JP3483570B2 - 負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置 - Google Patents
負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置Info
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Description
る。さらに詳しくは、本発明は、撓み噛み合い式歯車装
置に用いられる剛性内歯車と可撓性外歯車の歯の形状に
関するものである。
と、この内歯車の内側でこれと例えば2か所で噛み合う
ように楕円状に撓まされ、内歯車よりも2n枚(nは正の
整数)だけ少ない歯数を有する可撓性外歯車と、この外
歯車の内側に嵌められて当該外歯車を楕円状に撓ませる
ウエーブ・ジェネレータとから成っている。
906,143号参照)、インボリュート歯形も考案されてい
る(特公昭45−411171号)。さらに、当該装置の負荷能
力を高めるために、本発明者は、両歯車の歯末面の歯形
を、内歯車に対する外歯車の歯のラック近似による移動
軌跡上の噛み合いの限界点から、該軌跡の所要の範囲を
縮比1/2で相似変換して得られる曲線とする方式を考案
した(特開昭63−115943号)。これは両歯車が歯末の歯
形同志を連続的に接触させ得るようにした方式である。
撓性外歯車が組み込まれた形式のものと、コップ状の可
撓性外歯車が組み込まれた形式のものが知られている。
後者の形式の装置では、楕円状のウェーブ・ジェネレー
タを挿入することによって、コップ状可撓性外歯車のダ
イヤフラム側から開口部にかけてダイヤフラムからの距
離にほぼ比例して撓み量(楕円の長半径と短半径との
差)が漸増する、いわゆるコーニングという3次元の撓
み現象が発生する。しかし、上記の各公報に記載の歯形
はコーニングを考慮していない。したがって、歯筋のあ
る特定断面(例えば、正規の撓み量に対応する無偏位の
断面)では両歯車の歯形の連続的な噛み合いを実現でき
るが、歯筋の他の断面では歯の干渉等の不具合が生ず
る。
渡って、干渉が無く、より広い範囲の噛み合いを可能と
する撓み噛み合い式歯車装置を提案している。例えば、
特願平3−357036号、特願平3−357037号において提案
している。
ますます高度化している。これに応えるためには、その
強度と耐摩耗性を一層向上させる必要がある。特に歯面
の耐摩耗性をできるだけ改善することが必要である。
合いを可能とする。しかし、その噛み合いは、いわゆる
すれ違い型噛み合いである。従って、歯面間の潤滑油膜
保持の点からは不利を免れず、油膜破断からの歯面摩耗
によって許容伝達トルクには一定の限界が存在する。こ
のため、その改善が強く望まれている。
違い型噛み合いを行う凸曲線同志の連続接触歯形に代え
て、剛性内歯車および可撓性外歯車の歯形を根本的に改
良して、剛性内歯車と可撓性外歯車のいずれか一方の歯
車の作用歯形を新規な凸曲線の歯形とし、他方の歯車の
作用歯形を凹曲線とし、これにより、両歯車の噛み合い
を、潤滑上有利な凸歯形と凹歯形の追い越し型の噛み合
いとしている。
性外歯車と、この外歯車の軸直角断面を楕円状に撓ませ
て、当該可撓性外歯車を部分的に前記剛性内歯車に噛み
合わせ、これらの噛み合わせ位置を円周方向に回転させ
るウェーブ・ジェネレータとを有し、ウェーブジェネレ
ータの回転により両歯車に相対回転を生じさせる撓み噛
み合い式歯車装置であって以下の構成を備えたことを特
徴としている。
基準軸直角断面の半径方向の撓み量(w)を正規の撓み
量(w0)よりも小さな負偏位の撓み量となるように設定
する。
る。
枚(nは正の整数)少なくする。
る第1の歯車の作用歯形を凸曲線の歯形とし、その形状
を、当該歯車の歯が他方の第2の歯車に対して歯筋の基
準軸直角断面上で描く、ラック近似による移動軌跡の頂
部の、他方の歯車に対して凸に属する部分を、当該移動
軌跡の頂点を原点として拡大比(λ)で相似変換した凸
曲線あるいはその近似曲線とする。
形状を、前記移動軌跡における前記と同一部分を同じく
当該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ+1)で相
