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JP3462164B2 - ウェザーストリップの製造方法 - Google Patents

ウェザーストリップの製造方法

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JP3462164B2
JP3462164B2 JP2000267146A JP2000267146A JP3462164B2 JP 3462164 B2 JP3462164 B2 JP 3462164B2 JP 2000267146 A JP2000267146 A JP 2000267146A JP 2000267146 A JP2000267146 A JP 2000267146A JP 3462164 B2 JP3462164 B2 JP 3462164B2
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cavity
molding
trim
mold
rubber material
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和宏 船田
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Tokai Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二種類の異なる成
形材料を同一の成形型内に射出して、長尺のウェザース
トリップ中間品の両端を接続してウェザーストリップを
成形する方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のウェザーストリップ
は、押出により成形された長尺品を所定長に切断し(こ
の切断されたものが「ウェザーストリップの中間品」で
ある)、その両端を型成形により一体に接続することに
より、装着部の形状に対応した枠状に成形している。そ
して、このウェザーストリップは、車体又はドアのフラ
ンジ部に取付けられる硬質ゴム製のトリム部と、弾性変
形してシール機能を果たす軟質ゴム製の管状シール部と
の2つの部分が成形時に一体成形される。
【0003】上記したウェザーストリップの成形におい
て、長尺品を所定長に切断した中間品の両端を型成形に
より一体に接続するには、図16に示されるように、そ
のトリム部Tと管状シール部Sとを異なる成形材料(硬
質ゴムと軟質ゴム)で別々に成形する(2色成形する)
ことがある。この型成形方法では、前記トリム部T及び
管状シール部Sのそれぞれの形状に対応した2種類の金
型を使用して2度成形しなければならず、金型の製作費
用や成形工数が嵩むという問題があった。
【0004】また、同一の型内に2種類の成形材料を同
時に射出して成形することも可能であるが、各成形材料
の注入バランスや注入速度を調整するのみでは、図17
及び図18に示されるように、トリム部Tと管状シール
部Sとの成形境界部(見切り部)Bにおいて、一方の成
形材料が他方の成形材料の成形部に流入してしまい、外
観上においては、見栄えが悪くなると共に、機能上にお
いては、成形境界部Bの強度の低下を来たすという問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二種類の異
なる成形材料を同一の成形型内に射出して、長尺のウェ
ザーストリップ中間品の両端を接続してウェザーストリ
ップを成形するに際して、二種類の異なる成形材料の成
形境界部において一方の成形材料が他方の成形材料の成
形部に流入するのを防止して、ウェザーストリップの接
続部の外観と機能との双方を高めることを課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1の発明は、車両の車体又はドアのフランジ部
に取付けられる硬質ゴム製のトリム部と、弾性変形して
シール機能を果たす軟質ゴム製のシール部とが長手方向
に沿って一体成形された長尺なウェザーストリップ中間
品の長手方向端部間にゴム材料の射出成形によりコーナ
ー部を形成すると共に、コーナー部で前記端部同士を接
続するウェザーストリップの製造方法において、前記コ
ーナー部を形成する射出成形型には、型締め時に前記コ
ーナー部に対応する形状のキャビティが形成され、前記
