JP3445672B2 - 結晶性合成樹脂組成物 - Google Patents
結晶性合成樹脂組成物Info
- Publication number
- JP3445672B2 JP3445672B2 JP29796794A JP29796794A JP3445672B2 JP 3445672 B2 JP3445672 B2 JP 3445672B2 JP 29796794 A JP29796794 A JP 29796794A JP 29796794 A JP29796794 A JP 29796794A JP 3445672 B2 JP3445672 B2 JP 3445672B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- tert
- synthetic resin
- butyl
- crystalline synthetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
関し、詳しくは結晶性合成樹脂にアルカリ金属化合物と
環状有機リン酸エステルの塩基性アルミニウム塩を添加
してなる透明性、機械的物性等の改善された結晶性合成
樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術および解決しようとする課題】ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリアミド、シンジオタクチックポ
リスチレンなどの結晶性合成樹脂は、加熱溶融成型後の
結晶化速度が遅いため成型サイクル性が低く、また加熱
成型後の結晶化の進行によって収縮する欠点があった。
また、これらの結晶性合成樹脂は大きな結晶が生成する
ために強度が不充分であったり、透明性が劣る欠点もあ
った。 【0003】これらの欠点はすべて合成樹脂の結晶性に
由来するものであり、合成樹脂の結晶化温度を高め、微
細な結晶を急速に生成させることができれば解消される
ことが知られている。 【0004】この目的のために、結晶核剤あるいは結晶
化促進剤を添加することが知られており、従来から4−
第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリ
ウムなどのカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第
三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,
2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)
ホスフェートなどの酸性リン酸エステル金属塩、ジベン
ジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデ
ン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体などが用
いられていた。 【0005】これらの化合物の中でも、特開昭58−1
736号公報、同59−184252号公報などに記載
されたアルキリデンビスフェノール類の環状リン酸エス
テルの金属塩はその効果が大きく、広く用いられてい
る。また、特開平6−65270号公報にはアルキリデ
ンビスフェノール類の置換基による造核剤としての性能
向上が提案され、ビス(3−メチル−4,6−ジ第三ブ
チルフェニル)ホスフェートの金属正塩が用いられてい
る。 【0006】また、これらの化合物と他の金属化合物を
併用することによってその効果の改善を図ろうとする試
みも行なわれており、例えば、特開昭63−69853
号公報には、芳香族リン酸アルカリ金属塩系造核剤とス
テアリン酸カルシウム等のアルカリ土類金属カルボン酸
塩を併用した場合の剛性の低下を防止するために、アル
カリ土類金属カルボン酸塩に代えてハイドロタルサイト
類またはアルカリ金属カルボン酸塩を用いる方法が提案
され、特開平1−129050号公報および特開平1−
129051号公報には環状有機リン酸エステル金属塩
と脂肪族カルボン酸の周期律表二族金属塩を併用する方
法が提案され、特開平3−79649号公報および特開
平3−81368号公報には酸性有機リン酸エステル化
合物と脂肪族カルボン酸金属塩を併用する方法が提案さ
れ、また特開平3−43437号公報には環状有機リン
酸エステル金属塩を用いた場合には放射線照射後の熱水
浸漬におけるpHの低下を防止するために、アルカリ金
属、アルカリ土類金属またはアルミニウム族金属の水酸
化物を併用することが提案されている。 【0007】しかしながら、これらの組み合わせによる
改善効果は実用上は未だ満足できるものではなく、特に
結晶性合成樹脂の透明性の改善という観点からはさらに
改良が求められていた。 【0008】さらに特開平1−104638号公報、同
1−104639号公報および同1−104647号公
報には、高剛性プロピレン系樹脂の加工性および耐熱剛
性を改良するために芳香族リン酸ジエステルの塩基性ア
ルミニウム塩を用いることが提案されているが、このよ
うな化合物を用いた場合には透明性改良効果はほとんど
認められなかった。このような塩基性アルミニウム塩は
結晶性合成樹脂の透明性改善には効果が乏しいものと考
えられていた。この塩基性アルミニウム塩にアルカリ金
属カルボン酸塩を併用することで、結晶性合成樹脂の透
明性を改善することが、特開平5−156078号公報
に提案されている。しかし、このような組成物も未だ透
明性の改善という観点においては満足のいくものではな
かった。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる現状
に鑑み種々検討を重ねた結果、結晶性合成樹脂にアルカ
リ金属カルボン酸塩および環状有機リン酸エステルの塩
基性アルミニウム塩を添加することにより、透明性を大
幅に改善し、しかも機械的強度をも増大させることを見
出し本発明に到達した。 【0010】すなわち本発明は、結晶性合成樹脂100
重量部に対して、(a)アルカリ金属カルボン酸塩の少
なくとも一種0.01〜5重量部、(b)下記一般式
(I)で表される環状有機リン酸エステル塩基性アルミ
ニウム塩の少なくとも一種0.01〜5重量部を添加し
た結晶性合成樹脂組成物を提供するものである。以下、
本発明の結晶性合成樹脂組成物について詳述する。 【0011】 【化2】 【0012】本発明で用いられる(a)成分のアルカリ
金属カルボン酸塩を構成するアルカリ金属としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウムなどがあげられる。 【0013】また、アルカリ金属カルボン酸塩を構成す
るカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、
デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒド
ロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン
酸、β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカ
プトプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン
酸、β−N−メチル−N−ラウロイルアミノプロピオン
