JP3474896B2 - 印刷配線板およびその製造方法 - Google Patents
印刷配線板およびその製造方法Info
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Description
係り、特に配線パターン層間を接続する導体配線部およ
び部品ピン挿入用などのスルホールを備え、かつ高密度
な配線および実装が可能な信頼性の高い印刷配線板を、
工数の低減を図りながら、歩留まり良好に製造し得る方
法に関する。
ト化などを目的として、配線パターンの多層化が図られ
ている。そして、この種の多層型印刷配線板において
は、内層配線パターン層間同士、内層配線パターン層と
表面配線パターン層との間の電気的な接続が必然的に要
求され、一般的に、次のようにして行っている。たとえ
ば、基板両面に張られた銅箔をそれぞれパターニングし
た後、要すれば IVHと呼称される両面間の電気的な接続
部を形成してから、前記パターニング面上に絶縁シート
(たとえばプリプレグ)を介して銅箔を積層・配置し、
加熱加圧により一体化する。なお、前記 IVHと呼称され
る両面間の電気的な接続は、基板の所定位置に穴明け加
工し、この穴内壁面にメッキ処理によって導電層を被着
形成することにより行っており、また前記加熱加圧によ
り一体化した後、前述の両面型のときと同様に、穴明け
加工およびメッキ処理によって、配線パターン層間の電
気的なスルホール接続、および部品ピン挿入用の半田付
け可能なスルホールを形設し、さらに表面銅箔について
パターニングすることにより、所要の配線パターン層間
接続部および部品ピン挿入用のスルホールを備えた多層
型印刷配線板を得ている。なお、より配線パターン層の
多い多層型印刷配線板の場合は、中間に介挿させる両面
型板の数を増やす方式で製造できる。
パターン層間の電気的な接続をメッキ方法によらず行う
方法として、両面銅箔張り基板の所定位置に穴明けし、
この穴内に導電性ペーストを印刷法などにより流し込
み、穴内に流し込んだ導電性ペーストの樹脂分を硬化さ
せて、配線層間を電気的に接続する方法も行われてい
る。
に、配線パターン層間の電気的な接続にメッキ法を利用
する印刷配線板の製造方法においては、基板に配線パタ
ーン層間の電気的な接続用の穴明け(穿穴)加工、穿設
した穴内壁面を含めたメッキ処理工程などを要し、印刷
配線板の製造工程が冗長であるとともに、工程管理も繁
雑であるという欠点がある。一方、配線パターン層間の
電気的な接続用の穴に、導電性ペーストを印刷などによ
り埋め込む方法の場合も、前記メッキ法の場合と同様に
穴明け工程を必要とする。しかも、穿設した穴内に、均
一(一様)に導体性ペーストを流し込み埋め込むことが
難しく、電気的な接続の信頼性に問題があった。いずれ
にしても、高機能化などに伴い配線パターン層間の接続
部が多数化する傾向を考慮すると、前記穴明け工程(穴
明け箇所が増大する)などを要することは、印刷配線板
のコストや歩留まりなどに反映し、低コスト化などへの
要望に対応し得ないという欠点がある。
続構成の場合は、印刷配線板の表裏面に、配線パターン
層間接続用の導電体穴が設置されているため、その導電
体穴の領域に配線を形成・配置し得ない。さらに、電子
部品を搭載することもできないので、配線密度の向上が
制約されるとともに、電子部品の実装密度向上も阻害さ
れるという問題がある。つまり、従来の製造方法によっ
て得られる印刷配線板は、高密度配線や高密度実装によ
る回路装置のコンパクト化、ひいては電子機器類の小形
化などの要望に、十分応え得るものといえず、前記コス
ト面を含め、実用的により有効な印刷配線板の製造方法
が望まれている。
で、簡易なプロセスで、より高密度の配線および実装が
可能で、信頼性の高い印刷配線板を歩留まりよく製造し
得る方法の提供を目的とする。
配線板の製造方法は、所定位置に導体バンプ群を形設し
た導電性金属層の主面に、合成樹脂系シート主面を対接
させて複数層を積層配置する工程と、前記積層体を加熱
して合成樹脂系シートの樹脂分がガラス転移点温度ない