似変換した凹曲線あるいはその近似曲線とすることによ
り、両歯形の噛み合いを基準軸直角断面で連続接触可能
な追い越し型の噛み合いとする。
車の凹歯形の頂部を、干渉を避ける必要の度合いに応じ
て、凸曲線に形成するか、歯先を短縮させることが望ま
しい。
た撓み噛み合い式歯車装置にも適用できる。この場合に
は、歯筋に沿っての連続接触噛み合いを実現するため
に、歯筋の基準軸直角断面に対して、コップ状可撓性外
歯車の開口部およびダイヤフラム側の内端部にかけて、
干渉を避ける必要の度合いに応じてレリービングを施す
ことが望ましい。
撓めて剛性内歯車に対して周方向の3箇所で噛み合わせ
る構成の撓み噛み合い式歯車装置にも適用できる。この
場合には、可撓性外歯車の歯数は、剛性内歯車の歯数よ
りも3n枚(nは正の整数)だけ少なくなるように設定す
ればよい。
い式歯車装置の斜視図である。
撓み状況を示す説明図であり、(a)はその変形前の含
軸断面、(b)はウエーブ・ジェネレータの長軸を含む
含軸断面であり、(c)は短軸を含む含軸断面である。
の歯車に対する、他方の歯車の歯の、負偏位の場合の基
準軸直角断面上のラック近似による移動軌跡である。
る。
絡線で置き換える経緯を示す説明図である。
み合いを、一方の歯車の一つの歯溝について相対的に、
時間の経過を追って描いた説明図である。
み合いを、可撓性外歯車の主要部の歯形を凸歯形、剛性
内歯車の主要部の歯形を凹歯形とした場合について、剛
性内歯車の全数の歯に渡って空間的に描いた説明図であ
る。
凹凸を逆にした場合について、歯形の噛み合いを、空間
的に描いた説明図である。
る歯形の噛み合いの干渉の一例を示す説明図であり、
(a)は基準歯直角断面から開口部側の一断面のもの、
(b)は基準歯直角断面からダイヤフラム側の一断面の
ものである。
である。
グを施した断面における歯形の噛み合いの一例を示す説
明図であり、(a)は基準歯直角断面から開口部側の断
面のもの、(b)は基準歯直角断面からダイヤフラム側
の断面のものである。
た場合のレリービング無しの、各断面における噛み合い
を示す説明図であり、(a)は開口部の断面、(b)は
基準断面、(c)は内端部の断面である。
歯直角断面における歯形の噛み合いを、全数の歯に渡っ
て空間的に描いた説明図である。
説明する。
み噛み合い式歯車装置の斜視図および正面図である。こ
の撓み噛み合い式歯車装置1は、円筒状の剛性内歯車2
と、この内側に配置されたコップ状可撓性外歯車3と、
この内側に装着された楕円状のウエーブ・ジェネレータ
4から構成されている。コップ状の可撓性外歯車3は、
楕円状のウエーブ・ジェネレータ4によって楕円状に撓
められた状態にある。図においては、ウエーブ・ジェネ
レータ4の楕円の長軸および短軸の方向を、それぞれ符
号4a、4bで示してある。
状に撓ませることによる、いわゆるコーニングによる可
撓性外歯車の撓み状況を含軸断面で示すものである。第
3図(a)は変形前の状態を示す図であり、同図(b)
はウエーブ・ジェネレータ4の長軸4aを含む含軸断面で
あり、(c)はその短軸4bを含む含軸断面である。これ
らの図から分かるように、コップ状可撓性外歯車3は、
コーニングによって、その開口部側断面3aにおいて撓み
量が最大であり、そのダイヤフラム3bの側の内端部側断
面3cに向けて撓み量が漸減している。
歯車(以下、第1の歯車と呼ぶ。)の基準歯直角断面
(歯形設定に用いる軸直角断面で、例えば、第3図
(a)のIV−IV線で示す歯筋中央の断面とする。)にお
ける、この第1の歯車100の歯の他方の歯車(以下、第
2の歯車200と呼ぶ。)に対する移動軌跡である。ここ
に示す移動軌跡L1は、半径方向の撓み量(可撓性外歯車
のピッチ円が楕円状または三葉形状に変形したときの最
大半径とピッチ円半径の差)が正規の値w0(可撓性外歯
車のピッチ円半径を剛性内歯車を固定した場合の減速比
で割った値)より小さい、いわゆる負偏位の場合、すな
わち、基準撓み係数をκ(κ<1)として、半径方向の
撓み量がκw0と表される場合である。さらに、同図に示
す移動軌跡L1は、可撓性外歯車を楕円状に撓ませた場合
のものであり、矢印101は、第1の歯車100の歯の移動方
向を示す。なお、撓み噛み合い式歯車装置は、歯数が多
