JP3486557B2 - トランスファ成形装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
トランスファ成形装置及び半導体装置の製造方法Info
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Description
装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。
ードフレームに搭載された半導体素子をモールド封止す
るために、トランスファモールド方式のトランスファ成
形装置が用いられている。このトランスファ成形装置
は、図7に示すように、固形状の熱硬化性樹脂(タブレ
ット)28が投入されるトランスファポット10と、ト
ランスファポット内で流動状態となった熱硬化性樹脂2
8(図8参照。以後、樹脂28と称す。)を押し出すプ
ランジャ12と、プランジャ12の位置を検出する位置
検出センサ14と、上プラテン26aに固定された上金
型16aと、下プラテン26bに固定された下金型16
bと、上下金型16a、16bを予め定めた温度に加温
するヒータ18と、上下金型16a、16bが配置され
たチャンバ30内を吸引することによりキャビティ20
内を減圧状態とする吸引ポンプ24とを備えている。
れると、パッケージの型となる2つのキャビティ20
と、それぞれのキャビティ20への導入経路となるラン
ナー22とが形成される。
置には図示しないエア抜き孔が形成されており、吸引ポ
ンプ24によりチャンバ30が吸引されて減圧状態とな
るとエア抜き孔から型20、22、23内が吸引されて
キャビティ20内が減圧状態となる。また、ランナー2
2は、キャビティ20に開口するゲート23を備え、こ
のゲート23を介して樹脂28が導入される。
用いた半導体装置の製造方法について図8を参照して説
明する。なお、図8では説明のため主要部分のみを示し
ている。まず、半導体素子搭載済みのリードフレーム
(図示せず)を下金型16bにセットした後、トランス
ファポット10にタブレットを投入し、上プラテン26
aを下降させて、図8(a)に示すように、上金型16
aと下金型16bとを型締めしてキャビティ20を形成
する。このとき、半導体素子は、キャビティ20のほぼ
中央位置に配置された状態となっている。また、吸引ポ
ンプ24によりチャンバ30内が30〜99Pa程度に
減圧されている。
タブレットをヒータ18により160〜190℃に加温
して溶融させながら、プランジャ12を上昇させてトラ
ンスファポット10から樹脂を押し出す。これにより、
図8(b)に示すように、溶融した樹脂28がランナー
22に導入される。
(c)に示すように、ランナー22内の樹脂28がゲー
ト23を通ってキャビティ20に導かれる。図8(d)
に示すように、キャビティ20内に樹脂28が充填され
るとプランジャ12による押圧を停止して、型20、2
2、23内の樹脂28を硬化させる。樹脂28が十分に
硬化してから上プラテン26a(図7参照)を上昇させ
て、半導体素子の周りで硬化した樹脂28によりパッケ
ージが形成されたリードフレーム付きの半導体装置を取
り出す。この後、余分な部分の樹脂を取除いて形を整え
てから、リードフレームのフレーム部分を切断してアウ
ターリードを形成し半導体装置とする。
は、キャビティ内に配置した半導体素子の上キャビティ
と下キャビティとにおける樹脂の充填速度の違いに起因
して上キャビティまたは下キャビティに未充填領域(未
充填ボイド)が形成される恐れがある。未充填ボイド
は、パッケージに反りや変形を生じさせたり、強度や耐
湿性を低下させるため好ましくない。
に吸引口を設けて吸引ポンプによりキャビティ内を減圧
することにより上キャビティ又は下キャビティの未充填
領域の残存空気を減少させ未充填ボイドの形成を防止し
たり、図7に示した装置のように、金型全体を減圧雰囲
気下において充填を行うことによりキャビティ内も減圧
状態とすることにより上キャビティ又は下キャビティの
未充填領域の残存空気を減少させ未充填ボイドの形成を
防止する方法等が採用されている。
成のトランスファ成形装置において、樹脂がランナーか
らキャビティに入るときにランナーよりも径の小さいゲ
ートを通るため、このゲート位置において樹脂に圧力が
かかり、圧縮された状態でキャビティ内に導入される。
そのため、樹脂がキャビティ内に所定量導入されたとき
にキャビティ内が減圧状態であると、キャビティ内の圧
