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JP3405081B2 - ワーク固定装置 - Google Patents

ワーク固定装置

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JP3405081B2
JP3405081B2 JP22999596A JP22999596A JP3405081B2 JP 3405081 B2 JP3405081 B2 JP 3405081B2 JP 22999596 A JP22999596 A JP 22999596A JP 22999596 A JP22999596 A JP 22999596A JP 3405081 B2 JP3405081 B2 JP 3405081B2
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務 長谷川
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク固定装置に
関し、さらに詳しくは、外形の異なるワークを、把持す
ることにより固定するワーク固定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、摩擦圧接においては、接合しよ
うとするワークの端面を互いに接触させて加圧しながら
相対運動させることによって接合界面に摩擦熱を発生さ
せ、アプセット推力を加えることにより両ワークを接合
する。相対運動としては、一般に、第1のワークを回転
させ第2のワークを固定する場合と、第1と第2のワー
クとの間に第3のワークをはさみ、第1および第2のワ
ーク、または第3のワークのいずれか一方を固定すると
共に他方を回転させる場合、あるいは回転に代えてワー
クを振動させる場合がある。
【0003】摩擦圧接装置は、一般に、少なくとも1つ
のワークを回転不能に把持することにより固定するワー
ク固定装置と、他のワークを固定されたワークの軸線と
同一軸線上に対向するように把持して相対運動として回
転させるワーク回転装置と、ワーク固定装置に固定され
たワークとワーク回転装置に把持されて回転されるワー
クとの接合面を互いに相対的に互いに押し付けるように
加圧すると共にアプセット推力を与えるための推力装置
とを備えている。そして、ワークの接合面を互いに押し
つける際にワークの後退を規制するため、ワーク固定装
置とワーク回転装置には、ワークの接合面とは反対側の
端面が当接されるストッパ部材がそれぞれ設けられてい
る。
【0004】このような摩擦圧接装置において、ワーク
を精度良く接合するためには、ストッパ部材に当接され
た各ワークの接合面をワーク固定装置およびワーク回転
装置から所定の長さで突出させるように、ワークを正確
な位置で、しかも確実に把持して固定することが必要と
なる。
【0005】従来のワーク固定装置としては、実公昭4
5−5634号公報に開示されているように、一対のク
ランプ台に対して着脱可能に取付けられる一対の把握工
具の内面に、対称的にクロス状の把握溝を設け、この把
握溝の各断面をほぼ半円形に凹刻した、摩擦圧接機のク
ランプ装置における管部材用把握工具が知られている。
【0006】この管部材用把握工具では、把持工具に十
文字状に形成された縦の把握溝と横の把握溝の径を異径
とし、把持工具の対向内面を90°だけ転移させること
により、二種の直管を単一の工具で把握し得るようにし
ている。
【0007】また、別の従来のワーク固定装置として
は、特公平4−2351号公報に開示されているよう
に、ベッド上に圧接軸線を挟んで対向するように一対の
スライダーを配置し、このスライダに対して爪ホルダを
圧接軸線に平行な軸線回りに回動可能に設置し、爪ホル
ダは異なるクランプ面を有する複数のクランプ爪を円周
方向に備えてなり、爪ホルダに対して係合または離脱す
ることで爪ホルダをスライダに対して固定または解放す
る固定機構を設けた摩擦圧接機のクランプ装置が知られ
ている。
【0008】この摩擦圧接機のクランプ装置では、ベッ
ド上にクランプベースを設置し、クランプベースには圧
接軸線を挟んで対向するように一対のスライダーが配設
されると共に、各スライダーはクランプベースに横架固
定されたガイドバーに摺動可能に取付けられている。な
お、この摩擦圧接機のクランプ装置の詳細な説明におい
ては、ワークの両端部近傍を把持するように、2台のク
ランプ装置が設置されている。
【0009】また、爪ホルダをスライダに対して固定ま
たは解放する固定機構は、爪ホルダーとスライダーとの
当接摺動面において、爪ホルダー側に円周方向に等間隔
で形成された係合孔と、この係合孔に係脱し得るように
スライダー側に対応して突設された位置決めピンとから
