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JP3458557B2 - 熱硬化性樹脂組成物、それを使用した積層板及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、それを使用した積層板及びその製造方法

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JP3458557B2
JP3458557B2 JP24295195A JP24295195A JP3458557B2 JP 3458557 B2 JP3458557 B2 JP 3458557B2 JP 24295195 A JP24295195 A JP 24295195A JP 24295195 A JP24295195 A JP 24295195A JP 3458557 B2 JP3458557 B2 JP 3458557B2
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resin
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phenol
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尚志 池田
広治 三輪
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、加工性に
優れる紙基材含浸複合体を得るための熱効果性樹脂組成
物で、特に電気特性、打ち抜き加工性、難燃性に優れる
紙基材積層板を得るための熱硬化性樹脂組成物およびそ
の積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷回路配線板用紙基材フェノー
ル樹脂積層板は、フェノール樹脂ワニスをクラフト紙又
はリンター紙等に含浸乾燥させ、該含浸紙を積層し、片
面又は両面に銅箔を加えて成形され製造される。
【0003】また、このような絶縁材料に使用される積
層板は、難燃化の要求が強いために種々の難燃処方を用
いる。難燃化の方法としては、ハロゲンあるいはリン化
合物を樹脂中に添加する添加型難燃剤を使用する場合
と、樹脂に化学的に結合される反応型難燃剤を使用する
場合とがあるが、特性の低下を防ぐには後者が好まし
い。このような反応型難燃剤としてはハロゲン置換基を
有するエポキシ化合物が多く使用されるが、かかる化合
物を多量に用いた場合に打ち抜き加工性の低下が生じる
という欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を改善することを目的としたもので、電気特性、打ち
抜き加工性、難燃性に優れる紙基材積層板を得るための
熱硬化性樹脂組成物、積層板及びその製造方法に関する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑みて鋭意検討した結果、塗布含浸に用いる樹脂とし
てレゾール樹脂と、塩基性触媒又は有機酸からなる酸性
触媒を使用しフェノール樹脂とトリアジン環を有する化
合物等の共縮合物からなるノボラック型フェノール樹脂
を組み合わせて用いることで上記課題を解決することを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、レゾール樹脂(A)
と、触媒として塩基性触媒又は有機酸からなる酸性触媒
を使用して、フェノール類とトリアジン環を有する化合
物とアルデヒド類とを縮合反応せしめてなる縮合物であ
って、該縮合物に未反応アルデヒド類を含まず、かつメ
チロール基を含まないことを特徴とするノボラック型フ
ェノール樹脂(B)からなり、好ましくはレゾール樹脂
(A)が、低分子量レゾール樹脂(a)と乾性油変性レ
ゾール樹脂(b)との混合物からなることを特徴とする
熱硬化性樹脂組成物に関する。さらに紙基材を二段階で
含浸する方式でフェノール樹脂を塗布含浸し、乾燥して
得られた積層材料を積層成形することによる積層板の製
造方法において、第1段目に含浸用樹脂として低分子量
レゾール樹脂(a)を使用し、第2段目に乾性油変性レ
ゾール樹脂(b)と、フェノール類とトリアジン環を有
する化合物とアルデヒド類との縮合物からなり、該縮合
物中に未反応アルデヒド類を含まず、かつメチロール基
を含まないノボラック型フェノール樹脂(B)を使用す
ることを特徴とする積層板の製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のレゾール樹脂(A)は、
フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、ノニルフ
ェノール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類
とホルムアルデヒド等のアルデヒド類を塩基性触媒の存
在下で反応させて得られる低分子量縮合樹脂であり、ま
たこれらのフェノール類を桐油、脱水ひまし油、亜麻仁
油、トール油などの乾性油で変性したフェノール類を使
用した乾性油変性樹脂であってもよい。さらにはメラミ
ン、グアナミン等とホルムアルデヒド等のアルデヒド類
を塩基性触媒の存在下で反応させて得られる低分子量縮
合樹脂であり、それらのメチロール基の一部又は全部を
メタノール、ブタノール等の低級アルコールでエーテル
化したものであってもよい。これらの樹脂は、その使用
にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種
以上の併用も可能であるが、含浸性、打ち抜き特性を両
立させる点から、低分子量レゾール樹脂と乾性油変性レ
ゾール樹脂を併用するのが好ましい。
【0008】ここで塩基性触媒としては、アンモニア、
エチレンジアミン、トリエチルアミン等のアミン系触
媒、又は金属水酸化物等が用いられる。本発明のフェノ
ール樹脂(B)を得るための前記フェノール類として
は、特に限定されるものではなく、たとえばフェノー
ル、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノ
ール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチル
フェノールなどのアルキルフェノール類、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシ
ン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フ
ェノール、フェニルフェノール、アミノフェノールなど
が挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用
にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種
以上の併用も可能である。
【0009】さらに本発明のフェノール樹脂を得るため
のトリアジン環を含む化合物としては、特に限定される
ものではないが、次の一般式(I)及び/又は一般式(I
I)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1、R2、R3は、アミノ基、ア
ルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル
アルキル基、酸基、不飽和基、シアノ基、ハロゲン原子
のいずれかを表わす)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R4、R5、R6は、水素原子、ア
ルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル
アルキル基、酸基、不飽和基、シアノ基、ハロゲン原子
のいずれかを表す)一般式(I)中、R1、R2、R3のう
ちの少なくとも1つがアミノ基であることが好ましい。
【0014】一般式(I)で示される化合物としては、
具体的にはメラミン、あるいはアセトグアナミン、ベン
ゾグアナミンなどのグアナミン誘導体、シアヌル酸、あ
るいはメチルシアヌレート、エチルシアヌレート、アセ
チルシアヌレート、塩化シアヌルなどのシアヌル酸誘導
体等が挙げられる。これらの中でも、R1、R2、R3
うちのいずれか2つ又は3つがアミノ基であるメラミ
ン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナ
ミン誘導体がより好ましい。
【0015】また一般式(II)中、R4、R5、R6のう
ちの少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。
一般式(II)で示される化合物としては、具体的にはイ
ソシアヌル酸、メチルイソシアヌレート、エチルイソシ
アヌレート、アリルイソシアヌレート、2−ヒドロキシ
エチルイソシアヌレート、2−カルボキシルエチルイソ
シヌレート、塩素化イソシアヌル酸などのイソシアヌル
酸誘導体などが挙げられる。これらの中でも、R4
5、R6のすべてが水素原子であるイソシアヌル酸が最
も好ましい。またこの互変異性体である一般式(I)で
表わされる化合物に当たるシアヌル酸も同様に好ましい
化合物である。
【0016】これらの化合物も使用にあたって1種類の
みに限定されるものではなく2種以上を併用することも
可能である。本発明のフェノール樹脂を得るためのアル
デヒド類は、特に限定されるものではないが、取扱いの
容易さの点からホルムアルデヒドが好ましい。ホルムア
ルデヒドとしては、限定するものではないが、代表的な
供給源としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙
げられる。
【0017】本発明のフェノール樹脂は、未反応アルデ
ヒド類を含まず、かつメチロール基を実質的に含まない
ことを特徴とするものである。未反応アルデヒド類を含
まず、メチロール基を実質的に含まないことにより、乾
性油変性レゾール樹脂などとの相溶性が向上し、積層板
に均一に難燃効果を付与できるという効果を有する。
【0018】以下に本発明のフェノール樹脂を得るため
の代表的な製造方法について説明する。まず、前記した
フェノール類とアルデヒド類とトリアジン環を有する化
合物とを塩基性あるいは有機酸からなる酸性触媒下で反
応させる。この時、系のpHは特に限定されるものでは
ないがトリアジン環を含む化合物の多くが塩基性溶液に
容易に溶解することから、塩基性触媒下で反応させるの
が好ましく、さらに塩基性触媒としてアミン類を使用す
ることが好ましい。また、各原料の反応順序も特に制限
はなく、フェノール類、アルデヒド類をまず反応させて
からトリアジン環を有する化合物を加えても、逆にトリ
アジン環を有する化合物とアルデヒド類を反応させてか
らフェノール類を加えても、同時に全ての原料を加えて
反応させても良い。この時、フェノール類に対するアル
デヒド類のモル比は特に限定されるものではないが0.