力と樹脂内の圧力との圧力差が相対的に大きくなる。前
記圧力差が大きいと樹脂内の気泡が著しく膨張して大き
くなってしまい、これがボイドとなってパッケージ内に
残るという難点がある。
して硬化が進むのではなく、一旦粘度が低下してから硬
化するという特性を持つため、樹脂の種類によってはキ
ャビティ内に充填中に粘度が一時低下してしまう場合が
ある。この場合も樹脂内の気泡が著しく膨張してパッケ
ージ内にボイドとして残ってしまうという別の難点もあ
る。
充填される樹脂内にボイドが残留しないトランスファ成
形装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的
とする。
るために、請求項1の発明のトランスファ成形装置は、
パッケージの型となるキャビティと、ゲートから前記キ
ャビティに樹脂を導く導入経路と、該導入経路と連結し
固形状の樹脂が投入されるトランスファポットとを含む
型を形成する上下金型と、該トランスファポットの容積
を縮小させる方向に移動して前記トランスファポット内
で溶融された樹脂を前記導入経路を介して前記キャビテ
ィ内に導入するプランジャと、前記キャビティ内に導入
された樹脂の量を検出し、キャビティ内の樹脂の量が所
定量となったとき、前記キャビティ内を減圧状態とする
圧力調整手段と、を備えている。
内に導入された樹脂の量を検出し、キャビティ内の樹脂
の量が所定量となったとき、キャビティ内を減圧状態と
するため、樹脂がキャビティ内に所定量導入された当初
はキャビティ内は常圧状態であり、キャビティ内の圧力
と樹脂内の圧力との圧力差が相対的に小さくなる。従っ
て、樹脂内の気泡が著しく膨張して大きくなるのを防ぐ
ことができる。
内に所定量導入されるとキャビティ内を減圧状態とする
ため、上キャビティ又は下キャビティの未充填領域の残
存空気を減少させ、上キャビティと下キャビティとの間
の充填速度の違いに起因する未充填ボイドの発生も防げ
る。
載のトランスファ成形装置において、前記上下金型は、
直列に連結された複数個のキャビティを構成し、各キャ
ビティ内に導入された樹脂の量を検出し、各キャビティ
内の樹脂が所定量となったとき、各キャビティ内を減圧
状態とするものとしている。
対し複数のキャビティを備えた構成であっても個々のキ
ャビティ内に樹脂が所定量導入されたときにはキャビテ
ィ内は常圧状態となるので、個々のキャビティのそれぞ
れに樹脂が所定量導入されたときに樹脂内に閉じ込めら
れている空気が大きく膨張するのを防止でき、良好なパ
ッケージを備えた半導体装置を効率的に得ることができ
る。
2に記載のトランスファ成形装置において、前記圧力調
整手段は、前記プランジャの位置を検出する位置検出手
段を備え、前記プランジャが樹脂がキャビティ内に所定
量導入された位置となったときに、キャビティ内を減圧
状態とするものとしている。このような構成とすること
により樹脂の導入量を精度よく検出できるので、圧力調
整手段の減圧のタイミング良好に制御できる。
に記載のトランスファ成形装置において、前記圧力調整
手段は、前記時間を計測する時間計測手段を備え、前記
プランジャが移動を開始してから樹脂がキャビティ内に
所定量導入された位置に到達する時間となったときに、
キャビティ内を減圧状態とするものとしている。
ら樹脂がキャビティ内に所定量導入されるまでの時間を
予め測定しておき、圧力調整手段が、前記予め検出した
時間に基づいてキャビティ内を減圧状態とするため、樹
脂の導入量を精度よく検出でき、圧力調整手段の減圧の
タイミング良好に制御できる。更に、請求項5の発明
は、請求項1〜4の何れかに記載のトランスファ成形装
置において、前記圧力調整手段は、前記キャビティ内に
導入された樹脂の量を検出し、キャビティ内に樹脂が導
入され終わったとき、前記キャビティ内を常圧状態とす
るものとしている。また、請求項6の発明は、パッケー
ジの型となるキャビティと、ゲートから前記キャビティ
に樹脂を導く導入経路と、該導入経路と連結し固形状の
樹脂が投入されるトランスファポットとを含む型を形成
する上下金型と、該トランスファポットの容積を縮小さ
せる方向に移動して前記トランスファポット内で溶融さ
れた樹脂を前記導入経路を介して前記キャビティ内に導
入するプランジャと、前記プランジャの位置を検出する
位置検出手段を備え、前記プランジャが樹脂がキャビテ
ィ内に所定量導入された位置となったときに、キャビテ
ィ内を減圧状態とする圧力調整手段と、を備えている。
