JP3465478B2 - 光パラメトリック発振装置 - Google Patents
光パラメトリック発振装置Info
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Description
発振装置に関し、さらに詳細には、励起光の波長を変化
させることによって、シグナル光とアイドラー光との波
長を変化させるようにした光パラメトリック発振装置に
関する。
に、所定の透過性を有する出射ミラーと全反射ミラーと
により共振器を構成し、この共振器内に非線形結晶を配
設し、励起光を共振器内に入射してこの非線形結晶を励
起し、励起光の波長に応じた2波長の光たるシグナル光
およびアイドラー光を出射するようにした、励起波長可
変型の光パラメトリック発振装置が知られている。
ては、非線形結晶の配設位置を固定しておき、励起光の
波長を変化させることにより、所望の波長のシグナル光
およびアイドラー光を得るようにしている。
めの励起光源として、一般には波長可変レーザーが用い
られており、波長可変レーザーとしては、レーザー媒質
としてTi:Al2O3(チタンサファイア)などの結晶
を用いる固体レーザーと、レーザー媒質として色素溶液
などを用いる液体レーザーとが広く用いられている。従
来、こうした波長可変レーザーを所望な波長でレーザー
発振させるための波長選択の手法としては、例えば、波
長可変レーザー媒質を収容したレーザー共振器内に回折
格子や複屈折板などを配設し、こうした回折格子や複屈
折板などを機械的に回転することにより、波長可変レー
ザーから出射される出射光の中から所望の波長の出射光
のみを取り出し、取り出した出射光を波長可変レーザー
に対して反射させて増幅してレーザー発振を生ぜしめ、
レーザー共振器から所望の波長のレーザー光のみを出射
させるようにしていた。
選択の手法を用いた場合においては、回析格子や複屈折
板などを機械的に回転させるため、励起光として出射さ
れるレーザー光の波長可変速度を速くすることが困難で
あり、その結果、シグナル光およびアイドラー光の波長
を高速で可変することができないという問題点があっ
た。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、励起光の波長可変速度を高速化し、シグナル光
およびアイドラー光の波長を高速で可変することができ
るようにした光パラメトリック発振装置を提供しようと
するものである。
に、本発明による光パラメトリック発振装置は、所定の
透過性を有する出射ミラーと全反射ミラーとにより共振
器を構成し、上記共振器内に非線形結晶を配設し、レー
ザー発振装置から出射された出射レーザー光を励起光と
して上記共振器内に入射して上記非線形結晶を励起し、
上記励起光の波長に応じた2波長の光たるシグナル光お
よびアイドラー光を出射する光パラメトリック発振装置
において、上記レーザー発振装置は、対向する所定の反
射率を有するミラーにより構成されるレーザー共振器
と、上記レーザー共振器内に配設された所定範囲の波長
域においてレーザー発振可能な波長可変レーザー結晶
と、上記レーザー共振器内に配設され、上記波長可変レ
ーザー結晶からの出射光が入射される複屈折性の光音響
光学結晶と、上記光音響光学結晶に装着され、上記光音
響光学結晶に音響波を入力するための音響波入力手段
と、上記レーザー共振器内に配設され、上記光音響光学
結晶から出射される回折光の回折角度の分散を補正し、
上記レーザー発振装置から出射される出射レーザー光の
方向性を一定にする光学素子とを有するようにしたもの
である。
装置は、上記レーザー発振装置を構成する上記レーザー
共振器内に配設され、上記光音響光学結晶に入射される
上記波長可変レーザー結晶からの出射光のビーム径を拡
大する拡大手段を有するようにしてもよい。
振装置においては、レーザー発振装置から出射される励
起光たる出射レーザー光の波長選択は、光音響光学結晶
へ音響波入力手段により音響波を入力することで実現で
きるので、レーザー発振の際の波長同調を高速に行うこ
とができるようになって、出射レーザー光たる励起光の
高速かつランダムな波長選択が可能となり、結果とし
て、出射レーザー光たる励起光の波長可変速度を高速化
することができるようになる。そして、励起光の波長可
変速度の高速化に応じて、出射シグナル光および出射ア
イドラー光の波長を高速で可変することができるように
なる。
励起光たる出射レーザー光の波長選択作用を詳しく説明
するが、当該波長選択は、TeO2結晶などの複屈折性
をもつ光音響光学結晶中に音響波を発生させると、当該
結晶に入射された光の中で当該音響波の周波数に応じた
特定波長の回折光の偏光面は、非回折光の偏光面と直交
するようになるばかりでなく、当該回折光の出射角度が