なり、スライダにはロックシリンダが形成され、このロ
ックシリンダのピストンロッドに爪ホルダーが取付けら
れている。そして、クランプ爪の位置を交換する場合に
は、ロックシリンダのピストンロッドを軸方向に伸長作
動し、爪ホルダーをスライダーから離間するように移動
させる。すると、位置決めピンが係合孔から抜け出るた
め、爪ホルダーをピストンロッドの軸回りに回動操作し
てクランプ爪を位置換えする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のう
ち、実公昭45−5634号公報に開示されたものにあ
っては、把持工具に異なる径の把持溝を直行するように
形成しているため、把持するワークに対して2種類の異
なる形状しか対応することができないという問題があっ
た。そして、この把持工具に形成された2種類の形状以
外のワークを把持する必要がある場合には把持工具を交
換しなければならず、把持工具を交換するため作業は手
作業に頼るしかなく、その交換作業の手間が煩雑である
という問題があった。また、ワークがある程度の長さを
有するような場合には、ワークを部分的にしか把持する
ことができず、ワークを互いの軸線と同一軸線上に確実
に対向するように把持して回転不能に固定することがで
きないという問題があった。
【0011】また、上記従来の技術のうち、特公平4−
2351号公報に開示されたものにあっては、固定機構
が爪ホルダーをロックシリンダのピストンロッドの軸方
向に移動させる構成となっているため、爪ホルダーの回
動軸は、両端を支持する構造とすることができず、ピス
トンロッドに対して所謂片持ちの状態で取付けられるこ
ととなる。この片持ちの状態で取付けられた爪ホルダで
は、ワークを必要な把持力により把持して確実に回転不
能に固定することに限界がある。
【0012】さらに、特に、特公平4−2351号公報
に開示されたものにあっては、ワークの両端部近傍を把
持するため、2台のスライダが配設されたクランプベー
スがベッド上に設置されているが、この2台のクランプ
ベースの間隔を任意に調整することができないため、ワ
ークの長さによっては、爪ホルダーからの突出量を適正
にできない場合がある。そのため、複数のワーク外形に
対応してワークを把持することができないという問題が
あった。これに加えて、クランプ爪の位置を交換する場
合には、スライダに設置された各爪ホルダを、それぞれ
位置決めピンから係合孔を離脱することにより解放し、
回動操作する必要があるため、手間がかかるという問題
があった。
【0013】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、その第1の目的は、複数のワーク外形に対応してワ
ークを確実に把持して固定することができるワーク固定
装置を提供することにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、複数の長さ
のワークに対応して適正に突出させた状態で把持して固
定することができるワーク固定装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に係る発明は、複数のワーク外形に
合わせて複数の把持部が形成された複数の爪部材を、把
持するワークに対応する把持部がワーク把持位置に位置
するように回動可能に設け、各爪部材の回動軸の両端を
ワークに対してそれぞれ近接および離反可能に支持した
ユニットを備えるものである。
【0016】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明におい
て、複数のユニットをワークの軸方向に相対移動可能に
設け、少なくとも1つのユニットは、爪部材を回動させ
るための駆動手段を有しており、他のユニットは、前記
駆動手段に従動して爪部材を回動させるように、前記駆
動手段と連結可能としたことを特徴とするものである。
【0017】請求項1に係る発明では、把持するワーク
に対応する把持部をワークに対向するように、ユニット
の爪部材を回動させ、その後爪部材を回動不能に係合し
て位置決めする。そして、各爪部材をワークに近接移動
させてワークを把持部により把持して固定する。各爪部
材は、その回動軸の両端が支持されているため、ワーク
を確実に把持することができる。
【0018】請求項2に係る発明では、爪部材を回動さ
せるための駆動手段を有するユニットと他のユニットと
を相対的に近接移動させ、他のユニットの爪部材を回動
手段により回動される爪部材に従動して回動させ、把持
するワークに対応する把持部をワークに対向するように
位置決めする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るワーク固定装置の実
施の一形態を、ワークW1 とワークW2 とを接合するた