く、噛み合いを近似的に歯数が無限大となったラックと
みなすことが可能なので、本図を始めとして、以下の歯
形誘導に関しては、ラック近似として取り扱っている。
る。図においてO点は第1の歯車の歯の移動軌跡L1の頂
点(第2の歯車の歯溝に最も深く入った部分)で、V点
はこの軌跡L1の第2の歯車に対して凸の部分から凹の部
分に変わる変曲点である。この移動軌跡L1のOVの領域に
A点を設定する。O点を原点(相似の中心)として、軌
跡L1のOA間の曲線L1(O,A)を拡大比λで相似変換し
て、相似曲線L2(O,B)を求める。この曲線を第1の歯
車の作用歯形として採用する。さらに、図には示してい
ないが、この曲線に滑らかにすみ肉曲線を接続する。し
たがって、第1の歯車の作用歯形は凸歯形となる。
似の中心)として、拡大比(λ+1)で相似変換して、
相似曲線L3(O,C)を求める。この曲線を第2の歯車の
基本歯形として採用する。したがって、これは凹歯形と
なる。
の垂直方向)の距離が、軌跡L1の歯たけ方向の振幅OMに
等しいか、またはそれに近い値となるようにとる。すな
わち、C点をこのように取ることによって、λは先に設
定したA点に対して、 λ≒(OC/OA)−1 の関係から決めることができる。
形が正しく噛み合うことは、以下のように示される。
任意の点をPとし、直線OPを引き、OPが第1の歯車の凸
歯形L2(O,B)および移動軌跡L1(O,A)と交わる点を、
それぞれQ、Rとする。このとき、歯形設定の経緯か
ら、次の関係が成立する。
れの曲線への接線は互いに平行である。
に位置したとき、凸歯形L2(O,B)がP点で凹歯形L3
(O,C)に接することが分かる。即ち、凸歯形L2(O,B)
と凹歯形L3(O,C)との連続的な噛み合いが保証され
る。かつ、その噛み合いは、B点がC点と接する位置
(このとき、第1の歯車の歯形のO点はA点の位置にあ
る。)から始まり、O点における噛み合いに終わるもの
で、いわゆる追い越し型の噛み合いである。
合いが移動軌跡のA点に達する以前に、第1の歯車の歯
形による創成作用によって凸の包絡曲線で置き換えられ
る。第6図はこの状況を示したものである。同図で、DE
の部分がそれである。この部分の噛み合いはすれ違い型
となる。また、第3図に示すようなコップ状可撓性外歯
車を備えて形式の撓み噛み合い式歯車装置では、第1の
歯車の軸直角断面の位置により、包絡曲線の形状は変化
し、第2の歯車の歯先への食い込みは内端部(第3図
(a)の符号3cで示す位置)で最大となる。
歯形の噛み合いを、第2の歯車の一つの歯溝について相
対的に、時間の経過を追って描いてある。
とし、第2の歯車200を剛性内歯車2として、歯の全数
に渡って空間的に描いてものを示してある。これに対し
て、第9図には、第1の歯車100を剛性内歯車2とし、
第2の歯車200を可撓性外歯車3として、描いたものを
示してある。
た装置では、その軸直角断面の位置により、第1の歯車
100の歯先部が第2の歯車200に包絡する曲線の形状が変
化する(第6図参照)。この場合、第2の歯車200の歯
末の凸歯形を内端部3cの該包絡曲線に取ることによっ
て、噛み合い剛性を上げることも可能である。また、耐
摩耗性を重視して、該包絡曲線に若干の逃げを与えた形
状、あるいは単純に歯先を短縮した形状として、潤滑上
有利な完全追い越し型の噛み合いとすることもできる。
えた撓み噛み合い式歯車装置における当該可撓性外歯車
のコーニングに対する性質について考察する。本発明の
歯形は、基準断面の移動軌跡から誘導されたものであ
り、この歯形が他の断面にはそのまま適合しない。第10
図には、このことを、第1の歯車100を可撓性外歯車3
とし、第2の歯車200を剛性内歯車2とした場合の例に
ついて示してある。同図は、基準断面を歯筋の中央(第
3図(a)のIV−IV線で示す位置)に取った場合で、
(a)は基準断面より開口部側の断面における噛み合い
を示し、(b)は基準断面よりダイヤフラム側に位置す
る内端部側の断面における噛み合いを示す。
かう断面では、歯が互いに干渉している。これを避ける
方法の一つは、第11図に示すように、基準断面より両側
の歯に干渉量に見合うだけのレリービングを施す仕方が
ある。
