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JP3303758B2 - 投影露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

投影露光装置及びデバイスの製造方法

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JP3303758B2
JP3303758B2 JP36896897A JP36896897A JP3303758B2 JP 3303758 B2 JP3303758 B2 JP 3303758B2 JP 36896897 A JP36896897 A JP 36896897A JP 36896897 A JP36896897 A JP 36896897A JP 3303758 B2 JP3303758 B2 JP 3303758B2
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章義 鈴木
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は投影露光装置及びデ
バイスの製造方法に関し、例えばICやLSI等の半導
体デバイスやCCD等の撮像デバイスや液晶パネル等の
表示デバイスや磁気ヘッド等のデバイスを製造する際
に、マスクやレチクル(以下「レチクル」と総称す
る。)面上の電子回路パターンをウエハー面上に投影光
学系を介して投影露光又は走査露光し、高集積度のデバ
イスを得るリソグラフィー工程に好適なものである。
【0002】特にレチクルとウエハとを高精度に位置合
わせ(アライメント)をしてレチクル面上の電子回路パ
ターンを高集積度にシリコンウエハ面上に投影露光する
場合に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスや液晶パネル
等をフォトリソグラフィー技術を用いて製造する際に
は、レチクル面上のパターンを投影光学系を介してフォ
トレジスト等が塗布されたウエハー又はガラスプレート
等の感光基板上に露光転写する投影露光装置(ステッパ
ー)が使用されている。
【0004】特に最近の半導体技術は微細化が進んでお
り、例えば線幅が0.25μmから更に細かなパターン
までの解像が議論の対象となっている。この中で中心的
役割を果たしている技術がステッパーに代表される光露
光技術である。光露光技術の性能の指標となる投影レン
ズ(投影光学系)の性能には大きく分けて3つの方向性
がある。すなわち短波長化,大画面化,そして高NA化
である。短波長の観点では次世代技術としてArFエキ
シマレーザからの光を用いたリソグラフィの開発も盛ん
に行われている。
【0005】光露光技術で重要な項目の1つに常に同一
の光学性能を保つという項目がある。ArFエキシマレ
ーザからのリソグラフィでは、使用できる硝材に光の吸
収があり、その光の吸収によって投影光学系の光学性能
が変化することが知られている。光の吸収については既
にi線等の光を用いたリソグラフィでも知られている。
ArFエキシマレーザを用いたステッパーでは投影光学
系の焦点深度が小さくなるため、光学性能を従来より高
精度に制御することが必要とされている。このような光
学性能の制御の中に投影光学系の諸収差がある。この諸
収差の中で補正が最も困難な収差に軸上非点収差や像面
湾曲、そして3次のディストーションや高次のディスト
ーションがある。そして更に対象物自体の持つ非回転対
称な倍率の補正も新たに問題となる。
【0006】次に軸上非点収差について例をあげて説明
する。ウエハ面上の露光する領域を大きくするために最
近では照明領域をスリット形状とし、該スリット形状に
対しレチクルとウエハを同期させながら走査するスキャ
ナーと呼ばれる走査型の投影露光装置の開発が盛んであ
る。このようなスリット形状の露光光を用いるとスリッ
トの形状が回転対称でない為、硝材の光吸収により光軸
に関して非対称な熱分布が生じ投影光学系に非点収差
(軸上非点収差)が発生してくる。
【0007】しかしながら従来の投影露光装置で用いて
いる投影光学系には露光光の吸収による非対称な諸収差
の発生を該投影光学系の光学性能を変化させて補正する
手段が適用されておらず、露光光の吸収の影響による非
対称の非点収差については有効に補正することができな
かった。このため従来は投影光学系に入射する露光光の
量を制限して、諸収差の発生を少なくする等消極的な対
策が取られていたに過ぎなかった。
【0008】次に像面湾曲について説明する。投影光学
系が露光光を吸収し、それによって生じる像面湾曲の変
化を補正する方法としては、像面湾曲がペッツバール和
に関係するためレンズやミラー等の光学素子のパワー
(屈折力)を変える方法が知られている。しかしながら
従来より屈折力を可変とした光学素子を投影露光装置の
投影光学系に適用することがなされておらず、露光光の
吸収の影響を有効に補正することができなかった。この
ため従来は投影光学系に入射する露光光の量を制限し
て、諸収差の発生を少なくする等の消極的な対策が取ら
れていたに過ぎなかった。
【0009】次に非回転対称の倍率について説明する。
半導体素子を製造する為の光露光技術に求められている
ファクターとして高解像力化の他に何層にもわたって重
ね合わされるパターン間相互の位置合わせ精度がある。
【0010】位置合わせの方法として一般によく用いら
れているのはグローバルアライメントと呼ばれる手法で
ある。グローバルアライメントの誤差は大きくは焼き付
けられる各ショット間相互の誤差であるインターショッ
ト成分と、各ショット内部の誤差であるイントラショッ
ト成分とに分けられる。最近は画面サイズが大きくなり
イントラショット成分の誤差をいかに小さく抑えるかが
大きな問題となっている。実際のウエハーではプロセス
により非対称な歪が発生する。
【0011】例えば22mmの画面サイズに対して非対
称で補正できない成分として倍率で2ppmの誤差があ
れば 22mm×2ppm=44nm の誤差となり、線幅0.25μmの解像性能に対してこ
れだけで1/5x近くの値を持つことになる。重ね合わ
せのバジェットから見てこの値は許容外であることは明
らかで、イントラショット成分を抑えていくのが光露光
装置の大きな課題となっている。
【0012】ディストーションについては倍率と3次の
ディストーションを制御する方法については公知の手段
がある。例えば投影光学系内の複数個の素子を光軸方向
に移動させる、光学素子間に封入されている気体の圧力
を変えるなどの手法である。倍率は光学系の基本量なの
で他の収差に変動を与えずに変化させることが可能であ
るが、3次のディストーションの補正については移動に
伴う収差の変化や、調整範囲が少ない等の問題があり、
設計当初から補正を考慮した設計を行う必要がある。特
に昨今、変形照明法あるいは位相シフトマスクなどの像
改良という名で総称される各種の結像法が採用される
と、各結像法同士でのディストーションのマッチングが
問題となる。この場合、設計に負荷をかけずに任意に3
次のディストーションを制御する技術の確立が大きな課
題である。
【0013】次に高次のディストーションについて説明
する。走査型の投影露光装置では走査(スキャン)によ
って非対称な倍率差、例えば光軸に対して直交する方向
にとられたx軸とy軸の倍率差を補正することができ
る。又、走査する方向については走査に伴う平均化効果
でディストーションの平均化が行われている。例えばス
リットがx方向に長く、走査がy軸方向に行われるとす
ると、走査した結果はy方向の倍率が走査の同期を制御
することで調整され、所謂3次,5次といった光学的デ
ィストーションはスリット内の平均化で小さい値に抑え
られている。
【0014】しかしながら、x方向についての平均化は
なされないので、光学的にディストーションを高精度に
制御する必要がある。公知の技術で倍率、3次のディス
トーションを補正した時に最も問題となるのが5次以上
の高次ディストーションである。これを補正することは
大きな課題といえる。
【0015】マスク面上のパターンをウエハ面上に投影
する投影光学系内に残存する投影光学系の光軸に対して
回転非対称な光学特性を調整可能とした投影露光装置が
特開平7−183190号公報で提案されている。
【0016】同公報では第1物体を照明する照明光学系
と、該照明光学系によって照明された前記第1物体の像
を所定の縮小倍率のもとで第2物体に投影する投影光学
系とを有する投影露光装置において、前記第1物体と前
記第2物体との間に、前記投影光学系の光軸に対して回
転非対称なパワーを持つ光学手段を配置し、前記光学手
段は、前記投影光学系に残存する前記投影光学系の光軸
に対して回転非対称な光学特性を補正するために、前記
投影光学系の光軸を中心に回転可能または前記投影光学
系の光軸に沿って移動可能に設けられる構成としてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】投影光学系が露光光を
吸収したことによる光学性能の変化を補正する方法が従
来より最も簡単な露光に伴うフォーカス補正を含め種々
となされている。しかしながら走査型の投影露光装置
(スキャナー)の時代を迎えて新たに光軸に対して非対
称な収差の発生が起こることが判明し、大きな問題点と
なろうとしている。これは照明光がスリット形状で光軸
に対して非対称、即ちスリット形状の長い方向と短い方
向で光の強度分布が異なるために起こる現象で、極端な
場合には光軸上で縦線と横線のピント差が異なる軸上非
点収差が発生する。露光負荷を大きくかけない場合には
ゼロであっても大きな露光負荷をかけると軸上非点収差
が生じることは系の不安定性を意味し、スキャナーにと
っては大きな課題となっている。
【0018】また、通常のステッパーや走査型の投影露
光装置において投影光学系が露光光を吸収したことによ
り変化する光学性能の1つに像面湾曲がある。この像面
湾曲の補正は前述したように、光学素子のパワーを変化
させて補正する方法がある。しかしながら一般に光学素
子のパワーを精度良く変化させて像面湾曲を良好に補正
するのが大変難しいという課題があった。
【0019】又高解像力化を図るためにはレチクルとウ
エハとを高精度に位置合わせすることが必要である。し
かしながら対象物体であるウエハに非対称な倍率差が発
生すると位置合わせ精度が低下してくる。
【0020】位置合わせ精度の向上には倍率の制御が問
題となるが、ステッパーで用いている投影光学系は構成
上、光軸に対して回転対称な倍率補正機能しか持ってい
ないのが通例である。しかしながら実際の半導体プロセ
スでは、焼き付けるパターンの方向性に従ってウエハー
面上にxy座標をとったときx方向とy方向、即ち縦と
横方向の工程毎の伸縮の倍率が異なる場合が存在し、総
合的な位置合わせ精度の向上に制約を与えている。従っ
て例えばx方向の伸びとy方向の伸びに2ppmの差が
あれば、上述に示したような補正残差が残ってしまうと
いう課題があった。
【0021】又、走査型の投影露光装置では走査方向に
対しては平均化という形でディストーションの値が改善
されるものの、スキャン方向と直交する方向については
平均化のメリットが得られないという欠点があった。特
にディストーションについては倍率と3次のディストー
ションを制御する方法については公知の手段がある。
【0022】例えば投影光学系内の複数個の光学素子を
光軸方向に移動させる、光学素子間に封入されている気
体の圧力を変えるなどの手法である。しかしながらこれ
ら公知の方法で5次以上の高次のディストーションを補
正することは困難であった。又、場合によっては3次の
ディストーションを補正するのも困難な場合がある。
【0023】特に昨今、変形照明法あるいは位相シフト
マスクなどの像改良という名で総称される各種の結像法
が採用されると、各結像法同士でのディストーションの
マッチングが問題となる。この場合、最も問題となる要
素は倍率と3次のディストーションが公知の手段で補正
されたとするとxとy方向の倍率差と高次のディストー
ションであることが解析の結果明らかとなった。このう
ちxとyの倍率差はスキャン系の場合、容易に補正でき
るため、高次成分を如何に補正、制御できるかが問題で
ある。
【0024】又特開平7−183190号公報で提案さ
れている投影露光装置では回転非対称なパワーを持つ光
学手段を駆動させると複数の収差が変動する為に対象と
する収差のみを補正することが難しいという問題点があ
った。
【0025】本発明は、投影系が露光光を吸収したこと
による光学性能の変化、例えば軸上非点収差,像面湾
曲,対称又は非対称な倍率、そしてディストーション等
のうち少なくとも1つを適切に設定した形状の非球面を
有する少なくとも2つの光学素子を有する光学手段を利
用することによって、他の光学性能への影響を最小限に
押えて補正し、高解像度のパターンが容易に得られる投
影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法の提供
を目的とする。
【0026】この他本発明は、焼き付ける対称であるウ
エハーの各プロセスを得た後の伸縮の状態を補正するた
めに適切に設定した形状の非球面を有する少なくとも2
つの光学素子を有する光学手段を用いることによって投
影系において非対称な補正、即ちx方向とy方向の倍率
を独立に制御することを可能とすると共に、該制御に伴
って起こる光学性能への影響を最小限に抑えた投影露光
装置及びそれを用いたデバイスの製造方法の提供を目的
とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の投影露
光装置は、マスクのパターンを基板上に投影する投影光
学系を有し、前記投影光学系は、少なくとも一方が前記
投影光学系の光軸と直交する方向に変位可能である一対
の非球面部材を有し、前記一対の非球面部材は、それぞ
れの非球面が対面するように配置され、前記一対の非球
面部材のそれぞれの非球面の形状は、前記一対の非球面
部材の非球面間の前記直交方向の位置関係が変わること
により、前記投影光学系の軸上非点収差が変化するよう
に定められ、前記少なくとも一方の非球面部材を光軸と
直交する方向に変位させることにより前記投影光学系の
軸上非点収差を調節することを特徴としている。
【0028】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、前記一対の非球面部材の夫々の非球面の形状は、前
記移動の方向をx方向と仮定して、式で表わした時にx
の3次の項を含むことを特徴としている。請求項3の発
明は請求項1の発明において、前記一対の非球面部材が
互いに逆方向に前記直交方向に移動することを特徴とし
ている。請求項4の発明は請求項2の発明において、前
記マスクと前記基板を走査しながら前記投影露光を行な
っており、前記x方向は前記走査の方向と直交している
ことを特徴としている。
【0029】請求項5の発明の撮影露光装置は、マスク
のパターンを基板上に投影する投影光学系を有し、前記
投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の光軸
