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JP3396529B2 - 光造形装置 - Google Patents

光造形装置

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JP3396529B2
JP3396529B2 JP00551994A JP551994A JP3396529B2 JP 3396529 B2 JP3396529 B2 JP 3396529B2 JP 00551994 A JP00551994 A JP 00551994A JP 551994 A JP551994 A JP 551994A JP 3396529 B2 JP3396529 B2 JP 3396529B2
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Inventor
正義 高見沢
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帝人製機株式会社
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Publication date
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光造形装置、特に光硬
化性樹脂を含む流動性を有する未硬化材料を造形槽中に
収容するとともに、その未硬化材料に選択的に光を照射
することで所要形状の硬化層を形成し、その硬化層を順
次積層して3次元物体を造形する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の光造形装置には、造形槽
中に収容した未硬化材料に対しその上方側から光を照射
する上部照射方式のものと、造形槽の底部に設けた透光
窓を通して未硬化材料にその下方側から光を照射する下
部照射方式のものとがある。上部照射方式のものとして
は、例えば特開平3−227222号公報に記載された
ものがある。この装置では、未硬化材料を収容した造形
槽の液面に対しレーザ光を走査してその液面近傍の未硬
化材料液を昇降テーブル上で所要形状に硬化させ、その
硬化層を昇降テーブルの下降により下方に沈めた後、そ
の上に次の層を接着して積層するようになっている。
【0003】一方、下部照射方式のものとしては、例え
ば実開平2−11331号公報に記載されたものがあ
る。この装置では、造形槽底部の透光窓と昇降テーブル
の間の未硬化材料層に光を照射してその樹脂層を所要パ
ターンで硬化させ、昇降テーブルを透光窓から1層分ず
つ離隔させながら硬化層を積層するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上部照射方式の光造形装置にあっては、液面に照射する
光の強さ等との関係から、液面の高さを常に一定に保つ
必要があり、造形槽中に常に一定量の未硬化材料を収容
しておかなければならない。そのため、造形物が小さい
場合でも、造形物が大きい場合と同量の未硬化材料材料
を使用することになり、非常に高価な未硬化材料材料を
劣化させたり汚したりし易いという欠点があった。
【0005】一方、従来の下部照射方式の光造形装置に
あっては、造形槽中の樹脂の量に関係なく光照射面が一
定位置となることから、造形物の大きさに対応する量の
樹脂を造形槽中に収容しておけばよいという利点がある
が、硬化層を1層形成する度に硬化層の積層体(造形
物)を透光窓から剥離するのが容易でなく、積層作業が
困難であるばかりか、硬化層を損傷し易いという欠点が
あった。また、下部照射のために造形槽が高い位置に設
置されることになり、未硬化材料の補給や造形物の取り
出しといった作業が容易でないという欠点もあった。
【0006】さらに、両方式の光造形装置にあっては、
低臭気、低揮発となる比較的高粘度の光硬化性樹脂を使
用する場合、液面高さから1層分だけ下降した硬化層
上、あるいは、透光窓から剥離した硬化層と透光窓の間
の1層分の空間にその未硬化材料を迅速に供給するのが
困難である。これに対して、例えば昇降テーブルを1層
分よりかなり大きく移動させて材料の供給を容易にする
ことも考えられるが、昇降テーブルの移動や位置決め、
未硬化材料の静定等に時間がかかってしまうという問題
が残る。
【0007】本発明は、上述のような従来の未解決課題
を解決すべくなされたもので、上部照射方式の採用によ
り積層作業の容易性と硬化層の損傷防止を図りつつ、そ
の欠点を解消し、必要最少量の未硬化材料で所要の造形
作業を行うことのできる光造形装置を提供することを第
1の目的とし、さらに、比較的高粘度の材料を使用する