酸などの脂肪族モノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、
アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ナフ
テン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロ
ペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカル
ボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メ
チルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシク
ロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカル
ボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シク
ロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸などの脂環式モノまたはポリカルボン酸;
安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、
4−第三ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸などの芳香族モノまたはポ
リカルボン酸などがあげられる。 【0014】本発明で用いられる(a)成分のアルカリ
金属カルボン酸塩は、上記アルカリ金属とカルボン酸と
の塩であり、従来周知の方法で製造することができる。
また、これら(a)成分のアルカリ金属カルボン酸塩の
中でも、アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特
に、リチウムの脂肪族モノカルボン酸塩が好ましく、と
りわけ炭素原子数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が
好ましい。 【0015】上記アルカリ金属カルボン酸塩の添加量
は、結晶性合成樹脂100重量部に対して0.01〜5
重量部であり、特に、0.05〜3重量部が好ましい。 【0016】また、本発明の(b)成分の一般式(I)
で表される環状有機リン酸エステル塩基性アルミニウム
塩において、R1およびR2で示される炭素原子数1〜1
2のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミ
ル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソ
オクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニ
ル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ド
デシル、第三ドデシルなどがあげられ、特に好ましくは
炭素数1〜5のアルキル基である。また、シクロアルキ
ル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、α−
メチルシクロヘキシルなどがあげられる。本発明で用い
られる前記一般式(I)で表される化合物としては、以
下に示すような化合物が例示できる。 【0017】 【化3】 【0018】 【化4】 【0019】 【化5】 【0020】これらの(b)成分の環状有機リン酸エス
テル塩基性アルミニウム塩は、例えば、酸性環状有機リ
ン酸エステルのアルカリ金属塩とハロゲン化アルミニウ
ムあるいは酸化アルミニウムハロゲン化物とを反応さ
せ、その後必要に応じて加水分解する方法、酸性環状有
機リン酸エステルとアルミニウムアルコキサイドを反応
させ、その後必要に応じて加水分解する方法などにより
容易に製造することができる。 【0021】また、上記環状有機リン酸エステル塩基性
アルミニウム塩はその粒径についても特に制限を受け
ず、例えば、平均粒径0.01〜50ミクロンのものを
用いることができるが、均一な分散を図るためには、平
均粒径が10ミクロン以下、特に3ミクロン以下の微粒
子に粉砕して用いることが好ましい。 【0022】この環状有機リン酸エステル塩基性アルミ
ニウム塩の添加量は、結晶性合成樹脂100重量部に対
して、0.01〜5重量部であり、好ましくは0.03
〜3重量部である。 【0023】また、(a)成分のアルカリ金属カルボン
酸塩と(b)成分の環状有機リン酸エステル塩基性アル
ミニウム塩の比率は特に制限を受けないが、特に(a)
成分のアルカリ金属カルボン酸塩の添加量が、(b)成
分の環状有機リン酸エステル塩基性アルミニウム塩の添
加量の等当量以上である場合に本発明の効果が著しい。 【0024】本発明で用いられる結晶性合成樹脂として
は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン−1、ポリ−3−メチルブテン、エチレン/プロピ
レンブロックまたはランダム共重合体などのα−オレフ
ィン重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート
などの熱可塑性直鎖ポリエステル;ポリフェニレンスル
フィドおよびポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレン
アジポアミドなどの直鎖ポリアミド、シンジオタクチッ
クポリスチレンなどをあげることができる。 【0025】特に本発明は結晶性α−オレフィン重合
体、とりわけポリプロピレン、エチレン/プロピレン共
重合体およびこれらのプロピレン重合体と他のα−オレ
フィン重合体との混合物などのポリプロピレン系樹脂に
適用した場合に有用である。また本発明は、これらのポ
リプロピレン系樹脂のアイソタクチックであるかシンジ
オタクチックであるかといった立体規則性、アイソタク
チックペンタッド分率、極限粘度、密度、分子量分布、
メルトフローレート、剛性等に拘わらず適用することが
でき、例えば、特開昭63−37148号公報、同63
−37152号公報、同63−90552号公報、同6
3−210152号公報、同63−213547号公
報、同63−243150号公報、同63−24315
2号公報、同63−260943号公報、同63−26
0944号公報、同63−264650号公報、特開平
1−178541号公報、同2−49047号公報、同
2−102242号公報、同2−251548号公報、
同2−279746号公報、特開平3−195751号
公報などに記載されたようなポリプロピレン系樹脂にも
好適に使用することができる。 【0026】本発明においては、各成分を添加する方法
は特に制限を受けず、一般に用いられる方法、例えば、
結晶性合成樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末と
をドライブレンドする方法、各成分を高濃度で含有する
マスターバッチを作製しこれを結晶性合成樹脂に添加す
る方法などを用いることができる。また、本発明の結晶
性合成樹脂組成物は、押出成形、射出成形、真空成形、
ブロー成形、架橋発泡成形などの周知の加工方法によ
り、各種成型品、繊維、二軸延伸フィルム、シートなど
として使用することができる。 【0027】また、本発明の組成物は各種の後処理を施
される用途、例えば、医療用途または食品包装用途など
