JP3337981B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
ン等の動画表示に適した液晶表示装置に関する。
は、ネマチック液晶、スメクチック液晶、高分子分散液
晶等の様々な材料が用いられている。
たTN(Twisted Nematic)モードの液
晶素子は、中間調での応答時間が50〜数100msと
長く、1フレーム期間(60Hz、16.7ms)内で
応答が終了しないために、画像が動いた時に該画像が流
れてぼける現象、いわゆる「動画の切れ」が悪くなり、
テレビジョン等の動画表示には不適であった。
を用いた液晶素子や、ネマチック液晶のベンド配向状態
を利用したOCB(Optically Conpen
sated Bend)モードの液晶素子においては、
従来のTNモードの液晶素子に比べて10〜1000倍
近くも応答時間が短く、1フレーム期間での応答が可能
であり、動画表示に向いているとされていた。
応答時間が短いだけでは「動画の切れ」が不十分である
ことが判明した。「信学技報」EID96−4(199
6)p.16に記載されているように、従来の液晶素子
のような連続点灯タイプの表示装置(以下、「ホールド
型表示装置」と記す)は、CRT等のパルス点灯タイプ
(以下、「非ホールド型表示装置」と記す)に比べて、
原理的に動画像の画質(以下、「動画質」と記す)が悪
い。従って、上記ホールド型表示装置においても、上記
文献に記載されているように、通常1フレーム期間に亘
って連続表示するところを、一部の期間非表示状態とす
ることによって、動画質が改善されることが分かってい
る。また、1画面の表示スピードを60Hzとせず、よ
り速い周波数、例えば120Hzとすることでも画質は
改善される。
ホールド型表示装置において非表示期間を設けて実質非
ホールド表示を行なった場合でも、液晶の応答時間やバ
ックライト光源の応答時間によって動画質の劣化の度合
いが異なるという問題が発生することが明らかになっ
た。また、表示装置の画素サイズや輝度、コントラスト
などによっても動画質の劣化の度合いが異なるというこ
とも明らかになった。
にあり、液晶表示装置において良好に動画質の改善を図
ることにある。具体的には、液晶の応答時間に応じて動
画質を改善した液晶表示装置を提供することにあり、さ
らには、画素サイズや輝度、コントラストなどにも対応
して動画質を改善した液晶表示装置を提供することにあ
る。
に液晶を挟持し、複数の画素を有する液晶素子と、該液
晶素子の駆動回路を有する液晶表示装置であって、任意
の画素において、1フレーム期間を連続する第1の期間
と第2の期間に分割し、上記第1の期間において第1の
輝度を表示し、上記第2の期間においては上記第1の輝
度以下の第2の輝度を表示し、1フレーム期間をFr 、
上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率T
ap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、
0%表示状態から100%表示する際に輝度が0%から
90%に達する立ち上がり期間をτon、100%表示状
態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減
衰する期間をτoff とした時に、 Tap+(τoff −τon)/2Fr =Ts ≦0.6 となるように設定したことを特徴とする液晶表示装置で
ある。
表示装置の作用を説明する。本発明の液晶表示装置が表
示し得る最大輝度を100%、最小輝度を0%とする
と、図1(a)は任意の画素において、第1の期間に1
00%表示を行ない、第2の期間に0%表示を行なった
場合の輝度の時間経過を示した波形である。図1におい
て、Frは1フレーム、Fa は第1の期間、Fb は第2
の期間である。
1フレームを第1の期間と第2の期間に分割し、第1の
期間では第1の輝度を表示し、第2の期間では第1の輝
度以下の第2の輝度を表示する。第1の輝度は、所定の
画像情報に応じた輝度であり、本発明では当該第1の輝
度以下の第2の輝度を表示する第2の期間を設けること
により、非ホールド表示を行なう。
は、具体的には、後述するように、液晶層の透過率を制
御する方法、或いは、バックライト光源の点滅を制御す
る方法によって実施され得る。いずれの場合において
も、表示輝度が変化する際には所定の輝度に達するまで
にある程度の期間が必要になる。ここで、0%表示状態
