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JP3473480B2 - 強度と延性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

強度と延性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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JP3473480B2
JP3473480B2 JP07337099A JP7337099A JP3473480B2 JP 3473480 B2 JP3473480 B2 JP 3473480B2 JP 07337099 A JP07337099 A JP 07337099A JP 7337099 A JP7337099 A JP 7337099A JP 3473480 B2 JP3473480 B2 JP 3473480B2
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hot
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elongation
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浩行 中川
茂樹 野村
嘉明 中澤
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として自動車
の車体等のようにプレス成形、曲げ加工等を施す用途に
好適な強度と延性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板およびそ
れを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車は燃費の向上のため車体の
軽量化が図られている。そのため、自動車用鋼板は、安
全性を確保するため、引張強度(TS)が490 MPa以上、
成形性を確保するため高延性であることが要求されてい
る。また、鋼板の表面には、防錆性を確保するため溶融
亜鉛めっきが施されている。このため、自動車用鋼板
は、高強度、高延性および溶融亜鉛めっき性に優れてい
ることが強く求められている。
【0003】鋼板を高強度化する方法の1つとして、鋼
板の組織を軟質のフェライト相の中に硬質なマルテンサ
イト相を分散させた複合組織とする方法が知られてい
る。
【0004】フェライトとマルテンサイトとの複合組織
鋼板は、オーステナイトへの変態温度(AC1変態温度)
以上からオーステナイトへの変態終了温度(AC3変態温
度)以下に加熱してオーステナイトとフェライトの二相
組織とした後、冷却してオーステナイト相をマルテンサ
イト相に変態させることによって得られる。このとき、
オーステナイト相が不安定であるとパーライト相に変態
するため、マルテンサイト組織が得られない。したがっ
て、通常はオーステナイト相を安定化させ、パーライト
相への変態を抑制するために、合金元素を添加する方法
が採られている。
【0005】例えば、プレス成型品の形状性に優れる高
張力鋼板の製造方法として、Si、PおよびMnを多量に添
加した鋼板を溶融亜鉛めっき設備内において、めっき槽
と合金化炉との間で鋼板をMs点以上の温度に保持するこ
とによってフェライト組織とマルテンサイト組織との複
合組織鋼板とする方法(特開昭55-100935号公報、参
照)がある。また、MnおよびCrを添加した鋼板をAC1
態温度とAC3変態温度との間に加熱し、その温度から450
〜550℃の温度範囲までを臨界冷却速度で冷却し、450〜
550℃の温度範囲で溶融亜鉛めっきを施し、さらに500℃
とAC1変態温度との間に加熱して合金化処理を行い、そ
の温度から300℃以下までを臨界冷却速度で冷却する方
法(特開昭55-122821号公報、参照)が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Si、Mn、P等の固溶強
化型の元素の添加は、鋼板の引張強度を490 MPa以上と
するには多量の添加が必要となり、コスト高となる。ま
た、Si、P等を多量に添加すると、めっき性が低下し、
めっき品質が劣る。また、Ti、Nb、V等の析出強化元素
を添加する方法が知られている。しかし、延性が劣化す
るため、プレス成形性が著しく劣化する。
【0007】たとえば、特開昭55-100935号公報に開示
された発明は、合金元素を多量(Si:0.60%以下、Mn:
3.5%以下、P:0.150%以下、Si+Mn:2.3%以上)に添
加する必要があり、高コストとなる。また、溶融亜鉛め
っき設備内で合金含有量に応じて冷却速度を制御する方
法(特開昭55-122821)は、合金元素を低減すると(た
とえば、Crを添加しなければ)、冷却速度が高くなり冷
却用の付帯設備が必要となる。
【0008】本発明の目的は、合金含有量が少なく、既
存の溶融めっき設備を用いて、引張強度が490 MPa以上
で、かつ延性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板とそれを安価
