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JP3318246B2 - ファンモータ診断方法及び診断装置 - Google Patents

ファンモータ診断方法及び診断装置

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JP3318246B2
JP3318246B2 JP32986197A JP32986197A JP3318246B2 JP 3318246 B2 JP3318246 B2 JP 3318246B2 JP 32986197 A JP32986197 A JP 32986197A JP 32986197 A JP32986197 A JP 32986197A JP 3318246 B2 JP3318246 B2 JP 3318246B2
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徹 杉原
健二 西原
賢哉 松本
浩 越智
治男 家田
紀男 三好
輝茂 宇都宮
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Shikoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Shikoku Instrumentation Co Ltd
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Shikoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Shikoku Instrumentation Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファンモータの診
断方法及び診断装置に係わり、特に偏荷重の小さい回転
部分を有するファンモータの診断に好適な診断方法及び
診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービン,発電機,水車,圧延機な
どの軸受の診断装置として、例えば特公平5−70777号公
報に記載のように、アコーステイックエミッション(以
下AEという)を利用することが提案されている。ま
た、特公平5−69461号に記載のように、回転中に偏荷重
が作用するロータリーコンプレッサの摺動部の診断にA
Eを利用することが提案されている。又、特開平2−236
447 号公報,特開平8−261995号公報に記載のように、
ロータリーコンプレッサにおいて、被検体より発生する
AE信号を包絡線検波し、AE信号の発生数を検出する
計数手段が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公平5−70777号公報
に記載のような蒸気タービン,発電機,水車,圧延機な
どの軸受の診断装置では、診断対象となる機器の軸受荷
重が非常に大きく、また、特公平5−69461号に記載のよ
うなロータリーコンプレッサでは、1回転中に1回又は
数回偏った荷重が作用するといった特殊性があり、公知
の診断方法を偏荷重の小さいファンモータの回転部の診
断にそのまま利用出来ないという問題がある。特に、フ
ァンモータの軸受部の劣化の進行とAE信号の変化が従
来の重荷重の機器、あるいは1回転中に1回又は数回偏
った荷重が作用するものとは異なった挙動を示すこと
が、発明者等の実験結果から判明した。
【0004】本発明の目的は、軽荷重の回転部分を有す
るファンモータが回転停止に至る前の状態を確実に判定
することができるファンモータの診断方法及び診断装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ファンモー
タの回転部から検出したAE信号を用いて、診断パラメ
ータとして波形平均レベル,波形変動幅,単位時間当た
りの突発波の発生数を求め、これらのパラメータを予め
定められた設定値と比較し、継続仕様に問題のない定常
状態,異常状態に近づいている要注意状態,回転停止に
至る直前の異常状態等の状態に判定することにより達成
される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1から図6
により説明する。図1は、本実施例のファンモータ診断
装置の構成を示す図、図2は、ファンモータの寿命加速
試験したときのモータの回転部の弾性波信号の経時的変
化を示す図、図3は、包絡線検波されたAE信号を示す
図、図4は、診断部56内で行われる診断のフローを示
す図、図5は、正常なモータのAE信号の経時変化を示
す図、図6は、ロックに至ったモータのAE信号の経時
変化を示す図である。
【0007】本実施例のファンモータ診断装置は、次の
ように構成されている。ファンモータ50の軸受部近傍
には弾性波検出センサ51(以下、AEセンサ51とい
う)が取付けられており、弾性波検出センサ51は、フ
ァンモータ診断装置70の増幅部52に接続されてい