から100%表示する際に90%表示に達する立ち上が
り期間をτon、100%表示状態から0%表示する際に
10%表示に減衰する期間をτoff とする。
質改善効果が、1フレーム期間内において表示される輝
度の積分値に依存していることを知見した。
形に近似されるため、図1(a)の1フレームにおける
輝度の積分値は図1(b)の直線波形より、 (τon/2)+(Fa −τon)+(τoff /2) と近似される。ここで、Fa =Tap×Fr (Tapは時間開口率)を代入すると、 =(τon/2)+(Tap×Fr −τon)+(τoff /2) =Tap×Fr +(τoff −τon)/2 これを1フレーム期間Fr で規格化すると、 =Tap+(τoff −τon)/2Fr となる。
τon)/2Fr =Ts ≦0.6とする。即ち、100%
表示状態において、1フレーム期間における応答時間も
含めた表示時間の積分値を一定のしきい値(0.6)以
下とすることにより、τonやτoff といった応答時間に
応じた動画質の改善を図ることができる。より好ましく
は、Ts ≦0.45である。
質の改善からは限りなく0に近ければ良いが、表示画像
の輝度を考慮すると0.05程度が限界である。
ことによって動画質の改善を図ることから、τoff は第
2の期間以下である。即ち、第2の期間における第2の
輝度の最小値は10%以下、好ましくは十分に減衰して
0%表示し得ることが望ましい。
層の透過率変化によって第2の輝度を制御する方法と、
バックライト光源の点滅によって第2の輝度を制御する
方法がとられる。前者の場合には、反射型の液晶表示装
置であれば一定の光を照射した状態で、また透過型の液
晶表示装置であればバックライト光源を連続点灯した状
態で、適宜液晶層の透過率を変化させることで輝度の制
御を行なう。従って、第1の期間においては、各画素の
液晶層が画像情報に対応した透過率になるように該液晶
層に所定の電圧を印加し、第2の期間においては、該第
1の期間における透過率以下の透過率になるように液晶
層に印加する電圧を変化させる。従って、当該構成にお
いては、液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を
0%とした時に、上記τonは0%透過率状態から100
%透過率に転移する際に透過率が0%から90%に達す
る立ち上がり期間であり、上記τoff は100%透過率
状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%か
ら10%に減衰する期間である。
2の輝度を制御する場合には、第1の期間を点灯期間、
第2の期間を非点灯期間とし、前フレームの第2の期間
を利用して各画素の液晶層が画像情報に応じた透過率と
なるように該液晶層に所定の電圧を印加し、該フレーム
に続くフレームの第1の期間においてバックライト光源
を点灯することにより画像情報に応じた輝度を表示す
る。引き続き、当該フレームの第2の期間においてバッ
クライト光源を非点灯することにより、輝度を第1の輝
度以下とする。従って、当該構成においては、上記τon
はバックライト光源を非点灯状態から点灯した際に該光
源の輝度が0%から90%に達する立ち上がり期間であ
り、上記τoff は該光源を点灯状態から非点灯した際に
該光源の輝度が100%から10%に減衰する期間であ
る。
ズや、輝度、コントラストによっても劣化の度合いが異
なる。先ず、画素サイズについては、表示単位画素の横
方向の長さをSz(m)とすると、 Ts ×Sz/(300×10-6)≦0.6 とすることが好ましい。望ましくは、 Ts ×Sz/(300×10-6)≦0.5 である。
に従って速くなり、動画質は表示速度が速くなるとほぼ
比例して悪化する。この傾向は、Ts と動画質の関係と
ほぼ同様であり、且つ独立に成り立つ。従って、これら
の積によって動画質を規定することができる。尚、視覚
的には動画質は横方向の影響が大きいため、横方向の画
素サイズで規定すれば良い。ここで、表示単位画素とは
表示にかかわる最小単位を言い、白・黒間の階調表示で
あれば、透過率を変化しうる最小単位の1画素が1表示
単位画素であり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3
色、或いはこれらにW(白)を加えた4色表示によって
フルカラー表示を行なう場合には、当該3色或いは4色
の画素を1組として1表示単位画素とし、画素サイズと
