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JP3384861B2 - 導電性シリコーンゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

導電性シリコーンゴム組成物およびその製造方法

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JP3384861B2
JP3384861B2 JP03734594A JP3734594A JP3384861B2 JP 3384861 B2 JP3384861 B2 JP 3384861B2 JP 03734594 A JP03734594 A JP 03734594A JP 3734594 A JP3734594 A JP 3734594A JP 3384861 B2 JP3384861 B2 JP 3384861B2
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carbon black
silicone rubber
polyorganosiloxane
conductive silicone
black
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誠 沢田
勲 飯田
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  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は導電性シリコーンゴム組成
物およびその製造方法に関し、更に詳しくは導電性カー
ボンブラックを多量に配合することが可能であり、且つ
ロール加工性、成形性に優れ、さらに体積抵抗率が低い
導電性シリコーンゴムを提供する技術に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】従来より、シリコー
ンゴムに導電性材料としてカーボンブラックを配合して
導電性シリコーンゴム組成物を得ることは一般によく知
られている。通常、カーボンブラックの配合により、体
積抵抗率で1013〜100 Ω・cm程度の導電性シリコーンゴ
ムが得られるが、最近では更に高導電性のシリコーンゴ
ムの要求も強くなり、100 〜10-1Ω・cm程度のものも要
求されている。このような高導電性シリコーンゴムを得
るためには、カーボンブラックをシリコーンゴムに高充
填することで対応されているが、高導電性となるような
カーボンブラックの高充填は配合しにくいばかりか配合
後のシリコーンゴム組成物の粘度が高くなりすぎて、ロ
ール加工性、成形性が悪化し、さらにはカーボンブラッ
クのストラクチャーが壊れ、導電性がある程度以上高く
ならないなどの問題がある。このような問題を解決する
方法が、特開昭61−62528号公報、特開平2
−242855号公報、特開平5−140327号公
報などに提案されている。これらの公報にて提案されて
いる方法は、何れも揮発性のシロキサンや揮発性の飽和
脂肪族炭化水素を組成物に添加し、組成物の粘度を下げ
た後にロール加工および成形を行い、得られた成形品を
加熱して揮発成分を除去する方法である。これらの方法
によれば体積抵抗率100 〜10-1Ω・cm程度の導電性シリ
コーンゴムを得ることは可能であるが、反面、揮発成分
を多量に配合する必要があるため、組成物の粘度はある
程度下がるが、ロール粘着性が増大し、成形加工できな
かったり、成形品の線収縮率が大きくなり、例えば絶縁
部分と一体成形したときに成形品が曲がったりするなど
の成形加工する際の作業性が低下するという問題があ
り、また揮発成分の除去時に発火する危険性もある。こ
のような問題は、カーボンブラックの持つ吸油能力が揮
発成分(低分子量化合物)だけでなく主ポリマーである
ポリシロキサンをも吸着することに起因するものであ
り、上記各公報の技術は、本質的に揮発成分(低分子量
化合物)と主ポリマーの共存下において、主ポリマーが
カーボンブラックに吸着されるのを防ぐために多量の揮
発成分(低分子量化合物)の配合を必要とし、その結果
として発生する問題である。
【0003】
【発明の目的】本発明は上記従来技術の問題点に鑑み案
出されたものであり、本発明の目的は導電性に優れると
共に成形性にも優れた導電性シリコーンゴム組成物を提
供することにあり、さらに揮発成分の含有量を極力低減
させた導電性シリコーンゴム組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、カーボン
