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JP3466331B2 - ポリアミド、ポリアミド組成物およびその用途 - Google Patents

ポリアミド、ポリアミド組成物およびその用途

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JP3466331B2
JP3466331B2 JP15930995A JP15930995A JP3466331B2 JP 3466331 B2 JP3466331 B2 JP 3466331B2 JP 15930995 A JP15930995 A JP 15930995A JP 15930995 A JP15930995 A JP 15930995A JP 3466331 B2 JP3466331 B2 JP 3466331B2
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acid
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temperature
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秀明 岡
望 須郷
興造 田村
次史 柏村
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の半芳香族ポリア
ミド、該ポリアミドに充填剤を配合してなるポリアミド
組成物、並びにその用途に関する。本発明のポリアミド
およびポリアミド組成物は、極めて優れた成形加工性を
有すると共に、寸法安定性、耐熱水性、表面美麗性、耐
熱性、力学特性、低吸水性、耐薬品性などに優れてお
り、これらのポリアミドおよびポリアミド組成物から得
られるエンジニアリング用途の部品、繊維、フィルム、
シート、ボトルなどの種々の形状の成形品は、産業資
材、工業材料、家庭用品などの用途に好適に使用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】従来からナイロン6、ナイロン66など
に代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶
融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、あるい
は汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用い
られているが、一方では、耐熱性不足、吸水による寸法
安定性不良などの問題点も指摘されている。特に近年の
表面実装技術(SMT)の進歩に伴うリフローハンダ耐
熱性を必要とする電気・電子分野、あるいは年々耐熱性
への要求が高まる自動車のエンジンルーム部品などにお
いては、従来のポリアミドの使用は困難であり、より耐
熱性、寸法安定性、機械特性、物理化学的特性に優れた
ポリアミドの要求が高まっている。
【0003】このような要求に対し、アジピン酸と1,
4−ブタンジアミンからなる全脂肪族ポリアミド、テレ
フタル酸と1,6−ヘキサンジアミンを主成分とする半
芳香族ポリアミドが種々提案され、一部は実用化されて
いる。しかしながら、アジピン酸と1,4−ブタンジア
ミンからなるポリアミド(以下PA4−6と略称する)
は、溶融粘度が低く、テレフタル酸と1,6−ヘキサン
ジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミドに比べ、良
好な成形性を有するものの、吸水率が高く、寸法安定性
などの実使用時の諸物性の変動が問題視されている。
【0004】一方、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジ
アミンからなるポリアミド(以下、PA6−Tと略称す
る)は、ポリマーの分解温度を超える370℃付近に融
点があるため、溶融重合や溶融成形が困難であり、実用
に耐えるものではない。そのため実際には、アジピン
酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、あるいはナ
イロン6などの脂肪族ポリアミドを30〜40モル%共
重合することにより、実使用可能温度領域、すなわち2
80〜320℃程度にまで低融点化した組成で用いられ
ているのが現状である。このように多量の第3成分(場
合によっては第4成分)を共重合することは、確かにポ
リマーの低融点化には有効なものの、一方では結晶化速
度、到達結晶化度の低下を伴い、その結果、高温下での
剛性、耐薬品性、寸法安定性などの諸物性が低下するば