の放射線による滅菌を施される用途あるいは塗装性など
の表面特性の改善のために、成形後、低温プラズマ処理
などが施される用途などにも用いることができる。 【0028】また本発明の結晶性合成樹脂組成物には、
必要に応じてフェノール系抗酸化剤、有機ホスファイト
またはホスホナイトなどの有機リン系抗酸化剤、チオエ
ーテル系抗酸化剤、紫外線吸収剤あるいはヒンダードア
ミン化合物などの光安定剤を加え、その酸化安定性およ
び光安定性をさらに改善することができ、特にフェノー
ル系抗酸化剤および/または有機リン系抗酸化剤を併用
することによって加熱加工時の着色および機械的物性の
低下を防止することができる。 【0029】本発明で使用できるフェノール系抗酸化剤
としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾ
ール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェ
ノール、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホ
スホネート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾー
ル)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジ
ン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブ
チルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グ
リコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第
三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビ
ス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチル
フェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル
−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチル
ベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−ト
リス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブ
チルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イ
ソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリ
メチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第
三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキ
シエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−
3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メ
チル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル
−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス
〔1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン−ビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5
−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレング
リコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげら
れる。 【0030】これらのフェノール系抗酸化剤の添加量
は、結晶性合成樹脂100重量部に対し、通常0.00
1〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。 【0031】本発明で使用できる有機リン系抗酸化剤と
しては、例えばトリスノニルフェニルホスファイト、ト
リス(モノおよびジノニルフェニル)ホスファイト、ト
リス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、
ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(ト
リデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイ
ト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデン
ビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホス
ファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス
(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ブタントリホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)オクタデシルホスファイト、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホス
ファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニ
ル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10ホスファフェナンスレン−10−オ
キシドなどがあげられる。 【0032】これらの有機含リン化合物の添加量は、結
晶性合成樹脂100重量部に対し、通常0.001〜5
重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。 【0033】チオエーテル系抗酸化剤としては、たとえ
ば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、
ミリスチルステアリル、ジステアリルエステルなどのジ
アルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリ
トールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネー
ト)などのポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピ
オン酸エステル類などがあげられる。 【0034】紫外線吸収剤としては、たとえば、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベン
ゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−
3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリ
アゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−
(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フ
ェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエー
ト、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−
3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートな
どのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキ
ザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド
などの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,
β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3
−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート
などのシアノアクリレート類などがあげられる。 【0035】ヒンダードアミン化合物などの光安定剤と
しては、たとえば、2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキ
シレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル
−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハ
ク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6
−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジ
ブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/
2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重
縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ
−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、
1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブ
チル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,
5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12
−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12
−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4
−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6
−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス
〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−ト
リアジン−6−イルアミノ〕ウンデカンなどのヒンダー
ドアミン化合物があげられる。 【0036】その他、本発明の結晶性合成樹脂組成物に
は、必要に応じて、アルミニウム−p−第三ブチルベン
ゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−メ
チルベンジリデン)ソルビトールなどの他の造核剤、多
価アルコールの部分エステルやジエタノールステアリル
アミン等の帯電防止剤、ハイドロタルサイト類、アルカ
リ土類金属の脂肪族カルボン酸塩、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコールなどのアルキルアルコール
類、顔料、染料、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、加工
助剤などを加えることができる。 【0037】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 【0038】(参考例:化合物No.1の合成例)2,
2’−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ第三ブチ
ルフェニル)ホスフェイト・ナトリウム塩10.72g
(0.02モル)をメタノールに溶解し、40℃で攪拌
しながら三塩化アルミニウム6水塩2.41g(0.0
1モル)を50mlの水溶液として30分かけて滴下し
た。滴下終了後、メタノール還流下に4時間攪拌し室温
まで冷却後、3規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、p
Hを6とした。生成物をろ過し、融点300℃以上の白
色粉末9.84g(収率92%)を得た。化合物No.
2および3も同様にして合成した。 【0039】(実施例1)表−1に示す割合で各成分を
ミキサーで5分混合した後、温度230℃、回転数20
rpmの条件下で押出機を用いてペレットを作製した。
このペレットを用いて射出成型機により250℃、金型
温度60℃で成型し、厚さ1mmの試験片を作製した。
この試験片をASTM D−1003−61の方法に準
拠して霞度(ヘイズ値)を測定した。その結果を表−2
に示す。 【0040】 【表1】 【0041】 【表2】 【0042】(実施例2)表−3に示す割合で各成分を
ミキサーで5分混合した後、温度230℃、回転数20
rpmの条件下で押出機を用いてペレットを作製した。
このペレットを用いて、射出成型機により250℃、金
型温度60℃で成型し、厚さ1mmの試験片を作製し
た。この試験片を実施例1と同様の操作で霞度(ヘイズ
値)を測定した。結果を表−4に示す。 【0043】 【表3】 【0044】 【表4】 【0045】(実施例3)表−5に示す割合で各成分を
ミキサーで5分混合した後、温度240℃、回転数20
rpmの条件下で押出機を用いてペレットを作製し、こ
のペレットを用いて射出成型機により250℃、金型温
度60℃で成型し、厚さ1mmの試験片を作製した。こ
の試験片を用い実施例1と同様の操作で霞度(ヘイズ
値)を測定した。結果を表−6に示す。 【0046】 【表5】 【0047】 【表6】【0048】 【発明の効果】アルカリ金属カルボン酸塩と環状有機リ
ン酸エステル塩基性アルミニウム塩を併用する場合に、
2,2’−アルキリデンビス(3−メチル−4,6−ア
ルキル置換フェニル)ホスフェイトとアルミニウムの塩
基性塩を用いることにより、2,2’−アルキリデンビ
ス(4,6−アルキル置換フェニル)ホスフェイトとア
ルミニウムの塩基性塩を用いるよりも透明性に優れた結
晶性合成樹脂組成物が得られる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 結晶性合成樹脂100重量部に対して、
(a)アルカリ金属カルボン酸塩の少なくとも一種0.