キャビティは、前記コーナー部の前記トリム部に対応す
る部分を形成する第1キャビティ部と、前記シール部に
対応する部分を形成する第2キャビティ部とから成り、
第1キャビティ部と第2キャビティ部とはトリム部対応
部分とシール部対応部分との境界部で連続し、前記第1
キャビティ部は、前記境界部にセットされる仕切ピース
により二つに分断された各分断キャビティ部と、前記二
つの分断キャビティ部を結ぶバイパス通路を有し、前記
成形型が開いている時に前記境界部に沿って仕切ピース
をセットして 、前記成形型を締め、前記成形型内にセッ
トされた前記仕切ピースでキャビティを前記第1キャビ
ティ部と前記第2キャビティ部とに仕切った状態で、前
記第1キャビティ部に硬質ゴム材料を、前記第2キャビ
ティ部に軟質ゴム材料をそれぞれ別の射出ゲートから射
出して、前記第1キャビティ部に射出された硬質ゴム材
料は、前記二つの分断キャビティ部のうち一方の分断キ
ャビティ部に射出された硬質ゴム材料が前記バイパス通
路を通って他方の分断キャビティ部に流入するようにし
て前記コーナー部を形成すると共に、前記仕切ピースを
前記コーナー部のトリム部対応部分とシール部対応部分
との間に一体化させることを特徴としている。
【0007】請求項1の発明によれば、成形型内のキャ
ビティは、仕切ピースによって第1及び第2の各キャビ
ティ部に仕切られるため、各キャビティ部に硬質及び軟
質の異なるゴム材料を射出しても、各成形境界部におい
て一方のゴム材料が他方のゴム材料のキャビティ部(成
形部)に流入しなくなると共に、トリム部に対応する部
分を形成する第1キャビティ部においては、前記仕切ピ
ースで分断された二つの分断キャビティ部のうち一方の
分断キャビティ部に射出された硬質ゴム材料が前記バイ
パス通路を通って他方の分断キャビティ部に流入する。
【0008】よって、コーナー接続部のトリム部対応部
分とシール部対応部分とをそれぞれ形成する二種類の成
形材料が混合して成形される部分がなくなって、成形品
であるウェザーストリップのコーナー部のトリム部対応
部分とシール部対応部分との成形境界部が明瞭となっ
て、外観が高まると共に、成形境界部の強度等の機能が
確保される。また、トリム部対応部分を成形する第1キ
ャビティ部が仕切ピースで二つの分断キャビティ部に分
断されていても、バイパス通路を通って硬質ゴム材料が
すべての部分に充填されるため、ウェザーストリップの
コーナー接続部のトリム部対応部分を支障なく形成でき
る。
【0009】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、仕切ピースで仕切られた第1キャビティ部に
硬質ゴム材料を射出した後に、第2キャビティ部に軟質
ゴム 材料を射出するものであり、請求項3の発明は、請
求項1の発明において、第1及び第2の各キャビティ部
に、それぞれ硬質及び軟質の各ゴム材料を同時に射出す
るものである。請求項3の発明のように、、二つのキャ
ビティ部に同時に異種成形材料を射出すると、成形時間
が短縮されて、成形能率が高まる利点がある。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1ないし
3のいずれかの発明において、前記仕切ピースは、前記
トリム部又は前記シール部を形成する材料のいずれか一
方と同一又は同等の材料で形成されていることを特徴と
している。これにより、仕切ピースが、成形品であるウ
ェザーストリップのトリム部又はシール部と材料的に接
着して一体化される
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、本発明に
ついて更に詳細に説明する。図1ないし図9に示される
実施例は、ウェザーストリップWのコーナー部の成形に
対して本発明を実施した例である。図13ないし図15
に示されるように、ウェザーストリップWは、押し出し
により成形された長尺品を所定長に切断した中間品の両
端部がコーナー部に位置するように枠状に成形し、該コ
ーナー部を型成形により接続したものである。ウェザー
ストリップWは、図14に示されるように、硬質ゴム製
のトリム部T’と軟質ゴム製の管状シール部S’とが、
断面視において一体成形されたものであって、断面コの
字形をしたトリム部T’の各対向板部51’には、車体