し可塑状態温度で積層体を加圧し、前記合成樹脂系シー
トの厚さ方向に、前記バンプ群をそれぞれ貫挿させて合
成樹脂系シート面に対接・配置された内層配線パターン
に接続する導体配線部を備えた多層配線板を形成する工
程と、前記多層配線板の所定位置に両面間に貫通するス
ルホールを穿設する工程と、前記スルホール内壁面にメ
ッキ法によって金属層を被着形成する工程とを具備して
成ることを特徴とし、さらに本発明に係る第2の印刷配
線板の製造方法は、スルホール穿設予定領域に、穿設さ
れるスルホール内壁面の複数箇所に一部が露出可能な位
置を含む所定位置に導体バンプ群を形設した導電性金属
層の主面に、合成樹脂系シート主面を対接させて複数層
を積層配置する工程と、前記積層体を加熱して合成樹脂
系シートの樹脂分がガラス転移点温度ないし可塑状態温
度で積層体を加圧し、前記合成樹脂系シートの厚さ方向
に、前記バンプ群をそれぞれ貫挿させて合成樹脂系シー
ト面に対接・配置された内層配線パターンに接続する導
体配線部を備えた多層配線板を形成する工程と、前記多
層配線板の所定位置に、内壁面の複数箇所に導体バンプ
の一部を露出させて両面間に貫通するスルホールを穿設
する工程と、前記スルホール内壁面にメッキ法によって
金属層を被着形成する工程とを具備して成ることを特徴
とする。
導電性金属層としては、たとえば電解銅箔などの導電性
シート(箔)が挙げられ、この導電性金属層は1枚のシ
ートであってもよいし、パターン化されたものでもよ
く、その形状はとくに限定されないし、さらに導体バン
プ群は、一方の主面だけでなく、両主面にそれぞれ形設
した形のものを用いてもよい。
銅,半田粉などの導電性粉末、これらの合金粉末もしく
は複合(混合)金属粉末と、たとえばポリカーボネート
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキ
シ樹脂、フェノール樹脂,ポリイミド樹脂などのバイン
ダー成分とを混合して調製された導電性組成物、あるい
は導電性金属などで構成される。そして、前記バンプ群
の形設は、導電性組成物で形成する場合、たとえば比較
的厚いメタルマスクを用いた印刷法により、アスペクト
比の高いバンプを形成でき、そのバンプ群の高さは一般
的に、100〜400μm程度が望ましく、さらにバン
プ群の高さは一層の合成樹脂系シートを貫通し得る高さ
および複数層の合成樹脂系シートを貫通し得る高さとが
適宜混在していてもよい。なお、この導電性バンプの形
設において、スルーホール(貫通穴)の穿設予定位置
に、穿設するスルーホール内壁面の複数箇所に導電性バ
ンプの一部が露出するように設けておくと、メッキによ
る金属層の被着形成がより容易になる。一方、導電性金
属でバンプ群を形成する手段としては、(a)ある程度
形状もしくは寸法が一定な微小金属塊を、粘着剤層を予
め設けておいた導電性金属層面に散布し、選択的に固着
させるか(このときマスクを配置して行ってもよい)、
(b)電解銅箔面にメッキレジストを印刷・パターニン
グして,銅、錫、金、銀、半田などメッキして選択的に
微小な金属柱(バンプ)群の形成、(c)導電性金属層
面に半田レジストの塗布・パターニングして、半田浴に
浸漬して選択的に微小な金属柱(バンプ)群の形成など
が挙げられる。ここで、バンプに相当する微小金属塊な
いし微小な金属柱は、異種金属を組合わせて成る多層構
造、多層シェル構造でもよい。たとえば銅を芯にし表面
を金や銀の層で被覆して耐酸化性を付与したり、銅を芯
にし表面を半田層被覆して半田接合性をもたせたりして
もよい。なお、本発明において、バンプ群を導電性組成
物で形成する場合は、メッキ法などの手段で行う場合に
較べて、さらに工程など簡略化し得るので、低コスト化
の点で有効である。
され、貫通型の導体配線部を形成する合成樹脂系シート
としては、たとえば熱可塑性樹脂フイルム(シート)が
挙げられ、またその厚さは50〜 800μm 程度が好まし
い。ここで、熱可塑性樹脂シートとしては、たとえばポ
リカーボネート樹脂,ポリスルホン樹脂,熱可塑性ポリ
イミド樹脂,4フッ化ポリエチレン樹脂,6フッ化ポリ
