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JP3363049B2 - 耐プレッシャーマーク性に優れたプレコート金属板 - Google Patents

耐プレッシャーマーク性に優れたプレコート金属板

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JP3363049B2
JP3363049B2 JP00690897A JP690897A JP3363049B2 JP 3363049 B2 JP3363049 B2 JP 3363049B2 JP 00690897 A JP00690897 A JP 00690897A JP 690897 A JP690897 A JP 690897A JP 3363049 B2 JP3363049 B2 JP 3363049B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はプレコート金属板に
関し、詳細には、家庭用電気機器や屋内或いは屋外装置
品等に好適に用いることのできる耐プレッシャーマーク
性に優れたプレコート金属板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】家庭用電気機器や屋内或いは屋外装置品
等の用途に用いられる金属板は、装飾性(美観)および
防食性を向上させる為に、通常その両面に塗装が施され
て使用される。近年、この塗装処理は益々多様化・高級
化する傾向にあり、例えば冷蔵庫、洗濯機、オーブンレ
ンジ等に使用する場合には光沢の高い外観が要求され、
一方、オーディオ・ビジュアル機器等に使用する場合に
は光沢を抑えた外観が要求されるといった具合に、各用
途に応じた美観を有する様に塗装することが要求されて
いる。尚この様に美観が要求される金属板の表面は化粧
面と呼ばれるのに対し、その裏側の面は非化粧面と呼ば
れ美観よりはむしろ防食が要求されるものである。 【0003】かかる塗装処理の方法は、公害防止、コス
ト低減、職場環境改善等を目指す最終製品メーカー側の
要望により、金属板を最終製品メーカー側においてプレ
ス成形してから塗装するというポストコート方式から、
製鉄所などの金属板供給側で予め塗装仕上しておき、こ
れを購入した最終製品メーカー側でプレス成形するとい
うプレコート方式に切り替わりつつある。後者のプレコ
ート方式によって供給される塗装金属板がプレコート金
属板である。 【0004】上記プレコート方式には、金属帯で塗装す
る方法と、金属帯を切断した切板(短尺金属板)にして
から塗装する方法がある。前者の方法では、塗装した金
属板に一定の張力を付与してコイル状に巻取り、後者の
方法では、金属帯を切断して金属切板にしてから塗装を
施した後、これらを積重ねて梱包・保管するものであ
る。 【0005】しかしながら、上記従来のプレコート金属
板では、プレッシャーマークが発生するという問題があ
る。即ち、上記プレコート方式においては、金属帯で塗
装する場合は、前述の如く塗装後のプレコート金属板は
一定の張力の付与下でコイル状に巻取られるが、このと
きプレコート金属板の表面の塗膜(塗装により金属板表
面に形成された膜)の表面には大きな圧力が加わり、そ
の為に非化粧塗装面(非化粧面に塗装された膜の表面)
の凹凸が化粧塗装面(化粧面に塗装された膜の表面)に
転写され、化粧塗装面の光沢が変化する現象が発生す
る。この現象がプレッシャーマークと呼ばれるものであ
る。また切板で塗装する場合には、前記の如く塗装後の
プレコート金属板を積重ねて梱包・保管するが、このと
き金属板重量が局部的に集中する部分にプレッシャーマ
ークが発生する。 【0006】上記のプレッシャーマークが発生したプレ
コート金属板は、本来の美麗な光沢が損なわれているの
で、商品価値を著しく低下させることになる。従って、
こうしたプレッシャーマークの発生は極めて深刻な問題
であり、その解決が切望されているのが実情である。 【0007】こうしたプレッシャーマークの発生を防止
する対策の一つとして、塗装後のプレコート金属板の塗
装表面に厚さ60μm程度の保護フィルムを貼付けるこ
とによって、その後(コイル巻取り時や積重ね時)のプ
レッシャーマークの発生を防止する方法も提案されてい
る。しかしながらこうした方法では、保護フィルムを使
