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JP3495551B2 - テーパーねじ付きボルト - Google Patents

テーパーねじ付きボルト

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Publication number
JP3495551B2
JP3495551B2 JP08510597A JP8510597A JP3495551B2 JP 3495551 B2 JP3495551 B2 JP 3495551B2 JP 08510597 A JP08510597 A JP 08510597A JP 8510597 A JP8510597 A JP 8510597A JP 3495551 B2 JP3495551 B2 JP 3495551B2
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JP
Japan
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bolt
screw
taper
thread
tip
Prior art date
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JP08510597A
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English (en)
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JPH10281129A (ja
Inventor
和弘 平野
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陸用タービン高圧車
室の上車室と下車室とを締結する際などに使用するテー
パーねじ付きボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は一般的な陸用タービン高圧車室の
断面図である。図において、1は上車室、2は下車室、
3は上記両車室の接触面、4は下車室に捩じ込まれたテ
ーパーねじ付きボルト、5はナットであり、これをしめ
付けて上下の車室を締結する。図3には示していない
が、このボルトには中心線に沿ってヒーター挿入用の貫
通孔が設けてある。
【0003】上記車室において、上下の車室を締結する
時には、先ずボルト4を下車室に捩じ込んで植え込む。
次に前記の貫通孔にヒーターを挿入してボルトを加熱し
て膨張させる。ボルトが膨張した状態でナット5をボル
トの頂部ねじに装着して締め付ける。その後にヒーター
を除去してボルトを冷却する。これによってボルトが収
縮するので強力な力で上下の車室が締結される。この技
術は従来から用いられているものである。
【0004】図4は上記の上下車室の締結に用いられる
従来のテーパーねじ付きボルト4の下端部側面図、図5
はこのボルト4を下車室のねじ穴に植え込んだ状態を示
す側面図である。
【0005】図4において、6はこのボルトの本体部、
7はねじ部である。8はボルト端部傾斜面、9は中心線
に沿って貫通しているヒーター挿入孔、10はねじの有
効径を示す線である。この有効径を示す線10はボルト
の本体部6からボルトの先端部へ向って直径が大きくな
る方向へテーパーしている。すなわちこのねじ部は、ボ
ルト先端部の方が太い先太テーパーねじ部11を形成し
ている。このテーパーは3/1000程度である。
【0006】図5は上記のボルト4が下車室2のねじ穴
に植え込まれた状態を示す断面図である。3は下車室2
が図3に示した上車室1と接触する面である。13はボ
ルト端部傾斜面8が当接するねじ穴底部傾斜面である。
Sは上記テーパーねじ付きボルト4と下車室の通常の一
定直径のねじ穴のめねじとの間に形成される隙間、Hは
ボルトねじ山ピッチ、Tは車室側ねじ山ピッチである。
【0007】ボルトのねじの有効径に上記のようなテー
パーを付ける理由は次の通りである。
【0008】(1)ボルト4をねじ穴に植え込んだ後、
ナット5を締める前に、ヒーターをヒーター挿入孔9に
挿入してボルトを加熱すると、ボルトは膨張する。ボル
トの長手方向の膨張によってボルトねじ山のピッチが大