ブラックを配合した導電性シリコーンゴム組成物におい
て、カーボンブラックが重合度3〜500 で150 ℃以下の
温度で液状であるポリオルガノシロキサンを担持したカ
ーボンブラックであり、ベースポリマーであるポリオル
ガノシロキサンが重合度2000以上のポリオルガノシロキ
サンであることを特徴とする導電性シリコーンゴム組成
物、並びに予めカーボンブラック100 重量部に対し重合
度3〜500 で150 ℃以下の温度で液状であるポリオルガ
ノシロキサン5〜100 重量部を担持させたカーボンブラ
ックと、重合度2000以上のポリオルガノシロキサンとを
混合することを特徴とする導電性シリコーンゴム組成物
の製造方法である。
【0005】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明で用いる導電性カーボンブラックとしては、通常、
導電性ゴム組成物に常用されているアセチレンブラッ
ク、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチ
ェンブラックなどを使用し得る。例えばアセチレンブラ
ック、コンダクティブファーネスブラック(CF)、ス
パーコンダクティブファーネスブラック(SCF)、エ
クストラコンダクティブファーネスブラック(XC
F)、コンダクティブチャンネルブラック(CC)及び
15,000℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラック
又はチャンネルブラック等を挙げることができる。アセ
チレンブラックの具体例としては電化アセチレンブラッ
ク(電気化学(株)製)、シャウニガンアセチレンブラ
ック(シャウニガンケミカル(株)製)等が、コンダク
ティブチャンネルブラックの具体例としてはコンチネッ
クスCF(コンチネンタルカーボン(株)製)、バルカ
ンC(キャボット(株)製)等が、スパーコンダクティ
ブファーネスブラックの具体例としてはコンチネックス
SCF(コンチネンタルカーボン(株)製)、バルカン
SC(キャボット(株)製)等が、エクストラコンダク
ティブファーネスブラックの具体例としては旭HS−50
0 (旭カーボン(株)製)、バルカンXC−72(キャボ
ット(株)製)等が、コンダクティブチャンネルブラッ
クとしてはコウラックスL(デグッサ(株)製)等が例
示され、又、ファーネスブラックの一種であるケッチェ
ンブラックEC及びケッチェンブラックEC−600 JD
(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を
用いることもできる。尚、これらのうちでは、特にアセ
チレンブラックが、不純物含有量が少ないうえ発達した
二次ストラクチャー構造を有することから導電性に優れ
ており、本発明において特に好適に用いられる。又、卓
越した比表面積を有することから低充填量でも優れた導
電性を示すケッチェンブラックECやケッチェンブラッ
クEC−600 JD等も好ましく使用できる。これらの導
電性カーボンブラックは1種で用いてもよいし、2種以
上を混合して用いてもよい。
【0006】本発明で用いられる重合度3〜500 のポリ
オルガノシロキサン(以下、低分子量オルガノポリシロ
キサンと言う)において、ケイ素原子に結合する有機基
としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、
フェニル基、3,3,3 −トリフルオロプロピル基などが例
示され、環状体、直鎖状体、分岐状体のいずれでも良い
が、カーボンブラックに担持させるためには150 ℃以下
の温度で液状であることが必要である。その分子鎖末端
はトリオルガンシリル基、水素原子、水酸基、加水分解
可能な基などが例示される。また、液体であっても粘度
が高すぎると、カーボンブラック中に分散させにくくな
るため、重合度500 未満であることが必要である。ま
た、重合度3未満、即ち重合度1および2のものは、揮
発性が高くなるため保存安定性に問題がある。
【0007】この低分子量ポリオルガノシロキサンをカ
ーボンブラックに担持させる方法は特に限定されるもの
ではないが、例えばヘンシェルミキサーなどの装置にカ
ーボンブラックを仕込んだ後に撹拌しながら低分子量ポ
リオルガノシロキサンを噴霧、滴下などの方法で分散さ
せることでが得られる。この時の条件としては、常温常
圧で良く、必要に応じて加圧、減圧、加熱などを行って
もかまわない。また、低分子量ポリオルガノシロキサン
の担持させる量としては、カーボンブラック100 重量部
に対して5〜100 重量部の範囲で選択でき、好ましくは
10〜50重量部である。5重量部未満では効果が小さく、