は、隣接する表示単位画素の重心間の距離とし、その横
方向の長さをSzとする。
/m2 )とすると、 Ts ×log(Br)≦1.3 とすることが好ましい。望ましくは、 Ts ×log(Br)≦1.0 である。
的に知覚される。そのため、輝度が高くなると動画質は
ほぼ比例して悪化する。この傾向はTs と動画質の関係
とは独立に成り立っており、これらの積によって動画質
を規定することができる。
輝度と同様にほぼ対数的に知覚される。従って、コント
ラストが高くなると動画質はほぼ比例して悪化する。こ
の傾向はTs と動画質の関係とは独立に成り立ってお
り、これらの積によって動画質を規定することができ
る。
成例を挙げて説明する。
態の構成を模式的に示す平面図を示す。図中、1は画素
電極、2はTFT(薄膜トランジスタ)、3は走査信号
線、4は情報信号線、5は走査信号印加回路、6は情報
信号印加回路である。本実施形態は、本発明の好ましい
構成例であり、画素毎にアクティブ素子を備えたアクテ
ィブマトリクス型の装置である。本実施形態において
は、図2に示すように、複数の画素電極1をマトリクス
状に配置し、各画素電極1毎に配置したTFT2のゲー
ト電極を走査信号線3に、ソース電極を情報信号線4に
それぞれマトリクス配線し、各走査信号線3には走査信
号印加回路5より順次走査選択信号(TFT2のオン信
号)を印加し、該走査選択信号と同期して情報信号印加
回路6より所定の階調情報を持った情報信号を印加して
選択されたラインの画素電極1に書き込み、所定の電圧
を液晶層に印加して表示を行なう。
一画素の構成例を模式的に示す断面図である。図中、1
1が基板、12はゲート電極、13はゲート絶縁膜、1
4は半導体層、15はオーミックコンタクト層、16は
絶縁層、17はソース電極、18はドレイン電極、19
はパッシベーション膜、20は保持容量電極、21は配
向膜、22は基板、23は共通電極、24は配向膜、2
5は液晶である。
は基板11には通常ガラスやプラスチック等の透明性を
有する基板が用いられ、反射型の場合にはシリコン基板
など不透明な基板が用いられる場合もある。画素電極1
及び共通電極23は、透過型の場合にはいずれもITO
等透明導電材が用いられるが、反射型の場合には、画素
電極1を反射性の高い金属で形成して反射板を兼ねる場
合もある。半導体層14としては、一般にアモルファス
(a−)Siが用いられ、その他、多結晶(p−)Si
も好ましく用いられる。さらに、オーミックコンタクト
層15としては、例えば、n+ a−Si層などが用いら
れる。ゲート絶縁膜13としては、窒化シリコン(Si
Nx )等が用いられる。さらに、ゲート電極12、ソー
ス電極17、ドレイン電極18、保持容量電極20、配
線等には一般にAl等の金属が用いられる。保持容量電
極20については、面積が広い場合には、ITO等の透
明導電材を用いる場合もある。絶縁層16及びパッシベ
ーション膜19には窒化シリコン等の絶縁膜が好ましく
用いられる。また、配向膜21、24としては、用いる
液晶やモードによって適宜選択されるが、例えばスメク
チック液晶の水平配向にはポリイミドやポリアミド等の
高分子膜をラビングして用いる。
ック液晶、例えばしきい値のない反強誘電性液晶(TA
FLC)を用いて、良好に階調表示を行なうことができ
る。TAFLCは、図8に示すように、印加電圧の変化
に対して連続的に透過率が変化し、明確なしきい値を有
していない反強誘電性液晶である。従って、液晶への印
加電圧を制御することによって、透過率を連続的に変化
させることができる。
モードで用いることができる。OCBモードは、基板と
の界面において液晶分子がプレチルト角を有し、液晶層
の基板の法線方向の中央部における液晶分子が該法線方
向に平行である、ベンド配向状態をとるモードである。
OCBモードにおいては、上下基板に水平配向膜を形成
し、互いのラビング方向が平行或いはほぼ平行になるよ
うに配置することによって、液晶分子に、基板との界面
においてプレチルト角を有し且つ上記ラビング方向(ラ
ビング方向が上下基板で交差する場合には平均ラビング
方向)に平行に配置したスプレイ配向をとらせる。この
状態で所定のベンド電圧を液晶層に印加すると、液晶層
の基板法線方向中央部の液晶分子が該法線に平行に配向
し、順次基板に近づくに連れて該基板との界面に位置す
る液晶分子のプレチルト角に近づくベンド配向をとる。
このベンド配向は上記ベンド電圧よりも低い保持電圧に