非回折光の出射角度と大きく異なるように偏角する点に
着目してなされたものである。
作用を用いた波長選択作用を示す概念図であるが、複屈
折の性質を有する光音響光学結晶100中に、波長λ
i、角周波数ωiの入射光102を入射するものとす
る。さらに、光音響光学結晶100中に、周波数ωaの
音響波104を与えると、回折光106が得られること
になる。
光線成分たる回折光106に対して、全反射ミラー11
0と所定の透過性を有する出射側ミラー112とを配置
すると、全反射ミラー110と出射側ミラー112とに
より両者の間を回折光106が往復するレーザー共振器
が構成されることになる。
学結晶100中に発生される音響波104の周波数によ
って決定されるので、例えば、光音響光学結晶100に
対してRF電源により駆動される圧電素子を添着し、R
F電源により圧電素子を駆動させて当該圧電素子に歪み
を生じさせることにより、当該歪みに応じた周波数の音
響波104を光音響光学結晶100に入力する場合に
は、RF電源の周波数の制御によりレーザー波長の可変
制御が可能となる。
強度により決定されるので、RF電源の入力強度の制御
よりレーザー共振器の損失を制御し、ひいてはレーザー
出力の可変制御が可能となる。
106の波長に対して完全に一定ではないので、回折光
106に対する全反射ミラー110の垂直反射により、
レーザー共振器を構成できる波長範囲は狭く、広い波長
領域でレーザー発振させるためには全反射ミラー110
の配置角度を少しづつ調整しなければならないので、実
用上その調整作業が煩雑になる恐れがある。このため、
全反射ミラー110の配置角度を変えることなく可変波
長範囲を広げるためには、何らかの手段により回折角α
109のぶれを補正する必要がある。
としては、例えば、三角プリズムなどの光の波長を分散
させる光学素子を用いて、波長λ1、λ2のぶれ角Δα
をもつ光線が三角プリズム通過後にほぼ平行に進行する
ように設定することができる。これにより、回折光10
6を全反射ミラー110に常時垂直に入射させることが
できるようになり、広波長域用のレーザー共振器を構成
できる。
ザー共振器内の光音響光学結晶100が光損傷を受ける
おそれがある時には(例えば、光音響光学結晶100と
してTeO2結晶を用いた場合には、TeO2結晶の結晶
損傷しきい値は、レーザー結晶や光学部品の損傷しきい
値に比べて小さいので損傷を受けやすい。)、レーザー
共振器内に、光音響光学結晶100に入射される光のビ
ーム径を拡大するためのテレスコープのようなビーム拡
大鏡などの拡大手段を配置して、光音響光学結晶100
の損傷の可能性を低減することができる。
発明による光パラメトリック発振装置の実施の形態を詳
細に説明するものとする。
発振装置の実施の形態の概略構成説明図が示されてい
る。
は、所定の透過性を有する出射側ミラー10と全反射ミ
ラー12とにより共振器が構成されており、この共振器
内には非線形結晶としてKTP結晶14が配設されてい
る。
選択が可能なレーザー発振装置であり、このレーザー発
振装置16から出射されたレーザー光である励起光A
は、全反射ミラー18、20により反射されて集光レン
ズ22に入射され、集光レンズ22によって集光された
後に共振器内に入射されることになる。
示されており、このレーザー発振装置においては、所定
の透過性を有する出射側ミラー200と全反射ミラー2
02とによりレーザー共振器が構成されている。
としてTi:Al2O3レーザー結晶204と、波長選択
用の結晶として複屈折性の光音響光学結晶206とが、
出射側ミラー200側から全反射ミラー202側へ向け
て順次配設されている。
波入力手段としてRF電源208により駆動される圧電
素子210が添着されている。従って、RF電源208
により圧電素子210を駆動させて、圧電素子210に
歪みを生じさせると、この圧電素子210の歪みに基づ
いて、当該歪みに応じた周波数の音響波が光音響光学結
晶206に入力されることになる。
結晶206によって所定の方向に回折された回折光Bの
みを反射するように構成されている。
ら励起光Aとして出射させたい出射レーザー光の波長を
備えた光のみを回折させるように、光音響光学結晶20
6に音響波を入力するように構成されている。
には、Ti:Al2O3レーザー結晶204を励起するた
めの励起レーザー光Cが入射されるように構成されてい
る。以上の構成において、レーザー発振装置16から出
射された励起光AによりKTP結晶14を励起すると、
KTP結晶14から励起光Aの波長に応じた波長のシグ
ナル光およびアイドラー光の2波長の光が出射される。
ー光は、出射側ミラー10と全反射ミラー12とにより
構成された共振器内を往復することにより増幅されて発
振を生ぜしめ、出射側ミラー10から出射シグナル光お
