JP3499705B2 - 板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents
板厚方向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板およびその製造方法Info
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Description
ストック(水圧鉄管)等として用いられて好適な、板厚
方向の均質性を有し、靱性の異方性の小さい、特に板厚
100mm以下の調質高張力鋼板およびその製造方法に
関するものである。
発電所の水圧鉄管も高落差化および大口径化する傾向に
ある。この水圧鉄管に用いられる鋼材は、より一層高張
力化することにより、水圧鉄管施工の効率化およびコス
トの低減を図ろうとする傾向にある。このため、使用さ
れる鋼板も、従来の引張強さ590N/mm2、780N/mm2級鋼板
から、より一層高強度の950N/mm2級鋼板を適用しようと
する趨勢にある。
通常はMn、Ni、Cr、Mo等の合金元素を多量に添
加する必要があるが、これら合金元素を多量に添加する
と、溶接割れ感受性も高くなる。そのため、この方法に
代えて、析出強化等を利用して炭素当量を低減させるこ
とを狙ったNb添加鋼の製造方法が、従来から以下の各
タイプの通り、種々提案されている。
公報等に開示された、Nb添加鋼を、通常(普通)の圧
延後、再加熱焼入れし、焼戻しするタイプである。
等に開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延し、そ
の後再加熱焼入れし、焼戻しするタイプである。
等に開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延し、そ
の後直接焼入れし、焼戻しするタイプである。
等に開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延し、そ
の後600 ℃以下で冷却停止する加速冷却を行い、再加熱
焼入れ後焼戻しするタイプである。
の請求項1に開示された、Nb添加鋼を、通常(普通)
の圧延後、2 回再加熱焼入れし、焼戻し(但し水冷)す
るタイプタイプである。
28号の請求項1の代替え法として、同公報の請求項2に
開示された、Nb添加鋼を、低温で制御圧延後直接焼入
れし、再加熱焼入れ後焼戻し(但し水冷)するタイプで
ある。
従来技術にはいずれも問題があり、ペンストック(水圧
鉄管)用鋼材としては実用化できない。即ち、まず ま
ずNb添加鋼を通常の圧延後、再加熱焼入れ−焼戻しす
る前記第1のタイプでは、再加熱焼入れでは、必然的に
板厚方向の焼入れ深度が浅いため、表層部では所望強度
を満足しても、板厚中央部では950N/mm2を満足するのが
困難であり、また靱性も低位であり、板厚方向での均質
性に劣る。
℃の低温で30%以上の圧下を加える制御圧延と、添加N
bとの相乗効果で結晶粒の微細化を狙ったものである
が、旧オーステナイト結晶粒は未再結晶域( 約930 ℃未
満) では圧下を加えても展伸した加工粒となるだけで、
より一層の細粒化は進行しないため、靱性改善効果は小
さく、また、板厚中央部では制御圧延が効きにくいた
め、靱性が低い。
制御圧延することにより、旧オーステナイト粒を展伸粒
となし、加工マルテンサイト+下部ベイナイトの混合組
織として、強度と靱性を兼備しようとするものである。
しかし、製鉄研究No.322、99頁(1986)「100kgf/mm2級高
張力鋼板の開発」に開示されているように、未再結晶域
圧延での圧延による圧延主方向(L方向) と、その直角方
向(T方向) との組織の異方性により、材質変化が大きく
なる。とりわけ、 L方向とT 方向との靱性の差は大き
く、T 方向の靱性は、表層部あるいは板厚中心部におい
て100J近傍と低位なものとなる。そのため、T 方向にお
ける脆性亀裂伝播停止特性や溶接熱影響部での継手靱性
に劣る。
熱焼入れの際に、再加熱の前の組織がマルテンサイト或
いはベイナイトという焼入れ組織になっていると、再加
熱時におけるαからγへの逆変態でのγの核生成サイト
の数が、フェライト+パーライト組織の場合に比較し
て、多く生じるので、γ化後の粒成長時に、それらが互