施した場合の、それぞれ開口部側断面、内端部側断面に
おける噛み合いを示すものである。この他、可撓性外歯
車の歯形に干渉量に見合った適宜の修正を施し、レリー
ビング無しで歯筋に沿っての連続接触を得る方法もあ
る。
れぞれ開口部側断面、基準断面及び内端部側断面におけ
る噛み合いを示すものである。
ったが、本方法は歯数差が3n枚の三葉形状の撓みの場合
についても同様の手法が可能である。第14図は、この場
合の基準断面における噛み合いの一例を空間的に示した
ものである。
導入によって、歯面間の潤滑油膜の保持力を大きく高め
ることができ、歯面摩耗に基づく撓み噛み合い式歯車装
置の許容伝達トルクを大幅に向上することができ。う また、負偏位の採用によって、可撓性外歯車の長軸、
短軸付近の撓みによる曲げ応力を低減し、可撓性外歯車
のリム強度の向上を図ると共に、歯の連続的な接触によ
る噛み合い剛性の向上も図ることができる。
ーニングの任意の角度で成立するものであり、この可撓
性外歯車の胴長の短いタイプのものにも適用できる。ま
た、コーニングの無い環状の可撓性外歯車の場合にも適
用できる。
Claims (14)
- 【請求項1】剛性内歯車と、その内側の可撓性外歯車
と、この外歯車の軸直角断面を楕円状に撓ませて、当該
可撓性外歯車を部分的に前記剛性内歯車に噛み合わせ、
これらの噛み合わせ位置を円周方向に回転させるウェー
ブ・ジェネレータとを有し、ウェーブジェネレータの回
転により両歯車に相対回転を生じさせるようになってお
り、以下の構成を備えたことを特徴とする負偏位追い越
し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。 (a)前記可撓性外歯車の歯筋の所定の位置に設定した
基準軸直角断面の半径方向の撓み量(w)を正規の撓み
量(w0)よりも小さな負偏位の撓み量となるように設定
する。 (b)剛性内歯車及び可撓性外歯車を共に平歯車とす
る。 (c)可撓性外歯車の歯数を剛性内歯車の歯数よりも2n
枚(nは正の整数)少なくする。 (d)剛性内歯車および可撓性外歯車の何れか一方であ
る第1の歯車の作用歯形を凸曲線の歯形とし、その形状
を、当該歯車の歯が他方の第2の歯車に対して歯筋の基
準軸直角断面上で描く、ラック近似による移動軌跡の頂
部の、第2の歯車に対して凸に属する部分を、当該移動
軌跡の頂点を原点として拡大比(λ)で相似変換した凸
曲線あるいはその近似曲線とする。 (e)他方の第2の歯車の作用歯形を凹曲線とし、その
形状を、前記移動軌跡における前記と同一部分を同じく
当該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ+1)で相
似変換した凹曲線あるいはその近似曲線とすることによ
り、前記第1、第2の歯形の噛み合いを基準軸直角断面
で連続接触可能な追い越し型の噛み合いとする。 - 【請求項2】請求の範囲第1項において、作用歯形が凹
曲線とされている前記第2の歯車の凹歯形の頂部を凸曲
線により規定して、当該凹歯形の頂部が、前記第1の歯
車の凸曲線から規定されている凸歯形と干渉することの
ないようにすることを特徴とする負偏位追い越し歯形の
撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項3】請求の範囲第1項において、作用歯形が凹
曲線とされている前記第2の歯車の歯先を短縮して、当
該凹歯形の歯先が、前記第1の歯車における凸曲線から
規定されている凸歯形と干渉することのないようにする
ことを特徴とする負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式
歯車装置。 - 【請求項4】剛性内歯車と、その内側の可撓性外歯車
と、この外歯車の軸直角断面を三葉形状に撓ませて、当
該可撓性外歯車を部分的に前記剛性内歯車に噛み合わ
せ、これらの噛み合わせ位置を円周方向に回転させるウ
ェーブ・ジェネレータとを有し、ウェーブジェネレータ
の回転により両歯車に相対回転を生じさせるようになっ
ており、以下の構成を備えたことを特徴とする負偏位追
い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。 (a)前記可撓性外歯車の歯筋の所定の位置に設定した
