JP3489613B2 - ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物Info
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Description
樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物に関す
る。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は塗装、印
刷、接着等の二次加工性が良好であり、その成形体品は
物理的、化学的性質が良好であるため、家庭用品、各種
容器、各種部品など幅広い分野で利用できる。
的、化学的性質が良好であるために、家庭用品、各種容
器、各種部品など幅広い分野で大量に消費されている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂は分子中に極性基も官能
基も有しないため、化学的に不活性であり、また溶剤に
対する溶解性にも乏しいため塗装、印刷、接着等に関す
る付着性が悪く、ポリオレフィン系成形品表面に二次加
工を行うことは困難であった。そのため、ポリオレフィ
ン系成形品表面に容易に二次加工を施すべく、各種表面
処理法や添加剤を含有する各種樹脂組成物が提案されて
いる。
ては、火焔処理、コロナ放電処理、クロム酸−硫酸混液
による酸化処理等が挙げられる。しかし、火焔処理、コ
ロナ放電処理等は特殊な設備を必要としたり、成形品の
形状が制約されるといった問題点が生じる。また、クロ
ム酸−硫酸混液による酸化処理では危険な化学薬品の使
用や、操作が煩雑であるといった問題があり、対応でき
る塗料も制約される。また、これら表面処理による方法
では時間の経過により、処理効果が弱くなるという問題
点も見られる。
ては、無機または有機充填剤が提案されているが、かか
る添加剤を含有する樹脂組成物は、二次加工しうる塗料
等の選択範囲が狭いといった問題がある。一方、添加剤
として有機化合物を用いる方法も検討はされているが、
濡れ性の向上はみられず、また、塗膜の付着性改良効果
も弱いもので、満足のできるものではなかった。
刷、接着等の二次加工性が良好なポリオレフィン系樹脂
組成物を提供することを目的とする。
を解決すべく、ポリオレフィン系樹脂に配合する各種添
加剤について鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン系
樹脂に、特定の水酸基を含有する石油樹脂を含有させる
ことにより、得られる樹脂組成物の二次加工性が向上す
るという事実を見出し、本発明を完成するに到った。
0であるアルコール変性石油樹脂またはその水素化物を
含有してなるポリオレフィン系樹脂用改質剤;さらに
は、ポリオレフィン系樹脂(B)および前記改質剤
(A)を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物に関
する。
改質剤(A)として用いられる、水酸基価が10〜25
0であるアルコール変性石油樹脂は、石油留分を主成分
としてなり、樹脂中にアルコール性水酸基を有するもの
を特に制限なく使用できる。また、アルコール性水酸基
を含有する石油樹脂の製法も特に制限はない。かかる水
酸基を含有する石油樹脂は、たとえば、ナフサの熱分解
によって得られる石油留分(C5留分、C9留分)を重
合して石油樹脂を製造する際に、アルコール性水酸基含
有化合物により石油樹脂を変性することにより得られ
る。
たとえば、ジシクロペンタジエン等があげられる。ま
た、C9留分としては、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、インデン類等があげられる。
導入しうる水酸基含有化合物としては、アルコール化合
物があげられる。アルコール化合物の具体例としては、
たとえば、アリルアルコール等の二重結合を有するアル
コール化合物があげられる。これら水酸基含有化合物
は、単独で用いてもよく、二種以上を併用しても良い。
油樹脂(以下、水酸基を含有する石油樹脂または水酸基
含有石油樹脂という)は、石油留分とともに(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル等を熱重合して石油樹脂中に
エステル基を導入した後、当該エステル基を還元する方
法、石油樹脂中に二重結合を残存または導入した後、当
該二重結合を水和する方法、石油留分とともに酢酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニルを熱重合して石油樹脂中にアシ
ルオキシ基を導入した後、当該アシルオキシ基を加水分
解する方法、等によっても製造できる。
ンとアリルアルコール等を熱重合等により共重合して得
られるアルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹脂
(たとえば、特開昭50−132060号公報)を使用
するのが、接着性に寄与する水酸基価のコントロールが
容易な点で好ましい。
含有量は、特に限定されるものではないが、アルコール
変性石油樹脂は、水酸基価10〜250程度のものが好
ましい。水酸基価が小さくなると接着性等の改質効果が
小さいことから、水酸基価は50以上とするのがより好
ましい。また、水酸基価が大きくなると分子量が小さく
なり作業性が悪くなる傾向があるためため水酸基価は2
30以下とするのがより好ましい。なお、アルコール変
性ジシクロペンタジエン系石油樹脂の水酸基価を前記範
囲に調製するには、ジシクロペンタジエン100重量部
に対し、通常、アルコール化合物10〜200重量部程
度を共重合させる。
樹脂の軟化点は、70〜200℃程度が好ましい。得ら
れるポリオレフィン樹脂組成物の剛性を高く維持できる
ことから、軟化点の下限としては90℃、さらには12
0℃とするのがより好ましい。一方、得られるポリオレ
フィン樹脂組成物の二次成形加工性の点から、軟化点の
上限は180℃とするのがより好ましい。また、ガラス
転移温度(Tg)は、40〜130℃程度が好ましく、
下限としては70℃、上限としては110℃がより好ま
しい。
定されないが、一般的には数平均分子量100〜200
0程度が好ましい。数平均分子量が小さくなると軟化点
が低くなり作業性が悪くなる傾向があることから、数平
均分子量は350以上とするのがより好ましい。一方、
数平均分子量が大きくなるとは軟化点が高くなるため混
練が困難となる傾向があることから、数平均分子量は1
500以下とするのがより好ましい。
改質剤としては、前記アルコール変性石油樹脂を水素化
した水素化物を使用することもできる。当該水素化物
は、水素化率が5〜100%であり、色調に優れた樹脂
であり、通常、色調ガードナー3以下である。なお、当
該水素化物の軟化点、水酸基価、平均分子量等の恒数
は、未水素化物と同様のものを好ましく使用できるが、
当該恒数は水素化条件によって変わるため、水素化条件
を適切に設定することにより、水酸基価等の恒数を調整
する。
kg/cm2程度(下限としては30kg/cm2、上
限として250kg/cm2が好ましい)で、反応温度
は100〜400℃程度(下限としては140℃、上限
としては350℃が好ましい)である。水素化圧力が1
0kg/cm2に満たない場合または反応温度が140
℃に満たない場合には、反応溶媒を添加しない場合に
は、水素化反応が進行し難い。また、反応温度が300
℃を超える場合には、樹脂の水素化分解反応が著しくな
り、いずれの場合も好ましくない。また、水素化の反応
時間は、通常10分〜7時間程度、好ましくは20分〜
7時間である。なお、上記記載は前記範囲外の条件にお
ける水素化を排除しているものではなく、たとえば水素
化圧力10kg/cm2以下であってもかかる水素化圧
力で反応を起こしうる触媒を用いれば水素化は可能であ
る。
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、レニウ
ム、等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化
合物等の各種のものを使用できる。かかる水素化触媒は
多孔質で表面積の大きなアルミナ・シリカ(ケイソウ
土)・カーボン・チタニア等の担体に担持して使用して
もよい。これらの触媒の中でも不飽和結合の水素化効率
や費用の面からニッケルーケイソウ土触媒が好ましい。
触媒の使用量は、原料樹脂に対して、通常0.01〜5
重量%程度である。
たは溶剤に溶解した状態で行う。溶剤としては、反応に
不活性で原料や生成物が溶解しやすい溶剤であればよ
い。たとえば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、デカリン、イソプロピルアルコール、テトラヒ
ドロフラン等を1種または2種以上を組み合わせて使用
できる。溶剤の使用量は特に制限されないが、原料樹脂
に対して、固形分が、通常、10重量%以上であり、好
ましくは10〜70重量%の範囲である。
ては反応形式として、回分式を採用した場合について説
明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床
式等)を採用することもできる。
は、ポリオレフィン系樹脂(B)に、前記水酸基を含有
する石油樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂用改質剤
(A)を添加したものであり、当該改質剤(A)によ
り、ポリオレフィン系樹脂(B)の二次加工性が向上す
る。
(B)としては、エチレン、プロピレン、ブテン、メチ
ルペンテン等の炭素原子数2〜6のα−オレフィンのホ
モポリマー、当該α−オレフィンの任意の二種からなる
コポリマー等があげられる。具体的には、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、エチレンとプロピレンとのコポリマー等があげ
られる。なお、本発明のポリオレフィン系樹脂(B)
は、通常公知の方法により得ることができる。
量は特に限定されるものではないが、通常100000
〜800000程度が好ましく、下限としては1500
00、上限としては500000がより好ましい。
ィン系樹脂(B)100重量部に対して、通常0.1〜
50重量部が好ましく、下限としては0.5重量部、上
限としては30重量部がより好ましい。
剤を添加する方法は特に制限されない。たとえば、ポリ
オレフィン系樹脂(B)と前記改質剤(A)を溶融混合
する方法の他、ポリオレフィン系樹脂(B)と前記改質
剤(A)を混合し、押出機あるいは成形機等で混練する
こともできる。
物は、フィルム化した場合の表面張力が33〜39mN
/m程度であり、濡れ性がよく、二次加工性に優れてい
る。
成物には上記の成分以外に公知の各種の添加剤、例えば
ステアリン酸、ベヘニン酸、それらの金属塩(カルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛等)、エチレンビスステアリン
酸アミド等を添加することもできる。また、造核剤、顔
料、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等を添加
できる。
物は家庭用品、各種容器、各種部品など幅広い分野にお
いて各種の形態で使用できる。たとえば、食品包装や繊
維包装、雑貨包装、テープ等に用いられるフィルム、建
築物の内装、建具の表面化粧、車両内装、各種容器等に
用いられるシート、各種部品や家庭用品の内装、外装等
に用いられる射出成形品、自動車等の内装材料や家電・
OA機器のハウジング用材料、包装材料等に用いられる
フォーム等のさまざまな形態で利用できる。
は、濡れ性がよく、印刷適正、塗料密着性、接着性等に
優れており、塗装、印刷、接着等の二次加工が容易であ
る。
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお各例中の「部」および「%」はいずれ
も重量基準である。
ロペンタジエン系石油樹脂(「クイントン1700」,
軟化点100℃,数平均分子量920,日本ゼオン
(株)製)500部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッ
ケル担持量50重量%)7部を仕込み、260℃に保温
し、水素圧200kg/cm2で5時間、水素化を行っ
た。次いで、得られたアルコール変性ジシクロペンタジ
エン系石油樹脂の水素化物を取り出し、トルエン500
部に溶解し、濾紙ろ過により触媒を除去した後、200
℃、20Torrで30分間減圧脱溶剤して、軟化点1
00℃のアルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹
脂の水素化物450部を得た。得られたアルコール変性
ジシクロペンタジエン系石油樹脂の水素化物の色調、水
酸基価、不飽和結合の水素化率、数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
7)による測定値である。色調は、ハーゼンスタンダー
ドカラー(H)およびガードナースタンダードカラー
(G)による(JIS K5400)。水酸基価は電位
差滴定法による(JIS K0070)。芳香環の水素
化率は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NM
R)を測定することにより算出した。即ち、原料樹脂お
よび得られた水素化物の同濃度の重水素置換クロロホル
ム(CDCl3溶液を作成して、1H−NMRを測定
し、5〜6ppm付近に現れる不飽和二重結合のH−ス
ペクトル面積より以下の式に基づき算出した。水素化率
={1−(得られた水素化物のスペクトル面積/原料樹
脂のスペクトル面積)}×100(%)。数平均分子量
(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(東ソー(株)製,HLC8
02A,使用カラム:TSKGelG4000H8+T
SKGelG2000H8,展開溶剤:テトラヒドロフ
ラン)で測定したものである。
ロペンタジエン系石油樹脂(「クイントン1700」,
軟化点100℃,数平均分子量920,日本ゼオン
(株)製)500部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッ
ケル担持量50重量%)10部を仕込み、280℃に保
温し、水素圧200kg/cm2で5時間、水素化を行
った。次いで、得られたアルコール変性ジシクロペンタ
ジエン系石油樹脂の水素化物を取り出し、トルエン50
0部に溶解し、濾紙ろ過により触媒を除去した後、20
0℃、20Torrで30分間減圧脱溶剤して、軟化点
100℃のアルコール変性ジシクロペンタジエン系石油
樹脂の水素化物450部を得た。得られたアルコール変