2〜1.5が好ましく、0.4〜0.8がより好まし
い。またフェノール類に対するトリアジン環を有する化
合物との重量比は特に制限するものではないが、10〜
98:90〜2が好ましく、50〜95:50〜5がよ
り好ましい。フェノール類の重量比が10重量%以下で
は樹脂化することが困難となり、98重量%以上では充
分な難燃効果を得ることができなくなるので、好ましく
ない。
【0019】また塩基性触媒として、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ
金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、およびこれら
の酸化物、アンモニア、1〜3級アミン類、ヘキサメチ
レンテトラミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。有機
酸からなる酸性触媒としては、シュウ酸、酢酸等が挙げ
られる。
【0020】本発明のフェノール樹脂は、特に電気電子
材料用の積層板用に使用されるため、金属などの無機物
が触媒残として残ることは好ましくないことから、塩基
性の触媒としてはアミン類を使用するのが好ましい。
【0021】また反応制御の面から各種溶媒の存在下で
反応を行うこともできる。この際溶媒としては、特に限
定されないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エ
チル、エチレングリコールモノメチルエーテル、N,N
−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール等が
挙げられる。これらの溶剤は、単独または適宜に2種以
上の混合溶剤として使用することができる。
【0022】次に必要に応じて中和、水洗して塩類など
の不純物を除去する。ただし触媒にアミン類を使用した
場合には必要としない。反応終了後、未反応のアルデヒ
ド類、フェノール類、溶媒等を常圧蒸留、真空蒸留等の
常法にしたがって除去する。この時、本発明の樹脂組成
物の特徴である未反応のアルデヒド類とメチロール基を
実質的に含まない樹脂組成物を得るためには120℃以
上の加熱処理を必要とする。120℃以下の加熱処理で
はメチロール基を実質的に消失させることは困難であ
る。また120℃以上の温度であれば充分に時間をかけ
ることによりメチロール基を消失させることができる
が、効率的に消失させるにはより高い温度、好ましくは
150℃以上の加熱処理を行うことが好ましい。この時
高温においてはノボラック樹脂を得るときの常法にした
がい、加熱とともに蒸留することが好ましい。
【0023】本発明のレゾール樹脂(A)とフェノール
樹脂(B)との混合割合は、特に限定されるものではな
いが、固形分重量比がA:B=100:5〜50の比率
で配合されることが好ましい。
【0024】本発明の熱硬化性樹脂組成物に必要に応じ
て他の熱硬化性樹脂を使用することができる。他の熱硬
化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、熱硬化アクリル樹脂等が挙げられるが、打ち抜き
加工性の点等からエポキシ樹脂が好ましく、この場合の
エポキシ樹脂としては、たとえばビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族エ
ポキシ樹脂、芳香族エステル型エポキシ樹脂、環状脂肪
族エステル型エポキシ樹脂、脂肪族エステル型エポキシ
樹脂、エーテルエステル型エポキシ樹脂、およびエポキ
シ化大豆油の如き非グリシジル系エポキシ樹脂およびこ
れらの臭素あるいは塩素等のハロゲン置換体等が挙げら
れ、難燃性の点から臭素化エポキシ樹脂がより好まし
い。これらのエポキシ樹脂を単独又は数種類混合して使
用しても何等差し支えない。
【0025】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに
必要に応じて種々の添加剤、難燃剤、充填剤等を適宜配
合することが出来る。本発明の積層板は、以上のように
して得られる熱硬化性樹脂組成物を必要に応じて有機溶
剤に溶解してワニスとした後、クラフト紙、リンター
紙、ガラス布、ガラス不織布、ポリエステル布、アラミ
ド繊維布、帆布等の紙基材に塗布含浸し、乾燥して得ら
れる積層材料を積層成形することにより得られる。
