EGR率を低下させると空燃比は大きくなり、従って図
12(A)に示されるように要求負荷Lが低くなるにつ
れて目標空燃比A/Fが大きくされる。目標空燃比A/
Fが大きくなるほど燃料消費率は向上し、従ってできる
限り空燃比をリーンにするために本発明による実施形態
では要求負荷Lが低くなるにつれて目標空燃比A/Fが
大きくされる。
る発熱量が少くなる。従って要求負荷Lが低くなるほど
EGR率を低下させても低温燃焼を行うことができる。
EGR率を低下させると空燃比は大きくなり、従って図
12(A)に示されるように要求負荷Lが低くなるにつ
れて目標空燃比A/Fが大きくされる。目標空燃比A/
Fが大きくなるほど燃料消費率は向上し、従ってできる
限り空燃比をリーンにするために本発明による実施形態
では要求負荷Lが低くなるにつれて目標空燃比A/Fが
大きくされる。
【0078】なお、図12(A)に示される目標空燃比
A/Fは図12(B)に示されるように要求負荷Lおよ
び機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM4
2内に記憶されている。また、空燃比を図12(A)に
示す目標空燃比A/Fとするのに必要なスロットル弁2
0の目標開度STが図13(A)に示されるように要求
負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予
めROM42内に記憶されており、空燃比を図12
(A)に示す目標空燃比A/Fとするのに必要なEGR
制御弁31の目標開度SEが図13(B)に示されるよ
うに要求負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップ
の形で予めROM42内に記憶されている。
A/Fは図12(B)に示されるように要求負荷Lおよ
び機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM4
2内に記憶されている。また、空燃比を図12(A)に
示す目標空燃比A/Fとするのに必要なスロットル弁2
0の目標開度STが図13(A)に示されるように要求
負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予
めROM42内に記憶されており、空燃比を図12
(A)に示す目標空燃比A/Fとするのに必要なEGR
制御弁31の目標開度SEが図13(B)に示されるよ
うに要求負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップ
の形で予めROM42内に記憶されている。
【0079】図14(A)は第2の燃焼、即ち従来の燃
焼方法による普通の燃焼が行われるときの目標空燃比A
/Fを示している。なお、図14(A)においてA/F
=24,A/F=35,A/F=45,A/F=60で
示される各曲線は夫々目標空燃比24,35,45,6
0を示している。図14(A)に示される目標空燃比A
/Fは図14(B)に示されるように要求負荷Lおよび
機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42
内に記憶されている。また、空燃比を図14(A)に示
す目標空燃比A/Fとするのに必要なスロットル弁20
の目標開度STが図15(A)に示されるように要求負
荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予め
ROM42内に記憶されており、空燃比を図14(A)
に示す目標空燃比A/Fとするのに必要なEGR制御弁
31の目標開度SEが図15(B)に示されるように要
求負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で
予めROM42内に記憶されている。
焼方法による普通の燃焼が行われるときの目標空燃比A
/Fを示している。なお、図14(A)においてA/F
=24,A/F=35,A/F=45,A/F=60で
示される各曲線は夫々目標空燃比24,35,45,6
0を示している。図14(A)に示される目標空燃比A
/Fは図14(B)に示されるように要求負荷Lおよび
機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42
内に記憶されている。また、空燃比を図14(A)に示
す目標空燃比A/Fとするのに必要なスロットル弁20
の目標開度STが図15(A)に示されるように要求負
荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予め
ROM42内に記憶されており、空燃比を図14(A)
に示す目標空燃比A/Fとするのに必要なEGR制御弁
31の目標開度SEが図15(B)に示されるように要
求負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で