よび出射アイドラー光として出射される。
とにより、所望の波長の出射シグナル光および出射アイ
ドラー光を出射させることができる。
光Aの出射に関して説明すると、まず、励起レーザー光
CとしてNd:YAGレーザーの第二高調波を用いてT
i:Al2O3レーザー結晶204を励起する。また、上
記した原理に基づいて、出射側ミラー200から励起光
Aとして出射させたい出射レーザー光の波長に応じてR
F電源208の周波数を制御し、圧電素子210を駆動
する。
6に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶204から
出射された広範囲の波長帯域の出射光の中で、RF電源
208の周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定
の方向に回折されて回折光Bとして光音響光学結晶20
6から出射されることになる。こうして、光音響光学結
晶206から出射された所定の方向に回折された回折光
Bのみが、全反射ミラー202によって反射され、レー
ザー共振器内を往復することになる。
波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レ
ーザー共振器から当該波長の出射レーザー光のみを励起
光Aとして出射させることができる。
出射レーザー光たる励起光Aの波長選択は、RF電源2
08の周波数を選択して、RF電源208により圧電素
子210を振動させることで実現できるので、レーザー
発振の際の波長同調を高速に行うことができるようにな
って、出射レーザー光たる励起光Aの高速かつランダム
な波長選択が可能となり、結果として、出射レーザー光
たる励起光Aの波長可変速度を高速化することができる
ようになる。そして、励起光の波長可変速度の高速化に
応じて、出射シグナル光および出射アイドラー光の波長
を高速で可変することができるようになる。
ック発振装置を用いて、以下の実験条件により実験した
結果について説明する。
ー4mJ/パルス、パルス幅20ns〜40nsのパル
ス・レーザー光 出射側ミラー10:シグナル光の波長において90%反
射 全反射ミラー12:シグナル光の波長において99.9
%反射 図4は励起光Aの波長と出射シグナル光および出射アイ
ドラー光の波長との関係を示すグラフであり、図5は励
起光Aの波長と出射シグナル光および出射アイドラー光
の出力との関係を示すグラフであり、図6は出射シグナ
ル光および出射アイドラー光の波長と出射シグナル光お
よび出射アイドラー光の出力との関係を示すグラフであ
る。
2および図3に示す光パラメトリック発振装置を用いる
と、出射シグナル光は約1045nm〜1370nmの
波長域で任意の波長を選択してレーザー発振することが
でき、出射アイドラー光は約2180nm〜3080n
mの波長域で任意の波長を選択してレーザー発振するこ
とができる。
定の透過性を有する出射側ミラー10と全反射ミラー1
2とにより共振器を構成したが、これら出射側ミラー1
0と全反射ミラー12とにより共振器を設けることなし
に、図7に示すように、KTP結晶14の光の入射面に
全反射ミラー12と同じ性能を示す反射膜30をコーテ
ィングするとともに、KTP結晶14の光の出射面に出
射側ミラー10と同じ性能を示す反射膜32をコーティ
ングするようにして、光パラメトリック発振装置を構成
してもよい。なお、図7において、図2に示す実施の形
態による光パラメトリック発振装置の構成と同一あるい
は相当する構成には、図2と同一の符号を付して示すこ
とにより、その詳細な説明は省略する。
振装置を構成すると、装置全体の構成をコンパクトにす
ることができる。
3に示した構成に限られることなしに、以下に示す各構
成を適宜選択して用いることができる。
8には、レーザー発振装置16の第2の構成の概略構成
説明図が示されている。なお、図3に示した構成と同一
の構成に関しては、理解を容易にするために、同一の符
号を付して示すものとする。
おいても、図3に示す構成と同様に、所定の透過性を有
する出射側ミラー200と全反射ミラー202とにより
レーザー共振器が構成されている。
ーザー結晶204と、光音響光学結晶206と、回折光
Bの分散を補正するための分散補正用プリズム212と
が出射側ミラー200側から全反射ミラー202側へ向
けて順次配設されており、全反射ミラー202は、分散
補正用プリズム212から出射した光を反射するように
なされている。
光学結晶206から出射された回折光Bの分散を補正す
ることにより、励起光Aたる出射レーザー光の方向性を
一定にすることができる。
子210は、励起光Aとして出射側ミラー200から出
射させたい出射レーザー光の波長を備えた出射光のみを
所定の方向に回折するように、光音響光学結晶206に