【0026】この時、レゾール樹脂(A)と、フェノー
ル類とトリアジン環を有する化合物からなるフェノール
樹脂(B)を塗布含浸する配合手順、配合割合は特に限
定するものではないが、二段階に含浸する方式でフェノ
ール樹脂を塗布含浸し、第1段目の含浸用樹脂として低
分子量レゾール樹脂を使用し、第2段目の含浸用樹脂と
して乾性油変性レゾール樹脂と、フェノール類とトリア
ジン環を有する化合物からなるフェノール樹脂とを用い
るのが好ましい。
【0027】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、積層板用
途以外にも、オイルあるいはエアーフィルター、バッテ
リーセパレータ、接着紙、紙管など紙基材複合体用に用
いることができる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこの実施例のみに限定されるものではな
い。以下、%は「重量%」を、部は「重量部」を表わす
ものとする。
【0029】[合成例1](フェノール樹脂の合成例) フェノール94部、ベンゾグアナミン9.4部に41.
5%ホルマリン51部、およびシュウ酸0.47部を加
え、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。
100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去
しながら180℃まで2時間かけて昇温し、次いで減圧
下にて未反応のフェノールを除去し、軟化点103℃の
フェノール樹脂を得た。
【0030】以下この樹脂を「N1」と略記する。得ら
れた樹脂中のフェノール類とトリアジン環を有する化合
物の重量比率、未反応ホルムアルデヒド量、メチロール
基の存在の有無、および未反応フェノールモノマー量は
次のように求めた。 <フェノールとトリアジン環を有する化合物(ベンゾグ
アナミン)の重量比率> 180℃、減圧下にて反応系外に除去した流出物中のフ
ェノール含量をガスクロマトグラフィから算出し、仕込
みのフェノール部数から引いて樹脂中のフェノール存在
量とした。ベンゾグアナミンは仕込み量がそのまま樹脂
中に含まれることとした。両者の比率を存在比とした。 カラム:30%セライト545カルナバワックス2m×
3mmφ カラム温度:170℃ 注入口温度:230℃ 検出器:FID キャリアガス:Nガス 1.0kg/cm 測定法:内部標準法 <未反応ホルムアルデヒド> 蒸留水50gに細かく粉砕した組成物約5gを加え、室
温で24時間保持した。pH計にセットし、N/10塩
酸水溶液を加えてpH=4.0に調整した。これにpH
=4.0に調整した7%ヒドロキシルアミン水溶液50
mlを加え、アルミ箔等で密封して30分放置した。そ
の後pH計にセットし、1Nの水酸化ナトリウム溶液で
pH=4.0に中和するまで滴定する。次式より遊離ホ
ルムアルデヒド量を決定した。
【0031】
【化1】 A:滴定に要した1N水酸化ナトリウム溶液量(ml) F:滴定に要した1N水酸化ナトリウム溶液のファクタ
ー S:試料(細かく粉砕した樹脂)量(g) <メチロール基の存在の有無> C13−NMRを用いて樹脂中に存在するメチロール基
を測定した。 装置:日本電子(株)製 GSX270 プロトン:270MHz 測定溶媒:重メタノールあるいは重アセトン 基準物質:テトラメチルシラン 測定条件 パルス条件:45゜×4000times パルス間隔:2秒 得られたチャートの60〜70ppmに現れ、ノイズと
明確に区別され得るピークを用いて判定した。ピークが
認められた場合を「有」、認められない場合を「無」と
した。 <未反応フェノールモノマー量> 先に示したガスクロマトグラフィと同様の測定条件にお
いて樹脂中のフェノールモノマー含量を測定した。この
ようにして求められた各成分量は表1にまとめて記し
た。
【0032】[合成例2](フェノール樹脂の合成例) フェノール94部に41.5%ホルマリン29部、メラ
ミン19部、およびトリエチルアミン0.47部を加
え、100℃にて3時間反応させた。常圧下にて水を除
去しながら120℃まで昇温し、温度を保持したまま2
時間反応させた。常圧下にて水を除去しながら180℃
まで2時間かけて昇温し、次いで減圧下にて未反応のフ
ェノールを除去し、軟化点123℃のフェノール樹脂を