のフランジ部(図示せず)に対して取付可能にするため
のリップ部52’がそれぞれ対向して設けられている。
一方、ウェザーストリップWのコーナー接続部Kは、図
15に示されるように、硬質ゴム製のトリム部Tと、軟
質ゴム製の管状シール部Sとが、断面視において一体成
形された構成であるが、コーナー接続部Kのトリム部T
の各対向板部51には、リップ部52’は設けられてい
ないと共に、その管状シール部Sには、後述の中芯部1
8の抜き取りを可能にするための開口部53が設けられ
ている。なお、図14において、54は、ウェザースト
リップWのトリム部T’に埋設された芯金を示す。
【0013】次に、図1ないし図7を参照にして、上記
したコーナー接続部Kを成形するための成形型Dについ
て説明する。この成形型Dは、型本体として機能する固
定型10と、該固定型10に対してスライドするスライ
ドコア20と、該固定型10に対して前記スライドコア
20のスライド方向と直交する方向に沿って移動可能な
可動型30とで構成される。固定型10は、第1ないし
第3の各型板11,12,13を積層させて、ボルト1
4等の固定具を介して基板15に対して固定した構成で
あって、第1ないし第3の各型板11,12,13の内
側の成形面16(図1参照)は、前記コーナー接続部K
のわん曲形状に対応した凹曲面に形成されていると共
に、前記成形面16の両端には、接続すべきウェザース
トリップWの両端面を接続させるための接続端面17
が、該成形面16と直交してそれぞれ設けられている。
第1ないし第3の各型板11,12,13を積層させる
ことにより、それらの間に、トリム部Tの各対向板部5
1を成形するための対向板部成形用キャビティ部C1a,
1bが相上下して形成される(図6参照)。また、第3
型板13には、内側の成形面16の部分から上面にかけ
て中芯部18が形成されており、該中芯部18の両端部
は、前記各接続端面17から所定長だけ突設されて、中
芯部18の両突設部(図2及び図3で2点鎖線で示され
る部分)18aは、コーナー接続部Kの成形時におい
て、両端を接続すべきウェザーストリップWの両端の管
状シール部S’に挿入される部分である。
【0014】また、スライドコア20は、図2ないし図
4、及び図6に示されるように、前記固定型10の凹曲
面状の成形面16と対向する部分が凸曲面状の成形面2
1となった構成であって、各成形面16,21の対向状
態を維持して、固定型10に対して前進及び後退の各ス
ライドを行う。このスライドコア20に関しても、凸曲
面状の成形面21の両端には、ウェザーストリップWの
両端面を接続させるための接続端面22が、前記成形面
21に対して直交して設けられている。スライドコア2
0の前記成形面21は、コーナー接続部Kのトリム部T
を成形するトリム部成形面21aと、その管状シール部
Sの一部を成形する管状シール部成形面21bとから成
り、両成形面21a,21bの接続部には、凸曲線状に
わん曲されたわん曲突条23が形成される。
【0015】更に、可動型30は、図5ないし図7に示
されるように、前記固定型10の中芯部18と対向する
部分に、コーナー接続部Kの管状シール部Sの大部分を
成形するための断面凹曲面状の成形面31が形成されて
いる。成形時においては、可動型30は、固定型10と
スライドコア20との双方に密着する。
【0016】そして、図6に示されるように、固定型1
0とスライドコア20と可動型30とが互いに分離して
いる状態から、これらが相対的に接近して、図7に示さ
れるように型締めされると、それらの間にキャビティ
(成形空間)Cが形成される。このキャビティCは、コ
ーナー接続部Kのトリム部Tの部分を成形する第1キャ
ビティ部C1 と、その管状シール部Sの部分を成形する
第2キャビティ部C2 とから成る。
【0017】本発明は、固定型10とスライドコア20
と可動型30とを相対的に接近させて型締めする前に、
固定型10に設けられた2つの対向板部成形用キャビテ
ィ部C1a, C1bのうち上方の第2キャビティ部C2 と接
続する側の対向板部成形用キャビティ部C1bの入口部
に、固定型10の成形面16の形状に対応してわん曲さ
れた仕切ピースPをセットし、その後に、固定型10と
スライドコア20と可動型30とを相対的に接近させて
型締めすることを特徴としている。型締めされた状態で
は、スライドコア20の成形面21に設けた凸曲線状に