音響波を入力するように構成されている。
してNd:YAGレーザーの第二高調波を用いてTi:
Al2O3レーザー結晶204を励起する。また、上記し
た原理に基づいて、出射側ミラー200から励起光Aと
して出射させたい出射レーザー光の波長に応じてRF電
源208の周波数を制御し、圧電素子210を駆動す
る。
6に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶204から
出射された広範囲の波長帯域の出射光の中で、RF電源
208の周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定
の方向に回折されて回折光Bとして光音響光学結晶20
6から出射されることになる。さらに、光音響光学結晶
206から所定の方向に回折されて出射された回折光B
は、分散補正用プリズム212に入射され、一定の方向
に出射される。そして、分散補正用プリズム212から
出射された光は、全反射ミラー202によって反射さ
れ、レーザー共振器内を往復することになる。
波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レ
ーザー共振器から当該波長の出射レーザー光のみを励起
光Aとして出射させることができる。
9には、レーザー発振装置16の第3の構成の概略構成
説明図が示されている。なお、図3ならびに図8に示し
た構成と同一の構成に関しては、理解を容易にするため
に、同一の符号を付して示すものとする。
おいても、図3に示す構成と同様に、所定の透過性を有
する出射側ミラー200と全反射ミラー202とにより
レーザー共振器が構成されている。
ーザー結晶204と、ビーム径調節用のテレスコープ2
14と、光音響光学結晶206と、分散補正用プリズム
212とが出射側ミラー200側から全反射ミラー20
2側へ向けて順次配設されており、全反射ミラー202
は、分散補正用プリズム212から出射した光を反射す
るようになされている。
学結晶206に入射される光のビーム径を所望の大きさ
に拡大することができるように構成されている。
ザー発振装置16の第2の構成と同様に、光音響光学結
晶206から出射された回折光Bの分散を補正すること
により、励起光Aたる出射レーザー光の方向性を一定に
することができる。
子210は、励起光Aとして出射側ミラー200から出
射させたい出射レーザー光の波長を備えた出射光のみを
所定の方向に回折するように、光音響光学結晶206に
音響波を入力するように構成されている。
してNd:YAGレーザーの第二高調波を用いてTi:
Al2O3レーザー結晶204を励起する。また、上記し
た原理に基づいて、出射ミラー200から出射させたい
出射レーザー光の波長に応じてRF電源208の周波数
を制御し、圧電素子210を駆動する。
ザー結晶204から出射された広範囲の波長帯域の出射
光は、そのビーム径がテレスコープ214により所望の
大きさに拡大されて、光音響光学結晶206に入射され
ることになる。
においても、テレスコープ214により光音響光学結晶
206に入射される光のビーム径が拡大されるので、光
音響光学結晶206に入射される光の光音響光学結晶2
06の単位面積あたりの出力強度が低下するため、光音
響光学結晶206の損傷を抑止することができる。
響光学結晶206に入射されたTi:Al2O3レーザー
結晶204から出射された広範囲の波長帯域の出射光の
中で、RF電源208の周波数に応じた波長の出射光に
関しては、所定の方向に回折されて回折光Bとして光音
響光学結晶206から出射されることになる。さらに、
光音響光学結晶206から所定の方向に回折されて出射
された回折光Bは、分散補正用プリズム212に入射さ
れ、一定の方向に出射される。そして、分散補正用プリ
ズム212から出射された光は、全反射ミラー202に
よって反射され、レーザー共振器内を往復することにな
る。
波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レ
ーザー共振器から励起光Aとして当該波長の出射レーザ
ー光のみを出射させることができる。
10には、レーザー発振装置16の第4の構成の概略構
成説明図が示されている。なお、図3、図8ならびに図
9に示した構成と同一の構成に関しては、理解を容易に
するために、同一の符号を付して示すものとする。
は、レーザー共振器内を往復する光の光路がアルファベ
ットの「Z」字形状になる、所謂、Zホールド型のレー
ザー共振器を用いており、このZホールド型のレーザー
共振器は、所定の透過性を有する出射側ミラー200と
全反射ミラー202とを有して構成されている。
は、励起レーザー光Cを入射するとともに出射側ミラー
200と全反射ミラー202との間を往復する光を反射
