JP3301591B2 - 合わせガラス用中間膜および合わせガラス - Google Patents
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Description
間膜および合わせガラスに関する。
色、断熱や紫外線遮断および電波透過等の機能付与はも
ちろん、車輌用ガラスにおいても車内に通入する太陽輻
射エネルギーを遮蔽し、車内の温度上昇、冷房負荷を低
減させる目的から熱線遮蔽ガラス、さらに人的物的両面
や環境に優しくするため紫外線遮蔽を付加したものが車
輌用に採用されている。また最近は特に該車輌用ガラス
において、グリーン色調で充分な可視光透過率を有しな
がら高熱線紫外線遮蔽性能を持ちかつ各種電波の高透過
性能が要求されるようになってきている。そのうち、微
粒子あるいは超微粒子を合せガラスの中間層に分散する
ものとしては次のような出願が知られている。
剤と微粒子状無期物質を可塑化ポリビニルブチラール樹
脂に含有させた短波長光線遮断性合せガラス用中間膜が
記載されており、特開平4-160041号公報には、超微粒子
とガラス成分との混合層を透明板状部材間に形成してな
る自動車用合わせガラスが記載されており、さらに特開
平4-261842号公報には、エチレン・エチルアクリレート
共重合樹脂に二酸化ケイ素微粒子を含有した中間膜を有
する合わせガラス開示されている。さらに、当社出願の
合わせガラス2件(特願平07−007944号、07
−165489号)には、合わせ中間膜に機能性微粒子
を分散させた合わせガラスが開示されている。
粒子を合わせ中間膜に混入させ、直接ガラスと該中間膜
とを接着、積層処理し合わせたものであり、混入する粒
子の種類、混入量、粒子径等により、ガラスと合わせ中
間膜との接着強度が影響され、好ましいものではなかっ
た。例えば、微粒子が酸化物系の場合には、ガラスとの
接着強度が増加し、自動車用の場合には、合わせガラス
破壊時における衝撃吸収力が低減し安全上の問題点があ
った。
ような課題に鑑みてなしたものであり、従来から使用さ
れている合せガラス用中間膜層に影響を与えることな
く、中間膜層に機能性超微粒子を適宜分散し含有せしめ
ることで、断熱性能や紫外線遮断性能や電波透過性能等
の機能特性を付与し、しかもクリア乃至着色の色調の制
御および透視性の確保や反射性とぎらつき感の防止等を
バランスよくもたらしめ、従来の合せガラスと変わらな
い品質を得るようにでき、特殊成分組成ガラスや特殊表
面加工ガラスを必要とせず、かつ現在使用中の合せガラ
ス製造ラインをそのままで合せガラス化処理作業で行う
ことができ、例えばガラスとガラス、ガラスとプラスチ
ック、バイレイヤガラス等を安価にかつ容易にしかもガ
ラスの大きさや形態に自由自在に対応し得て製造でき、
建築用窓材はもちろん自動車用窓材、飛行機用窓材、こ
とに風防用ガラスにも充分適用でき、最近のニーズに最
適なものとなる有用な機能性合せガラスを提供するもの
である。
中間膜は、少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間に、
合わせ中間膜を設けた合せガラス用中間膜において、該
中間膜は3層の積層中間膜からなり、該3層中の第2層
の中間膜に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子を分散
せしめてなり、前記機能性超微粒子の混合割合は10.0〜
0.01wt%であり、前記機能性超微粒子は酸化物系であ
り、前記第1層及び第3層中間膜はポリビニルブチラー
ル樹脂膜であり、前記第2層中間膜は塩化ビニル樹脂で
あることを特徴とする。
前記機能性超微粒子は導電性アンチモン含有錫酸化物又
は導電性錫含有インジウム酸化物であることを特徴とす
る。
1記載の中間膜を用いたことを特徴とする耐貫通性、防
音性に優れるフロントウィンドシールドガラスとして有
用な自動車用窓ガラス。
の中間膜の中に粒径が0.2 μm 以下の機能性超微粒子を
分散せしめてなるものとしたのは、可視光域の散乱反射
を抑制しながら、例えば日射透過率が65%以下等熱線遮
