JP3409275B2 - 熱処理歪の少ない肌焼鋼 - Google Patents
熱処理歪の少ない肌焼鋼Info
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Description
焼鋼に関し、詳細には浸炭焼入れによる部品の形状変化
が少なく、寸法のばらつきの小さい肌焼鋼に関するもの
である。
に曲げ応力や高い面圧が繰り返しかかることから、耐疲
労性及び耐摩耗性に優れることが要求される。そこで靭
性に優れた低炭素鋼を用いることで耐疲労性を確保する
と共に、上記低炭素鋼に浸炭焼入れを施すことにより表
面を硬化し耐摩耗性を向上する方法が採用されている。
但し、浸炭焼入れは高温で加熱した後に急冷を行う処理
であるので、冷却工程において部品の表層部と内部の温
度差に起因する熱応力が発生すると共に、相変態に伴う
体積変化により変態応力が発生して熱処理歪が不可避的
に発生する。例えば、ギア等の略円筒型部品やスリーブ
等のリング型部品の場合には、外径の真円度や端面の平
坦度が悪くなったり、シャフト等の軸型部品の場合には
曲がりが生じたりする。しかも浸炭焼入れは部品の最終
加工段階で行われることが一般的であることから、発生
した熱処理歪はそのまま部品に残されることとなり、特
定の位置だけに高い圧力がかかって、耐久性の低下を招
いたり、或いは騒音や振動を発生させる等、部品の性能
に直接影響を及ぼすものである。
できるだけ小さくすることを目的として、浸炭焼入れの
際に拘束治具を用いて鋼材を拘束する方法や、浸炭焼入
れ後に部品形状を修正するような方法等が行われている
が、いずれの方法も多大の費用と労力を要するという問
題点がある。特開平2−240249号公報には、浸炭
焼入れ時に部品の拘束を行ったり、浸炭焼入れ後に形状
の修正を行わなくても、熱処理歪の発生を少なくできる
浸炭部品の製造方法が開示されている。但し、この方法
では特定成分の機械構造用鋼を用いて浸炭処理した後、
特定の焼入剤を用いて焼入れを行う必要があった。
目してなされたものであり、浸炭焼入れ時に部品の拘束
を行ったり、浸炭焼入れ後に形状の修正を行う等しなく
ても浸炭焼入れによる熱処理歪を少なくすることのでき
る肌焼鋼であって、しかも焼入時に特定の焼入剤等を必
要としない肌焼鋼を提供しようとするものである。
明の肌焼鋼とは、棒状圧延材の横断面において等軸晶の
占める領域が面積率で30%以下であり、なお且つ前記
等軸晶域の中心と前記横断面の中心との距離をb、圧延
材の直径をDとする時、b/Dの値が0.05以下であ
り、化学成分が、C:0.01〜0.30%(質量%の
意味、以下同じ)、Si:2.0%以下(0%を含まな
い)、Mn:0.20〜2.5%未満、Al:0.01
〜1.0%、N:0.003〜0.03%を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなることを要旨とする
ものであり、また棒状圧延材の横断面における中心偏析
帯の中心と前記横断面の中心との距離をa、圧延材の直
径をDとする時、a/Dの値が0.05以下であること
が望ましい。
算出するにあたり、等軸晶と柱状晶が混在する分岐柱状
晶の領域が存在する場合には、上記分岐柱状晶域は等軸
晶域に含めて面積率を算出することとする。
Ti:0.005〜0.3%を含有しても良い。
C:0.01〜0.30%、Si:2.0%以下(0%
を含まない)、Mn:0.20〜2.5%未満、Al:
0.01〜1.0%、B:0.01%以下(0%を含ま
ない)、Ti:0.005〜0.3%、N:0.002
〜0.01%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなるものであっても良い。
0.2〜4.5%、Cr:0.2〜6.0%、Mo:
0.05〜1.0%、Cu:0.2〜1.0%よりなる
群から選択される1種以上を含有させてもよく、また靭