する第1中間ミラー216と、出射側ミラー200と全
反射ミラー202との間を往復する光を反射する第2中
間ミラー218とを備えて構成されており、レーザー共
振器内を往復する光Bの光路がアルファベットの「Z」
字形状になるように配置されている。
216と第2中間ミラー218との間には、波長可変レ
ーザー媒質として入射光の入射端面がブルースターカッ
トされたTi:Al2O3レーザー結晶204が、その入
射端面が入射光の反射が0となるブルースターアングル
により配置されており、励起レーザー光Cにより縦方向
同軸励起によりレーザー発振が生じるように構成されて
いる。
ミラー218と全反射ミラー202との間には、波長選
択用の結晶としての複屈折の性質を有する光音響光学結
晶206が配設されている。
波入力手段として、パーソナル・コンピューター220
により周波数を制御されたRF電源208により駆動さ
れる圧電素子210が添着されている。従って、パーソ
ナル・コンピューター220の制御により任意の周波数
に設定されたRF電源208により圧電素子210を駆
動して、圧電素子210に歪みを生じさせると、この圧
電素子210の歪みに基づいて、当該歪みに応じた周波
数の音響波が光音響光学結晶206に入力されることに
なる。そして、光音響光学結晶206は入力された音響
波に応じた光のみを回折することになる。
200から励起光Aとして出射させたい出射レーザー光
の波長を備えた光のみを、光音響光学結晶206が所定
の方向に回折した回折光Bとして出射、レーザー発振す
ることができるように、パーソナル・コンピューター2
20により光音響光学結晶206への音響波の入力が制
御されることになる。
ラー202との間には、回折光Bの分散を補正するため
の分散補正用プリズム212が配設されている。この分
散補正用プリズム212を用いることにより、励起光A
たる出射レーザー光の方向性を一定にすることができ
る。
の構成においては、レーザー共振器内へ励起レーザー光
Cを入射するためのレーザーとして、パルス励起レーザ
ー222を用いている。パルス励起レーザー222とし
ては、小型の高繰り返しレーザーダイオード(LD)励
起固体レーザーなどがあり、具体的には、CW−Q−ス
イッチパルスYAGレーザーや、CW−Q−スイッチパ
ルスNd:YLFレーザーなどを用いることができる。
れた励起レーザー光Cは全反射ミラー224により全反
射集光ミラー226に反射され、全反射集光ミラー22
6により集光されて第1中間ミラー216を介してT
i:Al2O3レーザー結晶204を縦方向同軸励起する
ように入射される。
ーザー光を得るには、パルス励起レーザー222により
入射された励起レーザ光Cを用いてTi:Al2O3レー
ザー結晶204を励起する。また、上記した原理に基づ
いて、出射側ミラー200から励起光Aとして出射させ
たい出射レーザー光の波長に応じて、RF電源208の
周波数をパーソナル・コンピューター220により制御
し、圧電素子210を振動する。
6に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶204から
出射された広範囲の波長帯域の出射光の中で、RF電源
208の周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定
の方向に回折されて回折光Bとして光音響光学結晶20
6から出射されることになる。さらに、光音響光学結晶
206から所定の方向に回折されて出射された回折光B
は、分散補正用プリズム212を介して全反射ミラー2
02に入射され、この全反射ミラー202によって反射
されて、「Z」字形状の光路によりレーザー共振器内を
往復することになる。
波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レ
ーザー共振器から励起光Aとして当該波長の出射レーザ
ー光のみを出射させることができる。
の波長選択は、パーソナル・コンピューター220の制
御によりRF電源208の周波数を選択して、RF電源
208により圧電素子210を振動させることで実現で
きるので、励起光Aたる出射レーザー光の高速かつラン
ダムな波長選択が可能であり、結果として、励起光Aた
る出射レーザー光の波長可変速度を高速化することがで
きる。
れているため、回折光Bの回折角度の分散が補正される
ことになる。回折光Bの回折角度の分散があるとレーザ
ー共振器内で光の光路が変わることになり、波長可変域
に制限を受けることになるが、分散補正用プリズム21
2を設けることにより、こうした問題点を解消すること
ができる。
ド型に構成して、励起レーザー光Cを全反射集光ミラー
226により集光してTi:Al2O3レーザー結晶20