いに衝突して成長を阻害され、結局得られる粒径が小さ
くなるとの事実を利用したものである。したがって、再
加熱の前の状態ではフェライトの生成を抑制してひずみ
を有した組織で逆変態させて、γ粒を細粒化することを
主眼としている。しかし、冷却停止温度を600 ℃以下と
するような加速冷却では、Nbが十分固溶せず、その後
の逆変態のための昇温過程でのNb化合物の析出による
オーステナイト粒粗大化抑制効果に乏しく、γ粒の細粒
化が不十分であり、とりわけ、板厚中心部の靱性改善効
果は小さい。また、板厚中心部の強度も、前記再焼入れ
−焼戻し(RQ−T)材と同様に低く、強度、靱性とも
板厚方向での均質性に乏しい。
0N/mm2級鋼板を対象とし、Niを3.5 超え〜4.5 %と
し、焼き入れ時に細粒γ粒を実現するために、Nb添加
によって、鋼材加熱時におけるγ粒の成長を抑制すると
同時に、事前に、一旦焼き入れ処理を施して、加工前組
織( γ化前組織) の微細化を図っておくことを主眼とし
ている。しかし、前記製鉄研究No.322、99頁(1986)「10
0kgf/mm2級高張力鋼板の開発」に開示されているよう
に、2 回再加熱焼入れ−焼戻しは、1 回再加熱焼入れ−
焼戻しに比して、靱性は改善されるものの、強度が急激
に低下し、強度確保のための合金添加量の増大を招き、
製造コストも高くなり、溶接割れ感受性も高くなる。
に、100mm 厚を超えた950N/mm2級鋼板を対象とし、Ni
を3.5 超え〜4.5 %とし、焼き入れ時に細粒γ粒を実現
するため、900 ℃以上の温度域で30%以上の累積圧下を
与え、BNやNb(CN)を固溶状態にするために、圧延を800
℃以上で仕上げ、その後の直接焼入れは第1回目焼入れ
に代替えするとしている。しかしながら、800 〜900 ℃
での低温制御圧延において、固溶Bは析出して焼入れ性
は低下するとともに、同温度域はNb(CN)の析出ノーズに
当てはまるため、その後の直接焼入れによって固溶する
Nb量はごく僅かで、その後の再加熱焼入れの急冷前組
織において、Nbのピンニング効果を積極的に活用させ
ることは困難である。そのため、板厚方向位置における
強度および靱性の差は以前として大きい。また、焼戻し
後の水冷は残留応力を内在させることになり、鋼板を歪
ませるとともに、水圧鉄管などへの成形を困難にし、寸
法精度を悪くする。
の部分に比して、熱処理や加工の影響が及びにくく、冷
却速度も遅くなるため、結晶粒が大きくなり、材質が最
も劣化し易い部分であり、厚肉でかつ大面積の鋼材にな
るほど、靱性が劣る。大きな衝撃荷重が作用するペンス
トック用として優れた破壊靱性を具備するためには、鋼
材の表面〜t/2の全ての板厚方向において、高靱性を
確保するとともに、靱性の異方性が小さいことが必要で
あり、とりわけ板厚中央部での靱性の改善が技術的課題
となる。
級高張力鋼板は、板厚方向での均質性に劣り、また靱性
の異方性も大きいため、高位な破壊靱性が必要とされる
大型溶接構造物であるペンストックに汎用的に使用でき
るものではなかった。
題に鑑み、板厚方向での均質性に優れ、また靱性の異方
性を改善した950N/mm2級調質高張力鋼板とその製造方法
を提供することを目的とする。
ック等に使用される厚肉950N/mm2級高張力鋼板の具備す
べき性能として、表1 に示す通り、特に、鋼板のL方
向、T方向共に脆性亀裂伝播停止のための高位の破壊靱
性を確保するために、全板厚方向位置および鋼板のL方
向、T方向共に、950N/mm2以上の引張強度と、vTrs:−
60℃以下で、かつvE-60 :150J以上の高い靱性を有する
こと等を目標とした。
合金元素の固溶量に及ぼす加工熱処理の影響および旧オ
ーステナイト粒径に及ぼすNb化合物(Nb炭窒化物な
ど)の析出状態について、鋭意研究を行った結果、以下
の知見を得た。
後、再結晶域での圧延後、直接焼入れ(DQ)を行うこ
とにより、Cr、Mo、V、Nb、B等の添加合金元素
のCとの化合が止まり、過飽和に固溶した状態でマルテ
ンサイト変態させて、マトリックスを強化すること、
直接焼入れで完全に固溶されたNbが、その後の再加熱
焼入れ(RQ)のための昇温過程でNb化合物として微
細析出し、逆変態自体の細粒化と相乗して、オーステナ
イト結晶粒の粗大化を抑制することにより、図7のDQ