に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い強度
と高延性とを兼ね備える鋼板を得る方法について、鋭意
研究を行った結果、以下の知見を得た。
【0010】(1)鋼板の強度を高める析出系の元素(T
i、Nb、V)を添加する。
【0011】(2)上記元素(Ti、Nb、V)の炭化物を析
出させる以上にC含有量が存在すると、微細なオーステ
ナイトに固溶したCは球状セメンタイトとなり、鋼板の
延性の低下を軽減させる。
【0012】(3)鋼板のプレス加工性を高めるために
は、引張強度と伸びとの積が18000以上あればよく、上
記(1)および(2)を満足すれば、鋼板の引張強度が490 MP
a以上で、かつ引張強度と伸びとの積が18000以上の鋼板
が得られる。
【0013】本発明は、上記の知見に基づいて完成さ
れ、その要旨は、下記に示す溶融亜鉛めっき鋼板およ
びに示すその製造方法にある。
【0014】重量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0〜
0.2%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.005〜0.03%、S:0.01
%以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.002〜0.008%、
B:0〜0.005%、さらにTi:0.01〜0.1%、Nb:0.005
0.05%、V:0.01〜0.1%のいずれか1種または2種以
上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
板であって、フェライト組織のマトリックスにTi、Nb、
Vの炭窒化物および球状セメンタイトが析出した組織を
有し、表面が亜鉛めっき層で被覆されている溶融亜鉛め
っき鋼板。
【0015】前記の化学成分を有する鋼を、通常の
熱間圧延を行い400〜700℃で巻き取った後、酸洗処理を
施し、40〜80%の圧下率で冷間圧延を行い、750〜850℃
で再結晶焼鈍を施した後、通常のめっき処理を施す高張
力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0016】本発明の溶融亜鉛めっき鋼板は、フェライ
ト相のマトリックスに球状セメンタイトとTi、Nb、Vの
炭窒化物とが析出した組織となり、引張強度(TS)が490
MPa以上で、かつ引張強度(TS)と伸び(El、延性)との
積(TS×El)が18000以上となり、強度と延性のバラン
スのよい鋼板である。
【0017】この理由は今のところ明確ではないが、以
下の理由が考えられる。
【0018】溶融めっき設備において、AC1変態点以上
からAC3変態点以下までの温度範囲(再結晶焼鈍温度範
囲)に加熱すると、フェライト相とオーステナイト相の
二相組織となる。しかし、本発明の鋼板は、炭窒化物を
多量(0.02%以上)に含むため、加熱されている間のオ
ーステナイト組織は非常に微細になり、引張強度を高め
ることに寄与する。さらに、炭化物を形成させた残りの
C(炭素)は、微細なオーステナイト相に固溶し、引き
続いて行われる冷却によって球状セメンタイトが形成さ
れる。これにより、鋼板の延性の劣化が少なく、引張強
度を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の溶融亜鉛めっき鋼
板の化学組成を規定した理由について説明する。なお、
鋼板の化学組成の「%」は「重量%」を意味する。
【0020】C:Cは、Ti、Nb、V等と結合して炭化物
となって鋼中に析出し、鋼板に所定の強度を付与する。
本発明では、炭化物を形成させる必要量以上に添加する
ことに特徴がある。炭窒化物を形成した残りのCは、溶
融めっき設備における再結晶焼鈍の加熱時に形成される
オーステナイト相中に固溶する。引き続き冷却されると
きに、球状セメンタイトが形成され、延性の改善とさら
なる強度上昇に寄与する。C含有量が0.1%未満では引
張強度と延性の改善が得られない。また、0.2%を超え
ると冷却時にパーライト相が析出して延性を悪化させ、
また溶接性も劣化させる。したがって、Cの含有量は、
0.1〜0.2%とした。
【0021】Si:Siは強化元素として極めて有効であ
り、しかも延性の劣化は少ないため、多量に添加したい
元素である。しかし、Siは、めっき性を著しく阻害する
ため、その含有量は0.2%以下とする。
【0022】Mn:Mnは、強化元素として有効な元素であ
り、0.5%以上含有させる。しかし、1.8%を超えるとプ
レス加工性を害し、コスト増となる。したがって、Mn含
有量は0.5〜1.8 %とする。
【0023】P:Pは強化元素として有効な元素であ
り、0.005%以上添加する。一方、0.03%を超えるとめ
っき性を損ねる。したがって、P含有量は0.005〜0.03
%とする。
【0024】S:Sは、原料から不可避的に侵入する不
純物である。しかし、その含有量が0.01%を超えると鋼
板のプレス加工性を損ねる。したがって、S含有量は0.