場合であってもその造形作業を迅速に行うことができる
ようにすることを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1記載の発明は、上部開口と底壁部との
間に伸縮自在なジャバラ状の周壁部を有し、光硬化性樹
脂を含む流動性を有する未硬化材料を収容し、底壁部を
上下移動可能としてその収容量を可変とした造形槽と、
造形槽中に周壁部と所定の隙間を保ちつつ上下移動可能
に設けられ、その上面側に所定厚さの未硬化材料層を形
成するテーブルと、未硬化材料層に対し選択的に光を照
射して該材料層中に所要形状の硬化層を形成する光照射
手段と、未硬化材料を所定量ずつ複数回に分けて造形槽
に供給する材料供給手段と、を備え、前記テーブル上に
硬化層を順次積層するようテーブルを下降させるととも
に造形槽の上部開口の近傍に未硬化材料層を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、上記第2の目的を達成するため、請
求項2記載の発明は、前記材料供給手段が、造形槽の上
部開口から離隔するほど深くなる傾斜面を有し少なくと
もテーブルの左右方向一方側に設けられた材料タンク
と、該材料タンクの傾斜面および造形槽の上部開口に沿
って移動し、材料タンク内から所定量の未硬化材料を造
形槽側に掻き出して上部開口内に導入するディッパーブ
レードと、を有することを特徴とするものであり、請求
項3記載の発明は、前記ディッパーブレードが、前記材
料タンク内の最深部に浸漬された状態から造形槽側に移
動し、該移動により上端部から移動方向後方側に未硬化
材料を溢れさせて所定量の未硬化材料を計量することを
特徴とするものであり、請求項4記載の発明は、前記デ
ィッパーブレードと協働して未硬化材料を延展するとと
もに前記テーブル上の未硬化材料層の上面を平滑化する
ドクターブレードを有し、該ドクターブレードをディッ
パーブレードに連動して移動させる未硬化材料層整形手
段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、テーブル上の未硬化
材料層に対し光照射手段により選択的に光が照射され、
該材料層中に所要形状の硬化層が形成されると、テーブ
ルが次の未硬化材料層の層厚分だけ下降するとともに、
造形槽の底壁部が下方に移動して造形槽の収容量が所定
量だけ増加し、所定量の未硬化材料が材料供給手段によ
り造形槽に供給される。したがって、硬化層の積層高さ
に対応して増加する造形槽の収容量に見合うだけの未硬
化材料を材料供給手段に準備しておけばよいこととな
り、高価な未硬化材料を余計に使用して劣化させたり汚
したりすることがない。
【0011】請求項2記載の発明では、材料タンクの傾
斜面および造形槽の上部開口に沿ってディッパーブレー
ドが移動することで、材料タンク内から所定量の未硬化
材料が造形槽側に掻き出されて上部開口内に導入され
る。したがって、比較的粘度の高い光硬化材料を使用す
る場合であってもその材料供給を迅速に行うことがで
き、しかも簡素な材料供給手段となる。また、材料タン
ク内の液面高さが造形に何ら影響しないので、未硬化材
料の補給が容易になる。
【0012】請求項3記載の発明では、ディッパーブレ
ードが材料タンク内の最深部に浸漬された状態から造形
槽側に移動し、上端部から移動方向後方側に未硬化材料
を溢れさせて所定量の未硬化材料を計量する。したがっ
て、ディッパーブレードの移動を複雑に制御することな
く、所定量の未硬化材料を容易に計量して供給すること
ができ、材料供給手段がより簡単な構成となる。
【0013】請求項4記載の発明では、未硬化材料層整
形手段がそのドクターブレードをディッパーブレードに
連動して移動させ、ディッパーブレードと協働して未硬
化材料を延展するとともにテーブル上の未硬化材料層の
上面を平滑化する。したがって、未硬化材料が比較的粘
度の高いものであっても、テーブルの移動を層厚分だけ
に保ちながら、未硬化材料がテーブル上に迅速に延展さ
れ平滑化される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1〜図3は請求項1〜4記載の発明に
係る光造形装置の一実施例を示す図である。まず、その
構成を説明する。
【0015】図1〜図3において、1は光硬化性樹脂を
含む流動性を有する未硬化材料で、例えば所定の粘度を
有する液体状の光硬化性樹脂、あるいはその樹脂に非収
縮性の高い微粒径の物質等を混合した材料である。この
材料1に使用される光硬化性樹脂は、例えば紫外線領域
の光(又は赤外紫外線領域の光や可視光等であってもよ
い)で硬化する性質を有する公知の樹脂である。10はこ
の未硬化材料1を収容する造形槽で、所定形状(例えば