となる。この時、ボルトねじ有効径にテーパーが無い
と、ボルトのねじ山と車室側のねじ山とが干渉し、材質
の弱い車室側のねじ山が損傷する。このため、ねじ山の
一部の嵌合を外し干渉を避けている。
【0009】(2)上下の車室を締結した状態におい
て、接触面3に加わる面圧を均等にするためには、下車
室2のねじ穴のねじの、できるだけ接触面3から遠い位
置のねじ山にボルトからの荷重を加える方が良い。この
ため、ねじ穴奥部のねじ14に最もよく嵌合するようボ
ルトのねじ有効径にテーパーが付けられる。接触面3に
近い部分ではボルトのねじ山と車室側のねじ山との間に
微小な隙間Sが生じるようにして嵌合を外し、干渉を避
けている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のテーパーねじ付
きボルトは、前述したように、ボルトねじ山先端部12
が最も有効径が大きく、従ってねじを締め込むと、その
力は上記ねじ山先端部12に大きな力がかかる。その結
果次のような問題が生じる。
【0011】(1)ボルト4を下車室ねじ穴に植込む工
程で、ボルト端部傾斜面8はねじ穴底部傾斜面13に強
く押し付けられる。ボルトはその反力を下車室ねじ穴の
めねじに加える。ねじはテーパー状となっているので、
ボルトねじ山先端部12とねじ穴奥部のねじ14とは、
大きい面圧で摺動することになる。この高圧摺動によっ
て大きな摩擦熱が発生し、これが原因となって両ねじは
焼付き、ボルトを車室から取り外すことができなくな
る。
【0012】(2)ボルトは旋削加工によって製造され
る。ねじ部の加工を行う際に、刃物がねじ山を削り始め
た段階で、一瞬刃先がショックを受けて振動する。その
結果、ねじ山先端部12付近の山の表面が波状に加工さ
れ、上記(1)項で述べた焼付き現象の可能性が大きく
なる。
【0013】(3)上記(1)項で述べたボルト4の植
え込みの工程において、ボルト4のねじが車室のねじか
ら受ける力は、実質的にボルトねじ山先端部12が受け
ている。これはねじ山がテーパー状となっているからで
ある。このため、ボルト端部傾斜面8とねじ穴底部傾斜
面13との接触がリング状の均一な接触とならず、ボル
ト本体部6の近くに隙間Sが形成されていることによっ
て、ボルトが傾いた状態で植え込まれてしまう。
【0014】本発明は上記従来技術の欠点を解消し、 (1)ボルトねじ山先端部とねじ穴奥部のねじとの間の
摩擦熱による焼付きを無くす。 (2)ボルトねじ山先端部の加工時に表面が波状になっ
ていても焼付きが生じないようにする。 (3)ボルトがねじ穴に傾斜状態で植え込まれることが
無いようにする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
したものであって、ボルトのネジ有効径がボルト先端に
向かって次第に大きくなる先太テーパーねじ部を備え、
ねじ有効径が一定のめねじを備えたねじ穴に植え込まれ
るテーパーねじ付きボルトにおいて、次の特徴を有する
テーパーねじ付きボルトに関するものである。 (1) 上記先太テーパーねじ部のボルト先端側に隣接
してねじ有効径が一定のストレートねじ部を設けた。 (2) 上記(1)項に記載のテーパーねじ付きボルト
において、ストレートねじ部のボルト先端側に隣接して
ねじ有効径がボルト先端に向かって次第に小さくなる先
細テーパーねじ部を設けた。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の第1形態に
係るテーパーねじ付きボルトの側面図である。図におい
て、6は本体部、7はねじ部、8はボルト端部傾斜面、
9はヒーター挿入孔、11は先太テーパーねじ部であ
る。上記各部の構成は従来と同じであるが、異るのが、
ねじ部7に先太テーパー部11のほか、ストレートねじ
部15が設けてある点である。
【0017】ストレートねじ部15は、先太テーパーね
じ部11のボルト先端側に隣接する部分に設けられてお
り、ねじ有効径を示す線10がボルトの中心線に平行な
部分である。ストレートねじ部15の範囲(長さ)は少
くともボルトねじ山ピッチH(図5)以上を確保し、ね
じ山が受ける力を全周で均一に受ける構造とする。但し
従来技術の特徴を保つためにはストレートねじ部15は
あまり長くしない方がよい。即ちボルトねじ山ピッチH