予めROM42内に記憶されている。
【0080】また、第2の燃焼が行われているときには
燃料噴射量Qは要求負荷Lおよび機関回転数Nに基づい
て算出される。この燃料噴射量Qは図16に示されるよ
うに要求負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップ
の形で予めROM42内に記憶されている。
燃料噴射量Qは要求負荷Lおよび機関回転数Nに基づい
て算出される。この燃料噴射量Qは図16に示されるよ
うに要求負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップ
の形で予めROM42内に記憶されている。
【0081】次に図17を参照しつつ本実施形態の運転
制御について説明する。図17を参照すると、まず初め
にステップ100において機関の運転状態が第1の運転
領域Iであることを示すフラグIがセットされているか
否かが判別される。フラグIがセットされているとき、
即ち機関の運転状態が第1の運転領域Iであるときには
ステップ101に進んで要求負荷Lが第1の境界X
(N)よりも大きくなったか否かが判別される。L≦X
(N)のときにはステップ103に進んで低温燃焼が行
われる。
制御について説明する。図17を参照すると、まず初め
にステップ100において機関の運転状態が第1の運転
領域Iであることを示すフラグIがセットされているか
否かが判別される。フラグIがセットされているとき、
即ち機関の運転状態が第1の運転領域Iであるときには
ステップ101に進んで要求負荷Lが第1の境界X
(N)よりも大きくなったか否かが判別される。L≦X
(N)のときにはステップ103に進んで低温燃焼が行
われる。
【0082】即ち、ステップ103では図13(A)に
示すマップからスロットル弁20の目標開度STが算出
され、スロットル弁20の開度がこの目標開度STとさ
れる。次いでステップ104では図13(B)に示すマ
ップからEGR制御弁31の目標開度SEが算出され、
EGR制御弁31の開度がこの目標開度SEとされる。
次いでステップ105では質量流量検出器21により検
出された吸入空気の質量流量(以下、単に吸入空気量と
称す)Gaが取込まれ、次いでステップ106では図1
2(B)に示すマップから目標空燃比A/Fが算出され
る。次いでステップ107では吸入空気量Gaと目標空
燃比A/Fに基づいて空燃比を目標空燃比A/Fとする
のに必要な燃料噴射量Qが算出される。
示すマップからスロットル弁20の目標開度STが算出
され、スロットル弁20の開度がこの目標開度STとさ
れる。次いでステップ104では図13(B)に示すマ
ップからEGR制御弁31の目標開度SEが算出され、
EGR制御弁31の開度がこの目標開度SEとされる。
次いでステップ105では質量流量検出器21により検
出された吸入空気の質量流量(以下、単に吸入空気量と
称す)Gaが取込まれ、次いでステップ106では図1
2(B)に示すマップから目標空燃比A/Fが算出され
る。次いでステップ107では吸入空気量Gaと目標空
燃比A/Fに基づいて空燃比を目標空燃比A/Fとする
のに必要な燃料噴射量Qが算出される。
【0083】このように低温燃焼が行われているときに
は要求負荷L又は機関回転数Nが変化するとスロットル
弁20の開度およびEGR制御弁31の開度がただちに
要求負荷Lおよび機関回転数Nに応じた目標開度ST,
SEに一致せしめられる。従って例えば要求負荷Lが増
大せしめられるとただちに燃焼室5内の空気量が増大せ
しめられ、斯くして機関の発生トルクがただちに増大せ
しめられる。
は要求負荷L又は機関回転数Nが変化するとスロットル
弁20の開度およびEGR制御弁31の開度がただちに
要求負荷Lおよび機関回転数Nに応じた目標開度ST,
SEに一致せしめられる。従って例えば要求負荷Lが増
大せしめられるとただちに燃焼室5内の空気量が増大せ
しめられ、斯くして機関の発生トルクがただちに増大せ
しめられる。
【0084】一方、スロットル弁20の開度又はEGR
制御弁31の開度が変化して吸入空気量が変化するとこ
の吸入空気量Gaの変化が質量流量検出器21により検
出され、この検出された吸入空気量Gaに基づいて燃料
噴射量Qが制御される。即ち、吸入空気量Gaが実際に
変化した後に燃料噴射量Qが変化せしめられることにな
る。
制御弁31の開度が変化して吸入空気量が変化するとこ
の吸入空気量Gaの変化が質量流量検出器21により検
出され、この検出された吸入空気量Gaに基づいて燃料
噴射量Qが制御される。即ち、吸入空気量Gaが実際に
変化した後に燃料噴射量Qが変化せしめられることにな
る。
【0085】ステップ101においてL>X(N)にな
ったと判別されたときにはステップ102に進んでフラ
グIがリセットされ、次いでステップ110に進んで第
2の燃焼が行われる。
ったと判別されたときにはステップ102に進んでフラ