用することによってコスト高になると共に、家電メーカ
ー等の使用者側でプレス成形加工をした後に保護フィル
ムを除去するのに多大な手間を要するという問題があ
る。 【0008】またプレッシャーマークの発生防止対策と
は言えないが、一旦発生したプレッシャーマークを消去
する方法として、プレッシャーマークの発生後に加温す
ることによって元の光沢を復元する方法も知られてお
り、特に家電メーカー等の使用者側において採用されて
いる。この方法はプレッシャーマークが発生した塗装を
軽く加熱すれば、元の光沢が復元するという原理を利用
したものである。しかしながらこの方法では、加温工程
の付加によって生産性の低下やコストアップを招くとい
う別の問題が生じる。 【0009】尚上記プレコート金属板は、巻取られたコ
イル若しくは積重ねた金属切板の表裏面が密着するとい
う所謂ブロッキングが発生することがある。このグロッ
キングが発生したプレコート金属板は、上下の板が密着
しているので、これを剥すのに多大な手間を要すると問
題が生じ、プレコート金属板ではこうしたブロッキング
が発生しないことも重要である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、従来
技術に指摘される前述の問題点を解決し、保護フィルム
の使用によるコストアップや手数の増大を招くことな
く、塗装後のコイル巻き取りや積重ねによるプレッシャ
ーマークの発生を効果的に抑制し得る様な、耐プレッシ
ャーマーク性に優れたプレコート金属板を提供すること
にある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明のプレコート金属板とは、金属板の片側に化粧面塗
膜を有し、その反対側に非化粧面塗膜を有するプレコー
ト金属板において、化粧面塗膜の中心線平均粗さRa
(μm)と非化粧面塗膜の中心線平均粗さRa(μm)
の差の絶対値を|△Ra|(μm)とし、また化粧面塗
膜のガラス転移温度Tg(℃)と非化粧面塗膜のガラス
転移温度Tg(℃)の差の絶対値を|△Tg|(℃)と
したとき、これらが夫々下記(1)式および(2)式を
満足する点に要旨を有するものである。 0.03≦|△Ra|≦0.6 …(1) 5≦|△Tg|≦42 …(2) 【0012】 【発明の実施の形態】プレッシャーマークは、前述の如
く塗装後の巻取りまたは積重ねの際に、プレコート金属
板の非化粧塗装面の凹凸が化粧面塗装面に転写されて発
生し、化粧塗膜面の光沢が変化する現象である。従っ
て、プレッシャーマークの発生を防止する方法として
は、プレコート金属板の表面(化粧面塗装面)と裏面
(非化粧塗装面)の塗膜の凹凸を近づけると共に、非化
粧塗装面の塗膜にクッション性を持たせることが有効で
あると考えられた。 【0013】本発明者らは、かかる観点から更に研究を
進めた結果、プレコート金属板の表裏の塗膜の表面粗度
を調整すると共に、化粧面塗装面の塗膜および非化粧塗
装面の塗膜の硬度、特にガラス転移温度の差を一定の範
囲に調整すれば、プレッシャーマークの発生を効果的に
防止できるとの知見を得た。以下、これらの点を主体に
して本発明の内容を詳細に説明する。 【0014】塗装膜の表面粗度は、塗装膜中に含まれる
顔料の粒径、含有率および分散度、並びに塗料のレベリ
ング性や樹脂硬化時の収縮状態等に支配されるが、顔料
の影響が最も大きい。従って、顔料の種類や配合料を変
えることによって、塗膜の表面粗度を調整することがで
きる。また塗膜のガラス転移温度Tgは、塗膜のビヒク
ル成分となる樹脂の組成や分子量、官能基および架橋剤
等に支配される。従って、樹脂の種類や架橋剤の配合量
を適切に選択することによって、化粧塗装面塗膜および
非化粧塗装塗膜のガラス転移温度Tgを調整することが
できる。 【0015】プレッシャーマークは、前述の如く裏面側
となる非化粧塗装面の凹凸が表面である化粧塗装面に転
写されることによって生じることに鑑み、化粧塗装面と
非化粧塗装面の表面粗度と塗膜硬度(特にガラス転移温
度)の相互関係を適正に調整してやれば、該転写による
プレッシャーマークの発生を抑制することができるので
はないかと考え、上記化粧塗装面と非化粧塗装面の表面
粗度とガラス転移温度の相互関係がプレッシャーマーク
に及ぼす影響について定量的に研究を進めてきた。 【0016】プレッシャーマークの発生による化粧塗装
