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JP3403763B2 - 導電用高耐熱性アルミニウム合金線の製造方法 - Google Patents

導電用高耐熱性アルミニウム合金線の製造方法

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JP3403763B2
JP3403763B2 JP21529893A JP21529893A JP3403763B2 JP 3403763 B2 JP3403763 B2 JP 3403763B2 JP 21529893 A JP21529893 A JP 21529893A JP 21529893 A JP21529893 A JP 21529893A JP 3403763 B2 JP3403763 B2 JP 3403763B2
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JP
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aluminum alloy
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heat
wire
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毅 池田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度な耐熱性を有し、
且つ導電性に優れたアルミニウム合金線の製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】近年の電力需要の増大に伴なってケーブル
送電容量アップの必要性が益々高まっており、送電許容
温度が高く、且つ導電性の高いアルミニウム合金線の開
発が望まれている。
【0003】従来から、連続使用最高温度210℃、短
時間使用最高温度240℃程度の送電許容温度を有する
耐熱性アルミニウム合金線に関するものとしては、特開
平5−126462がある。ところで、電力需要が一定
の時間帯に集中した時には、アルミニウム合金線はかな
りの高温になったり、あるいは、例えば、落雷事故によ
りアルミニウム合金線の一部が不通となった場合には、
該事故線と並列に架設された他の健全なアルミニウム合
金線路に事故線が負担していた送電容量分負荷がかか
り、健全な該線路のアルミニウム合金線が一時的に高温
度になることがある。かかる点を考慮すると、上記の送
電許容温度程度の耐熱性アルミニウム合金線は、充分な
耐熱性を有しているとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続使用最
高温度230℃以上、短時間使用最高温度310℃以上
の高度な耐熱性を有し、且つ導電性に優れたアルミニウ
ム合金線の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、Zr0.2
5〜0.45重量%、Ti0.01〜0.05重量%、
Si0.03〜0.3重量%、Fe0.08〜0.3重
量%、残部Alおよび通常の不純物からなる合金を連続
鋳造によってワイヤーロッドとし、これを250〜40
0℃の温度で1〜50時間熱処理した後、断面積減少率
65%以上の冷間加工を加え、さらにこれに310〜4
50℃の温度で1〜20時間熱処理を施すことを特徴と
する導電用高耐熱性アルミニウム合金線の製造方法によ
って解決される。
【0006】
【作用】Zr0.25〜0.45重量%、Ti0.01
〜0.05重量%、Si0.03〜0.3重量%、Fe
0.08〜0.3重量%、残部Alおよび通常の不純物
からなる特定組成の合金系を連続鋳造によってワイヤー
ロッドとし、特定の温度範囲での熱処理をすることによ
り、導電率を損なうことなく、耐熱性が大幅に向上す
る。導電率を損なうことなく、耐熱性が大幅に向上する
理由についての詳細なメカニズムは不明であるが、Zr
がアルミニウムマトリックスに過飽和に固溶した状態の
ワイヤーロッドを250〜400℃の温度で1〜50時
間熱処理することで、AlZrの粒子がアルミニウム
マトリックス中に微細に析出し、これを冷間加工した
後、310〜450℃の高温度で1〜20時間熱処理す
ることで、さらにAlZrの微細な粒子が加工組織上
に析出して、合金中の加工組織が安定化し、結果的に耐
熱性が大幅に向上したと推測される。
【0007】本発明に用いられる合金系において、Zr
0.25〜0.45重量%(以下、単に%という)とし
たのは、0.25%未満では導電率を58%以上に向上
させた際に機械的強度、耐熱性が不足し、一方0.45
%よりも多い場合では連続鋳造において欠陥を生じ易く
なり、ワイヤーロッドの製造が困難となるからである。
Zrの好ましい添加量は、0.28〜0.42%、特に
好ましくは0.30〜0.40%である。
【0008】Tiを0.01〜0.05%としたのは、
0.01%未満では、連続鋳造において圧延割れなどの
欠陥を生じてワイヤーロッドの製造が困難となり、0.
05%よりも多いと導電率が低下するからである。Ti
の好ましい添加量は0.01〜0.04%、特に好まし
くは0.02〜0.03%である。なお、Tiの添加を
Al−Ti−B母合金により行うと、Al合金中にTi
B2 相が析出し、結晶粒が微細化されるため、加工性
と導電率の点から好ましい。
【0009】Siを0.03〜0.3%としたのは、S
iの添加量が、0.03%未満ではAl3 Zrの析出促
進の効果が充分でないため、耐熱性、導電率が低下し、
一方0.3%よりも多い場合には、連続鋳造において欠
陥を生じてワイヤーロッドの製造が困難となるからであ
る。Siの好ましい添加量は0.05〜0.2%、特に
好ましくは0.08〜0.15%である。
【0010】Feを0.08〜0.3としたのは、0.