めの摩擦圧接装置に適用した場合によって、図1乃至図
6に基づいて詳細に説明する。図において同一符号は同
一部分または相当部分とする。
【0020】まず最初に、本発明に係るワーク固定装置
1が適用される摩擦圧接装置を、図1に基づいて説明す
る。この実施の形態における摩擦圧接装置は、ワークW
1 を回転不能に把持することにより固定するワーク固定
装置1と、ワークW2 をワークW1 の軸線と同一軸線上
に対向するように把持して回転させるワーク回転装置と
しての主軸ユニット2と、ワーク固定装置1に固定され
たワークW1 と主軸ユニット2に把持されて回転される
ワークW2 との接合面を互いに相対的に互いに押し付け
るように加圧すると共にアプセット推力を与えるための
推力装置3とを備えている。なお、以下の説明において
は、ワークW1 およびワークW2 の接合面となる端面を
前端面と、接合面とは反対側となる端面を後端面と、そ
れぞれいうこととする。
【0021】図1に示すように、主軸ユニット2は、ワ
ークW2 を把持するためのチャック10を有する主軸1
1と、ギヤ12,13等を介して主軸11を回転駆動す
る回転用サーボモータ14とを備え、基台4上に設けら
れたリニアガイド15にスライド部材16を介してワー
クW2 の軸方向(図1の左右方向)に摺動可能に載置さ
れている。主軸11にはブレーキディスク17が設けら
れており、ブレーキキャリパ18を作動させることによ
り主軸11に制動をかけることができる。主軸11のチ
ャック10が設けられた側とは反対側端部には、ワーク
2 の後端面に当接してその後退を規制するストッパ部
材19が設けられている。
【0022】図1に示すように、推力装置3は、この実
施の形態の場合、主軸ユニット2に設けられたアーム2
0と、このアーム20に挿通された圧接送りシャフト2
1と、圧接送りシャフト21を軸回りに回動させる圧接
用サーボモータ22とを備え、ワーク固定装置1に対し
て主軸ユニット2を相対的に移動させるものである。ア
ーム20にはめねじ部(図示を省略した)が形成され、
圧接送り用シャフト21にはねじ溝が形成され、アーム
20のめねじ部が圧接送り用シャフト21のねじ溝に螺
合されている。圧接用シャフト21は、軸受け23によ
り回動可能に支持されている。圧接用サーボモータ22
を駆動して圧接用シャフト21を軸回りに回転させるこ
とにより、主軸ユニット2に把持されて回転されるワー
クW2 の前端面をワーク固定装置1に固定されたワーク
1 の前端面に対して押し付けるように、圧接用シャフ
ト21にアーム20が螺合された主軸ユニット2を移動
させる。さらに、推力装置3には、ワークW2 をワーク
1 に対して所定の力で押し付けるように、主軸ユニッ
ト2の移動を検出する位置検出手段(図示を省略した)
が設けられている。なお、この実施の形態では、ワーク
固定装置1に対して主軸ユニット2を相対的に移動させ
る場合によって説明したが、これに限定されることな
く、主軸ユニット2に対してワーク固定装置1を相対的
に移動させるように構成することもできる。
【0023】次に、以上のように構成された摩擦圧接装
置に適用する、本発明に係るワーク固定装置1を、主に
図2乃至図6に基づいて詳細に説明する。なお、この実
施の形態において、ワーク固定装置1により把持するワ
ークW1 の外形は、図4および図5に示すように、断面
円形の、径の異なるW1a、W1b、W1cの3種類の場合で
説明するが、本発明はこれに限定されることなく、2種
類または4種類以上のワークに合わせることができるよ
うに把持部を形成してもよく、また、断面円形状以外の
ワークを把持することができるように把持部を形成して
もよい。さらには、本発明に係るワーク固定装置1は、
摩擦圧接装置以外のワークの固定が必要な装置にも適用
することができる。
【0024】本発明に係るワーク固定装置1は、複数の
ワークの外形W1a、W1b、W1cに合わせて複数の把持部
30a 、30b 、30c が形成された複数の爪部材31
を、把持するワークに対応する把持部30a 、30b
30c のうちの1つがワーク把持位置に位置するように
回動可能に設け、各爪部材31の回動軸32の両端をワ
ークW1 に対してそれぞれ近接および離反可能に支持し
たユニット5A、5Bからなるものである。
【0025】また、本発明に係るワーク固定装置1は、
ユニット5A、5BをワークW1 の軸方向に相対移動可
能に設け、少なくとも1つのユニット5Aは、爪部材3
0を回動させるための駆動手段33を有しており、他の
ユニット5Bは、前記駆動手段33に従動して爪部材3
1を回動させるように、前記駆動手段33と連結可能と
したものである。
【0026】図3に示すように、この実施の形態におい
ては、基台4上にクランプベース35(図1参照)が設