すなわち、圧力調整手段は、前記プランジャの位置を検
出する位置検出手段を備え、前記プランジャが樹脂がキ
ャビティ内に所定量導入された位置となったときに、キ
ャビティ内を減圧状態とするものとしている。このよう
な構成とすることにより樹脂の導入量を精度よく検出で
きるので、圧力調整手段の減圧のタイミング良好に制御
できる。また、キャビティ内に導入された樹脂の量を検
出し、キャビティ内の樹脂の量が所定量となったとき、
キャビティ内を減圧状態とするため、樹脂がキャビティ
内に所定量導入された当初はキャビティ内は常圧状態で
あり、キャビティ内の圧力と樹脂内の圧力との圧力差が
相対的に小さくなる。従って、樹脂内の気泡が著しく膨
張して大きくなるのを防ぐことができる。さらに、圧力
調整手段は、樹脂がキャビティ内に所定量導入されると
キャビティ内を減圧状態とするため、上キャビティ又は
下キャビティの未充填領域の残存空気を減少させ、上キ
ャビティと下キャビティとの間の充填速度の違いに起因
する未充填ボイドの発生も防げる。請求項7の発明は、
請求項6に記載のトランスファ成形装置において、前記
上下金型は、直列に連結された複数個のキャビティを構
成し、前記圧力調整手段は、前記複数のキャビティのそ
れぞれに樹脂が所定量導入される度にキャビティ内を減
圧状態とするものとしている。これにより、1つのトラ
ンスファポットに対し複数のキャビティを備えた構成で
あっても個々のキャビティ内に樹脂が所定量導入された
ときにはキャビティ内は常圧状態となるので、個々のキ
ャビティのそれぞれに樹脂が所定量導入されたときに樹
脂内に閉じ込められている空気が大きく膨張するのを防
止でき、良好なパッケージを備えた半導体装置を効率的
に得ることができる。請求項8の発明は、請求項6又は
7に記載のトランスファ成形装置において、前記圧力調
整手段が、前記キャビティ内に樹脂が充填され終わった
とき、前記キャビティ内を常圧状態とするものとしてい
る。
載済みのリードフレームがセットされたキャビティ内に
樹脂を導入する際に、前記キャビティ内に導入された樹
脂の量を検出し、キャビティ内の樹脂の量が所定量とな
ったとき、キャビティ内を減圧状態とする半導体装置の
製造方法としている。
内に所定量導入されるまではキャビティ内を減圧状態と
しないため、樹脂が導入される前のキャビティ内は常圧
状態となる。そのため、ゲートから樹脂がキャビティ内
に入り込んだときに樹脂内の圧力とキャビティ内の圧力
との圧力差が相対的に小さくなるので、樹脂内に閉じ込
められている空気が著しく大きく膨張するのを防止でき
る。
ティ内に所定量導入されてから減圧状態とするため、上
キャビティ又は下キャビティの未充填領域の残存空気を
減少させ、上キャビティと下キャビティとの間の充填速
度の違いに起因する未充填ボイドの発生を防ぐことがで
きる。請求項10の発明は、請求項9に記載の半導体装
置の製造方法において、前記キャビティ内に導入された
樹脂の量を検出し、キャビティ内に導入され終わったと
き、前記キャビティ内を常圧状態とするものである。
6を参照して説明する。
て第1の実施形態を説明する。本第1の実施形態のトラ
ンスファ成形装置は、図1に示すように、上プラテン2
6aに固定された上金型16aと、下プラテン26bに
固定された下金型16bと、上金型16aと下金型16
bとを予め定めた温度に加温するヒータ18と、上金型
16aと下金型16bとで構成される型20、22、2
3内に形成され熱硬化性樹脂である、例えば、エポキシ
系の樹脂からなるタブレット28が投入されるトランス
ファポット10と、トランスファポット10内で溶融さ
れた樹脂28を押し出すプランジャ12と、上下金型1
6a、16bが配置されたチャンバ30を減圧状態にす
ることによりキャビティ20内を減圧状態とする吸引ポ
ンプ24と、プランジャ12の移動量に基づいて吸引ポ
ンプ24の駆動を制御する圧力制御部40(圧力調整手
段)とを備えている。
ると、パッケージの型となる2つのキャビティ20と、
トランスファポット10の対角位置に連通して設けら
れ、それぞれのキャビティ20に開口するゲート23を
介して樹脂をキャビティ20に導く2つのランナー22
(導入経路)と、トランスファポット10とを含む型が
形成される。
位置には図示しないエア抜き孔が形成されており、吸引
ポンプ24によりチャンバ30が吸引されて減圧状態と
されたときにエア抜き孔から型20、22、23内が吸
引されてキャビティ20内が減圧状態とされる。