グIがリセットされ、次いでステップ110に進んで第
2の燃焼が行われる。
【0086】即ち、ステップ110では図16に示され
るマップから目標燃料噴射量Qが算出され、燃料噴射量
がこの目標燃料噴射量Qとされる。次いでステップ11
1では図15(A)に示すマップからスロットル弁20
の目標開度STが算出される。次いでステップ112で
は図15(B)に示すマップからEGR制御弁31の目
標開度SEが算出され、EGR制御弁31の開度がこの
目標開度SEとされる。
るマップから目標燃料噴射量Qが算出され、燃料噴射量
がこの目標燃料噴射量Qとされる。次いでステップ11
1では図15(A)に示すマップからスロットル弁20
の目標開度STが算出される。次いでステップ112で
は図15(B)に示すマップからEGR制御弁31の目
標開度SEが算出され、EGR制御弁31の開度がこの
目標開度SEとされる。
【0087】次いでステップ113では質量流量検出器
21により検出された吸入空気量Gaが取込まれる。次
いでステップ114では燃料噴射量Qと吸入空気量Ga
から実際の空燃比(A/F)R が算出される。次いでス
テップ115では図14(B)に示すマップから目標空
燃比A/Fが算出される。次いでステップ116では実
際の空燃比(A/F)R が目標空燃比A/Fよりも大き
いか否かが判別される。(A/F)R >A/Fのときに
はステップ117に進んでスロットル開度の補正値ΔS
Tが一定値αだけ減少せしめられ、次いでステップ11
9へ進む。これに対して(A/F)R ≦A/Fのときに
はステップ118に進んで補正値ΔSTが一定値αだけ
増大せしめられ、次いでステップ119に進む。ステッ
プ119ではスロットル弁20の目標開度STに補正値
ΔSTを加算することにより最終的な目標開度STが算
出され、スロットル弁20の開度がこの最終的な目標開
度STとされる。即ち、実際の空燃比(A/F)R が目
標空燃比A/Fとなるようにスロットル弁20の開度が
制御される。
21により検出された吸入空気量Gaが取込まれる。次
いでステップ114では燃料噴射量Qと吸入空気量Ga
から実際の空燃比(A/F)R が算出される。次いでス
テップ115では図14(B)に示すマップから目標空
燃比A/Fが算出される。次いでステップ116では実
際の空燃比(A/F)R が目標空燃比A/Fよりも大き
いか否かが判別される。(A/F)R >A/Fのときに
はステップ117に進んでスロットル開度の補正値ΔS
Tが一定値αだけ減少せしめられ、次いでステップ11
9へ進む。これに対して(A/F)R ≦A/Fのときに
はステップ118に進んで補正値ΔSTが一定値αだけ
増大せしめられ、次いでステップ119に進む。ステッ
プ119ではスロットル弁20の目標開度STに補正値
ΔSTを加算することにより最終的な目標開度STが算
出され、スロットル弁20の開度がこの最終的な目標開
度STとされる。即ち、実際の空燃比(A/F)R が目
標空燃比A/Fとなるようにスロットル弁20の開度が
制御される。
【0088】このように第2の燃焼が行われているとき
には要求負荷L又は機関回転数Nが変化すると燃料噴射
量がただちに要求負荷Lおよび機関回転数Nに応じた目
標燃料噴射量Qに一致せしめられる。例えば要求負荷L
が増大せしめられるとただちに燃料噴射量が増大せしめ
られ、斯くして機関の発生トルクがただちに増大せしめ
られる。
には要求負荷L又は機関回転数Nが変化すると燃料噴射
量がただちに要求負荷Lおよび機関回転数Nに応じた目
標燃料噴射量Qに一致せしめられる。例えば要求負荷L
が増大せしめられるとただちに燃料噴射量が増大せしめ
られ、斯くして機関の発生トルクがただちに増大せしめ
られる。
【0089】一方、燃料噴射量Qが増大せしめられて空
燃比が目標空燃比A/Fからずれると空燃比が目標空燃
比A/Fとなるようにスロットル弁20の開度が制御さ
れる。即ち、燃料噴射量Qが変化した後に空燃比が変化
せしめられることになる。
燃比が目標空燃比A/Fからずれると空燃比が目標空燃
比A/Fとなるようにスロットル弁20の開度が制御さ
れる。即ち、燃料噴射量Qが変化した後に空燃比が変化
せしめられることになる。
【0090】フラグIがリセットされると次の処理サイ
クルではステップ100からステップ108に進んで要
求負荷Lが第2の境界Y(N)よりも低くなったか否か
が判別される。L≧Y(N)のときにはステップ110
に進み、リーン空燃比のもとで第2の燃焼が行われる。
クルではステップ100からステップ108に進んで要
求負荷Lが第2の境界Y(N)よりも低くなったか否か
が判別される。L≧Y(N)のときにはステップ110
に進み、リーン空燃比のもとで第2の燃焼が行われる。
【0091】一方、ステップ108においてL<Y
(N)になったと判別されたときにはステップ109に
進んでフラグIがセットされ、次いでステップ103に