08%未満では伸線加工時の加工硬化が不足となり、ま
た0.3%よりも多いと、耐熱性、導電率が低下するか
らである。Feの好ましい添加量は0.1〜0.25
%、特に好ましくは0.12〜0.20%である。
【0011】本発明においては、通常の電気用アルミウ
ニム地金が使用でき、Alに通常含まれる不純物を通常
レベル含むことは許容されるが、Vのように導電率を低
下させる元素の少ない地金を用いることが望ましい。例
えば、Vを0.003%以下程度にすることが好まし
い。
【0012】本発明においては、上記したアルミニウム
合金素材につき連続鋳造により、ワイヤーロッドを得
る。連続鋳造法としては、プロペルチ法、ヘズレー法、
SCR法など周知の方法であればよい。連続鋳造法によ
り例えば直径8〜13mmのワイヤーロッドを得るが、
その際の鋳造開始時の溶融温度は750〜850℃と
し、得られた鋳造バーを200℃以下の温度になる間に
減面率80%以上、特に90%以上で圧延することが好
ましい。
【0013】以上のようにして得たワイヤーロッドは、
次いで250〜400℃の温度で1〜50時間熱処理が
施される。この処理により、鋳造時に強制固溶したZr
を微細なAlZrとして析出させることができる。こ
の結果、熱処理されたワイヤーロッドは時効硬化して良
好な強度を持つにいたり、後記する冷間加工後での熱処
理による耐熱性組織の形成にとって良好な素地を用意す
る。なお、250℃未満の熱処理温度では、析出速度が
遅く、一方400℃より高い温度では析出粒子の粗大化
のため耐熱性が低下する。また、処理時間が1時間未満
ではZrの析出が充分でないため、所望の耐熱性が得ら
れず、一方50時間より長いと、析出物の粗大化が発生
し、機械的強度が低下する問題がある。熱処理は、28
0〜400℃の温度で2〜30時間、特に300〜40
0℃の温度で4〜20時間が好ましい。
【0014】熱処理されたワイヤーロッドは、次いで断
面積減少率が65%以上となる冷間加工に付される。こ
の際の断面積減少率が65%未満では、加工硬化が充分
でないだけでなく、続く熱処理によって高い耐熱性を得
ることができない。一方、過度の冷間加工は導電率の低
下、耐熱性の低下等の問題が生じる傾向がある。好まし
くは、断面積減少率が70〜99%の範囲、特に好まし
くは70〜98%の範囲となるように冷間加工を施す。
【0015】冷間加工された合金線は、次いで310〜
450℃の高温で1〜20時間熱処理を施される。この
熱処理により加工組織上さらにAl3 Zrの微細粒子が
析出し、冷間加工によって導入された加工組織が安定化
され、高い耐熱性が得られる。310℃未満、あるいは
1時間未満の処理ではこの効果が充分でなく、一方、4
50℃より長時間の処理では析出物の粗大化や加工組織
の回復が生じて機械的強度が低下する。熱処理は、32
0〜400℃の温度で2〜10時間、特に330〜38
0℃の温度で2〜10時間が好ましい。
【0016】(実施例1〜6、比較例1〜9) 表1に示す組成(残部はアルミニウム:電気用アルミニ
ウム地金(JIS H2102−1968))の実施例
及び比較例の合金をプロペルチ法により連続鋳造圧延し
て外径9.5mmのワイヤーロッドを得た。該ワイヤー
ロッドにつき所定の熱処理を施した後、断面積減少率8
4%の冷間加工を加えて外径3.8mmの素線を得た。
得られた素線につき最後に所定の熱処理を施して目的と
する導電用アルミニウム合金を得た。なお、Tiは、A
l−Ti−B母合金(Ti/Bのモル比率:1/1)に
て添加した。
【0017】各実施例並びに比較例で得た合金線につ
き、導電率、引張り強さ、及び耐熱性を評価した。耐熱
性は、4時間の加熱で引張り強さが加熱前の値の90%
になる温度を耐熱性の温度とした。表1に合金組成、連
続鋳造時における注湯温度、ワイヤーロッドを得るため
の圧延工程における圧延開始及び終了温度を示す。ま
た、表2にワイヤーロッド(WR)熱処理の温度及び時
間、素線熱処理の温度及び時間、並びに導電用アルミニ
ウム合金線の特性を示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、連続使用最高温度23
0℃以上、短時間使用最高温度310℃以上の高度な耐
熱性及び58%以上の導電率を有し、且つ機械的強度が
良好なアルミニウム合金線を提供でき、しかも高い歩留
まりで該アルミニウム合金線を製造することができる。
よって、電力需要の増大に伴なうケーブル送電容量アッ
プに十分対応でき、また、落雷事故等による一時的なア
ルミニウム合金線の異常な過熱状態下となっても十分に
対応可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zr0.25〜0.45重量%、Ti
    0.01〜0.05重量%、Si0.03〜0.3重量
    %、Fe0.08〜0.3重量%、残部Alおよび通常
    の不純物からなる合金を連続鋳造によってワイヤーロッ
    ドとし、これを250〜400℃の温度で1〜50時間
    熱処理した後、断面積減少率65%以上の冷間加工を加
    え、さらにこれに310〜450℃の温度で1〜20時
    間熱処理を施すことを特徴とする導電用高耐熱性アルミ
    ニウム合金線の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記TiはAl−Ti−B母合金にて添
    加されてなる特許請求の範囲第1項記載の導電用高耐熱
    性アルミニウム合金線の製造方法。
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JP7280219B2 (ja) * 2020-06-03 2023-05-23 住友電気工業株式会社 アルミニウム合金線、および電線

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