面の光沢度の変化には、2種類の態様があり、 化粧塗装面が平滑で高光沢を好む場合には、平滑で高
光沢の化粧塗装面に非化粧塗装面の凹凸が転写されて粗
面化し、表面光沢を低下させ、また 化粧塗装面に微細凹凸を形成し、梨地肌の如く粗面化
による艶消しされたものを好む用途の場合は、梨地肌が
平滑されて光沢面となる。 【0017】即ち、プレッシャーマークは、単純に表面
の粗面化が問題になるの訳ではなく、粗面化された梨地
肌が平滑化されることが問題となる場合もあり、要する
に化粧塗装面の光沢度の変化が問題となるのである。従
って、非化粧塗装面の転写による化粧塗装面の光沢度変
化を抑えるには、両塗装面の粗度の絶対値を小さくする
ことが有効であると思われた。またプレッシャーマーク
は、前述の如く非化粧塗装面の凹凸が化粧塗装面に転写
されることによって発生するものであり、該転写を防止
するには、化粧塗装面の塗膜硬度を非化粧塗装面の塗膜
硬度よりも高くすることが有効であると考えられた。 【0018】本発明に係るプレコート金属板において、
化粧面側の塗膜(化粧面塗膜)の光沢は、プレッシャー
マークによって大きく変化するものであり、化粧面塗膜
と非化粧面側の塗膜(非化粧面塗膜)の表面粗度の差が
大きいほど、その光沢の変化が大きくなる傾向がある。
一方、塗装金属板を使用するユーザ側で問題とされるの
は、表面塗膜に生じる光沢の変化であることから、本発
明ではその光沢変化を目立ちにくくできるような化粧面
塗膜と非化粧面塗膜の表面粗さの差を規定したのであ
る。 【0019】耐プレッシャーマーク性には、化粧面塗膜
と非化粧面塗膜の中心線平均粗さRaの差およびガラス
転移温度Tgの差が影響するが、これらの中でも特に影
響を及ぼすのは、中心線平均粗さRaであり、この中心
線平均粗さの差が0であれば、プレッシャーマークの発
生は見られないが、その反面耐ブロッキング性が著しく
低下する。プレッシャーマークの発生の程度は、化粧面
塗膜と非化粧面塗膜の表面粗さが関係するが、発生の有
無については化粧面塗膜と非化粧面塗膜の塗膜硬度の差
が影響し、この塗膜硬度は塗膜のガラス転移温度Tgに
よって決定される。 【0020】通常、化粧面塗膜の硬度<非粧面塗膜の硬
度の関係があるが、非化粧面塗膜のガラス転移温度Tg
が化粧面塗膜のガラス転移温度Tgに比べて高過ぎる
と、非化粧面塗膜の凹凸が化粧面塗膜に転写されてしま
うことになる。ところがこれとは逆に、ガラス転移温度
Tgの差が小さいとき、即ち非化粧面塗膜のガラス転移
温度Tgが化粧面塗膜のガラス転移温度Tgにの近いと
きには、非化粧面の塗膜がクッション効果を発揮するこ
とになり、プレッシャーマークは発生しにくくなる。 【0021】プレッシャーマークは、前述した様に塗装
後のコイル巻取り若しくは切板積層の際に、プレコート
金属板の非化粧塗装面の凹凸が化粧塗装面に転写されて
発生して化粧塗装面の光沢が変化する現象である。従っ
て、プレコート金属板の化粧面塗膜と非化粧面塗膜の表
面粗さ(凹凸)の差を小さくし、且つ化粧面塗膜に比べ
て表面硬度の高い非化粧面塗膜にクッション性を持たせ
ることがプレッシャーマークの発生防止に有効となるの
ではないかとの着想の下、種々研究を進めた。その結
果、プレコート金属板の化粧面塗膜と非化粧面塗膜の表
面粗さおよび両塗膜のガラス転移温度Tgの差を夫々所
定の範囲内に調整すれば、プレッシャーマークの発生を
効果的に防止できるとの知見が得られた。 【0022】そこでこうした知見に基づき、プレッシャ
ーマークを効果的に防止することのできる条件について
詳細に検討を進めたところ、化粧面塗膜の中心線平均粗
さRa(μm)と非化粧面塗膜の中心線平均粗さRa
(μm)の差の絶対値を|△Ra|(μm)とし、また
化粧面塗膜のガラス転移温度Tg(℃)と非化粧面塗膜
のガラス転移温度Tg(℃)の差の絶対値を|△Tg|
(℃)としたとき、これらが夫々下記(1)式および
(2)式を満足する様に、中心線平均粗さRaとガラス
転移温度Tgを調整してやれば、巻取り時若しくは積層
時におけるプレッシャーマークの発生が可及的に抑えら
れることを見出し、本発明を完成した。 0.03≦|△Ra|≦0.6 …(1) 5≦|△Tg|≦42 …(2) 【0023】尚上記式の算出基準となる中心線平均粗さ
Raおよびガラス転移温度Tgは、下記の方法によって
測定した値である。 (中心線平均粗さRa)表面粗さ形状測定機[東京精密