性の向上を目的としてV:0.03〜1.5%及び/又
はNb:0.005〜1.5%を含有させてもよく、さ
らに被削性の向上を目的として、S:0.02〜0.3
%、Ca:0.0003〜0.01%、Pb:0.3%
以下(0%を含まない)、Te:0.1%以下(0%を
含まない)、Zr:0.1%以下(0%を含まない)よ
りなる群から選択される1種以上を含有させてもよい。
む多くの実験データに基づいて、上記圧延材横断面中の
等軸晶(分岐柱状晶域を含む)の面積率が浸炭焼入れ時
の熱処理歪に及ぼす影響を調べたところ、図1に示した
グラフの通り、圧延材横断面中の等軸晶域の面積率が小
さくなるほど焼入歪量が少なくなるとの知見を得た。具
体的には、面積率が30%を超えると歪発生量が極端に
悪くなっており、等軸晶域の割合を30%以下に抑える
必要があることが分かった。
処理歪に及ぼす鋳造組織の影響について様々な角度から
研究を重ねた結果、鋳造時に生成する鋳造組織と熱処理
歪の間に非常に大きな相関があることを見出し本発明に
想到したものであり、本発明では棒状圧延材の横断面に
おいて、等軸晶域(分岐柱状晶域を含む)を面積率で3
0%以下に抑えることにより、浸炭焼入れ時の熱処理歪
の発生を極力抑制するものである。
生成し、鋳造後期には等軸晶2が生成することが知られ
ているが、柱状晶域に対して等軸晶域ではCやCr等の
焼入性向上元素の含有量が多く、その分ミクロ的には上
記焼入性向上元素の成分偏析の程度が大きくなってい
る。このため、等軸晶域では焼入性が部分的に大きく異
なっており、この焼入性のバラツキが浸炭焼入れ時の歪
の原因となっているものと考えられる。従って、本発明
ではミクロ的な成分偏析が大きく焼入れ性のバラツキの
大きい等軸晶域を減少させて、ミクロ的な成分偏析が小
さく焼入性のバラツキの小さい柱状晶域を増大させるこ
とにより、焼入歪量が非常に小さく制限できるものであ
る。
る焼入れ性のバラツキの大きい等軸晶域が、中心よりも
ずれた位置に存在する場合、片側で等軸晶領域が大きく
なり、浸炭焼入れ時に、片側に偏った歪が発生してしま
う。これに対して、等軸晶の中心が圧延材の中心付近に
存在する場合は、全円周方向に対して均一に変形するた
め、全周に均一に変形が発生する。従って本発明では、
更に、図2に示す様に棒状圧延材の横断面における等軸
晶域の中心と前記横断面の中心との距離をb、圧延材の
直径をDとする時、b/Dの値を0.05以下に抑える
ことにより、浸炭焼入れ時の熱処理歪を低減させる。
生成する中心偏析帯はその周囲よりもCやCr等の焼入
性向上元素がかなり高くなっていることから、中心偏析
帯は周囲よりも焼入性が高い。この中心偏析帯が鋼材の
中心より離れた位置に存在する場合、浸炭焼入れ時に中
心偏析帯においては周囲に比べマルテンサイトが生成し
易く、且つ変態膨張量も大きくなり、片側に偏った歪が
発生してしまう。一方、中心偏析帯が中心付近に存在す
る場合は、全円周方向または厚み方向に対して均一に変
形が発生する。従って、図2に示す様に、棒状圧延材の
横断面における中心偏析帯の中心と前記横断面の中心と
の距離をa、圧延材の直径をDとする時、a/Dの値を
0.05以下とすることが、浸炭焼入れ時の熱処理歪を
低減させる上で望ましい。
するにあたっては、比較的大きな速度で冷却を施しなが
ら連続鋳造を行うことが望ましく、鋳造開始から約80
0℃までを4℃/min以上の速度で冷却することが好
ましい。また連続鋳造の際に、電磁撹拌を行うと等軸晶
域が大きくなり易いので、電磁撹拌は極力制限すること
が推奨される。
面だけから冷却を施した場合に圧延材中心からずれるの
で、できるだけ鋳片の全周から均一に冷却を施すことが
望ましい。また等軸晶域の中心は、冷却速度が遅く、或
いは鋳片の片側だけを冷却するような不均一冷却の場合
に、圧延材中心からずれて前記b/Dの値が0.05を
超えるので、冷却速度を比較的速くし、且つ鋳片の全周