よって維持することができ、該保持電圧よりも高い所定
の電圧を液晶層に印加すると基板との界面付近を除く液
晶層の大部分で液晶分子が基板法線方向に平行に配向す
る。該配向とベンド配向との間の応答時間は速く、且つ
中間状態もとり得るため、保持電圧を低電圧側として印
加電圧を変化させることによって階調表示を行なうこと
ができる。
にも、従来のTNモードや、3状態安定性を示す反強誘
電性液晶、DHF(Deformed Helix F
erroelectric)液晶等を適宜用いることが
できる。
場合の表示モードとしては、ノーマリーブラックモード
及びノーマリーホワイトモードのいずれでも好ましく実
施することができる。尚、ネマチック液晶では、ノーマ
リーホワイトモードの場合にτoffがτonよりも小さく
なるため動画質が良好となる。
としてTFTを用いたが、MIM等の2端子素子を用い
ることも可能である。
構成した場合の断面模式図である。図中、31は液晶素
子、32及び33は偏光板、34は液晶素子31の駆動
回路、35はバックライト光源である。本発明におい
て、液晶層の透過率を制御することによって第2の輝度
を制御する場合には、透過型及び反射型のいずれでも構
成することができ、また、透過型の場合にはバックライ
ト光源は連続点灯して用いるため、通常液晶表示装置に
用いられている白色光源を用いることができる。一方、
バックライト光源の点滅によって本発明にかかる第2の
輝度を制御する場合には、透過型に限定され、精度良く
点滅を制御し得るバックライト光源が必要となる。
例の点滅回路を示す。光源は、RGBのLEDのセット
を用意して白色バックライト光源とする。図中、41は
電源、42はトランジスタ、43a〜43gはLED、
44は波形発生器である。単色光源であるLED43a
〜43gは直列に複数個並べて配置され、本例では各色
7個、計21個のLEDが使用されている。トランジス
タ42は波形発生器44でゲート電圧が調整され、LE
D43a〜43gへの電流を制御する。RGB光源材料
として、例えば、RはGaAlAs、G及びBはGaN
を用いることができる。このように、応答時間が数μm
のオーダーのLEDを光源として用いることで、バック
ライト光源の点灯時間を任意に設定することができる。
本発明においては、LED光源の他にも、蛍光管である
冷陰極管、熱陰極管或いはハロゲンランプ等を用いるこ
とも可能である。
にかかる期間設定を行なうことができれば、上記した構
成以外の従来の液晶表示装置の技術を適用することが可
能である。
マトリクス型の液晶素子の駆動波形の一例を示す。本駆
動波形は、図8に示すような、電圧−透過率特性を示す
TAFLCを用いて構成した液晶素子の駆動波形例であ
り、図6は液晶層の透過率変化により第2の輝度を制御
する場合であり、図7はバックライト光源の点滅によっ
て第2の輝度を制御する場合である。順次説明する。
目、2ライン目、及び3ライン目の走査信号線に印加す
る走査信号波形であり、(d)は1列目の情報信号線に
印加する情報信号波形、(e)は1ライン目で且つ1列
目の画素の液晶に印加される電圧波形を示し、(f)は
当該画素における輝度を示す。
間Fa において、順次ラインを選択し、該当するライン
の走査信号線にパルス幅T1 のゲートオン信号(基準電
圧Vc に対してVg )を印加する。これに同期して、基
準電圧Vcsに対してVs1〜Vs2に設定された情報信号を
各情報信号線に印加する。選択された画素の画素電極に
は所定の階調情報を有する電圧が印加され、当該画素の
輝度が立ち上がる。次に、第2の期間Fb において、同
様に順次ラインを選択し、全ての画素に0%輝度表示の
情報を印加する。これにより、全ての画素においてライ
ン毎に順次輝度が減衰する。
対応して、Fa が設定される。
ライン目、2ライン目、及び最終ライン目の走査信号線
に印加する走査信号波形であり、(d)は1列目の情報
信号線に印加する情報信号波形、(e)は1ライン目で
且つ1列目の画素の液晶に印加される電圧波形、(f)
はバックライト光源の輝度、(g)は1ライン目で且つ
1列目の画素の輝度を示す。
て、順次ラインを選択し、該当するラインの走査信号線
にゲートオン信号(基準電圧Vc に対してVg )を印加
する。これに同期して、基準電圧Vcsに対してVs1〜V
s2に設定された情報信号を各情報信号線に印加する。選
択された画素の画素電極には所定の階調情報を有する電
圧が印加され、当該画素の液晶が所定の階調情報に応じ