を検出する位置検出センサ14(位置検出手段)を備
え、位置検出センサ14が、キャビティ20内に樹脂が
所定量導入されたときのプランジャ12の位置を検出し
たときに、吸引ポンプ24を駆動させてチャンバ30内
を減圧状態とする。また、位置検出センサ14が、キャ
ビティ20a内に樹脂28が充填され終わったときのプ
ランジャ12の位置を検出したときに、吸引ポンプ24
を停止させてチャンバ30内を常圧状態とする。
用いた半導体装置の製造方法について図2を参照して説
明する。なお、図2では説明のため主要部分のみを示し
ている。まず、半導体素子搭載済みのリードフレーム
(図示せず)を下金型16bにセットした後、トランス
ファポット10にタブレットを投入し、上プラテン26
aを下降させて、図2(a)に示すように、上金型16
aと下金型16bとを型締する。このとき、図示しない
半導体素子は、キャビティ20のほぼ中央位置に配置さ
れた状態となっている。
タブレットをヒータ18により160〜190℃に加温
して溶融させながら、プランジャ12を上昇させてトラ
ンスファポット10から樹脂を押し出す。これにより、
溶融した樹脂28がランナー22に導入される。
移動開始からプランジャ12の位置を検出しており、図
2(b)に示すように、樹脂28がランナー22からキ
ャビティ20内に所定量導入されたときのプランジャ1
2の先端位置であるBの位置に達したことを位置検出セ
ンサ14が検出したときに圧力制御部40に信号を出力
する。
の出力により、吸引ポンプ24に駆動開始信号を送り、
この駆動開始信号により吸引ポンプ24がチャンバ30
内を吸引し始め、チャンバ30内を30〜90Pa程度
に減圧する。このため、樹脂28がゲート23位置で圧
縮されて樹脂28内の圧力が高まった状態でキャビティ
20内に導入されてもキャビティ内が常圧状態とされて
いるため、樹脂28内の気泡29にかかる圧力とキャビ
ティ20内の圧力との相対的な圧力差を小さく抑えられ
るので、樹脂内に閉じ込められている気泡29の著しい
膨張を防ぐことができる。
力を低下させるタイミングとしては、例えば、樹脂の粘
度が下がるタイミングのとき(この場合では、図2
(c)に示すように、樹脂28がキャビティ20のほぼ
半分まで充填されたとき)、すなわち、プランジャ12
の先端がCの位置に達したときとしてもよい。
ングでチャンバ30内の圧力を低下させた場合、樹脂の
粘度が低下しているので、樹脂内の気泡が膨張しづらい
という効果がある。
がキャビティ20内に充填された位置、すなわちにプラ
ンジャ12の先端がDの位置に移動したときに位置検出
センサ14は圧力制御部40に信号を出力する。圧力制
御部40は位置検出センサ14からの出力により、吸引
ポンプ24に駆動停止信号を送り、この駆動停止信号に
より吸引ポンプ24が停止し、チャンバ30内が常圧状
態となる。同時にプランジャ12の移動を停止させて、
型20、22、23内の樹脂28を硬化させる。
26a(図1参照)を上昇させて、半導体素子の周りで
硬化した樹脂28によりパッケージが形成されたリード
フレーム付きの半導体装置を取り出す。この後、余分な
部分の樹脂を取除いて形を整えてから、リードフレーム
のフレーム部分を切断してアウターリード形成し半導体
装置とする。
出センサ14により、樹脂28がキャビティ20内に所
定量導入されたプランジャ12の位置を検出して圧力制
御部40がキャビティ20内を減圧状態としているた
め、キャビティ20内に樹脂28が所定量導入されたと
きに樹脂28内の気泡29にかかる圧力とキャビティ2
0内の圧力との相対的な圧力差を小さく抑えられるの
で、樹脂28内の気泡29が著しく膨張するのを防ぐこ
とができ、パッケージ内にボイドとして残留する恐れを
なくすことができる。
8の粘度が低下してからチャンバ30内の圧力を低下さ
せた場合でも樹脂の粘度が低下しているため、樹脂28
内の気泡29が充填中に著しい膨張するのを防ぐことが
でき、パッケージ内にボイドとして残留する恐れをなく
すことができる。
て第2の実施形態を説明する。本第2の実施形態のトラ
ンスファ成形装置は、図3に示すように、上プラテン2
6aに固定された上金型16aと、下プラテン26bに
固定された下金型16bと、上金型16aと下金型16
bとを予め定めた温度に加温するヒータ18と、上金型
16aと下金型16bとで構成される型20、22、2
3内に形成され熱硬化性樹脂である、例えば、エポキシ
系の樹脂からなるタブレット28が投入されるトランス