かりでなく、成形サイクルの延長に伴う生産性の低下を
も招く。また、吸水による寸法安定性などの諸物性の変
動に関しても、芳香族基の導入により、従来の脂肪族ポ
リアミドに比べれば多少改善されてはいるものの、実質
的な問題解決のレベルまでには達していない。
【0005】特公昭64−11073号公報、特開昭6
2−36459号公報、特公平1−19809号公報な
どには、半芳香族ポリアミドのジアミン成分として、
1,6−ヘキサンジアミンの他に、より長鎖の直鎖脂肪
族ジアミンが使用可能であることが言及されている。英
国特許第1070416号明細書には、テレフタル酸と
1,9−ノナンジアミンからなるナイロン塩を、ジアミ
ン成分に対して3.1〜4.0モル%のテレフタル酸存
在下に重縮合することにより、固有粘度(ηinh)が
0.67〜1.03dl/gのポリアミド(以下、PA
9−Tと略称する)を製造し繊維化したことが開示され
ている。また、特開昭59−155427号公報、米国
特許第4617342号明細書には、テレフタル酸と直
鎖脂肪族ジアミンである1,6−ヘキサンジアミンおよ
び分岐鎖脂肪族ジアミンである2,2,4−(2,4,
4−)トリメチルヘキサンジアミンからなるポリアミド
が記載されている。しかしながら、これらの先行文献に
は、ジアミン成分として、分岐鎖脂肪族ジアミンである
2−メチル−1,8−オクタンジアミンを用いること、
あるいは2−メチル−1,8−オクタンジアミンと直鎖
脂肪族ジアミンである1,9−ノナンジアミンとを特定
の割合で用いることの具体的な開示はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの研究によ
れば、英国特許第1070416号明細書に記載の方法
を追試して得られる、テレフタル酸と1,9−ノナンジ
アミンとからなり、末端が封止されていない(すなわ
ち、末端にカルボキシル基を有する)ポリアミドは、溶
融成形時に着色または発泡する傾向が認められ、また得
られる成形品の表面美麗性が不十分であり、耐熱水性に
も劣るという問題点がある。さらに、特開昭59−15
5427号公報、米国特許第4617342号明細書に
記載されている、PA6−Tポリアミドに分岐鎖脂肪族
ジアミンである2,2,4−(2,4,4−)トリメチ
ルヘキサメチレンジアミンを共重合させたポリアミドで
は、成形品の高温下での剛性、耐薬品性、吸水時の寸法
安定性などが劣っているという問題点がある。
【0007】本発明の目的は、従来の半芳香族ポリアミ
ドに比較して、顕著に改善された成形加工性を有すると
共に、耐熱性、低吸水性、耐薬品性などに優れ、かつ寸
法安定性、耐熱水性、力学特性に優れたポリアミドを提
供することにある。また、本発明は成形加工性、低吸水
性、耐薬品性に優れ、かつ熱変形温度の高いポリアミド
組成物を提供することを目的としている。さらに、本発
明は、上記のようなポリアミドまたはポリアミド組成物
からなる表面美麗性、耐薬品性に優れ、吸水寸法変化が
小さく、高温での性能低下が小さい成形品を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、テレフタル酸
単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位
から主としてなる半芳香族ポリアミドにおいて、その極
限粘度[η]および末端の封止率を特定の範囲内に制御
することによって初めて、溶融成形性、表面美麗性、耐
熱水性などに優れた性質を有するポリアミドが得られる
こと;テレフタル酸単位および2−メチル−1,8−
オクタンジアミン単位から主としてなる半芳香族ポリア
ミドに、1,9−ノナンジアミンを特定量共重合するこ
とにより、該ポリアミドの特性を損なうことなく、溶融
成形性、表面美麗性がより優れたポリアミドが得られる
こと;これらのポリアミドに対して特定量の充填剤を
配合することにより、成形加工性、低吸水性、耐薬品性
に優れ、かつ熱変形温度の高いポリアミド組成物が得ら
れること;上記のポリアミドまたはポリアミド組成物
を通常の溶融成形法で成形することにより、表面美麗
性、耐薬品性に優れ、吸水寸法変化が小さく、高温での
性能低下が小さい成形品が得られることを見出して本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ジカルボン酸単位の
60〜100モル%がテレフタル酸単位からなり、ジア
ミン単位の60〜100モル%が2−メチル−1,8−
オクタンジアミン単位からなるポリアミドであって、濃
硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.