相当長さ程度が良い。
【0018】この実施形態のボルトには、その端部にス
トレートねじ部15が設けてあるので、少くともねじ山
一周分は完全に接触する。したがって従来のねじ山先端
にのみ過大な面圧が加わって生じていたねじの焼き付き
が起らない。また、少くともねじ山一周分が接触するの
で、ボルト中心線がねじ穴中心線と一致するので、ボル
トが傾斜して植え込まれるということも無くなる。また
ねじ山先端部表面に加工時に波状面が生じていても、ね
じ山一周の長さに比して波長面の長さは短く、前述のよ
うに荷重は大部分の平滑な面で受けるので、焼付きの生
じる可能性は低い。
【0019】図2は本発明の実施の第2形態に係るテー
パーねじ付きボルトの側面図である。本実施形態におい
ては、ストレートねじ部15のボルト先端側に隣接して
先細テーパーねじ部16が設けてある。この部分では、
ねじ有効径を示す線10が、ボルトの先端方向に向けて
直径が小さくなるようテーパー状に形成されている。上
記以外の部分の構成は第1実施形態のボルトと同じであ
る。
【0020】このボルトではねじ部のボルト先端側に先
細テーパーねじ部16が設けてあるので、ねじ部加工時
にねじ山先端部12の表面が波状に加工されたとして
も、この部分は下車室側のねじに当接しないので、焼付
き現象が生じることはない。上記以外の作用効果は第1
実施形態のボルトと同じである。
【0021】
【発明の効果】
(1)本発明の、先太テーパーねじ部のボルト先端側に
隣接してねじ有効径が一定のストレートねじ部を設けた
テーパーねじ付きボルトにおいては、ストレート部にお
いてボルトとねじ穴のねじ山は、少なくともねじ山一周
分が完全に接触するので、従来のようにボルトの先太テ
ーパーねじ部の先端にのみ力が加わることがなく、焼付
きが防止される。また、ストレート部においてボルトと
ねじ穴のねじ山が完全に接触するので、ボルト中心線と
ねじ穴中心線とが一致するので、ボルトの傾斜植え込み
が無くなる。
【0022】(2)上記(1)項に記載のテーパーねじ
付きボルトのストレートねじ部のボルト先端側に隣接し
てねじ有効径がボルト先端に向かって次第に小さくなる
先細テーパーねじ部を設けたテーパーねじ付きボルトに
おいては、上記(1)項の効果のほか、ボルト端部側の
ねじ山先端部は、ねじ穴のねじ山に当接しないので、ね
じ山先端表面が加工によって波状面となっていても焼付
きは発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るテーパーねじ付
きボルトの側面図。
【図2】本発明の実施の第2形態に係るテーパーねじ付
きボルトの側面図。
【図3】一般的な陸用タービン高圧車室の断面図。
【図4】上記高圧タービン車室の上下車室の締結に用い
られる従来のテーパーねじ付きボルトの下端部側面図。
【図5】上記ボルトが下車室のねじ穴に植え込まれた状
態を示す断面図。
【符号の説明】
1 上車室 2 下車室 3 接触面 4 テーパーねじ付きボルト 5 ナット 6 本体部 7 ねじ部 8 ボルト端部傾斜面 9 ヒーター挿入孔 10 ねじ有効径を示す線 11 先太テーパーねじ部 12 ボルトねじ山先端部 13 ねじ穴底部傾斜面 14 ねじ穴奥部のねじ 15 ストレートねじ部 16 先細テーパーねじ部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルトのネジ有効径がボルト先端に向か
    って次第に大きくなる先太テーパーねじ部を備え、ねじ
    有効径が一定のめねじを備えたねじ穴に植え込まれるテ
    ーパーねじ付きボルトにおいて、上記先太テーパーねじ
    部のボルト先端側に隣接してねじ有効径が一定のストレ
    ートねじ部を設けたことを特徴とするテーパーねじ付き
    ボルト。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のテーパーねじ付きボル
    トにおいて、ストレートねじ部のボルト先端側に隣接し
    てねじ有効径がボルト先端に向かって次第に小さくなる
    先細テーパーねじ部を設けたことを特徴とするテーパー
    ねじ付きボルト。
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