けられ、このクランプベース35上にはワークW1 の軸
方向に延在するようにレール36が設けられている。ク
ランプベース35には、ワークW1 の前端を把持して固
定するためのユニット5Aの固定ベース37が設けら
れ、ワークW1 の後端を把持して固定するためのユニッ
ト5Bの可動ベース38がスライド部材39を介してレ
ール36上に摺動可能に載置されている。これにより、
ユニット5Bは、ユニット5Aに対して相対向した状態
で、ワークW1 の軸方向の移動が可能となっている。ク
ランプベース35には、ワークW1 の後端面に当接し
て、ワークW1 とW2 を互いに押しつけた際にワークW
1 の後退を規制するためのストッパ部材(図示を省略し
た)が設けられている。
【0027】図4および図5に示すように、各ユニット
5A,5Bは、それぞれ、複数のワークW1a、W1b、W
1cの外形に合わせて複数の把持部30a 、30b 、30
c が形成され、把持するワークW1a、W1b、W1cに対応
する把持部30a 、30b 、30c をワークに対向させ
るように回動可能に支持された複数の爪部材31と、該
爪部材31の回動軸32の両端を支持するハウジング4
0,41と、ハウジング40,41により支持された爪
部材31の把持部30a 、30b 、30c をワーク
1a、W1b、W1cに対して把持および解除するように、
近接および離反移動させる爪部材移動手段(図中への符
号記載は省略した)と、所定の把持部、すなわち把持部
30a 、30b 、30c の内の1つをワーク把持位置に
位置決めする位置決め手段(図中への符号記載は省略し
た)とを備えている。
【0028】爪部材31は、この実施の形態の場合、ワ
ークW1 を両側からはさむように一対のものが設けられ
ている。各爪部材31は、形状を略円筒状に形成されて
なるもので、その径方向の断面の中心には回動軸32が
設けられている。そして、爪部材31の外周面には、径
の異なる3種類のワークW1 の外形W1a、W1b、W1c
合わせて3種類の把持部30a 、30b 、30c が、爪
部材31の周方向に適宜間隔をあけて、軸方向に延在す
るように形成されている。
【0029】ハウジング40,41は、図2に示すよう
に、固定および可動ベース37,38上にワークW1
径方向に摺動可能に設けられている。ハウジング40,
41は、それぞれ爪部材31の回動軸32の両端を回動
可能に支持している。
【0030】爪部材移動手段は、図4および図5に示す
ように、爪部材の回動軸の両端を支持した一方のハウジ
ング40をワークW1 に対して近接および離反移動させ
るシリンダ50と、この一方のハウジング40の移動に
連動して他方のハウジング41をワークW1 に対して近
接および離反移動させるリンク機構とを備えている。固
定ベース37および可動ベース38には、ロッド51が
貫通するように摺動可能に挿通されている。固定および
可動ベース37,38の一方のハウジング40が設けら
れた箇所には長穴52が形成され、この長穴52内には
一方のハウジング40とロッド51とを連結するブロッ
ク53が配置されている。固定および可動ベース37,
38の一側にはブラッケット54が設けられており、こ
のブラッケット54にはアーム55の略中心がピン56
により回動可能に枢着されている。他方のハウジング4
1の外側にはブラッケット57が設けられている。アー
ム55の両端には長穴58,59が形成されており、ロ
ッド51の端部とアーム55の一端側の長穴58、およ
びアーム55の他端側の長穴59とブラッケット57と
がそれぞれピン60,61により回動可能に枢着されて
いる。
【0031】図4に示すように、ユニット5Aには、把
持部30a 、30b 、30c の内の1つをワーク把持位
置に位置決めする位置決め手段として、爪部材31を回
動駆動するモータ70と、把持部30a 、30b 、30
c の内の所定の把持部をワークW1 に対向させた位置で
回動不能に係止する係止機構71とから構成されてい
る。モータ70は、所望の角度に回動させることが可能
なステッピングモータ等が用いられている。図2および
図4に示すように、爪部材31の回動軸32とモータ7
0の駆動軸とは、それぞれプーリ72,73が設けられ
ており、両プーリ72,73にはベルト74が巻き掛け
られている。係止機構71は、爪部材31の各把持部3
a 、30b 、30c とは対角線上の外周面にぞれぞれ
形成された係合凹部75a ,75b ,75c と、各係合
凹部75a ,75b ,75c に対して爪部材31の径方
向に進退移動されるクサビ部材76とから構成されてい
る。なお、図4においては、係合凹部75a がクサビ部
材76に係合されるように対向する位置にある場合を示
した。クサビ部材76はハウジング40,41に挿通さ