01%以下とした。
【0025】sol.Al:sol.Alは、溶製時の溶鋼をアルミ
ニウム(Al)で脱酸することによって鋼中に含有され
る。これは、鋼中のN(窒素)と結合してAlNの析出物
を形成し、オーステナイト結晶粒の粗大化を抑止する効
果がある。このため、sol.Alは0.01%以上含有させる必
要がある。しかし、過度に含有させてもその効果が飽和
し、0.1%を超えるとプレス加工性を害する。したがっ
て、sol.Al含有量は、0.01〜0.1%とした。
【0026】N:Nは、再結晶焼鈍時のオーステナイト
結晶粒の成長を抑制する効果がある。このため、0.002
%以上含有させる。しかし、含有量が0.008%を超える
と延性(伸び)が低下する。したがって、N含有量は、
0.002 〜0.008%とする。
【0027】Ti、NbおよびV:Ti、NbおよびVは、炭窒
化物を形成して強度上昇に寄与するとともに、再結晶組
織および均熱中の二相組織の粗大化を抑制する効果があ
る。これらの効果を発揮させるために、Ti、NbおよびV
のうち1種または2種以上を含有させる。ただし、過度
に含有させると再結晶温度を上昇させ、良好な延性が得
られない。したがって、これらの含有量は下記の範囲と
する。
【0028】Ti:0.01〜0.1% Nb:0.005〜0.05% V:0.01〜0.1% B(ボロン):Bは、含有しなくともよい。しかし、B
は、オーステナイト相中の炭化物(FeとBとの炭化物)
を安定化させ、冷却時にその炭化物を核としてセメンタ
イトを球状に析出さ、粗大パーライトの析出を抑制す
る。これにより、鋼板の延性の劣化をより効果的に抑制
できる。Bを含有させる場合には0.0005%以上含有させ
るのが望ましい。しかし、0.005%を超えるとその効果
が飽和する。したがって、B含有量は、0〜0.005%とし
た。
【0029】次に本発明のめっき鋼板の製造方法につい
て説明する。
【0030】溶製から熱間圧延までは特に制限する必要
がなく、通常行われている方法でよい。しかし、熱間圧
延後の組織を微細化するため、コイル巻取温度を700℃
以下とするのが望ましい。また、400℃未満になると、
硬質なベイナイトまたはマルテンサイト組織が生成し、
冷間圧延性が悪くなる。
【0031】冷間圧延についても通常行われいる方法で
よいが、再結晶焼鈍後の組織を微細化するためには、冷
間圧延率は高いほどよい。しかし、冷間圧延率が40%未
満では、再結晶焼鈍で十分な再結晶が起こらない。ま
た、80%を超えると圧延荷重が高くなり、材料が破断す
るなどのトラブルが発生する。このため、冷間圧延率
は、40〜80%とした。
【0032】溶融めっき設備における処理は、めっき前
の鋼板の再結晶焼鈍時に十分な再結晶を起こさせ、かつ
二相組織とするために、加熱温度を750℃以上にする必
要がある。また、850℃を超えると結晶粒が粗大化す
る。したがって、めっき前の鋼板の再結晶焼鈍温度は、
750〜850℃とした。他の条件は、通常行われているめっ
き処理を施せばよい。本発明の鋼板は、めっき後の合金
化処理による機械的性質の変化は小さいため、合金化処
理は行っても、行わなくともよい。
【0033】本発明の溶融亜鉛めっき鋼板は、C含有量
を高め、Ti、NbおよびVのうち1種または2種以上を含
有させるため、Ti、Nb、Vなどの炭化物を析出させた以
外のCが再結晶焼鈍によって微細化されたオーステナイ
トに固溶する。微細化されたオーステナイトに固溶した
Cは、その後の冷却過程で球状セメンタイトとして析出
する。
【0034】
【実施例】(実施例1)表1および表2に示す化学組成
の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造設備を用いてスラブ(幅
1200mm、厚さ240mm、長さ8m)とした。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】これらのスラブを、1200℃で30分間加熱