100 重量部を越えても効果はかわらないばかりか、ロー
ル加工時に粘着するなどの問題も発生してくる。
【0008】次に、本発明においてベースポリマーとし
て用いられる重合度2000以上のポリオルガノシロキサン
とは、下記平均組成式(1) RaSiO(4-a)/2 ……(1) (式中、aは1.98〜2.02の整数であり、R は置換または
非置換の一価炭化水素基を示す。)で表されるものであ
る。R の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のア
ルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル
基等のアリール基、あるいはこれらの基の水素原子が部
分的に塩素原子、シアノ基等の有機基で置換されたハロ
ゲン化炭化水素基、シアノ化炭化水素基等が例示され
る。上記平均組成式(1) で示されるポリオルガノシロキ
サンとしては、該ポリオルガノシロキサンの主鎖がジメ
チルシロキサン単位からなるもの又はこのジメチルポリ
シロキサンの主鎖にフェニル基、ビニル基、3,3,3 −ト
リフロロプロピル基等を導入したもの等が好適に使用で
きる。又、このポリオルガノシロキサンは、少なくとも
1分子中に1ケ以上のアルケニル基を含むことが必要で
ある。本発明において、かかるポリオルガノシロキサン
の重合度は2000以上であることが必要である。重合度が
2000未満では満足する加工性、成形性が得られないと共
に成形品の機械的強度が不足することがある。尚、重合
度の上限は特に規定する必要はないが、一般的に15000
未満が好ましい。15000 以上であると導電性カーボンブ
ラックの配合が難しくなる。本発明において、この重合
度2000以上のポリオルガノシロキサン(ベースポリマ
ー)に対する前記低分子量ポリオルガノシロキサンを担
持させたカーボンブラックの配合量は特に限定されるも
のではないが、ベースポリマー100 重量部に対して5〜
300 重量部程度の範囲で適宜選択できる。
【0009】また、本発明では成形品を得るために適宜
硬化剤が配合される。硬化剤は、通常導電性シリコーン
ゴムの加硫に使用されるラジカル反応、付加反応等を利
用して加硫、硬化させることのできる従来公知の種々の
硬化剤の中から適宜選択して用いることができ、その硬
化機構に制限はない。このような硬化剤としては例えば
ジ−t−ブチルパ−オキサイド、2,5 −ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン等のアルキル過
酸化物等の有機過酸化物が挙げられる他、付加反応硬化
剤としては、一分子中に少なくともけい素原子に結合し
た水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロドジェ
ンポリシロキサンと白金系触媒の組み合わせ等が使用で
きる。尚、硬化剤の添加量は、通常の導電性シリコーン
ゴムの場合と同様でよい。本発明の組成物には、必要に
応じてシリカヒドロゲル(含水けい酸)、シリカエアロ
ゲル(無水けい酸−煙霧質シリカ)等の補強性シリカ充
填剤、クレイ、炭酸カルシウム、珪藻土、二酸化チタン
等の充填剤、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化
鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接
着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファ
ンクショナルシラン、難燃性を付与する白金化合物等を
添加混合してもよい。本発明の組成物は、上記成分をロ
ール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混合機を用い
て混練することにより得られるが、一般にはポリオルガ
ノシロキサン(ベースポリマー)と予め低分子量ポリオ
ルガノシロキサンを担持させたカーボンブラックとを均
一に混練し、次いでこれに硬化剤、その他の成分を添加
し混練することが好ましい。
【0010】
【発明の効果】本発明の導電性シリコーンゴム組成物
は、カーボンブラックに低分子量ポリオルガノシロキサ
ンを担持させたものを導電材料として使用するので、高
導電性を得るためにカーボンブラックを多量に配合して
もカーボンブラックの吸油能力に吸着されるのは低分子
量ポリオルガノシロキサンだけで、ベースポリマーは殆
ど吸着されない。そのため、本発明の組成物によれば、
低分子量ポリオルガノシロキサンの含有量を低減するこ
とが可能で、その結果、本発明の組成物は、ロール加工