4へ入射するようにしたので、励起入力強度が低いパル
ス励起レーザー222による励起レーザー光Cによって
も、十分にレーザー発振を生じさせることができる。 (レーザー発振装置16の第5の構成)図11には、レ
ーザー発振装置16の第5の構成の概略構成説明図が示
されている。なお、図3、図8、図9ならびに図10に
示した構成と同一の構成に関しては、理解を容易にする
ために同一の符号を付して示し、その詳細な説明は省略
する。
は、レーザー共振器の構成が、所謂、Xホールド型とさ
れている点についてのみ、図10に示すレーザー発振装
置16の第4の構成と相違する。
用いたXホールド型のレーザー共振器においても、励起
レーザー光Cは、全反射集光ミラー226により集光さ
れてTi:Al2O3レーザー結晶18へ入射されるの
で、励起入力強度が低いパルス励起レーザー222によ
る励起レーザー光Cによっても、十分にレーザー発振を
生じさせることができる。
器によれば、Zホールド型のレーザー共振器に比べて、
レーザー共振器の構成をコンパクトにすることができ
る。
12には、レーザー発振装置16の第6の構成の概略構
成説明図が示されている。なお、図3、図8、図9、図
10ならびに図11に示した構成と同一の構成に関して
は、理解を容易にするために同一の符号を付して示し、
その詳細な説明は省略する。
おいては、図10における全反射ミラー202を出射側
ミラー200により置換するとともに、図10における
出射側ミラー200および第1中間ミラー216を排除
し、その代わりに励起レーザー光Cが入射される側のT
i:Al2O3レーザー結晶204の端面に、励起レーザ
ー光Cを入射するとともにTi:Al2O3レーザー結晶
204から出射される光を反射する鏡面コーティング2
28を施した点についてのみ、図10に示すレーザー発
振装置16の第4の構成と相違する。
成においては、鏡面コーティング228と出射側ミラー
200とによりレーザー共振器が構成されることにな
る。
構成によれば、図10に示すレーザー発振装置16の第
4の構成ならびに図11に示すレーザー発振装置16の
第5の構成よりも構成部品点数を削減することができ、
装置全体を小型化することができるとともに、コスト低
減を図ることができる。
13には、レーザー発振装置16の第7の構成の概略構
成説明図が示されている。なお、図3、図8、図9、図
10、図11ならびに図12に示した構成と同一の構成
に関しては、理解を容易にするために同一の符号を付し
て示し、その詳細な説明は省略する。
おいては、Ti:Al2O3レーザー結晶204を入射光
の入射端面をブルースターカットしてブルースターアン
グルで配置するのではなく、Ti:Al2O3レーザー結
晶204を垂直入射カットするとともに無反射コーティ
ング230を施し、励起レーザー光Cが垂直に入射され
るように配置した点において、図10に示すレーザー発
振装置16の第4の構成と相違する。
204を励起レーザー光Cが垂直に入射されるように配
置する場合には、ブルースターアングルに配置する場合
に比べてセッティングが容易であり、角度の分散も小さ
く広い波長領域を得ることができる。
構成説明図が示されている。なお、図3、図8、図9、
図10、図11、図12ならびに図13に示した構成と
同一の構成に関しては、理解を容易にするために、同一
の符号を付して示すものとする。
は、レーザー共振器内を往復する光の光路がアルファベ
ットの「Z」字形状になる、所謂、Zホールド型のレー
ザー共振器を用いており、このZホールド型のレーザー
共振器は、所定の透過性(例えば、入射された光の98
%反射し、2%透過する。)を有する出射側ミラー20
0と入射された光を全反射(100%反射)する全反射
ミラー202とを有して構成されている。
は、励起レーザー光Cを入射するとともに出射側ミラー
200と全反射ミラー202との間を往復する光を全反
射する第1中間ミラー216と、出射側ミラー200と
全反射ミラー202との間を往復する光を全反射する第
2中間ミラー218とを備えて構成されており、レーザ
ー共振器内を往復する光の光路がアルファベットの
「Z」字形状になるように配置されている。
216と第2中間ミラー218との間には、波長可変レ
ーザー媒質として入射光の入射端面がブルースターカッ
トされたTi:Al2O3レーザー結晶204が、その入
射端面が入射光の反射が0となるブルースターアングル
により配置されており、励起レーザー光Cにより縦方向
同軸励起によりレーザー発振が生じるように構成されて
いる。
ミラー218と全反射ミラー202との間には、波長選
択用の結晶としての複屈折の性質を有する光音響光学結
晶206が配設されている。
波入力手段として、パーソナル・コンピューター220
により周波数を制御されたRF電源208により駆動さ