る。ファンモータ診断装置70は、この増幅部52,増
幅部52に接続された波形処理部53,波形処理部53
に接続されたA/D変換器54,A/D変換器54に接
続されたパラメータ算出部55,パラメータ算出部55
に接続された診断部56,診断部56に接続された表示
部57を備えている。表示部57は、出力部である出力
部58に接続される一方、パソコン59と接続できるよ
うになっている。
【0008】AEセンサ51の出力信号は、ファンモー
タ診断装置70の増幅部52に取り込まれる。ここで、
モータの回転部の弾性波信号を、以下AE信号ともい
う。増幅部52で増幅された波形信号は、波形処理部5
3で包絡線検波処理がなされ、AEセンサ51の出力信
号を包絡線信号に変換する。ここで、AEセンサ51の
信号を包絡線信号に変換するステップを省略することも
でき、AEセンサ51の出力信号を増幅した信号で以降
の処理を行ってもほぼ同様の結果が得られるが、この包
絡線検波処理を行うことにより、この後の信号処理にお
いてメモリー容量を軽減するのに役立つ。
【0009】包絡線信号は、A/D変換器54でデジタ
ル信号に変換され、図示を省略したがRAM内に所定の
期間記憶されている。パラメータ算出部55では、後述
する方法によってAEセンサ51で検出された信号の波
形平均レベル,波形変動幅,突発波の発生数が計算され
る。診断部56では、パラメータ算出部55で計算され
たこれらのパラメータは、予め設定されている設定値と
を比較し、その結果によって診断対象であるファンモー
タ50が定常状態,要注意状態,異常状態のいずれに属
するかを表示部57に表示する。表示部57の表示結果
は、ファンモータ診断装置70に接続された出力部58
によりプリントアウトされる。
【0010】又、ファンモータ診断装置70には、パー
ソナルコンピュータ59(以下パソコン59という)が
データバスを介して接続されており、パソコン59内に
インストールされた傾向管理ソフト60によって各診断
対象機器毎の診断結果のトレンド等が作成される。
【0011】ファンモータの寿命加速試験したときのモ
ータの回転部の弾性波信号の経時的変化を示した図2の
うち、図2(a)は、新品の状態にあるモータが回転し
ているときの波形を示している。図2(b)は、時間が
経過した時の波形を示しており、図2(c)はさらに時
間が経過した時の波形を示している。図2(b),図2
(c)に示したそれぞれのパターンの波形が現れるまで
の時間にばらつきはあるものの、この傾向は、ファンモ
ータの型式,大きさが代わっても同様であった。このこ
とは、ファンモータにおいては回転部の劣化の進行はA
E信号のパターンを見ることである程度予想が付くこと
を示している。
【0012】本発明者等の知見によれば、先ずグリース
等の潤滑油が劣化して軸と軸受の間で金属間の接触が起
こり、軸受部の劣化が生じ、このためAE信号に図2
(d)に示すような不規則な突発波が表れる。金属間の
接触により摺動面が荒れるが、時間の経過に伴って面の
凹凸がなくなり、図2(e)に示すように、突発波の発
生が少なくなる。しかし、摺動面の間隙が大きくなるの
で、AE信号の波形平均レベルは、徐々に大きくなる。
図2(f)には、10倍の加速試験で約1年間(実働1
0年間に相当)経過したものの波形を示しているが、こ
のような状態になるともはや回転停止(ロック)に至る
のは時間の問題である。
【0013】この加速試験の結果から、ファンモータの
診断のためのパラメータとしては、AE信号の波形平均
レベルの他に波形変動幅、突発波の発生数を加味すれば
より精度の高い診断が行えることが分かった。
【0014】このような加速試験の結果から、次にファ
ンモータの診断方法について以下詳細に説明する。ま
ず、パラメータ算出部55で計算されるパラメータにつ
いて例を用いて説明する。図3に示す包絡線検波された
AE信号の所定時間(例えば0.4秒間)の平均値を求
め、この平均値を連続して所定回数分(例えば6回分)
平均したものを波形平均レベルとする。この波形平均レ
ベルは、0.4 秒×6回の取り込み時間と同じ時間であ
る2.4 秒間連続して取り込んだAE信号の時間平均値
とほぼ等しくなるので、2.4 秒間の時間平均値で代用
しても良い。図3に示す例では、波形平均レベルは、
0.317V と計算される。
【0015】波形変動幅は、所定回数(例えば6回)取
り込んだ各平均値の最大値と最小値との差として計算さ
れる。図3に示す例では0.4V となる。この波形変動
幅もある時間内(例えば2.4 秒間)のAE信号の最大
値と最小値の差として計算することもできる。但し、こ
の場合は、傾向としては前述の平均値の差と同じになる
が絶対値は異なるので後述する基準となる設定値を変更
する必要がある。
【0016】突発波の発生数は、包絡線検波信号の最低
値に係数をかけた値をスライスレベルとして、このスラ
イスレベルを超えた突発波の単位時間当たりの数をカウ
ントすることにより求める。この突発波の発生数の計数