円形)の上部開口11と、上下移動可能な底壁部12と、そ
の間の伸縮自在なジャバラ状の周壁部13とを有してい
る。また、15は造形槽10中に上下移動可能に設けられた
テーブルであり、このテーブル15は造形槽10の底壁部12
に支持されている。造形槽10の底壁部12とテーブル15
は、図示しない昇降駆動手段によって上部開口11に対し
上下方向に相対移動され、造形時には、その造形物(硬
化層の積層体2)を構成する各硬化層2aの厚さ(層
厚)に対応する移動量を1回の移動量として、図2に示
す造形開始位置から各図の下方に向かって(上部開口11
から離隔する方向に)複数回移動され、積層完了時に
は、そのときの位置から造形開始位置まで1回で移動さ
れる。すなわち、造形槽10は底壁部12を上下移動可能と
してその収容量を可変としたものであり、造形槽10の底
壁部12と一体に移動するテーブル15の下方への移動時に
は、テーブル15の上面15a側である造形槽10の上部開口
11内に所定厚さの未硬化材料層1aが形成されるように
なっている(詳細は後述する)。なお、前記昇降駆動手
段は、例えば図示しないステッピングモータやボールネ
ジ機構等を用いて構成することができる。また、造形槽
10の周壁部13とテーブル15の外周部の間には所定の隙間
があり、底壁部12の上下移動に際して周壁部13とテーブ
ル15が接触しないようにしている。
【0016】18は未硬化材料層1aに対し選択的に光を
照射してその未硬化材料層1a中に所要形状の硬化層2
aを形成する光照射手段である。この光照射手段18は、
光源(例えばレーザ光源)から出射された光を整形およ
び反射し、偏向して未硬化材料1の液面上に集光させつ
つ、直交する主副両走査方向に走査することができる。
前記光源から出射される光は、未硬化材料1の性質に適
合する光、例えば紫外線領域の光(又は赤外線領域の光
や可視光等)である。また、この光照射手段18の光走査
による描画パターンは、造形物を構成する複数の硬化層
のそれぞれの形状に対応するものであり、造形槽10内の
未硬化材料1の液面とテーブル15の間の未硬化材料層1
aがこの描画パターンに対応して選択的に露光され硬化
することで、必要形状の硬化層2aが形成される。
【0017】一方、造形槽10の近傍には未硬化材料1を
所定量ずつ複数回に分けて造形槽10内に供給する材料供
給手段20が設けられており、この材料供給手段20は、テ
ーブル15上の最上の硬化層2aの上に次の未硬化材料層
1aを積層するようテーブル15を下降させるとき、造形
槽10の上部開口11内に未硬化材料層1aを形成するのに
必要な量又はそれより若干多い量の未硬化材料1を供給
する。
【0018】具体的には、材料供給手段20は、造形槽10
の上部開口11から離隔するほど深くなる傾斜面21aを有
しテーブル15の左右方向両方側(少なくとも一方側)に
設けられた材料タンク21L、21Rと、各材料タンク21
L、21Rの傾斜面21aおよび造形槽10の上部開口11に沿
って移動し、材料タンク21L、21R内から所定量の未硬
化材料1を造形槽10側に掻き出して上部開口11内に導入
するディッパーブレード22とを有している。ディッパー
ブレード22は、材料タンク21L、21R内の最深部21bに
浸漬された状態から造形槽10側に移動し、その移動によ
り上端部22aから移動方向後方側に未硬化材料1を溢れ
させて所定量の未硬化材料1を計量することができる。
あるいは、更に未硬化材料1の流動性の度合(粘度ある
いは稠度)に応じ、デッパーブレード22の下端と傾斜面
21aとの間に所定の隙間(未硬化材料1の粘度が高いと
大きくなる隙間)を保つようにデッパーブレード22を移
動させて前記計量を行うようにしてもよい。
【0019】また、ディッパーブレード22は鉛直方向に
延在し造形槽10の前後方向(図1の紙面と直交する方
向)に離間する複数のシャフト23に支持されており、こ
れらのシャフト23は図1中左右方向に移動するキャリッ
ジ24に上下方向移動自在に嵌合している。キャリッジ24
は前後一対の平行な水平ガイド25によって案内されると
ともに、図示しない送りねじおよびモータ等の送り機構
によって左右方向に駆動される。さらに、各シャフト23
の上端はリフトカム26に係合するカムフォロア部材27に
連結されており、キャリッジ24が左右一方側の移動端か
ら造形槽10側に移動するとき、ディッパーブレード22が
各材料タンク21L、21Rの傾斜面21aおよび造形槽10の
上部開口11に沿って移動するようリフトカム26によって
シャフト23がリフトされる。
【0020】さらに、キャリッジ24には左右一対のドク
ターブレード31、32が同一高さとなるよう平行に装着さ