プロピレン樹脂,ポリエーテルエーテルケトン樹脂など
のシート類が挙げられる。また、硬化前状態に保持され
る熱硬化性樹脂シートとしては、エポキシ樹脂,ビスマ
レイミドトリアジン樹脂,ポリイミド樹脂,フェノール
樹脂,ポリエステル樹脂,メラミン樹脂,あるいはブタ
ジェンゴム,ブチルゴム,天然ゴム,ネオプレンゴム,
シリコーンゴムなどの生ゴムのシート類が挙げられる。
これら合成樹脂は、単独でもよいが絶縁性無機物や有機
物系の充填物を含有してもよく、さらにガラスクロスや
マット、有機合成繊維布やマット、あるいは紙などの補
強材と組み合わせて成るシートであってもよい。
した導電性金属層の主面に、合成樹脂系シート主面を対
接させた構成の複数層を、積層配置して成る積層体を加
熱・加圧するとき、合成樹脂系シートを載置する基台
(当て板)としては、寸法や変形の少ない金属板もしく
は耐熱性樹脂板、たとえばステンレス板,真鍮板、ポリ
イミド樹脂板(シート),ポリテトラフロロエチレン樹
脂板(シート)などが使用される。
など印刷配線板の製造で、常套的である手段でよく、ま
た穿設したスルホール内壁面へのメッキ処理も化学メッ
キ(無電解メッキ)、もしくは化学メッキと電気メッキ
の併用で成し得る。そして、この穴明け工程やメッキ工
程は、いわゆる従来技術におけるスルホール接続など、
配線パターン層間の電気的な接続部数に比べて大幅に少
ないので、工程的な煩雑性もほとんど問題にならない。
配線パターン層間を電気的に接続する層間の導体配線部
は、いわゆる積層一体化する工程での加熱・加圧によ
り、層間絶縁層を成す合成樹脂系シートの可塑状態化な
いしこれに類似した状態と、導電性金属層面の導体バン
プ群の圧入とによって、確実に信頼性の高い配線パター
ン層間の電気的な接続が達成される。つまり、プロセス
の簡易化を図りながら、微細な配線パターン層間を任意
な位置(箇所)で、高精度にかつ信頼性の高い電気的な
接続を形成し得る。つまり、配線密度の高い印刷配線板
を低コストで製造することが可能となり、また前記配線
パターン層間の電気的な接続に当たり、接続穴の形設も
不要となるので、その分高密度配線および高密度実装の
可能で、かつピン挿入形部品の確実な信頼性の高い実装
を成し得る印刷配線板が得られることになる。
(a), (b),図4 (a)〜 (d)および図5 (a)〜 (c)をそ
れぞれ参照して本発明の実施例を説明する。
は本実施例の実施態様を模式的に示したものである。先
ず、厚さ35μm の電解銅箔を導電性金属層1として、ポ
リマータイプの銀系の導電性ペースト(商品名,熱硬化
性導電性ペーストMS-7,東芝ケミカルKK)として、ま
た板厚の 300μm のステンレス板の所定箇所に0.35mm径
の穴を明けたメタルマスクを用意した。そして、前記電
解銅箔1面に、前記メタルマスクを位置決め配置して導
電性ペーストを印刷し、この印刷された導電性ペースト
が乾燥後、同一マスクを用い同一位置に再度印刷する方
法で3回印刷を繰り返し、高さ 200〜 300μm の山形の
導電性バンプ2を形成(形設)した。
プリプレグ(合成樹脂系シート)3および厚さ35μm
電解銅箔1′を用意し、図1(a)に断面的に示すごと
く、前記合成樹脂系シート3面上に、前記形設した導電
性のバンプ2を対向させて、また合成樹脂系シート3面
の裏面側に電解銅箔1′をそれぞれ位置決め配置して積
層体化した。その後、100℃に保持した熱プレスの熱
板の間に配置し(図示せず)、合成樹脂系シート3が熱
可塑化した状態のとき、樹脂圧として1MPaで加圧し
そのまま冷却後取りだし、図1(b)に断面的に示すよ
うに、前記導電性バンプ2が導電接続部2aを成して両
電解銅箔1,1′を電気的に接続した両面銅張り積層板
を得た。この積層板は、前記図1(b)に示すごとく、
前記導電性のバンプ2がそのままの形で、合成樹脂系シ
ート3中に圧入し、電解銅箔1′面に対接して先端が潰
された形になった形態を採っている。
層板は、次のようにしても製造し得る。すなわち、導電
性のバンプ2を形設した前記電解銅箔1の導電性バンプ