と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材を有
し、前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面
するように配置され、前記一対の非球面部材のそれぞれ
の非球面の形状は、前記一対の非球面部材の非球面間の
前記直交方向の位置関係が変わることにより、前記投影
光学系の像面湾曲が変化するように定められ、前記少な
くとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向に変位さ
せることにより前記投影光学系の像面湾曲を調節するこ
とを特徴としている。
【0030】請求項6の発明は請求項5の発明におい
て、前記一対の非球面部材の夫々の非球面の形状は、前
記移動の方向をx方向と仮定して、式で表わした時にx
の3次の項を含み、又前記光学特性は該x方向に関する
前記像面湾曲を含むことを特徴としている。請求項7の
発明は請求項5の発明において、前記一対の非球面部材
が互いに逆方向に前記直交方向に移動することを特徴と
している。請求項8の発明は請求項6の発明において、
前記マスクと前記基板を走査しながら前記投影露光を行
なっており、前記x方向は前記走査の方向と直交してい
ることを特徴としている。
【0031】請求項9の発明の投影露光装置は、マスク
のパターンを基板上に投影する投影光学系を有し、前記
投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の光軸
と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材を有
し、前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面
するように配置され、前記一対の非球面部材のそれぞれ
の非球面の形状は、前記一対の非球面部材の非球面間の
前記直交方向の位置関係が変わることにより、前記投影
光学系の投影倍率が変化するように定められており、前
記少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向に
変位させることにより前記投影光学系の投影倍率を調節
することを特徴としている。
【0032】請求項10の発明は請求項9の発明におい
て、前記一対の非球面部材の夫々の非球面の形状は、前
記移動の方向をx方向と仮定して、式で表わした時にx
の3次の項を含み、又前記光学特性は該x方向に関する
前記投影倍率を含むことを特徴としている。請求項11
の発明は請求項9の発明において、前記一対の非球面部
材が互いに逆方向に前記直交方向に移動することを特徴
としている。請求項12の発明は請求項10の発明にお
いて、前記マスクと前記基板を走査しながら前記投影露
光を行なっており、前記x方向は前記走査の方向と直交
していることを特徴としている。
【0033】請求項13の発明の投影露光装置は、マス
クのパターンを基板上に投影する投影光学系を有し、前
記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の光
軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材を
有し、前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対
面するように配置され、前記一対の非球面部材のそれぞ
れの非球面の形状は、前記一対の非球面部材の非球面間
の前記直交方向の位置関係が変わることにより、前記投
影光学系の歪曲が変化するように定められており、前記
少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向に変
位させることにより前記投影光学系の歪曲を調節するこ
とを特徴としている。
【0034】請求項14の発明は請求項13の発明にお
いて、前記一対の非球面部材の夫々の非球面の形状は、
前記移動の方向をx方向と仮定して、式で表わした時に
xの5次の項を含むことを特徴としている。請求項15
の発明は請求項13の発明において、前記一対の非球面
部材の夫々の非球面の形状は、前記移動の方向をx方向
と仮定して、式で表わした時にxの7次の項を含むこと
を特徴としている。請求項16の発明は請求項13の発
明において、前記一対の非球面部材が互いに逆方向に前
記直交方向に移動することを特徴としている。請求項1
7の発明は請求項14又は15の発明において、前記マ
スクと前記基板を走査しながら前記投影露光を行なって
おり、前記x方向は前記走査の方向と直交していること
を特徴としている。請求項18の発明は請求項6の発明
において、前記投影光路中に、更に、夫々の非球面同士
が向かい合っている第2の一対の透明な非球面部材を有
し、該第2の一対の非球面部材が前記光軸と直交する方
向であって且つ前記x方向に直交するy方向に移動可能
であり、この第2の一対の非球面部材の移動によって前
記マスクのパターンを基板上に投影するときの前記y方
向に関する像面湾曲が変化し、前記第2の一対の非球面
部材の夫々の非球面の形状は、式で表わした時にyの3
次の項を含むことを特徴としている。請求項19の発明
は請求項18の発明において、前記2組の一対の非球面
部材を用いて前記マスクのパターンを基板上に投影する
ときの像面湾曲と軸上非点収差を調整することを特徴と
している。請求項20の発明は請求項18の発明におい
て、前記第2の一対の非球面部材が互いに逆方向に前記
直交方向に移動することを特徴としている。請求項21
の発明は請求項18の発明において、前記2組の一対の
非球面部材の夫々が、互いに逆方向に前記直交方向に移
動することを特徴としている。請求項22の発明は請求
項18の発明において、前記2組の一対の非球面部材の
一方の部材が、各組共通の両面が非球面の1つの部材で
あることを特徴としている。
【0035】請求項23の発明の投影露光装置は、マス
クのパターンを基板上に投影する投影光学系を有し、前
記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の光
軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材を
有し、前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対
面するように配置され、前記一対の非球面部材のそれぞ
れの非球面の形状は、前記一対の非球面部材の非球面間
の前記直交方向の位置関係が変わることにより前記一対
の非球面部材の一つの系としての屈折力が変化するよう
に定められており、前記少なくとも一方の非球面部材を
光軸と直交する方向に変位させることにより前記投影光
学系の屈折力を調節することを特徴としている。
【0036】請求項24の発明は請求項23の発明にお
いて、前記位置関係が所定の関係のときに前記一つの系
としての前記屈折力がゼロになるように前記非球面の形
状が定めてあることを特徴としている。
【0037】請求項25の発明は請求項1から24のい
ずれか1項の発明において、前記対面する非球面は、前
記一対の非球面部材が所定の位置関係にある時に一致す
るような形状を有することを特徴としている。
【0038】請求項26の発明のデバイスの製造方法
は、請求項1から25のいずれか1項記載の投影露光装
置によってデバイスパターンを基板上に転写する段階
と、該転写した基板を現像する段階を含むことを特徴と
している。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
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【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【発明の実施の形態】図1は本発明の投影露光装置の実
施形態1の要部概略図である。本実施形態は通常のステ
ッパー又は走査型(スキャンタイプ)のステッパー(投
影露光装置)に適用した場合を示している。
【0158】同図において4は露光照明系であり、第1
物体としてのレチクル(マスク)1を照明している。露
光照明系4はArFエキシマレーザー(波長193n
m)又はKrFエキシマレーザー(波長248nm)又
はg線(436nm)やi線(365nm)を発するラ
ンプのうちの何れか1つの光源と、公知の光学系等から
構成されている。
【0159】1は第1物体としてのレチクル(マスク)
である。2は屈折型又はカタジオプトリック系等の投影
光学系であり、露光照明系4によって照明されたレチク
ル1の回路パターンを第2物体としてのウエハー3(被
露光基板)に投影している。
【0160】T1は軸上非点収差を制御する機能を有す
る光学手段であり、後述するように夫々が非球面を有し
且つ石英又はホタル石より成る2つの光学素子11,1
2を有している。光学手段T1は投影光学系2の瞳付近
に配置してある。5はウエハーホルダーであり、ウエハ
ー3を保持している。6はウエハーステージであり、ウ
エハーホルダー5を載置しており、周知のxyz駆動及
びθ駆動、チルト駆動等を行っている。
【0161】7は干渉用ミラーであり、ウエハーステー
ジ6の位置を不図示の干渉計でモニターするためのもの
である。干渉計ミラー7と干渉計から得られる信号を用
いて不図示のウエハーステージ駆動制御系によりウエハ
ー3を所定の位置に位置決めして、その状態で投影露光
を行っている。
【0162】尚、本実施形態において光学手段T1と投
影光学系2はマスク1面上のパターンを基板3上に投影
する投影系の一要素を構成している。以下の各実施形態
においても同様である。
【0163】本実施形態が走査型のステッパー(投影露
光装置)であるときはレチクル1を載置している不図示
のレチクルステージとウエハーステージ6とを投影光学
系2の結像倍率に応じた速度比率で光学系2の光軸と直
交する方向に移動させて走査露光している。
【0164】本実施形態のステッパーは光学手段T1と
不図示の光学手段T1駆動手段とを投影光路中に設けて
いるのが通常のステッパー又は走査型のステッパーと異
なっており、その他の構成は基本的に同じである。
【0165】一般に露光用光源としてArFエキシマレ
ーザー(波長193nm)を用いた投影光学系では、A
rFエキシマレーザーからの光束の波長が短波長領域に
ある為、それに使用できる硝材の選択範囲が狭く、現在
のところ石英(SiO2 )と螢石(CaF2 )があるの
みである。
【0166】しかしながら石英もこの短波長領域では透
過率の点で問題があり、露光光を吸収して熱変化(光学
特性変化)を起こし結像性能を変化させる。この事情は
露光用光束としてi線(波長365nm)を用いたとき
に起きている熱変化と同じような状況である。i線では
色収差を補正するために種々の硝材を使用するが、この
中には透過率の低い硝材も含まれている。
【0167】このためにi線でも熱収差の問題が起こる
が、ArFエキシマレーザーを用いた投影光学系ではパ
ターンの微細化が進んで焦点深度が小さくなる分、状況
はより厳しくなっている。
【0168】投影系の硝材は露光光を吸収したために収
差変動を起こすが、このとき起こる収差の中で補正が難
しい収差の1つは非回転対称な成分の収差である軸上非
点収差の補正である。軸上非点収差は投影系に対する光
の通過の仕方が非回転対称であることにより生じる。投
影系に対するこの種の非回転対称性はスキャン光学系の
ときには照明光の断面形状が長方形のスリット状の光に
にって投影光学系2に当たる光束もスリット状になった
ことでより強調される。
【0169】特にスリット状の長手方向と短手方向の長
さの比は通常5前後あり、投影系の内部には非回転対称
な分布(熱分布)がステッパーの場合より強調された形
で存在する。このために発生する収差には軸上と軸外に
発生する軸上非点収差がある。
【0170】この軸上非点収差とは、投影光学系の光軸
を夫々が含み互いに直交する二断面に関してのピント位
置が異なるものである。
【0171】従来、光学系はもともとその光学特性が光
軸に対して軸対称(回転対称)になることが前提で構成
されており、露光光の吸収による光学特性の変化の非回
転対称性で軸上にまでその影響が及ぶことは想定されて
いなかった。
【0172】本発明者によれば露光による軸上非点収差
の発生は初期が大きく、露光を続けていくと吸収される
熱の拡散によりその値が小さくなることが確かめられて
いる。
【0173】一般に、半導体素子製造用の投影系におい
て、それを構成する硝材が露光光を吸収することによっ
て生じる軸上非点収差の量は僅少であるが露光するパタ
ーンがハーフミクロンとかクォーターミクロンという具
合に微細になり焦点深度が小さくなってきたときには無
視できない。
【0174】本発明者は実際に発生する軸上非点収差の
量が0.2〜0.3μmのオーダでの小さな量であるの
で、新たな機能を持った透過型の光学素子を導入して補
正する可能性があることを見出した。
【0175】本実施形態の投影系の具体的な構成として
は投影光学系の光路中に少なくとも2枚一組の非球面を
持った光学素子より成る光学手段を一つあるいは複数個
夫々の素子の非球面が対面するように挿入し、該組とな
った光学素子を光軸と直交する方向に横ずらして該方
向に関する相対位置を変化させて、これにより軸上非点
収差を調整し、補正している。組となった2枚の非球面
より成る光学素子より成る光学手段はそれの非回転対称
なパワーをずらし量に応じて発生させ、結果的に投影系
の軸上非点収差を変化させることによって補正すること
を可能としている。
【0176】特に本実施形態では露光光の吸収によって
起こる軸上非点収差の発生量が小さいことに着目し、小
さな非球面量しか持たない光学手段を利用して効果のあ
る補正を行っている。又本実施形態の光学手段は非球面
量の絶対値が小さいため、軸上非点収差の補正のみを行
ない、他の光学特性に悪影響を与えないことが可能であ
るため、収差の補正手段としても好ましい手段である。
【0177】次に本実施形態に係る軸上非点収差を補正
するための光学手段の具体的な構成について説明する。
本実施形態の光学手段は2枚組の光学素子を用いて、該
2枚の光学素子を一体のものとして考えたときに微小な
パワーが発生でき且つこのパワーが微妙に変えられるよ
うに構成したことを特徴としている。
【0178】図1の実施形態1における投影露光装置
は、このような光学手段を用いて投影光学系の軸上非点
収差を補正している場合を示している。
【0179】次に図1の実施形態1で用いた光学手段T
1の構成について説明する。図2は本実施形態の軸上非
点収差を制御する機能を有する光学手段T1の要部断面
図である。
【0180】同図において互いに向かい合って配置され
ている2つの光学素子11と12は外側の面11a,1
2aが平面であり、向き合っている面11b,12bが
同一形状の非球面であり、両方の面を重ね合わせた時、
一致するように向き合っている。尚、面11b,12b
は互いに形状が異なった非球面であっても良い。
【0181】図中Aは光軸である。光軸Aに直交する形
でx,y軸を取り、互いに向かい合っている非球面の形
状として光学素子11の非球面形状をfa(x,y)、