0dl/gで、かつその末端基の10%以上が封止され
ているポリアミド〔以下、ポリアミド(A)と称する場
合がある〕;またはジカルボン酸単位の60〜100モ
ル%がテレフタル酸単位からなり、ジアミン単位の60
〜100モル%が2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ン単位および1,9−ノナンジアミン単位からなり、か
つ2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位と1,9
−ノナンジアミン単位とのモル比が61:39〜99:
1モル%であるポリアミドであって、濃硫酸中30℃で
測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであ
るポリアミド〔以下ポリアミド(B)と称する場合があ
る〕である。そして、本発明は、上記のポリアミド10
0重量部に、充填剤を1〜200重量部配合してなるポ
リアミド組成物である。さらに、本発明は、上記のポリ
アミドまたはポリアミド組成物からなる成形品である。
【0010】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
のポリアミドは実質的にジカルボン酸単位およびジアミ
ン単位からなる。ジカルボン酸単位としては、テレフタ
ル酸単位を60モル%以上含有していることが必要であ
り、75モル%以上含有していることが好ましく、90
モル%以上含有していることがより好ましい。テレフタ
ル酸単位の含有率が60モル%未満の場合には、得られ
るポリアミドの耐熱性、耐薬品性などの諸物性が低下す
るため好ましくない。
【0011】テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸
単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク
酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−
ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン
酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3
−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−
オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカ
ルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸から誘導される単位を挙げることができ、こ
れらのうち1種または2種以上を含ませることができ
る。耐熱性などの点から、上記したジカルボン酸単位の
なかでも、芳香族ジカルボン酸単位を含ませるのが好ま
しい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメ
リット酸などの官能基を3個以上有する多価カルボン酸
から誘導される単位を、溶融成形が可能な範囲内で含ま
せることができる。
【0012】ポリアミド(A)においては、ジアミン単
位として、2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位
を60モル%以上含有していることが必要であり、75
モル%以上含有していることが好ましく、90モル%以
上含有していることがより好ましい。2−メチル−1,
8−オクタンジアミン単位の含有率が60モル%未満の
場合には、得られるポリアミドの成形加工性、耐熱性、
耐薬品性などの諸物性が低下するため好ましくない。
【0013】2−メチル−1,8−オクタンジアミン単
位以外の他のジアミン単位としては、例えば、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミ
ン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジア
ミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジア
ミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,
5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタン
ジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの
脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシク
ロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式
ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香
族ジアミンから誘導される単位を挙げることができ、こ
れらのうち1種または2種以上を含ませることができ
る。
【0014】ジアミン単位が、2−メチル−1,8−オ
クタンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含有する
場合には、得られるポリアミドの成形加工性が極めて優
れているのみならず、結晶性、力学特性、耐薬品性、低
吸水性などにも優れている点から、1,9−ノナンジア
ミン単位が好ましい。そして、ポリアミド(B)におい
ては、ジアミン単位が2−メチル−1,8−オクタンジ
アミン単位および1,9−ノナンジアミン単位を含有す
、ジアミン単位の60〜100モル%が2−メチル
−1,8−オクタンジアミン単位および1,9−ノナン
ジアミン単位からなり、かつ2−メチル−1,8−オク
タンジアミン単位と1,9−ノナンジアミン単位のモル
比が、61:40〜99:1であることが好ましく、7
0:30〜98:2であることがより好ましく、80:
20〜95:5であることがさらに好ましい。
【0015】本発明のポリアミド(A)は、その分子鎖
の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されてい
る必要があり、末端基の40%以上が封止されているの
が好ましく、末端基の60%以上が封止されているのが
より好ましい。また、ポリアミド(B)は、その分子鎖
の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されてい
るのが好ましく、末端基の40%以上が封止されている
のがより好ましく、末端基の60%以上が封止されてい
るのがさらに好ましい。ポリアミドの末端基を封止する
ことにより、耐熱水性がより優れたポリアミドが得られ