し、仕上げ温度850℃で連続熱間圧延設備で圧延を行っ
た後、表3および表4に示す温度でコイルに巻き取り、
板厚4mmの熱延鋼板を得た。これらの熱延鋼板を酸洗し
た後、冷間圧延および溶融亜鉛めっき処理を行った。冷
間圧延率および溶融亜鉛めっき処理における再結晶処理
温度は、表3および表4に示した。再結晶処理温度での
保持時間は、60秒とした。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】めっき条件は、上記の再結晶処理を行った
後、冷却速度10℃/秒で500℃まで冷却し、温度が470℃
の亜鉛浴に浸漬してめっきを行った。一部の鋼板につい
ては、500℃に加熱して合金化処理を行った。めっきの
付着量は、いずれも50g/m2とした。
【0041】上記めっき鋼板の圧延方向からJIS5号引
張試験片を採取し、機械的性質(降伏強度、引張強度お
よび伸び)の試験を行った。それらの結果、およびそれ
らから計算で求めた降伏比および引張強度と伸びとの積
を表3および表4に併せて示した。
【0042】これらの結果から明らかなように、発明例
の試験番号1〜19の鋼板は、鋼の化学成分、コイル巻き
取り温度、冷間圧延率、均熱温度を本発明で定める範囲
としたため、509〜627 MPaの引張強度および18021〜188
57の引張強度と伸びとの積が得られ、強度と延性(プレ
ス成形性)に優れるものである。
【0043】これに対し、比較例の試験番号20の鋼板
は、鋼の化学組成にTi、NbおよびVを含有していないの
で、引張強度が477 MPaと低い。
【0044】試験番号21および22の鋼板は、鋼の化学組
成のC含有量が0.09%および0.06%と少ないため、引張
強度および伸びが低く、引張強度と伸びとの積が17069
および15432と低い。
【0045】試験番号23の鋼板は、鋼の化学組成のC含
有量が0.22%と多いため、引張強度と伸びとの積が1623
3と低い。
【0046】試験番号24の鋼板は、鋼の化学組成のSi含
有量が0.22%と多いため、めっき外観むらが発生した。
【0047】試験番号25の鋼板は、鋼の化学組成のMn含
有量が0.4%と少ないため、引張強度および伸びが低
く、引張強度と伸びとの積が16250と低い。
【0048】試験番号26の鋼板は、鋼の化学組成のMn含
有量が1.9%と多いため、伸びが26.2%と低く、引張強
度と伸びとの積が16506と低い。
【0049】試験番号27の鋼板は、鋼の化学組成のP含
有量が0.035%と多いため、P偏析が発生し、合金化挙
動の違いにより、めっき外観むらが発生した。
【0050】試験番号28の鋼板は、鋼の化学組成のS含
有量が0.015%と多いため、伸びが低く、引張強度と伸
びとの積が16981と低い。
【0051】試験番号29の鋼板は、鋼の化学組成のAl含
有量が0.005%と少ないため、Ti、NbおよびVは酸化物
となり、引張強度を高め、伸びを低下(26.2%)させる
ので、引張強度と伸びとの積が16852と低い。
【0052】試験番号30の鋼板は、鋼の化学組成のAl含
有量が0.15%と多いため酸化物および固溶Al(sol.Al)が
多く、伸びが27.4%と低く、引張強度と伸びとの積が15
825と低い。
【0053】試験番号31の鋼板は、鋼の化学組成のN含
有量が0.0015%と少ないため、Ti、NbおよびVなどの窒
化物の析出が少ない。このため、再結晶焼鈍中にオース
テナイトが粗大化し冷却中にパーライトが生成してしま
い、伸びを26.1%と低下させ、引張強度と伸びとの積が
15425と低い。
【0054】試験番号32の鋼板は、鋼の化学組成のN含
有量が0.0095%と多いため、固溶窒素が多くなり伸びを
27.5%と低下させ、引張強度と伸びとの積が15892と低
い。
【0055】試験番号33の鋼板は、鋼の化学組成のTi含
有量が0.14%と多いため再結晶温度が上昇し、再結晶し
ない。このため、伸びが21.8%と低く、引張強度と伸び