ファポット10と、トランスファポット10内で溶融さ
れた樹脂28を押し出すプランジャ12と、上下金型1
6a、16bが配置されたチャンバ30を減圧状態にす
ることによりキャビティ20内を減圧状態とする吸引ポ
ンプ24と、予め定めた時間に基づいて吸引ポンプ24
の駆動を制御する圧力制御部42(圧力調整手段)とを
備えている。
ると、パッケージの型となる2つのキャビティ20と、
トランスファポット10の対角位置に連通して設けら
れ、それぞれのキャビティ20に開口するゲート23を
介して樹脂をキャビティ20に導く2つのランナー22
(導入経路)と、トランスファポット10とを含む型が
形成される。
位置には図示しないエア抜き孔が形成されており、吸引
ポンプ24によりチャンバ30が吸引されて減圧状態と
されたときにエア抜き孔から型20、22、23内が吸
引されてキャビティ20内が減圧状態とされる。
開始からの時間を計測するタイマ42aを備え、タイマ
42aが、キャビティ20内に樹脂が所定量導入された
ときの時間を計測したときに、吸引ポンプ24を駆動さ
せてチャンバ30内を減圧状態とする。また、タイマ4
2aが、キャビティ20a内に樹脂28が充填され終わ
ったときの時間を計測したときに、吸引ポンプ24を停
止させてチャンバ30内を常圧状態とする。
用いた半導体装置の製造方法について図4を参照して説
明する。なお、図4では説明のため主要部分のみを示
し、チャンバ30は一点鎖線で概念図として示してい
る。
ム(図示せず)を下金型16bにセットした後、トラン
スファポット10にタブレットを投入し、上プラテン2
6aを下降させて、図4(a)に示すように、上金型1
6aと下金型16bとを型締する。このとき、図示しな
い半導体素子は、キャビティ20のほぼ中央位置に配置
された状態となっている。
タブレットをヒータ18により160〜190℃に加温
して溶融させながら、プランジャ12を上昇させてトラ
ンスファポット10から樹脂を押し出す。これにより、
溶融した樹脂28がランナー22に導入される。
始からの時間を計測しており、図4(b)に示すよう
に、プランジャ12の先端がAの位置まで移動し、樹脂
28がランナー22からキャビティ20内に所定量導入
された時間t1となったときに圧力制御部42に信号を
出力する。圧力制御部42はタイマ42aからの出力に
より、吸引ポンプ24に駆動開始信号を送り、この駆動
開始信号により吸引ポンプ24がチャンバ30内を吸引
し始め、チャンバ30内を30〜99Pa程度に減圧す
る。
ャビティ20内に所定量導入された時間t1をタイマ4
2aが計測すると、圧力制御部42がキャビティ20内
を減圧状態とするため、樹脂28がゲート23位置で圧
縮されて樹脂28内の圧力が高まった状態でキャビティ
20内に導入されても、樹脂28内の気泡29にかかる
圧力とキャビティ20内の圧力との相対的な圧力差を小
さく抑えられる。そのため、樹脂内に閉じ込められてい
る気泡29の著しい膨張を防ぐことができる。
圧力を下げるタイミングとしては、例えば、樹脂の粘度
が一旦下がるタイミングのとき(この場合では、図4
(c)に示すように、樹脂28がキャビティ20のほぼ
半分まで充填されたとき)、すなわち、タイマ42aが
時間t2を計測したときとしてもよい。
ングでチャンバ30内の圧力を低下させた場合、樹脂の
粘度が低下しているので樹脂内の気泡が゜膨張しづらい
効果がある。
がキャビティ20内に充填された時間となったとき、す
なわち、タイマ42aが時間t3を計測したときに圧力
制御部42に信号を出力し、圧力制御部40はタイマ4
2aからの出力により、吸引ポンプ24に駆動停止信号
を送り、この駆動停止信号により吸引ポンプ24が停止
し、チャンバ30内が常圧状態となる。同時にプランジ
ャ12の移動を停止させて、型20、22、23内の樹
脂28を硬化させる。
26a(図3参照)を上昇させて、半導体素子の周りで
硬化した樹脂28によりパッケージが形成されたリード
フレーム付きの半導体装置を取り出す。この後、余分な
部分の樹脂を取除いて形を整えてから、リードフレーム
のフレーム部分を切断してアウターリード形成し半導体
装置とする。
42aにより樹脂28がキャビティ20内に所定量導入
された時間を検出し、樹脂28がキャビティ20内に所
定量導入されてから減圧状態としているため、樹脂28
内の気泡29にかかる圧力とキャビティ20内の圧力と
の相対的な圧力差を小さく抑えられるので、キャビティ