る。
【0016】末端封止率を求めるにあたっては、ポリア
ミドに存在しているカルボキシル基末端、アミノ基末端
および末端封止剤によって封止された末端の数をそれぞ
れ測定し、下記の式(1)により末端封止率を求めるこ
とができる。各末端基の数は、1H−NMRにより、各
末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが
精度、簡便さの点で好ましい。末端封止剤によって封止
された末端の特性シグナルが同定できない場合には、ポ
リアミドの極限粘度[η]を測定し、 Mn=21900[η]−7900 (Mnは数平均
分子量を表す) 分子鎖末端基総数(eq/g)=2/Mn の関係を用いて分子鎖末端基総数を算出する。さらに、
滴定によりポリアミドのカルボキシル基末端の数(eq
/g)〔ポリアミドのベンジルアルコール溶液を0.1
N水酸化ナトリウムで滴定する〕およびアミノ基末端の
数(eq/g)〔ポリアミドのフェノール溶液を0.1
N塩酸で滴定する〕を測定し、下記の式(1)により末
端の封止率を求めることができる。
【0017】 末端封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 ………(1) 〔式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミ
ド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル
基末端およびアミノ基末端の合計数を表す〕
【0018】末端封止剤としては、ポリアミド末端のア
ミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性
の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止
末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノ
アミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノ
カルボン酸がより好ましい。その他、無水フタル酸など
の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化
物、モノエステル類、モノアルコール類なども使用でき
る。
【0019】末端封止剤として使用されるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカル
ボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボ
ン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカ
ルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、
あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。
これらのうち、反応性、封止末端の安定性、価格などの
点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好
ましい。
【0020】ポリアミドの末端基をモノカルボン酸で封
止する場合は、ポリアミドの製造に際してジカルボン酸
成分に対するジアミン成分の使用モル数をわずかに多く
して、ポリアミドの両末端がアミノ基になるようにし、
モノカルボン酸を末端封止剤として加えるのがよい。
【0021】本発明のポリアミドのアミノ基末端は、こ
れらのモノカルボン酸で封止されることにより、下記の
一般式(I)で示される封止末端を形成する。
【0022】
【化1】 (式中、Rは上記のモノカルボン酸からカルボキシル基
を除いた残基であり、好ましくはアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アラルキル基である。)
【0023】末端封止剤として使用されるモノアミンと
しては、カルボキシル基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘ
キシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モ
ノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、
ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、あるいはこれ
らの任意の混合物を挙げることができる。これらのう
ち、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの
点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシル
アミン、アニリンが特に好ましい。
【0024】ポリアミドの末端基をモノアミンで封止す
る場合は、ポリアミドの製造に際してジカルボン酸成分
に対するジアミン成分の使用モル数をわずかに少なくし
て、ポリアミドの両末端がカルボキシル基になるように
し、モノアミンを末端封止剤として加えるのがよい。
【0025】本発明のポリアミドのカルボキシル基末端
は、これらのモノアミンで封止されることにより、下記
の一般式(II)で示される封止末端を形成する。
【0026】
【化2】 (式中、R1は上記のモノアミンからアミノ基を除いた
残基であり、好ましくはアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基である。R2は水素原子
または上記のモノアミンからアミノ基を除いた残基であ
り、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基である。)
【0027】ポリアミドを製造する際に用いられる末端
封止剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、
反応装置、反応条件などによって変化するが、通常、ジ
カルボン酸とジアミンの総モル数に対して0.1〜15
モル%の範囲内で使用されるのが好ましい。
【0028】本発明のポリアミドは、従来よりポリアミ
ドを製造する方法として知られている、溶融重合法、溶
液重合法、反応型押出機を使用する重合法などの方法を
用いて製造することができる。本発明者らの研究によれ
ば、触媒および必要に応じて末端封止剤を、最初にジア
ミンおよびジカルボン酸に一括して添加し、ナイロン塩
を製造した後、いったん280℃以下の温度において濃
硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.10〜0.
60dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合する
か、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことによ
り、容易に本発明のポリアミドを得ることができる。プ
レポリマーの極限粘度[η]が0.10〜0.60dl
/gの範囲内であると、後重合の段階においてカルボキ
シル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低
下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種性能や成
形性に優れたポリアミドが得られる。重合の最終段階を
固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通
下に行うのが好ましく、重合温度が180〜280℃の
範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着
色やゲル化を有効に押さえることができるので好まし
い。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合、重合
温度が370℃以下であるとポリアミドの分解がほとん
どなく、劣化の無いポリアミドが得られるので好まし
い。
【0029】ポリアミドの製造の際に用いることができ
る触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、また
はそれらのアンモニウム塩、それらの金属塩(カリウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウ
ム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲ
ルマニウム、チタン、アンチモンなどの金属塩)、それ
らのエステル類(エチルエステル、イソプロピルエステ
ル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエ
ステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステ
アリルエステル、フェニルエステル)などを挙げること
ができる。その他必要に応じて、銅化合物などの安定
剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ヒンダードフ
ェノール系、チオ系、リン系、アミン系などの酸化防止
剤、帯電防止剤、臭素化ポリマー、酸化アンチモン、金
属水酸化物などの難燃剤、結晶核剤、可塑剤、離型剤、
滑剤などの他の添加剤を重縮合反応時、またはその後に
添加することもできる。
【0030】本発明のポリアミドは、濃硫酸中30℃で
測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gの範
囲内であり、0.6〜2.0dl/gの範囲内のものが
好ましく、0.8〜1.6dl/gの範囲内のものがよ
り好ましい。ポリアミドの極限粘度[η]が上記の範囲
内であれば、成形性に優れるだけでなく、力学特性、耐
熱特性などに優れたポリアミドが得られる。
【0031】本発明のポリアミドでは、極限粘度[η]
が0.4〜3.0dl/gの範囲内で、極限粘度[η]
と剪断速度1000s-1で測定した溶融粘度(MV)と
の間に、下記の式(2)で示される関係が成立する。 logMV=1.9[η]+A ………(2) (ここでAは温度により変化する数である。)
【0032】本発明の好ましいポリアミドの場合、34
0℃でのA値は0.5〜0.9であり、330℃でのA
値と350℃でのA値との差は0.1〜0.6である。
一方、従来のPA6−T系ポリアミドの場合、極限粘度
[η]の係数は本発明のポリアミドとほぼ同じである
が、340℃でのA値は1.3〜1.7であり、330
℃でのA値と350℃でのA値との差は0.7〜1.1
である。このように、成形温度として好ましい330〜
350℃において、本発明のポリアミドは従来のPA6
−T系ポリアミドに比較して、同じ極限粘度[η]であ
っても溶融粘度が小さく、成形温度の変化にともなう溶
融粘度の変化も小さい。さらに、本発明のポリアミド
は、成形時の滞留時間中での溶融粘度の変化が小さいと
いう特性をも有しており、従来のPA6−T系ポリアミ
ドに比較して成形性が顕著に向上している。
【0033】本発明のポリアミドには、ポリアミド10
0重量部に対して、充填剤を1〜200重量部配合する
ことができる。このような割合で充填剤を配合すること
により、力学特性、熱変形温度などの特性がより向上し
たポリアミド組成物が得られる。充填剤の配合割合は、
ポリアミド100重量部に対して、1〜150重量部で
あるのが好ましく、2〜100重量部であるのがより好
ましい。
【0034】充填剤としては、従来より知られている粉
末状、繊維状、クロス状などの各種形態を有する充填剤
を用いることができる。
【0035】粉末状充填剤としては、シリカ、シリカア
ルミナ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ
素、タルク、マイカ、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシ
ウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、アスベ
スト、ガラスビーズ、カーボンブラック、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレンな
どを挙げることができる。このような粉末状充填剤とし
ては、通常、平均粒径が0.1μm〜200μmの範囲
ものを用いるのが好ましく、1μm〜100μmの範囲
のものを用いるのがより好ましい。これらの充填剤を用
いると、ポリアミド組成物から得られる成形品の寸法安