進んで低温燃焼が行われる。
(N)になったと判別されたときにはステップ109に
進んでフラグIがセットされ、次いでステップ103に
進んで低温燃焼が行われる。
【0092】これまで述べた実施形態では低温燃焼が行
われているときに燃料噴射量Qはオープンループ制御さ
れ、第2の燃焼が行われているときに空燃比がスロット
ル弁20の開度を変化させることによって制御される。
しかしながら低温燃焼が行われているときに燃料噴射量
Qを空燃比センサ27の出力信号に基づいてフィードバ
ック制御することもできるし、また第2の燃焼が行われ
ているときに空燃比をEGR制御弁31の開度を変化さ
せることによって制御することもできる。
われているときに燃料噴射量Qはオープンループ制御さ
れ、第2の燃焼が行われているときに空燃比がスロット
ル弁20の開度を変化させることによって制御される。
しかしながら低温燃焼が行われているときに燃料噴射量
Qを空燃比センサ27の出力信号に基づいてフィードバ
ック制御することもできるし、また第2の燃焼が行われ
ているときに空燃比をEGR制御弁31の開度を変化さ
せることによって制御することもできる。
【0093】上述したように本実施形態によれば、ステ
ップ103からステップ107において煤の発生量がピ
ークとなるEGRガス量よりも燃焼室5内に供給される
EGRガス量が多く煤がほとんど発生しない低温燃焼が
行われるため、内燃機関から煤が排出されること及びN
Oxが排出されることを同時に阻止することができる。
ップ103からステップ107において煤の発生量がピ
ークとなるEGRガス量よりも燃焼室5内に供給される
EGRガス量が多く煤がほとんど発生しない低温燃焼が
行われるため、内燃機関から煤が排出されること及びN
Oxが排出されることを同時に阻止することができる。
【0094】更に本実施形態によれば、EGR制御弁3
1の弁体の回転軸61がEGRガスの流れの方向に対し
て垂直に、かつ弁体60の中心に配置される。そのた
め、弁体の回転軸61に対して一方の側の弁体が負圧に
より受ける力と、弁体の回転軸61に対して他方の側の
弁体が負圧により受ける力とが相殺される。その結果、
空気吸込管17内に負圧が発生する条件下でも、EGR
制御弁31は負圧の影響を受けず、それゆえ、EGR制
御弁31の開度は所望の開度に維持される。また、EG
R制御弁31の弁体の回転軸61がEGRガスの流れの
方向に対して垂直に、かつ弁体60の中心に配置される
ため、EGR通路29の幅W1を大きくすることなく、
EGRガスの最大流路幅W2を図18に示した従来のス
トローク式のEGR制御弁の最大流路幅W2’よりも大
きくすることができる。また上述したように、EGR制
御弁31が負圧の影響を受けづらいため、EGR制御弁
31の駆動速度を大きくすることができる。
1の弁体の回転軸61がEGRガスの流れの方向に対し
て垂直に、かつ弁体60の中心に配置される。そのた
め、弁体の回転軸61に対して一方の側の弁体が負圧に
より受ける力と、弁体の回転軸61に対して他方の側の
弁体が負圧により受ける力とが相殺される。その結果、
空気吸込管17内に負圧が発生する条件下でも、EGR
制御弁31は負圧の影響を受けず、それゆえ、EGR制
御弁31の開度は所望の開度に維持される。また、EG
R制御弁31の弁体の回転軸61がEGRガスの流れの
方向に対して垂直に、かつ弁体60の中心に配置される
ため、EGR通路29の幅W1を大きくすることなく、
EGRガスの最大流路幅W2を図18に示した従来のス
トローク式のEGR制御弁の最大流路幅W2’よりも大
きくすることができる。また上述したように、EGR制
御弁31が負圧の影響を受けづらいため、EGR制御弁
31の駆動速度を大きくすることができる。
【0095】更に上述した第二の実施形態においても、
EGR制御弁531の弁体の回転軸561がEGRガス
の流れの方向に対して垂直に、かつ弁体560の中心に
配置される。そのため、弁体の回転軸561に対して一
方の側の弁体が負圧により受ける力と、弁体の回転軸5
61に対して他方の側の弁体が負圧により受ける力とが
相殺される。その結果、空気吸込管17内に負圧が発生
する条件下でも、EGR制御弁531は負圧の影響を受
けず、それゆえ、EGR制御弁531の開度は所望の開
度に維持される。また、EGR制御弁531の弁体の回
転軸561がEGRガスの流れの方向に対して垂直に、
かつ弁体560の中心に配置されるため、EGR通路2
9の幅を大きくすることなく、EGRガスの最大流路幅
を図18に示した従来のストローク式のEGR制御弁の
最大流路幅W2’よりも大きくすることができる。また
上述したように、EGR制御弁531が負圧の影響を受
けづらいため、EGR制御弁531の駆動速度を大きく
することができる。
EGR制御弁531の弁体の回転軸561がEGRガス
の流れの方向に対して垂直に、かつ弁体560の中心に