れ、ハウジング40,41にはクサビ部材76を進退移
動させるアクチュエータとしてのシリンダ77が設けら
れている。クサビ部材76を爪部材31に対してその径
方向に進退移動させることにより、爪部材31の回動軸
32の両端を支持することが可能となっている。
【0032】図5に示すように、ユニット5Bには、ユ
ニット5Aと同様の係止機構が設けられている。そし
て、ユニット5Aの爪部材31の回動軸32とユニット
5Bの爪部材31の回動軸32との相対向する端面に
は、ユニット5Aに対してユニット5Bを近接移動させ
た際に、ユニット5Aのモータ70により駆動される爪
部材31の回動と連動してユニット5Bの爪部材31が
従動させるように、互いに係合する係合機構が設けられ
ている。この係合機構は、図2に示すように、一方のユ
ニット5Aの回動軸32の端面に設けられた断面矩形の
突出部80と、他方のユニット5Bの回動軸32の端面
に、突出部80を相対的に回動不能に嵌合するように設
けられた嵌合凹部81とから構成されている。係合機構
は、これに限定されることなく、かみ合いクラッチ等、
両爪部材を相対的に回動不能に、且つ、着脱可能に連結
することができるものであれば、任意の手法を採用する
ことができる。
【0033】レール36に載置されたユニット5Bをワ
ークW1 の軸方向に移動させるための機構は、レール3
6に沿って軸回りに回動可能に設けられた一対のねじシ
ャフト90と、このシャフトねじ90を回動駆動するた
めのアクチュエータとしてのモータ91とを備えてい
る。ねじシャフト90は、図3に示すように、両端がサ
ポート92に枢着されており、一端部にそれぞれプーリ
93が設けられている。また、モータ91の駆動軸にも
プーリ94が設けられており、図4に示すように、プー
リ93,94はアイドルプーリ95,96,97を介し
てベルト98が巻き掛けられている。これにより、両ね
じシャフト90は同期して回動するようになっている。
モータ91は、所望の角度に回動させることが可能なス
テッピングモータ等を用いることができる。ねじシャフ
ト90には、ねじ山の断面形状が台形の台形ねじが形成
されており、ユニット5Bの可動ベース38に螺合され
ている。モータ91の駆動により、両ねじシャフト90
が同期して所定の角度回動されると、可動ベース38に
螺合されたユニット5BがワークW1 の長さに対応する
ことができるように軸方向に移動する。また、ねじシャ
フト90は、摩擦圧接時の推力を受ける機能も兼ね備え
ている。
【0034】なお、本発明に係るワーク固定装置1は、
この実施の形態においては、ユニット5AがワークW1
の前端を把持するように固定配置され、ユニット5Bが
ワークW1 の後端を把持するように可動配置された例に
よって説明したが、これに限定されることはない。この
実施の形態の他に、ワークW1 の前端を把持するように
ユニット5Bを固定配置し、ワークW1 の後端を把持す
るようにユニット5Aを可動配置することもできる。ま
た、固定するワークの必要性に応じて、ユニット5A,
5Bの他にユニットを固定または可動配置してもよい。
【0035】次に、本発明に係るワーク固定装置1の、
ワークW1 の外形に把持部30を合わせるための段替
え、およびワークW1 の長さに対応させるための段替え
のための作動について、主に図6に基づいて説明する。
まず最初に、ワークW1 ,W2の径や長さ、寄り代等の
ワーク情報を制御装置(図示を省略した)に入力する
(S1)。制御装置は、これらのワーク情報に基づい
て、モータ91を駆動してねじシャフト90を同期して
回転させ、ユニット5Bをユニット5Aに近接させる
(S2)。これにより、ユニット5Aの突出部80にユ
ニットBの嵌合凹部81が嵌合し、ユニット5Aおよび
ユニットBの爪部材31の回動軸32が互いに連結する
こととなる。そして、シリンダ77を退縮するように駆
動してクサビ部材76の爪部材31の係合凹部75に対
する係合を解除した状態(S3)で、ユニット5Aのモ
ータ70を駆動してワークW1 の外形に合う把持部30
a 、30b、30c の内の1つをワークW1 と対向する
ように爪部材31を回転させる(S4)。このとき、ユ
ニット5Aの爪部材31の回動軸32とユニット5Bの
爪部材31の回動軸32とが連結されているため、ユニ
ット5Bの爪部材31は、ユニット5Aの爪部材31と
連動して回動し、ワークの外形に合う把持部30a 、3
b 、30c の内の1つがワークW1 と対向するように
位置する。
【0036】両ユニット5A,5Bの爪部材31の把持
部30a 、30b 、30c の内の1つがワークW1 の外
形に合うように位置させたら、シリンダ77を伸長する
ように駆動し、クサビ部材76を爪部材31の係合凹部
75に対してワークW1 の径方向に前進移動させて係合