定性、機械特性、耐熱特性、物理化学的特性、摺動特性
などが向上する。
【0036】繊維状充填剤としては、ポリパラフェニレ
ンテレフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンテレフタ
ルアミド繊維、ポリパラフェニレンイソフタルアミド繊
維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、ジアミ
ノジフェニルエーテルとテレフタル酸またはイソフタル
酸との縮合物から得られる繊維などの全芳香族ポリアミ
ド繊維、全芳香族液晶ポリエステル繊維などの有機系の
繊維状充填剤;あるいはガラス繊維、炭素繊維またはホ
ウ素繊維などの無機系の繊維状充填剤が挙げられる。こ
のような繊維状充填剤を使用すると、ポリアミド組成物
から得られる成形品の摺動特性が向上するだけでなく、
機械特性、耐熱特性、物理化学的特性などが向上するの
で好ましい。このような繊維状充填剤としては、通常、
平均長が0.05〜50mmの範囲のものを用いるのが
好ましい。さらに、成形性が良好であり、得られる成形
品の摺動特性、耐熱性、機械的特性がより向上する点
で、平均長が1〜10mmの範囲のものを用いるのがよ
り好ましい。これらの繊維状充填剤は、クロス状などに
二次加工されていてもよい。
【0037】これらの充填剤は、1種または2種以上混
合して使用することができる。特に、上記の繊維状充填
剤と、粉末状充填剤とを組合わせて使用することによ
り、成形性、表面美麗性、力学特性、および耐熱性がよ
り優れた組成物を得ることができるので好ましい。ま
た、これらの充填剤として、シランカップリング剤ある
いはチタンカップリング剤などで表面処理した物を使用
することもできる。充填剤の表面をこれらのカップリン
グ剤で処理したものを使用すると、得られる成形品の力
学特性が優れる点で好ましい。シランカップリング剤の
なかでも、得られる成形品の力学特性が特に優れること
から、アミノシラン系のカップリング剤を使用すること
がより好ましい。
【0038】上記の充填剤をポリアミドに配合する方法
は、特に制限されるものではないが、例えば、ポリアミ
ドの重縮合反応時に添加する方法、ドライブレンドする
方法、押出機を用いた溶融混練による方法などが挙げら
れる。
【0039】上記のようにして調製したポリアミドまた
はポリアミド組成物を用いて、通常の溶融成形法、例え
ば、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形
法などにより所望の形状の成形品を製造することができ
る。
【0040】例えば、本発明のポリアミドまたはポリア
ミド組成物を、シリンダ温度が300〜350℃に調節
された射出成形機のシリンダ内で樹脂を溶融させ、所定
の形状の金型内に導入(射出)することにより成形品を
製造することができる。また、上記のシリンダ温度に調
節された押出機内で樹脂を溶融させ、口金ノズルより紡
出することにより、繊維を製造することができる。さら
に、上記のシリンダ温度に調節された押出機内で樹脂を
溶融させ、Tダイから樹脂を押出すことにより、フィル
ムを製造することができる。さらに、インフレーション
成形、吹き込み成形などによってもフィルムやボトルな
どの成形品を得ることができる。
【0041】上記のような成形品は、さらに表面を塗
料、金属層、他種ポリマーなどで被覆した状態で使用す
ることもできる。
【0042】本発明のポリアミドまたはポリアミド組成
物からなる成形品としては、例えば、電動工具、一般工
業用部品、ギヤ、カムなどの機械部品、コネクタ、スイ
ッチ、リレー、MID、プリント配線板、電子部品のハ
ウジングなどのような電子部品、フィルム、シート、繊
維など種々の形態の成形品を挙げることができる。特
に、自動車用途の成形品、例えば、自動車の内外装部
品、自動車のエンジンルーム内の部品、自動車の電装部
品などに好適に使用することができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものでは
ない。なお、以下の例において、ポリアミドの末端封止
率、極限粘度、融点、溶融粘度;成形品の熱変形温度、
引張強度、吸水寸法変化率、加熱寸法変化率、耐薬品
性、耐熱水性、表面美麗性、吸水率、半田耐熱性、耐ア
ルコール性;繊維の強度、弾性率、吸水率、耐薬品性
は、下記の方法により測定または評価した。
【0044】末端封止率1H−NMR(500MH
z,重水素化トリフルオロ酢酸中、50℃で測定)を用
い、各末端基ごとの特性シグナルの積分値よりカルボキ
シル基末端、アミノ基末端および封止末端の数をそれぞ
れ測定し、前記の式(1)から末端封止率を求めた。測
定に用いた代表的なシグナルの化学シフト値を以下に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】極限粘度[η]:濃硫酸中、30℃にて、
0.05,0.1,0.2,0.4g/dlの濃度の試
料の固有粘度(ηinh )を測定し、これを濃度0に外挿
した値を極限粘度[η]とした。 ηinh =[ln(t1/t0)]/c 〔式中、ηinh は固有粘度(dl/g)、t0は溶媒の
流下時間(秒)、t1は試料溶液の流下時間(秒)、c
は溶液中の試料の濃度(g/dl)を表す。〕
【0047】融点:示差走査熱量計(メトラー社製「D
SC30」)を用いて、試料を100℃/分の速度で昇
温して完全に融解させた後、10℃/分の降温速度で5
0℃まで冷却し、再び10℃/分の速度で昇温した時に
現れる吸熱ピークの位置の温度を測定し、これを融点と
した。
【0048】溶融粘度:KAYNESS製「キャピラリ
ーレオメーター、GALAXYV MODEL805
2」(ダイ径1mm、L/D=10)を使用して、33
0℃における、剪断速度1000s-1での溶融粘度(p
oise)を測定し、成形加工性の指標とした。
【0049】熱変形温度:127×14×6.4mmの
射出成形品を、ASTM D648に準拠して、18.