光学素子12の非球面形状をfb(x,y)とし、ずら
す方向をx方向とすると、両者の非球面形状は定数項だ
け異なる次の式で与えられる。即ち fa(x,y)=ax3 +bx2 +cx+d1 fb(x,y)=ax3 +bx2 +cx+d2 ‥‥‥(1a) となる。
【0182】ここでxについてのみの式となっているの
は、2つの光学素子11,12がy方向については平面
であり、x方向については非球面であり、x方向に対す
る相対位置をずらしてx方向の光学的パワー(焦点距
離)のみを制御するからである。x方向への素子の横ず
らしによって光学的なパワーを発生させるため、xは3
次の項まで用いる。
【0183】初期状態においては光学素子11の非球面
形状fa(x,y)と光学素子12の非球面形状fb
(x,y)の凹凸が完全に一致するため、光学素子11
と光学素子12より成る光学手段は光学的パワーを有さ
ず平行平面板としての働きをするに過ぎない。光学素子
11と光学素子12の間の光軸A方向の距離(即ち間
隔)は小さいほどよく例えば100μm程度の値が典型
的である。ここで光学素子11を距離Δだけx方向に動
かした場合を想定する。このときの影響はa,b,cを
各々定数とすると fa(x+Δ,y)−fb(x,y) =3aΔx2 +2bΔx+cΔ+(d1 −d2 ) +3aΔ2 +bΔ2 +aΔ3 ‥‥‥(2a) となる。
【0184】ここでΔの高次の項の影響は小さいとして
無視し、さらに実施形態の効果を理解し易くするため、
b=c=0 ‥‥‥(3a)とする。その結果
(2a)式は、簡単に次の(4a)式で表わすことがで
きる。
【0185】 fa(x+Δ,y)−fb(x,y)=3aΔx2 +(d1 −d2 ) ‥‥(4a) となる。
【0186】(4a)式がx2 の項を持っていることが
本実施形態の根幹である。このため横ずらし量Δによっ
て光学素子11,12はx方向のみに光学的パワーを持
つ光学素子となり、しかもそのパワーを横ずらし量Δに
よって自由に変えることが可能である。
【0187】横ずらしして差分をとるという作業は微分
そのものなので、非球面の形状として3次の項を入れて
おき、微分の効果で光学的パワーを与える2次の成分を
出しているのが光学素子11,12の作用である。
【0188】本実施形態では簡単のため(3a)式でb
=c=0としたが、(2a)式の2bΔxの項はシフト
分に相当する。Δはパワーを制御する目的から既知の量
となるため、シフト分については補正を行うことができ
る。b≠0としたとき、具体的にシフトが問題となるの
はアライメントの場合である。グローバルアライメント
の時には光学素子11,12というペアの光学素子の相
対位置を変化させた結果生じるシフトを逆補正するよう
にステージに指令を与えれば、この問題は回避される。
【0189】また定数cの項に適当な値を与えるとfa
(x,y),fb(x,y)で表わされる非球面に対し
平面からのずれの絶対値を小さくできる効果がある。し
たがって定数aの値によっては定数b,cをゼロにせ
ず、故意に値を与えることも効果的である。実際には定
数bはゼロとし、定数cに定数aと逆符号の値を与えて
も良い。
【0190】しかしcの値による補正は実際には干渉計
の測定時の入射光束の傾きで補正できるので、C=0と
しても問題はない。
【0191】一般に軸上非点収差が0.2〜0.3μm
前後の小さな値を補正するために要求される非球面の量
の絶対値は非常に小さい。実際に有効な量は光学素子1
1,12を置く位置にもよるがニュートン縞で数本のと
ころである。代表的な例として仮にパワー成分として発
生させる量を数本ということで1μmとし、レンズの径
を200mm、このときのずらし量Δを5mmとすると
(4a)式より、 3a×5×100×100=0.001 となり、 a=6.7×10-9 という値が得られる。
【0192】100は径が200mmなのでその半径の
値を示しているが、仮にb=c=0とすると、(1a)
式で非球面の量は 6.7×10-9×100×100×100=6.7×10-3 という値となり、±6.7μmの非球面量を光学素子1
1,12が持っている。
【0193】平面からのずれの実際量を小さくするには
これに定数cの項を加えるとよい。100mmのところ
で6.7μmの値を与える定数cの値は6.7×10
-5 なので、定数aと定数cを逆符号として c=−6.7×10-5 とすると非球面量の平面からのずれは±2.6μmにま
で減少させることができる。
【0194】図2は定数cがゼロのときの非球面の形
状、図3は定数cに上記の値を入れたときのy=0の断
面での形状である。200mmの径の中で非球面が緩や
かな形状をしており、しかも光学素子11と光学素子1
2が互いに補いあう形(相補形)をしているため、光学
素子11と光学素子12の相対位置の変化による他の収
差の発生量はほとんど無視する程度の値に抑えることが
でき、軸上非点収差のみを微小修正することができる。
【0195】場合によってはフォーカス、倍率等の他の
光学特性の微小だが補正が必要な変化が生じる場合があ
るので、この時はこの他の光学特性の補正を行えば投影
系の性能は不変と見なすことができる。
【0196】従来、軸上非点収差を、非球面を用い、且
つその量を連続的に変えながら制御するという考え方は
なく、その意味で本実施形態は高機能を要求される半導
体素子製造用の投影露光装置の更なる高機能化に寄与す
るところが大きい。
【0197】また、対象となる軸上非点収差の量が小さ
いため、使用する非球面を干渉計で計測することが容易
な量にまで小さくすることが本実施形態のもう一つのポ
イントである。
【0198】本実施形態においては相対的に横ずらしし
た2つの非球面の差分から所望の軸上非点収差を発生さ
せるため、光学素子11及び光学素子12自体の非球面
量は差分の量よりも一桁近く大きい値となる。上記の例
でいえば横ずらしによる効果として1μmの値を得るた
めに6.7μmの非球面が必要とされる。これに傾きの
最適化を行って±2.6μmまで小さくすることで干渉
計の高精度な測定域に入ってくるというのが本実施形態
を適用するに当たってのキーポイントである。非球面の
製作に当たっては面が所望する形状に正確に加工された
かの確認が重要であるが、本実施形態程度の量に抑える
ことができれば現行の技術が充分適用できる。
【0199】また補正量を小さくする(ダイナミックレ
ンジを小さくする)、又はずらし量を大きくすることで
非球面量はより小さくすることもできる。
【0200】更に本実施形態では非回転対称な光学的パ
ワーの補正を屈折作用をもつ光学素子で実現できたこと
で投影露光装置に用いられる屈折型、カタジオプトリッ
ク型の双方に対し有効な手段を提供できることも大きな
利点である。
【0201】軸上非点収差の発生の方向はスリット状の
光(以下「スリット」と呼ぶ)で露光を行うスキャンタ
イプのステッパーでは、スリットの方向性と密接な関係
がある。従って制御対象となる光学的パワーを持つ上記
のx方向はスリットの長手または短手方向と一致するよ
うに設定される。実際的にいえば図1で正方形の形状を
したレチクル1の外形の方向と一致するように設定され
る。
【0202】このような設定はステッパーにおける露光
に伴い発生する収差(露光収差)の発生時にも有効であ
る。本実施形態では軸上非点収差を簡単に説明するため
スキャンタイプのステッパーを例にとったが通常のステ
ッパーでもレチクル上のパターンが方向性を持つと、回
折光が非回転対称に分布し、軸上非点収差を発生させる
ことがある。レチクル上のパターンは回路パターンを設
計する際のCADの特性からレチクルの外形と平行なエ
ッジを持つ特性をもち、x方向をレチクルの外形と平行
に設定すると、露光収差の発生する方向とx方向を一致
することができ、発生する収差を抑えることができる。
【0203】光学素子11,12の各非球面の位置関係
を変えて調整する不図示の駆動機構は、予め投影露光装
置の本体内のCPUに記憶されている軸上非点収差の特
性の設定によって指示され駆動される。駆動量は予め実
験、あるいはシミュレーションによって装置に記憶され
た軸上非点収差の特性から、露光量、レチクルのパター
ン率、露光エネルギー等を用いて補正量を計算し、制御
することができる。また予め入力されている系の特性か
ら計算するのではなくて、投影光学系の特性を計測しな
がら駆動量を制御する方法も適用できる。軸上非点収差
の発生量は露光によるフォーカス変化と相関をもつ特性
があり、露光によるフォーカス変化量をモニタして補正
量を換算し、光学素子11及び/又は光学素子12の駆
動量を算出することも適用できる。
【0204】勿論、直接、非点収差の量を測定して、そ
の値を光学素子11,12の相対位置駆動量にフィード
バックしてもよい。
【0205】露光収差としての軸上非点収差の発生量は
時間的に変化するため、光学素子11及び/又は光学素
子12の駆動量も時間的に変化する。
【0206】また、前記実施形態の構成では一方の光学
素子をx方向にずらす方式で説明したが、これ以外に一
方をx方向にδ、もう一方をx方向に−δ移動させても
良い。この様子を図4に示す。
【0207】即ち fa(x+δ,y)−fb(x−δ,y) =2a(3δx2 +δ3 )+4bδx+2cδ+d1 −d2 であるから、先程と同様に、 b=c=0 とし、δの高次の項の影響を無視すると、 fa(x+δ,y)−fb(x−δ,y)≒6ax2 δ
+d1 −d2 となる。
【0208】従って、仮にずらし量Δ=δとするとパワ
ー変化量は2倍になる。あるいは、同じパワー変化を得
るためには係数(定数)aの値を半分にできる。これは
非球面量を半減することにつながり、形状評価を容易に
する効果をもたらす。更に、同じパワー変化を得るため
にずらし量を半分にできる。これは駆動系に設けるスペ
ースや位置決め精度に有利になる。
【0209】更に前記実施形態の構成では光学素子の一
面を非球面とする系で説明したが、非球面を両面に設け
ても良い。この様子を図5に示す。この時、光学素子2
1,22の厚みが薄いことを前提とすれば、これまでの
説明で用いた作用効果は単純に加算される。従って、す
べて同一形状の非球面の場合は前述の例と同じ光学的パ
ワーの変化を得るためには係数aの値を半分にできる。
また、当然一方の素子を駆動する方式も両方の素子を互
いに逆方向に駆動する方式でも採用できる。又、1対の
光学素子は互いに同一形状の他に互いに異なった形状の
非球面であっても良い。
【0210】当然ではあるが一組の光学素子を多数組用
いても同様の効果が得られる。その一例を図6に示す。
【0211】図7は本発明の実施形態2の要部概略図で
ある。本実施形態では光学手段T1を投影光学系2とウ
エハー3との間の光路中に配置しており、図1の実施形
態1に比べて、光学手段T1の光路中への挿入位置が異
なっており、その他の構成は同じである。
【0212】本実施形態では投影光学系2とウエハー3
の間に、これまで説明した、2つの互いに横ずらし
非球面の組み合わせより所望の非球面 (効果)を形成する光学素子を入れて軸上非点収差の補
正を行っている。光学素子自身の作用は実施形態1のと
おりであるが、本実施形態で用いる光学手段は投影光学
系2の瞳面近傍以外でも投影光学系の構成により適宜挿
入する位置を見出し、この位置に設けている。
【0213】光学手段T1の配置として投影光学系2の
瞳面近傍、及び投影光学系2とウエハー3あるいはレチ
クル1との間が好ましい。なぜならば、前記3つの箇所
は収差コントロールの独立性が高く、好適な位置である
からである。しかし投影光学系内の瞳面近傍以外の位置
にも光学手段T1を挿入可能である。
【0214】図8は本発明の実施形態3に用いる光学手
段T13のx方向断面とy方向断面の夫々についての要
部概略図である。本実施形態の投影露光装置の光学手段
T13以外の部分は図1又は図7に示す構成を有してい
る。
【0215】本実施形態の光学手段T13は3つの光学
素子21,22,23を有している。これまでの各実施
形態では非点収差の発生する方向がスリットの長手方向
や走査方向と関係があるので、一方向の光学的パワーの
補正のみを考えてきた。しかしながら軸上非点収差だけ
でなく像面湾曲の発生が無視できない場合があるので、
これにも対処するために本実施形態がある。
【0216】図8に示す光学手段T1はx方向だけでな
く、x方向に直交するy方向にも同じ光学的パワー可変
機能をつけて、x,yの2つの方向の光学的パワーを独
立に制御できるようにすることによって、像面湾曲と軸
上非点収差の双方を補正することができるようにしたも
のである。
【0217】図8において図の上方にレチクルと投影光
学系があり、図の下方にウエハがある。そして光学素子
21の上の面21aが平面で、光学素子21の下の面2
1bと光学素子22の上の面22aの夫々が互いに対面
する非球面になっており、これらが相互にy方向にずれ
ることで、y方向の光学的パワーを持つ、且つ変えられ
るようになっている。y方向の光学的パワーを制御する
原理は前述の(1a)〜(4a)式で説明したものと同
じで、ただしパラメータのxをyに交換したものとな
る。
【0218】また光学素子22の下の面22bと光学素
子23の上の面23aの夫々が対面する非球面となって
おり、これらが相互にx方向にずれることで、x方向の
光学的パワーを持つようになっている。x方向の光学的
パワーを制御する原理は前述の(1a)〜(4a)式で
説明したものと同じである。光学素子23の下の面23
bは平面である。光学素子21と22、光学素子22と
23を構成する2種類の非球面のパラメータa,b,c
は同じであってもよいし、また異なっていても良く、パ
ワーを計算する(2a)式に従ってずらし量を制御すれ
ばよい。
【0219】図8のような構成とすることでx方向とy
方向の夫々の光学的パワーを独立に制御することができ
る。x方向とy方向で発生させる光学的パワーの量を、
同じとすれば像面湾曲が補正され、互いに異なった量と
すれば像面湾曲と軸上非点収差が補正され、x方向とy
方向の片一方の光学的パワーのみを発生させれば軸上非
点収差が補正されるという組み合わせとなる。
【0220】図8では光学素子22の上の面22aをy
方向に、下の面22bをx方向の制御に用いたが、光学
素子22を上下2つに分割してx方向の制御とy方向の
制御を固体として完全に分離してもよい。光学素子21
から光学素子23までの相対位置関係の駆動指示につい
てはこれまで説明した例と同一で、予め認識している系
の特性から計算しても、実際に測定したデータから計算
して行ってもよい。制御対象が1次元的なものから2次
元的なものに増えたため、動かし方が少し複雑になるだ
けに過ぎないので、詳しい駆動法についてはここでは説
明を省略する。
【0221】以上の実施形態1,2,3では軸上非点、
あるいは像面湾曲を補正する際、ベストフォーカスの設
定値が微小量変化したりするが、非球面光学素子の駆動
量からその変化量が計算でき、既知量となるので、半導
体投影露光装置内のCPUで変化量を求めて、投影光学
系の光軸方向に関するウエハ面位置の制御値に反映させ
れば問題がない。その他の光学性能、例えば倍率への影
響も同様に非球面の駆動量から計算できる量なので同様
に補正可能である。