蔽性能等微粒子の機能特性を充分発揮しつつ、超低ヘー
ズ値、電波透過性能、透明性を確保するためと、超微粒
子を含有せしめても従来の合せガラス用中間膜として例
えば接着性、透明性、耐久性等の物性を維持し、通常の
合せガラス製造ラインで通常作業で合せガラス化処理が
できるようにするためである。好ましくは粒径が0.15μ
m 以下程度であり、より好ましくは約0.10〜0.001 μm
程度である。なお粒径分布の範囲については、例えば約
0.03〜0.01μm 程度と均一化されていることがよい。
の混合割合が10.0wt%以下であるとしたのは、可視光域
の散乱反射を抑制しながら、例えば日射透過率が65%以
下などの熱線遮蔽性能等超微粒子の機能特性を充分発揮
する量を確保し、さらに低ヘーズ値、電波透過性能、透
明性であるようにし、しかも超微粒子を含有せしめても
従来の合せガラス用中間膜として例えば接着性、透明
性、耐久性等の物性を維持し、通常の合せガラス製造ラ
インによる通常作業で合せガラス化処理ができるように
するためで、前記粒径とも深い関係にあり、10.0wt%を
超えるようになると次第に上記要件を特に自動車用窓材
はもちろん建築用窓材としても実現し難くなるためであ
る。ことに例えば建築用合せガラス向けとして可視光透
過率Tvが35%以上の場合は無機顔料系超微粒子の混合割
合が約10〜0.1 wt%程度必要であり、建築用としては約
9〜0.01wt%程度、より好ましくは8〜0.05wt%程度で
あり、自動車用としては好ましい混合割合としては約2.
0 〜0.01wt%程度、より好ましくは1.5 〜0.05wt%程
度、さらに好ましくは1.0 〜0.1wt %程度である。いず
れにしても合せガラスとしての性能保持とめざす機能性
能との兼ね合いでその混合割合(含有量)は決定される
ものである。
ビニルブチラール系樹脂膜(PVB系)であるとしたのは、
これらが合せガラス用中間膜として汎用性のものである
から好ましい。具体的には可塑性PVB 〔積水化学工業社
製、三菱モンサント社製等〕、紫外線吸収剤、抗酸化
剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着
調整剤等を適宜添加配合できる。また、第2の中間膜と
して塩化ビニル樹脂を用いた場合には、防音性能を改善
することことができる。
スは種々の建築用窓材等として使用できることはもちろ
ん、特に自動車用窓材として例えばフロントガラス、リ
アガラスことにシェードバンド付きリアガラス、サイド
ガラスあるいはサンルーフガラスあるいは他の種々のガ
ラス等に使用できるものである。
無機質ガラス、有機ガラスあるいはこれらの複合ガラ
ス、特に所謂フロート法で製造された無機質で透明なク
リア乃至着色ガラス、強化ガラスやそれに類するガラ
ス、プライマ−や各種機能性膜等被覆膜付きガラスであ
って、好ましくは例えばグリーン系ガラスやブロンズ系
ガラスであり、さらに例えばグレー系ガラスやブルー系
ガラス等にも採用可能である。また合せガラスのほか複
層ガラス、バイレヤ−ガラス等、さらに平板あるいは曲
げ板等各種板ガラス製品として使用できることは言うま
でもない。また板厚としては例えば約1.0mm 程度以上約
12mm程度以下であり、建築用としては約2.0mm 程度以上
約10mm程度以下が好ましく、自動車用としては約1.5mm
程度以上約3.0mm 程度以下が好ましく、より好ましくは
約2.0mm 程度以上約2.5mm 程度以下のガラスである。
化としては、常法の型押出し法またはカレンダーロール
法等である。中間膜の膜厚としては約0.2〜1.2mm 程
度、好ましくは約0.3〜0.9mm 程度である。
オートクレーブ法、減圧下で常温から120 ℃まで昇温す
る中で80〜120 ℃の温度範囲で20〜30分間の加熱等であ
り、膜表面に均一な凹凸のしぼを設ける。なお、場合に
よって種々の簡易な合せガラス化処理を適宜適用できる
ことは言うまでもない。
は、従来から使用されている合せガラス用中間膜層に影
響を与えることなく、例えば自動車用安全ガラスに係わ
るJIS R 3212の各試験等をクリアする等、従来の合せガ