6kg/cm2の荷重で測定した。
【0050】引張強度:JIS1号ダンベル型射出成形
品を用い、JIS K 7113に従って測定した。
【0051】吸水寸法変化率:80×80×3mmの射
出成形品を、23℃の水中に48時間浸漬した後に取出
して、浸漬前後の成形品のMD方向(機械軸方向)の寸
法変化率(%)を測定した。
【0052】加熱寸法変化率:80×80×3mmの射
出成形品を、200℃のギヤオーブン中で2時間加熱
し、真空デシケーター中で室温まで1時間かけて冷却し
た。加熱処理前後の成形品のMD方向(機械軸方向)寸
法変化率(%)を測定した。
【0053】耐薬品性:JIS2号ダンベル型射出成形
品を、120℃のガソリンまたはエンジンオイル中に7
日間浸漬した。浸漬前後の成形品の引張強度を測定し、
引張強度の保持率(%)を求めた。
【0054】耐熱水性:JIS2号ダンベル型射出成形
品を、耐圧オートクレーブ中でスチーム処理し(120
℃、2気圧で120時間)、さらにその試料を120℃
で120時間真空乾燥した。処理前後の成形品の引張強
度を測定し、引張強度の保持率(%)を求めた。
【0055】表面美麗性:ポリアミド組成物を、シリン
ダー温度340℃で射出成形し、得られた80×80×
3mmの射出成形品の表面を目視で観察した。
【0056】吸水率:80×80×3mmの射出成形品
を、23℃の水中に24時間浸漬した。浸漬前後の成形
品の重量変化から吸水率(%)を求めた。
【0057】半田耐熱性:40×40×1mmの射出成
形品を23℃、50%RHのデシケーター中に96時間
放置した後、この射出成形品を260℃の温度の半田浴
に60秒間浮かべた後、表面の状態を観察した。射出成
形片表面に変化が認められない場合には○、フクレが認
められた場合には×とした。
【0058】耐アルコール性:JIS2号ダンベル型射
出成形品を、耐圧オートクレーブ中で50%エチレング
リコール水溶液中に浸漬し、130℃の温度で100時
間処理した。処理前後の成形品の引張強度を測定し、引
張強度の保持率(%)を求めた。
【0059】繊維の強度、弾性率:JIS L 101
3に準じて測定した。
【0060】繊維の吸水率:延伸糸約2gを真空乾燥機
にて乾燥(60℃で6時間)した後に、調湿(23℃、
95%RH)されたデシケーター中に1週間放置した。
調湿前後の重量変化から吸水率(%)を求めた。
【0061】繊維の耐薬品性:延伸糸を70℃の各種薬
品(10%塩酸、メタノール)中に10時間浸漬した。
浸漬前後の繊維の強度を測定し、強度の保持率(%)を
求めた。
【0062】参考例1 テレフタル酸3272.9g(19.7モル)、2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン3165.8g(2
0.0モル)、安息香酸73.27g(0.60モ
ル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物6.5g(原料に
対して0.1重量%)および蒸留水2.2リットルを内
容積20リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換し
た。100℃で30分間撹拌した後、2時間かけて内部
温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは
22kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を
続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に
温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/c
2に保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力
を10kg/cm2まで下げ、更に1時間反応させて、
極限粘度[η]が0.25dl/gのプレポリマーを得
た。これを、100℃の温度で減圧下に12時間乾燥し
た後、2mm以下の大きさにまで粉砕した。これを温度
230℃、圧力0.1mmHgの条件下に10時間固相
重合し、融点が285℃、極限粘度[η]が1.30d
l/g、末端の封止率が91%の白色のポリアミドを得
た。
【0063】参考例2〜10 ジカルボン酸成分、ジアミン成分および末端封止剤(安
息香酸)を、下記の表2に示した割合で用いる以外は、
参考例1と同様に製造することによりポリアミドを得
た。得られたポリアミドの極限粘度[η]、末端封止率