れる圧電素子210が添着されている。従って、パーソ
ナル・コンピューター220の制御により任意の周波数
に設定されたRF電源208により圧電素子210を駆
動して、圧電素子210に歪みを生じさせると、この圧
電素子210の歪みに基づいて、当該歪みに応じた周波
数の音響波が光音響光学結晶206に入力されることに
なる。そして、光音響光学結晶206は入力された音響
波に応じた光のみを回折することになる。
200から励起光Aとして出射させたい出射レーザー光
の波長を備えた光のみを、光音響光学結晶206が所定
の方向に回折した回折光Bとして出射し、レーザー発振
することができるように、パーソナル・コンピューター
220により光音響光学結晶20への音響波の入力が制
御されることになる。
ラー202との間には、回折光Bの分散を補正するため
の分散補正用プリズム212が配設されている。この分
散補正用プリズム212を用いることにより、励起光A
たる出射レーザー光の方向性を一定にすることができ
る。
の構成においては、レーザー共振器内へ励起レーザー光
Cを入射するためのレーザーとして、連続発振レーザー
(CW−レーザー)232を用いている。CW−レーザ
ー232としては、具体的には、連続発振Arイオン・
レーザー(CW−Arイオン・レーザー)などや連続発
振Nd:YAGレーザー(CW−Nd:YAGレーザ
ー)などの2倍高調波を用いることができる。
i:Al2O3レーザー結晶204の代わりに、LiSA
Fレーザー結晶やLiCAFレーザー結晶などを用いた
場合には、Nd:YAGレーザー、Nd:YLFレーザ
ー、Nd:YUO4レーザーなどの固体レーザーの第2
高調波を、CW−レーザー232として用いることがで
きる。
励起レーザー光Cは全反射ミラー224により全反射集
光ミラー226に反射され、全反射集光ミラー226に
より集光されて第1中間ミラー216を介してTi:A
l2O3レーザー結晶204を縦方向同軸励起するように
入射される。
共振器内に入射される、CW−レーザー232のパワー
の低い連続発振レーザー光によってレーザー発振を生じ
させるために、光音響光学結晶206から出射される回
折光Bの回折効率のできるだけ高い光音響光学結晶20
6を用いる必要がある。
ーザー光を得るには、CW−レーザー232により入射
された励起レーザ光Cを用いてTi:Al2O3レーザー
結晶204を励起する。また、上記した原理に基づい
て、出射側ミラー200から出射させたい励起光Aたる
出射レーザー光の波長に応じて、RF電源208の周波
数をパーソナル・コンピューター220により制御し、
圧電素子210を振動する。
6に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶204から
出射された広範囲の波長帯域の出射光の中で、RF電源
208の周波数に応じた波長の出射光に関しては、所定
の方向に回折されて回折光Bとして光音響光学結晶20
6から出射されることになる。さらに、光音響光学結晶
206から所定の方向に回折されて出射された回折光B
は、分散補正用プリズム212を介して全反射ミラー2
02に入射され、この全反射ミラー202によって反射
されて、「Z」字形状の光路によりレーザー共振器内を
往復することになる。
波長の光のみが増幅されてレーザー発振を生ぜしめ、レ
ーザー共振器から励起光Aとして当該波長の出射レーザ
ー光のみを出射させることができる。
の波長選択は、パーソナル・コンピューター220の制
御によりRF電源208の周波数を選択して、RF電源
208により圧電素子210を振動させることで実現で
きるので、レーザー発振の際の波長同調を高速に行うこ
とができるようになって、励起光Aたる出射レーザー光
の高速かつランダムな波長選択が可能となり、結果とし
て、励起光Aたる出射レーザー光の波長可変速度を高速
化することができる。
れているため、回折光Bの分散が補正されることにな
る。回折光Bが分散されるとレーザー共振器内で光の光
路が変わることになり、波長可変域に制限を受けること
になるが、分散補正用プリズム212を設けることによ
り、こうした問題点を解消することができる。さらに、
それと同時に、波長同調時に起きる励起光Aたる出射レ
ーザー光の出射方向の変動も補正することができる。
ド型に構成して、励起レーザー光Cを全反射集光ミラー
226により集光してTi:Al2O3レーザー結晶20
4へ入射するようにしたので、パワーの低いCW−レー
ザー232による励起レーザー光Cによっても、十分に
レーザー発振を生じさせることができる。
15には、レーザー発振装置16の第9の構成の概略構
成説明図が示されている。なお、図3、図8、図9、図
10、図11、図12、図13ならびに図14に示した