2形設面側に、合成樹脂系シート3、アルミ箔およびゴ
ムシートを積層・配置し、熱プレス処理して、前記導電
性バンプ2の先端が合成樹脂系シート3を貫挿したもの
を作成し、冷却後取り出してアルミ箔およびゴムシート
を剥がし、導電性バンプ2の先端が貫挿した合成樹脂系
シート3面に、電解銅箔1′を積層・配置してから、た
とえば170℃に保持した熱プレスの熱板の間に配置
し、合成樹脂系シート3が熱可塑化した状態のとき、樹
脂圧として1MPaで1時間程加圧することによっても
製造し得る。
に、通常のエッチングレジストインク(商品名,PSR-40
00 H,太陽インキKK)をスクリーン印刷し、導体パタ
ーン部をマスクしてから、塩化第2銅をエッチング液と
してエッチング処理後、レジストマスク剥離して、図1
(c)に断面的に示す両面型印刷配線素板4を得た。
に、片面側を配線パターニングした銅張積層素板(2
枚)5およびガラスエポキシ系プリプレグ(合成樹脂系
シート)3を用意し、図2 (a)に断面的に示すごとく、
それぞれ位置決め配置して積層体化した。その後、 170
℃に保持した熱プレスの熱板の間に配置し、合成樹脂系
シート3が熱可塑化した状態のとき、樹脂圧として 1 M
Paで加圧しそのまま冷却後取りだし、多層型積層板を得
た。この多層型積層板の所定位置に、ドリル加工によっ
てスルホール6を穿設し、このスルホール6内壁面に約
3時間化学銅メッキを選択的に施して、スルホール6内
壁面に厚さ約 7μm の銅層7を被着形成した。その後、
前記多層型積層板両面の電解銅箔1′に、通常のエッチ
ングレジストインク(商品名,PSR-4000 H,太陽インキ
KK)をスクリーン印刷し、導体パターン部をマスクし
てから、塩化第2銅をエッチング液としてエッチング処
理後、レジストマスク剥離して、多層型印刷配線板8を
得た。
て、通常実施されている電気チェックを行ったところ、
全ての接続に不良ないし信頼性などの問題が認められな
かった。また、配線パターン間の接続の信頼性を評価す
るため、ホットオイルテストで( 260℃のオイル中に10
秒浸漬,20℃のオイル中に20秒浸漬のサイクルを 1サイ
クルとして)、 500回行っても不良発生は認められず、
従来の銅メッキ法による場合に比較しても、導電(配
線)パターン層間の接続信頼性に問題はなかった。 実施例2 本実施例は、上記実施例1の場合において、両面側(外
側)の各2層の配線パターン層に、前記導電性バンプ2
が導電接続部2aを成して両電解銅箔1および配線パター
ンを接続した構成の両面型配線素板5を用い、また内層
にはスルホール接続のない両面型配線素板4′を用い
て、図3 (a)に断面的に示すように、積層・配置し、 1
70℃に保持した熱プレスの熱板の間に配置し、合成樹脂
系シート3が熱可塑化した状態のとき、樹脂圧として 1
MPaで加圧しそのまま冷却後取りだし、多層型積層板を
得た。この多層型積層板の所定位置に、ドリル加工によ
ってスルホール6を穿設し、このスルホール6内壁面に
約 3時間化学銅メッキを選択的に施して、スルホール6
内壁面に厚さ約 7μm の銅層7を被着形成した。その
後、前記多層型積層板両面の電解銅箔1′に、通常のエ
ッチングレジストインク(商品名,PSR-4000 H,太陽イ
ンキKK)をスクリーン印刷し、導体パターン部をマス
クしてから、塩化第2銅をエッチング液としてエッチン
グ処理後、レジストマスク剥離して、多層型印刷配線素
板8を得た。
て、通常実施されている電気チェックを行ったところ、
全ての接続に不良ないし信頼性などの問題が認められな
かった。また、配線パターン間の接続の信頼性を評価す
るため、ホットオイルテストで(260℃のオイル中に
10秒浸漬20℃のオイル中に20秒浸漬のサイクルを
1サイクルとして)、500回行っても不良発生は認め
られず、従来の銅メッキ法による場合に比較しても、導
電(配線)パターン層間の接続信頼性に問題はなかっ
た。 実施例3 前記実施例1の場合と同様に、通常、印刷配線板の製造
に使用されている厚さ35μmの電解銅箔を導電性金属