配置される。そのため、弁体の回転軸561に対して一
方の側の弁体が負圧により受ける力と、弁体の回転軸5
61に対して他方の側の弁体が負圧により受ける力とが
相殺される。その結果、空気吸込管17内に負圧が発生
する条件下でも、EGR制御弁531は負圧の影響を受
けず、それゆえ、EGR制御弁531の開度は所望の開
度に維持される。また、EGR制御弁531の弁体の回
転軸561がEGRガスの流れの方向に対して垂直に、
かつ弁体560の中心に配置されるため、EGR通路2
9の幅を大きくすることなく、EGRガスの最大流路幅
を図18に示した従来のストローク式のEGR制御弁の
最大流路幅W2’よりも大きくすることができる。また
上述したように、EGR制御弁531が負圧の影響を受
けづらいため、EGR制御弁531の駆動速度を大きく
することができる。
【0096】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、内
燃機関から煤が排出されること及びNOxが排出される
ことを同時に阻止しつつ、機関吸気通路内に負圧が発生
する場合であってもEGR制御弁の開度を所望の開度に
維持すると共に、排気ガス再循環通路の外形を大きくす
ることなく再循環排気ガスの最大流路面積を大きくする
ことができる。
燃機関から煤が排出されること及びNOxが排出される
ことを同時に阻止しつつ、機関吸気通路内に負圧が発生
する場合であってもEGR制御弁の開度を所望の開度に
維持すると共に、排気ガス再循環通路の外形を大きくす
ることなく再循環排気ガスの最大流路面積を大きくする
ことができる。
【0097】請求項4及び5に記載の発明によれば、排
気ガス再循環率が、煤の発生量がピークになる排気ガス
再循環率に設定されるのを回避することができる。
気ガス再循環率が、煤の発生量がピークになる排気ガス
再循環率に設定されるのを回避することができる。
【0098】請求項6に記載の発明によれば、運転領域
に応じて適切な燃焼を実行することができる。
に応じて適切な燃焼を実行することができる。
【0099】請求項7及び8に記載の発明によれば、未
燃炭化水素が内燃機関から排出されるのを阻止すること
ができる。
燃炭化水素が内燃機関から排出されるのを阻止すること
ができる。
【図1】圧縮着火式内燃機関の全体図である。
【図2】バタフライ式EGR制御弁の詳細図である。
【図3】ロータリー式EGR制御弁の詳細図である。
【図4】スモークおよびNOxの発生量等を示す図であ
る。
る。
【図5】燃焼圧を示す図である。
【図6】燃料分子を示す図である。
【図7】スモークの発生量とEGR率との関係を示す図
である。
である。
【図8】噴射燃料量と混合ガス量との関係を示す図であ
る。
る。
【図9】第1の運転領域Iおよび第2の運転領域IIを示
す図である。
す図である。
【図10】空燃比センサの出力を示す図である。
【図11】スロットル弁の開度等を示す図である。
【図12】第1の運転領域Iにおける空燃比等を示す図
である。
である。
【図13】スロットル弁等の目標開度のマップを示す図
である。
である。
【図14】第2の燃焼における空燃比等を示す図であ
る。
る。
【図15】スロットル弁等の目標開度のマップを示す図
である。
である。
【図16】燃料噴射量のマップを示す図である。
【図17】機関の運転を制御するためのフローチャート
である。
である。
【図18】従来のEGR制御弁の部分断面側面図であ
る。
る。
5…燃焼室
17…空気吸込管
29…EGR通路
31…EGR制御弁
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
F02D 21/08 301 F02D 21/08 301B
301D
41/02 351 41/02 351
(72)発明者 後藤 雅人
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自
動車株式会社内
(72)発明者 村田 宏樹
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自
動車株式会社内
(72)発明者 安部 司
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自
動車株式会社内
(56)参考文献 特開 平7−4287(JP,A)
特開 平8−177654(JP,A)
特開 平8−86251(JP,A)
特開 平9−287527(JP,A)
特開 平9−287528(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F02M 25/07
F02D 41/00 - 45/00
F02B 1/00 - 23/06
Claims (8)
- 【請求項1】 機関排気通路と機関吸気通路とを再循環
排気ガス通路により連結し、燃焼室内に供給される再循