た透過率状態をとる。この時点ではバックライト光源は
非点灯状態である。液晶が完全にスイッチングする期間
を置いた後、第1フレームの第1の期間Fa において、
バックライト光源を点灯する。既に各画素の液晶は所定
の階調情報を表示すべく対応する透過率状態となってい
るため、バックライト光源の輝度の立ち上がりに応じて
各画素の輝度が立ち上がり所定の輝度を表示する。続い
て、第2の期間Fb において、バックライト光源を非点
灯することにより、各画素は一斉に輝度を減衰する。こ
の非点灯期間を利用して次フレームの書き込みを行な
う。即ち、パルス幅T1 のゲートオン信号を走査信号線
に順次印加し、これに同期して所定の情報信号を情報信
号線に印加し、各画素の液晶を所定の階調情報に応じた
透過率状態とする。次いで、各液晶が完全にスイッチン
グする期間T3 を置いて、第2フレームにおける第1の
期間を開始する。
の応答時間に対応してFa が設定される。
を有する液晶表示装置を従来のTFT作製技術によって
構成した。画素数は160×120画素、1画素を30
0μm×300μmとし、選択期間を短くするためにオ
ン抵抗を1MΩ程度としたa−SiTFTを各画素に配
した。液晶としては、TAFLC、ベンド配向のOCB
モードのネマチック液晶(以下、「OCB」と記す)、
ツイスト配向のTNモードのネマチック液晶(以下、
「TN」と記す)を用いた。
0nC/cm2 、ラビング方向からのチルト角は30
°、誘電率は5の特性を有し、図8に示す電圧−透過率
特性を示す液晶を用いた。本液晶は、印加電圧によって
液晶の応答時間が異なる。その応答時間の変化を図9に
示す。図9は、最大透過率を100%、最小透過率を0
%とした時に、透過率0%から横軸に示された透過率を
表示する際に、その90%に達する立ち上がり時間と、
横軸に示された透過率から透過率0%を表示する際に透
過率10%にまで減衰する時間を示したものである。測
定温度は25℃である。図9に示されるように、TAF
LCの応答時間は1ms以下である。
を用い、セルギャップは4μmとした。本液晶について
も、印加電圧によって液晶の応答時間が異なる。その応
答時間の変化を図10(a)に示す。図10(a)も図
9と同様に、最大透過率を100%、最小透過率を0%
とした時に、透過率0%から横軸に示された透過率を表
示する際に、その90%に達する立ち上がり時間と、横
軸に示された透過率から透過率0%を表示する際に透過
率10%にまで減衰する時間を示したものである。測定
温度は25℃で、表示モードはノーマリーブラックモー
ドとした。
ホワイトモードにおける応答時間の変化を示す。このよ
うに、ノーマリーホワイトモードは立ち上がり時間と減
衰時間の関係がノーマリーブラックモードと逆転してい
る。よってノーマリーホワイトモードはτoffがτonよ
り小さくなるため動画質が良好になる。
い、セルギャップは4.5μmとした。本液晶について
も、印加電圧によって液晶の応答時間が異なる。その応
答時間の変化を図11に示す。図11も図9と同様に、
最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、
透過率0%から横軸に示された透過率を表示する際に、
その90%に達する立ち上がり時間と、横軸に示された
透過率から透過率0%を表示する際に透過率10%にま
で減衰する時間を示したものである。測定温度は25℃
で、表示モードはノーマリーブラックモードとした。
図11に示したように中間調表示における応答時間(立
ち上がり時間、減衰時間)の違いを利用して、二値画像
表示で実質的にτoff −τonの異なる条件を設定し、さ
らに後述するようにして時間開口率Tapを変化させ、各
条件において動画質の主観評価を行なった。各条件での
最大輝度及び最小輝度が等しくなるように、液晶素子の
透過率条件、バックライト光源の輝度等を調整した。
たように、ライン順次に走査信号線を選択し、これに同
期して所定の情報信号を印加する駆動波形とした。図中
のVc =0V、Vg =36Vとし、例えば、TAFLC
については、Vcs=10V、Vs1 =16V、Vs2=4
Vとし、他の液晶については同じタイミングで適宜情報
信号の電圧値等を変更した。また、1フレームはいずれ
も16.8msとし、他の期間については、例えばTa
=8.4ms、Tb =8.4ms、T1 =T2=70μ
sとし、T1 を短くすることでTapを小さくし、長くす
ることでTapを大きくした。