構成と同一の構成に関しては、理解を容易にするために
同一の符号を付して示し、その詳細な説明は省略する。
は、Ti:Al2O3レーザー結晶204を入射端面をブ
ルースターカットしてブルースターアングルで配置する
のではなく、Ti:Al2O3レーザー結晶204を垂直
入射カットするとともに無反射コーティング230を施
し、励起レーザー光Cが垂直に入射されるように配置し
た点において、図14に示すレーザー発振装置16の第
8の構成と相違する。
204を励起レーザー光Cが垂直に入射されるように配
置する場合には、ブルースターアングルに配置する場合
に比べてセッティングが容易であり、角度の分散も小さ
く広い波長領域を得ることができる。
図16には、レーザー発振装置16の第10の構成の概
略構成説明図が示されている。なお、図3、図8、図
9、図10、図11、図12、図13、図14ならびに
図15に示した構成と同一の構成に関しては、理解を容
易にするために同一の符号を付して示し、その詳細な説
明は省略する。
は、図14における出射側ミラー200を100%反射
の全反射ミラー234により置換し、非回折光Dを励起
光Aたる出射レーザー光として出射するようにした点に
ついて、図14に示すレーザー発振装置16の第8の構
成と相違する。
によれば、透過性の出射側ミラー200を用いることが
ないでので、図14に示すレーザー発振装置16の第8
の構成と比べて、レーザー共振器による光の損失を低減
させることができ、光音響光学結晶206から出射され
る回折光Bと非回折光Dとの割合は、例えば、回折光B
が98%であり、非回折光Dが2%であるように設定す
ることができるようになり、回折光Bの割合を小さくす
ることができる。従って、図14に示すレーザー発振装
置16の第8の構成よりも、光音響光学結晶206や分
散補正用プリズム212のセッティング、パーソナル・
コンピューター220を用いたRF電源208による圧
電素子210の制御などの余裕度を向上することができ
る。
ているので、励起光の波長可変速度を高速化することが
でき、その結果、シグナル光およびアイドラー光の波長
を高速で可変することができるという優れた効果を奏す
る。
波長選択作用を示す概念図である。
の形態の概略構成説明図である。
図である。
ドラー光の波長との関係を示すグラフである。
ドラー光の出力との関係を示すグラフである。
と出射シグナル光および出射アイドラー光の出力との関
係を示すグラフである。
実施の形態の概略構成説明図である。
図である。
図である。
明図である。
明図である。
明図である。
明図である。
明図である。
明図である。
説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 所定の透過性を有する出射ミラーと全反
射ミラーとにより共振器を構成し、前記共振器内に非線
形結晶を配設し、レーザー発振装置から出射された出射
レーザー光を励起光として前記共振器内に入射して前記
非線形結晶を励起し、前記励起光の波長に応じた2波長
の光たるシグナル光およびアイドラー光を出射する光パ
ラメトリック発振装置において、 前記レーザー発振装置は、 対向する所定の反射率を有するミラーにより構成される
レーザー共振器と、 前記レーザー共振器内に配設された所定範囲の波長域に
おいてレーザー発振可能な波長可変レーザー結晶と、 前記レーザー共振器内に配設され、前記波長可変レーザ
ー結晶からの出射光が入射される複屈折性の光音響光学
結晶と、 前記光音響光学結晶に装着され、前記光音響光学結晶に
音響波を入力するための音響波入力手段と、 前記レーザー共振器内に配設され、前記光音響光学結晶
から出射される回折光の回折角度の分散を補正し、前記
レーザー発振装置から出射される出射レーザー光の方向
性を一定にする光学素子とを有することを特徴とする光
パラメトリック発振装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光パラメトリック発振
装置において、 前記レーザー発振装置を構成する前記レーザー共振器内
に配設され、前記光音響光学結晶に入射される前記波長
可変レーザー結晶からの出射光のビーム径を拡大する拡
大手段とを有することを特徴とする光パラメトリック発
振装置。
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OPTICS COMMUNICATIONS,Vol.84,No.3−4(July,1991)P.I.Richtev,et.al.「Acwdye laser tuned by an acousto−optic filter」p159−161 |
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