については、特開平2−236447号公報にAE信号の計数
手段が述べられており、本実施例の突発波の発生数の計
数手段もこの方法と同じ方法で行っている。
【0017】診断部56内では、図4に示す診断のフロ
ーに従って診断が行われる。診断を開始すると、まずA
Eの波形平均レベルが第一の設定値aV以上かどうかを
ステップ20で判定する。第一の設定値aVは、例えば
0.5V になっており、平均レベルがこれ以上であると
変動幅や突発波を見るまでもなく異常状態と判定する。
平均レベルがaV以下のときは、ステップ22で波形変
動幅が設定値bV以上かどうかを判定する。この変動幅
の設定値は例えば0.17V に設定されている。変動幅
がbV以上であると平均レベルがaV以下であっても、
そのモータの劣化は進行しており、異常状態にあると判
定する。異常状態とは、回転停止が何時起こるかも知れ
ない状態であり、ファンモータを交換すべき時期にきて
いることを示している。変動幅がbV以下ならステップ
24において、AE波形平均レベルを第二の設定値cV
と比較する。平均レベルがcV以上であれば、ステップ
26で突発波の発生数を第一の設定数e個以上かどうか
を判定する。突発波の発生数がe個以上ならば異常状態
と判定し、それ以下なら要注意状態と判定する。要注意
状態とは、すぐには回転停止には至らないが、このまま
運転を継続すれば近い将来ロックに至るというものであ
る。本実施例では、設定数eは、例えばデータの1回の
取り込時間(2.4 秒)当たり50個に設定されてい
る。
【0018】AE波形の平均レベルがcV以下のとき
は、定常状態と判定する。この定常状態とは、新品の状
態に比べると少し回転部の劣化が生じている状態である
が、そのまま使用しても当分の間(次の点検時期まで)
何等問題が生じないという状態である。図4に示すフロ
ーでは、定常状態の中をステップ28において突発波の
発生数により2つの状態に分けている。即ち、発生数が
第一の設定値より小さいd個より大きいときは、注意状
態とし、それ以下のときは正常状態としている。本実施
例でdは、発生数の第一の設定値は、例えば25に設定
されている。
【0019】本実施例では、ファンモータの状態を4つ
の状態に分けて判別しているが、正常と注意状態とはモ
ータを使用する上で特別に区別する必要がないことが多
い。すなわち、定常,要注意,異常等の任意の数の状態
に区別することにより、使用者にモータの交換時期をロ
ックが生じる前に知らせることができることが本質的で
ある。
【0020】図5及び図6は、1年半にわたる寿命促進
試験(実働5年に相当)において、波形平均レベル,突
発波の発生数,波形変動幅を月毎に測定したデータを示
しており、図5は、1年半経過後も何の異常もなかった
モータの例である。このモータでは、波形平均レベルは
cV以下である、突発波の発生数も極めて少なく、変動
幅もbV以下であった。
【0021】図6は、寿命試験の終了間際でロックを引
き起こしたモータの測定結果例を示している。このモー
タでは試験開始から8ヶ月までは波形平均レベル,突発
波の発生数,変動幅はともに小さいがその後、増加減少
を繰り返しながら全体としては増加する傾向を示し、つ
いにはロックに至っている。
【0022】この測定値を基にして図4に示す判断アル
ゴリズムで各時点のモータの状態を判定すると、図6に
記入したように注意から要注意を経て異常状態に移行し
ている。つまり、異常状態の前には、平均レベルが比較
的低く突発波の発生数が多くなる状態のあることが確認
され、異常状態に至る前の要注意状態を図4に示す方法
で判断することができることが確認された。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば負荷の軽いファンモータの劣化の状態を定常状
態,要注意状態,異常状態等の任意の数の状態に判別出
来るので、使用者にとってモータの交換時期を適切に知
らしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるファンモータ診断装置
の構成を示す図である。
【図2】ファンモータの寿命加速試験したときのモータ
の回転部の弾性波信号の経時的変化を示す図である。
【図3】包絡線検波したAE信号を示す図である。
【図4】診断のフローを示す図である。
【図5】正常なモータのAE信号の経時変化を示す図で
ある。
【図6】ロックに至ったモータのAE信号の経時変化を
示す図である。
【符号の説明】
51…弾性波検出センサ、53…波形処理部、54…A
/D変換器、55…パラメータ算出部、56…診断部、
57…表示部、58…出力部、59…パソコン、70…