基準軸直角断面の半径方向の撓み量(w)を正規の撓み
量(w0)よりも小さな負偏位の撓み量となるように設定
する。 (b)剛性内歯車及び可撓性外歯車を共に平歯車とす
る。 (c)可撓性外歯車の歯数を剛性内歯車の歯数よりも3n
枚(nは正の整数)少なくする。 (d)剛性内歯車および可撓性外歯車の何れか一方であ
る第1の歯車の作用歯形を凸曲線の歯形とし、その形状
を、当該歯車の歯が他方の第2の歯車に対して歯筋の基
準軸直角断面上で描く、ラック近似による移動軌跡の頂
部の、他方の第2の歯車に対して凸に属する部分を、当
該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ)で相似変換
した凸曲線あるいはその近似曲線とする。 (e)他方の第2の歯車の作用歯形を凹曲線とし、その
形状を、前記移動軌跡における前記と同一部分を同じく
当該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ+1)で相
似変換した凹曲線あるいはその近似曲線とすることによ
り、前記第1および第2の歯車の歯形の噛み合いを基準
軸直角断面で連続接触可能な追い越し型の噛み合いとす
る。 - 【請求項5】請求の範囲第4項において、作用歯形が凹
曲線とされている前記第2の歯車の凹歯形の頂部を凸曲
線により規定して、当該凹歯形の頂部が、前記第1の歯
車の凸曲線から規定されている凸歯形と干渉することの
ないようにすることを特徴とする負偏位追い越し歯形の
撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項6】請求の範囲第4項において、作用歯形が凹
曲線とされている前記第2の歯車の歯先を短縮して、当
該凹歯形の歯先が、前記第1の歯車における凸曲線から
規定されている凸歯形と干渉することのないようにする
ことを特徴とする負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式
歯車装置。 - 【請求項7】剛性内歯車と、その内側のコップ状可撓性
外歯車と、この外歯車の軸直角断面を、そのダイヤフラ
ム側から開口部にかけてダイヤフラムからの距離にほぼ
比例した撓み量を生ずるように、当該外歯車を楕円状に
撓ませて、当該外歯車を部分的に前記剛性内歯車に噛み
合わせ、これらの噛み合わせ位置を円周方向に回転させ
るウェーブ・ジェネレータとを有し、ウェーブジェネレ
ータの回転により両歯車に相対回転を生じさせるように
なっており、以下の構成を備えたことを特徴とする負偏
位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。 (a)前記可撓性外歯車の歯筋の所定の位置に設定した
基準軸直角断面の半径方向の撓み量(w)を正規の撓み
量(w0)よりも小さな負偏位の撓み量となるように設定
する。 (b)剛性内歯車及び可撓性外歯車を共に平歯車とす
る。 (c)可撓性外歯車の歯数を剛性内歯車の歯数よりも2n
枚(nは正の整数)少なくする。 (d)剛性内歯車および可撓性外歯車の何れか一方であ
る第1の歯車の作用歯形を凸曲線の歯形とし、その形状
を、当該歯車の歯が他方の第2の歯車に対して歯筋の基
準軸直角断面上で描く、ラック近似による移動軌跡の頂
部の、他方の第2の歯車に対して凸に属する部分を、当
該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ)で相似変換
した凸曲線あるいはその近似曲線とする。 (e)他方の第2の歯車の作用歯形を凹曲線とし、その
形状を、前記移動軌跡における前記と同一部分を同じく
当該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ+1)で相
似変換した凹曲線あるいはその近似曲線とすることによ
り、前記第1および第2の歯車の歯形の噛み合いを基準
軸直角断面で連続接触可能な追い越し型の噛み合いとす
る。 - 【請求項8】請求の範囲第7項において、作用歯形が凹
曲線とされている前記歯車の凹歯形の頂部を凸曲線によ
り規定して、当該凹歯形の頂部が凸曲線から規定されて
いる凸歯形と干渉することのないようにすることを特徴