性に優れカレンダーロールなどにより成形も可能であ
り、これを加硫して得られる成形品は導電性に優れるた
め電卓用キーボードの導電接点として、また、ゼブラコ
ネクターの導電部あるいはEMIシールド用ガスケット
材など精密部品の導電性部品として極めて広範囲に応用
することができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明を実施例に従って詳述するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。 〔導電性材料の調製〕アセチレンブラック100 重量部に
対し、オクタメチルシクロテトラシロキサン20重量部を
担持させ、充填剤A−1を得た。ケッチェンブラック10
0 重量部に対してオクタメチルシクロテトラシロキサン
40重量部を担持させ、充填剤A−2を得た。アセチレン
ブラック100 重量部に対して、ジメチルシロキサン単位
80モル%、ジフェニルシロキサン単位20モル%で末端が
ジメチルメトキシシリル基で封鎖された重合度10の低分
子量シロキサン10重量部を担持させ、充填剤A−3を得
た。 実施例1〜3 ジメチルシロキサン単位99.8モル%、メチルビニルシロ
キサン単位0.3 モル%からなる平均重合度が7000のメチ
ルビニルポリシロキサン100 重量部に前記充填剤A−1
〜A−3を配合し、次いで2,5 −ジメチル−2,5 −ジ
(t−ブチルパーオキソ)ヘキサン1.5 重量部配合して
得られた組成物を、8インチの2本ロールにて厚さ1mm
でシーティングを行い、耳割れの有無およびロール粘着
を評価した。また、JIS K 6300に従い可塑度を測定し
た。さらに、本組成物を170 ℃,10分のプレス加硫、20
0 ℃,4時間の熱空気加硫を行い、体積抵抗測定用の1
mmシート、一般物性測定用の2mmシートを作製した。こ
こで得た加硫シートの物理特性(JIS K 6301)、体積抵
抗率(JIS C 2123)を測定した。
【0012】比較例1〜5 実施例と同一のメチルビニルポリシロキサン100 重量部
に対しアセチレンブラック、ケッチェンブラックをそれ
ぞれ単独で配合した場合、更に同時にオクタメチルシク
ロテトラシロキサン、飽和脂肪族炭化水素として沸点17
0 〜180 ℃のイソパラフィン溶剤(日石アイソゾール30
0 )を配合した場合について、実施例と同様に組成物を
調製し、評価を行った。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果からも明かなように、低分子量
シロキサンを担持させたカーボンブラックを配合した導
電性シリコーンゴム組成物は可塑度も低く、ロール加工
性も良好でカーボンブラックのストラクチャーが破壊さ
れにくいため、高い導電性が得られることがわかる。こ
れに対して、低分子量シロキサンの存在しない比較例1
〜2の組成物は、混練不能であった。又、比較例3に示
すように、カーボンブラックと低分子量シロキサンを単
に配合した場合は、実施例1と比較して体積抵抗率等が
劣る。体積抵抗率を向上させるためには、比較例4に示
すように、大量の低分子量シロキサンが必要となり、ロ
ール加工性が低下し、又、線収縮率が大きくなるため、
成形時の変形が大となる。更に、比較例5に示すよう
に、イソパラフィン溶剤を配合したものでは、ロール加
工性、体積抵抗率等が劣るものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/00 - 83/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラックを配合した導電性シリ
    コーンゴム組成物において、カーボンブラックが重合度
    3〜500 で150 ℃以下の温度で液状であるポリオルガノ
    シロキサンを担持したカーボンブラックであり、ベース
    ポリマーであるポリオルガノシロキサンが重合度2000以
    上のポリオルガノシロキサンであることを特徴とする導
    電性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 予めカーボンブラック100 重量部に対し
    重合度3〜500 で150 ℃以下の温度で液状であるポリオ
    ルガノシロキサン5〜100 重量部を担持させたカーボン
    ブラックと、重合度2000以上のポリオルガノシロキサン
    とを混合することを特徴とする導電性シリコーンゴム組
    成物の製造方法。
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