20内に樹脂28が所定量導入されたときに樹脂28内
の気泡29が著しく膨張するのを防ぐことができ、パッ
ケージ内にボイドとして残留する恐れをなくすことがで
きる。
8の粘度が低下してからチャンバ30内の圧力を低下さ
せた場合でも樹脂の粘度が低下しているため、樹脂28
内の気泡29が充填中に著しい膨張するのを防ぐことが
でき、パッケージ内にボイド (第3の実施形態)図5及び図6を参照して第3の実施
形態を説明する。本第3の実施形態のトランスファ成形
装置は、上記第1の実施形態の応用例であり、図5に示
すように、上記第1の実施形態のトランスファ成形装置
の構成において、上下金型16a、16bにより形成さ
れる型が、第2のランナー22bにより連通させて直列
に配置した第1と第2の2つのキャビティを備えた構成
とされている。
めしたときに、トランスファポット10と、トランスフ
ァポット10に連通する第1のランナー22aと、第1
のランナー22aから第1のゲート23aを介して樹脂
28が導入される第1のキャビティ20aと、第1のキ
ャビティ20aに連通する第2のランナー22bと、第
2のランナー22bから第2のゲート23bを介して樹
脂28が導入される第2のキャビティ20bとを含む型
20a、20b、22a、22b、23a、23bが形
成される。
3bの開口部と対向する位置には図示しないエア抜き孔
が形成されており、吸引ポンプ24によりチャンバ30
が吸引されて減圧状態とされたときにエア抜き孔から型
20a、20b、22a、22b、23a、23b内が
吸引されて第1と第2のキャビティ20b、20b内が
減圧状態とされる。
が、第1のキャビティ20a内に樹脂28が所定量導入
されたときのプランジャ12の位置を検出したときと、
第2のキャビティ20b内に樹脂28が所定量導入され
たときのプランジャ12の位置を検出したときに吸引ポ
ンプ24を駆動させてチャンバ30内を減圧状態とす
る。また、位置検出センサ14が、第1のキャビティ2
0a内に樹脂28が充填され終わったときのプランジャ
12の位置を検出したときと、第2のキャビティ20b
内に樹脂28が充填され終わったときのプランジャ12
の位置を検出したときに吸引ポンプ24を停止させてチ
ャンバ30内を減圧状態とする。なお、その他の構成は
上記第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
用いた半導体装置の製造方法について図6を参照して説
明する。なお、図6では説明のため主要部分のみを示し
ている。まず、半導体素子搭載済みのリードフレーム
(図示せず)を下金型16bにセットした後、トランス
ファポット10にタブレットを投入し、上プラテン26
aを下降させて、上金型16aと下金型16bとを型締
する。このとき、図示しない半導体素子は、第1と第2
のキャビティ20b、20bのそれぞれのほぼ中央位置
に配置された状態となっている。
タブレットをヒータ18により160〜190℃に加温
して溶融させながら、プランジャ12を上昇させてトラ
ンスファポット10から樹脂を押し出す。これにより、
溶融した樹脂28が第1のランナー22aに導入され
る。
移動開始からプランジャ12の位置を検出しており、図
6(a)に示すように、樹脂28が第1のランナー22
aから第1のキャビティ20a内に所定量導入されたと
きのプランジャ12の位置を位置検出センサ14が検出
したとき、この場合、プランジャ12の先端がAの位置
まで移動したときに圧力制御部40に信号を出力する。
の出力により、吸引ポンプ24に駆動開始信号を送り、
この駆動開始信号により吸引ポンプ24がチャンバ30
内を吸引し始め、チャンバ30内を30〜99Pa程度
に減圧する。
位置で圧縮されて樹脂28内の圧力が高まった状態で第
1のキャビティ20a内に導入されても第1のキャビテ
ィ20a内が常圧状態とされているため、樹脂28内の
気泡29にかかる圧力と第1のキャビティ20a内の圧
力との相対的な圧力差を小さく抑えられるので、樹脂内
に閉じ込められている気泡29の著しい膨張を防ぐこと
ができる。
力を低下させるタイミングとしては、例えば、樹脂の粘
度が下がるタイミングのとき(この場合では、図6
(b)に示すように、樹脂28が第1のキャビティ20
aのほぼ半分まで充填されたとき)、すなわち、プラン
ジャ12の先端がBの位置に達したときとしてもよい。
樹脂の樹脂の粘度が低下するタイミングでチャンバ30
内の圧力を低下させた場合、樹脂の粘度が低下している