とする負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項9】請求の範囲第7項において、作用歯形が凹
曲線とされている前記第2の歯車の歯先を短縮して、当
該凹歯形の歯先が、前記第1の歯車の凸曲線から規定さ
れている凸歯形と干渉することのないようにすることを
特徴とする負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装
置。 - 【請求項10】請求の範囲第8項または9項において、
前記第1および第2の歯車の歯形の少なくとも一方の歯
形は、その歯筋の前記基準軸直角断面に対して前記コッ
プ状可撓性外歯車の開口部側およびそのダイヤフラム側
の端部側にかけてレリービングが施されて、前記コップ
状可撓性外歯車のコーニングにより両歯車の歯形が干渉
することのないようにしてあることを特徴とする負偏位
追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項11】剛性内歯車と、その内側のゴップ状可撓
性外歯車と、この外歯車の軸直角断面を、そのダイヤフ
ラム側から開口部にかけてダイヤフラムからの距離にほ
ぼ比例した撓み量を生ずるように、当該外歯車を三葉形
状に撓ませて、当該外歯車を部分的に前記剛性内歯車に
噛み合わせ、これらの噛み合わせ位置を円周方向に回転
させるウェーブ・ジェネレータとを有し、ウェーブジェ
ネレータの回転により両歯車に相対回転を生じさせるよ
うになっており、以下の構成を備えたことを特徴とする
負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。 (a)前記可撓性外歯車の歯筋の所定の位置に設定した
基準軸直角断面の半径方向の撓み量(w)を正規の撓み
量(w0)よりも小さな負偏位の撓み量となるように設定
する。 (b)剛性内歯車及び可撓性外歯車を共に平歯車とす
る。 (c)可撓性外歯車の歯数を剛性内歯車の歯数よりも3n
枚(nは正の整数)少なくする。 (d)剛性内歯車および可撓性外歯車の何れか一方であ
る第1の歯車の作用歯形を凸曲線の歯形とし、その形状
を、当該歯車の歯が他方の第2の歯車に対して歯筋の基
準軸直角断面上で描く、ラック近似による移動軌跡の頂
部の、他方の第2の歯車に対して凸に属する部分を、当
該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ)で相似変換
した凸曲線あるいはその近似曲線とする。 (e)他方の第2の歯車の作用歯形を凹曲線とし、その
形状を、前記移動軌跡における前記と同一部分を同じく
当該移動軌跡の頂点を原点として拡大比(λ+1)で相
似変換した凹曲線あるいはその近似曲線とすることによ
り、前記第1および前記第2の歯車の歯形の噛み合いを
基準軸直角断面で連続接触可能な追い越し型の噛み合い
とする。 - 【請求項12】請求の範囲第11項において、作用歯形が
凹曲線とされている前記第2の歯車の凹歯形の頂部を凸
曲線により規定して、当該凹歯形の頂部が、前記第1の
歯車の凸曲線から規定されている凸歯形と干渉すること
のないようにすることを特徴とする負偏位追い越し歯形
の撓み噛み合い式歯車装置。 - 【請求項13】請求の範囲第11項において、作用歯形が
凹曲線とされている前記第1の歯車の歯先を短縮して、
当該凹歯形の歯先が、前記第1の歯車の凸曲線から規定
されている凸歯形と干渉することのないようにすること
を特徴とする負偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車
装置。 - 【請求項14】請求の範囲第12項または第13項におい
て、前記第1および第2の歯車の歯形の少なくとも一方
の歯形は、その歯筋の前記基準軸直角断面に対して前記
コップ状可撓性外歯車の開口部側およびそのダイヤフラ
ム側の端部側にかけてレリービングが施されて、前記コ
ップ状可撓性外歯車のコーニングにより両歯車の歯形が
干渉することのないようにしてあることを特徴とする負
偏位追い越し歯形の撓み噛み合い式歯車装置。
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