−Q材に示す通り、他のRQ材やDQ材に比して、焼入
れ前組織を微細なオーステナイト組織とすること(図7
において、DQ−Q材は後述する表7 〜13のNo.1、RQ
材はNo.4、DQ材はNo.15 に相当する)、DQ−Q材
におけるRQ昇温過程での前記Nb化合物の析出量は、
図8のDQ−Q材に示す通り、他のRQ材に比べて多
く、かつ微細であること(図8 において、DQ−Q材は
後述する表7 〜13のNo.1、RQ材はNo.4に相当する)、
DQ−Q材はRQの昇温時に析出した微細なNb化合
物により、図9のDQ−Q−T材に示す通り、他のRQ
−T材に比べて硬度HVが高くなるなどマトリックスが
強化されること(図9において、DQ−Q−T材は後述
する表7 〜13のNo.1、RQ−T材はNo.4に相当する)、
直接焼入れ(DQ)後の再加熱焼入れ(RQ)前での
合金元素の固溶量が、圧延後空冷−RQ直前に比べて著
しく多いため、DQ−Q材はRQ材に比して高い焼入れ
性を有することである。
り、特に、鋼板のL方向、T方向での旧オーステナイト
組織の異方性が小さく、焼入れ深度が深く、かつ、全板
厚方向にわたって、微細な旧オーステナイト粒を有する
焼戻しマルテンサイト主体の組織が得られた。このミク
ロ組織を有する高張力鋼板は、板厚中心部での強度と靱
性を向上させるとともに、表層部においても微細粒化に
よって焼入れ性を下げて、高靱性を確保する。加えて、
鋼板のL方向、T方向での異方性が極めて少ない材質を
有することを見いだし、本発明を完成するに至ったもの
である。
%にて、C:0.07〜0.18%、Si:0.05〜0.30%、M
n:0.40〜1.30%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.8 〜
3.5 %、Cr:0.10〜1.20%、Mo:0.05〜 0.80 %、
V:0.005 〜 0.100%、Al:0.005 〜0.100 %、N
b:0.008 〜0.025 %、B:0.0003〜 0.0030 %を含有
し、かつN:0.0060%以下、P:0.010 %以下、S:0.
005 %以下に各々規制し、残部Feおよび不可避的不純
物からなり、かつ炭素当量Ceq が0.52〜0.61% [但し、
Ceq =C+Si/24+Mn/6 +Ni/40+Cr/5 +
Mo/4 +V/14 (%)]で、溶接割れ感受性指数PcM が
0.25〜0.31% [但し、PcM=C+Si/30+Mn/20+C
u/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5 ×
B (%)]で、更に合金元素の固溶量 [但し、合金元素の
固溶量=sol.Cr+sol.Mo+sol.V+sol.B (%)]が
0.88%以上となる化学組成を有し、鋼中のNb化合物が
平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分率:1.5 ×10-4〜5.
0 ×10-4 %の範囲で存在し、鋼の旧オーステナイト粒の
平均粒度No. が8 以上でかつ展伸度AIl ( 但し、ASTM E
112 −1995,16.3.5,237 頁の測定方法による) が1.5 以
下であることを特徴とする、板厚方向での均質性に優
れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板と
する。
iの内から1種以上を含有しても良い。
化学組成を有する鋼を、1100℃以上に加熱して熱間圧延
し、1000℃以下の温度域で40%以上の累積圧下率で圧下
を加え、930 ℃以上で仕上げた後、そのまま板厚中心部
の冷却速度が3.5 ℃/sec 以上で200 ℃以下まで直接焼
入れを行い、次いで、870 〜950 ℃の温度域に再加熱し
て水焼入れを行い、引き続いてA c1点以下の温度で焼戻
して空冷する。そして、この製造方法により、より好ま
しくは、焼戻して空冷した後の鋼の合金元素の固溶量
[但し、合金元素の固溶量=sol.Cr+sol.Mo+sol.
V+sol.B (%)]を0.88%以上で、鋼中のNb化合物を
平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分率:1.5 ×10-4〜5.