得た。フェノールとメラミンの重量比率、未反応ホルム
アルデヒド量、メチロール基の存在の有無、および未反
応フェノールモノマー量を求め、結果を表1にまとめて
示した。
【0033】以下この樹脂を「N2」と略記する。 [合成例3](フェノール樹脂の合成例) フェノール94部に41.5%ホルマリン36部、およ
びトリエチルアミン0.47部を加え、80℃にて3時
間反応させた。次にメラミン14部とベンゾグアナミン
14部を加えてさらに2時間反応させた。以下合成例2
と同様の方法で反応させて軟化点130℃のフェノール
樹脂を得た。合成例1と同様にしてフェノールとメラミ
ン、ベンゾグアナミンの重量比率、未反応ホルムアルデ
ヒド量、メチロール基の存在の有無、および未反応フェ
ノールモノマー量を求め、結果を表1にまとめて示し
た。
【0034】以下この樹脂を「N3」と略記する。 [合成例4](フェノール樹脂の合成例) フェノール94部、シアヌル酸9.4部、41.5%ホ
ルマリン43部、トリメチルアミン0.47部を加え1
00℃にて4時間反応させた。次に常圧下にて水を除去
しながら120℃まで昇温し、温度を保持したまま2時
間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら180
℃まで2時間かけて昇温し、減圧下にて未反応のフェノ
ールを除去し、軟化点107℃のフェノール樹脂を得
た。フェノールとシアヌル酸の重量比率、未反応ホルム
アルデヒド量、メチロール基の存在の有無、および未反
応フェノールモノマー量を求め、結果を表1にまとめて
示した。
【0035】以下この樹脂を「N4」と略記する。
【0036】
【表1】 [合成例5](レゾール樹脂の合成例) フェノール94部、41.5%ホルマリン87部、トリ
メチルアミン1.9部を加え60℃にて2時間反応させ
た。次に減圧下にて水を除去し、メタノール/水=70
/30の混合溶剤で希釈して樹脂分50%の低分子量レ
ゾール樹脂ワニスを得た。
【0037】以下この樹脂ワニスを「W1」と略記す
る。 [合成例6](レゾール樹脂の合成例) フェノール94部、桐油60部、パラトルエンスルホン
酸0.5部を加え80℃にて3時間反応させた。次にト
ルエン60部とトリエタノールアミン2gを加えて希
釈、中和後、パラホルムアルデヒド40部、25%アン
モニア水2.4部を加え90℃で4時間反応させた。こ
れに臭素化エポキシ樹脂(エピクロン153 [大日本
インキ化学工業(株)製])12部、トリフェニルホスフ
ェート12部を加えた後、メタノール/トルエン=50
/50の混合溶剤で希釈して樹脂分50%の桐油変性樹
脂ワニスを得た。
【0038】以下この樹脂ワニスを「W2」と略記す
る。 [実施例1〜4および比較例1]表2に示した割合にし
たがって、W1、W2およびN1〜N4を混合溶解して
均一な溶液とした後、135g/m2のクラフト紙に塗
布含浸し、乾燥して樹脂含量が52〜55%のプリプレ
グを得た。これを8枚積層し、160℃、80kg/c
2で60分間熱圧成形し、厚さ1.6mmの積層板を
得た。
【0039】[実施例5および比較例2]W1を135
g/m2のクラフト紙に塗布含浸し、乾燥して樹脂含量
が10〜12%の処理基材を得た。ついでこの処理基材
に、表2に示した割合にしたがって、W2およびN1〜
N4をあらかじめ混合溶解して均一な溶液としたワニス
を塗布含浸して乾燥し、樹脂含量が55〜58%のプリ
プレグを得た。これを8枚積層し、160℃、80kg
/cm2で60分間熱圧成形し、厚さ1.6mmの積層
板を得た。
【0040】これらの積層板について得られた諸特性を
表2に示した。試験方法は、吸水率、絶縁抵抗はJIS
C6481に準じて行い、打ち抜き加工性はASTM
D−617による。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた積
層板は、優れた電気特性、難燃性、打ち抜き加工性を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−157126(JP,A) 特開 昭59−157152(JP,A) 特開 平8−311142(JP,A) 特開 昭58−152045(JP,A) 特開 昭61−236834(JP,A) 特開 昭61−236833(JP,A) 特開 昭52−52992(JP,A) 特開 平9−124896(JP,A) 特開 平8−253559(JP,A) 特開 昭61−238829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/00 - 61/34 C08G 14/00 - 14/14 WPI/L(QUESTEL) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾール樹脂(A)と、触媒として塩基