示画像速度において、表示輝度を150cd/m2 、コ
ントラストを100:1、観察者からパネルまでの距離
を30cmとし、主観評価を行なった。その結果を図1
2に示す。図中の○は劣化が気にならない、△は劣化が
少し気になるが表示としては耐えられる、×は劣化が気
になり表示として耐えられない、をそれぞれ示す。
/2Fr =Ts =0.6、点線はTs =0.45を示
す。図12からも明らかなように、Ts ≦0.6であれ
ば動画質の改善効果が認められ、特に、Ts ≦0.45
であればほとんど劣化が気にならない程度まで動画質が
向上する。
の液晶素子に、図5に示した点滅回路を有するバックラ
イト光源を組み合わせて用いた。バックライト光源のL
EDのRはGaAlAs、G及びBはGaNを用い、各
色の電圧は、Rが約14V、G及びBが約25V、電流
値は最大20mAとした。
g =36V、Vcs=10V、Vs1=16V、Vs2=4V
とし、1フレームを16.8msに固定し、各期間につ
いては例えば、Fa =4.8ms、Fb =12ms、T
1 =40μm、T3 =1msと設定し、T1 とT3 を長
くすることでTapを小さくし、短くすることでをTapを
大きくした。さらに、点滅回路を調節することによって
バックライト光源の応答時間τon、τoff を調整し、二
値画像表示でTapとτoff −τonの異なる条件を設定し
て各条件における動画質の主観評価を行なった。各条件
での最大輝度及び最小輝度が等しくなるように、液晶パ
ネルの透過率条件やバックライト光源の輝度等を調整し
た。尚、Tapとτoff −τonの組み合わせは実施例1と
同じになるように設定した。
示画像速度において、表示輝度を150cd/m2 、コ
ントラストを100:1、観察者からパネルまでの距離
を30cmとし、主観評価を行なった。
じであれば実施例1と同じ評価が得られ、Ts ≦0.6
であれば動画質の改善効果が認められ、特に、Ts ≦
0.45であればほとんど劣化が気にならない程度まで
動画質が向上することがわかった。
160×120、画素サイズ300μm角)と、実施例
1の液晶素子と同じ構造で画素数480×360、画素
サイズ100μm角の液晶素子を作製し、実施例1と同
様にしてTapとτoff −τonを変化させ、動画質への画
素サイズSz(m)の影響を調べた。
し、画素サイズについては、上記2種類の画素サイズの
素子とそれらに表示する表示画像を拡大することで調整
を行った。例えば、画素サイズ300μm角の素子の場
合、2×2画素を1画素としてみなして表示を行なうこ
とで実質的に画素サイズを600μm角とする。ドライ
バーから送られる動画像のデータ速度は全ての画素サイ
ズで等しくした。従って、観察者が見る表示画像の速度
は画素サイズが大きくなるに従って速くなる。
画素サイズ300μm角で平均12°/sであった。液
晶表示装置の表示条件は、表示輝度約150cd/m
2 、コントラスト約100:1、観察者からパネルまで
の距離は30cmとした。
(a)はTap=0.2、(b)はTap=0.3、(c)
はTap=0.4、(d)はTap=0.5である。図中の
○は劣化が気にならない、△は劣化が少し気になる、×
は劣化が気になる、をそれぞれ示す。
10-6)=0.6、点線はTs ×Sz/(300×10
-6)=0.5を示す。図13からも明らかなように、T
s ×Sz/(300×10-6)≦0.6であれば動画質
の改善効果が高く、特に、Ts ×Sz/(300×10
-6)≦0.5であればほとんど劣化が気にならない程度
まで動画質が向上する。
うち、TAFLCのものを用い、実施例2と同様のバッ
クライト光源を組み合わせ、実施例2と同様にしてTap
とτoff −τonを変化させ、動画質への画素サイズSz
(m)の影響を調べた。
し、画素サイズについても実施例3と同様に、上記2種
類の素子とそれらに表示する表示画像を拡大することで
調整を行った。ドライバーから送られる動画像のデータ
速度は全ての画素サイズで等しくした。従って、観察者
が見る表示画像の速度は画素サイズが大きくなるに従っ
て速くなる。
画素サイズ300μm角で平均12°/sであった。液
晶表示装置の表示条件は、表示輝度約150cd/m
2 、コントラスト約100:1、観察者からパネルまで
の距離は30cmとした。
じであれば実施例1と同じ評価が得られ、Ts ×Sz/
(300×10-6)≦0.6であれば動画質の改善効果
が高く、特に、Ts ×Sz/(300×10-6)≦0.