0 ×10-4 %の範囲で存在させ、鋼の旧オーステナイト粒
の平均粒度No. を8 以上でかつ展伸度AIl ( 但し、ASTM
E112 −1995,16.3.5,237 頁の測定方法による) を1.5
以下とした、板厚が100mm 以下で板厚方向での均質性に
優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板
を製造可能とする。
る、合金元素の固溶量、Nb化合物の微細析出状態およ
び旧オーステナイト粒度の限定理由について説明する。
の固溶量の影響、および靱性に及ぼすNb化合物の析出
状態と旧オーステナイト粒度の影響につき、詳細に調査
した。調査は表2に示す条件で行い、後述する実施例の
表3中のNo. Aの0.013 %Nb添加鋼を用いて、表5、
6に示す加工熱処理から、高温制御圧延(OR)−直接
焼入れ、再加熱焼入れ、焼戻し(DQ−Q−T)法、高
温制御圧延(OR)−再加熱焼入れ、焼戻し(RQ−
T)法、高温制御圧延(OR)−加速冷却(AcC−Q
−T、500 ℃で冷却停止) 法、低温制御圧延(CR)−
直接焼入れ、再加熱焼入れ、焼戻し(DQ−Q−T)法
などを選択した。
分析により合金元素の未固溶量、抽出レプリカ法により
Nb化合物の析出状態、およびASTM E112 −95により旧
オーステナイト粒度の各々の測定を行った。また、機械
的試験として、t/4 、t/2 での引張試験および表面7mm
下、t/4 、t/2 でのV ノッチシャルピー試験を鋼板のL
方向、T方向の両方向について行い、強度と靱性を評価
した。これらの結果も合わせて表2に示す。
ず、OR−DQ−Q−T後の、sol.Cr+sol.Mo+so
l.V+sol.Bからなる合金元素の固溶量と強度との関係
を、整理し直したものを図1に示す。なお、図中の番号
は表2の番号に対応する。同図より、引張強度は、DQ
−Q−T材の合金元素の固溶量と共に増大し、950N/mm2
以上の強度を確保するためには、合金元素の固溶量が0.
88%以上必要であることが分かる。
接焼入れの冷却速度と、合金元素の固溶量との関係を示
す。同図より、直接焼入れの冷却速度を速くすると、D
Q後の合金元素の固溶量は増大し、この傾向は、DQ−
Q−T後においても引き継がれることが分かる。したが
って、DQ−Q−T後の合金元素の固溶量を0.88%以上
を得るためには、DQ時の冷却速度を3.5 ℃/sec 以上
とすることが有効であることが分かる。
テナイト粒度と靱性値との関係を示す。同図より、旧オ
ーステナイトの平均粒度No. が大きくなるに従って、靱
性は向上し、DQ−Q−T後において、vTrs:−60℃以
下で、かつvE-60 :150J以上の高い靱性を得るには、旧
オーステナイトの平均粒度No. を8 以上とすれば良いこ
とが分かる。
b化合物の析出状態と、旧オーステナイト粒度No. との
関係を示す。同図より、旧オーステナイトの粒度No.
は、Nb化合物が小さくなるほど大きくなり、平均粒度
No. を8 以上にするためには、Nb化合物の平均粒径を
8nm 以下にすれば良いことが分かる。この微細なNb化
合物を得るためには、DQ時の冷却速度を、3.5 ℃/se
c 以上とすることが有効である。
過程で析出するNb化合物としてのNb量と、DQ−Q
後の旧オーステナイトの平均粒度No. との関係を示す。
同図より、旧オーステナイト粒を微細にするには、DQ
に続くRQにおいて、その昇温時に、Nb化合物を多く
析出させると、旧オーステナイト粒を微細にすることが
できることが分かる。これより、再加熱による逆変態時
に絡ませて、Nb化合物を微細析出させることが、結晶
粒の微細化に対して極めて有効な手段となる。また、微
細に析出したNb化合物は、前記図9の通り、マトリッ
クスを強化する作用を有する。
強さが950N/mm2以上で、vE-60 :150J以上を満足させる
ための、合金元素の固溶量とNb化合物の平均粒径との
関係を求めると、図6から明らかなように、合金元素の
固溶量が0.88%以上で、Nb化合物の平均粒径を8nm 以
下になる様に、化学組成および加工熱処理条件を制御す
る必要があり、この点が本発明の主旨とするところであ
る。
後加速冷却で500 ℃で冷却停止したものをRQ−Tした
ものであり、一方、比較例No.6は、850 ℃の制御圧延
後、DQしたものをRQ−Tしたものである。両者とも
合金元素の固溶量が少なく、Nb化合物の平均粒径も大
きいため、板厚中心部の強度が低く、かつ表層部および
板厚中心部の靱性も低位である。したがって、930 ℃以
上の高温制御圧延−DQ−Q−T法を採用して、本発明
に規定する要件を満たす鋼板のみが板厚方向での均質性
とL方向、T方向での異方性の小さい性能を具備できる
ことが分かる。
由について説明する。Cは、高張力鋼板としての強度を
確保するために必要な元素である。含有量が0.07%未満
では引張強さが950N/mm2以上を得るのが困難であり、一
方、0.18%を超えて含有すると、耐溶接割れを劣化させ
る。したがって、C含有量は0.07〜0.18%の範囲とす
る。
るが、0.05%未満では効果が不十分であり、 0.30 %を
超えて含有すると溶接継手部において島状マルテンサイ
トを生成させ、溶接継手部靱性を低下させる。したがっ
て、Si含有量は0.05〜0.30%の範囲とする。
保するために不可欠な元素である。含有量が0.40%未満
では、このような効果がなく、一方、1.30%を超えて過
多に含有すると、靱性および溶接性が劣化する。したが
って、Mn含有量は0.40〜1.30%の範囲とする。
その効果を得るためには、0.01%以上の含有が必要であ
る。しかし、0.50%を超えて含有すると、熱間加工性お
よび溶接性を劣化させる。以上のことから、Cu含有量
は0.01〜0.50%の範囲とする。
効果があり、0.8 %未満の含有量では引張強さが950N/m
m2以上を確保できない。しかし、一方、3.5 %を超えて
含有しても、コストアップに見合うだけの強度じょうし
ょう靱性改善の効果が得られない。そのため、Ni含有
量は0.8 〜3.5 %の範囲とする。
含有量が0.10%未満ではこの効果が十分発揮されず、ま
た1.20%を超えて含有すると溶接性を劣化させる。した
がって、Cr含有量は0.10〜1.20%の範囲とする。
な元素であるが、含有量が0.05%未満では、これらの効
果が十分得られず、また0.80%を超えて含有すると、溶
接性が劣化するとともにコストアップとなる。よって、
Mo含有量は 0.05 〜 0.80%の範囲とする。
元素であるが、含有量が0.005 %未満では、これらの効
果が十分得られず、また0.100 %を超えて含有すると、
靱性と溶接性を劣化させる。よって、V含有量は 0.005
〜 0.100%の範囲とする。
が0.005 %未満では、その効果が少なく、また0.100 %
を超えて含有すると、靱性と溶接性を劣化させる。よっ
て、Al含有量は 0.005〜 0.100%の範囲とする。
存在することにより、そのピン止め効果によってオース
テナイト粒の成長を抑制し、オーステナイト粒を細粒化
すると共にマトリックスへの析出によって強度上昇をも
たらす。含有量が0.008 %未満では、その細粒化効果が
少なく、また0.025 %を超えて含有すると、強度上昇効
果が飽和するとともに、母材靱性を低下させる。したが
って、Nb含有量は0.008 〜0.025 %の範囲とする。
の上昇に有効であるが、このような効果を得るために
は、0.0003%以上の含有が必要である。一方、逆に0.00
30%を超えて含有しても効果の向上は望めない。したが
って、Bの含有量は0.0003〜0.0030%の範囲とする。
目標強度、靱性および加工のレベルに応じて、選択的に
添加することができる。Caは非金属介在物の球状化作
用を有し、曲げ加工性および靱性の向上に有効である。
含有量が0.0010%未満では、このような効果に乏しく、
逆に0.010 %を超えて含有すると球状化作用の向上が望
めないだけでなく、余分なCaが介在物となり、靱性を
劣化させる。したがって、Caの含有量は0.0010〜0.01
0 %の範囲とする。
して、微細化に有効である。このような効果を得るため
には、0.005 %以上の添加が必要であり、一方0.025 %
を超えて含有すると、母材靱性を低下させる。したがっ
て、Ti含有量は0.005 〜0.025 %の範囲とする。
いては、P、S、N、を各々規制する。まず、Pは、靱
性や溶接性を損ない、溶接時の高温割れ発生の原因とな
る。したがって、Pは0.010 %以下に規制する必要があ
る。
し、このMnS介在物は圧延によって展伸して曲げ加工
性および靱性を劣化させる。したがって、Sは0.005 %
以下に規制する必要がある。
て、Bの焼入れ性向上効果を低減させる。したがって、
0.0060%以下に規制する必要がある。
0.61% [但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6 +Ni/
40+Cr/5 +Mo/4 +V/14 (%)]の範囲とする。
Ceqが0.52%未満では、強度が確保できず、また0.61%
を超えると、耐溶接割れ性に劣る。
31% [但し、PcM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+
Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5 ×B (%)]
の範囲とする。PcM が0.25%未満では、溶接部が軟化
し、また0.31%を超えると、耐溶接割れ性に劣る。
確保するために、前記図1で説明した通り、sol.Cr+
sol.Mo+sol.V+sol.Bで表される合金元素の固溶量
を0.88%以上とする。合金元素の固溶量が0.88%未満の
場合、板厚中心部で目標強度を満足しなくなる。
鋼のミクロ組織を特定する。まず、鋼板の表層部から板
厚中心部において所望の高靱性(vTrs:−60℃以下で、