ラスと変わらない品質を得ることができる。また塩化ビ
ニル系樹脂膜を接着積層した複合膜を用いた合せガラス
は前述した特性に加え耐貫通性、防音性等にも優れるも
のとなり、フロントウィンドシールドガラスとして有用
な自動車用窓ガラスとなる等、透視性、耐候性ならびに
耐衝撃性等も優れ、車内の乗員の安全性ならびに居住性
等に寄与することができる自動車用窓ガラスを提供する
ものである。
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
(粒径0.02μm 以下)分散含有DOP(ジオクチルフタレー
ト) 10gと通常の DOP 100gをPVC(ポリ塩化ビニル) 樹
脂 450gに添加し、他の紫外線吸収剤等とともに3本ロ
ールのミキサーにより約70℃で約15分間程度練り込み混
合した。得られた製膜用原料樹脂を型押出機にて190 ℃
前後で厚み約0.8mm 程度にフイルム化しロールに巻き取
った。これをフィルム(A)とする。
た2枚の膜(B)とフィルム(A)とを、積層構成がポリビニ
ルブチラール樹脂層(B)/ポリ塩化ビニル樹脂層(A)/ポリ
ビニルブチラール樹脂層(B)になるように重ね合わせ
て、3層の積層中間膜を得た。この中間膜をそれぞれ1
辺30cmの正方形の厚み2.3mmの2枚のフロートガラスで
両側からサンドイッチし、この未圧着サンドイッチ体を
ゴムバックに入れ、20torrの真空度で20分間脱気した
後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度を
30分間保持した。こうして真空プレスにより仮圧着した
サンドイッチ体を、ついでオートクレーブ中に圧力12Kg
/cm2、温度135℃で熱圧着処理し、透明な合わせガラス
を作製した。
袋内を脱気減圧し、約80〜110 ℃程度で約20〜30分程度
保持した後一旦常温までにし、袋から取り出した積層体
をオートクレーブ装置に入れ、圧力約10〜14kg/cm2
、温度約110 〜140 ℃程度で約20〜40分間程度の加圧
加熱して合せガラス化処理をした。
よび評価を行った。 〔光学特性〕:分光光度計(340 型自記、日立製作所
製)で波長340 〜1800nmの間の透過率を測定し、JIS Z
8722及びJIS R 3106又はJIS Z 8701によって可視光透過
率Tv(380〜780nm)、日射透過率Ts(340〜1800nm) 、刺激
純度(%)、色調等を求めた。 〔くもり度〕:ヘーズ値H をJIS K6714 に準拠して行い
求めた。建築用としては3%以下、自動車用としては1
%以下を合格とした。 〔電波透過性〕:KEC 法測定(電界シールド効果測定
器)によって、電波10〜1000MHzの範囲の反射損失値(d
B)を通常の板厚3mm のクリアガラス(FL3t)単板品と対
比。その差の絶対値(△dB)が2dB以内を合格とした。 〔接着性〕: −18±0.6 ℃の温度で16±4 時間放置し
調整後、ハンマー打でのガラスの剥離での中間膜露出程
度。少ないものを合格とした。 〔耐熱性〕: 100 ℃の煮沸水中にて2 時間程度煮沸し
た後、周辺10mmを除き、残りの部分での遮の発生、くも
り、ガラスのひび割れ等の異常がないものを合格とし
た。 〔耐湿性〕: 50±2 ℃、相対湿度95±4 %の調整内に
2週間静置した後、遮の発生、くもり、ガラスのひび割
れ等の異常がないものを合格とした。 〔電気的特性〕:三菱油化製表面高抵抗計(HIRESTA HT
-210)によって測定。
射透過率Tsが約55.0%程度、刺激純度Peが0.7 %程度で
淡いグレー系のニュートラル色調、反射によるギラツキ
もなく、ヘーズ値Hが約0.3 %程度となり、充分優れた
熱線遮蔽性等の光学特性、格段に高い表面抵抗率で通常
単板ガラス並み、例えば80MHz(FMラジオ波帯) 、約520
〜1630KHz(AMラジオ波帯) 等特に通常単板ガラスと同等
の電波透過性を示し、かつ充分安定な優れた接着性と耐
熱性ならびに耐湿性を示しいずれも合格であり、通常の
合せガラスと変わらない合せガラスを得ることができ
た。