5であればほとんど劣化が気にならない程度まで動画質
が向上することがわかった。
い、実施例1と同様にしてTapとτoff −τonを変化さ
せ、さらにバックライト光源の輝度や液晶の透過率を変
化させることにより、動画質への輝度Br(cd/m
2 )の影響を調べた。画像は実施例1と同じ二値表示画
像とした。
平均12°/sであった。液晶表示装置の表示条件は、
コントラスト約100:1、観察者からパネルまでの距
離は30cmとした。
(a)はTap=0.2、(b)はTap=0.3、(c)
はTap=0.4、(d)はTap=0.5である。図中の
○は劣化が気にならない、△は劣化が少し気になる、×
は劣化が気になる、をそれぞれ示す。
1.3、点線はTs ×log(Br)=1.0を示す。
図14からも明らかなように、Ts ×log(Br)≦
1.3であれば動画質の改善効果が高く、特に、Ts ×
log(Br)≦1.0であればほとんど劣化が気にな
らない程度まで動画質が向上する。
い、実施例2と同様にしてTapとτoff −τonを変化さ
せ、さらにバックライト光源の輝度や液晶の透過率を変
化させることにより、動画質への輝度Br(cd/m
2 )の影響を調べた。画像は実施例2と同じ二値表示画
像とした。
平均12°/sであった。液晶表示装置の表示条件は、
コントラスト約100:1、観察者からパネルまでの距
離は30cmとした。
じであれば実施例5と同じ評価が得られ、Ts ×log
(Br)≦1.3であれば動画質の改善効果が高く、特
に、Ts ×log(Br)≦1.0であればほとんど劣
化が気にならない程度まで動画質が向上することがわか
った。
い、実施例1と同様にしてTapとτoff −τonを変化さ
せ、さらにバックライト光源の輝度や液晶の透過率、偏
光板配置を変化させることにより、動画質へのコントラ
ストCrの影響を調べた。画像は実施例1と同じ二値表
示画像とした。
平均12°/sであった。液晶表示装置の表示条件は、
表示輝度約150cd/m2 、観察者からパネルまでの
距離は30cmとした。
(a)はTap=0.2、(b)はTap=0.3、(c)
はTap=0.4、(d)はTap=0.5である。図中の
○は劣化が気にならない、△は劣化が少し気になる、×
は劣化が気になる、をそれぞれ示す。
1.2、点線はTs ×log(Cr)=0.9を示す。
図15からも明らかなように、Ts ×log(Cr)≦
1.2であれば動画質の改善効果が高く、特に、Ts ×
log(Cr)≦0.9であればほとんど劣化が気にな
らない程度まで動画質が向上する。
い、実施例2と同様にしてTapをτoff −τonを変化さ
せ、さらにバックライト光源の輝度や液晶の透過率、偏
光板配置を変化させることにより、動画質への輝度Cr
の影響を調べた。画像は実施例2と同じ二値表示画像と
した。
平均12°/sであった。液晶表示装置の表示条件は、
表示輝度約150cd/m2 、観察者からパネルまでの
距離は30cmとした。
じであれば実施例7と同じ評価が得られ、Ts ×log
(Cr)≦1.2であれば動画質の改善効果が高く、特
に、Ts ×log(Cr)≦0.9であればほとんど劣
化が気にならない程度まで動画質が向上することがわか
った。
液晶の応答速度やバックライト光源の応答速度に応じた
動画質の改善を図ることができるため、一定レベル以上
の良好な動画質を得ることができる。またさらに、画素
サイズや表示輝度、コントラストにも対応して動画質の
改善を図ることができるため、細かな構成上の設計変更
にも対応して常に良好な動画質を表示することができ
る。よって、テレビジョン等の動画質が中心となる表示
装置にも本発明の液晶表示装置を好ましく適用すること
ができる。
ある。
図である。
断面模式図である。
の断面模式図である。
図である。
る。
る。
率特性を示す図である。
電圧による応答時間の変化を示す図である。
チック液晶の印加電圧による応答時間の変化を示す図で
ある。
ック液晶の印加電圧による応答時間の変化を示す図であ
る。
びTapが異なる条件での動画質の主観評価を示す図であ
る。
Tap、及び画素サイズが異なる条件での動画質主観評価
を示す図である。
Tap、及び輝度が異なる条件での動画質主観評価を示す
図である。
Tap、及びコントラストが異なる条件での動画質主観評
価を示す図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 一対の基板間に液晶を挟持し、複数の画
素を有する液晶素子と、該液晶素子の駆動回路を有する
液晶表示装置であって、 任意の画素において、1フレーム期間を連続する第1の
期間と第2の期間に分割し、上記第1の期間において第
1の輝度を表示し、上記第2の期間においては上記第1
の輝度以下の第2の輝度を表示し、1フレーム期間をF
r 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口
率Tap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時
に、0%表示状態から100%表示する際に輝度が0%
から90%に達する立ち上がり期間をτon、100%表
示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%
に減衰する期間をτoff とした時に、 Tap+(τoff −τon)/2Fr =Ts ≦0.6 となるように設定したことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】 上記第1の期間において、液晶層を画像