させ(S5)、爪部材31を回動不能に位置決めして爪
部材31の把持部30の段替えが終了する。そして、モ
ータ91を駆動して左右に設けられた両ねじシャフト9
1を同期して回転させ、ユニット5Bをユニット5Aか
ら所定の位置まで離間させ(S6)、ワーク固定装置1
のワークW1 の長さに対応させるための段替えを終了す
る(S7)。
【0037】次に、ワークW1 を爪部材31の把持部3
0により把持して固定させるための作動について説明す
る。なお、この作動はユニット5Aとユニット5Bとが
同様であるので、ユニット5Aの場合によって、図4に
基づいて説明する。爪部材31をワークW1 に近接移動
させるべく、シリンダ50を伸長駆動すると、一方のハ
ウジング40に設けられたブロック53が長穴52内を
移動し、ロッド51が図4の左方向に摺動する。そし
て、ロッド51に連結されたアーム55がピン56を中
心に図4において時計方向に回動し、ブラケット57が
設けられた他方のハウジング41を押圧することとな
る。したがって、一方の爪部材31のワークW1 に対す
る近接移動に伴って、他方の爪部材31がワークW1
対して近接移動するのである。そして、爪部材31のワ
ークW1 に対する把持を解除する場合も同様に、シリン
ダ50を退縮駆動することにより、一方のハウジング4
0に支持された爪部材31のワークW1 からの離反に連
動して、他方のハウジング41に支持された爪部材31
もワークW1 から離反する。
【0038】なお、この実施の形態においては、一方の
爪部材31のワークW1 に対する近接および離反移動と
連動して他方の爪部材31をワークW1 に対して近接お
よび離反移動させるように構成したが、これに限定され
ることなく、爪部材31の回動軸32の両端を支持する
ハウジング40,41にそれぞれシリンダを設け、一対
の爪部材31をワークW1 に対して別々に近接および離
反移動させるように構成することもできる。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、複数のワ
ーク外形に合わせて複数の把持部が形成された複数の爪
部材を、把持するワークに対応する把持部がワーク把持
位置に位置するように回動可能に設け、各爪部材の回動
軸の両端をワークに対してそれぞれ近接および離反可能
に支持したユニットからなるように構成したことによ
り、複数のワーク外形に対応してワークを確実に把持し
て固定することができる。
【0040】請求項2に係る発明によれば、複数のユニ
ットをワークの軸方向に相対移動可能に設け、少なくと
も1つのユニットは、爪部材を回動させるための駆動手
段を有しており、他のユニットは、前記駆動手段に従動
して爪部材を回動させるように、前記駆動手段と連結可
能としたことにより、複数の長さのワークに対応して適
正に突出させた状態で把持して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワーク固定装置が適用される摩擦
圧接装置を示す正面図である。
【図2】本発明に係るワーク固定装置の正面図である。
【図3】本発明に係るワーク固定装置の横断平面図であ
る。
【図4】本発明に係るワーク固定装置のユニットAを図
3のA−A線方向に見た説明図である。
【図5】本発明に係るワーク固定装置のユニットBを図
3のB−B線方向に見た説明図である。
【図6】本発明に係るワーク固定装置のワークの長さに
対応させるための段替えの制御を示す流れ図である。
【符合の説明】
1 ワーク固定装置 5A,5B ユニット 30a ,30 b,30c 把持部 31 爪部材 32 回動軸 33 回動手段 40,41ハウジング 70 モータ 71 係止機構 75a ,75 b,75c 係合凹部 76 クサビ部材 77 シリンダ 80 突出部 81 嵌合凹部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のワーク外形に合わせて複数の把持
    部が形成された複数の爪部材を、把持するワークに対応
    する把持部がワーク把持位置に位置するように回動可能
    に設け、各爪部材の回動軸の両端をワークに対してそれ
    ぞれ近接および離反可能に支持したユニットを備えるこ
    とを特徴とするワーク固定装置。
  2. 【請求項2】 複数のユニットをワークの軸方向に相対
    移動可能に設け、少なくとも1つのユニットは、爪部材
    を回動させるための駆動手段を有しており、他のユニッ
    トは、前記駆動手段に従動して爪部材を回動させるよう
    に、前記駆動手段と連結可能としたことを特徴とする請
    求項1に記載のワーク固定装置。
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