01〜5重量部、および(b)下記一般式(I)で表さ
れる環状有機リン酸エステル塩基性アルミニウム塩の少
なくとも一種0.01〜5重量部を添加した結晶性合成
樹脂組成物。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29796794A JP3445672B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 結晶性合成樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29796794A JP3445672B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 結晶性合成樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134260A JPH08134260A (ja) | 1996-05-28 |
JP3445672B2 true JP3445672B2 (ja) | 2003-09-08 |
Family
ID=17853414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29796794A Expired - Lifetime JP3445672B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 結晶性合成樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3445672B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3921410B2 (ja) * | 2002-04-19 | 2007-05-30 | 株式会社Adeka | 粒子状結晶核剤組成物及びこれを含有してなる結晶性高分子組成物 |
JP2004083852A (ja) * | 2002-06-24 | 2004-03-18 | Asahi Denka Kogyo Kk | 造核剤及び該造核剤を含有してなる結晶性高分子組成物 |
JP2006061505A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Coki Engineering Inc | 医療用容器成形材料及び医療用容器 |
JP2006117776A (ja) * | 2004-10-21 | 2006-05-11 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP5388263B2 (ja) | 2007-09-04 | 2014-01-15 | 株式会社Adeka | ポリオレフィン樹脂用造核剤マスターバッチ |
CN103797069B (zh) * | 2011-08-30 | 2016-03-02 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 聚酯树脂组合物及其制造方法 |
US12024622B2 (en) | 2017-08-31 | 2024-07-02 | Adeka Corporation | Composition, thermoplastic resin composition using same, and molded article thereof |
JP7017969B2 (ja) * | 2018-03-29 | 2022-02-09 | 三井化学株式会社 | ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品 |
CN110734463B (zh) * | 2019-10-16 | 2021-05-25 | 山西省化工研究所(有限公司) | 一种双酚磷酸酯羟基铝盐成核剂的制备方法 |
CN111303482B (zh) * | 2020-04-01 | 2021-02-02 | 山西省化工研究所(有限公司) | 一种取代双酚磷酸酯铝盐成核剂及其制备方法以及其应用 |
-
1994
- 1994-11-07 JP JP29796794A patent/JP3445672B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08134260A (ja) | 1996-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3046428B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
WO2009139350A1 (ja) | ポリオレフィン系樹脂組成物 | |
JP3083605B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3313836B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3445672B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JPH083364A (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3369718B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3338514B2 (ja) | スチレン系樹脂組成物 | |
JP3336114B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3445671B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3630479B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3270203B2 (ja) | シンジオタクチックポリプロピレン組成物 | |
JP3058487B2 (ja) | 結晶性ポリオレフィン樹脂組成物 | |
JP3338498B2 (ja) | 合成樹脂組成物 | |
JP2005068249A (ja) | 磁場配向した結晶性高分子組成物の製造方法 | |
JP3034993B2 (ja) | 透明性の改善された合成樹脂組成物 | |
JP3369719B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JP3197354B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
KR100258316B1 (ko) | 결정성 합성 수지 조성물 | |
JP5587559B2 (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 | |
JPH09104790A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP3628410B2 (ja) | ポリオレフィン樹脂組成物 | |
JPH07242776A (ja) | ポリプロピレン樹脂組成物 | |
JP2983314B2 (ja) | 透明性の改善されたポリオレフィン系樹脂組成物 | |
JP2004323763A (ja) | 結晶性合成樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090627 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |