JP3496906B2 - 板紙の濾水性向上方法 - Google Patents
板紙の濾水性向上方法Info
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Description
子とコロイダルシリカの併用添加から成る新規な濾水性
向上剤に関するものであり、本発明の濾水性向上剤は紙
料濾過速度の増大および湿紙匹の乾燥速度向上により、
板紙の抄紙速度の向上あるいは紙力増強効果をもたらす
事を目的とする。
されている。 例えばポリエチレンイミン、ポリアクリ
ルアミドのホフマン分解物が濾水性向上剤として有名で
あり、アクリル系の濾水性向上剤としても特開昭61−
6395号、特開昭61−6396号等のアクリレート
カチオンが有効である事が知られている。 また各種両
性メタクリレートが抄紙用薬剤として数多く知られてい
る。 また汚泥脱水剤としてアクリロイルオキシエチル
ジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位とアクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩構造単位およ
びアクリルアミド構造単位から成るカチオン性共重合体
(特開昭62−262799号公報)が知られている。
また填料歩留り向上法としてアクリルアミド系高分子
とコロイダルシリカを併用添加する方法(特開昭62−
15391,特開昭62−110998,特開昭64−
45899,特開平2−74695号公報)が知られて
いる。
度の向上であるが、紙力増強を目的として用いられる事
も多い。 即ちパルプの叩解度を向上させると紙力増強
を望む事ができるが抄紙速度が低下する欠点が有る。
濾水性向上剤を用いる事により濾過速度ならびに湿紙匹
の乾燥速度を高叩解度のパルプに対しても通常の叩解度
のパルプと同様の水準に維持する事が可能と成り、実質
的に紙の生産速度を落とす事無く高叩解度のパルプを用
いた紙料を抄造する事により高性能の紙を抄紙する事が
可能と成り抄紙薬品として重要視されている。 しかし
ながら従来の薬品は上述の目的には不十分であり新しい
処方が求められていた。
事であり濾水性向上剤を用いる事により濾過速度ならび
に湿紙匹の乾燥速度を高叩解度のパルプに対しても通常
の叩解度のパルプと同様の水準に維持する事が可能と成
り、実質的に紙の生産速度を落とす事無く高叩解度のパ
ルプを用いた紙料を抄造する事により高性能の紙を抄紙
する事が可能と成る抄紙方法を提供する事に有る。
ロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩構
造単位、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニ
ウム塩構造単位、およびアクリルアミド構造単位をそれ
ぞれ5モル%以上含有し、分子量が300万以上、60
0万以下であるアクリル系水溶性カチオン性共重合体と
コロイダルシリカの併用個別添加から成る事を特徴とす
る板紙の濾水性向上方法である。本願発明の第一の特徴
は従来製紙用薬剤として用いられた事の無い特殊な分子
構造を有するアクリル系水溶性カチオン性共重合体を用
いる事を特徴としている。 本願発明に用いるアクリル
系水溶性カチオン性共重合体は汚泥脱水剤としては公知
であるが、製紙用薬剤としては使われた事の無い物質で
ある。 またアクリル酸等のアニオン性単量体を組成の
一部として少量共重合しても、本願発明のアクリル系カ
チオン性共重合体の範疇に入り、同等に使用できる事は
言うまでもない。 本願発明の特徴は上記アクリル系水
溶性カチオン性共重合体とコロイダルシリカを併用添加
する板紙の濾水性向上方法である。 前述の如く一般的
なカチオン性高分子とコロイダルシリカの併用は填料歩
留り向上剤として知られていた。 常識的に考えて填料
等の微細物質を多量に紙匹に留めれば乾燥性は悪化し抄
紙速度は低下すると思考すべきであり、生産性を高める
濾水性向上剤の用途にカチオン性高分子とコロイダルシ
リカを併用するには思考の飛躍が求められる。また本願
発明のアクリル系水溶性カチオン性共重合体の分子量が
300万以上である事を特徴とする。 従来の常識から
すれば製紙内添薬剤が高分子であればフロック地合いに
なり紙質が低下する恐れが有り、乾燥性も悪化する事か
ら濾水性向上剤として忌避されて来た。 本願発明にお
いてはこの様なトラブルは認められず低添加量で効果を
発揮する経済的効果が大きい。
チルジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位、アクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩構造単
位、およびアクリルアミド構造単位から成るアクリル系
水溶性カチオン性共重合体中の、カチオン性モノマー構
造単位の総和が15モル%以上である事を特徴とする。
本願発明の第二の特徴は上記アクリル系水溶性カチオン
性共重合体のカチオン化率に関するものであり、カチオ
ン化率が高い方が搾水性が良く含水率低下すなわち乾燥
性向上による抄紙速度増大に寄与し、アミド基の割合が
増加するほど凝集力すなわち濾水性向上による抄紙速度
増大に寄与する。 望ましいカチオン化率は15〜95
モル%であり、好ましくは20〜90モル%であり、特
に好ましくは30〜80モル%である。
チルジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位、アクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩構造単
位、およびアクリルアミド構造単位から成るアクリル系
水溶性カチオン性共重合体の添加量が紙料乾燥重量あた
り30〜300ppmでありコロイダルシリカの添加量
が紙料乾燥重量あたり50〜500ppmである事を特
徴とする。この添加量は従来公知のポリマーとコロイダ
ルシリカの併用添加処方に較べて著しく低添加量であ
り、かかる低添加量で有効な効果を発揮する理由は、本
願発明のアクリル系水溶性カチオン性共重合体の分子構
造が特異である事および分子量が高分子量であり凝集力
に優れる事に起因するものと考えられる。 なおコロイ
ダルシリカの添加量は業界の慣例にならいSiO2 に換
算して表示する。
7.0である板紙の抄紙に用いる事を特徴とする。本願
発明の最大の特徴は板紙の抄紙に用いる事であり、板紙
はポリアクリルアミド系の紙力増強剤を使う事が一般化
しており、該紙力増強剤の定着に硫酸バンドを使用する
事から酸性抄紙が一般的に適用されている。 洋紙の填
料歩留り向上剤として紹介されている既存技術の、ポリ
マーとコロイダルシリカの併用処方は中性抄紙の填料す
なわち炭酸カルシュウムの歩留り向上剤に関する技術で
あり、抄紙PHと用途(洋紙と板紙)の違いに大きな差
が有る。板紙には中性古紙から混入する以外に炭酸カル
シュウムが含まれる事は無い。
チルジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位、アクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩構造単
位、およびアクリルアミド構造単位から成るアクリル系
水溶性カチオン性共重合体の添加後に紙料に剪断が加わ
り、しかる後にコロイダルシリカが添加される事を特徴
とする。 請求項6の発明はアクリロイルオキシエチル
ジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位、アクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩構造単位、お
よびアクリルアミド構造単位から成るアクリル系水溶性
カチオン性共重合体をセントリスクリーンの前に添加
し、コロイダルシリカをセントリスクリーンの後に添加
して使用する事を特徴とする。 この2項はアクリル系
水溶性カチオン性共重合体とコロイダルシリカの添加方
法を具体的に示したものであり、紙力増強剤の様に種箱
に添加するものではない事を示している。 種箱にアク
リルアミド系紙力増強剤、サイズ剤、硫酸バンド、その
他の薬剤を添加することは板紙の抄紙において日常的に
行われている事であり、本願発明においても当然実施さ
れてしかるべきである。 ファンポンプにDADMAC
等の低分子量のポリカチオンを添加して紙料内のポリア
ニオンの蓄積を防止する様な事も本願発明の範疇に入
り、板紙の抄紙において公知の技術は全て本願発明に適
用可能である事は言うまでも無い。 本願発明のアクリ
ル系水溶性カチオン性共重合体をファンポンプに添加し
ても効果を発揮するものではあるがセントリスクリーン
前添加には性能的に及ばない。
クリル系水溶性カチオン性共重合体の特殊な分子構造に
起因すると考える事が自然ではあるが、その因果関係を
証明する詳しい作用機構がわかっているわけでは無い。
ジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位中のベンジ
ル基がランダムに高分子内に分布している為、そのファ
ンデルワールス引力に起因する分子間架橋により特殊な
凝集機構を発現するものとも考えられるが定かでは無
い。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に制約されるものではない。
をモノマー濃度15%に脱イオン水に溶解し、窒素置換
後に亜硫酸水素ナトリウムおよび2,2’アゾビスアミ
ジノプロパン塩酸塩を重合開始剤として添加し、水溶液
重合により効果試験に供する試料を作成した。 各試料
のモノマー組成と分子量を表ー1に示す。
試験を行うにあたり、PH5.8〜6.0の紙料を長網
オントップフォーマーにて、無薬注時を100とした時
の生産性の比較指数としての各試料添加条件での抄紙速
度を表ー2に示す。 使用ポリマーは表−1記載の各試
料をポリマー濃度0.15%にてスクリーン入口に添加
し、コロイダルシリカとしては、日産エカノーベル社製
の商品BMA780の原液をライン中にて水で希釈しな
がらスクリーン出口に添加した。 各試料添加条件と生
産性指数を表ー2に示す。 この表はコロイダルシリカ
併用時の各試料間の性能差を比較したものである。 コ
ロイダルシリカの添加量は前述の如くSiO2 としての
表示である。 表内の記載ではコロイダルシリカを省略
してシリカと表示したが、内容的には上記日産エカノー
ベル社製の商品BMA780を指し示す。
料ー1〜試料ー4)は、比較試料である2元共重合体あ
るいはメタクリレートとの3元共重合体(試料ー5〜試
料ー9)に対し、抄造速度の向上性において、コロイダ
ルシリカ併用時において明白な優位性を示す。 製紙関
係における係る性能差はこれまでの技術の延長上では予
想できなかったことである。
Claims (6)
- 【請求項1】 アクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩構造単位、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩構造単位、およびアクリ
ルアミド構造単位をそれぞれ5モル%以上含有し、分子
量が300万以上、600万以下であるアクリル系水溶
性カチオン性共重合体とコロイダルシリカの併用個別添
加から成る事を特徴とする板紙の濾水性向上方法。 - 【請求項2】 アクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩構造単位、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩構造単位、およびアクリ
ルアミド構造単位から成るアクリル系水溶性カチオン性
共重合体中の、カチオン性モノマー構造単位の総和が1
5モル%以上である事を特徴とする請求項1に記載の板
紙の濾水性向上方法。 - 【請求項3】 アクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩構造単位、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩構造単位、およびアクリ
ルアミド構造単位から成るアクリル系水溶性カチオン性
共重合体の添加量が紙料乾燥重量あたり30〜300p
pmでありコロイダルシリカの添加量が紙料乾燥重量あ
たり50〜500ppmである事を特徴とする請求項1
あるいは請求項2に記載の板紙の濾水性向上方法。 - 【請求項4】 紙料のPHが4.0〜7.0である板
紙の抄紙に用いる事を特徴とする請求項1〜請求項3に
記載の板紙の濾水性向上方法。 - 【請求項5】 アクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩構造単位、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩構造単位、およびアクリ
ルアミド構造単位から成るアクリル系水溶性カチオン性
共重合体の添加後に紙料に剪断が加わり、しかる後にコ
ロイダルシリカが添加される事を特徴とする請求項1〜
請求項3に記載の板紙の濾水性向上方法。 - 【請求項6】 アクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩構造単位、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩構造単位、およびアクリ
ルアミド構造単位から成るアクリル系水溶性カチオン性
共重合体をセントリスクリーンの前に添加し、コロイダ
ルシリカをセントリスクリーンの後に添加して使用する
事を特徴とする請求項5に記載の板紙の濾水性向上方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11115396A JP3496906B2 (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | 板紙の濾水性向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP11115396A JP3496906B2 (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | 板紙の濾水性向上方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09279498A JPH09279498A (ja) | 1997-10-28 |
JP3496906B2 true JP3496906B2 (ja) | 2004-02-16 |
Family
ID=14553817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11115396A Expired - Fee Related JP3496906B2 (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | 板紙の濾水性向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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---|---|---|---|---|
JP4589495B2 (ja) * | 2000-08-03 | 2010-12-01 | ハイモ株式会社 | 濾水性向上方法 |
AU2001280361B2 (en) * | 2000-08-07 | 2004-07-22 | Kemira Oyj | A process for the production of paper |
JP4666558B2 (ja) * | 2001-05-31 | 2011-04-06 | ハイモ株式会社 | 濾水性向上方法 |
-
1996
- 1996-04-09 JP JP11115396A patent/JP3496906B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09279498A (ja) | 1997-10-28 |
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