わん曲されたわん曲突条23の先端部が前記仕切ピース
Pに当接する結果、キャビティCは、前記仕切ピースP
によって、第1及び第2の各キャビティ部C1,C2 に仕
切られて、第1及び第2の各キャビティ部C1,C2 にお
いて、その一方を成形する材料が他方に流入しなくな
る。
【0018】また、前記仕切ピースPは、成形後におい
ては、そのまま成形部内にインサートされ一体化され
ために、成形部(コーナー接続部K)におけるインサー
ト部位を成形する材料と同一又は同等の材料で成形する
ことが好ましい。本実施例の場合には、仕切ピースP
は、トリム部Tの成形空間である第1キャビティ部C1
にセットされるために、該トリム部Tの成形材料である
硬質ゴムで成形することが好ましい。また、図3に示さ
れるように、固定型10とスライドコア20と可動型3
0とを型締めした状態では、固定型10の接続端面17
と、スライドコア20の接続端面22とは、同一平面を
構成するようになっており、固定型10の前記部位にセ
ットされた仕切ピースPの両端面も、前記各接続端面1
7,22と同一平面を構成する。
【0019】また、図6及び図7に示されるように、固
定型10を構成する第1及び第2の各型板11,12の
間には、前記第1キャビティ部C1 に第1成形材料(溶
融硬質ゴム)を射出(圧入供給)させるための第1ゲー
トG1 が設けられていると共に、型締めされた状態にお
いて、固定型10の第3型板13の上面と、可動型30
の下面との間には、前記第2キャビティ部C2 に第2成
形材料(溶融軟質ゴム)を射出させるための第2ゲート
2 が設けられている。
【0020】また、図7に示されるように、コーナー接
続部Kのトリム部Tを成形する第1キャビティ部C1
は、仕切ピースPがセットされて、第1キャビティ部C
1 を構成する上下の各対向板部成形用キャビティ部C
1a,C1bは、前記仕切ピースPによって分断されて、第
1ゲートG1 を通って供給された第1成形材料は、上方
の対向板部成形用キャビティ部C1bには供給されなくな
る。このため、上下の各対向板部成形用キャビティ部C
1a,C1bには、バイパス通路Vで連通させてあり、成形
時において、該バイパス通路Vに第1成形材料が充填さ
れるが、固定型10から成形部であるコーナー接続部K
を取り外す際に、前記バイパス通路Vによる僅かな成形
部分は、成形部であるコーナー接続部Kから分断され
る。
【0021】よって、図6に示されるように、固定型1
0に設けられた上方の対向板部成形用キャビティ部C1b
の開口部に前記仕切ピースPをセットした状態で、固定
型10とスライドコア20と可動型30とを一体に組み
付けて型締めすると、図7に示されるように、固定型1
0とスライドコア20と可動型30の各成形面により成
形されたキャビティCは、前記仕切ピースPによって、
トリム部Tを成形するための第1キャビティ部C1 と、
管状シール部Sを成形するための第2キャビティ部C2
とに仕切られて分離される。また、図3に示されるよう
に、固定型10の接続端面17と、スライドコア20の
接続端面22と、仕切ピースPの端面Paとは、同一平
面を構成して、該同一平面に、キャビティCの両端が開
口する。
【0022】そして、固定型10とスライドコア20と
可動型30とを型締めした状態においては、固定型10
の中芯部18の両端の突設部18aは、自身の接続端面
17に対して垂直となって突出しており、前記中芯部1
8の両端の各突設部18aを、ウェザーストリップWの
両端の接続部のうち管状シール部S’の中空部に嵌合挿
入すると、キャビティCは、前記ウェザーストリップW
の両端部によって閉塞された状態となって、成形型Dの
接続端面(固定型10及びスライドコア20の各接続端
面17,22で構成される面)に開口したキャビティC
の端面開口部と、ウェザーストリップWのトリム部T’
と管状シール部S’とが合致した状態となる。但し、既
述の通り、コーナー接続部KとウェザーストリップWの
横断面形状は、完全一致していないので、ウェザースト
リップWのうちコーナー接続部Kには設けられていない
リップ部52’及び管状シール部S’の一部は、固定型
10の接続端面17と当接する。
【0023】上記の状態で、第1ゲートG1 から第1キ
ャビティ部C1 に溶融硬質ゴムを射出させると共に、第
2ゲートG2 から第2キャビティ部C2 に溶融軟質ゴム