れている。これらドクターブレード31、32は、キャリッ
ジ24に連動してディッパーブレード22が左右に移動する
とき、キャリッジ24と一体に移動しながら、材料タンク
21L、21Rの何れかから掻き出された未硬化材料1をデ
ィッパーブレード22の近傍で延展するとともにテーブル
15上の未硬化材料層1aの上面を平滑化するようになっ
ている。すなわち、前記シャフト23、キャリッジ24、水
平ガイド25、リフトカム26、カムフォロア部材27および
前記送り機構は、ディッパーブレード22とドクターブレ
ード31、32を連動して移動させることにより、ディッパ
ーブレード22と協働して未硬化材料層1aを整形する未
硬化材料層整形手段30を構成している。
【0021】なお、本実施例では、予め3次元CADシ
ステムによって積層体2である造形物(3次元物体)が
設計され、その造形物の各層形状を含むモデリングデー
タに基づいて、光照射手段18による描画パターンや前記
昇降駆動手段によるテーブル15の移動量、並びに、材料
供給手段20および未硬化材料層整形手段30の作動に必要
なデータが作成され、そのデータが前記各手段を制御す
る図示しない制御装置の記憶部に格納されている。ま
た、この制御装置は、前記描画パターンデータから光照
射手段18の主・副両走査方向の走査量等を計算し、テー
ブル15、光照射手段18、材料供給手段20および未硬化材
料層整形手段30の作動タイミングを設定し、それらのデ
ータを記憶部に保持している。
【0022】次に、その作用を説明する。本実施例で
は、造形作業に先立ち、テーブル15を図2に示す造形開
始位置に位置させるとともに、造形槽10および材料タン
ク21L、21R内に未硬化材料1を収容する。なお、テー
ブル15の外周面と摺動自在に嵌合するシリンダ状の部材
を造形槽10の上部開口11側に固定して設けるようにすれ
ば、造形槽10内に未硬化材料1を収容する作業は必要で
ない。
【0023】次いで、前記制御装置により前記昇降駆動
手段、光照射手段18、材料供給手段20および未硬化材料
層整形手段30の作動を制御し、造形作業を開始する。ま
ず、テーブル15を上部開口11に対し造形開始位置から1
層分だけ下降させるとともに、材料供給手段20および未
硬化材料層整形手段30を作動させ、ディッパーブレード
22およびドクターブレード31、32を材料タンク21L、21
Rのうち何れか一方、例えば材料タンク21L側から造形
槽10側に移動させる。このとき、ディッパーブレード22
はその一方の材料タンク21L(又は21R)内の最深部21
bに浸漬された状態からキャリッジ24に連動し、かつリ
フトカム26によりリフトされながら、傾斜面21aに沿っ
て造形槽10側に移動して、その上端部22aから移動方向
後方側に未硬化材料1を溢れさせて(あるいは更に傾斜
面21aとの間の隙間から未硬化材料1をもらして)未硬
化材料1を計量する(図2に示す状態)。
【0024】次いで、ディッパーブレード22が更に造形
槽10側に移動することで、一方の材料タンク21L(又は
21R)内から未硬化材料層1aの形成に必要な量又はそ
れより若干多い量の未硬化材料1が造形槽10側に掻き出
され、片側のドクターブレード32(又は31)とディッパ
ーブレード22の間から上部開口11内に導入される。ま
た、ディッパーブレード22が上部開口11に沿って移動す
るとともに、キャリッジ24と一体に移動するドクターブ
レード31、32(特に移動方向後方側のもの)がディッパ
ーブレード22と協働してテーブル15上に未硬化材料1を
延展しつつその上面を平滑化し、その上面が上部開口11
と同一高さとなるように上部開口11内(近傍)に未硬化
材料層1aを整形する。なお、余剰の未硬化材料1はデ
ィッパーブレード22およびドクターブレード31、32によ
り上部開口11から他方の材料タンク21R(又は21L)側
に掻き出されて収容される。また、材料タンクのうち左
右どちらか一方(21Lあるいは21R)のみが設けられて
いる場合には、上記余剰の未硬化材料1は上部開口11を
通過した後、図示していないトイを流れて再びその材料
タンクに収容される。
【0025】次いで、ディッパーブレード22およびドク
ターブレード31、32が上部開口11上を通過し、ディッパ
ーブレード22は他方の材料タンク21R(又は21R)の傾
斜面21aに沿って下降しつつ最深部21bに達するまでキ
ャリッジ24と共に右側(又は左側)に移動する。一方、
テーブル15上に所定層厚の未硬化材料層1aができあが
ると、そのテーブル15上の未硬化材料層1aに対し光照
射手段18により光が走査されて選択的な光照射がなさ
れ、未硬化材料層1a中に所要形状の硬化層2aが形成
される。この光照射はディッパーブレード22が上部開口