環排気ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大
してピークに達し、燃焼室内に供給される再循環排気ガ
ス量を更に増大していくと燃焼室内における燃焼時の燃
料およびその周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くな
って煤がほとんど発生しなくなる内燃機関の排気ガス再
循環通路内に再循環排気ガスの量を制御するために設け
られた排気ガス再循環量制御弁であって、弁体が回転す
ることにより再循環排気ガスの流路面積が変更され、前
記弁体の回転軸が再循環排気ガスの流れの方向に対して
垂直に、かつ前記弁体の中心に配置された排気ガス再循
環量制御弁。 - 【請求項2】 前記排気ガス再循環量制御弁がバタフラ
イ式である請求項1に記載の排気ガス再循環量制御弁。 - 【請求項3】 前記排気ガス再循環量制御弁がロータリ
ー式である請求項1に記載の排気ガス再循環量制御弁。 - 【請求項4】 前記内燃機関は、前記煤がほとんど発生
しない燃焼である第1の燃焼と、煤の発生量がピークと
なる再循環排気ガスの量よりも前記燃焼室内に供給され
る再循環排気ガスの量が少ない第2の燃焼とを選択的に
切り換える切換手段を具備し、前記第1の燃焼から前記
第2の燃焼に又は前記第2の燃焼から前記第1の燃焼に
切り換えられるときに排気ガス再循環率がステップ状に
変化せしめられる請求項1に記載の排気ガス再循環量制
御弁。 - 【請求項5】 前記第1の燃焼が行われているときの排
気ガス再循環率がほぼ55パーセント以上であり、前記
第2の燃焼が行われているときの排気ガス再循環率がほ
ぼ50パーセント以下である請求項4に記載の排気ガス
再循環量制御弁。 - 【請求項6】 機関の運転領域を低負荷側の第1の運転
領域と高負荷側の第2の運転領域とに分割し、前記第1
の運転領域では前記第1の燃焼を行い、前記第2の運転
領域では前記第2の燃焼を行うようにした請求項4に記
載の排気ガス再循環量制御弁。 - 【請求項7】 前記内燃機関が、前記燃焼室から排出さ
れた未燃炭化水素を酸化するための酸化機能を有する触
媒を機関排気通路内に具備する請求項1に記載の排気ガ
ス再循環量制御弁。 - 【請求項8】 前記触媒が酸化触媒、三元触媒又はNO
x吸収剤の少くとも一つからなる請求項7に記載の排気
ガス再循環量制御弁。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35769798A JP3409722B2 (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | 排気ガス再循環量制御弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35769798A JP3409722B2 (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | 排気ガス再循環量制御弁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000179411A JP2000179411A (ja) | 2000-06-27 |
JP3409722B2 true JP3409722B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=18455453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35769798A Expired - Fee Related JP3409722B2 (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | 排気ガス再循環量制御弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP2006299934A (ja) * | 2005-04-21 | 2006-11-02 | Hitachi Ltd | 排気ガス還流装置、及び排気ガス還流装置を備えたディーゼル機関の絞り弁装置 |
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JP6590734B2 (ja) * | 2016-02-29 | 2019-10-16 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | ロータリー弁装置、過給機、および、多段過給システム |
-
1998
- 1998-12-16 JP JP35769798A patent/JP3409722B2/ja not_active Expired - Fee Related
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