かつvE-60 :150J以上)を満足させるためには、前記図
3で説明した通り、旧オーステナイトの平均粒度No. を
8 以上とする必要がある。
は、前記図4で説明した通り、直接焼入れでNbを完全
固溶させた後、続く再加熱焼入れの昇温過程で、Nb化
合物を微細に析出させた上で、逆変態させることで、オ
ーステナイト粒の粗大化を防止することが必要である。
このため、平均粒度No. を8 以上にするためには、Nb
化合物の平均粒径を8nm 以下にし、かつ体積分率:1.5
×10-4〜5.0 ×10-4 %の範囲で存在させる。Nb化合物
がこのいずれかの条件を満足しない場合、所望のオース
テナイト粒度が得られず、表層部においては焼きが入り
すぎて靱性が低くなり、板厚中央部においては、粗粒の
ため靱性が低くなり、全板厚方向において靱性の均質性
が損なわれる。
伸度AIl ( 但しASTM E112 −1995,Specimens with None
quiaxed Grain Shapes 16.3.5, 237頁の測定方法によ
る) を特定することを特徴とする。展伸度AIl が1.5 を
超えると、靱性の異方性が大きくなり、圧延主方向と直
角方向(T方向)吸収エネルギーが低位なものになって
しまう。この展伸度AIl は、ASTM E112 −1995,Specime
ns with Nonequiaxed Grain Shapes 16.3.5, 237頁の測
定方法で、以下の通り規定される。
明は、板厚方向の均質性を有し、かつ靱性の異方性を少
なくすることを目的として、特に、板厚中心部での強
度確保、および表層部および板厚中心部において、再
結晶粒で微細な旧オーステナイト粒を確保することにあ
る。そのために、に対して、前処理としてのDQで、
Cr、Mo、V、Nb、B等を過飽和に固溶させて、板
厚中心部においても焼入れ性を確保すること、に対し
て、DQ後にRQを入れて、再加熱時の逆変態にNb化
合物の微細析出を絡ませることでより一層の細粒化を図
ることを発明のポイントとしている。
ついては、圧延に際して、スラブ段階で、合金元素の化
合物(析出物)を完全固溶させることが重要で、そのた
め1100℃以上に高温加熱することが、直接焼入れの必須
条件となる。1100℃未満では、前記合金元素の化合物を
完全固溶させることができない。
は、圧延−再結晶の繰り返しによるオーステナイト粒の
等方的微細化に非常に有効である。しかし、累積圧下率
が40%未満では細粒化が十分果たせない。したがって、
高温制御圧延として、930 〜1000℃の温度域で40%以上
の累積圧下率で圧下を加える。
は、Cr、Mo、V、Nb、B等の固溶元素が化合物の
形で析出して、直接焼入れ時の焼入れ性が低下するた
め、本発明の要件となる合金元素の固溶量を確保できな
くなる。したがって、圧延仕上げ温度については、930
℃以上とする。
却速度が3.5 ℃/sec 未満では、完全マルテンサイト組
織とならず、CやNの拡散が起こるために、Cr、M
o、V、Nb、B等の炭化物や窒化物が析出して、本発
明の要件となる合金元素の固溶量を確保できなくなる。
したがって、板厚中心部を完全に焼き入れるために、同
部の冷却速度を3.5 ℃/sec 以上とする。
は、Mf点以下であることが必要であり、板厚中心部ま
で完全に焼き入れるために、200 ℃以下とする。
ンサイト組織をオーステナイト組織に逆変態させて微細
化を図り、細粒オーステナイトからの焼入れで細粒のマ
ルテンサイト変態組織を得ることを狙いとしている。そ
のためには、焼入れ温度をAc3 点以上で、かつ固溶B
による焼入れ性の向上を勘案して、目標強度を確保する
ため、その下限を870 ℃とした。また、焼入れ温度が95
0 ℃を超えると、オーステナイト粒が粗くなり、鋼の低
温靱性を損なう。したがって、再加熱時の温度を870 〜
950 ℃とした。
歪みを除去し、かつセメンタイトを微細に析出させて、
強度−靱性バランスを改善するために実施されるが、過
度の強度低下を避けるために焼戻し温度を、A c1点以下
の温度とする。また、焼戻し後の冷却方法としては、ペ
ンストック等の曲げ成形を勘案して、新たな残留応力の
導入を回避するために空冷とした。
向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級
調質高張力鋼板およびその製造方法について、実施例を
挙げて説明する。
々溶製し、表5、6に示すような条件で、板厚50〜100m
m の鋼板に圧延後、直接焼入れ等の熱処理を行った。そ
してこれらの鋼板から試験片を採取して、抽出残差分析
により合金元素の未固溶量、抽出レプリカ法によりNb
化合物の析出状態、およびASTM E112 −95により旧オー
ステナイト粒度の各々の測定を行った。また、機械的試
験として、t/4 、t/2での引張試験および表面7mm 下、t
/4 、t/2 でのV ノッチシャルピー試験を鋼板のL方
向、T方向の両方向について行い、強度と靱性を評価し