を射出させると、図8及び図9に示されるように、第1
及び第2の各キャビティ部C1,C2 は、仕切ピースPに
よって完全に分離されているために、該仕切ピースPが
セットされた成形境界部において、一方の成形材料が他
方の成形材料のキャビティ部(成形空間部)に流入する
ことなく、第1及び第2の各キャビティ部C1,C2 に、
それぞれ異なる材料(溶融硬質ゴムと溶融軟質ゴム)が
射出される。なお、第1キャビティ部C1 の上方の対向
板部成形用キャビティ部C1aには、下方の対向板部成形
用キャビティ部C1aからバイパス通路Vを通って溶融硬
質ゴムが射出される。
【0024】ここで、第1及び第2の各キャビティ部C
1,C2 には、それぞれ異なる成形材料を同時に射出して
もよいし、所定の時間差をおいて射出してもよい。しか
し、本発明においては、成形型DのキャビティCは、仕
切ピースPによって完全に2分されているために、第1
及び第2の各キャビティ部C1,C2 に、異なる成形材料
を同時に射出可能であるので、成形能率向上の観点か
ら、同時射出の方が好ましい。
【0025】そして、成形材料の射出後所定時間が経過
した後に、スライドコア20を後退方向にスライドさせ
ると共に、固定型10に対して可動型30を分離させる
と、成形されたコーナー接続部Kは、固定型10に残っ
た状態となるので、この成形されたコーナー接続部Kを
前記スライドコア20の後退方向に引き抜くと、図10
に示されるように、前記バイパス通路V内に成形された
余剰成形部41は、成形部であるコーナー接続部Kに対
して分断されて、該バイパス通路V内にそのまま残っ
て、成形部であるコーナー接続部Kのみが固定型10か
ら分離されて、所定長のウェザーストリップの中間品の
両端部が前記コーナー接続部Kを介して接続されて、成
形品であるウェザーストリップWが製造される。ここ
で、固定型10の中芯部18を分割可能な複数の部材で
構成して、固定型10から成形部(コーナー接続部K)
を取り出し易くすることもできる。
【0026】このように、本発明によれば、仕切ピース
Pの存在によって、該仕切ピースPがセットされた成形
境界部において、一方の成形材料が他方の成形材料のキ
ャビティ部に流入することなく、第1及び第2の各キャ
ビティ部C1,C2 に、それぞれ異なる材料(溶融硬質ゴ
ムと溶融軟質ゴム)が射出されるために、該成形境界部
の外観が高まると共に、管状シール部Sに溶融硬質ゴム
が流入して弾性変形力が低下する等の不具合もなくなっ
て、その機能も高まる。
【0027】また、成形型DのキャビティCを仕切って
いた仕切ピースPは、そのままコーナー接続部Kのトリ
ム部Tに埋設されて、殆ど外部に露出しなくなる。ま
た、仕切ピースPの両端面は、ウェザーストリップWの
トリム部T’に接続されて、埋設される。従って、成形
されたコーナー接続部Kに仕切ピースPが埋設されて
も、全く問題はない。
【0028】
【0029】なお、上記実施例では、仕切ピースは、ウ
ェザーストリップWのトリム部Tに埋設されるため、該
仕切ピースの材質は、前記トリム部Tと同材質の硬質ゴ
ムで成形したが、この仕切ピースは、硬質ゴムと接着性
を有する材質とから成る場合もあり得る。更に、この仕
切ピースは、成形材料に対する接着性を向上させるため
に、表面に接着剤を塗布したり、粗面加工を施すこと
や、スポンジ体で成形することもあり得る。
【0030】図11及び図12は、それぞれ成形型D’
の成形部の異なる状態の断面図である。この成形型D’
は、スライドコア20’の構成と、第1キャビティ部C
1 におけるバイパス通路Vの有無を除いて、他の構成
は、全て前記成形型Dと同一であるので、既述の説明と
同一部分には、同一符号を付し、重複説明を避けて、異
なる部分についてのみ詳細に説明する。即ち、成形型
D’を構成するスライドコア20’は、成形品であるコ
ーナー接続部Kのトリム部Tと管状シール部Sとの成形
境界部において上下に二分されていて、トリム部側のス
ライドコア部20'aと、管状シール部側のスライドコア
部20'bとが、互いに独立してスライド可能な構成にな
っている。このため、前記したわん曲突条23は、管状
シール部側のスライドコア部20'bに一体に設けられて
いる。また、成形型D’の固定型10’においては、第
1キャビティ部C1 において、上下の各対向板部成形用
キャビティ部C1a, C1bを連通するバイパス通路Vは、