層として、ポリマータイプの銀系の導電性ペースト(商
品名,熱硬化性導電性ペーストMS−7、東芝ケミカル
KK)を導電性ペーストとして、また、300μm厚み
のステンレス板の所定位置に0.35mm径の穴を明け
たメタルマスクをそれぞれ用意した。そして、前記電解
銅箔に前記メタルマスクを位置決め配置して導電性ペー
ストを印刷し、この印刷された導電性ペーストが乾燥
後、同一マスクを用い同一位置に再度印刷する方法を2
回印刷をくりかえし、高さ200〜300μmの山形の
導電性バンプを形成(形設)した。
前記所定位置に導電性バンプ群2を印刷形成した電解銅
箔1上に厚さ約160μmの合成樹脂系シート3、アル
ミ箔、ゴムシートを積層配置し(図示せず)、100℃
に保持した熱プレスの熱板の間に位置決め・配置し、ガ
ラス点移転以上の温度、好ましくは合成樹脂系シート3
の樹脂分が可塑状態になった温度で加圧し、冷却後、ア
ルミ箔、ゴムシートを剥がしたところ、導電性バンプ2
の先端が対接する合成樹脂系シート3を突き抜け、貫挿
・露出した。次に、電解銅箔1と合成樹脂系シート3の
積層体の導電性バンプ2の先端が貫挿・露出した側に電
解銅箔1′を積層配置し、170℃で1時間、1MPa
で加圧したところ、導電性バンプ2の先端が電解銅箔
1′と接合し、合成樹脂系シート3が硬化して両面電解
銅箔1,1′間が貫通型に接続された導体配線部2aを
有する両面銅張板を得た(図4(b))。
グレジストをラミネ−タ−で張り付け、ネガ用フィルム
を位置合わせし、露光・現像した後に銅箔1,1′をエ
ッチングし、最後にエッチングレジストをアルカリ水溶
液で剥離し導体パタ−ンを形成し、両面型配線素板4を
作成した(図4(c) 参照)。前記両面型配線素板4につ
いて、テスタ−で各導体配線部2aを表裏から導通テスト
したところ、全数が 2mΩ以下の抵抗値であった。
バンプ2群が印刷されたの電解銅箔1、厚さ約 160μm
の合成樹脂系シ−ト3、アルミ箔およびゴムシ−トを積
層配置(図示せず)し、 100℃で 7分間保持後、 1 MPa
で 3分間加圧してから、前記アルミ箔およびゴムシ−ト
を剥がして、導電性バンプ2の先端が対接する合成樹脂
系シ−ト3を貫挿して成る部材を得た。この部材および
両面型配線素板4を、図4 (c)に断面的に示すごとく、
位置決め・積層・配置し、 170℃に30分、1MPaで加圧保
持し、導電性バンプ2の先端が対接する両面型配線素板
4の配線パターン面に接合して、図4 (d)に断面的に示
すような、両面銅張板を作成した。
たとえばディスクリ−ト部品ピンの挿入・実装予定位置
の周りに、ピン挿入用スルホール6を穿設したとき、そ
のスルホール6内壁面に導電性バンプ2の一部が露出す
るように4個の貫通型導体配線部2bが形成されている。
つまり、部品ピンの挿入用スルホール6を穿設する領域
には、図5 (b)に平面的に示すごとく、4個の貫通型導
体配線部2b(図4 (d)参照)を特に形設してある。
2bのほぼ中心に、穴明け加工によりディスクリ−ト部品
ピン挿入用のスルホール6を穿設した後、前記スルホー
ル6内壁面に化学銅メッキ処理を 3時間施し、厚さ約 7
μm の銅層7を析出させた。次いで、前記両面銅張板の
両面銅箔1,1面に、通常のエッチングレジストをラミ
ネ−タ−で張り付け、ネガ用フィルムを位置合わせし、
前記の場合と同様に、エッチング処理を行って、図5
(c)に断面的に、また図5 (d)に平面的にそれぞれ示す
ように、貫通型導体配線部2bに接続した良質な銅層7か
ら成る部品実装用スルホール6およびパッドを備えた厚
さ約 550μm の4層薄型多層配線板8を作成した。
に、ディスクリ−ト部品のピンを挿入し、半田付けを行
い実装回路装置を構成したところ、信頼性の高いディス
クリ−ト部品の接続実装が達成された。
形成する代りに、銅ペ−ストを用いた他は同様の条件で
4層薄型多層配線板8を作成した。この実施例の場合
は、4個の貫通型導体配線部2b中心に、ディスクリ−ト
部品ピン用のスルホール6を穿設したとき、スルホール
内壁面に銅を含む導電体が露出するため、半田食われの