との積が14210と低い。
【0056】試験番号34および35の鋼板は、鋼の化学組
成のNbおよびVの含有量が0.056%および0.12%と多い
ため再結晶温度が上昇し、再結晶しない。このため、伸
びがそれぞれ19.3%、22.2%と低く、引張強度と伸びと
の積が14532および14608と低い。
【0057】試験番号36から50までの鋼板は、熱間圧延
の巻き取り温度、冷間圧延下率および均熱温度が本発明
で定める範囲からはずれる例である。
【0058】試験番号36、37および38の鋼板は、いずれ
も本発明で定める範囲の化学組成を有する鋼を使用した
が、熱間圧延の巻き取り温度を350℃と低くしたため、
熱延鋼板の硬さが高く、冷間圧延時に材料破断が発生し
た。
【0059】試験番号39、40および41の鋼板は、いずれ
も本発明で定める範囲の化学組成を有する鋼を使用した
が、熱間圧延の巻き取り温度が720℃と高いため、熱延
鋼板の結晶粒が大きくなり、引張強度と伸びとのバラン
スが悪く、引張強度と伸びとの積が16399、16702および
16880と低い。
【0060】試験番号42、43および44の鋼板は、いずれ
も本発明で定める範囲の化学組成を有する鋼を使用した
が、冷間圧延率が35%と低いため、再結晶焼鈍時に結晶
粒が大きくなり、引張強度と伸びとのバランスが悪く、
引張強度と伸びとの積が15947、16039および15530と低
い。
【0061】試験番号45、46および47の鋼板は、いずれ
も本発明で定める範囲の化学組成を有する鋼を使用した
が、冷間圧延率が85%と高いため、圧延荷重が大きくな
って、材料破断が発生した。
【0062】試験番号48、49および50の鋼板は、いずれ
も本発明で定める範囲の化学組成を有する鋼を使用した
が、均熱温度が730℃と低いため、再結晶を起こさない
ので、引張強度と伸びとのバランスが悪く、引張強度と
伸びとの積が14434、14963および14219と低い。
【0063】
【発明の効果】本発明の溶融亜鉛めっき鋼板は、Ti、N
b、Vの炭窒化物と球状セメンタイトがフェライトの中
に析出した組織となっているので、強度と延性とのバラ
ンスに優れ、プレス成形性に優れる鋼板である。この鋼
板は、合金添加成分が少ないため低コストであり、既存
の溶融めっきラインで容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−61269(JP,A) 特開 平4−314828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0〜0.2
    %、Mn:0.5〜1.8%、P:0.005〜0.03%、S:0.01%
    以下、sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.002〜0.008%、
    B:0〜0.005%、さらにTi:0.01〜0.1%、Nb:0.005
    0.05%、V:0.01〜0.1%のいずれか1種または2種以
    上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼
    板であって、フェライト組織のマトリックスにTi、Nb、
    Vの炭窒化物および球状セメンタイトが析出した組織を
    有し、表面が亜鉛めっき層で被覆されていることを特徴
    とする強度と延性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化学成分を有する鋼を、
    通常の熱間圧延を行い400〜700℃で巻き取った後、酸洗
    処理を施し、40〜80%の圧下率で冷間圧延を行い、750
    〜850℃で再結晶焼鈍を施した後、通常のめっき処理を
    施すことを特徴とする強度と延性に優れる溶融亜鉛めっ
    き鋼板の製造方法。
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