情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、
第2の期間において、液晶層を第1の透過率以下の透過
率状態とすることにより第2の輝度を表示し、該液晶層
の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時
に、上記τonが0%透過率状態から100%透過率に転
移する際に透過率が0%から90%に達する立ち上がり
期間であり、τoff が100%透過率状態から0%透過
率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰す
る期間である請求項1記載の液晶表示装置。 - 【請求項3】 上記Ts が0.45以下である請求項2
記載の液晶表示装置。 - 【請求項4】 上記Ts と表示単位画素の横方向の長さ
Sz(m)との関係が、 Ts ×Sz/(300×10-6)≦0.6 である請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項5】 上記Ts と輝度Br(cd/m2 )の関
係が、 Ts ×log(Br)≦1.3 である請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項6】 上記Ts とコントラストCrとの関係
が、 Ts ×log(Cr)≦1.2 である請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項7】 上記液晶素子が、画素毎にアクティブ素
子を有するアクティブマトリクス型の液晶素子である請
求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項8】 上記液晶が、自発分極を有するスメクチ
ック液晶である請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項9】 上記液晶がネマチック液晶であり、上記
液晶素子において該液晶が、基板との界面において液晶
分子がプレチルト角を有し、液晶層の基板の法線方向の
中央部における液晶分子が該法線方向に平行である、ベ
ンド配向状態をとる請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項10】 上記液晶表示装置が、バックライト光
源を備えた透過型の液晶表示装置であり、該光源を連続
点灯して用いる請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項11】 上記第2の輝度の最小値が0%である
請求項2記載の液晶表示装置。 - 【請求項12】 上記液晶表示装置が、バックライト光
源を備え、上記第1の期間において、該光源を点灯し画
像情報に応じた透過率状態の液晶層に該光源からの光を
照射して第1の輝度を表示し、第2の期間において、該
光源を非点灯して第2の輝度を表示し、上記τonが、該
光源を非点灯状態から点灯した際に該光源の輝度が0%
から90%に達する立ち上がり期間であり、上記τoff
が、該光源を点灯状態から非点灯した際に該光源の輝度
が100%から10%に減衰する期間である請求項1記
載の液晶表示装置。 - 【請求項13】 上記Ts が0.45以下である請求項
12記載の液晶表示装置。 - 【請求項14】 上記Ts と表示単位画素の横方向の長
さSz(m)との関係が、 Ts ×Sz/(300×10-6)≦0.6 である請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項15】 上記Ts と輝度Br(cd/m2 )の
関係が、 Ts ×log(Br)≦1.3 である請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項16】 上記Ts とコントラストCrとの関係
が、 Ts ×log(Cr)≦1.2 である請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項17】 上記液晶素子が、画素毎にアクティブ
素子を有するアクティブマトリクス型の液晶素子である
請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項18】 上記液晶が、自発分極を有するスメク
チック液晶である請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項19】 上記液晶がネマチック液晶であり、上
記液晶素子において該液晶が、基板との界面において液
晶分子がプレチルト角を有し、液晶層の基板の法線方向
の中央部における液晶分子が該法線方向に平行である、
ベンド配向状態をとる請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項20】 上記第2の輝度の最小値が0%である
請求項12記載の液晶表示装置。
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1998
- 1998-06-30 JP JP18428898A patent/JP3337981B2/ja not_active Expired - Fee Related
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