ので、第1のキャビティ20a内に充填された樹脂内の
気泡が膨張しづらいという効果がある。
a内に充填された位置にプランジャ12が移動したとき
に位置検出センサ14は圧力制御部40に信号を出力す
る。圧力制御部40は位置検出センサ14からの出力に
より、吸引ポンプ24に駆動停止信号を送り、この駆動
停止信号により吸引ポンプ24が停止し、チャンバ30
内が常圧状態となる。
が第2のランナー22bから第2のキャビティ20b内
に所定量導入されたときのプランジャ12の位置を位置
検出センサ14が検出したとき、この場合、プランジャ
12の先端がCの位置まで移動したときに圧力制御部4
0に信号を出力する。
の出力により、吸引ポンプ24に駆動開始信号を送り、
この駆動開始信号により吸引ポンプ24がチャンバ30
内を吸引し始め、チャンバ30内を30〜99Pa程度
に減圧する。
位置で圧縮されて樹脂28内の圧力が高まった状態で第
2のキャビティ20b内に導入されても第2のキャビテ
ィ20b内が常圧状態とされているため、樹脂28内の
気泡29にかかる圧力と第2のキャビティ20b内の圧
力との相対的な圧力差を小さく抑えられるので、樹脂内
に閉じ込められている気泡29の著しい膨張を防ぐこと
ができる。
力を低下させるタイミングとしては、例えば、樹脂の粘
度が下がるタイミングのとき(この場合では、樹脂28
が第2のキャビティ20bのほぼ半分まで充填されたと
き)としてもよい。
樹脂の樹脂の粘度が低下するタイミングでチャンバ30
内の圧力を低下させた場合、樹脂の粘度が低下している
ので、第2のキャビティ20b内に充填された樹脂内の
気泡が膨張しづらいという効果がある。
b内に充填された位置にプランジャ12が移動したと
き、すなわち、プランジャ12の先端がDの位置に移動
したときに位置検出センサ14は圧力制御部40に信号
を出力する。圧力制御部40は位置検出センサ14から
の出力により、吸引ポンプ24に駆動停止信号を送り、
この駆動停止信号により吸引ポンプ24が停止し、チャ
ンバ30内が常圧状態となる。同時にプランジャ12の
移動を停止させて、型20a、20b、22a、22
b、23a、23b内の樹脂28を硬化させる。
26a(図5参照)を上昇させて、半導体素子の周りで
硬化した樹脂28によりパッケージが形成されたリード
フレーム付きの半導体装置を取り出す。この後、余分な
部分の樹脂を取除いて形を整えてから、リードフレーム
を切断してアウターリード形成し半導体装置とする。
ランナー22bにより連通させて直列に配置した第1と
第2の2つのキャビティ20a、20bを備え、位置検
出センサ14によりプランジャ12の移動量に基づい
て、圧力制御部40が種々のタイミングで型内の圧力を
調節する構成であるため、上記第1の実施形態で説明し
た利点に加えて、複数の半導体装置を同時に成形できる
という利点もある。
た構成に限らず、マトリックスなどのゲートを複数有す
るパッケージ等のように種々の形状としてもよい。この
場合、位置検出センサ14によるプランジャ12の位置
の検出により、その型に適したタイミングでキャビティ
内の圧力を調整することが可能であり、パッケージ内に
ボイドが残留していない製品を得ることができる。
力制御部40が位置検出センサ14を備え、位置検出セ
ンサ14が検出したプランジャ12の位置に基づいて圧
力を制御する第1の実施形態の構成を応用したものとし
ているが、圧力制御部42がタイマ42aを備え、タイ
マ42aが計測した時間に基づいて圧力を制御する第2
の実施形態の構成を応用することも可能である。
力制御部42は、タイマ42aが、第1のキャビティ2
0a内に樹脂28が所定量導入されたときの時間を測定
したときと、第2のキャビティ20b内に樹脂28が所
定量導入されたときの時間を測定したときに吸引ポンプ
24を駆動させてチャンバ30内を減圧状態とする構成
とするとよい。また、圧力制御部42は、タイマ42a
が、第1のキャビティ20a内に樹脂28が充填され終
わったときの時間を測定したときと、第2のキャビティ
20b内に樹脂28が充填され終わったときの時間を測
定したときに吸引ポンプ24を停止させてチャンバ30
内を常圧状態とする構成とするとよい。
いては説明のため、トランスファポットを1つ備えた構
成のトランスファ成形装置としているが、トランスファ
ポットを複数備えた構成のトランスファ成形装置につい
ても本発明は適用できるものである。同様に、上記で述
べたすべての実施形態においては説明のため、それぞれ