11を通過した後、最深部21bに達する前に行ってもよ
い。
【0026】次いで、造形槽10の底壁部12と共にテーブ
ル15が次の未硬化材料層1aの層厚分だけ下降し、造形
槽10の収容量が所定量だけ増加した後、材料供給手段20
により、次の未硬化材料層1aを形成するための未硬化
材料1が他方の材料タンク21R(又は21L)側から上述
と同様にして造形槽10に供給されるとともに、未硬化材
料層整形手段30により硬化層2a(これを含む下層の材
料層)上で未硬化材料1が延展され、次の未硬化材料層
1aが整形される。
【0027】これ以後、上述と同様な光照射とテーブル
15の下降動作、材料供給手段20および未硬化材料層整形
手段30による未硬化材料層1aの形成作業が繰り返され
る。また、造形途中で未硬化材料1が不足しそうな場合
には、未硬化材料1が材料タンク21L,21Rに適宜補給
される。そして、テーブル15上に複数層の硬化層2aが
積層され、その積層体としての3次元物体が造形され、
一連の積層作業が終了すると、テーブル15が造形開始位
置まで上方に復帰し、造形物がテーブル15上から取り出
し可能となる。
【0028】このように本実施例では、初期状態におけ
る造形槽10内の空隙を満たすだけの量の未硬化材料と、
硬化層2aの積層高さに対応して増加する造形槽10の収
容量に見合うだけの未硬化材料を材料タンク21L,21R
に準備しておけばよく、従来の上部照射方式の場合のよ
うに光照射する液面高さを保つために造形槽一杯の未硬
化材料を収容する必要がない。したがって、上部照射方
式の利点である積層作業の容易性と硬化層の損傷防止を
図りつつ、その欠点を解消し、必要最少量の未硬化材料
で所要の造形作業を行うことのできる光造形装置とな
る。また、材料タンク21L,21R内の液面高さが造形に
何ら影響しないので、造形途中でもそれほど気をつかう
ことなく未硬化材料1を材料タンク21L,21R(少なく
とも一方のタンク)に容易に補給することができる。さ
らに、ディッパーブレード22の図1中上下方向の寸法を
未硬化材料1の流動性に応じて適宜変更するだけで、デ
ィッパーブレード22の移動範囲や上下位置を複雑に制御
することなく所要量の未硬化材料1を容易に計量して造
形槽10に供給することができ、比較的粘度の高い未硬化
材料1を使用する場合であってもその材料供給を迅速に
行うことができ、しかも材料供給手段20は簡単な構成と
なる。また、未硬化材料層整形手段30がそのドクターブ
レード31、32をディッパーブレード22に連動して移動さ
せ、ディッパーブレード22と協働して未硬化材料1を延
展するとともにテーブル15上の未硬化材料層1aの上面
を平滑化することから、未硬化材料1が比較的粘度の高
いものであっても、テーブル移動量を層厚分よりかなり
大きくして未硬化材料層を形成するといった必要がな
く、テーブル15の下降量を層厚分だけに保ちながら、材
料供給時にはその未硬化材料1をテーブル15上に迅速に
延展し、平滑化することができる。
【0029】なお、上述の実施例では、造形槽10の左右
両側に一対の材料タンク21L、21Rを設けたものであっ
たが、何れか一方の材料タンク21L又は21Rだけを設
け、ディッパーブレード22を毎回往復させるようにして
もよいことはいうまでもない。また、本発明における造
形槽は、上述の実施例のように周壁部を伸縮可能にした
ものに限らず、例えば図4に示すように、シリンダ41内
に上下移動するピストン42を設け、このピストン42を底
壁部とする造形槽40とすることもできる。要は底壁部を
上下に移動させることでその収容量を可変とするもので
あればよいのである。勿論、上述の実施例のテーブル15
の昇降範囲内でその外周部に摺動自在に嵌合し上部開口
11を形成するシリンダを設け、その下方に周壁部13と同
様に伸縮可能な周壁部を設けるといった組み合せも可能
である。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、上部照射
方式を採用しながらも、常に造形槽一杯でなく、造形物
の大きさに見合うだけの未硬化材料を準備すればよく、
上部照射方式の利点である積層作業の容易性と硬化層の
損傷防止を図りつつ、その欠点を解消し、必要最少量の
未硬化材料で所要の造形作業を行うことのできる光造形
装置を提供することができる。
【0031】請求項2記載の発明によれば、ディッパー
ブレードを材料タンクの傾斜面および造形槽の上部開口
に沿って移動させ、材料タンク内から所定量の未硬化材
料を造形槽側に掻き出すようにしているので、比較的粘
度の高い未硬化材料を使用する場合であってもその材料
供給を迅速に行うことができ、しかも材料供給手段を簡