ザーメーターで約1000時間:可視光透過率がほぼ変化が
ないこと)等の種々の特性をも評価したところ、いずれ
も合格するものであった。
おいて、前記中間膜を10℃〜50℃の温度範囲に保持する
よう制御したところ、上述したと同様の結果を得、車室
内の静粛性に充分寄与するものであった。
測定システムによって音響放射パワーを測定し、残響室
法によって音響透過損失を測定し、さらにJIS 3211、JI
S 3212ならびにJIS R3205 等の規定に準じて評価を行っ
たところ、所期の自動車用窓ガラスとしての性能を充分
備え優れたものであった。
(粒径0.1 μm 以下)分散含有BBP(ブチルベンジルフタ
レート) 10gと通常の BBP70gをPVC樹脂 300gに添加
し、実施例1と同様にして合わせガラス化処理をした。
のクリアガラス基板(FL2) を用いて実施例1と同様にし
て積層体とした。次いで実施例1と同様にして合せガラ
ス化処理をした。
46.1%、Hが0.4 %等実施例1と同様に優れた光学特性
ならびに電波透過性、品質等の各物性をバランスよく示
す所期のものであった。またパンメル値は7〜8程度で
あり、建築用合せガラスに適するものであった。
おいても実施例2のようにして適宜建築用あるいは自動
車用として調整して用いることができることは言うまで
もない。
微粒子を中間膜層に分散含有する合せガラス用中間膜と
したことにより、従来から使用されている合せガラス用
中間膜に大きな影響を与えることなく、各種建築用窓材
としてはもちろん、特に各種自動車用窓材、ことに風防
用ガラス、また飛行機用窓材、その他産業用ガラス等幅
広く適用でき、最近のニーズに最適なものとなる有用な
機能性を有する合せガラスを提供することができる。ま
た、前述したように、本発明の自動車用窓ガラスによれ
ば、損失係数を最大値付近で確保し、ガラス全体を高制
振的性能とすることができ、音響・振動ならびに遮音等
の各特性に優れ、車室内のこもり音を含む車内騒音を低
減して静粛性を得、しかも透視性、耐候性ならびに耐衝
撃性あるいは耐貫通性に優れるものとなる等、より高安
全性ならびに高居住性を有する自動車用窓ガラスを提供
するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間
に、合わせ中間膜を設けた合せガラス用中間膜におい
て、該中間膜は3層の積層中間膜からなり、該3層中の
第2層の中間膜に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子
を分散せしめてなり、前記機能性超微粒子の混合割合は
10.0〜0.01wt%であり、前記機能性超微粒子は酸化物系
であり、前記第1層及び第3層中間膜はポリビニルブチ
ラール樹脂膜であり、前記第2層中間膜は塩化ビニル樹
脂であることを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 【請求項2】前記機能性超微粒子は、導電性アンチモン
含有錫酸化物又は導電性錫含有インジウム酸化物である
ことを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間
膜。 - 【請求項3】請求項1記載の中間膜を用いたことを特徴
とする耐貫通性、防音性に優れるフロントウィンドシー
ルドガラスとして有用な自動車用窓ガラス。
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JP11095897A JP3301591B2 (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 合わせガラス用中間膜および合わせガラス |
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- 1997-04-28 JP JP11095897A patent/JP3301591B2/ja not_active Expired - Fee Related
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