(株)製]にて、中心線線平均粗さを測定した。このと
きの測定条件は、下記,の通りである。 測定長さ :25.4mm カットオフ:0.8mm (ガラス転移温度Tg)熱流束型示差熱量計「SSC5
200 DSC 220型」[商品名:セイコー電子工
業(株)製]を用いて、下記〜の条件にて測定し
た。 試料の量:約10mg 加熱速度:10℃/min 加熱範囲:−50〜200℃ 標準物質:アルミナ 試料容器:アルミ製、密封型 雰囲気 :窒素ガス、30ml/min 冷却媒体:液体窒素 【0024】次に、上記各式における数値範囲を限定し
た理由について説明する。まず前記|△Ra|の値が
0.6(μm)を超えると、両塗装面の粗度差が大きく
なり、ガラス転移温度Tgの調節によって塗膜のクショ
ン効果を向上させたとしても、塗装後のコイル巻取りや
切板積層の際に非化粧塗装面の凹凸が化粧塗装面に転写
されることは避けられず、その結果としてプレッシャー
マークの発生を防止することができなくなる。 【0025】また|△Ra|の値が0.03(μm)よ
りも小さくなると、耐プレッシャーマーク性の効果が得
られるものの、化粧面塗膜と非化粧面塗膜の表面粗さが
同程度となるので、塗装後のコイル巻取りや切板積層の
際に、化粧面塗膜と非化粧面塗膜がブロッキングし、引
き剥した後の表面外観が不良となる。尚化粧面塗膜およ
び非化粧面塗膜の表面粗さは、塗膜中の顔料の添加濃度
によって変化し、また表面粗さ(光沢)はユーザの要求
によっても異なってくるが、通常の中心線平均粗さRa
で0.1〜0.7μm程度である。 【0026】一方、前記|△Tg|の値が42(℃)を
超えると、非化粧面塗膜のクッション効果が十分に得ら
れず、前記|△Ra|の値を適切に調整してもプレッシ
ャーマークの発生を防止することができない。また|△
Tg|の値が5(℃)よりも小さくなると、耐プレッシ
ャーマーク性の効果が得られるものの、両塗膜の表面硬
度が同程度となるので、コイル巻取りや切板積層の際
に、化粧面塗膜と非化粧面塗膜がブロッキングし、引き
剥した後の外観が不良となる。尚プレコート金属板の要
求特性として耐疵付き性や加工性が良好であることが必
要であるが、これらの両特性を良好にするには、化粧面
塗膜のガラス転移温度Tgは一般的に20〜40℃程度
である。また非化粧面の塗装は、一般的にサービスコー
トと呼ばれており、化粧面ほど塗膜性能が要求されず、
こうしたことから非化粧面塗膜のガラス転移温度Tgは
40〜70℃程度が適当である。 【0027】かくして本発明によれば、化粧面塗膜およ
び非化粧面塗膜の特性自体を改善して耐プレッシャーマ
ーク性を高めることができ、従来の様に保護フィルム等
を使用する必要がなく、また加工々程の途中で加熱処理
等を行なう必要もなく、プレッシャーマークに由来する
品質劣化の問題を未然に回避することが可能となる。 【0028】尚本発明で用いられる金属板には特に制限
がなく、最も一般的な冷延鋼板の他、溶融亜鉛めっき鋼
板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板や
銅めっき鋼板、錫めっき鋼板等の各種めっき鋼板、更に
はステンレス鋼等の合金鋼板やアルミニウム板や銅板等
の非鉄金属板等の全てに適用可能である。これらに、塗
膜と原板との密着性を改善するという観点から、リン酸
塩処理やクロメート処理等の化成処理を施すことも有効
である。 【0029】またプレコート塗装に用いる塗料について
も一切制限がなく、ポリエステル系塗料、エポキシ系塗
料、ポリアミド系塗料、ポリウレタン系塗料等、公知の
全てのプレコート用塗料を適宜選択して用いることがで
きる。 【0030】以下、実施例に挙げて本発明を具体的に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術範囲に包含される。 【0031】 【実施例】本実施例に使用されるプレコート金属板用基
材として、厚さ:0.6mm、亜鉛付着量:45g/m
2 の溶融亜鉛めっき鋼板を使用した。まずこの鋼板をク
ロメート処理(Cr付着量:40g/m2 )した後、化
粧面塗装を想定し、プライマーコートおよびトップコー
トともポリエステル系塗料を用い、トップコートの塗料
中に硬化剤としてメラミン樹脂を添加した。また艶消し
剤として、粒径:3〜5μmのシリカを0〜10重量%