から均一に冷却を施すことが望ましい。
C,Si,Mn,Al,Nを以下の範囲で含有させ、残
部をFe及び不可避的不純物とすることが望ましい。
し、必要な有効硬化層深さを得るのに効果的な元素であ
ることから0.01%以上含有させることが必要であ
り、0.10%以上であると望ましい。但し、多過ぎる
と焼入れ時の芯部の変態膨張量が大きくなって熱処理歪
が大きくなり、また被削性や靱性が劣化するので上限は
0.30%とすることが必要であり、0.25%以下で
あると望ましい。
元素として芯部硬さの向上に寄与するが、多過ぎると浸
炭性を阻害すると共に粒界酸化を助長して曲げ疲労特性
にも悪影響を及ぼすので上限を2.0%とした。より好
ましくは0.8%以下である。
て表層及び芯部硬さを高め、疲労強度の向上に寄与する
元素である。それらの作用を有効に発揮するには0.2
0%以上含有させなければならない。より好ましくは
0.3%以上である。一方、多過ぎると素材が硬くなり
過ぎて冷圧性や被削性が悪くなると共に、焼入れ時の芯
部の変態膨張量が大きくなって熱処理歪が大きくなるの
で上限を2.5%未満とした。好ましくは1.6%以下
である。
長を抑えることにより歪を抑制するのに有効な元素であ
り、0.01%以上の添加が必要である。但し、1.0
%を超えて添加してもこの効果は飽和するため上限を
1.0%とした。好ましくは0.04%以下である。
晶粒の成長を抑制する元素である。この効果を発揮する
ためには0.003%以上の添加が必要である。しか
し、0.03%を超えて過多に含有させると鍛造時や熱
間加工時に割れを起こし易くなるため、上限を0.03
%とした。好ましくは0.02%以下である。
上記成分に加えてBを含有させてもよく、その場合に
は、N含有量を更に制限した上で、Tiを併用すること
が望ましい。
向上させるのに有用な元素である。但し、多過ぎてもそ
の効果は飽和するので、上限を0.01%とした。
細化に有効であるから、B含有の有無に限らず含有させ
ることが望ましいが、Bと併用する場合には、特に鋼中
のNを固定してBを有効に働かせる効果も発揮する。こ
の様なTiの添加効果を発揮するためには0.005%
以上の添加が必要である。但し、多過ぎると粗大なTi
N等の硬質介在物が多量生成して曲げ疲労特性や転動疲
労特性を劣化させるので0.3%以下とする。好ましく
は0.1%以下であり、0.05%以下であるとより好
ましい。
てBNとなりBの焼入性向上効果を阻害するので、Nは
少なめに添加することが望ましく、下限を0.002%
として上限を0.01%とすることが望ましい。
Cr,Mo,Cuを以下の範囲で添加しても良い。
の生成を抑えると共に靱性の向上に有効な元素であり、
このためには0.2%以上の添加が必要である。但し、
多過ぎても芯部硬さが高くなりすぎ、かえって焼入歪を
増大させるので上限を4.5%とした。より好ましくは
2.0%以下である。
深さや芯部硬さを確保するのに有効な元素である。その
ためには0.2%以上の添加が必要であり、0.3%以
上であれば望ましい。一方、多過ぎると浸炭性を阻害す
るばかりでなく、芯部硬さが増大しすぎて、歪が大きく
なるため、上限を6.0%とした。好ましくは2.0%
以下である。
の生成を抑制したり、有効硬化層深さを深くして芯部硬
さを高め、さらにはオーステナイト結晶粒を微細化して
曲げ疲労強度や靱性の向上に有用な元素であることか
ら、0.05%以上含有させることが望ましい。但し、
多くなり過ぎると芯部硬さが高くなりすぎて歪を増大さ
せると共に被削性の低下も招くので1.0%以下とする
ことが望ましく、0.5%以下であるとより好ましい。
であり、且つ耐食性の向上にも有効である。この効果を
十分に発揮させるには0.2%以上含有することが望ま
しい。但し、多過ぎると熱間割れを生じ易くなって熱間
加工性を阻害するので上限は1.0%とすることが望ま