および融点を併せて下記の表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】実施例1〜6、比較例1〜4 参考例1〜10で得られたポリアミドを、日精樹脂工業
製の射出成形機「FS80S12ASE」を用いて、シ
リンダー温度を樹脂の融点よりも20〜40℃高い温度
に、金型温度を150℃に設定して射出成形した。得ら
れた成形品について評価した結果を下記の表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】実施例7〜9、比較例5、6 プラスチック工学研究所製の一軸押出機「UT−40
H」を用いて、シリンダー温度を樹脂の融点よりも20
〜40℃高い温度に設定し、下記の表4に記載されてい
る充填剤およびポリアミドを、溶融状態で押出すことに
よりポリアミド組成物を得た。得られたポリアミド組成
物を、日精樹脂工業製の射出成形機「FS80S12A
SE」を用いて、シリンダー温度を樹脂の融点よりも2
0〜40℃高い温度に、金型温度を150℃に設定して
射出成形した。得られた成形品について評価した結果を
下記の表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】実施例10、比較例7、8 島津製作所製「フローテスターCFT−500」(口
金:0.3mmφ)を用いて、下記の表5に示すポリア
ミドを表5に示す紡糸温度で、吐出速度と巻取速度の比
(ドラフト比)が15前後となるような条件下で紡糸す
ることにより、モノフィラメントを製造した。これを引
き続き、200℃で最大延伸倍率の0.9〜0.95倍
で延伸を行った。ここで、最大延伸倍率とは、第1ロー
ラー速度を50m/分に固定し、第2ローラー速度を調
整して5分間断糸しなかった場合の、糸の延伸倍率のこ
とである。得られた繊維について評価結果を下記の表5
に示す。
【0070】
【表5】
【0071】
【発明の効果】本発明のポリアミドおよびポリアミド組
成物は、極めて優れた成形加工性を有すると共に、耐熱
水性、表面美麗性、耐熱性、力学特性、低吸水性、耐薬
品性などに優れており、これらのポリアミドおよびポリ
アミド組成物から得られるエンジニアリング用途の部
品、繊維、フィルム、シート、ボトルなどの種々の形状
の成形品は、産業資材、工業材料、家庭用品などの用途
に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 6/60 361 D01F 6/60 361 (56)参考文献 特開 平7−53715(JP,A) 特許3242781(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸単位の60〜100モル%
    がテレフタル酸単位からなり、ジアミン単位の60〜1
    00モル%が2−メチル−1,8−オクタンジアミン単
    位からなるポリアミドであって、濃硫酸中30℃で測定
    した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gで、かつ
    その末端基の10%以上が封止されているポリアミド。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸単位の60〜100モル%
    がテレフタル酸単位からなり、ジアミン単位の60〜1
    00モル%が2−メチル−1,8−オクタンジアミン単
    位および1,9−ノナンジアミン単位からなり、かつ2
    −メチル−1,8−オクタンジアミン単位と1,9−ノ
    ナンジアミン単位とのモル比が61:39〜99:1モ
    ル%であるポリアミドであって、濃硫酸中30℃で測定
    した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであるポ
    リアミド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のポリアミド10
    0重量部に、充填剤を1〜200重量部配合してなるポ
    リアミド組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のポリアミドから
    なる成形品。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のポリアミド組成物からな
    る成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載のポリアミドから
    なる繊維。
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