【0222】本発明の光学手段の導入による他の光学性
能への影響をほとんど無視しうるくらい小さく抑えるこ
とができるのは前述のとおりである。一方、例えば軸上
非点収差を発生させたときに非回転対称な倍率の発生の
可能性があるが、スキャンタイプのステッパーでは非回
転対称な倍率、即ち走査方向とスリット長手方向の倍率
差を補正できるため問題がない。
【0223】又、通常のステッパーでは後述の非回転対
称倍率補正機能を付加し、作用させれば問題はない。
【0224】以上の実施形態1,2,3の投影露光装置
は、投入エネルギーによらず、安定した所定の性能を発
揮できることになり、投影露光装置の信頼性が向上する
とともに、投入エネルギーの制約の向上にともなってス
ループットが向上し、半導体チップのコスト削減に大き
く寄与する。又発生量が可変であることより、種々の変
動にも対応できるため、汎用性に富み、非球面量が小さ
いために他の光学性能に対する影響を無視できる値に抑
えることができる。また系の構成によっては軸上非点収
差に加えて像面湾曲を制御できることも大きな利点とな
っている。
【0225】図9は本発明の投影露光装置の実施形態4
の要部概略図である。本実施形態は通常のステッパー又
はスキャンタイプのステッパーである投影露光装置に適
用した場合を示している。
【0226】同図において4は露光照明系であり、第1
物体としてのレチクル1を照明している。露光照明系4
は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)又はK
rFエキシマレーザー(波長248nm)又はg線(4
36nm)やi線(波長365nm)を発するランプの
いずれか1つの光源と公知の光学系等から構成されてい
る。
【0227】1は第1物体としてのレチクルである。2
は屈折型又はカタジオプトリック型の投影光学系であ
り、露光照明系4によって照明されたレチクル1の回路
パターンを第2物体としてのウエハー(基板)3に投影
している。
【0228】T2は光軸に関して回転対称又は非回転対
称な倍率を制御する機能を有する光学手段であり、後述
するように非球面を有する2つの光学素子31,32と
を有している。光学手段T2はレチクル1と投影光学系
2の間の光路中に配置している。5はウエハーホルダー
であり、ウエハー3を保持している。6はウエハーステ
ージであり、ウエハーホルダー5を載置しており、xy
z駆動及びθ駆動、チルト駆動等を行っている。
【0229】7は干渉用ミラーであり、ウエハーステー
ジ6の位置を不図示の干渉計でモニターするためのもの
である。干渉計ミラー7と干渉計から得られる信号を用
いて不図示のウエハーステージ駆動制御系によりウエハ
ー3を所定の位置に位置決めし、この状態で投影露光を
行っている。
【0230】本実施形態がスキャンタイプのステッパー
であるときはレチクル1を載置しているレチクルステー
ジ(不図示)とウエハーステージ6とを投影光学系2の
結像倍率に応じた速度比で光学系2の光軸と直交する方
向へ駆動することによって走査露光を行う。
【0231】本実施形態は、光学手段T2を光路中に設
けているのが通常のステッパー又は走査型のステッパー
と異なっており、その他の構成は基本的に同じである。
【0232】一般に投影系の結像倍率を制御する為の制
御方法としては投影系内の光学素子を光軸方向に移動さ
せる手法、投影系の一部の密封空間内の圧力を制御する
方法等が知られており、これらはいずれも本実施形態に
適用することができる。
【0233】しかしながらこれらの手法は光軸に対し回
転対称な倍率を制御するものであり、アナモルフィック
な倍率への補正、即ちそれぞれが光軸に対し直交し、且
つ互いに直交する2つの軸であるx軸とy軸の夫々の方
向の倍率を互いに異なる値に制御することはできない。
【0234】実際に半導体素子を製造するときには、ア
ナモルフィックな倍率がウエハー自身に引き起こされる
ことが確認されている。複雑なものでは優に20を越え
るウエハーの製造工程では成膜や拡散などの高熱工程が
繰り返される。一方でそのような高熱工程の前には露光
によるパターニングが行われる。半導体素子で形成され
るパターンは工程毎に必ずしも等方的なものではなく、
例えばビット線工程であればx方向の線ばかり、ワード
線工程であればy方向の線ばかり、というようにある特
定の方向に片寄った構成となる場合が多い。
【0235】このような方向性は半導体素子を設計する
際のCADが、x,y座標をベースにしていること、ま
た半導体素子自体が繰り返しパターンを多く必要とする
ため工程毎に構成する線の方向が片寄ってしまうことな
どによる。従ってでき上がった半導体素子はx方向とy
方向の線が同じくらい使われていたとしても、製造途中
の個々の工程のレベルでは方向性が顕著に現われること
があり、パターニングのあとに行われる高熱工程での伸
びは当然パターンの方向性に従った異方性を持つ。これ
が本実施形態の技術的な背景となっている。
【0236】ウエハーにおける異方性を持つ伸縮は投影
露光装置側の位置検出センサのアライメント検出機能を
用いて決定することができる。このときの伸縮の検出は
アライメント過程の中で、あらかじめウエハー側に設け
ておいたアライメント専用マークを投影露光装置側の位
置検出センサで読み取ることで行う。
【0237】ウエハーの異方性の検出はグローバルアラ
イメントとダイバイダイアライメントなど公知の全ての
アライメント方法が適用できる。グローバルアライメン
トの場合はウエハー全体での伸縮が各ショットの伸びと
一致するという計算方式を用いると良い。
【0238】発明者の分析によれば実際に引き起こされ
る熱によるウエハーの異方性は極めて小さな量であるこ
とが判明した。ウエハーの平均的伸縮、即ちx方向とy
方向の伸縮の平均値は10ppm前後にまで達する。こ
のなかで異方性の占める割合は工程にもよるが最大10
%から20%程度で、2ppm前後である。従って、ウ
エハー自身の非回転対称な倍率の補正は後述する光学系
その他の誤差要因を考えると5ppm位までの値を制御
することが必要とされる。
【0239】ウエハーの非回転対称成分(倍率)を誘う
2ppm程度の異方性伸縮量は今まで問題とされない値
であったが、画面サイズの大型化と、対称線幅の微細化
によって新たな問題として浮かび上がってきている。
【0240】次に本実施形態に係るウエハーの異方性
(伸縮)を修正するための光学手段の具体的な構成につ
いて説明する。本実施形態では2枚組の光学素子を用い
た光学手段を利用して投影光学系に回転対称又は非回転
対称な異方性の結像倍率を発生させることを特徴として
いる。
【0241】図9の実施形態4における投影露光装置
は、このような光軸に関して非回転対称な結像倍率を光
学手段T2を用いて補正している。特に本実施形態では
投影光学系2の最もレチクル1側に近いところまたはそ
の等価な位置に2枚組の非球面を持った光学素子より成
る光学手段T2を挿入し、該光学素子の光軸と直交する
方向についての位置関係を変更し、調整することによっ
て光軸に関し非回転対称な倍率を補正している。
【0242】さらに本実施形態では倍率を独立に制御で
きる2つの方向を半導体素子パターンをCAD上で設計
するときに用いるX方向およびY方向に一致させること
で、実際の半導体素子製造時に起きる非対称な倍率の動
きにマッチした光学系の制御を行うことを容易としてい
る。
【0243】次に図9の実施形態4で用いた光学手段T
2の構成について説明する。図10は本実施形態で用い
た光軸に関して非回転対称な所望の倍率を供給する機能
を有した光学手段T2の要部断面概略図である。同図に
おいて互いに向かい合って配置されている2つの光学素
子31と32は外側の面31a,32aが平面であり、
向き合っている面31b,32bが、図示する状態で互
いに重ね合わせた時に一致するような同一の非球面形状
を持っている。
【0244】図中光軸Aに直交する形でx,y軸を取
り、互いに向かい合っている非球面の形状として、光学
素子31の非球面形状をfa(x,y)、光学素子32
の非球面形状をfb(x,y)とすると、両者の非球面
形状は定数項だけ異なるxの同一の3次式で与えられ
る。即ち fa(x,y)=ax3 +bx2 +cx+d1 fb(x,y)=ax3 +bx2 +cx+d2 ‥‥(1b) となる。
【0245】(1b)式でy項が無いのは光学系に対し
xの方向にのみ光学的なパワー(有限の焦点距離)を与
えるためである。光学素子31,32はx方向に関する
相対位置をずらすことによって用いられるが、このよう
な横ずらしによって光学手段T2に光学的なパワーを発
生させるため、非球面の形状としてはxの3次の項まで
用いている。
【0246】初期状態においては非球面形状fa(x,
y)は非球面形状fb(x,y)と凹凸が完全に一致す
るため、光学素子31と光学素子32より成る光学手段
T2は光学的パワーを有さず平行平面板としての働きを
するに過ぎない。光学素子31と光学素子32の間の光
軸A方向の距離間隔は小さいほどよく、例えば100μ
m程度の値が典型的である。
【0247】ここで光学素子31をΔだけx方向に動か
した場合を想定する。このときの影響はa,b,cを定
数とすると fa(x+Δ,y)−fb(x,y) =3aΔx2 +2bΔx+cΔ+(d1 −d2 ) +3aΔ2 x+bΔ2 +aΔ3 ‥‥(2b) となる。
【0248】ここでΔの高次の項は移動量が小さいとし
て無視し、 b=c=0 ‥‥(3b) とすると、(2b)式は簡単となって、 fa(x+Δ,y)−fb(x,y)=3aΔx2 +(d1 −d2 ) ‥‥(4b) となる。
【0249】(4b)式がx2 の項を持っていることが
本実施形態の根幹である。このため横ずらし量Δによっ
て光学素子31,32はx方向にのみ光学的パワーを持
つ光学素子となり、しかもその光学的パワーを横ずらし
量Δを変えることによって自由に変えることが可能であ
る。
【0250】横ずらしして差分をとるという作業は微分
そのものなので、非球面の形状として3次を入れてお
き、微分の効果でパワーを与える2次の成分を出してい
るのが光学素子31,32の作用である。
【0251】本実施形態では簡単のため(3b)式でb
=c=0とした。又(2b)式の2bΔxの項はシフト
分に相当する。Δはパワーを制御する目的から既知の量
となるため、シフト分については補正を行うことができ
る。具体的にシフトが問題となるのはアライメントを行
うときである。ペアの光学素子31,32の相対位置を
変化させた結果生じるシフトを逆補正するようにステー
ジに指令を与えれば、この問題は回避される。
【0252】また定数cの項に適当な値を与えれば非球
面の平面からのずれの絶対値を与えることも効果的であ
る。実際には非球面量の値を小さく抑えるために定数b
はゼロとし、定数cに定数aと逆符号の値を与えること
が好ましい。また前述の理由でC=0としても構わな
い。
【0253】一般に倍率が2ppm前後の小さな値を補
正するために要求される非球面の量の絶対値は非常に小
さい。実際に有効な量は光学素子31,32を置く位置
にもよるが、ニュートン縞で数本のところである。代表
的な例として仮にパワー成分として発生させる量を数本
ということで1μmとし、レンズの径を200mm、こ
のときのずらし量Δを5mmとすると(4b)式より 3a×5×100×100=0.001 となり、 a=6.7×10-9 という値が得られる。100は径が200mmなのでそ
の半径の値を示しているが、仮にb=c=0とすると、
(1b)式で非球面の量は 6.7×10-9×100×100×100=6.7×10-3 という値となり、±6.7μmの非球面量を光学素子3
1,32が持っている。平面からのずれの実際量を小さ
くするにはこれに定数cの項を加えるとよい。100m
mのところで6.7μmの値を与える定数cの値は6.
7×10-5なので、定数aと定数cを逆符号として c=−6.7×10-5 とすると非球面量の平面からのずれは±2.6μmにま
で減少させることができる。
【0254】図10は定数cがゼロのときの非球面の形
状、図11は定数cに上記の値を入れたときの形状であ
る。200mmの径のなかで非球面がこのくらいの緩や
かな形状をしており、しかも光学素子31,32が互い
に補いあう形(相補形)をしているため、光学素子31
と光学素子32の相対位置の変化による収差の発生量は
ほとんど他の光学性能に影響を与えず、倍率のみを微小
修正することができる。
【0255】また、前記実施形態4の構成では一方の光
学素子をx方向に横ずらす方式で説明したが、これ以外
に一方をx方向にδ、もう一方をx方向に−δ移動させ
ても良い。この様子を図12に示す。即ち、 fa(x+δ,y)−fb(x−δ,y) =2a(3δx2 +δ3 )+4bδx+2cδ+d1 −d2 であるから、先程と同様に、 b=c=0 とし、δの高次の項の影響を無視すると fa(x+δ,y)−fb(x−δ,y)≒6ax2 δ
+d1 −d2 となる。
【0256】従って、仮にずらし量Δ=δとすると光学
的パワー変化量は2倍になる。あるいは、Δ=δとする
と同じ光学的パワー変化を得るためには係数(定数)a
の値を半分にできる。これは非球面量を半減することに
つながり、形状評価を容易にする効果をもたらす。更に
Δ=δとすると同じ光学的パワー変化を得るためにずら
し量を半分にできる。これは駆動系に設けるスペースや
位置決め精度に有利になる。
【0257】実際にはこの実施例では±方向にずれるこ
とで相対ずれ量が2倍になった効果で非球面量が半減す
る。
【0258】更に前記実施形態4の構成では光学素子の
一面を非球面とする系で説明したが、非球面を両面に設
けても良い。この様子を図13に示す。この時、光学素
子31,32の厚みが薄い前提とすれば、これまでの説
明で用いた作用効果は単純に加算される。従って全て同
一形状の場合は前述の例と同じ光学的パワーの変化を得
るためには係数aの値を半分にできる。また、当然一方
を駆動する方式も両方を逆方向に駆動する方式でも採用
できる。
【0259】尚、当然ではあるが一組の光学素子を多数
組用いても同様の効果が得られる。その一例をして図1
4に示す。
【0260】x方向とy方向の倍率の差はウエハーのプ
ロセスによるもののほかにも、複数の装置間のディスト
ーションマッチング、複数の露光モードでのディストー
ションマッチング、あるいはレチクル作成の誤差の補正
などに用いることもできる。この場合の倍率の非回転対
称(異方性)の補正量も数ppmで、該補正量は露光装
置にマニュアルで入力する等の手段でデータがパラメー
タ設定され、該設定されたパラメータに基づいて光学素
子31,32の相対位置が不図示の駆動機構により調整
され、装置の設定が行われる。勿論パラメータのセッテ
ィングは自動計測による値から直接、露光装置側に入力
することもできる。
【0261】半導体素子の回路設計がCADでXY座標
系で行われることから、これまで説明してきた光軸に直
交するx方向とy方向はCADのx方向とy方向と合致
することが望ましい。
【0262】一般にx方向とy方向はレチクルの端面の
方向と一致しているため、光学素子31と32のx,y
方向がレチクルの端面の縦横の辺方向と一致する。この
x,y方向はステージ6の移動するxy方向と一致し、