設けられていない。
【0031】そして、図11に示される状態は、スライ
ドコア20’のうち、トリム部側のスライドコア部2
0'aは、正規の成形位置に配置されて、該スライドコア
部20'aと固定型10との各成形面により第1キャビテ
ィ部C1 が形成されていると共に、管状シール部側のス
ライドコア部20'bは、正規の成形位置から更に前方に
スライドされて、その最先端のわん曲突条23の先端面
は、固定型10の成形面16における管状シール部Sの
付け根部を成形する部分に当接している。これにより、
トリム部Tと管状シール部Sとの成形境界部が前記わん
曲突条23により閉塞されて、トリム部Tを成形するた
めの第1キャビティ部C1 が形成され、この状態におい
て、第1ゲートG1 から前記第1キャビティ部C1 に第
1成形材料(溶融硬質ゴム)を射出させて、予めトリム
部Tを成形する。
【0032】次に、第1キャビティ部C1 に射出された
第1成形材料が所定温度まで冷却した後に、図12に示
されるように、成形境界部を閉塞していた管状シール部
側のスライドコア部20'bを成形位置まで後退させて、
第2キャビティ部C2 を形成させる。そして、この状態
において、第2ゲートG2 から第2キャビティ部C2
第2成形材料(溶融軟質ゴム)を射出させて、管状シー
ル部Sを成形する。第2キャビティ部C2 は、成形済の
トリム部Tと接続しているが、該トリム部Tを成形して
いる第1成形材料は、所定温度まで冷却されているため
に、溶融状の第2成形材料が成形済のトリム部T内に流
入することはなく、トリム部Tと管状シール部Sとの成
形境界部には、一方の成形材料が他方の成形材料の成形
部に流入しなくなって、明瞭な成形ラインが表れる。
【0033】なお、本明細書において「ゴム」とは、合
成ゴムに限られず、TPE、樹脂等も含むものである。
【0034】
【発明の効果】本発明は、硬質及び軟質の二種類の異な
るゴム材料を同一の成形型内に射出して、長尺のウェザ
ーストリップ中間品の両端を接続してウェザーストリッ
プのコーナー接続部を成形するに際し、そのトリム部と
シール部とを成形する各キャビティ部の境界部に仕切ピ
ースをセットして射出成形するので、二種類の異なるゴ
ム材料の成形境界部において一方のゴム材料が他方のゴ
ム材料のキャビティ部に流入するのが防止されて、コー
ナー接続部の機能と外観とが高められたウェザーストリ
ップの成形が可能となる。
【0035】また、ウェザーストリップのコーナー接続
部のトリム部対応部分を成形する第1キャビティ部が仕
切ピースで二つの分断キャビティ部に分断されていて
も、バイパス通路を通って硬質ゴム材料がすべての部分
に充填されるため、トリム部対応部分を支障なく形成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形型D(但し、可動型30を取り外した状
態)を使用してウェザーストリップWのコーナー接続部
Kを成形している状態の平面図である。
【図2】成形型Dを構成する固定型10及びスライドコ
ア20、並びに仕切ピースPを示す斜視図である。
【図3】成形型Dを一体に組み付けて型締めした状態の
斜視図である。
【図4】成形型Dを構成するスライドコア20を成形面
21の側から見た斜視図である。
【図5】成形型Dを構成する可動型30を下方から見た
斜視図である。
【図6】脱型状態の成形型Dの成形部の断面図である。
【図7】成形状態(型締状態)の成形型Dの成形部を示
す図1のX−X線断面図である。
【図8】第1キャビティ部C1 における成形材料(溶融
硬質ゴム)の流れを示す断面図である。
【図9】第2キャビティ部C2 における成形材料(溶融
軟質ゴム)の流れを示す断面図である。
【図10】成形されたコーナー接続部Kの横断面図であ
る。
【図11】管状シール部側のスライドコア部20'bによ
って、トリム部Tと管状シール部Sとの成形境界部が閉
塞された状態で第1キャビティ部C1 に第1成形材料が
射出される状態を示す断面図である。
【図12】管状シール部側のスライドコア部20'bが正
規の成形位置まで後退して、第2キャビティ部C2 に第
2成形材料が射出される状態を示す断面図である。
【図13】コーナー接続部Kが型成形されて枠状となっ
たウェザーストリップWの全体図である。
【図14】図13のY1 −Y1 線断面図である。