のトランスファポットに連通するランナーを2つ備えた
構成のトランスファ成形装置としているが、トランスフ
ァポットに連通するランナーを1つ又は3つ以上備えた
構成のトランスファ成形装置についても本発明は適用で
きるものである。
明によれば、樹脂内の圧力とキャビティ内の圧力との相
対的な圧力差に起因して樹脂内の気泡が膨張するのを防
いでパッケージ内にボイドが残留することを防止したト
ランスファ成形装置が得られる、という効果を達成す
る。
ば、パッケージ内にボイドが残留する恐れの少ない半導
体装置が得られる、という効果を達成する。
置の概略構成を示す断面図である。
す部分説明図である。
置の概略構成を示す断面図である。
す部分説明図である。
置の概略構成を示す断面図である。
す部分説明図である。
断面図である。
す部分説明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 パッケージの型となるキャビティと、ゲ
ートから前記キャビティに樹脂を導く導入経路と、該導
入経路と連結し固形状の樹脂が投入されるトランスファ
ポットとを含む型を形成する上下金型と、 該トランスファポットの容積を縮小させる方向に移動し
て前記トランスファポット内で溶融された樹脂を前記導
入経路を介して前記キャビティ内に導入するプランジャ
と、前記キャビティ内に導入された樹脂の量を検出し、キャ
ビティ内の樹脂の量が所定量となったとき、前記キャビ
ティ内を減圧状態とする圧力調整手段と、 を備えたトランスファ成形装置。 - 【請求項2】 前記上下金型は、直列に連結された複数
個のキャビティを構成し、 前記圧力調整手段は、各キャビティ内に導入された樹脂
の量を検出し、各キャビティ内の樹脂が所定量となった
とき、各キャビティ内を減圧状態とする請求項1に記載
のトランスファ成形装置。 - 【請求項3】 前記圧力調整手段は、 前記プランジャの位置を検出する位置検出手段を備え、
前記プランジャが樹脂がキャビティ内に所定量導入され
た位置となったときに、キャビティ内を減圧状態とする
請求項1又は2に記載のトランスファ成形装置。 - 【請求項4】 前記圧力調整手段は、時 間を計測する時間計測手段を備え、前記プランジャが
移動を開始してから樹脂がキャビティ内に所定量導入さ
れた位置に到達する時間となったときに、キャビティ内
を減圧状態とする請求項1又は2に記載のトランスファ
成形装置。 - 【請求項5】 前記圧力調整手段は、 前記キャビティ内に導入された樹脂の量を検出し、キャ
ビティ内に樹脂が導入され終わったとき、前記キャビテ
ィ内を常圧状態とする請求項1〜4の何れかに記載のト
ランスファ成形装置。 - 【請求項6】 パッケージの型となるキャビティと、ゲ
ートから前記キャビティに樹脂を導く導入経路と、該導
入経路と連結し固形状の樹脂が投入されるトランスファ
ポットとを含む型を形成する上下金型と、 該トランスファポットの容積を縮小させる方向に移動し
て前記トランスファポット内で溶融された樹脂を前記導
入経路を介して前記キャビティ内に導入するプランジャ
と、 前記プランジャの位置を検出する位置検出手段を備え、
前記プランジャが樹脂がキャビティ内に所定量導入され
た位置となったときに、キャビティ内を減圧状態とする
圧力調整手段と、を有するトランスファ成形装置。 - 【請求項7】 前記上下金型は、直列に連結された複数
個のキャビティを構成し、 前記圧力調整手段は、前記複数のキャビティのそれぞれ
に樹脂が所定量導入される度にキャビティ内を減圧状態
とする請求項6に記載のトランスファ成形装置。 - 【請求項8】 前記圧力調整手段が、前記キャビティ内
に樹脂が充填され終わったとき、前記キャビティ内を常
圧状態とする請求項6又は7に記載のトランスファ成形
装置。 - 【請求項9】 半導体素子搭載済みのリードフレームが
セットされたキャビティ内に樹脂を導入する際に、前記
キャビティ内に導入された樹脂の量を検出し、キャビテ
ィ内の樹脂の量が所定量となったとき、キャビティ内を
減圧状態とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項10】 前記キャビティ内に導入された樹脂の
量を検出し、キャビティ内に導入され終わったとき、前
記キャビティ内を常圧状態とする請求項9に記載の半導
体装置の製造方法。
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