しく、0.6%以下とすることがより好ましい。
の微細化に有効であり靭性の向上に効果的であるので以
下の範囲で含有させることが望ましい。
であり、また炭化物の安定性を高め、軟化抵抗を高める
ことにより転動疲労強度を向上させるのに効果的である
ので0.03%含有させることが好ましく、0.20%
以上であればより好ましい。但し、多過ぎると芯部のA
3 ,A1 変態点が大幅に低下し、芯部のオーステナイト
化が不十分となり焼入れによって焼きが入らず、硬さが
低くなるので、上限は1.5%とすべきであり、1.0
%以下とすることがより好ましい。
以上含有させることが望ましく、0.01%以上含有さ
せればより望ましい。但し、過度に添加しても効果は飽
和するので、1.5%以下の添加量でよく1.0%以下
がより好ましい。
被削性向上元素であり、夫々以下の範囲で添加すること
が推奨される。
ることが望ましいが、多量に含有させ過ぎるとMnSが
多く生成し、横目(圧延方向と垂直な方向)の疲労特性
や衝撃特性に悪影響を与えるので上限は0.3%とする
ことが好ましい。
り、介在物を球状化して異方性を改善し靱性および曲げ
疲労強度を劣化させずに被削性を向上させることができ
るので0.0003%以上添加することが望ましく、
0.0008%以上がより望ましい。一方、0.01%
を超えると粗大な複合介在物が多数生成して、曲げ疲労
特性、転動疲労特性が劣化するので、上限は0.01%
とすべきであり、0.005%以下の含有量が望まし
い。
すると曲げ疲労強度や転動疲労寿命が大幅に低下するた
め上限を0.3%とした。より好ましくは0.1%以下
である。
間圧延時にMnSの変形を抑制してMnSの球状化に寄
与することによって、横目の靱性および曲げ疲労強度を
劣化させずに被削性を向上させる。但し、0.1%を超
えると非金属介在物の増大により曲げ疲労強度を劣化さ
せるので上限を0.1%とした。
状化に寄与することによって、異方性を改善し、靱性お
よび曲げ疲労強度を劣化させずに被削性を向上させる。
但し、0.1%を超えるとZrO2 等の非金属介在物が
多く生成し、曲げ疲労強度を劣化させるので上限を0.
1%とした。
合には、部品に加工した後、通常の方法により浸炭焼入
れを行えばよいが、ガス,真空,プラズマ等による浸炭
処理または浸炭窒化処理を行うか、もしくは軟窒化処理
を行い、或いは浸炭後に高周波焼入れ処理を行い、必要
によりショットピーニング加工を行って表面を強化して
もよい。
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
の等軸晶の割合を変化させるために、鋳造開始から80
0℃までの冷却速度を次の様に、鋼材により夫々変えて
鋳造した。即ち、鋼No.1〜20は10℃/minで冷
却し、No.21は7℃/minで冷却し、No.22
〜24は、冷却速度2℃/minで鋳造を行った。尚、
No.15,21とNo.23,24は、中心偏析帯及
び等軸晶域の中心が圧延材中心からずれて形成されてい
ることの影響を調べるため、鋳片の片方のみを水冷し
た。また、No.22以外は、曲げ連鋳で鋳造を行い、
No.22は造塊法で鋳造し、次いでφ80mmの丸棒
に圧延した。
を行い、圧延材横断面中の等軸晶の占める割合を面積率
で示した。等軸晶域の測定は、JIS G 0553に
規定された鋼のマクロ組織試験方法に準じて、約20%
HCl液中で約30〜40秒間腐食し、等軸晶と柱状晶
に分離し、等軸晶域の面積率を測定し、更に中心偏析帯
および等軸晶域の中心と横断面の中心との距離を測定し
た。なお、等軸晶と柱状晶が混在している領域(分岐柱
状晶域)はすべて等軸晶域に分類した。測定結果は表2
に示す。
に切断した後、熱間鍛造にて高さ28mmの円板に据込
み加工し、加熱(900℃×1Hr)→空冷の焼ならし
処理を行った。その後、図3に示す様なリング型試験片
を切り出し、図4に示す様にカーボンポテンシャル0.