ファンモータ診断装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 善之 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 杉原 徹 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 西原 健二 香川県高松市中央町5番31号 株式会社 日立製作所 四国支社内 (72)発明者 松本 賢哉 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力 株式会社内 (72)発明者 越智 浩 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力 株式会社内 (72)発明者 家田 治男 香川県仲多度郡多度津町若葉町12番56号 四国計測工業株式会社内 (72)発明者 三好 紀男 香川県仲多度郡多度津町若葉町12番56号 四国計測工業株式会社内 (72)発明者 宇都宮 輝茂 香川県仲多度郡多度津町若葉町12番56号 四国計測工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−189644(JP,A) 特開 平8−261995(JP,A) 特開 平2−205728(JP,A) 特開 昭64−91033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28 G01M 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ファンモータから発生する弾性波を検出
    し、検出された弾性波の信号を包絡線検波し、該包絡線
    検波された信号から波形平均レベルと波形変動幅と単位
    時間当たりの突発波の発生個数を求め、該求められた波
    形平均レベルと波形変動幅と単位時間当たりの突発波の
    発生個数からファンモータを交換する否かを判定するこ
    とを特徴とするファンモータの診断方法。
  2. 【請求項2】ファンモータから発生する弾性波を検出
    し、検出された弾性波の信号を包絡線検波し、該包絡線
    検波された信号から波形平均レベルと波形変動幅と単位
    時間当たりの突発波の発生個数を求め、該求められた波
    形平均レベルと波形変動幅と単位時間当たりの突発波の
    発生個数と予め設定された設定値を比較し、ファンモー
    タの状態を定常状態,注意状態,要注意状態,異常状態
    のいずれかを判定することを特徴とするファンモータの
    診断方法。
  3. 【請求項3】前記波形平均レベルが第一の設定値以上、
    波形平均レベルが第一の設定値以下で波形変動幅が予め
    設定した値以上、もしくは波形平均レベルが第一の設定
    値以下で第二の設定値よりも大きくかつ突出波の発生個
    数が第一の設定数以上のときはファンモータの異常状態
    と判定し、波形平均レベルが第一の設定値以下で第二の
    設定値よりも大きくかつ突発波の発生個数が第一の設定
    数以下のときは要注意状態と判定し、波形平均レベルが
    第二の設定値以下のときは定常状態と判定する請求項2
    に記載のファンモータの診断方法。
  4. 【請求項4】前記定常状態と判定された場合、前記突発
    波の発生個数が第一の設定値以下で第二の設定値よりも
    大きいとき注意状態と判定し、第二の設定値以下のとき
    正常状態と判定するようにした請求項3に記載のファン
    モータの診断方法。
  5. 【請求項5】前記検出された弾性波の信号を包絡線検波
    する代わりに、前記弾性波の信号から直接波形平均レベ
    ルと波形変動幅と単位時間当たりの突発波の発生個数を
    求める請求項1から4のいずれかに記載のファンモータ
    の診断方法。
  6. 【請求項6】ファンモータから発生する弾性波を検出す
    るセンサと、該センサで検出された信号を包絡線信号に
    変換する波形処理部と、該波形処理部の出力信号から波
    形平均レベルと波形変動値と単位時間当たりに発生する
    突発波の平均発生数を計算するパラメータ算出部と、該
    パラメータ算出手段で計算された値と予め設定された設
    定値とを比較してファンモータが定常状態,要注意状
    態,異常状態のどの状態にあるかを判定する診断部と、
    該診断部で判定された診断結果を出力する出力部とを備
    えたことを特徴とするファンモータの診断装置。
  7. 【請求項7】前記診断部は、前記波形平均レベルが第一
    の基準値以上、前記波形平均レベルが第一の基準値以下
    で波形変動幅が予め設定した値以上、もしくは波形平均
    レベルが第一の基準値以下で第二の設定値よりも大きく
    かつ突出波の発生個数が第一の設定値以上のときはファ
    ンモータの異常状態と判定し、波形平均レベルが第一の
    設定値以下で第二の設定値よりも大きくかつ突発波の発
    生個数が第一の設定数以下のときは要注意状態と判定
    し、波形平均レベルが第二の設定値以下のとき定常状態
    と判定する請求項6に記載のファンモータ診断装置。
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