    性触媒又は有機酸からなる酸性触媒を使用して、フェノ
    ール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類と
    を縮合反応せしめてなる縮合物であって、該縮合物中に
    未反応アルデヒド類を含まず、かつメチロール基を含ま
    ないノボラック型フェノール樹脂(B)からなることを
    特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ノボラック型フェノール樹脂(B)にお
    いて、トリアジン環を有する化合物が、一般式(I)で
    示される化合物及び/又は一般式(II)で示される化
    合物であることを特徴とする請求項1記載の組成物。 【化1】 (式中、R、R、Rは、アミノ基、アルキル基、
    フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル
    基、酸基、不飽和基、シアノ基、ハロゲン原子のいずれ
    かを表わす) 【化2】 (式中、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、
    フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル
    基、酸基、不飽和基、シアノ基、ハロゲン原子のいずれ
    かを表す)
  3. 【請求項3】 一般式(I)中、R、R、Rのう
    ちの少なくとも1つがアミノ基であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)中、R、R、Rのう
    ちのいずれか2つがアミノ基であることを特徴とする請
    求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(I)中、R、R及びR
    アミノ基であることを特徴とする請求項3記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 一般式(II)中、R、R及びR
    が水素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 レゾール樹脂(A)が、低分子量レゾー
    ル樹脂(a)と乾性油変性レゾール樹脂(b)との混合
    物からなることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 レゾール樹脂(A)とフェノール樹脂
    (B)との割合が、固形分重量比でA:B=100:5
    〜50であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項記載の組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物を紙
    基材に塗布含浸し、乾燥して得られる積層材料を成形し
    てなる積層板。
  10. 【請求項10】 紙基材を二段階で含浸する方式でフェ
    ノール樹脂を塗布含浸し、乾燥して得られた積層材料を
    積層成形することによる積層板の製造方法において、第
    1段目に含浸用樹脂として低分子量レゾール樹脂(a)
    を使用し、第2段目に乾性油変性レゾール樹脂(b)
    と、触媒として塩基性触媒又は有機酸からなる酸性触媒
    を使用して、フェノール類とトリアジン環を有する化合
    物とアルデヒド類とを縮合反応せしめてなる縮合物であ
    って、該縮合物中に未反応アルデヒド類を含まず、かつ
    メチロール基を含まないノボラック型フェノール樹脂
    (B)を使用することを特徴とする積層板の製造方法。
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