グローバルアライメントを行うときに求められるx倍
率,y倍率と対応をとることができる。
【0263】グローバルアライメントのときのイントラ
ショット成分は前述のようにウエハーの伸縮がショット
の伸縮と同一であるという計算で補正する。この仮定は
ウエハー全体の伸縮率がウエハー内で一定である、即ち
良いリニアリティが保たれているという事実に基づくも
ので、良い補正結果をもたらすことが確認されている。
【0264】実際、グローバルアライメントで、x方向
にsppm、y方向にtppmの伸びが観測された場合
には投影光学系が本来持っている公知手段による回転対
称な倍率補正手段でtppmを補正し、非回転対称な倍
率補正ができるx方向について光学素子31を駆動する
ことで(s−t)ppmを補正するか、または投影光学
系が本来持っている対称な倍率補正手段でsppmを補
正し、非対称な補正ができるx方向について光学素子3
1を駆動することで(t−s)ppmを補正すれば良
い。
【0265】ここでは非回転対称な倍率(成分)の補正
を非球面を有する光学素子を用いて光学素子の位置を可
変にしながら制御しており、本実施形態は高機能を要求
される半導体素子製造用の投影露光装置のさらなる高機
能化に寄与するところが大きい。
【0266】本実施形態においては2つの非球面を有す
る光学素子をずらした差から所望の光学性能を発生させ
るため、もとの非球面の量、即ち光学素子31,32自
体の非球面量は得たい最終形(ずらした差分)よりも一
桁近く大きい値となる。上記の例でいえば1μmの値を
得るために、6.7μmの非球面が必要とされる。これ
に傾きの最適化を行って2.6μmまで小さくすること
で干渉計の高精度な測定域に入ってくるというのが本実
施形態を適用するに当たってのキーポイントである。非
球面の製作に当たっては面が所望する形状に正確に加工
されたかを計測できるかというのが重要であるが、本実
施形態程度の量に抑えることができれば現行の技術で充
分である。
【0267】本実施形態で使用した非球面を有する光学
素子を駆動する指令は前述のように実際のウエハーの計
測値に基づいても、マニュアルでも良い。補正はマニュ
アルの場合はすぐに、またグローバルアライメント時に
は計測が終了して補正量が計算され露光動作に入る直前
に、露光装置全体を制御するCPUから駆動機構に指示
が出て行われる。
【0268】図15は本発明の実施形態5の要部概略図
である。本実施形態では光軸に対して非回転対称な倍率
を補正する機能を有する光学手段T2を投影光学系2と
ウエハー3との間の光路中に配置しており、図9の実施
形態4に比べて、光学手段T2の光路中への挿入位置が
異なっており、その他の構成は基本的に同じである。
【0269】それぞれが非球面を有する一対の光学素子
より成る光学手段はこのように種々の場所に入れること
ができるが、挿入位置によっては倍率の補正範囲に制限
が加わる場合があるので、これを考慮して挿入位置を決
める。
【0270】以上の実施形態4,5では、半導体プロセ
スに起因した伸縮、装置間のディストーションマッチン
グ、レチクル作成誤差等、投影系の光軸に対して非回転
対称な倍率(成分)を調整できるため、半導体素子を作
成する際のオーバーレイ精度が格段に向上する。256
MDRAMあるいはそれ以降の微細加工時には解像力よ
りもむしろ位置合わせ精度が制約になるという予測もあ
る中で、従来は補正できない成分として残存していた非
回転対称成分を補正できるため、本実施形態の効果は非
常に大きい。
【0271】また倍率の補正量が可変であることより、
種々の変動にも対応できるため、汎用性に富み、非球面
量が小さいために、他の性能に対する影響を無視できる
値に抑えたまま倍率のみを制御できるという大きな利点
がある。
【0272】図16は本発明の投影露光装置の実施形態
6の要部概略図である。本実施形態は通常のステッパー
又はスキャンタイプのステッパーである投影露光装置に
適用した場合を示している。
【0273】同図において4は露光照明系であり、第1
物体としてのレチクル1を照明している。露光照明系4
は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)又はK
rFエキシマレーザー(波長248nm)又はg線(4
36nm)やi線(波長365nm)を発するランプの
うちのいずれか1つの光源と公知の光学系等から構成さ
れている。
【0274】1は第1物体としてのレチクルである。2
は屈折型又はカタジオプトリック型等の投影光学系であ
り、露光照明系4によって照明されたレチクル1の回路
パターンを第2物体としてのウエハー(基板)3に投影
している。
【0275】T3は像面湾曲を制御する機能を有する光
学手段であり、後述するようにそれぞれが非球面を有す
る2つの光学素子41,42とを有している。光学手段
T3は投影光学系2の瞳付近に配置している。5はウエ
ハーホルダーであり、ウエハー3を保持している。6は
ウエハーステージであり、ウエハーホルダー5を載置し
ており、xyz駆動及びθ駆動、チルト駆動等を行って
いる。
【0276】7は干渉用ミラーであり、ウエハーステー
ジ6の位置を不図示の干渉計でモニターするためのもの
である。干渉計ミラー7と干渉計から得られる信号を用
いて不図示のウエハーステージ駆動制御系によりウエハ
ー3を所定の位置に位置決めして、その状態で投影露光
を行っている。
【0277】本実施形態が走査型のステッパー(投影露
光装置)であるときはレチクル1を載置している不図示
のレチクルステージとウエハーステージ6とを投影光学
系2の結像倍率に応じた速度比で投影光学系2の光軸と
直交する方向へ駆動して走査露光している。
【0278】本実施形態は、光学手段T3を光路中に設
けているのが通常のステッパー又は走査型のステッパー
と異なっており、その他の構成は基本的に同じである。
【0279】一般に露光用光源としてArFエキシマレ
ーザー(波長193nm)を用いた投影光学系では、A
rFエキシマレーザーからの光束の波長が短波長領域に
ある為、それに使用できる硝材の選択範囲が狭く、現在
のところ石英(SiO2)と螢石(CaF2)があるのみ
である。
【0280】しかしながら石英もこの短波長領域では透
過率の点で問題があり、露光光を吸収して熱変化(光学
的変化)を起こし結像性能を変化させる。この事情は露
光用光束としてi線(波長365nm)を用いたときに
起きている熱変化と同じような状況である。i線では色
収差を補正するために種々の硝材を使用するが、この中
には透過率の低い硝材も含まれている。
【0281】このためにi線でも熱収差の問題が起こる
が、ArFエキシマレーザーを用いた投影光学系ではパ
ターンの微細化が進んで焦点深度が小さくなる分、状況
はより厳しくなっている。
【0282】投影光学系の硝材が露光光を吸収したため
に収差変動が起こるがこのとき起こる収差は球面収差,
コマ収差、非点収差、像面湾曲等あらゆる収差がある。
これらの収差のうち特に補正が難しいものの1つは像面
湾曲である。
【0283】このような像面湾曲の量は実際には僅少で
あるが、露光するパターンが微細になって焦点深度が小
さくなったため、特に問題となってきた。
【0284】本発明者は実際に発生する像面湾曲量が
0.2〜0.3μmのオーダであるため、補正量が小さ
く、新たな機能を持った透過型の光学素子を導入して補
正することができることを見い出した。
【0285】本実施形態の具体的な構成としては投影系
の光路中にそれぞれが非球面を持った一対の光学素子よ
り成る光学手段を挿入し、該光学素子の位置関係を光軸
と直交する方向に関する位置関係を変えることにより像
面湾曲を補正している。
【0286】挿入したそれぞれが非球面を有する2つの
光学素子は相対的に横ずらしすることによって光学的パ
ワーが可変となり、結果的に光学系全体のペッツバール
和を変えて像面湾曲を制御している。特に本実施形態で
は露光光の吸収によって起こる像面湾曲の変化が小さい
ことに着目し、小さな非球面量しか持たない光学素子を
利用して効果のある像面湾曲補正を行っている。
【0287】又本実施形態の光学手段は非球面量の絶対
値が小さいため、像面湾曲のみを補正し、他の光学性能
に影響を与えないことが可能であるため、収差の補正機
能としても好ましい手段である。
【0288】次に本実施形態に係る像面湾曲を補正する
ための光学手段の具体的な構成について説明する。本実
施形態は、2枚の非球面光学素子より成る光学手段を用
いて、該2枚の光学素子を一体のものとして考えたとき
に微小な光学的パワーを有し且つこのパワーが可変であ
るように構成したことを特徴としている。このための光
学的パワー可変の光学手段としては例えば特公昭43−
10034号公報に見られるような横ずらしによる光学
パワー制御素子を利用している。
【0289】図16が示す実施形態6の投影露光装置
は、このような光学手段を用いて投影系の像面湾曲を補
正している場合を示している。
【0290】次に図16の光学手段T3の構成について
説明する。図17は本実施形態の像面湾曲を制御する機
能を有した光学手段T3の要部断面図である。同図にお
いて互いの非球面が向かい合って配置されている2つの
光学素子41と42は、外側の面41a,42aが平面
であり、向き合っている面41b,42b同士が同一の
非球面形状を持っている。図中光軸Aに直交する形で
x,y軸を取り、互いに向かい合っている非球面の形状
として、光学素子41の非球面形状をfa(x,y)、
光学素子42の非球面形状をfb(x,y)とし、相対
的に位置をずらす方向をx方向とすると、両者の非球面
形状は定数項だけ異なる次の式で与えられる。即ち fa(x,y)=a(3xy2 +x3 )+b(2xy+x2 )+cx+d1 fb(x,y)=a(3xy2 +x3 )+b(2xy+x2 )+cx+d2 ‥‥‥(1c) となる。
【0291】ここで式(1c)においてxとyについて
対称な形となっていないのは、光学素子41,42がx
方向に関して相対位置をずらす素子であるからである。
x方向のずらしによって光学的なパワーを発生させるた
め、xは3次の項までを用いる。
【0292】初期状態においては非球面形状fa(x,
y)と非球面形状fb(x,y)の凹凸が一致するた
め、光学素子41と光学素子42はトータルとして光学
的パワーがなく、平行平面板としての働きをするに過ぎ
ない。光学素子41と光学素子42の間の距離は小さい
ほどよく例えば100μm程度の値が典型的である。こ
こで光学素子41をΔだけx方向に動かした場合を想定
する。このときの影響はa,b,cを定数とすると fa(x+Δ,y)−fb(x,y) =3aΔ(x2 +y2 )+2bΔ(x+y)+cΔ+(d1 −d2 ) +3aΔ2 +bΔ2 +aΔ3 ‥‥‥(2c) となる。
【0293】ここでΔの高次の項の影響は移動量が小さ
いとして無視し、さらに実施形態の効果を理解し易くす
るため、 b=c=0 ‥‥‥(3c) とすると、(2c)式は簡単に、 fa(x+Δ,y)−fb(x,y) =3aΔ(x2 +y2 )+(d1 −d2 ) ‥‥(4c) となる。
【0294】(4c)式が(x2 +y2 )の項を持って
いることが本実施形態の根幹である。このため横ずらし
量Δによって光学素子41,42は光軸に対して回転対
称なパワーを持つ光学素子となり、しかもそのパワーを
横ずらし量Δによって自由に制御することが可能であ
る。
【0295】ずらして差分をとるという作業は微分その
ものなので、非球面の形状として3次の項を入れてお
き、微分の効果でパワーを与える2次の成分を出してい
るのが光学素子41,42の作用である。
【0296】本実施形態では簡単のため(3c)式でb
=c=0としたが、(2c)式の2bΔ(x+y)の項
はシフト分に相当する。b≠0の場合でもΔはパワーを
制御する目的から既知の量となるため、シフト分につい
ては補正を行うことができる。具体的にシフトが問題と
なるのはアライメントを行うときである。グローバルア
ライメントではペアの光学素子41,42の相対関係を
調整した結果生じるシフトを逆補正するようにステージ
に指令を与えれば、この問題は回避される。
【0297】また定数cの項に適当な値を与えればfa
(x,y),fb(x,y)で表わされる非球面の平面
からのずれの絶対値を小さくできる効果がある。従って
定数aの値によっては定数b,cをゼロにせず、故意に
値を与えることも効果的である。実際には非球面量の値
を小さく抑えるためには定数bはゼロとし、定数cに定
数aと逆符号の値を与えることが行われる。
【0298】また非球面の絶対量は加工よりむしろ計測
時に問題であり、cの影響は計測ビームを傾けることで
キャンセルできるのでc=0でも構わない。
【0299】一般に像面湾曲が0.2〜0.3μm前後
の小さな値を補正するために要求される非球面の量の絶
対値は非常に小さい。実際に有効な量は光学素子41,
42を置く位置にもよるがニュートン縞で数本のところ
である。代表的な例として仮にパワー成分として発生さ
せる量を数本ということで1μmとし、レンズの径を2
00mm、このときの横ずらし量Δを5mmとすると
(4a)式より、 3a×5×100×100=0.001 となり、 a=6.7×10-9 という値が得られる。
【0300】100は径が200mmなのでその半径の
値を示しているが、仮にb=c=0とすると、(1c)
式でy=0の断面での非球面の量は 6.7×10-9×100×100×100=6.7×10-3 という値となり、±6.7μmの非球面量をもともとの
光学素子41,42が持っていたことになる。
【0301】平面からの実際のずれ量を小さくするには
これに定数cの項を加えるとよい。100mmのところ
で6.7μmの値を与える定数cの値は6.7×10E
−5なので、定数aと定数cを逆符号として c=−6.7×10-5 とすると非球面量の平面からのずれはy=0の断面で±
2.6μmにまで減少させることができる。
【0302】図17は定数cがゼロのときの非球面の形
状、図18は定数cに上記の値を入れたときのy=0の
断面での形状である。200mmの径の中で非球面が緩
やかな形状をしており、しかも光学素子41と光学素子
42が互いに補いあう相補形をしているため、光学素子
41と光学素子42の相対位置の変化による他の収差の
発生量はほとんど他の光学特性に影響を与えず、像面湾
曲のみを微小修正することができる。場合によっては他
の光学特性について多少の微小補正を装置側で加える必
要がある場合があるが、投影系全体としての性能変化は
ない。
【0303】このように、像面湾曲変動の補正を非球面
を用いて補正量を可変にしながら制御するこれにより、
本実施形態は高機能を要求される半導体素子製造用の投
影露光装置の更なる高機能化に寄与するところが大き
い。
【0304】また、補正すべき像面湾曲量が小さいた
め、使用する非球面は干渉計で計測することが容易な量
にまで小さくすることが本実施形態のもう一つのポイン
トである。
【0305】本実施形態においては2つの非球面のずら
した差から所望の光学特性を発生させるため、もとの非
球面の量、即ち光学素子41及び光学素子42自体の非
球面量は得たい最終形(差分)よりも一桁近く大きい値
となる。上記の例でいえば1μmの値を得るために6.