心配もなくなり、そのままディスクリ−ト部品ピンを挿
入し、半田付けを行うことができた。
リ−ト部品を実装する場合、貫通孔(スルホール)内壁
面への化学銅メッキは必要不可欠であるが、前記実施例
4の構成を採った場合は、半田付けのための化学銅メッ
キなど必要なく、また複数個の貫通型導体配線部2bによ
り表面配線パターン層と内層配線パターンとの電気的接
続の信頼性も確保されるので、オ−ルドライ工程による
多層配線板の製造方法を確立できる。
る導電性のバンプを形設する工程、合成樹脂系シートを
積層的に配置して熱プレスする工程、外層パターニング
する工程というプロセスの簡略化、換言すると製造工程
数を従来の製造方法に比べ格段に少ない工程に低減しな
がら、両面型印刷配線板ないし多層型印刷配線板を容易
に製造することが可能となる。特に工程の繰り返しが多
い多層型印刷配線板の製造においては、大幅な工程数の
低減となり、生産性ないし量産性の向上に効果がある。
そして、従来の多層型印刷配線板などの製造工程で、必
要不可欠であった穴明け工程、メッキ工程が不要になる
ことに伴い、製造工程で発生する不良が大幅に抑えら
れ、歩留まりが向上するばかりでなく、信頼性の高い印
刷配線板が得られることになる。また、製造される印刷
配線板は、層間接続用の穴が表面に存在しないので、配
線密度の格段な向上を図り得るし、電子部品の実装用エ
リアも、穴の位置に関係なく設定し得ることになり、実
装密度も格段に向上し、ひいては実装電子部品間の距離
を短縮できるので、回路の性能向上をも図り得る。つま
り、本発明は、印刷配線板の低コス化に寄与するだけで
なく、実装回路装置のコンパクト化や、高性能化などに
も大きく寄与するものといえる。
すもので、 (a)は導電性バンプを形設具備した導電性金
属層,合成樹脂系シート,導電性金属層を位置決め・積
層した状態の断面図、 (b)は積層体を熱プレスで加圧一
体化した状態の断面図、(c)は両導電性金属層をパター
ニングして得た両面型配線素板の断面図。
で、 (a)は両面型配線素板の両側に合成樹脂系シート,
片面パターニングした銅張り積層素板の積層・配置状態
の断面図、 (b)は最終的に形成した多層型配線板の構造
状態を示す断面図。
で、 (a)は貫通導電接続部を持たない両面型配線素板の
両側に合成樹脂系シート,片面パターニングした貫通導
電接続部付き板銅張り積層素板の積層・配置状態の断面
図、 (b)は最終的に形成した多層型配線板の構造状態を
示す断面図。
で、 (a)は導電性バンプを形設具備した導電性金属層,
合成樹脂系シート,導電性金属層を位置決め・積層した
状態の断面図、 (b)は積層体を熱プレスで加圧一体化し
た後、両導電性金属層をパターニングして得た両面型配
線素板の断面図、 (c)は両面型配線素板,導電性金属層
に形設した導電性バンプが合成樹脂系シートを貫挿させ
たものを位置決め・積層した状態の断面図、 (d)は積層
体を熱プレスで加圧一体化した両面銅張り積層板の断面
図。
すもので、 (a)は両面銅張り積層板(図4(d) の両面を
パターニングした状態の断面図、 (b)は前記両面をパタ
ーニングした状態の平面図、 (c)は部品ピン挿入用穴を
穿設し、その内壁面に銅メッキ層を形成した状態の断面
図、 (d)は前記内壁面に銅メッキ層を形成した状態の平
面図。
体接続部 2b…貫通型導体接続部 3…合成樹脂系
シート 4…両面型配線素板 4′…導体接続部な
しの両面型配線素板 5…片面パターニングした銅張
り積層素板 6…スルホール 7…銅メッキ層 8…多層型印刷
配線板 9…パッド
Claims (9)
- 【請求項1】 合成樹脂系シートの第1の主面に、所定
位置に導体バンプ群を形設した第1の導電性金属層を対
接させ、前記合成樹脂系シートの第2の主面に第2の導
電性金属層を対接させて積層配置して積層体を形成する
工程と、 前記積層体を加熱、加圧し、前記第1の導体金属層のバ
ンプ群を、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に貫挿させ