性ジシクロペンタジエン系石油樹脂の水素化物の色調、
水酸基価、不飽和結合の水素化率、数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
(株)グランドポリマー製)80部に対し、樹脂A(ア
ルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹脂,クイン
トン1700,日本ゼオン(株)製)20部の割合で混
合したものを、ニーダー(S1 KRCニーダー、栗本
鐵工所製)により200℃で溶融混練しペレット化し
た。このペレットを用いて、Tダイを取り付けた一軸押
出し機(VS40−26、田辺プラスチック機械製)に
よりポリプロピレンシートを作製した。
すように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリプ
ロピレンシートを作製した。
於いて得られたポリプロピレンシートを下記の試験方法
によりそれぞれ評価した。また、比較例3として、各種
樹脂を用いることなく実施例1と同様の操作により得ら
れたポリプロピレンシートについて、同様の評価を行な
った。結果を表2に示す。
レンシートを二軸延伸機(岩本製作所製)でフィルム化
した後、フィルムの濡れ性をJIS K6768に準じ
て測定した。
に、アクリル系接着剤(Tg=−32.1℃)を膜厚24
μmで塗布したポリエチレンテレフタレートフィルムを
貼り合わせた後、JIS K 6854に準じて測定し
た。
00碁盤目テープ法に準じて測定した。100分割した
ものの残存率にて塗料付着性を評価した。なお、使用し
たインキは樹脂8部(ポリエステル系ウレタン樹脂:ポ
リプロピレンアジペートとイソホロンジイソシアネート
の反応物)、溶剤72部(トルエン/メチルエチルケトン
/イソプロピルアルコール=1/1/1(重量%))、
顔料20部(酸化チタン)を配合したものを用いた。
ペンタジエン系石油樹脂,商品名クイントン1700,
日本ゼオン(株)製、色調9G、水酸基価220、軟化
点100℃)、樹脂B(水素化石油樹脂,商品名エスコ
レッツ5300,トーネックス(株)製、色調20H、
軟化点100℃)、樹脂C(水素化石油樹脂,商品名ア
イマーブP−100,出光石油化学(株)製、色調20
H、軟化点100℃)を用いた。
Claims (6)
- 【請求項1】 水酸基価が10〜250であるアルコー
ル変性石油樹脂またはその水素化物を含有してなるポリ
オレフィン系樹脂用改質剤。 - 【請求項2】 水酸基価が10〜250であるアルコー
ル変性石油樹脂またはその水素化物の軟化点が70〜2
00℃である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂用改
質剤。 - 【請求項3】 水酸基価が10〜250であるアルコー
ル変性石油樹脂またはその水素化物の数平均分子量が2
00〜2000である請求項1または2記載のポリオレ
フィン系樹脂用改質剤。 - 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂(B)および請求
項1〜3のいずれかに記載の改質剤(A)を含有してな
るポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂(B)100重量
部に対し、改質剤(A)0.1〜50重量部を添加して
なる請求項4記載のポリオレフィン系樹脂組成物。 - 【請求項6】 表面張力が33〜39mN/mである請
求項4または5記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5640299A JP3489613B2 (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JP2000248150A JP2000248150A (ja) | 2000-09-12 |
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Family Applications (1)
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JP5640299A Expired - Lifetime JP3489613B2 (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
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-
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- 1999-03-04 JP JP5640299A patent/JP3489613B2/ja not_active Expired - Lifetime
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