7μmの非球面が必要とされる。これに傾きの最適化を
行って±2.6μmまで小さくすることで干渉計の高精
度な測定域に入ってくるというのが本実施形態を適用す
るに当たってのキーポイントである。非球面の製作に当
たっては面が所望する形状に正確に加工されたかの確認
が重要であるが、本実施形態程度の量に抑えることがで
きれば現行の技術が充分適用できる。
【0306】また本実施形態では光学的パワーの調整を
屈折作用をもつ光学素子で実現できたことで半導体素子
製造用の投影露光装置に用いられる屈折型、カタジオプ
トリック型の双方に対し有効な手段を提供できることも
大きな利点である。
【0307】光学素子41,42の非球面間の相対位置
を調整する不図示の駆動機構は、予め投影露光装置本体
のCPUに記憶されている露光像面(湾曲)特性の設定
によって指示され駆動される。この場合予め実験、ある
いはシミュレーションによって露光像面(湾曲)の特性
が装置に記憶されており、露光量、レチクルのパターン
率、露光エネルギーなどから露光に伴う像面湾曲変化量
や像面湾曲量が計算され、ウエハステージが制御され
る。また別の方法として、このようなアプリオリの特性
からではなくて、投影光学系の特性を計算しながら駆動
量を制御する方法も適用することができる。露光に伴う
像面湾曲変化量や像面湾曲量は露光によるフォーカス変
化と深い相関を持っており、露光に伴うフォーカス変化
量やフォーカス位置をモニタして像面湾曲量を換算しな
がら駆動量を算出することも適用することができる。
【0308】勿論、直接、像面湾曲を測定して、その値
を光学素子41,及び/又は光学素子42の駆動量にフ
ィードバックしてもよい。
【0309】また、前記実施形態6では一方の光学素子
をx方向にずらす方式で説明したが、これ以外に一方を
x方向にδ、もう一方をx方向に−δ移動させても良
い。この様子を図19に示す。
【0310】即ち fa(x+δ,y)−fb(x−δ,y) =2a[3δ(x2+y2 )+δ3 ] +2bδ(2y2 +1)+2cδ+d1 −d2 であるから、先程と同様に、 b=c=0,|δ|≒0 とすると、 fa(x+δ,y)−fb(x−δ,y)≒ 6aδ(x2 +y2 )+d1 −d2 となる。
【0311】従って、仮にΔ=δとすると光学的パワー
の変化量は2倍になる。あるいは、Δ=δにすると同じ
パワー変化を得るために係数(定数)aの値を半分にで
きる。これは非球面量を半減することにつながり、非球
面の形状の評価を容易にする効果をもたらす。更にΔ=
δにすると、同じ光学的パワー変化を得るためのずらし
量を半分にできる。これは駆動系に設けるスペースや位
置決め精度に有利になる。
【0312】更に前記実施形態6の構成では光学素子の
一面を非球面とする系で説明したが、これを両面に設け
ても良い。この様子を図20に示す。この時、光学素子
41,42の厚みが薄い前提とすれば、これまでの説明
で用いた作用効果は単純に加算される。従って、すべて
同一形状の非球面の場合は前述の例と同じ光学的パワー
変化を得るためには係数aの値を半分にできる。また、
当然一方を駆動する方式も両方を逆方向に駆動する方式
でも採用できる。
【0313】尚、当然ではあるが一組の光学素子を多数
組用いても同様の効果が得られる。その一例を図21に
示す。
【0314】図22は本発明の実施形態7の要部概略図
である。本実施形態では光学手段T3を投影光学系2と
ウエハー3との間の光路中に配置しており、図16の実
施形態6に比べて光学手段T3の光路中への挿入位置が
異なっており、その他の構成は同じである。
【0315】本実施形態においては投影光学系2とウエ
ハー3との間に上述のそれぞれが非球面を有した一対の
光学素子より成る光学手段T3を入れて像面湾曲の補正
を行っている。光学手段T3自体の作用は前述の実施形
態6のとおりである。光学手段T3を挿入する位置は、
本実施形態のように瞳面近傍付近以外でも、投影光学系
の構成に応じて適宜設定することが可能である。
【0316】光学手段T3の好ましい配置位置として
は、上記の瞳面近傍及び投影光学系とウエハーの間以外
にはレチクルと投影光学系の間がある。
【0317】というのも前記3箇所は、収差コントロー
ルの際、独立性が高く、好都合であるからである。
【0318】実施形態6,7で像面湾曲を補正する際、
ベストフォーカスの設定値が微小量変化するが、非球面
光学素子の駆動量から、その量が計算でき、既知量とな
るので、この量を投影露光装置内のCPUで求めて投影
光学系の光軸方向に対するウエハ位置の制御値に反映さ
せれば問題がない。その他の光学性能、例えば倍率への
影響も同様に、非球面光学素子の駆動量から倍率変化量
が計算でき、既知量となるので、補正可能である。従っ
て本実施形態の光学手段T3の導入による他の光学性能
への影響をほとんど無視しうるくらい小さく抑えること
ができる。
【0319】像面湾曲の発生量が可変であることより、
種々の変動にも対応できるため、汎用性に富み、非球面
量が小さいために他の光学性能に対する影響を無視でき
る値に抑えたまま像面湾曲のみを制御できることも大き
な利点となっている。
【0320】尚、本発明においては軸上非点収差を制御
する機能を有する光学手段T1、非回転対称な倍率を制
御する機能を有する光学手段T2、そし像面湾曲を制御
する機能を有する光学手段T3のうちから、少なくとも
2つの光学手段を選択して、各々独立に又は合体したよ
うな構成の光学手段を光路中に配置し(図8の実施形態
3の光学手段T13は光学手段T1と光学手段T3とを
選択したものに相当)、軸上非点収差、非回転対称な倍
率、そして像面弯曲のうちの2つ又は3つを補正するよ
うにしても良い。
【0321】図23は本発明の実施形態8を示すもの
で、半導体製造用投影露光装置であるところの通常のス
テッパーやスキャンタイプのステッパーの投影光学系に
3次のディストーション補正を行う2枚一組の非球面光
学素子を投影光学系とレチクルの間に挿入した例であ
る。ここで3次のディストーションとは倍率成分と光学
の解説書などで樽型や糸巻型と呼ばれる3次特性をもつ
ディストーション成分であると定義する。
【0322】ディストーションについては倍率と3次の
ディストーションを制御する方法については公知の手段
がある。例えば投影光学系の複数個の素子を光軸方向に
移動させる、投影光学系の光学素子間に封入されている
気体の圧力を変えるなどの手法である。倍率は光学系の
基本量であり、他の収差に変動を与えずに変化させるこ
とが可能であるが、3次のディストーションの補正につ
いては補正に伴う他の収差の変化や、調整範囲が少ない
等の問題があり、設計当初から補正を考慮した設計を行
う必要がある。
【0323】特に昨今、変形照明法あるいは位相シフト
マスクなどの像改良という名で総称される各種の結像法
が採用されると、各結像法同士でのディストーションの
マッチングが問題となる。このマッチングの誤差は光学
系の加工誤差等から発生するものが主である。この場合
3次のディストーションまで補正することは基本的な要
求となる。ここでは設計に与える制約を最小限として、
該3次のディストーションの補正、制御を自在に行うと
ともに、それに伴って起こる他性能への影響を最小限に
抑えることを特徴とした光学系を提供する。
【0324】本実施形態はとくにスキャン型のステッパ
ーに関するもので、投影光学系内、例えば最もレチクル
側に近いところに2枚一組の非球面光学素子を挿入し、
該2枚の非球面素子の少なくとも一方を光軸と直交する
方向にずらして両素子の位置関係を調整することによっ
て走査方向と直交する方向についての投影光学系の3次
のディストーションを補正することを可能としたことを
特徴としている。
【0325】本発明では前記横ずらしの方向を走査方向
と直交する方向に一致させることによって走査型露光装
置に生じる問題となる3次のディストーションを補正す
ることを特徴としている。
【0326】本発明を適用する投影光学系は屈折型のも
のでもカタジオプトリック系でもよく、また該投影光学
系は倍率を制御する手段を備えている。
【0327】変形照明、位相シフトマスクなど種々の新
しい結像法が混在して使用されるようになると各結像法
相互間でのディストーションのマッチングが問題とな
る。
【0328】スキャン型の露光装置の場合にはxとy方
向の倍率差は同期して走査されるレチクルとウエハーの
夫々の速度の比を調節することによって容易に補正する
ことができるので、2枚の非球面素子による3次ディス
トーション成分の補正は走査方向と直交する方向で行わ
れる。
【0329】本実施形態では簡単な光学素子の挿入によ
って、設計上、あるいは補正範囲に制約のあった3次の
ディストーションを自由に制御し、マッチング精度を向
上させる。このため光学的に補正の容易な倍率成分につ
いては公知の方法、例えば投影光学系の1部の素子を光
軸方向に移動する、あるいは光学系内の圧力を制御する
といったを使用し、3次のディストーション成分につい
ての補正を行う。
【0330】続いて3次のディストーションを発生、制
御するための光学系の構成について説明する。前記実施
形態のように2枚一組の光学素子より成る光学手段を用
いて投影光学系に3次のディストーションを発生させ
る。
【0331】図23はスキャン型の露光装置の主要部を
表わしたもので、1はレチクル、2は投影光学系、3は
ウェハー、4は照明光学系、5はウェハーホールダ、6
はステージ、7は6のステージを制御するために載置さ
れたレーザ干渉計用のミラーである。走査型であるの
で、レチクルとウェハーが同期して走査され、レチクル
上のパターンがウェハー上に転写される。図23の構成
は通常のスキャン型のステッパーと同一の構成である
が、本実施例で異なっているのは51,52で示されて
いる3次のディストーションの調整を行う光学素子T4
の存在である。
【0332】図24はその詳細である。互いに向かい合
って配置されている光学素子51と52は、夫々外側の
面が平面であり、向き合っている面同士が同一の非球面
形状を持つ対となった非球面素子である。図中光軸Aに
直交する形でx,y軸を取り、y方向を装置の走査方向
と一致させる。互いに向かい合っている非球面の形状で
51の方をfa(x,y)、52の方をfb(x,y)
とすると、両者は定数項だけが異なる同一のxの5次式
で与えられる。即ち fa(x,y) = ax5 + b1 fb(x,y) = ax5 + b2 (1d) (1d)で走査方向のyの項が無いのは2枚の非球面素子よ
り成る光学手段に投影光学系に対し走査方向y方向と直
交するx方向にのみ光学的な特性を与えるためである。
走査を行うy方向については走差による平均化のため高
次のディストーションがキャンセルされるため、本実施
形態では3次のディストーションを制御するのはx方向
のみでよい。51と52は互いにx方向に関する相対位
置をずらすことによって用いられるが、横ずらしによっ
て3次のディストーションを発生させるため、非球面の
形状としてはxの5次の項が必須である。
【0333】初期状態においては非球面形状fa(x,y)は
非球面形状fb(x,y)と凹凸が一致してキャンセルするた
め、光学素子51,52はトータルとして光学的パワー
がゼロであり、平行平面板としての働きをするに過ぎな
い。光学素子51と52の間の距離は小さいほどよく例
えば100μm程度の値が典型的である。ここで素子51を
Δだけx方向に動かした場合を想定する。このときの影
響は fa(x +Δ,y) −fb(x,y) =5aΔx4 + 10aΔ2x3 +10a Δ3x2 +5aΔ4x+ (b1−b2) ‥‥‥ (2d) ここでΔの高次の項は移動量が小さいとして無視する
と、(2d)式は簡単となって、 fa(x+Δ,y) −fb(x,y) =5aΔx4+( b1−b2 ) ‥‥‥(3d) となる。(3d)式が xの4乗の項を持っていることが本発
明の根幹である。このためずらし量Δによって光学素子
51,52はx方向にのみに4次の特性をもつ素子とな
り、しかもその特性を横ずらし量Δを変えることによっ
て自由に制御(変更)することが可能であることが特徴
である。
【0334】ずらして差分をとるという作業は微分その
ものなので、非球面の形状として7次を入れておき、微
分の効果で4次の成分を出しているのが光学素子51と
52の作用である前述のマッチングのために小さなディ
ストーションの値を補正するために要求される非球面の
量の絶対値は非常に小さい。代表的な例として仮に所望
のディストーションを発生させるための非球面量を1μ
mとし、レンズの径を200mm、このときのずらし量Δを5m
mとすると(3d)より 5a × 5×10-8= 0.001 となり、 a = 4.00 ×10-13 という値が得られる。100 は径が200mmなので半径の値
を示している。従って(1d)式より非球面の量は 4.00×(10-13) ×(10-10) =4.00×10-3 という値となり、±4.00μm の非球面量をもともとの光
学素子51,52が持っていたことになる。平面からの
ずれの実際量を小さくするにはこれにx の1次の項であ
るcxの項を加えるとよい。100mm のところで4.00μm の
値を与えるc の値は4.00×10-5なので、a とc を逆符号
として c =−2.86×10-5 とすると非球面量の平面からのずれは±2.14μm にまで
減少させることができる。200mm の径のなかで非球面が
このくらいの緩やかな形状をしており、しかも光学素子
51と52の非球面形状が互いに補いあう相補形をして
いるため、光学素子51と52の相対位置の変化による
収差の発生量はほとんど投影光学系の他の光学特性に影
響を与えず、3次のディストーションのみを修正するこ
とができる。
【0335】本実施形態では3 次ディストーションの補
正方向を装置の走査方向と直交する方向としたことが特
徴であるが、補正量が小さいことや及びずらし量の絶対
値を適当に選べることにより、使用する非球面が干渉計
で計測することが容易な量にまで小さくできる。本発明
においては2つの非球面のずらした差から所望の光学特
性を発生させるため、もとの非球面の量、即ち光学素子
51及び52自体の非球面量は得たい最終形よりも大き
い値となる。上記の例でいえば 1μm の非球面量を得る
ために夫々の光学素子に 4.00 μm の非球面が必要とさ
れる。
【0336】これに傾きの最適化を行えば 2.14 μm ま
で小さくなり、干渉計の高精度な測定域に入ってくる。
非球面の製作に当たっては面が所望する形状に正確に加
工されたかを計測できるかというのが重要であるが、本
発明程度の量に抑える ことができれば現行の技術で充
分である。この値をさらに小さくするためにはここで5m
m に設定したずらし量をさらに大きな値とすればよい。
【0337】少なくとも1つの非球面の光学素子の駆動
の指令は予め装置に記憶された手順に従って変更しても
よいし、実際のウェハーの計測値に基づいて行ってもよ
い。たとえば照明モードあるいはNAの違いによって3次
のディストーションが変化する場合には、予め変化量を
記憶しておいて、照明モードやNAを変更したときに前述
の非球面光学素子の横ずらしを行えばよい。このときに
は同時に倍率成分も公知の補正手段により補正が行われ
る。
【0338】またこのように最初から設定しておくので
はなくて、ディストーションの計測できるレチクルを用
いて画面内のディストーション成分を分析し、その値に
基づいて倍率成分と3次のディストーション成分をそれ
ぞれ補正してもよい。この場合の計測は装置上で自動的
に行ってもよいし、一旦レチクルの像をウエハー上に焼
き付けてから計測するオフライン的なものでも構わな
い。
【0339】図25は本発明を実施した半導体露光装置
の実施形態9である。実施形態8と異なるのは3次のディ
ストーションの制御を行う光学手段T4を構成する2枚
の光学素子51,52がウェハーと投影光学系の間に設
けられていることである。その他の作用は前述の実施形
態とほぼ同じである。
【0340】これまでの実施形態8,9の説明式では対
向して置かれた2つの非球面光学素子の一方のみを動か
して所望の特性を得る場合を示したが、両者の相対的な
動きはこれに限るものではなく、光軸に対して双方を対
称にたとえば上の光学素子51を右にΔ、下の光学素子
52を左にΔ動かすような動きにしてもよい。
【0341】ここまでは3次のディストーション補正を
走査方向に直交する方向についてのみ行ったが、走査ス
リットの幅が大きくなった場合や、ステッパーに応用す
る場合には非球面の形状を ga(x,y) = a(x5+ 5x4y) +b1 gb(x,y) = a(x5+ 5x4y) + b2 ‥‥‥(4d) とする。初期状態においては非球面 ga(x,y)は非球面gb
(x,y)と凹凸が一致してキャンセルするため、光学素子
51と光学素子52はトータルとして光学的パワーがゼ
ロであり、平行平面板としての働きをするに過ぎない。
光学素子51と52の間の距離は小さいほどよく例えば
100μm程度の値が典型的である。ここで素子51をΔだ
けx方向に動かした場合を想定する。このときの影響は
Δの高次の項の影響が小さいとして無視すると、 ga(x+Δ,y) −gb(x,y) =5aΔ(x4 +y4) +( b1−b2 ) ‥‥‥ (5d) となる。(5d)式が x4 +y4の項を持っていることが本発
明の根幹である。このためずらし量Δによって光学素子
51,52より成る光学手段は回転対称に4 次の特性を
もつ光学素子となり、しかもその特性を横ずらし量Δに
よって自由に制御することが可能であることが特徴であ
る。
【0342】ずらして差分をとるという作業は微分その
ものなので、非球面の形状として7次を入れておき、微
分の効果で4 次の成分を出しているのが光学素子51と
52の作用である。これにより3次のディストーション
を自由に制御することができる。なお光学素子51と5
2の挿入位置については前記実施形態と同様に、投影光
学系とレチクルの間、あるいは投影光学系とウエハーの
間等が考えられる。また、場合によっては投影光学系の
中に本素子を組み込むことも可能である。
【0343】また実施形態8,9の説明と同様に、片一
方の光学素子のみを動かすのではなく、他の実施形態で
説明したように光学素子51,52を光軸に対称に(逆
方向に)動かす構成としても良い。
【0344】図26は本発明の投影露光装置の実施形態
10の要部概略図である。本実施形態は通常のステッパ
ー又はスキャンタイプのステッパーである投影露光装置
に適用した場合を示している。