【図15】図13のY2 −Y2 線断面図である。
【図16】2種類の成形型による従来のコーナー接続部
の成形方法を示す模式図である。
【図17】同一型内に2種類の成形材料を同時に射出し
た場合における成形境界部を主体に示す斜視図である。
【図18】同じく横断面図である。
【符号の説明】
C:キャビティ C1 :第1キャビティ部 C2 :第2キャビティ部 D,D’:成形型 K:コーナー接続部(成形部) P:仕切ピース S:コーナー接続部の管状シール部 S’:ウェザーストリップの管状シール部 T:コーナー接続部のトリム部 T’:ウェザーストリップのトリム部 W:ウェザーストリップ(成形品) 20,20’:スライドコア 20'a:トリム部側のスライドコア部 20'b:管状シール部側のスライドコア部 23:わん曲突条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29L 31:30 B60J 5/00 501G (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車体又はドアのフランジ部に取付
    けられる硬質ゴム製のトリム部と、弾性変形してシール
    機能を果たす軟質ゴム製のシール部とが長手方向に沿っ
    て一体成形された長尺なウェザーストリップ中間品の長
    手方向端部間にゴム材料の射出成形によりコーナー部を
    形成すると共に、コーナー部で前記端部同士を接続する
    ウェザーストリップの製造方法において、 前記コーナー部を形成する射出成形型には、型締め時に
    前記コーナー部に対応する形状のキャビティが形成さ
    れ、 前記キャビティは、前記コーナー部の前記トリム部に対
    応する部分を形成する第1キャビティ部と、前記シール
    部に対応する部分を形成する第2キャビティ部とから成
    り、第1キャビティ部と第2キャビティ部とはトリム部
    対応部分とシール部対応部分との境界部で連続し、 前記第1キャビティ部は、前記境界部にセットされる仕
    切ピースにより二つに分断された各分断キャビティ部
    と、前記二つの分断キャビティ部を結ぶバイパス通路を
    有し、 前記成形型が開いている時に前記境界部に沿って仕切ピ
    ースをセットして、 前記成形型を締め、前記成形型内にセットされた前記仕
    切ピースでキャビティを前記第1キャビティ部と前記第
    2キャビティ部とに仕切った状態で、前記第1キャビテ
    ィ部に硬質ゴム材料を、前記第2キャビティ部に軟質ゴ
    ム材料をそれぞれ別の射出ゲートから射出して前記第1キャビティ部に射出された硬質ゴム材料は、前
    記二つの分断キャビティ部のうち一方の分断キャビティ
    部に射出された硬質ゴム材料が前記バイパス通路を通っ
    て他方の分断キャビティ部に流入するようにして前記コ
    ーナー部を形成すると共に、前記仕切ピースを前記コー
    ナー部のトリム部対応部分とシール部対応部分との間に
    一体化させることを特徴とするウェザーストリップの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記仕切ピースで仕切られた第1キャビ
    ティ部に硬質ゴム材料を射出した後に、同様の第2キャ
    ビティ部に軟質ゴム材料を射出することを特徴とする請
    求項1に記載のウェザーストリップの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記仕切ピースで仕切られた第1及び第
    2の各キャビティ部に、それぞれ硬質ゴム材料及び軟質
    ゴム材料を同時に射出することを特徴とする請求項1に
    記載のウェザーストリップの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記仕切ピースは、前記トリム部対応部
    分又は前記シール部対応部分を形成する材料のいずれか
    一方と同一又は同等の材料で形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載のウェザース
    トリップの製造方法。
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