た。また、溶接性を評価するために、 JIS Z 3158 Y 形
溶接割れ試験 (入熱17kJ/cm) で割れの有無を調べて、
割れ防止最低予熱温度を求めた。これらの結果を、表7
〜13に示す。なお、表7〜13のNo.1〜28の鋼板は、
板厚50mmであり、No.29 は板厚75mm、No.30 〜32は板厚
100mm である。
板は、本発明組成内のNb添加鋼に、低温制御圧延−DQ
−Tを施したものであるが、板厚中心部(t/2) の強度
が、表1の目標強度を満足しておらず、またT方向の靱
性が低位である。また、強度、靱性とも板厚方向で不均
質で、L、T方向の異方性も大きい。
成内のNb添加鋼に、高温制御圧延−DQ−Tを施したも
のであるが、全板厚方向において、vE-60 、vT rs とも
劣り、表1の目標値を満足していない。
内のNb添加鋼に、高温制御圧延−RQ−Tを施したもの
であるが、t/4 、t/2 とも、表1の目標強度を満足して
いない。また表層部、t/2 のvE-60 が表1の目標値を満
足していない。
0、22〜25、27、29〜31の本発明例の鋼板は、本発明組
成内のNb添加鋼に、本発明製法条件内の高温制御圧延−
DQ−Q−Tを施して、本発明規定内のミクロ組織を有
しているものである。この場合、全板厚方向にわたっ
て、強度、靱性とも表1の目標値を満足し、優れた均質
性を有するとともに、L、T方向の異方性も殆ど無い。
また、割れ防止最低予熱温度も125 ℃以下と良好であ
り、表1の目標値を満足する。
の鋼板は、本発明組成内のNb添加鋼に、本発明規定外の
製造条件で圧延・冷却を行った後に、RQ−Tを施した
ものであるが、板厚方向において強度、靱性とも表1の
目標値を満足していない。また板厚方向において均質性
に劣る。
例の鋼板は、本発明組成外の鋼に、本発明製法条件内の
高温制御圧延−DQ−Q−Tを施したものであるが、い
ずれの鋼板も、板厚方向において強度あるいは靱性が表
1の目標値を満足していない。また板厚方向において均
質性にも劣る。この内、No.32 の比較例の鋼板は、溶接
割れ感受性指数PcM が、本発明範囲の上限0.31%を超え
ており、耐溶接割れ性に劣り、JIS Z 3158 Y形溶接割れ
試験 (入熱17kJ/cm) での割れ防止最低予熱温度が150
℃と高く、表1の目標値(125℃以下) を満足していな
い。
優れ、また靱性の異方性を改善した950N/mm2級調質高張
力鋼板とその製造方法を提供することができる。即ち、
特に、鋼板のL方向、T方向共に脆性亀裂伝播停止のた
めの高位の破壊靱性や、全板厚方向位置および鋼板のL
方向、T方向共に、950N/mm2以上の引張強度と、vTrs:
−60℃以下で、かつvE-60 :150J以上の高い靱性を有す
る、厚肉950N/mm2級高張力鋼板を提供することができ、
その結果、ペンストックなどの用途の高落差化および大
口径化を可能にする点で工業的な価値は大きい。
の、合金元素の固溶量と強度との関係を示す説明図であ
る。
度と、合金元素の固溶量との関係を示す説明図である。
イト粒度と靱性値との関係を示す説明図である。
合物の析出状態と、旧オーステナイト粒度No. との関係
を示す説明図である。
Nb化合物としてのNb量と、DQ−Q後の旧オーステ
ナイトの平均粒度No. との関係を示す説明図である。
Nb化合物としてのNb量と、DQ−Q後の旧オーステ
ナイトの平均粒度No. との関係を示す説明図である。
オーステナイト結晶粒と、その大きさを示す説明図であ
る。
Nbの析出挙動を示す説明図である。
各製造工程におけるマトリックスの硬さを示す説明図で
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 質量%にて、C:0.07〜0.18%、Si:
0.05〜0.30%、Mn:0.40〜1.30%、Cu:0.01〜0.50
%、Ni:0.8 〜3.5 %、Cr:0.10〜1.20%、Mo:
0.05〜 0.80 %、V:0.005 〜 0.100%、Al:0.005
〜0.100 %、Nb:0.008 〜0.025 %、B:0.0003〜
0.0030 %を含有し、かつN:0.0060%以下、P:0.010
%以下、S:0.005 %以下に各々規制し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ炭素当量Ceq.が0.52
〜0.61% [但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6 +Ni
/40+Cr/5 +Mo/4 +V/14 (%)]で、溶接割れ
感受性指数PcM が0.25〜0.31% [但し、PcM=C+Si/
30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/
15+V/10+5 ×B (%)]で、更に合金元素の固溶量
[但し、合金元素の固溶量=sol.Cr+sol.Mo+sol.