て前記第2の導電性金属層に当接、塑性変形させて第1
および第2の導電性金属層が前記バンプ群によって電気
的に接続された両面型積層板を形成する工程と、 前記第1および第2の導電性金属層の少なくとも一方を
パターン化して第1の両面型印刷配線板を形成する工程
と、 前記第1の両面型印刷配線板のパターン化された導電性
金属層と、少なくとも一方の表面の導電性金属層がパタ
ーン化された第2の印刷配線板とを、前記パターン化さ
れた導電性金属層側を対向させ合成樹脂系シートを介し
て積層し、加熱加圧により一体化して多層型積層板を形
成する工程と、 前記多層型積層板の所定位置にスルーホールを穿設して
前記第1の両面型印刷配線板の少なくとも一方の前記導
電性金属層と前記第2の印刷配線板の少なくとも一方の
前記導電性金属層とを接続する工程とを具備して成るこ
とを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 【請求項2】 合成樹脂系シートの第1の主面に、所定
位置に導体バンプ群を形設した第1の導電性金属層を対
接させ、前記合成樹脂系シートの第2の主面に第2の導
電性金属層を対接させて積層配置して積層体を形成する
工程と、 前記積層体を加熱、加圧し、前記第1の導体金属層のバ
ンプ群を、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に貫挿させ
て前記第2の導電性金属層に当接、塑性変形させて第1
および第2の導電性金属層が前記バンプ群によって電気
的に接続された両面型積層板を形成する工程と、前記 両面型積層板の前記第1および第2の導電性金属層
をパターン化して第1の両面型印刷配線板とする工程
と、 前記第1の両面型印刷配線板の両面に、少なくとも一方
の表面の導電性金属層がパターン化された第2の印刷配
線板を、前記パターン化された導電性金属層側を第1の
両面型印刷配線板と対向させ、それぞれ合成樹脂系シー
トを介して積層し、加熱加圧により一体化して多層型積
層板とする工程と、 前記多層型積層板の所定位置にスルーホールを穿設して
前記第1の両面型印刷配線板の導電性金属層と前記第2
の印刷配線板の導電性金属層とを接続する工程とを具備
して成ることを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 【請求項3】 合成樹脂系シートの第1の主面に、所定
位置に導体バンプ群を形設した第1の導電性金属層を対
接させ、前記合成樹脂系シートの第2の主面に第2の導
電性金属層を対接させて積層配置して積層体を形成する
工程と、 前記積層体を加熱、加圧し、前記第1の導体金属層のバ
ンプ群を、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に貫挿させ
て前記第2の導電性金属層に当接、塑性変形させて第1
および第2の導電性金属層が前記バンプ群によって電気
的に接続された両面型積層板を形成する工程と、 前記第1および第2の導電性金属層が前記バンプ群によ
って電気的に接続された両面型積層板の少なくとも一方
の導電性金属層をパターン化して第1の両面型印刷配線
板を形成する工程と、導 電性金属層をパターン化した第2の印刷配線板を内層
板とし、それぞれ合成樹脂系シートを介して、前記第1
の両面型印刷配線板の複数枚をパターン化された導電性
金属層側を対向させて積層し、加熱、加圧により一体化
して多層型積層板を形成する工程と、 前記多層型積層板の所定位置にスルーホールを穿設して
前記第1の両面型印刷配線板の導電性金属層と前記第2
の印刷配線板の導電性金属層とを接続する工程とを具備
して成ることを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 【請求項4】 第1の合成樹脂系シートの第1の主面
に、所定位置に導体バンプ群を形設した導電性金属層を
対接させて積層体を形成する工程と、 前記積層体を加熱、加圧し、前記導体金属層の導体バン
プ群を、第1の合成樹脂系シートの厚さ方向に貫通させ
て導体バンプ群が第1の合成樹脂系シートの第2の主面