添加し、2コート2ベーク(2回塗り2回焼付け)塗装
を行ない、表面粗さ(中心線平均粗さRa)が異なり且
つガラス転移温度Tgが25℃の塗膜(化粧面塗膜に相
当)のプレコート金属板を作成した。 【0032】またこのとき、前述のポリエステル系塗料
(艶消し剤は無添加)を用い、メラミン系樹脂の添加量
を変化させ、塗膜のガラス転移温度が35℃、50℃、
70℃のプレコート鋼板を作成した。更に、ポリエステ
ル系塗料中のベース樹脂を変化させると共に、粒径:3
〜5μmのシリカを0〜10重量%添加し、塗膜の表面
粗さとガラス転移温度Tgの種々異なるプレコート鋼板
を作成した。これら化粧塗膜が施されたものを、塗装板
A(化粧面)とする。 【0033】一方、非化粧塗装面を想定し、一定量の着
色顔料および防錆顔料を含有したポリエステル系塗料
を、上記と同様の溶融亜鉛めっき鋼板(クロメート処理
を施したもの)に塗布してから焼付けを行ない、塗装板
Bを得た。このとき、ポリエステル系塗料中のベース樹
脂の種類、メラミン系樹脂(硬化剤)の添加量、或は粒
径:3〜5μmの艶消し剤の添加量等を変化させること
によって、非化粧面塗膜の表面粗さとガラス転移温度T
gを種々変化させた。 【0034】次に、得られた塗装板Aと塗装板Bとを、
化粧塗膜面を想定した塗膜(化粧面塗膜)と非化粧塗装
面を想定した塗膜(非化粧面塗膜)とが接するように重
ね、温度:40℃、加圧力:100kg/cm2 の条件
で24時間加圧状態にする熱プレス試験を行なった。こ
の試験の後、塗装板Aと塗装板Bを剥し、塗装板Aにつ
いて塗膜(化粧面相当の塗膜)を目視で観察し、プレッ
シャーマークの発生の有無を調べた。 ○:プレッシャーマークの発生なし(合格) ×:プレッシャーマークの発生あり(不合格) 【0035】また、同時にグロッキング現象の発生の有
無についても調べ、プレッシャーマーク試験後に塗装板
Aと塗装板Bとが剥れないものをグロッキングあり
(×:不合格)、容易に剥れるものをブロッキングなし
(○:合格)と評価した。これらの結果を表1に示す。 【0036】 【表1】 【0037】表1から明らかな様に、本発明で規定する
要件を満足する実施例(実験No. 1〜11)のものは、
いずれもプレッシャーマークの発生が見られず、且つブ
ロッキング現象も見られない。これに対して本発明で規
定する要件のいずれかを欠く比較例(No. 12〜16)
のものは、プレッシャーマークが発生したり、ブロッキ
ング現象が現れていることが分かる。 【0038】 【発明の効果】本発明のプレコート金属板は、以上の様
に構成されており、塗膜の組成を調整することにより得
られ、係る調整は一旦行なった後は定常化することがで
き、一定の条件下でプレコート金属板を製造できるの
で、従来の保護フィルム使用の如きコスト高や手間の増
大、また加工工程の途中で加熱処理等を行なう必要もな
く、コストアップや生産性の低下を招くことなく製造し
得ると共に、塗装後のコイル巻取りや切板積重ねの際等
に加圧されたとしても、プレッシャーマークが発生せ
ず、耐プレッシャーマーク性に優れているので、本来の
美麗な光沢を維持することができる。従って、家庭用電
気機器や屋内或いは屋外装置品等の分野において、塗膜
の加熱による光沢度復元措置等の手間が要することな
く、経済性良く好適に使用できるという効果を奏するも
のである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 30/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属板の片側に化粧面塗膜を有し、その
    反対側に非化粧面塗膜を有するプレコート金属板におい
    て、化粧面塗膜の中心線平均粗さRa(μm)と非化粧
    面塗膜の中心線平均粗さRa(μm)の差の絶対値を|
    △Ra|(μm)とし、また化粧面塗膜のガラス転移温
    度Tg(℃)と非化粧面塗膜のガラス転移温度Tg
    (℃)の差の絶対値を|△Tg|(℃)としたとき、こ
    れらが夫々下記(1)式および(2)式を満足すること
    を特徴とする耐プレッシャーマーク性に優れたプレコー
    ト金属板。 0.03≦|△Ra|≦0.6 …(1) 5≦|△Tg|≦42 …(2)
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