素に構成することができる。さらに、材料タンク内の液
面高さが造形に何ら影響しないので、造形途中であって
も未硬化材料を材料タンクに容易に補給することができ
る。
【0032】請求項3記載の発明によれば、ディッパー
ブレードを材料タンク内の最深部から造形槽側に移動さ
せ、その上端部から未硬化材料を溢れさせながら未硬化
材料を計量するので、ディッパーブレードの移動を複雑
に制御することなく所定量の未硬化材料を容易に計量す
ることができ、材料供給手段をより簡単な構成とするこ
とができる。
【0033】請求項4記載の発明によれば、ディッパー
ブレードと協働して未硬化材料を延展するとともにテー
ブル上の未硬化材料層の上面を平滑化するドクターブレ
ードを有する未硬化材料層整形手段を設けたので、未硬
化材料が比較的粘度の高いものであっても、テーブルの
移動を層厚分だけに保ちながら未硬化材料をテーブル上
に迅速に延展し、平滑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光造形装置の一実施例の全体構成
を示す正面断面図である。
【図2】その造形開始時の造形槽の状態を示す図であ
る。
【図3】その造形作業中の造形槽の状態を示す図であ
る。
【図4】造形槽の他の態様を示す断面図である。
【符号の説明】 1 未硬化材料 1a 未硬化材料層 2a 硬化層 10、40 造形槽 11 上部開口 15 テーブル 18 光照射手段 20 材料供給手段 21L、21R 材料タンク 21a 傾斜面 21b 最深部 22 ディッパーブレード 23 シャフト 24 キャリッジ 25 水平ガイド 26 リフトカム 27 カムフォロア部材 31、32 ドクターブレード31、32 30 未硬化材料層整形手段 42 ピストン(底壁部)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 67/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部開口(11)と底壁部(12)との間に伸縮自
    在なジャバラ状の周壁部(13)を有し、光硬化性樹脂を含
    む流動性を有する未硬化材料(1)を収容し、底壁部(12)
    を上下移動可能としてその収容量を可変とした造形槽(1
    0)と、 造形槽(10)中に周壁部(13)と所定の隙間を保ちつつ上下
    移動可能に設けられ、その上面側に所定厚さの未硬化材
    料層(1a)を形成するテーブル(15)と、 未硬化材料層(1a)に対し選択的に光を照射して該材料
    層(1a)中に所要形状の硬化層(2a)を形成する光照射
    手段(18)と、 未硬化材料(1)を所定量ずつ複数回に分けて造形槽(10)
    内に供給する材料供給手段(20)と、を備え、 前記テーブル(15)上に硬化層(2a)を順次積層するよう
    テーブル(15)を下降させるとともに造形槽(10)の上部開
    口(11)の近傍に未硬化材料層(1a)を形成することを特
    徴とする光造形装置。
  2. 【請求項2】前記材料供給手段(20)が、 造形槽(10)の上部開口(11)から離隔するほど深くなる傾
    斜面(21a)を有し少なくともテーブル(15)の左右方向一
    方側に設けられた材料タンク(21L、21R)と、 該材料タンク(21L、21R)の傾斜面(21a)および造形槽
    (10)の上部開口(11)に沿って移動し、材料タンク(21
    L、21R)内から所定量の未硬化材料(1)を造形槽(10)
    側に掻き出して上部開口(11)内に導入するディッパーブ
    レード(22)と、を有することを特徴とする請求項1記載
    の光造形装置。
  3. 【請求項3】前記ディッパーブレード(22)が、前記材料
    タンク(21L、21R)内の最深部(21b)に浸漬された状態
    から造形槽(10)側に移動し、該移動により上端部(22a)
    から移動方向後方側に未硬化材料(1)を溢れさせて所定
    量の未硬化材料(1)を計量することを特徴とする請求項
    2記載の光造形装置。
  4. 【請求項4】前記ディッパーブレード(22)と協働して未
    硬化材料(1)を延展するとともに前記テーブル(15)上の
    未硬化材料層(1a)の上面を平滑化するドクターブレー
    ド(31、32)を有し、該ドクターブレード(31、32)をディ
    ッパーブレード(22)に連動して移動させる未硬化材料層
    整形手段(30)を設けたことを特徴とする請求項2記載の
    光造形装置。
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