から突出した結合体を形成する工程と、 前記結合体の導体バンプ突出面に、少なくとも一方の表
面の導電性金属層がパターン化された印刷配線板を、前
記パターン化された導電性金属層側を前記導体バンプ群
と対向させて第2の合成樹脂系シートを介して積層し、
加熱加圧により一体化するとともに、前記結合体のバン
プ群を、第2の合成樹脂系シートの厚さ方向に貫挿させ
て前記印刷配線板のパターン化された導電性金属層に当
接、塑性変形させて前記結合体の導電性金属層と前記印
刷配線板のパターン化された導電性金属層とを接続して
多層型積層板を形成する工程と、 前記多層型積層板の所定位置にスルーホールを穿設し
て、前記結合体の導電性金属層と前記多層型積層板の外
側の導電性金属層とを接続する工程とを具備して成るこ
とを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 【請求項5】 第1の合成樹脂系シートの第1の主面
に、所定位置に導体バンプ群を形設した導電性金属層を
対接させて積層体を形成する工程と、 前記積層体を加熱、加圧し、前記導体金属層の導体バン
プ群を、第1の合成樹脂系シートの厚さ方向に貫通させ
て導体バンプ群が第1の合成樹脂系シートの第2の主面
から突出した結合体を形成する工程と、導 電性金属層をパターン化した印刷配線板を内層板と
し、それぞれ第2の合成樹脂系シートを介して、前記結
合体を導体バンプ群の突出した側を対向させて積層し、
加熱、加圧により一体化するとともに、前記結合体のバ
ンプ群を、前記各第2の合成樹脂系シートの厚さ方向に
貫挿させて前記印刷配線板のパターン化された導電性金
属層に当接、塑性変形させて前記結合体の導電性金属層
と前記印刷配線板のパターン化された導電性金属層とを
接続して多層型積層板を形成する工程と、 前記多層型積層板の所定位置にスルーホールを穿設して
前記印刷配線板の導電性金属層と前記結合体の導電性金
属層とを接続する工程とを具備して成ることを特徴とす
る印刷配線板の製造方法。 - 【請求項6】 前記合成樹脂系シートは繊維強化熱硬化
性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
か1項記載の印刷配線板の製造方法。 - 【請求項7】 合成樹脂系シートを介して配設された内
層の配線パターンと外層の配線パターンが前記合成樹脂
系シートを貫通する層間接続部により接続された多層の
基板からなり、前記多層の基板内の所定位置に設けら
れ、前記内層の配線パターン間、または前記内層の配線
パターンと前記外層の配線パターンとを接続するスルー
ホールの形成された印刷配線板において、 前記層間接続部は、合成樹脂系シートを介して対向する
一方の配線パターンに他方の配線パターンと対応させて
形設された導電体からなり、前記導電体の先端は、穴明
けされていない前記合成樹脂系シート中に圧入され前記
他方の配線パターンへの押圧により形成された塑性変形
部で前記他方の配線パターンに接続されていることを特
徴とする印刷配線板。 - 【請求項8】 合成樹脂系シートの両面に内層配線パタ
ーンの形成された内層板と合成樹脂系シートの片面に外
層配線パターンの形成された外層板と前記外層配線パタ
ーンと前記各外層配線と対応する内層配線パターンとを
接続する層間接続部とを有する多層の印刷配線板におい
て、 前記層間接続部は、前記各外層板の外層配線パターンに
前記内層配線パターンと対応させて形設された導電体か
らなり、前記導電体の先端は、穴明けされていない前記
合成樹脂系シート中に圧入され対向する前記内層配線パ
ターンへの押圧により形成された塑性変形部で前記内層
配線パターンに接続されていることを特徴とする印刷配
線板。 - 【請求項9】 導電体が錐形の導電体である請求項7又
は8のいずれか1項記載の印刷配線板。
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1993
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