【0345】同図において4は露光照明系であり、第1
物体としてのレチクル1を照明している。露光照明系4
は光源として、ArFエキシマレーザー(波長193n
m)又はKrFエキシマレーザー(波長248nm),
又はi線(波長365nm)を発するランプを用いるも
ので、公知の光学系から構成されている。
【0346】1は第1物体としてのレチクルである。2
は屈折型又はカタジオプトリック系等の投影光学系であ
り、露光照明系4によって照明されたレチクル1の回路
パターンを第2物体としてのウエハー(基板)3に投影
している。
【0347】T5は高次のディストーションを制御する
機能を有する光学手段であり、後述するように非球面を
有する2つの光学素子61,62とを有しており、各光
学素子61,62の位置関係を光軸と直交する方向に少
なくとも1つの素子をずらして変化させ、例えば走査と
直交する方向に素子をずらしてこの方向について高次の
ディストーションを補正している。光学手段T5はレチ
クル1と投影光学系2の間の光路中に配置している。5
はウエハーホルダーであり、ウエハー3を保持してい
る。6はウエハーステージであり、ウエハーホルダー5
を載置しており、xyz駆動及びθ駆動、チルト駆動等
を行っている。
【0348】7は干渉用ミラーであり、ウエハーステー
ジ6の位置を不図示の干渉計でモニターするためのもの
である。干渉計ミラー7と干渉計から得られる信号を用
いて不図示のウエハーステージ駆動制御系によりウエハ
ー3を常に所定の位置となるように位置決めして、これ
より露光を行っている。
【0349】本実施形態が走査型の投影露光装置である
ときはレチクル1を載置している不図示のレチクルステ
ージとウエハーステージ6とを投影光学系2の結像倍率
に応じた速度比率で光軸Aと直交する方向へ駆動して走
査露光している。
【0350】本実施形態では光学手段T5を光路中に設
けているのが通常のステッパー又は走査型のステッパー
と異なっており、その他の構成は基本的に同じである。
【0351】図26の実施形態では、高次のディストー
ション補正を行う2枚一組の夫々が非球面を有する光学
素子より成る光学手段T5を投影光学系2とレチクル1
との間に挿入している。
【0352】ここで高次のディストーションとは、倍率
成分と光学の解説書などで樽型や糸巻型と呼ばれる像高
の値に対して3次特性をもつ成分までを除いた、4次以
上のより高次のディストーション成分と定義する。
【0353】本実施形態を適用する投影光学系は屈折型
のものでもカタジオプトリック系でもよく、また該投影
光学系は予め倍率と3次のディストーションを制御する
機能を備えている。倍率及び3次のディストーションの
制御手段としては、例えば投影光学系内の光学素子(レ
ンズ等)を光軸方向に移動させる手法や投影光学系の一
部の空間内の圧力を制御する手法などの公知手段が知ら
れており、これらはいずれも本実施形態に適用可能であ
る。しかしながらこれらの手段は倍率と3次までの低次
のディストーション成分を制御するもので、高次のディ
ストーション成分を制御することはできない。
【0354】しかしながら前述のとおり、変形照明、位
相シフトマスクなど種々の新しい結像法が混在して使用
されるようになると各結像法相互間でのディストーショ
ンのマッチングが問題となる。このマッチングの誤差は
光学系の加工誤差などから発生するものが主である。
【0355】本発明者の行ったマッチンッグの誤差解析
によると、倍率と3次のディストーションを補正した場
合、誤差の主成分は高次のディストーション成分と、互
いに直交するx方向とy方向の倍率差の2つが主であるこ
とが判明した。スキャン型の露光装置の場合にはこのよ
うな2方向の倍率差は同期走査の時の速度比を調節する
ことによって容易に補正することができる。しかしなが
ら高次の成分を調節することは普通の光学系では困難で
あった。これは単純に光学素子を光軸方向に動かしたり
空間内の圧力を制御するだけでは3次のディストーショ
ン成分までが変わるだけで、5次以上の高次成分はほと
んど変化しないという事実に基づいている。
【0356】しかしながら焦点深度の拡大や、より微細
なパターンの解像を目指して変形照明や位相シフトマス
クなどの新しい結像法を用いると、用いた結像法の数に
付随して高次のディストーションの値も変化する。従っ
て高次の値を自由に制御するというのはマッチングの精
度を向上させるための必須用件となってきている。
【0357】そこで本実施形態10では従来の投影光学
系では発生量をコントロールするのが困難であったこの
高次のディストーションを非球面より成る光学素子を用
いて自由に制御し、マッチング精度を向上させている。
【0358】このため本実施形態では倍率成分、及び3
次のディストーション成分については公知の方法、例え
ば投影光学系の1部の光学素子を光軸方向に移動する、
レチクルを光軸方向に移動する、あるいは光学系内の圧
力を制御するといった方法を使用し、さらに高次の成分
については光学手段T5を用いて補正するようにしてい
る。
【0359】続いて高次のディストーションを発生、制
御するための光学手段T5の構成について説明する。
【0360】本実施形態では2枚一組の光学素子より成
る光学手段T5を用いて投影光学系2に高次のディスト
ーションを発生させることを特徴としている。このため
の光学素子としては例えば特公昭43−10034号公
報に開示されているような光学素子を適用している。
【0361】図29は本実施形態の光学手段T5の要部
概略図である。本実施形態の光学手段T5の互いに向か
い合って配置されている光学素子61と62は、それぞ
れ外側の面が平面であり、向き合っている面同士が同一
の非球面形状を持っている。
【0362】図中光軸Aに直交する形でx,y軸を取
り、y方向を装置の走査方向と一致させている。互いに
向かい合っている非球面の形状で光学素子61の方をf
a(x,y)、光学素子62の方をfb(x,y)とす
ると、両者は定数項だけ異なるxの同一の7次式で与え
られる。即ち fa(x,y) = ax7 + b1 fb(x,y) = ax7 + b2 ‥‥‥(1e) (1e)式で走査方向のyの項が無いのは光学手段T5
に投影光学系に対し走査方向y方向と直交するx方向に
のみ光学的な特性を与えるためである。走査を行うy方
向については走査による平均化のため高次のディストー
ションがキャンセルされるため、本実施形態で高次のデ
ィストーションを制御するのはx方向のみでよい。光学
素子61と62はx方向に少なくとも一方をずらして同
方向に関する相対位置を変化させることによって用いら
れるが、ずらしによって高次のディストーションを発生
させるため、非球面の形状としてはxの7次以上の項が
必須である。
【0363】初期状態においては非球面fa(x,y)
は非球面fb(x,y)と凹凸が一致してキャンセルす
るため、光学素子61と62はトータルとして光学的パ
ワーがゼロであり、平行平面板としての働きをするに過
ぎない。光学素子61と62の間の距離は小さいほどよ
く例えば100μm程度の値が典型的である。ここで光
学素子61をΔだけx方向に動かした場合を想定する。
このときの影響は fa(x +Δ,y) −fb(x,y) =7aΔx6+ 21aΔ2x5 +35a Δ3x4 +35a Δ4x3 + 21aΔ5x2 +7aΔ6x+Δ7 +(b1 −b2 ) ‥‥(2e) ここでΔの高次の項は移動量が小さいとして無視する
と、(2e) 式は簡単となって、 fa(x+Δ,y) −fb(x,y) =7aΔx6+( b1−b2 ) ‥‥(3e) となる。
【0364】(3e)式がx6 の項を持っていることが
本実施形態の根幹である。このため横ずらし量Δによっ
て光学素子61,62はx方向にのみに6次の特性をも
つ光学素子となり、しかもその特性をずらし量Δによっ
て自由に制御することが可能である。
【0365】ずらして差分をとるという作業は微分その
ものなので、非球面の形状として7次を入れておき、微
分の効果で6次の成分を出しているのが光学素子61と
62の作用である。
【0366】前述のマッチングのために小さなディスト
ーションの値を補正するために要求される非球面の量の
絶対値は非常に小さい。代表的な例として仮に所望のデ
ィストーションを発生させるための非球面量を1μmと
し、レンズの径を200mm 、このときの横ずらし量Δを5m
m とすると(3e)式より 7 a × 5×1012= 0.001 となり、 a = 2.86 ×10-17 という値が得られる。
【0367】100 は径が200mm なので半径の値を示して
いる。従って(1e)式より非球面の量は 2.86×(10-17) ×(1014)=2.86×10-3 という値となり、±2.86μm の非球面量をもともとの光
学素子61,62が持っていたことになる。
【0368】平面からのずれの実際量を小さくするには
これにxの1次の項であるcxの項を加えるとよい。100mm
のところで2.86μmの値を与えるcの値は2.86×10-5なの
で、aとc を逆符号として c=−2.86×10-5 とすると非球面量の平面からのずれは±1.77μm にまで
減少させることができる。
【0369】図27はcがゼロのときの非球面の形状、
図28はcに上記の値を入れたときの形状である。200mm
の径のなかで非球面がこのくらいの緩やかな形状をして
おり、しかも光学素子61と62の非球面が互いに補い
あう相補形をしているため、光学素子61と62の相対
位置の変化による収差の発生量はほとんど他光学特性に
影響を与えず、高次のディストーションのみを修正する
ことができる。
【0370】本実施形態では高次のディストーションの
補正方向を装置の走査方向と直交する方向としたことが
特徴であるが、補正量が小さいこと、及びずらし量の絶
対値を適当に選べることにより、使用する非球面が干渉
計で計測することが容易な量にまで小さくできることが
本実施形態のもう一つのポイントである。
【0371】本実施形態においては2つの非球面をずら
した差から所望の光学特性を発生させるため、もとの非
球面の量、即ち光学素子61及び62自体の非球面量は
得たい最終形(差分)よりも大きい値となる。上記の例
でいえば1μmの値を得るために2.86μmの非球面が必要
とされる。これに傾きの最適化を行えば1.77μmまで小
さくなる。これらの値が干渉計の高精度な測定域に入っ
てくるというのが本実施形態を適用するに当たってのキ
ーポイントである。
【0372】非球面の製作に当たっては面が所望する形
状に正確に加工されたかを計測できるかというのが重要
であるが、本実施形態程度の量に抑えることができれば
現行の技術で充分である。この値をさらに小さくするた
めには5mmに設定したずらし量をさらに大きな値とすれ
ばよい。
【0373】非球面の光学素子の駆動のための指令は予
め装置に記憶された手順(データ)に従って変更しても
よいし、実際のウェハーの計測値に基づいて行ってもよ
い。たとえば照明モードあるいはNAの違いによって高次
のディストーションが変化する場合には、予め変化量を
記憶しておいて、照明モードやNAを変更したときに前述
の非球面光学素子の横ずらしを行えばよい。このときに
は同時に高次のディストーションより低次のディストー
ション成分、たとえば3次のディストーションや倍率成
分も公知の補正手段により補正が行われる。
【0374】またこのように最初から設定しておくので
はなくて、ディストーションの計測できるレチクルを用
いて画面内のディストーション成分を分析し、その値に
基づいて倍率から高次にいたるまでのディストーション
をそれぞれ補正してもよい。この場合の計測は装置上で
自動的に行ってもよいし、一旦レチクルの像をウエハー
上に焼き付けてから計測するオフライン的なものでも構
わない。
【0375】図29は本発明の実施形態11の要部概略
図である。本実施形態は図23の実施形態10に比べて
光学手段T5を投影光学系2とウエハ3との間に設けて
いる点が異なっているだけであり、その他の構成は同じ
である。
【0376】これまでの実施形態10,11の説明式で
は対向して置かれた2つの非球面より成る光学素子の一
方のみを動かして所望の特性を得る場合を示したが、両
者の相対的な動きはこれに限るものではなく、光軸に対
して双方を対称に(逆方向に)たとえば上の光学素子1
1を右にΔ、下の光学素子12を左にΔ動かすような動
きにしてもよい。
【0377】また実施形態中においては高次のディスト
ーションとして5次のディストーションまで考えたが、
さらに高次の特性まで考えるときには非球面の形状とし
てさらに高次の項、例えば9次あるいはそれ以上の項を
加えた形状にしてもよい。
【0378】以上述べてきたように実施形態10,11
では従来より補正できなかった高次のディストーション
成分を投影露光装置で可変補正することを可能としてい
る。この結果、照明モードやNAの変化に伴うディスト
ーションの変化や装置間のディストーションマッチン
グ、レチクル作成誤差等、従来より補正できなかった高
次のディストーション成分を可変で調整できる為、デバ
イス(半導体)を作成する際のオーバーレイ精度が格段
に向上する。256MDRAMあるいはそれ以降の微細
加工時には解像力よりもむしろ位置合わせ精度が制約に
なるという予測もあるなかで、従来より補正できない成
分として残存していた高次成分を補正できるため、本実
施形態10,11の効果は非常に大きい。
【0379】また高次ディストーション成分が可変であ
るため、種々の変動にも対応でき、非球面量が小さいた
めに他性能に対する影響を無視できる値に抑えることが
できるということも大きな利点である。
【0380】また、本実施形態10,11では高次ディ
ストーションを発生させる方向を走査型の投影露光装置
の走査方向と直交する方向とした。走査方向に平均化の
効果の無い方向で、ディストーションを補正できること
でシステム全体のバランスが向上し、トータルとしての
位置合わせ精度に大きく寄与する効果も持たせることが
できる。
【0381】ここまでは高次のディストーション成分の
補正を走査方向に直交する方向についてのみ行ったが、
走査スリットの幅が大きくなった場合や、ステッパーに
応用する場合には非球面の形状を ga(x,y)=a(x7+7x6y)+b1 gb(x,y)=a(x7+7x6y)+b2 ‥‥‥ (4e) とする。初期状態においては非球面 ga(x,y) は非球面
gb(x,y)と凹凸が一致してキャンセルするため、光学素
子61と62はトータルとして光学的パワーがゼロであ
り、平行平面板としての働きをするに過ぎない。61と
62の間の距離は小さいほどよく例えば100 μm 程度の
値が典型的である。ここで素子61をΔだけx 方向に動
かした場合を想定する。このときの影響はΔの高次の項
の影響が小さいとして無視すると、 ga(x+Δ,y) ーgb(x,y) =7aΔ(x6 +y6) +( b1−b2 ) ‥‥‥ (5e) となる。(5e)式が x6 +y6の項を持っていることが本発
明の根幹である。このためずらし量Δによって光学素子
61,62より成る光学手段T5は回転対称に6次の特
性をもつ光学系となり、しかもその特性を横ずらし量Δ
によって自由に制御することが可能であることが特徴で
ある。
【0382】ずらして差分をとるという作業は微分その
ものなので、非球面の形状として7次を入れておき、微
分の効果で6次の成分を出しているのが光学素子61と
62の作用である。これにより高次のディストーション
を自由に制御することができる。なお光学素子61と6
2の挿入位置については前記実施形態と同様に投影光学
系とレチクルの間、あるいは投影光学系とウエハーの間
等が考えられる。また、場合によっては投影光学系の中
に本素子を組み込むこともできる。
【0383】光学素子61の一方だけでなく、光学素子
61と62を光軸に関して対称に(逆方向に)動かす構
成としても良い。
【0384】以上述べた様に、本発明では同一の形状式
で表わされる2つの面を対向して配置し、両者を互いに
所望の量だけ横ずらして、所望の光学特性を得ることを
特徴としている。2つの面は横ずらし0の基準状態にお
いては互いに補いあって、光学特性を持たず、横ずらし
した状態で該ずらし方向に対する微分効果で発生する光
学特性を持つ。
【0385】即ち光学系の光軸に対して垂直な平面上に
取った直交座標系(x,y)において、横ずらしする方
向をx方向とすると、本発明の面形状p(x,y)は p(x,y)=axn という項を持つことを特徴としている。nが3のときは
2次の項で表わされる諸特性、例えば倍率や、フォーカ
ス位置を変えることができる。式が一方向なので変える
ことができるのはずらした方向の倍率や、フォーカス位
置である。具体的にはx方向とy方向の倍率差や、x方
向とy方向パターンのフォーカス差、即ち非点収差が制
御対象となる。どの収差がコントロールされるかは本発
明の素子を挿入する位置によるのは先の実施形態で示し
たとおりである。
【0386】x方向の取り方は前述の通り、スキャナー
の場合には走査スリットの方向に平行であるか、直交す
る方向が好ましい。これはマスクのパターニングされた
有効領域の長方形領域の辺に平行または直交する方向で
もある。またずらし方も対応する2つの素子を光軸に対
して互いに対称な移動量になるように動かしたり、一方
を固定して、他方を動かす方法が適用できる。
【0387】スキャナーでは軸上でも露光光の吸収によ
り経時的に変化しながら非点収差が発生する可能性があ
るため、nが3の場合の非点収差補正は本発明の素子の
際立った特徴である。補正量はずらし量によって正にも
負にも自由にコントロールすることができる。またずら
し量が数値例で示したように5mm等大きな値であるた
め、設定公差が緩くメカニカルに特別に高精度な構造を
とる必要がない。
【0388】別の応用例としてnを2とすれば像面の傾
きの補正もできる。
【0389】歪曲収差は本素子をレチクル近傍に挿入す
ると補正が容易である。nが4の場合には偏心による2
次の歪曲収差、nが5の場合には3次の歪曲収差、nが
6の場合には偏心等による4次の高次の歪曲収差、nが
7の場合には5次の高次の歪曲収差が補正できる。
【0390】これらの収差を独立に制御するには、独立
に制御する数だけ本発明の素子が必要である。またnが
奇数のときには形成される関数であるxn-1が偶関数で
はないため、ずらのし効果がxの正方向と負の方向で異
なることに注意してずらし量を決めねばならない。
【0391】また公知の手段により、例えば倍率や3次