8%で浸炭処理(920℃×2Hr+850℃×0.5
Hr)を施した後、130℃のオイル中で焼入れを行
い、続いて170℃×2Hrの焼戻しを行った。その
後、図3に示す位置において端面の平坦度及び外径真円
度を測定した。
加熱(900℃×1Hr)→空冷の焼ならし処理を行っ
た後、図5に示すφ20mm×200mmの軸型試験片
に加工した。さらに、図4に示す前記浸炭処理及び焼入
れ・焼戻し処理を行い、その後、図5に示す位置におい
て軸の曲がりを測定した。測定結果は表2に併記する。
%以下であり、且つ等軸晶中心のズレも小さい(b/D
≦0.05)本発明鋼であり、等軸晶面積率が30%を
超える及び/又は等軸晶中心のズレが大きい(b/D>
0.05)比較鋼No.21〜24と比較して、端面の
平坦度及び外径真円度が高く、また軸の曲がりも少なか
った。尚、比較鋼No.21は、等軸晶の面積率が30
%以下であるが、等軸晶中心のズレが大きく、本発明鋼
に比較すると熱処理歪が大きくなっている。また、比較
鋼No.23,24は、等軸晶の面積率が高いだけでな
く、中心偏析帯及び等軸晶中心のズレも大きく、特に外
形真円度が悪かった。
は30%以下であり、中心偏析帯及び等軸晶中心のズレ
も少ないが、C,Si,Mn,Al,Nの含有量が多過
ぎるか、少な過ぎる場合の本発明例であり、No.16
〜18は夫々C,Si,Mnの含有量が多いため焼入れ
性が高く本発明鋼に比較すると熱処理歪が大きくなって
いる。No.19,20は夫々Al,Nの含有量が少な
く、浸炭焼入れ時にオーステナイト結晶粒が粗大とな
り、本発明鋼に比較すると熱処理歪が大きくなってい
る。
下である本発明鋼であり、且つ等軸晶中心のズレも少な
いが、中心偏析帯が鋳片中心よりずれており、No.1
〜14の本発明鋼と比較すると軸の曲がりが大きくなっ
ている。
材鋳造時の等軸晶域の面積率及び等軸晶中心の位置を制
御することにより、望ましくは更に中心偏析帯及び成分
組成を制御することにより、浸炭焼入れ時に部品の拘束
を行ったり、浸炭焼入れ後に形状の修正を行う等しなく
ても熱処理歪を少なくできる肌焼鋼であって、しかも焼
入時に特定の焼入剤等を必要としない肌焼鋼が提供でき
ることとなった。
関係を示すグラフである。
歪の測定位置を示す説明図である。
処理の条件を示す説明図である。
測定位置を示す説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 C :0.01〜0.30%(質量%の意味、以下同じ) Si:2.0%以下(0%を含まない)、 Mn:0.20〜2.5%未満、 Al:0.01〜1.0%、 N :0.003〜0.03% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、 棒状圧延材の横断面において等軸晶の占める領域が面積
率で30%以下であり、且つ前記等軸晶域の中心と前記
横断面の中心との距離をb、圧延材の直径をDとする
時、b/Dの値が0.05以下であることを特徴とする
熱処理歪の少ない肌焼鋼。 - 【請求項2】 棒状圧延材の横断面における中心偏析帯
の中心と前記横断面の中心との距離をa、圧延材の直径
をDとする時、a/Dの値が0.05以下である請求項
1に記載の肌焼鋼。 - 【請求項3】 さらに他の元素として Ti:0.005〜0.3% を含有するものである請求項1または2に記載の肌焼
鋼。 - 【請求項4】 C :0.01〜0.30%、 Si:2.0%以下(0%を含まない)、 Mn:0.20〜2.5%未満、 Al:0.01〜1.0%、 B :0.01%以下(0%を含まない)、 Ti:0.005〜0.3%、 N :0.002〜0.01% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、棒状圧延材の横断面において等軸晶の占める領域が面積
率で30%以下であり、且つ前記等軸晶域の中心と前記
横断面の中心との距離をb、圧延材の直径をD とする
時、b/Dの値が0.05以下であることを特徴とする
熱処理歪の少ない肌焼鋼。 - 【請求項5】 棒状圧延材の横断面における中心偏析帯
の中心と前記横断面の中心との距離をa、圧延材の直径
をDとする時、a/Dの値が0.05以下である請求項
4に記載の肌焼鋼。 - 【請求項6】 さらに他の元素として Ni:0.2〜4.5%、 Cr:0.2〜6.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Cu:0.2〜1.0% よりなる群から選択される1種以上を含有するものであ
る請求項1〜5のいずれかに記載の肌焼鋼。 - 【請求項7】 さらに他の元素として V :0.03〜1.5%、 Nb:0.005〜1.5% よりなる群から選択される1種以上を含有するものであ
る請求項1〜6のいずれかに記載の肌焼鋼。 - 【請求項8】 さらに他の元素として S :0.02〜0.3%、 Ca:0.0003〜0.01%、 Pb:0.3%以下(0%を含まない)、 Te:0.1%以下(0%を含まない)、 Zr:0.1%以下(0%を含まない) よりなる群から選択される1種以上を含有するものであ
る請求項1〜7のいずれかに記載の肌焼鋼。
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- 1997-10-23 JP JP29137997A patent/JP3409275B2/ja not_active Expired - Lifetime
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