V+sol.B (%)]が0.88%以上となる化学組成を有し、
鋼中のNb化合物が平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分
率:1.5 ×10-4〜5.0 ×10-4 %の範囲で存在し、鋼の旧
オーステナイト粒の平均粒度No. が8 以上でかつ展伸度
AIl ( 但し、ASTM E112 −1995,16.3.5,237頁の測定方
法による) が1.5 以下であることを特徴とする、板厚方
向での均質性に優れ、靱性の異方性の小さい950N/mm2級
調質高張力鋼板。 - 【請求項2】 選択添加元素として更に、Ti:0.005
〜 0.025%、Ca:0.0010〜0.010 %の内から、一種ま
たは二種を含有する請求項1に記載の950N/mm2級調質高
張力鋼板。 - 【請求項3】 板厚が100mm 以下である請求項1または
2に記載の950N/mm2級調質高張力鋼板。 - 【請求項4】 前記靱性がvTrs:−60℃以下で、かつvE
-60 :150J以上である請求項1乃至3のいずれか1項に
記載の950N/mm2級調質高張力鋼板。 - 【請求項5】 用途がペンストック用である請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の950N/mm2級調質高張力鋼
板。 - 【請求項6】 質量%にて、C:0.07〜0.18%、Si:
0.05〜0.30%、Mn:0.40〜1.30%、Cu:0.01〜0.50
%、Ni:0.8 〜3.5 %、Cr:0.10〜1.20%、Mo:
0.05〜 0.80 %、V:0.005 〜 0.100%、Al:0.005
〜0.100 %、Nb:0.008 〜0.025 %、B:0.0003〜
0.0030 %を含有し、かつN:0.0060%以下、P:0.010
%以下、S:0.005 %以下に各々規制し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ炭素当量Ceq.が0.52
〜0.61% [但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6 +Ni
/40+Cr/5 +Mo/4 +V/14 (%)]で、溶接割れ
感受性指数PcM が0.25〜0.31% [但し、PcM=C+Si/
30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/
15+V/10+5 ×B (%)]となる化学組成を有する鋼
を、1100℃以上に加熱して熱間圧延し、1000℃以下の温
度域で40%以上の累積圧下率で圧下を加え、930 ℃以上
で仕上げた後、そのまま板厚中心部の冷却速度が3.5 ℃
/sec 以上で、かつ200 ℃以下まで直接焼入れを行い、
次いで、870 〜950 ℃の温度域に再加熱して水焼入れを
行い、引き続いてA c1点以下の温度で焼戻して空冷する
ことを特徴とする、板厚方向での均質性に優れ、靱性の
異方性の小さい950N/mm2級調質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 前記焼戻して空冷後の鋼板が、鋼の合金
元素の固溶量 [但し、合金元素の固溶量=sol.Cr+so
l.Mo+sol.V+sol.B (%)]が0.88%以上で、鋼中の
Nb化合物が平均粒径:8nm 以下で、かつ体積分率:1.
5 ×10-4〜5.0 ×10-4 %の範囲で存在し、鋼の旧オース
テナイト粒の平均粒度No. が8 以上でかつ展伸度AIl (
但し、ASTM E112 −1995,16.3.5,237 頁の測定方法によ
る) が1.5 以下である、請求項6に記載の950N/mm2級調
質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項8】 選択添加元素として更に、Ti:0.005
〜 0.025%、Ca:0.0010〜0.010 %の内から、一種ま
たは二種を含有する請求項6または7に記載の950N/mm2
級調質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項9】 板厚が100mm 以下である請求項6乃至8
のいずれか1項に記載の950N/mm2級調質高張力鋼板の製
造方法。 - 【請求項10】 前記靱性がvTrs:−60℃以下で、かつ
vE-60 :150J以上である請求項6乃至9のいずれか1項
に記載の950N/mm2級調質高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項11】 用途がペンストック用である請求項6
乃至10のいずれか1項に記載の950N/mm2級調質高張力
鋼板の製造方法。
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JPH10265893A JPH10265893A (ja) | 1998-10-06 |
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