の歪曲収差が制御できるのであれば、公知手段の及ばな
い成分の制御に本発明を適用させればよい。
【0392】一方本発明では別の形状q(x,y)とし
て q(x,y)=a(xn +nxyn-1 ) という形状が適している例も示した。形状がq(x,
y)の場合はx方向にずらしてxn-1 +yn-1 に基づく
特性を持たすことができる。p(x,y)の場合に比べ
てyも含んだ特性はステッパーや、スキャナーでスリッ
ト幅が大きく単純にxの一方向補正のみでは不十分な場
合に有効である。
【0393】x方向の取り方は前述の通り、スキャナー
の場合には走査スリットの方向に平行であるか、直交す
る方向が好ましい。これはマスクのパターニングされた
有効領域の長方形領域の辺に平行または直交する方向で
もある。またずらし方も前述した全ての実施例と同じく
対応する2つの素子を光軸に対して互いに対称な移動量
になるように動かしたり、一方を固定して、他方を動か
す方法が適用できる。
【0394】nが3の場合に像面湾曲が補正できるとい
うのは本発明の大きな特徴である。nを5とすれば高次
の像面湾曲の補正も可能である。
【0395】別の応用例としてnを2とすれば像面の傾
きの補正もできる。
【0396】歪曲収差は本素子をレチクル近傍に挿入す
ると補正が容易である。nが4の場合には偏心による2
次の歪曲収差、nが5の場合には3次の歪曲収差、nが
6の場合には偏心等による4次の高次の歪曲収差、nが
7の場合には5次の高次の歪曲収差が補正できる。
【0397】これらの収差を独立に制御するためには、
独立に制御する数だけ本発明の素子が必要である。また
nが奇数のときには形成される関数であるxn-1+yn-1
が偶関数ではないため、ずらしの効果がxの正方向と負
の方向で異なることに注意してずらし量を決めねばなら
ない。
【0398】次に上記説明した投影露光装置を利用した
半導体デバイスの製造方法の実施例を説明する。
【0399】図30は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、或は液晶パネルやCCD等)の製造の
フローチャートである。
【0400】本実施例においてステップ1(回路設計)
では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2
(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマ
スクを製作する。
【0401】一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4
(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマ
スクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ
上に実際の回路を形成する。
【0402】次のステップ5(組立)は後工程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。
【0403】ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0404】図31は上記ステップ4のウエハプロセス
の詳細なフローチャートである。まずステップ11(酸
化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(C
VD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。
【0405】ステップ13(電極形成)ではウエハ上に
電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打
込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0406】ステップ17(現像)では露光したウエハ
を現像する。ステップ18(エッチング)では現像した
レジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジス
ト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジスト
を取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことに
よってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0407】尚本実施例の製造方法を用いれば高集積度
の半導体デバイスを容易に製造することができる。
【0408】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、投影光学
系が露光光を吸収したことによる光学性能の変化、例え
ば軸上非点収差,像面湾曲やウエハのプロセス要因等で
起こるウエハー自身の非対称な倍率やディストーション
等のうち少なくとも1つを適切に設定した形状の非球面
を有する少なくとも2つの光学素子を有する光学手段を
利用することによって、他の光学特性への影響を最小限
に押えて補正し、高解像度のパターンが容易に得られる
投影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法を達
成することができる。
【0409】又、微細パターンを焼き付ける対象である
ウエハーの各プロセスを得た後の伸縮の状態の補正の他
に装置用のディストーションマッチングやレチクルの描
画誤差の補正等も、適切に設定した形状の非球面を有す
る少なくとも2つの光学素子を有する光学手段を用い、
互いに直交するx方向とy方向の倍率を独立に制御する
ことによって可能とすると共に、該制御に伴って起こる
他の光学特性への影響を最小限に抑えた投影露光装置及
びそれを用いたデバイスの製造方法を達成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】図1の一部分の拡大説明図
【図3】図1の一部分の拡大説明図
【図4】図1の一部分の他の実施形態の説明図
【図5】図1の一部分の他の実施形態の説明図
【図6】図1の一部分の他の実施形態の説明図
【図7】本発明の実施形態2の要部概略図
【図8】本発明の実施形態3で用いる光学手段の説明図
【図9】本発明の実施形態4の要部概略図
【図10】図9の一部分の拡大説明図
【図11】図9の一部分の拡大説明図
【図12】図9の一部分の他の実施形態の説明図
【図13】図9の一部分の他の実施形態の説明図
【図14】図9の一部分の他の実施形態の説明図
【図15】本発明の実施形態5の要部概略図
【図16】本発明の実施形態6の要部概略図
【図17】図16の一部分の拡大説明図
【図18】図16の一部分の拡大説明図
【図19】図9の一部分の他の実施形態の説明図
【図20】図9の一部分の他の実施形態の説明図
【図21】図9の一部分の他の実施形態の説明図
【図22】本発明の実施形態7の要部概略図
【図23】本発明の実施形態8の要部概略図
【図24】図23の一部分の拡大説明図
【図25】本発明の実施形態9の要部概略図
【図26】本発明の実施形態10の要部概略図
【図27】図26の一部分の拡大説明図
【図28】図26の一部分の拡大説明図
【図29】本発明の実施形態11の要部概略図
【図30】本発明の半導体デバイスの製造方法のフロー
チャート
【図31】本発明の半導体デバイスの製造方法のフロー
チャート
【符号の説明】
1 第1物体(レチクル) 2 投影光学系 3 第2物体(ウエハ) 4 露光照明系 5 ウエハーホルダー 6 ウエハーステージ 7 干渉用ミラー T1,T2,T3,T4,T5 光学手段 11,12,21,22,23,31,32,41,4
2,51,52,61,62 光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターンを基板上に投影する投
    影光学系を有し、 前記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の
    光軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材
    を有し、 前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面する
    ように配置され、 前記一対の非球面部材のそれぞれの非球面の形状は、前
    記一対の非球面部材の非球面間の前記直交方向の位置関
    係が変わることにより、前記投影光学系の軸上非点収差
    が変化するように定められ、 前記少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向
    に変位させることにより前記投影光学系の軸上非点収差
    を調節することを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記一対の非球面部材の夫々の非球面の
    形状は、前記移動の方向をx方向と仮定して、式で表わ
    した時にxの3次の項を含むことを特徴とする請求項1
    の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の非球面部材が互いに逆方向に
    前記直交方向に移動することを特徴とする請求項1の投
    影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記マスクと前記基板を走査しながら前
    記投影露光を行なっており、前記x方向は前記走査の方
    向と直交していることを特徴とする請求項2の投影露光
    装置。
  5. 【請求項5】 マスクのパターンを基板上に投影する投
    影光学系を有し、 前記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の
    光軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材
    を有し、 前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面する
    ように配置され、 前記一対の非球面部材のそれぞれの非球面の形状は、前
    記一対の非球面部材の非球面間の前記直交方向の位置関
    係が変わることにより、前記投影光学系の像面湾曲が変
    化するように定められ、 前記少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向
    に変位させることにより前記投影光学系の像面湾曲を調
    節することを特徴とする投影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記一対の非球面部材の夫々の非球面の
    形状は、前記移動の方向をx方向と仮定して、式で表わ
    した時にxの3次の項を含み、又前記光学特 性は該x方
    向に関する前記像面湾曲を含むことを特徴とする請求項
    5の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記一対の非球面部材が互いに逆方向に
    前記直交方向に移動することを特徴とする請求項5の投
    影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記マスクと前記基板を走査しながら前
    記投影露光を行なっており、前記x方向は前記走査の方
    向と直交していることを特徴とする請求項6の投影露光
    装置。
  9. 【請求項9】 マスクのパターンを基板上に投影する投
    影光学系を有し、 前記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の
    光軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材
    を有し、 前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面する
    ように配置され、 前記一対の非球面部材のそれぞれの非球面の形状は、前
    記一対の非球面部材の非球面間の前記直交方向の位置関
    係が変わることにより、前記投影光学系の投影倍率が変
    化するように定められており、 前記少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向
    に変位させることにより前記投影光学系の投影倍率を調
    節することを特徴とする投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記一対の非球面部材の夫々の非球面
    の形状は、前記移動の方向をx方向と仮定して、式で表
    わした時にxの3次の項を含み、又前記光学特性は該x
    方向に関する前記投影倍率を含むことを特徴とする請求
    項9の投影露光装置。
  11. 【請求項11】 前記一対の非球面部材が互いに逆方向
    に前記直交方向に移動することを特徴とする請求項9の
    投影露光装置。
  12. 【請求項12】 前記マスクと前記基板を走査しながら
    前記投影露光を行なっており、前記x方向は前記走査の
    方向と直交していることを特徴とする請求項10の投影
    露光装置。
  13. 【請求項13】 マスクのパターンを基板上に投影する
    投影光学系を有し、 前記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の
    光軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材
    を有し、 前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面する
    ように配置され、 前記一対の非球面部材のそれぞれの非球面の形状は、前
    記一対の非球面部材の非球面間の前記直交方向の位置関
    係が変わることにより、前記投影光学系の歪曲が変化す
    るように定められており、 前記少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向
    に変位させることにより前記投影光学系の歪曲を調節す
    ることを特徴とする投影露光装置。
  14. 【請求項14】 前記一対の非球面部材の夫々の非球面
    の形状は、前記移動の方向をx方向と仮定して、式で表
    わした時にxの5次の項を含むことを特徴とする請求項
    13の投影露光装置。
  15. 【請求項15】 前記一対の非球面部材の夫々の非球面
    の形状は、前記移動の方向をx方向と仮定して、式で表
    わした時にxの7次の項を含むことを特徴とする請求項
    13の投影露光装置。
  16. 【請求項16】 前記一対の非球面部材が互いに逆方向
    に前記直交方向に移動することを特徴とする請求項13
    の投影露光装置。
  17. 【請求項17】 前記マスクと前記基板を走査しながら
    前記投影露光を行なっており、前記x方向は前記走査の
    方向と直交していることを特徴とする請求項14又は1
    5の投影露光装置。
  18. 【請求項18】 前記投影光路中に、更に、夫々の非球
    面同士が向かい合っている第2の一対の透明な非球面部
    材を有し、該第2の一対の非球面部材が前記光軸と直交
    する方向であって且つ前記x方向に直交するy方向に移
    動可能であり、この第2の一対の非球面部材の移動によ
    って前記マスクのパターンを基板上に投影するときの前
    記y方向に関する像面湾曲が変化し、前記第2の一対の
    非球面部材の夫々の非球面の形状は、式で表わした時に
    yの3次の項を含むことを特徴とする請求項6の投影露
    光装置。
  19. 【請求項19】 前記2組の一対の非球面部材を用いて
    前記マスクのパターンを基板上に投影するときの像面湾
    曲と軸上非点収差を調整することを特徴とする請求項1
    8の投影露光装置。
  20. 【請求項20】 前記第2の一対の非球面部材が互いに
    逆方向に前記直交方向に移動することを特徴とする請求
    項18の投影露光装置。
  21. 【請求項21】 前記2組の一対の非球面部材の夫々
    が、互いに逆方向に前 記直交方向に移動することを特徴
    とする請求項18の投影露光装置。
  22. 【請求項22】 前記2組の一対の非球面部材の一方の
    部材が、各組共通の両面が非球面の1つの部材であるこ
    とを特徴とする請求項18の投影露光装置。
  23. 【請求項23】 マスクのパターンを基板上に投影する
    投影光学系を有し、 前記投影光学系は、少なくとも一方が前記投影光学系の
    光軸と直交する方向に変位可能である一対の非球面部材
    を有し、 前記一対の非球面部材は、それぞれの非球面が対面する
    ように配置され、 前記一対の非球面部材のそれぞれの非球面の形状は、前
    記一対の非球面部材の非球面間の前記直交方向の位置関
    係が変わることにより前記一対の非球面部材の一つの系
    としての屈折力が変化するように定められており、 前記少なくとも一方の非球面部材を光軸と直交する方向
    に変位させることにより前記投影光学系の屈折力を調節
    することを特徴とする投影露光装置。
  24. 【請求項24】 前記位置関係が所定の関係のときに前
    記一つの系としての前記屈折力がゼロになるように前記
    非球面の形状が定めてあることを特徴とする請求項23
    の投影露光装置。
  25. 【請求項25】 前記対面する非球面は、前記一対の非
    球面部材が所定の位置関係にある時に一致するような形
    状を有することを特徴とする請求項1から24のいずれ
    か1項記載の投影露光装置。
  26. 【請求項26】 請求項1から25のいずれか1項記載
    の投影露光装置によってデバイスパターンを基板上に転
    写する段階と、 該転写した基板を現像する段階を含むことを特徴とする
    デバイスの製造方法。
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